JP2018206578A - リチウム空気電池用電解液、リチウム空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウム空気電池において、過電圧を抑制することができるリチウム空気電池用電解液およびリチウム空気電池用電解液を備えたリチウム空気電池を提供する。【解決手段】本発明のリチウム空気電池用電解液は、過酸化水素を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウム空気電池用電解液およびリチウム空気電池用電解液を備えたリチウム空気電池に関する。
リチウム空気電池は、正極活物質として空気中の酸素を用い、負極にリチウム金属を用いる二次電池である。リチウム空気電池は、例えば、正極(空気極)と負極(リチウム金属)が重ねられ、これらの電極の間に電解液が注入されている。
リチウム空気電池は、空気中の酸素(O2)を電気化学反応に利用している。リチウム空気電池における理想的な電気化学反応は、次のような反応である。リチウム空気電池が放電する場合、空気極にて、外部回路からの電子と、負極のリチウム金属から電解液中に溶け出したリチウムイオン(Li+)とが、空気極中に拡散してきた酸素と還元反応を起こして、過酸化リチウム(Li2O2)が析出する。一方、リチウム空気電池に充電する場合、空気極にて、過酸化リチウムが酸素発生反応を伴って分解し、リチウムイオンと酸素になる。
ところが、空気極における過酸化リチウムの発生反応では、過電圧が1.0V以上の高い値となる。このような高い過電圧により、空気極に用いられている炭素や触媒等が腐食することがある。
そこで、従来、本発明者らは、空気極の触媒として、炭素、ルテニウム(Ru)および二酸化マンガン(MnO2)を用い、電解液として、微量の水を含むジメチルスルホキシド(DMSO)を用いることにより、過電圧を低減することを検討した(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、従来、本発明者らは、空気極の触媒として、炭素、ルテニウム(Ru)および二酸化マンガン(MnO2)を用い、電解液として、微量の水を含むジメチルスルホキシド(DMSO)を用いることにより、過電圧を低減することを検討した(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、ジメチルスルホキシドは揮発しやすいため、開放系のリチウム空気電池には適用し難い。そこで、本発明者らは、電解液として、ジメチルスルホキシドの代わりに、揮発し難いテトラグライム(G4)を用いるとともに、空気極の触媒として、炭素のみを用いることを検討した(例えば、非特許文献2参照)。リチウム空気電池の放電により生成した過酸化リチウムは、空気中で保存すると、空気中の水分と反応して、水酸化リチウム(LiOH)と水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)となる。空気極の触媒として、炭素のみを用いた場合、電解液として、微量の水を含むテトラグライムを用いても、空気極にて、水酸化リチウムと水酸化リチウム一水和物を分解して、リチウムイオンと酸素とする際の過電圧が高いという課題があった。
Fujun Li,Shichao Wu,De Li,Tao Zhang,Ping He,Atsuo Yamada,Haoshen Zhou,"The water catalysis at oxygen cathodes of lithium−oxygen cells",Nature Communications,6,(2015),7843
Shichao Wu,Jing Tang,Fujun Li,Xizheng Liu and Haoshen Zhou,"Low Charge Overpotentials in Lithium−Oxygen Batteries Based on Tetraglyme Electrolytes with Limited Amount of Water",Chemical Communications,51,(2015),16860−16863
Shichao Wu,Jing Tang,Fujun Li,Xizheng Liu,Yusuke Yamauchi,Masayoshi Ishida,and Haoshen Zhou,"A Synergistic System for Lithium−Oxygen Batteries in Humid Atmosphere Integrating a Composite Cathode and a Hydrophobic Ionic Liquid−Based Electrolyte",Advanced Functional Materials,26,(2016),3291−3298
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リチウム空気電池において、過電圧を抑制することができるリチウム空気電池用電解液およびリチウム空気電池用電解液を備えたリチウム空気電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、過酸化物を含む電解液を用いることにより、リチウム空気電池における過電圧が抑制され、その結果として、リチウム空気電池が長寿命となることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]過酸化水素を含むリチウム空気電池用電解液。
[2]有機化合物を含む[1]に記載のリチウム空気電池用電解液。
[3]前記有機化合物が尿素である[2]に記載のリチウム空気電池用電解液。
[4]水を含む[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウム空気電池用電解液。
[5]過酸化水素を生成する物質を含む[1]〜[4]のいずれかに記載のリチウム空気電池用電解液。
[6]液体状過酸化物を含むことを特徴とするリチウム空気電池用電解液。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載のリチウム空気電池用電解液を備えたことを特徴とするリチウム空気電池。
本発明によれば、リチウム空気電池において、過電圧を抑制することができるリチウム空気電池用電解液およびリチウム空気電池用電解液を備えたリチウム空気電池を提供することができる。
本発明のリチウム空気電池用電解液およびリチウム空気電池用電解液を備えたリチウム空気電池の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[リチウム空気電池用電解液]
(1)第1実施形態
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、過酸化水素(H2O2)を含む。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、主成分である電解液と、過酸化水素と、を含む。
(1)第1実施形態
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、過酸化水素(H2O2)を含む。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、主成分である電解液と、過酸化水素と、を含む。
電解液としては、イオン液体あるいは難揮発性の有機電解液が好ましい。
イオン液体あるいは難揮発性の有機電解液としては、例えば、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル、G3)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、G4)等が挙げられる。これらの中でも、室温におけるリチウムイオンの伝導率が高いという観点から、テトラグライムがより好ましい。
イオン液体あるいは難揮発性の有機電解液としては、例えば、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル、G3)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、G4)等が挙げられる。これらの中でも、室温におけるリチウムイオンの伝導率が高いという観点から、テトラグライムがより好ましい。
電解液は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩等の種々の添加剤を含んでいてもよい。
電解液における添加剤の含有量は、特に限定されない。添加剤としてリチウム塩を用いる場合、電解液におけるリチウム塩の含有量は、0.05mol/L以上1.0mol/L以下であることが好ましく、0.2mol/L以上1.0mol/L以下であることがより好ましい。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液における過酸化水素の含有量(濃度)は、特に限定されない。本実施形態のリチウム空気電池用電解液における過酸化水素の濃度は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における過酸化水素の濃度が上記の範囲内であると、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、有機化合物を含んでいてもよい。有機化合物としては、リチウム空気電池用電解液に含まれる過酸化水素と結合して、リチウム空気電池用電解液中に過酸化水素を安定に存在させることができるものであれば特に限定されない。有機化合物の中でも、リチウム空気電池用電解液に含まれる過酸化水素と容易に結合して尿素過酸化水素(CH4N2O・H2O2)を形成し、リチウム空気電池用電解液中に過酸化水素をより安定に存在させることができる点から、尿素が好ましい。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液における有機化合物の含有量(濃度)は、本実施形態のリチウム空気電池用電解液における過酸化水素の含有量(濃度)に応じて適宜調整される。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液が尿素を含む場合、本実施形態のリチウム空気電池用電解液における尿素の濃度は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における尿素の濃度が上記の範囲内であると、リチウム空気電池用電解液中に過酸化水素をより安定に存在させることができる。そのため、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液が尿素を含む場合、本実施形態のリチウム空気電池用電解液における尿素の濃度は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における尿素の濃度が上記の範囲内であると、リチウム空気電池用電解液中に過酸化水素をより安定に存在させることができる。そのため、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、水を含んでいてもよい。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液における水の含有量(濃度)は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における水の濃度が上記の範囲内であると、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液における水の含有量(濃度)は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における水の濃度が上記の範囲内であると、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、過酸化水素を生成する物質を含んでいてもよい。このような物質としては、上記の電解液に溶解し、空気中の酸素と反応すると、酸化されて過酸化水素を生成するものであれば特に限定されない。このような物質としては、例えば、2−エチルアントラヒドロキノン、2−アミルアントラヒドロキノン、アントラキノン等が挙げられる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液によれば、過酸化水素を含むため、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池における過電圧を抑制することができる。その結果として、リチウム空気電池は長寿命となる。
なお、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、ゲル状であってもよい。
(2)第2実施形態
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、液体状過酸化物を含む。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、主成分である電解液と、液体状過酸化物と、を含む。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、液体状過酸化物を含む。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、主成分である電解液と、液体状過酸化物と、を含む。
電解液としては、第1実施形態と同様のものが用いられる。
液体状過酸化物としては、例えば、尿素過酸化水素と同様の性質を有するものが挙げられる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液における液体状過酸化物の含有量(濃度)は、特に限定されない。本実施形態のリチウム空気電池用電解液における液体状過酸化物の濃度は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。リチウム空気電池用電解液における液体状過酸化物の濃度が上記の範囲内であると、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池は、過電圧が抑制され、その結果として、長寿命となる。
本実施形態のリチウム空気電池用電解液によれば、液体状過酸化物を含むため、このリチウム空気電池用電解液を備えるリチウム空気電池における過電圧を抑制することができる。その結果として、リチウム空気電池は長寿命となる。
なお、本実施形態のリチウム空気電池用電解液は、ゲル状であってもよい。
[リチウム空気電池]
本実施形態のリチウム空気電池は、上述の実施形態のリチウム空気電池用電解液を備える。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池は、正極(空気極)と、上述の第1実施形態または第2実施形態のリチウム空気電池用電解液と、負極と、を備える。
本実施形態のリチウム空気電池は、正極と負極の間に、必要に応じてセパレータを備えていてもよい。
本実施形態のリチウム空気電池は、上述の実施形態のリチウム空気電池用電解液を備える。詳細には、本実施形態のリチウム空気電池は、正極(空気極)と、上述の第1実施形態または第2実施形態のリチウム空気電池用電解液と、負極と、を備える。
本実施形態のリチウム空気電池は、正極と負極の間に、必要に応じてセパレータを備えていてもよい。
正極(空気極)としては、例えば、金、白金等の貴金属、マンガン酸化物、コバルト酸化物、酸化ニッケル、酸化鉄および酸化銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒を担持する多孔質カーボンまたは微細化カーボンが好適に用いられる。
負極としては、例えば、リチウム金属、リチウムカーボン、リチウムシリコン、リチウムアルミニウム、リチウムインジウム、リチウム錫、窒化リチウム等が挙げられる。これらの中でも、リチウム空気電池を構成した場合、大容量となり、かつサイクル安定性に優れる点から、金属リチウムが好適に用いられる。
セパレータとしては、例えば、リチウムイオン高伝導性ガラスセラミック(LISICON)膜が挙げられる。
本実施形態のリチウム空気電池によれば、上述の実施形態のリチウム空気電池用電解液を備えるため、過電圧を抑制することができる。その結果として、本実施形態のリチウム空気電池は長寿命となる。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
「リチウム空気電池の作製」
(空気極の作製)
ケッチェンブラック粒子(平均粒子径34nm)と、ポリテトラフルオロエチレン(60質量%溶液、三井・デュポンフロロケミカル社製)とを混合した。
この混合物を、カーボンペーパー(厚さ300μm±30μm、商品名:Sigracet 35BA、Ion Power社製)の一主面に圧着して、厚さ約0.1mm±0.05mmのケッチェンブラック粒子とポリテトラフルオロエチレン粒子からなる電極層を有する空気極を得た。
「リチウム空気電池の作製」
(空気極の作製)
ケッチェンブラック粒子(平均粒子径34nm)と、ポリテトラフルオロエチレン(60質量%溶液、三井・デュポンフロロケミカル社製)とを混合した。
この混合物を、カーボンペーパー(厚さ300μm±30μm、商品名:Sigracet 35BA、Ion Power社製)の一主面に圧着して、厚さ約0.1mm±0.05mmのケッチェンブラック粒子とポリテトラフルオロエチレン粒子からなる電極層を有する空気極を得た。
(電解液の調製)
分子ふるいを用い、1週間かけて、テトラグライム(Sigma−Aldrich社製)に含まれる水を除去した。この処理後のテトラグライムにおける水の含有量は、10−20ppmであった。
テトラグライム0.01Lに対して、120℃にて24時間、真空乾燥したリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI、和光純薬工業社製)2870.8mgを加えて、1.0mol/LのLiTFSIのテトラグライム電解液(G4)を調製した。
分子ふるいを用い、1週間かけて、テトラグライム(Sigma−Aldrich社製)に含まれる水を除去した。この処理後のテトラグライムにおける水の含有量は、10−20ppmであった。
テトラグライム0.01Lに対して、120℃にて24時間、真空乾燥したリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI、和光純薬工業社製)2870.8mgを加えて、1.0mol/LのLiTFSIのテトラグライム電解液(G4)を調製した。
(過酸化水素を含むリチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)の調製)
上記のテトラグライム電解液(G4)に、水と過酸化水素の混合液を加えて、実験例1のリチウム空気電池用電解液を調製した。
水と過酸化水素の混合液における過酸化水素の含有量は、混合液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
リチウム空気電池用電解液における混合液の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
上記のテトラグライム電解液(G4)に、水と過酸化水素の混合液を加えて、実験例1のリチウム空気電池用電解液を調製した。
水と過酸化水素の混合液における過酸化水素の含有量は、混合液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
リチウム空気電池用電解液における混合液の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
(リチウム空気電池の作製)
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、実験例1のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例1のリチウム空気電池を作製した。
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、実験例1のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例1のリチウム空気電池を作製した。
[実験例2]
「リチウム空気電池の作製」
(過酸化水素を含まないリチウム空気電池用電解液(G4−H2O)の調製)
実験例1のテトラグライム電解液(G4)に、水を加えて、実験例2のリチウム空気電池用電解液を調製した。
リチウム空気電池用電解液における水の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
「リチウム空気電池の作製」
(過酸化水素を含まないリチウム空気電池用電解液(G4−H2O)の調製)
実験例1のテトラグライム電解液(G4)に、水を加えて、実験例2のリチウム空気電池用電解液を調製した。
リチウム空気電池用電解液における水の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、30質量%であった。
(リチウム空気電池の作製)
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、実験例2のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例2のリチウム空気電池を作製した。
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、実験例2のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例2のリチウム空気電池を作製した。
[実験例3]
「リチウム空気電池の作製」
(尿素過酸化水素を含むリチウム空気電池用電解液(G4−UH2O2)の調製)
実験例1のテトラグライム電解液(G4)に、尿素過酸化水素を加えて、実験例3のリチウム空気電池用電解液を調製した。
リチウム空気電池用電解液における尿素過酸化水素の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、5質量%であった。
「リチウム空気電池の作製」
(尿素過酸化水素を含むリチウム空気電池用電解液(G4−UH2O2)の調製)
実験例1のテトラグライム電解液(G4)に、尿素過酸化水素を加えて、実験例3のリチウム空気電池用電解液を調製した。
リチウム空気電池用電解液における尿素過酸化水素の含有量は、リチウム空気電池用電解液全体を100質量%とした場合、5質量%であった。
(リチウム空気電池の作製)
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、実験例3のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例3のリチウム空気電池を作製した。
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、実験例3のリチウム空気電池用電解液とを用いて、実験例3のリチウム空気電池を作製した。
[実験例4]
「リチウム空気電池の作製」
(リチウム空気電池の作製)
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、上記のテトラグライム電解液(G4)とを用いて、実験例4のリチウム空気電池を作製した。
「リチウム空気電池の作製」
(リチウム空気電池の作製)
負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、正極として上記の空気極と、セパレータとして厚さ0.26mmのガラス繊維ろ紙(Whatman社製)と、上記のテトラグライム電解液(G4)とを用いて、実験例4のリチウム空気電池を作製した。
[リチウム空気電池の評価]
「実験例1および実験例2のリチウム空気電池の評価」
純酸素ガス雰囲気下、リチウム空気電池について、電流30μAで、50時間放電した。
放電後のリチウム空気電池を分解し、放電生成物を含む正極を、湿度75%RHのアルゴンガス雰囲気中に7日間保存した。
その後、X線回折装置(商品名:Bruker D8 Advanced diffractometer、Bruker社製)を用いて、放電生成物を分析した結果、放電生成物である過酸化リチウム(Li2O2)が、水酸化リチウム(LiOH)と水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)となったことが確認された。
次に、負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、アルゴガス雰囲気中に保存した正極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)とを用いて、リチウム空気電池を作製し、そのリチウム空気電池について、電流30μAで、電圧制限(cut−off)4.5Vで充電した。
また、負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、アルゴガス雰囲気中に保存した正極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O)とを用いて、リチウム空気電池を作製し、そのリチウム空気電池について、電流30μAで、電圧制限(cut−off)4.5Vで充電した。
これらの結果を図1に示す。
図1において、E0=2.96Vは、化学反応式:2Li++O2+e−⇔Li2O2で表わされる過酸化リチウム(Li2O2)の生成あるいは分解の理論電圧である。
また、図1において、曲線(i)は放電で生成したLi2O2を示す。曲線(ii)は曲線(i)で生成したLi2O2が、湿度がある環境において1週間を経てLiOHとLiOH・H2Oになっていることを示す。曲線(iii)はLiOHとLiOH・H2Oを含むリチウム空気電池用電解液(G4−H2O)を用いたリチウム空気電池の充電曲線を示す。曲線(iv)はLiOHとLiOH・H2Oを含むリチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)を用いたリチウム空気電池の充電曲線を示す。
「実験例1および実験例2のリチウム空気電池の評価」
純酸素ガス雰囲気下、リチウム空気電池について、電流30μAで、50時間放電した。
放電後のリチウム空気電池を分解し、放電生成物を含む正極を、湿度75%RHのアルゴンガス雰囲気中に7日間保存した。
その後、X線回折装置(商品名:Bruker D8 Advanced diffractometer、Bruker社製)を用いて、放電生成物を分析した結果、放電生成物である過酸化リチウム(Li2O2)が、水酸化リチウム(LiOH)と水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)となったことが確認された。
次に、負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、アルゴガス雰囲気中に保存した正極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)とを用いて、リチウム空気電池を作製し、そのリチウム空気電池について、電流30μAで、電圧制限(cut−off)4.5Vで充電した。
また、負極として厚さ0.5mmの金属リチウムと、アルゴガス雰囲気中に保存した正極と、セパレータとして厚さ0.6mmのリチウムイオン高伝導性ガラスセラミック膜(オハラ社製)と、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O)とを用いて、リチウム空気電池を作製し、そのリチウム空気電池について、電流30μAで、電圧制限(cut−off)4.5Vで充電した。
これらの結果を図1に示す。
図1において、E0=2.96Vは、化学反応式:2Li++O2+e−⇔Li2O2で表わされる過酸化リチウム(Li2O2)の生成あるいは分解の理論電圧である。
また、図1において、曲線(i)は放電で生成したLi2O2を示す。曲線(ii)は曲線(i)で生成したLi2O2が、湿度がある環境において1週間を経てLiOHとLiOH・H2Oになっていることを示す。曲線(iii)はLiOHとLiOH・H2Oを含むリチウム空気電池用電解液(G4−H2O)を用いたリチウム空気電池の充電曲線を示す。曲線(iv)はLiOHとLiOH・H2Oを含むリチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)を用いたリチウム空気電池の充電曲線を示す。
図1の結果から、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O−H2O2)を用いた実験例1のリチウム空気電池は、リチウム空気電池用電解液(G4−H2O)を用いた実験例2のリチウム空気電池と比べて、過電圧が著しく低くなることが確認された。
「実験例3のリチウム空気電池の評価」
リチウム空気電池用電解液(G4−UH2O2)を用いた実験例3のリチウム空気電池について充放電サイクル測定を行った。リチウム空気電池について、電流密度500mAg−1で、2時間放電、2時間充電のサイクル特性を評価した。
結果を図2に示す。図2において、「1、2、3、4、5、10、20、30、40、50」等の数字は、サイクル数を示している。
リチウム空気電池用電解液(G4−UH2O2)を用いた実験例3のリチウム空気電池について充放電サイクル測定を行った。リチウム空気電池について、電流密度500mAg−1で、2時間放電、2時間充電のサイクル特性を評価した。
結果を図2に示す。図2において、「1、2、3、4、5、10、20、30、40、50」等の数字は、サイクル数を示している。
「実験例4のリチウム空気電池の評価」
テトラグライム電解液(G4)を用いた実験例4のリチウム空気電池について充放電サイクル測定を行った。リチウム空気電池について、電流密度500mAg−1で、2時間放電、2時間充電のサイクル特性を評価した。
結果を図3に示す。図3において、「1、10、20、21、22、23」等の数字は、サイクル数を示している。
テトラグライム電解液(G4)を用いた実験例4のリチウム空気電池について充放電サイクル測定を行った。リチウム空気電池について、電流密度500mAg−1で、2時間放電、2時間充電のサイクル特性を評価した。
結果を図3に示す。図3において、「1、10、20、21、22、23」等の数字は、サイクル数を示している。
図2および図3の結果から、リチウム空気電池用電解液(G4−UH2O2)を用いた実験例3のリチウム空気電池は、テトラグライム電解液(G4)を用いた実験例4のリチウム空気電池と比べて、サイクル寿命が長くなることが確認された。
本発明のリチウム空気電池用電解液は、リチウム空気電池の電解液として用いることにより、リチウム空気電池の過電圧が抑制され、リチウム空気電池が長寿命となり、産業上の利用可能性が極めて高い。
Claims (7)
- 過酸化水素を含むことを特徴とするリチウム空気電池用電解液。
- 有機化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気電池用電解液。
- 前記有機化合物が尿素であることを特徴とする請求項2に記載のリチウム空気電池用電解液。
- 水を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム空気電池用電解液。
- 過酸化水素を生成する物質を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム空気電池用電解液。
- 液体状過酸化物を含むことを特徴とするリチウム空気電池用電解液。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム空気電池用電解液を備えたことを特徴とするリチウム空気電池。
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---|---|---|---|---|
WO2022225067A1 (ja) * | 2021-04-23 | 2022-10-27 | 光廣 佐想 | 双極子電気二重層からなるセパレータ及びそれをセパレータとするイオン導電性電池 |
WO2023033070A1 (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-09 | クロステクノロジーラボ株式会社 | 銅又は銅合金からなるカソード電極 |
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- 2017-06-02 JP JP2017109848A patent/JP2018206578A/ja active Pending
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WO2022225066A1 (ja) * | 2021-04-23 | 2022-10-27 | 光廣 佐想 | 過酸化水素を含む電気二重層を備える空気極及びそれを用いる金属空気電池 |
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