JP2018204993A - 物理量測定装置 - Google Patents

物理量測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018204993A
JP2018204993A JP2017107331A JP2017107331A JP2018204993A JP 2018204993 A JP2018204993 A JP 2018204993A JP 2017107331 A JP2017107331 A JP 2017107331A JP 2017107331 A JP2017107331 A JP 2017107331A JP 2018204993 A JP2018204993 A JP 2018204993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
sub
circuit package
gas
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017107331A
Other languages
English (en)
Inventor
真里 彦田
Mari Hikoda
真里 彦田
中田 圭一
Keiichi Nakada
圭一 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2017107331A priority Critical patent/JP2018204993A/ja
Publication of JP2018204993A publication Critical patent/JP2018204993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

【課題】吸気管径のダウンサイジングに応じて、内燃機関からの輻射熱影響による温度計測誤差を低減できる物理量測定装置を提供する。【解決手段】物理量測定装置の温度検出部452は、主通路から取り込まれた被計測気体30を流すための第2の副通路399と、第2の副通路を流れる被計測気体の温度を計測するための温度検出部452を備え、第2副通路を成形するための表側第2副通路溝398と裏側第2副通路溝399と回路パッケージを固定するための固定部とを備えるハウジング302と、ハウジングに成形された表側第2副通路溝と裏側第2副通路溝を覆うことにより第2の副通路を成形する表カバー303と裏カバー304を備え、第2通路溝の内部に温度検出部を配置することができ、吸気管径のダウンサイジングに対し内燃機関からの輻射熱影響による温度計測誤差を低減できる。【選択図】図9

Description

本発明は、内燃機関の吸入空気通路に流れる空気および温度を測定する物理量測定装置に関する。
内燃機関の空燃比を正確に制御する最も一般的な方法に、吸入空気流量と吸入空気温度を測定し、燃焼状態が最適となる燃料噴射量を逐次演算する手段がある。熱式流量測定装置は、内燃機関に導かれる吸入空気量の一部を取り込む副通路と前記副通路に配置された流量検出部とサーミスタ等からなる温度検出部を備え、流量検出部を加熱温度制御する電子制御回路部を備えている。従来の流量測定装置は、内燃機関からの熱影響を受け難くするために温度検出部を構成するサーミスタ素子を内燃機関の吸入管路内の内燃機関からの輻射熱の影響を受けにくい位置に配置し吸入空気温度を正確に計測することを図ったものが知られている。
このような技術を用いた構成としては、例えば特許文献1に記載された流量測定装置がある。
特開2014−224832号公報
特許文献1に記載されている熱式流量計は、気筒数および排気量低減を目的とした吸気管径のダウンサイジングに対し、温度検出部が内燃機関からの輻射熱の影響を受け、計測誤差をもつ課題がある。
本発明の目的は、吸気管径のダウンサイジングに対し温度検出部の計測精度に優れた物理量測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の物理量測定装置は次のように構成される。
主通路から取り込まれた被計測気体を流すための第1の副通路と、前記第1の副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達面を介して熱伝達を行うことにより流量を計測するための流量検出部を備え、また、主通路から取り込まれた被計測気体を流すための第2の副通路と、前記第2の副通路を流れる被計測気体の温度を計測するための温度検出部を備える物理量測定装置であって、接続端子と前記流量検出部および前記温度検出部を備える回路パッケージと、前記第1の副通路を形成するための第1副通路溝および第2副通路を形成するための第2副通路溝と前記回路パッケージを固定するための固定部とを備えるハウジングと、前記ハウジングに形成された前記第1副通路溝および第2副通路溝を覆うことにより前記第1の副通路および第2の副通路を形成するカバーとを備え、前記回路パッケージは、前記流量検出部および前記温度検出部と接続端子の一部が第1樹脂モールド工程により第1樹脂で一体に成形されており、更に前記第1樹脂モールド工程により、前記熱伝達面を備える計測用流路面が前記回路パッケージの表面に形成されており、第2樹脂による第2樹脂モールド工程で、前記第1副通路溝と前記第2副通路溝と前記回路パッケージを固定するための固定部を備える前記ハウジングが形成され、前記第1モールド工程により前記回路パッケージの表面に形成された前記熱伝達面を備える前記計測用流路面が、前記第2モールド工程による前記第1副通路溝の成形により、前記第1副通路溝の内部に配置され、かつ、前記回路パッケージの温度検出部が前記第2モールド工程による前記第2副通路溝の成形により、前記第2副通路溝の内部に配置され、さらに前記第2モールド工程で前記ハウジングの固定部が成形されることにより、前記回路パッケージが前記ハウジングに固定される。
本発明によれば、第2通路溝の内部に温度検出部を配置することができ、吸気管径のダウンサイジングに対し内燃機関からの輻射熱影響による温度計測誤差を低減できる物理量測定装置を提供することができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
内燃機関制御システムに本発明に係る物理量測定装置を使用した一実施例を示すシステム図である。 物理量測定装置の左側面図 物理量測定装置の正面図 物理量測定装置の右側面図 物理量測定装置の背面図 ハウジングの左側面図 ハウジングの正面図 ハウジングの右側面図 ハウジングの背面図 従来例における主通路124と計測部310の関係を示す図 実施例における主通路124と計測部310の関係を示す図 表カバーの外観の左側面図 表カバーの外観の正面図 表カバーの外観の平面図 表カバーの外観の下面図 裏カバーの外観の左側面図 裏カバーの外観の正面図 裏カバーの外観の平面図 裏カバーの外観の下面図 図2(B)のA−A断面図である。 回路パッケージの外観図(左側面図) 回路パッケージの外観図(正面図) 回路パッケージの外観図(背面図) 回路パッケージのリードに回路部品を搭載した状態を示す図である。 第1樹脂モールド工程後の回路パッケージの状態を示す図である。 図4(B)に示す物理量測定装置のハウジングの他の実施例を示すハウジングの正面図である。
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下実施例と記す)は、製品の使用上の色々な課題、特に車両の吸入空気量を計測する計測装置として使用するための色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。下記実施例が解決している色々な課題の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に記載した内容であり、また下記実施例が奏する色々な効果の一つが、発明の効果の欄に記載された効果である。
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
1. 内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに、本発明に係る物理量測定装置を使用した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ112とエンジンピストン114を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ボディ、スロットルボディ126、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は本発明に係る物理量測定装置300で計測され、計測された流量に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気である被計測気体30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気である被計測気体30と共に混合気を形成し、吸入弁116を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。
近年、多くの車では排気浄化や燃費向上に優れた方式として、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射弁152を取り付け、燃料噴射弁152から各燃焼室に燃料を直接噴射する方式が採用されている。物理量測定装置300は、図1に示す内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する方式だけでなく、各燃焼室に燃料を直接噴射する方式にも同様に使用できる。両方式とも物理量測定装置300の使用方法を含めた制御パラメータの計測方法および燃料供給量や点火時期を含めた内燃機関の制御方法の基本概念は略同じであり、両方式の代表例として吸気ポートに燃料を噴射する方式を図1に示す。
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁118から排気管に導かれ、排気24として排気管から車外に排出される。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度を制御して前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。
1.1 内燃機関制御システムの制御の概要
エアクリーナ122から取り込まれ主通路124を流れる吸入空気である被計測気体30の流量および温度が、物理量測定装置300により計測され、物理量測定装置300から吸入空気の流量および温度を表す電気信号が制御装置200に入力される。また、スロットルバルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制御装置200に入力される。排気24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。
制御装置200は、物理量測定装置300の出力である吸入空気の流量、および回転角度センサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度、に基づいて燃料噴射量や点火時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、また点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際にはさらに物理量測定装置300で計測される吸気温度やスロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置200はさらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ156により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
1.2 物理量測定装置の計測精度向上の重要性と熱式流量計の搭載環境
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも物理量測定装置300の出力を主パラメータとして演算される。従って物理量測定装置300の計測精度の向上や経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには物理量測定装置300により計測される吸入空気である被計測気体30の流量の計測精度の向上が極めて重要である。また物理量測定装置300が高い信頼性を維持していることも大切である。
物理量測定装置300が搭載される車両は温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行することとなる。物理量測定装置300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。さらに物理量測定装置300は内燃機関の振動を受ける環境に設置される。振動に対しても高い信頼性の維持が求められる。
また物理量測定装置300は内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して、物理量測定装置300に伝わる。物理量測定装置300は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を計測するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
車に搭載される物理量測定装置300は、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみでなく、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求められている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。物理量測定装置300が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。
2. 物理量測定装置300の構成
2.1 物理量測定装置300の外観構造
図2および図3は、物理量測定装置300の外観を示す図であり、図2(A)は物理量測定装置300の左側面図、図2(B)は正面図、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図である。物理量測定装置300はハウジング302と表カバー303と裏カバー304とを備えている。ハウジング302は、物理量測定装置300を主通路124である吸気管に固定するためのフランジ312と、外部機器との電気的な接続を行うための外部端子(コネクタ端子)を有する外部接続部305と、流量等を計測するための計測部310を備えている。計測部310の内部には、第1の副通路を作るための第1副通路溝及び、第2の副通路を作るための第2副通路溝が設けられており、さらに計測部310の内部には、主通路124を流れる被計測気体30の流量を計測するための流量検出部602(図11参照)や主通路124から第2の副通路を流れる被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452(図10参照)を備える回路パッケージ400が設けられている。
2.2 物理量測定装置300の外観構造に基づく効果
物理量測定装置300の第1の入口350及び第2の入口343が、フランジ312から主通路124の中心方向に向かって延びる計測部310の先端側に設けられているので、主通路124の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を第1の副通路及び第2副通路に取り込むことができる。このため物理量測定装置300は主通路124の内壁面から離れた部分の気体の流量や温度を測定することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。主通路124の内壁面近傍では、主通路124の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気体30の温度が異なる状態となり、主通路124内の主気体の平均的な状態と異なることになる。特に主通路124がエンジンの吸気管である場合は、エンジンからの熱の影響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路124の内壁面近傍の気体は、主通路124の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因となる。
主通路124の内壁面近傍では流体抵抗が大きく、主通路124の平均的な流速に比べ、流速が低くなる。このため主通路124の内壁面近傍の気体を被計測気体30として第1の副通路及び第2の副通路に取り込むと、主通路124の平均的な流速に対する流速の低下が計測誤差につながる恐れがある。図2および図3に示す物理量測定装置300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる薄くて長い計測部310の先端部に第1の入口350及び第2の入口343が設けられているので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、図2および図3に示す物理量測定装置300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる計測部310の先端部に第1の入口350及び第2の入口343が設けられているだけでなく、第1の副通路の出口352及び第2の副通路の出口344も計測部310の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
計測部310は主通路124の外壁から中央に向かう軸に沿って長く延びる形状を成しているが、幅は、図2(A)および図3(A)に記載の如く、狭い形状を成している。即ち物理量測定装置300の計測部310は、側面の幅が薄く正面が略長方形の形状を成している。これにより、物理量測定装置300は十分な長さの第1の副通路を備えることができ、被計測気体30に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる。このため、物理量測定装置300は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被計測気体30の流量を計測することが可能である。
2.3 温度検出部452の構造
計測部310の先端側に設けられた第1の副通路とは独立した第2の副通路が第1の副通路で囲まれた間に位置して、図2乃至図5に示すように、被計測気体30の流れの上流側に向かって開口する第2の入口343が形成されており、入口343の内部には被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452が配置されている。ハウジング302と表カバー303と裏カバー304とにより、被計測気体30を取り込むための入口343と第2の副通路が成形される。入口343から取り込まれた被計測気体30は第2の副通路の内部に設けられた温度検出部452に接触することで、温度検出部452によって温度が計測される。第2の副通路の内部に沿って被計測気体30が流れ、表カバー303に設けられた第2の出口344から主通路124に排出される。
2.4 温度検出部452に関係する効果
主通路124を流れる被計測気体30の流れに沿う方向の上流側から入口343に流入する気体の温度が第2の副通路に沿って流れ、第2の副通路内部に設けられた温度検出部452により計測され、さらにその気体が温度検出部452から第2の副通路に沿って第2の出口344に向かって流れることにより、温度検出部452の温度を被計測気体30の温度に近づく方向に冷却する作用を為す。
気筒数および排気量低減を目的とした吸気管径のダウンサイジングにより、例えば図6(A)に示すような従来形状をした物理量測定装置300の場合、内燃機関からの輻射熱の影響によりフランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310内の上流側外壁を通って、温度検出部452に熱が伝わり、温度の計測精度に影響を与える。図6(B)に示すような実施例の形状をした物理量測定装置300の場合、計測部310内に設けられた温度検出452(図4(B)参照)に被計測気体30が当たる構造となっているため、内燃機関からフランジ312あるいは熱絶縁部315から伝わる輻射熱の影響を低減できる。これらのことから計測精度が向上する。
また、第1の副通路のループ形状の内周壁面に囲われた空間内に温度検出部を配置するようにしている。汚損性向上等の観点から第1の副通路はループ形状となっているが、この場合、ループを形成するために、副通路の内周壁面に囲われる空間が形成される。この空間はデッドスペースとなるところ、温度検出部を形成することにより、有効利用可能となる。そのため、従来の構造に対してサイズアップする必要もないという効果も奏する。
2.5 計測部310の上流側側面と下流側側面の構造と効果
物理量測定装置300を構成する計測部310の上流側側面と下流側側面にそれぞれ上流側突起317と下流側突起318とが設けられている。上流側突起317と下流側突起318は根元に対して先端に行くに従い細くなる形状を成している。熱絶縁部315と第2の入口343との間に上流側突起317が設けられている。上流側突起317は断面積が大きく、フランジ312あるいは熱絶縁部315からの熱伝導が大きいが、第2の入口343の手前で上流側突起317が途切れている形状を成している。図2(B)や図3(B)に示すように、主通路124内に挿入される計測部310は、その両側面が大変狭く、さらに下流側突起318や上流側突起317が空気抵抗を低減する根元に対して先端が狭い形状を成している。このため、物理量測定装置300を主通路124に挿入したことによる流体抵抗の増大を抑制できる。また下流側突起318や上流側突起317が設けられている部分では、表カバー303や裏カバー304の両側部より、上流側突起317や下流側突起318が両サイドに突出する形状をしている。上流側突起317や下流側突起318は樹脂モールドで作られるので、空気抵抗の少ない形状に成形し易く、一方表カバー303や裏カバー304は広い冷却面を備える形状を成している。このため物理量測定装置300は、空気抵抗が低減され、さらに主通路124を流れる被計測気体により冷却されやすい効果を有している。
3. ハウジング302の全体構造とその効果
3.1 第1および第2の副通路と流量検出部および温度検出部の構造と効果
物理量測定装置300から表カバー303および裏カバー304を取り外したハウジング302の状態を図4および図5に示す。図4(A)はハウジング302の左側面図であり、図4(B)はハウジング302の正面図であり、図5(A)はハウジング302の右側面図であり、図5(B)はハウジング302の背面図である。
ハウジング302はフランジ312から計測部310が主通路124の中心方向に延びる構造を成しており、その先端側に第1の副通路を形成するための第1副通路溝および第2の副通路を形成するための第2副通路溝が設けられている。この実施例ではハウジング302の表裏両面に第1副通路溝および第2副通路溝が設けられており、図4(B)に表側第1副通路溝332および表側第2副通路398を示し、図5(B)に裏側第1副通路溝334および裏側第2副通路溝399を示す。第1の副通路の第1の入口350を形成するための第1の入口溝351と第1の出口352を形成するための第1の出口溝353および第2の副通路の入口343を形成するための入口溝368および第2副通路貫通孔396と出口344を形成するための出口溝398が、ハウジング302の先端部に設けられているので、主通路124の内壁面から離れた部分の気体を、言い換えると主通路124の中央部分に近い部分を流れている気体を被計測気体30として第1の入口350および第2の入口343から取り込むことができる。主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124の壁面温度の影響を受け、吸入空気などの主通路124を流れる気体の平均温度と異なる温度を有することが多い。また主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124を流れる気体の平均流速より遅い流速を示すことが多い。実施例の物理量測定装置300ではこのような影響を受け難いので、計測精度の低下を抑制できる。
上述した表側第1副通路溝332や裏側第1副通路溝334で作られる第1の副通路および表側第2副通路溝399や第2副通路貫通孔396や裏側第2副通路溝398で作られる第2の副通路は、上流側外壁335や下流側外壁336により熱絶縁部315に繋がっている。
また上流側外壁335には上流側突起317が設けられ、下流側外壁336には下流側突起318が設けられている。このような構造により、フランジ312で物理量測定装置300が主通路124に固定されることにより、回路パッケージ400を有する計測部310が高い信頼性を持って主通路124に固定される。
この実施例ではハウジング302に第1の副通路を形成するための第1副通路溝および第2の副通路を形成するための第2副通路溝を設けており、カバーをハウジング302の表面及び裏面にかぶせることにより、第1および第2副通路溝とカバーとにより第1および第2の副通路が完成する構成としている。このような構造とすることで、ハウジング302の樹脂モールド工程でハウジング302の一部としてすべての副通路溝を成形することができる。またハウジング302の成形時にハウジング302の両面に金型が設けられるので、この両方の金型を使用することにより、表側第1副通路溝332と裏側第1副通路溝334および表側第2副通路溝399と裏側第2副通路溝398の両方をハウジング302の一部として全て成形することが可能となる。ハウジング302の両面に表カバー303と裏カバー304を設けることでハウジング302の両面の第1の副通路および第2の副通路を完成させることができる。金型を利用してハウジング302の両面に表側第1副通路溝332と裏側第1副通路溝334および表側第2副通路溝399と裏側第2副通路溝398を成形することで高い精度で第1および第2の副通路を形成できる。また高い生産性が得られる。
図5(B)において主通路124を流れる被計測気体30の一部が第1の入口350を形成する第1の入口溝351から裏側第1副通路溝334内に取り込まれ、裏側第1副通路溝334内を流れる。裏側第1副通路溝334は進むにつれて深くなる形状をしており、溝に沿って流れるにつれ表側の方向に被計測気体30は徐々に移動する。特に裏側第1副通路溝334は回路パッケージ400の上流部342で急激に深くなる急傾斜部347が設けられていて、質量の小さい空気の一部は急傾斜部347に沿って移動し、回路パッケージ400の上流部342で図4(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。一方質量の大きい異物は慣性力によって急激な進路変更が困難なため、図5(B)に示す計測用流路面裏面431の方を移動する。その後回路パッケージ400の下流部341を通り、図4(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。
熱伝達面露出部436近傍の被計測気体30の流れは、図4(B)に記載の表側第1副通路溝332において、上述の回路パッケージ400の上流部342から表側第1副通路溝332側に移動した被計測気体30である空気は、計測用流路面430に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436を介して流量を計測するための流量検出部602(図11参照)との間で熱伝達が行われ、流量の計測が行われる。計測用流路面430を通過した被計測気体30や回路パッケージ400の下流部341から表側第1副通路溝332に流れてきた空気は共に表側第1副通路溝332に沿って流れ、第1の出口352を形成するための第1の出口溝353から主通路124に排出される。
被計測気体30に混入しているごみなどの質量の大きい物質は慣性力が大きく、溝の深さが急激に深まる図5(B)に示す、急傾斜部347の部分の表面に沿って、溝の深い方向に急激に進路を変えることが困難である。このため質量の大きい異物は計測用流路面裏面431の方を移動し、異物が熱伝達面露出部436の近くを通るのを抑制できる。この実施例では気体以外の質量の大きい異物の多くが、計測用流路面430の背面である計測用流路面裏面431を通過するように構成しているので、油分やカーボン、ごみなどの異物による汚れの影響を低減でき、計測精度の低下を抑制できる。すなわち主通路124の流れの軸を横切る軸に沿って被計測気体30の進路を急に変化させる形状を有しているので、被計測気体30に混入する異物の影響を低減できる。
この実施例では、裏側第1副通路溝334で構成される流路は曲線を描きながらハウジング302の先端部からフランジ方向に向かい、最もフランジ側の位置では副通路を流れる気体は主通路124の流れに対して逆方向の流れとなり、この逆方向の流れの部分で一方側である裏面側の第1の副通路が、他方側である表面側に成形された第1の副通路につながる。このようにすることで、回路パッケージ400の熱伝達面露出部436の副通路への固定が容易となり、さらに被計測気体30を主通路124の中央部に近い位置で取り込むことが容易となる。
この実施例では、流量を計測するための計測用流路面430の流れ方向における前後に裏側第1副通路溝334と表側第1副通路溝332とに貫通する構成から成り、かつ回路パッケージ400の先端側はハウジング302で支持した構成ではなく空洞部382を有し、回路パッケージ400の上流部342の空間と回路パッケージ400の下流部341の空間が繋がった構成である。この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成として、ハウジング302の一方面に形成した裏側第1の副通路溝334からハウジング302の他方の面に形成した表側第1の副通路溝332へ被計測気体30が移動する形状で第1の副通路を形成している。
このような構成とすることで、1回の樹脂モールド工程でハウジング302の両面に第1副通路溝を形成でき、また両面の第1副通路溝を繋ぐ構造を合わせて形成することが可能となる。
ハウジング302の形成時には、回路パッケージ400に形成された計測用流路面430の両側を成型金型でクランプすることで回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の下流部341を貫通する構成を形成することができると共に、ハウジング302の樹脂モールド形成と同時に、回路パッケージ400をハウジング302に実装することができる。このようにハウジング302の形成金型に回路パッケージ400をインサートして形成することにより、第1の副通路に対して回路パッケージ400及び熱伝達面露出部436を高精度に実装することが可能となる。
なお、裏側第1副通路溝334の両側には裏側第1副通路内周壁391と裏側第1副通路外周壁392が設けられ、これら裏側第1副通路内周壁391と裏側第1副通路外周壁392のそれぞれの高さ方向の先端部と裏カバー304の内側面とが密着することで、ハウジング302の裏側第1副通路が形成される。また表側第1副通路溝332の両側には表側第1副通路内周壁393と表側第1副通路外周壁394が設けられ、これら表側第1副通路内周壁393と表側第1副通路外周壁394の高さ方向の先端部と表カバー303の内側面とが密着することで、ハウジング302の表側第1副通路が形成される。
主通路124の流れ方向の第1軸に対してこれを横切る方向の第2軸に沿うように副通路を曲げることにより、被計測気体30に混入する異物を、第2軸の曲りの小さい片側に寄せることができ、第2軸の曲りの大きい方に計測用流路面430および熱伝達面露出部436を設けることにより、異物の影響を低減できる。
計測用流路面430に設けられた流量を計測するための熱伝達面露出部436の部分に絞り形状が成形されており、この絞り効果により流速が速くなり、計測精度が向上する。また仮に熱伝達面露出部436の上流側で気体の流れに渦が発生していたとしても上記絞りにより渦を消滅あるいは低減でき、計測精度が向上する。
図4および図5で、回路パッケージ400を固定部372および薄肉部376で包むことにより、回路パッケージ400を固定することができる。固定部372は被計測気体30の流れ軸に沿う方向に回路パッケージ400を包含している。
図5(B)において主通路124を流れる被計測気体30の一部が第2の入口343を成形する第2の入口溝389から裏側第2副通路溝399内に取り込まれ、第2副通路貫通孔396内に設置された温度検出部452の近傍を被計測気体30が流れ表側第2副通路溝398内を流れる。
温度検出部452近傍の被計測気体30の流れについて図9を用いて説明する。主通路124を流れる被計測気体30の一部が第2の入口343から図4(B)に記載の裏側第2副通路溝399と裏カバー第2の突起部384によって形成された第2の副通路に沿って流れることで主通路124の流れの向きに対し直行した流体の向きとなり、上述の温度検出部452に設けられたリード544およびリード545側から温度検出部452近傍を流れ、第2副通路貫通孔396内に設置された温度検出部452にて温度の計測が行われ、表側第2副通路溝398と表カバー第2の突起部383によって形成された第2の副通路に沿って流れ、第2の出口344から主通路124に排出される。
この実施例では、被計測気体30を主通路124の中央部に近い位置で取り込むことが容易となるため、吸気管径のダウンサイジングによるフランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部へ伝わる熱影響が小さく温度検出部452の検出精度が向上する。
図9は、回路パッケージ400の温度計測部452が第2副通路の内部に配置されている状態を示す部分拡大図であり、図2(B)のA−A断面図である。なお、この図は概念図であり、図4や図5に示す詳細形状に対して、図9では細部の省略および単純化を行っており、細部に関して少し変形している。
第2の入口343から取り込まれ、裏カバー304に設けられた突起部384と裏側第2副通路溝399により構成される裏側第2副通路を流れた被計測気体30は、図9の左側から導かれ第2の副通路に沿って流れ、第2の副通路内部に設けられた温度検出部452により計測される。このとき、回路パッケージ400のリード544、リード545側から被計測気体30が当たる構造となっているため温度検出部452が冷却されやすくなる。従ってフランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310内の上流側外壁を通って温度検出部452に熱が伝わる影響を低減でき、計測精度が向上する。
被計測気体30は、表カバー303に設けられた突起部383と表側第2副通路溝398により構成される表側第2副通路を流れ第2の出口344から主通路124に排出される。
被計測気体30が温度検出部452にあたりやすいようにするため、裏カバー304に裏カバー突起部384が設けられている。また被計測気体30が第2の出口344から主通路124に排出されやすいようにするため、表カバー303に表カバー突起部383が設けられている。
温度検出部452に対向するようにして裏カバー突起部384と表カバー突起部383を第2副通路溝内に突出させることで第2副通路を成形している。
3.2 表カバー303と裏カバー304の形状と効果
図7は表カバー303の外観を示す図であり、図7(A)は左側面図、図7(B)は正面図、図7(C)は平面図、図7(D)は下面図である。図8は裏カバー304の外観を示す図であり、図8(A)は左側面図、図8(B)は正面図、図8(C)は平面図、図8(D)は下面図である。図7および図8において、表カバー303や裏カバー304はハウジング302の副通路溝を塞ぐことにより、副通路を作るのに使用される。また表カバー第1の突起部356、表カバー第2の突起部383、裏カバー突起部384を備え、流路に絞りを設けるために使用される。このため成形精度が高いことが望ましい。表カバー303や裏カバー304は金型に熱可塑性樹脂を注入する樹脂モールド工程により、作られるので、高い成形精度で作ることができる。また、表カバー303と裏カバー304には、突起部380と突起部381が形成されており、ハウジング302と嵌合した際に、図4(B)及び図5(B)に表記した回路パッケージ400の先端側の空洞部382の隙間を埋めると同時に回路パッケージ400の先端部を覆い、表カバーの突起部380の一部に設けられた切掛け部385と裏カバーの突起部381の一部に設けられた突起部388の隙間を温度検出部452が貫通する構成となる。
表カバー303の内側面には突起部356が設けられ、突起部356は計測用流路面430に対向して配置され、副通路の流路の軸に沿う方向に長く延びた形状をしている。突起部356の断面形状は、図7(C)に示したように突起部の頂点を境に下流側に向かって傾斜になっていてもよい。計測用流路面430と突起部356とにより上述した絞りが成形され、被計測気体30に生じている渦を減少させ、層流に生じさせる作用をする。この実施例では、絞り部分を有する第1および第2の副通路を、溝の部分と溝を塞いで絞りを備えた流路を完成する蓋の部分とに分け、溝の部分を、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程で作り、次に第1の突起部356および第2の突起部383を有する表カバー303を他の樹脂モールド工程で成形し、表カバー303を溝の蓋として溝を覆うことにより、第1および第2の副通路を作っている。ハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で、計測用流路面430を有する回路パッケージ400のハウジング302への固定も行っている。このように形状の複雑な溝の成形を樹脂モールド工程で行い、絞りのための第1の突起部356および第2の突起部383を表カバー303に設けることで、高い精度で第1及び第2の副通路を成形することができる。また溝と計測用流路面430や熱伝達面露出部436の配置関係を高い精度で維持できるので、量産品においてのばらつきを小さくでき、結果として高い計測結果が得られる。また生産性も向上する。
第1の突起部381および第2の突起部384を有する裏カバー304を他の樹脂モールド工程で成形し流路の溝部分と蓋部分とに分け、溝部分をハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で作り、裏カバー304で溝を覆うことにより、第1及び第2の副通路を形成している。第2の突起部384を裏カバー304に設けることで、第2副通路384を高い精度で成形することができ、生産性も向上する。
3.3 回路パッケージ400のハウジング302による固定構造と効果
次に再び図4および図5を参照して、回路パッケージ400のハウジング302への樹脂モールド工程による固定について説明する。第1および第2副通路を形成する第1および第2副通路溝の所定の場所、例えば図4および図5に示す実施例では、表側第1副通路溝332と裏側第1副通路溝334のつながりの部分に、回路パッケージ400の表面に形成された計測用流路面430が配置されるように、回路パッケージ400がハウジング302に配置され固定されている。回路パッケージ400をハウジング302に樹脂モールドにより埋設して固定する部分が、副通路溝より少しフランジ312側に、回路パッケージ400をハウジング302に埋設固定するための固定部372として設けられている。固定部372は第1樹脂モールド工程により成形された回路パッケージ400の外周を覆うようにして埋設している。
図4(B)に示す如く、回路パッケージ400は固定部372により固定されている。固定部372は表カバー303に接する高さの面と薄肉部376により回路パッケージ400を包含している。376の箇所を覆う樹脂の厚みを薄肉にすることで、固定部372の成形時に樹脂の温度が冷える時の収縮を緩和することができると共に、回路パッケージ400に加わる応力の集中を低減できる効果がある。図5(B)に示すとおり、回路パッケージ400の裏側も上述のような形状とすると、より効果が得られる。
また、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で覆うのではなく、固定部372のフランジ312側に、回路パッケージ400の外壁が露出する部分を設けている。回路パッケージ400の計測用流路面430の部分も、ハウジング302を形成している樹脂から露出している。さらに、回路パッケージ400の温度検出部452の部分も、ハウジング302を形成している樹脂から露出している。
回路パッケージ400の外壁を帯状に全周にわたって覆っている固定部372の一部を薄肉とすることで、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程において、回路パッケージ400の周囲を包含するようにして固定部372を硬化させる過程での体積収縮による過度な応力の集中を低減している。過度な応力の集中は回路パッケージ400に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング302を成形する熱可塑性樹脂とでは、熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づいて生じる過度な応力が回路パッケージ400に加わらないようにすることが望ましい。
さらに回路パッケージ400の外周を包含する固定部372の形状を帯状とし、帯の幅を狭くすることにより、回路パッケージ400に加わる熱膨張係数差による応力を低減できる。固定部372の帯の幅を10mm以下に、好ましくは8mm以下にすることが望ましい。
回路パッケージ400の表面に、熱膨張係数差による応力を低減するなどの目的のため、ハウジング302を成形する樹脂で覆う部分と覆わないで露出させる部分とを設けている。これら回路パッケージ400の表面がハウジング302の樹脂から露出する部分を、複数個設け、この内の一つは先に説明した熱伝達面露出部436を有する計測用流路面430であり、また他に、固定部372よりフランジ312側の部分に露出する部分を設けている。さらに第1の副通路の間に第2の副通路を形成し、温度検出部452を第2の副通路内に露出させ、温度検出部452を支える支持部としている。回路パッケージ400の外表面の固定部372よりフランジ312側の部分は、その外周、特に回路パッケージ400の下流側からフランジ312に対向する側にかけて、さらに回路パッケージ400の端子に近い部分の上流側にかけて、回路パッケージ400を取り巻くように空隙が成形されている。このように回路パッケージ400の表面が露出している部分の周囲に空隙が成形されていることで、主通路124からフランジ312を介して回路パッケージ400に伝わる熱量を低減でき、熱の影響による計測精度の低下を抑制している。
回路パッケージ400とフランジ312との間に空隙が成形され、この空隙部分が端子接続部320として作用している。この端子接続部320で回路パッケージ400の リードフレーム412と外部端子内端361とがそれぞれスポット溶接あるいはレーザ溶接などにより電気的に接続される。端子接続部320の空隙は上述したようにハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を抑制する効果を奏すると共に、回路パッケージ400のリードフレーム412と外部端子内端361との接続作業のために使用可能なスペースとして確保されている。
3.3 第1樹脂モールド工程による完成品の検査
図10に示す実施例では、外部端子内端361の数より回路パッケージ400が有する端子の数が多い。回路パッケージ400が有する端子の内、接続端子412が外部端子内端361にそれぞれ接続されており、端子414は外部端子内端361に接続されない。すなわち端子414は、回路パッケージ400に設けられているが、外部端子内端361に接続されない端子である。
図10では外部端子内端361と接続される接続端子412の他に、外部端子内端361に接続されない端子414が設けられている。第1樹脂モールド工程で回路パッケージ400が生産された後、回路パッケージ400が正しく動作するか、第1樹脂モールド工程で電気的な接続において異常が発生していないかを検査する。このようにすることで各回路パッケージ400に関して高い信頼性を維持できる。外部端子内端361に接続されない端子414はこのような回路パッケージ400の検査に使用される。検査作業の後は、端子414は使用されないので、これら使用しない端子414は検査後、回路パッケージ400の根元で切断して良い。このように外部端子内端361に接続されない端子414を設けることで、第1樹脂モールド工程で生産された回路パッケージ400に異常が生じていないかどうかを検査でき、高い信頼性を維持できる。
3.4 第2樹脂モールド工程によるハウジング302成形と効果
上述した図4および図5に示すハウジング302において、流量検出部602や処理部604を備える回路パッケージ400を第1樹脂モールド工程により製造し、次に、被計測気体30を流す第1の副通路を形成する例えば表側第1副通路溝332や裏側第1副通路溝334を有するハウジング302を、第2樹脂モールド工程にて製造する。この第2樹脂モールド工程で、前記回路パッケージ400をハウジング302の樹脂内に内蔵して、ハウジング302内に樹脂モールドにより固定する。このようにすることで、流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行って流量を計測するための熱伝達面露出部436と第1副通路、例えば表側第1副通路溝332や裏側第1副通路溝334の形状との関係、例えば位置関係や方向の関係を、極めて高い精度で維持することが可能となる。回路パッケージ400に生じる位置誤差やばらつきを非常に小さい値に抑え込むことが可能となる。結果として回路パッケージ400の計測精度を大きく改善できる。例えば従来の接着剤を使用して固定する方式に比べ、2倍以上、計測精度を向上できる。物理量測定装置300は量産により生産されることが多く、ここに厳密に計測しながら接着剤で接着する方法には、計測精度の向上に関して限界がある。しかし、本実施例のように第1樹脂モールド工程により回路パッケージ400を製造し、その後被計測気体30を流す第1の副通路を成形する第2樹脂モールド工程にて第1の副通路を成形すると同時に回路パッケージ400と前記第1の副通路とを固定することで、計測精度のばらつきを大幅に低減でき、各物理量測定装置300の計測精度を大幅に向上することが可能となる。
例えば図4や図5に示す実施例でさらに説明すると、表側第1副通路溝332と裏側第1副通路溝334と熱伝達面露出部436との間に関係を、規定の関係となるように高い精度で回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。このことにより、量産される物理量測定装置300においてそれぞれ、各回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と第1の副通路との位置関係や形状などの関係を、非常に高い精度で、定常的に得ることが可能となる。回路パッケージ400の熱伝達面露出部436を固定した第1の副通路溝、例えば表側第1副通路溝332と裏側第1副通路溝334とが非常に高い精度で成形できるので、この第1副通路溝から副通路を形成する作業は、表カバー303や裏カバー304でハウジング302の両面を覆う作業である。この作業は大変シンプルで、計測精度を低下させる要因が少ない作業工程である。また、表カバー303や裏カバー304は成形精度の高い樹脂モールド工程により生産される。従って回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と規定の関係で設けられる副通路を高い精度で完成することが可能である。このような方法により、計測精度の向上に加え、高い生産性が得られる。
これに対して従来は、副通路を製造し、次に副通路に計測部を接着剤で接着することにより、熱式流量計を生産していた。このように接着剤を使用する方法は、接着剤の厚みのばらつきが大きく、また接着位置や接着角度が製品毎にばらつく。このため計測精度を上げることには限界があった。さらにこれらの作業を量産工程で行う場合に、計測精度の向上が大変難しくなる。
本発明に係る実施例では、先ず、流量検出部602を備える回路パッケージ400を第1樹脂モールドにより生産し、次に回路パッケージ400を樹脂モールドにより固定すると共に同時に前記樹脂モールドで副通路を成形するための副通路溝を第2樹脂モールドにより、成形する。このようにすることにより、副通路溝の形状、および前記副通路溝に極めて高い精度で流量検出部602を固定できる。
流量の計測に関係する部分、例えば流量検出部602の熱伝達面露出部436や熱伝達面露出部436が取り付けられる計測用流路面430を、回路パッケージ400の表面に形成する。その後、計測用流路面430と熱伝達面露出部436はハウジング302を成形する樹脂から露出させる。すなわち熱伝達面露出部436および熱伝達面露出部436周辺の計測用流路面430を、ハウジング302を成形する樹脂で覆わないようにする。回路パッケージ400の樹脂モールドで成形した計測用流路面430や熱伝達面露出部436を、あるいは温度検出部452を、そのままハウジング302の樹脂モールド後も利用し、物理量測定装置300の流量計測や温度計測に使用する。このようにすることで計測精度が向上する。
本発明に係る実施例では、回路パッケージ400をハウジング302に一体成形することにより、第1副通路および第2副通路を有するハウジング302に回路パッケージ400を固定しているので、少ない固定面積で回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。すなわち、ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面積を多く取ることができる。前記ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面は、例えば空隙に露出している。吸気管の熱はハウジング302に伝わり、ハウジング302から回路パッケージ400に伝わる。ハウジング302で回路パッケージ400の全面あるいは大部分を包含するのではなく、ハウジング302と回路パッケージ400との接触面積を小さくしても、高精度でしかも高い信頼性を維持して、回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。このためハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を低く抑えることが可能となり、計測精度の低下を抑制できる。
3.5 ハウジング302の他の実施例
図13はハウジング302の他の実施例である。他の図に示されている符号と同じ符号は同じ作用をする構成である。図13の実施例では、回路パッケージ400から除電プレート453が、流量検出部382よりも第1の副通路上流側に露出する構造となっている。除電プレート453を第1の副通路上流側に露出することにより、第1の副通路内を通過時に摩擦等により帯電した異物が、除電プレート453に付着する。回路パッケージ400の上流側に除電プレート453を設けることで、熱伝達面露出部436へ到達する異物を低減することができ、耐汚損性能を改善する効果がある。
図13の実施例は、除電プレート453の効果および先に説明した図4および図5に示す実施例の内容と略同じであり、同じ作用効果を奏する。具体的な説明は、説明の繰り返しとなるので、省略する。
4. 回路パッケージ400の外観
4.1 熱伝達面露出部436を備える計測用流路面430の成形
図10に第1樹脂モールド工程で作られる回路パッケージ400の外観を示す。なお、回路パッケージ400の外観上に記載した斜線部分は、第1樹脂モールド工程で回路パッケージ400を製造した後に、第2樹脂モールド工程でハウジング302を成形する際に、第2樹脂モールド工程で使用される樹脂により回路パッケージ400が覆われる固定面432を示す。図10(A)は回路パッケージ400の左側面図、図10(B)は回路パッケージ400の正面図、図10(C)は回路パッケージ400の背面図である。回路パッケージ400は、後述する流量検出部602や処理部604を内蔵し、熱硬化性樹脂でこれらがモールドされ、一体成形される。
図10(B)に示す回路パッケージ400の表面には、被計測気体30を流すための面として作用する計測用流路面430が被計測気体30の流れ方向に長く延びる形状で成形されている。この実施例では計測用流路面430は、被計測気体30の流れ方向に長く延びる長方形を成している。この計測用流路面430は、図10(A)に示す如く、他の部分より薄く作られていて、その一部に熱伝達面露出部436が設けられている。内蔵されている流量検出部602は、熱伝達面露出部436を介して被計測気体30と熱伝達を行い、被計測気体30の状態、例えば被計測気体30の流速を計測し、主通路124を流れる流量を表す電気信号を出力する。
内蔵されている流量検出部602(図11参照)が高精度で被計測気体30の状態を計測するには、熱伝達面露出部436の近傍を流れる気体が層流であり乱れが少ないことが望ましい。このため熱伝達面露出部436の流路側面と気体を導く計測用流路面430の面との段差はない方が好ましい。このような構成により、流量計測精度を高精度に保ちつつ、流量検出部602に不均等な応力および歪が作用するのを抑制することが可能となる。なお、上記段差は流量計測精度に影響を与えない程度の段差であれば設けてもよい。
熱伝達面露出部436を有する計測用流路面430の裏面には、図10(C)に示す如く、回路パッケージ400の樹脂モールド成形時に内部基板あるいはプレートを支持する金型の押さえの押さえ跡442が残っている。熱伝達面露出部436は被計測気体30との間で熱のやり取りを行うために使用される場所であり、被計測気体30の状態を正確に計測するためには、流量検出部602と被計測気体30との間の熱伝達が良好に行われることが望ましい。このため、熱伝達面露出部436の部分が第1樹脂モールド工程での樹脂で覆われるのを避けなければならない。熱伝達面露出部436とその裏面である計測用流路面裏面431の両面に金型を当て、この金型により熱伝達面露出部436への樹脂の流入を防止する。熱伝達面露出部436の裏面に凹部形状の押さえ跡442が成形されている。この部分は、流量検出部602等を構成する素子が近くに配置されており、これら素子の発熱をできるだけ外部に放熱することが望ましい。成形された凹部は、樹脂の影響が少なく、放熱し易い効果を奏している。
半導体素子で構成される流量検出部(流量検出素子)602には、熱伝達面露出部436に相当する半導体ダイヤフラムが形成されており、半導体ダイヤフラムは、流量検出素子602の裏面に空隙を形成することにより得ることができる。前記空隙を密閉すると温度変化による前記空隙内の圧力の変化により、半導体ダイヤフラムが変形し、計測精度が低下する。このためこの実施例では、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と連通する開口438を回路パッケージ400の表面に設け、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と開口438とを繋ぐ連通路を回路パッケージ400内部に設けている。なお、前記開口438は、第2樹脂モールド工程で、樹脂により塞がれることがないように、図10に示す斜線が記載されていない部分に設けられている。
第1樹脂モールド工程で前記開口438を成形することが必要であり、開口438の部分とその裏面とに金型を当て、表裏両面を金型で押すことにより、開口438の部分への樹脂の流入を阻止し、開口438を成形する。
4.2 温度検出部452および突出部424の成形と効果
回路パッケージ400に設けられた温度検出部452は、温度検出部452を支持するために被計測気体30の垂直かつ下方向(挿入方向)に延びている突出部424の先端に設けられて、被計測気体30の温度を検出する機能を備えている。高精度に被計測気体30の温度を検出するには、被計測気体30以外部分との熱の伝達をできるだけ少なくすることが望ましい。温度検出部452を支持する突出部424は、その先端部分に温度検出部452を設けている。このような形状により、フランジ312あるいは熱絶縁部315から温度検出部452へ伝わる熱影響が小さくなる。
この実施例では、温度検出部452にあたる被計測気体30が、図9に示すように裏カバー304と裏側第2副通路溝399によって方向が曲げられ、放熱性の高いリード側544および545から被計測気体30が温度検出部452にあたる。さらにその気体が温度検出部452から第2の副通路に沿って第2の出口344に向かって流れることにより、温度検出部452の温度を被計測気体30の温度に近づく方向に冷却する作用を為す。
4.3 回路パッケージ400の端子
回路パッケージ400には、内蔵する流量検出部602や処理部604を動作させるための電力の供給、および流量の計測値や温度の計測値を出力するために、接続端子412が設けられている。さらに、回路パッケージ400が正しく動作するかどうか、回路部品やその接続に異常が生じていないかの検査を行うために、端子414が設けられている。この実施例では、第1樹脂モールド工程で流量検出部602や処理部604を、熱硬化性樹脂を用いて第1樹脂モールドすることにより回路パッケージ400が作られる。トランスファモールド第1樹脂モールドを行うことにより、回路パッケージ400の寸法精度を向上することができるが、トランスファモールド工程では、流量検出部602や処理部604を内蔵する密閉した金型の内部に加圧した高温の樹脂が圧入されるので、出来上がった回路パッケージ400について、流量検出部602や処理部604およびこれらの配線関係に損傷が無いかを検査することが望ましい。この実施例では、検査のための端子414を設け、生産された各回路パッケージ400についてそれぞれ検査を実施する。検査用の端子414は計測用には使用されないので、上述したように、端子414は外部端子内端361には接続されない。なお各接続端子412には、機械的弾性力を増すために、湾曲部416が設けられている。各接続端子412に機械的弾性力を持たせることで、第1樹脂モールド工程による樹脂と第2樹脂モールド工程による樹脂の熱膨張係数の相違に起因して発生する応力を吸収することができる。すなわち、各接続端子412は第1樹脂モールド工程による熱膨張の影響を受け、さらに各接続端子412に接続される外部端子内端361は第2樹脂モールド工程による樹脂の影響を受ける。これら樹脂の違いに起因する応力の発生を吸収することができる。
4.4 第2樹脂モールド工程による回路パッケージ400の固定とその効果
図10で斜線の部分は、第2樹脂モールド工程において、ハウジング302に回路パッケージ400を固定するために、第2樹脂モールド工程で使用する熱可塑性樹脂で回路パッケージ400を覆うための、固定面432を示している。図4や図5を用いて説明したとおり、計測用流路面430および計測用流路面430に設けられている熱伝達面露出部436と第1および第2副通路の形状との関係が、規定された関係となるように、高い精度で維持されることが重要である。第2樹脂モールド工程において、第1および第2の副通路を成形すると共に同時に第1および第2の副通路を成形するハウジング302に回路パッケージ400を固定するので、前記第1および第2の副通路と計測用流路面430および熱伝達面露出部436および温度検出部452との関係を極めて高い精度で維持できる。すなわち、第2樹脂モールド工程において回路パッケージ400をハウジング302に固定するので、第1および第2の副通路を備えたハウジング302を成形するための金型内に、回路パッケージ400を高い精度で位置決めして固定することが可能となる。この金型内に高温の熱可塑性樹脂を注入することで、第1および第2の副通路が高い精度で成形されると共に、回路パッケージ400が高い精度で固定される。
この実施例では、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で覆う固定面432とするのではなく、回路パッケージ400のリードフレーム412側に表面が露出する、すなわちハウジング302用樹脂で覆われない部分を設けている。図10に示す実施例では、回路パッケージ400の表面の内、ハウジング302用樹脂に包含される固定面432の面積より、ハウジング302の樹脂に包含されないでハウジング302用樹脂から露出している面積の方が広くなっている。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング302を成形する熱可塑性樹脂とでは熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づく応力が回路パッケージ400にできるだけ加わらないようにすることが望ましい。回路パッケージ400の表面の固定面432を少なくすることで、熱膨張係数の差に基づく影響を低減できる。例えば幅Lの帯状とすることにより、回路パッケージ400の表面の固定面432を少なくすることができる。
回路パッケージ400の表面において、被計測気体30が流れる軸に沿う方向に帯状の固定面を設け、さらに被計測気体30が流れる軸と交差する方向の固定面を設けることで、より強固に回路パッケージ400とハウジング302とを互いに固定することができる。固定面432において、計測用流路面430に沿って幅Lで帯状に回路パッケージ400を取り巻いている部分が上述した被計測気体30の流れ軸に沿う方向の固定面であり、突出部424の根元を覆う部分が、被計測気体30の流れ軸を横切る方向の固定面432である。
図12は第1樹脂モールド工程によりフレーム枠を熱硬化性樹脂でモールドし、熱硬化性樹脂で覆われた状態を示す。このモールド成形により、回路パッケージ400の表面に計測用流路面430が成形され、熱伝達面露出部436が計測用流路面430に設けられている。突出部424の先端部に被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452が設けられており、内部に温度検出素子518が内蔵されている。
この図12の状態の後、リード514が端子毎に切り離され、リードフレーム412や端子414となる。
第1樹脂モールド工程において、熱伝達面露出部436や開口438への樹脂の流れ込みを防ぐことが必要であるため、第1樹脂モールド工程では、熱伝達面露出部436や開口438の位置に、樹脂の流れ込みを阻止する、例えばダイヤフラム672より大きい入れ駒を当て、その裏面に押さえを当て、両面から挟み込む。図10(C)に示すように、図12の熱伝達面露出部436や開口438あるいは図10(B)の熱伝達面露出部436や開口438と対応する裏面には、押さえ跡442や押さえ跡441が残っている。
5. 回路パッケージへの回路部品の搭載
5.1 回路パッケージのフレーム枠
図11に回路パッケージ400のフレーム枠512およびフレーム枠512に搭載された回路部品516のチップの搭載状態を示す。なお、破線部508は、回路パッケージ400のモールド成形時に用いられる金型により覆われる部分を示す。フレーム枠512にリード514が機械的に接続されており、フレーム枠512の中央に、プレート532が搭載され、プレート532にチップ状の流量検出部602およびLSIとして作られている処理部604が搭載されている。流量検出部602にはダイヤフラム672が設けられており、これが、上述したモールド成形により上述した熱伝達面露出部436に相当する。また、流量検出部602の各端子と処理部604とがワイヤ542で電気的に接続されている。さらに処理部604の各端子と対応するリード514とがワイヤ543で接続されている。また回路パッケージ400の接続端子となる部分とプレート532との間に位置するリード514は、それらの間にチップ状の回路部品516が接続されている。
このように回路パッケージ400として完成された場合接続端子とは反対の端部に、ダイヤフラム672を有する流量検出部602を配置し、前記流量検出部602に対して接続端子となる方に処理部604が配置され、さらに処理部604の端子側に接続用のワイヤ543が配置されている。
プレート532を支えるために、リードが設けられており、このリードはリード544a、545a、552,553,554,555、556、558により枠512に固定されている。上記流量検出部602や処理部604の回路内のグランド接地を共通して上記リード面を介して行うことでノイズを抑えることができ、被計測気体30の計測精度を向上している。また上述した流量検出部602や処理部604、回路部品516の下方に突出するようにして、リード544が設けられている。このリード544には温度検出素子518、例えばチップ状のサーミスタが接続されている。さらに前記突出部にはリード548およびリード549が設けられ、リード544とリード548、リード545とリード549とはAuワイヤなどの接続線546で電気的に接続されている。リード548とリード544およびリード545とリード549とを直接接続すると、熱がこれらリード548とリード544およびリード545とリード549を介して温度検出素子518に伝わり、正確に被計測気体30の温度を計測することができなくなる。このため断面積の小さい線である熱抵抗の大きい線で接続することにより、リード548とリード544およびリード545とリード549との間の熱抵抗を大きくできる。これにより、熱の影響が温度検出素子518に及ばないようにし、被計測気体30の温度の計測精度を向上している。
またリード548はリード556やリード558やリード553、リード549はリード552により、枠512に固定されている。
図11に樹脂の圧入方向を示す矢印592を示している。回路部品を搭載したリードフレームを金型で覆い、金型に樹脂注入用の圧入口590を丸印の位置に設け、前記矢印592の方向から熱硬化性樹脂を前記金型内に注入する。
図12は第1樹脂モールド工程により図11に示すフレーム枠を熱硬化性樹脂でモールドし、熱硬化性樹脂で覆われた状態を示す。このモールド成形により、回路パッケージ400の表面に計測用流路面430が成形され、熱伝達面露出部436が計測用流路面430に設けられている。突出部424の先端部に被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452が設けられており、内部に温度検出素子518が内蔵されている。突出部424の内部では、熱伝達を抑制するために、温度検出素子518の電気信号を取り出すためのリードが分断され、熱抵抗の大きい接続線546が配置されている。これにより、温度検出部452への突出部424の根元からの熱伝達が抑制され、熱による影響が抑制される。
この図12の状態の後、リード514が端子毎に切り離され、接続端子412や端子414となる。
第1樹脂モールド工程において、熱伝達面露出部436や開口438への樹脂の流れ込みを防ぐことが必要である。このため、第1樹脂モールド工程では、熱伝達面露出部436や開口438の位置に、樹脂の流れ込みを阻止する、例えばダイヤフラム672より大きい入れ駒を当て、その裏面に押さえを当て、両面から挟み込む。図10(B)には、熱伝達面露出部436や開口438あるいは図10(C)には、熱伝達面露出部436や開口438と対応する裏面に、押さえ跡442や押さえ跡441が残っている。
図12で枠512から切り離されたリードの切断面が、樹脂面から露出することにより、リードの切断面から水分などが使用中に内部に侵入する恐れがある。このようなことがないようにすることが耐久性向上の観点や信頼性向上の観点で重要である。例えばリード切断部が第2樹脂モールド工程で樹脂により覆われ、図12に示すリード552、リード553、リード554、リード555、リード556、リード558、リード544aやリード545aの枠512との切断面が、前記樹脂により覆われる。このことにより枠512に固定されているリード552の切断面の腐食や切断部からの水の侵入が防止される。リード544aやリード545aやリード556の切断面は温度検出部452の電気信号を伝える重要なリード部分と近接している。従って切断面を第2樹脂モールド工程で覆うことが望ましい。
上記実施例では、空気流量計に本発明のリードフレーム構造を用いたものを説明したが、本発明は、空気流量計だけではなく、リードフレームの両端が別々に固定された種々の電気回路装置に適用できる。
30…被計測気体
124…主通路
300…物理量測定装置
302…ハウジング
303…表カバー
304…裏カバー
305…外部接続部
306…外部端子(コネクタ端子)
310…計測部
332…表側第1副通路溝
334…裏側第1副通路溝
343…第2の入口
344…第2の出口
350…第1の入口
352…第1の出口
356…突起部
368…第2副通路溝
372…固定部
380…表カバー第1の突起部
381…裏カバー第1の突起部
383…表カバー第2の突起部
384…裏カバー第2の突起部
385…表カバー窪み部
388…裏カバー第3の突起部
389…第2の入口溝
396…第2副通路貫通孔
398…表側第2副通路溝
399…裏側第2副通路溝
400…回路パッケージ
412…リードフレーム
424…突出部
432…固定面
436…熱伝達面露出部
452…温度検出部
453…除電プレート
518…温度検出素子
544…リード
545…リード
602…流量検出部
672…ダイヤフラム

Claims (6)

  1. 主通路から取り込まれた被計測気体を流すための第1の副通路と、
    前記第1の副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達面を介して熱伝達を行うことにより流量を計測するための流量検出部と、
    前記主通路から取り込まれた被計測気体を流すための第2の副通路と、
    前記第2の副通路を流れる被計測気体の温度を計測するための温度検出部と、
    前記流量検出部および前記温度検出部を備える回路パッケージと、
    前記回路パッケージを固定する固定部を備えるハウジングと、
    前記ハウジングに形成された第1副通路溝との協働で前記第1の副通路を、前記ハウジングに形成された第2副通路溝との協働で前記第2の副通路を形成するカバーと、を備え、
    前記第1と第2の副通路の入り口および出口は、別に設けられていることを特徴とする物理量測定装置。
  2. 請求項1に記載の物理量測定装置において、
    前記主通路中央に近い部分を流れている気体を前記被計測気体として、前記第1の副通路は前記ハウジングに設けられた前記被計測気体流れの上流側に向かって開口する第1の入口から被計測気体を取り込み、
    前記主通路中央に近い部分を流れている気体を前記被計測気体として、前記第2の副通路は前記ハウジングに設けられた前記被計測気体流れの上流側に向かって開口する第2の入口から被計測気体を取り込み、
    前記第1の副通路とは独立した前記第2の副通路が、前記第1の副通路で囲まれた間に位置していることを特徴とする物理量測定装置。
  3. 請求項2に記載の物理量測定装置において、
    前記温度検出部は、前記第2の副通路のうち、主通路を流れる空気とは略直行する流れとなる位置に配置され、
    前記回路パッケージは、温度検出部を搭載するためのリードを備えており、
    前記第2の副通路の第2の入り口から取り込まれた空気は、前記回路パッケージのリード側にあたるように前記回路パッケージは前記ハウジングに搭載されている、ことを特徴とする物理量測定装置。
  4. 請求項3に記載の物理量測定装置において、
    前記回路パッケージは、前記被計測気体に対して垂直かつ挿入方向に延びている突出部を備えており、該突出部の先端側に前記温度検出部が設けられている、ことを特徴とする物理量測定装置。
  5. 請求項4に記載の物理量測定装置において、
    前記第1の副通路は、ループ形状を備えており、ループ形状の内周壁に囲まれる空間に前記突出部の先端部が配置されることを特徴とする物理量測定装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の物理量測定装置において、
    前記回路パッケージは、除電プレートが前記流量検出部よりも第1の副通路上流側に露出する構造となっていることを特徴とする物理量測定装置。
JP2017107331A 2017-05-31 2017-05-31 物理量測定装置 Pending JP2018204993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017107331A JP2018204993A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 物理量測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017107331A JP2018204993A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 物理量測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018204993A true JP2018204993A (ja) 2018-12-27

Family

ID=64956954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017107331A Pending JP2018204993A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 物理量測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018204993A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045118A1 (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社デンソー 空気流量測定装置
JP2021039026A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社デンソー 空気流量測定装置
WO2021075231A1 (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 株式会社デンソー 流量測定装置
JP2021089190A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社デンソー 流量検出装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045118A1 (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社デンソー 空気流量測定装置
JP2021039027A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社デンソー 空気流量測定装置
JP2021039026A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 株式会社デンソー 空気流量測定装置
WO2021075231A1 (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 株式会社デンソー 流量測定装置
JP2021089190A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社デンソー 流量検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106959140B (zh) 热式流量计
CN107817029B (zh) 热式流量计
JP5632881B2 (ja) 熱式流量計
JP5973371B2 (ja) 熱式流量計
JP5763590B2 (ja) 熱式流量計
JP5738818B2 (ja) 熱式流量計
JP2018204993A (ja) 物理量測定装置
JP5675706B2 (ja) 熱式流量計
JP6118150B2 (ja) 熱式流量計
JP6272399B2 (ja) 熱式流量計
JP2014001990A (ja) 熱式流量計
JP5759943B2 (ja) 熱式流量計
JP2014001933A (ja) 熱式流量計
JP5841211B2 (ja) 物理量計測装置及びその製造方法
JP2015187615A (ja) 熱式流量計
JP5998251B2 (ja) 物理量検出計
JP2014001992A (ja) 熱式流量計
WO2014148111A1 (ja) 熱式流量計
JP6129601B2 (ja) 熱式流量計
JP6775650B2 (ja) 熱式流量計
JP6670818B2 (ja) 熱式流量計
JP6240795B2 (ja) 熱式流量計
JP2014001976A (ja) 熱式流量計
JP5976167B2 (ja) 熱式流量計
JP6081088B2 (ja) 熱式流量計

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170602