JP2018204987A - 抵抗値測定冶具および抵抗値測定装置 - Google Patents

抵抗値測定冶具および抵抗値測定装置 Download PDF

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Naohiro Nomura
直宏 野村
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Abstract

【課題】樹脂製のフィルム上に形成された導電体膜等の平面状試料について、その抵抗値をより正確に測定する技術を提供する。【解決手段】抵抗値測定冶具10は、離間して配置され、試料Fに接触可能に構成された2つの電極12,13を有している。これら2つの電極12,13は、それぞれ、試料F側の端である先端部に向かって離間方向の幅が狭くなるように形成されたテーパー部12a,13aを有している。かかる抵抗値測定冶具10によれば、2つの電極12,13と試料Fとの接触部分の間隔を略一定に保つことができるので、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる上、試料Fに過度な応力集中が生じることが抑制されるため、試料Fの損傷を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗値を測定するための冶具および装置に関し、特に平面状試料の抵抗値を測定するための冶具および装置に関するものである。
樹脂等のフィルムの表面に金属や半導体の薄膜を成膜した導電性フィルムは、その導電性を利用してタッチパネル用の透明電極等の電子機器の部材に使用される。従来、このような導電性フィルムの表面抵抗の測定は、2探針法や4探針法等により行われてきた(たとえば、特許文献1参照)。これらの方法では、測定のための電流が探針から供給されるため、電流分布が均一とならない。そのため、正確な表面抵抗は、金属薄膜等の厚さ等に基づいて算出される抵抗補正係数(RCF)を用いて、抵抗の測定値を補正することにより算出される。したがって、金属薄膜等の厚さが正確に評価されていない場合には、算出された表面抵抗の値も不正確となる。
そこで、表面抵抗をより高い精度で測定することが試みられてきた。たとえば、特許文献2では、離間した2つの電極を導電膜に対向させるとともに、当該2つの電極に交流電圧を印加することで導電膜に電流を流し、導電膜に流れる電流から導電膜の表面抵抗を測定することが提案されている。
特許第2833623号公報 特開2000−230949号公報
しかしながら、上記特許文献2の如き表面抵抗の測定方法では、導電膜に対向して配置された2つの電極間のインピーダンスを測定し、測定されたインピーダンスから表面抵抗が算出される。そのため、表面抵抗の測定装置が複雑になるとともに、表面抵抗の測定精度を高くすることが容易ではない。また、導電性フィルム(平面状試料)が絶縁膜により分離された複数の導電膜を有している場合、測定対象となる最表面の導電膜以外にも電流が流れるため、表面抵抗を測定することが困難となる。
本発明の目的は、上記測定方法の問題点を解消し、樹脂製のフィルム上に形成された導電体膜等の平面状試料について、その抵抗値をより正確に測定する技術を提供することにある。また、樹脂製のフィルム上に形成された導電体膜等の平面状試料のみならず、金属箔の抵抗値も測定することができる抵抗測定冶具を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、平面状試料の抵抗値を測定するための抵抗値測定冶具であって、離間して配置されており測定対象の試料に接触可能な2つの電極を備えており、それらの2つの電極が、それぞれ、離間方向と直交する方向に延びる一定幅の帯状のものであり、基端から先端に向かって離間方向における幅が狭くなるように形成されたテーパー部を有していることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、テーパー部の鉛直断面(2つの電極の離間方向に沿った鉛直断面)の内側(2つの電極が互いに対向する方向における内側)の端縁が直線状になっており、かつ、外側(2つの電極が互いに対向する方向における外側)の端縁が外向きに凸な曲線状になっていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載された発明において、前記2つの電極のそれぞれの先端が、丸みを設けたものであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、さらに、弾力性を有する材料で形成されたベースを備えており、測定対象の試料が、前記ベースと前記2つの電極との間に配置されることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記2つの電極が、抵抗値の測定に際して、予め設定された荷重で測定対象の試料に押し付けられることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、平面状試料の抵抗値を測定するための抵抗値測定装置であって、請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗値測定冶具と、前記抵抗値測定冶具の前記2つの電極のそれぞれに接続され、前記2つの電極間の抵抗値の測定が可能なテスターとを備えていることを特徴とするものである。
請求項1に係る抵抗値測定冶具は、測定対象の試料に接触可能な一定幅の帯状の2つの電極が、互いに平行になるように配置されている。このように2つの電極を配置することにより、試料には、抵抗値を測定するための電流が、2つの電極の離間方向にほぼ平行に流れる。これにより、試料の抵抗が2つの電極間の抵抗として直接測定されるので、抵抗値をより正確に測定することが可能となる。さらに、請求項1に係る抵抗値測定冶具において、2つの電極は、それぞれ、基端から先端(試料側の端)に向かって離間方向の幅が狭くなるように形成されたテーパー部を有している。そのため、試料と電極とが接触した際に、試料の電極との接触部分に応力が集中する。このように、電極との接触部分に応力が集中することで、電極と試料とが安定的に接触するため、試料の抵抗値をより正確に測定することが可能となる。
請求項2に係る抵抗値測定冶具によれば、テーパー部の長手方向(すなわち、離間方向に垂直な方向、あるいは、奥行き方向)に直交する鉛直断面の内側の端縁が、基端から先端にかけて鉛直な直線状をなしている。そのため、請求項2に係る抵抗値測定冶具によれば、2つの電極と試料との接触部分の間隔をほぼ一定に保つことができるので、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる。さらに、請求項2に係る抵抗値測定冶具では、テーパー部の長手方向(すなわち、離間方向に垂直な方向、あるいは、奥行き方向)に直交する鉛直断面の外側の端縁が、外向きに凸な曲線状をなしている。そのため、電極との接触部分における試料への過度の応力集中が抑制されるので、試料の損傷を抑制することができる。
請求項3に係る抵抗値測定冶具によれば、テーパー部の試料側の先端部に丸みが付けられているので、試料への過度の応力集中をさらに抑制することができる。そのため、より確実に試料の損傷を抑制することができる。
請求項4に係る抵抗値測定冶具によれば、試料が、弾力性を有する材料で形成されたベースと2つの電極との間に配置されるので、試料とベースの上面とが変形し、テーパー部が試料にめり込んだ状態とすることができる。そのため、テーパー部と試料とをより良好に接触させることができるので、抵抗値の測定をより正確に行うことができる。
請求項5に係る抵抗値測定冶具によれば、抵抗値の測定に際して、2つの電極が、予め設定された荷重で試料に押し付けられるので、抵抗値測定の再現性をより高くすることができる。
請求項6に係る抵抗値測定装置によれば、2つの電極間の抵抗値の測定が可能な一般的なテスターにより試料の抵抗値を測定することができるので、平面状試料の抵抗値をより簡便に測定することができる。
本発明を適用した抵抗値測定装置の構成を示す説明図であり、電極形状は電極の実施形態1を用いたものである。 電極と平面状試料との接触状態を示す説明図である。 電極形状の変形例として電極の実施形態2、電極の実施形態3、電極の実施形態4をそれぞれ示す説明図である。
以下、本発明に係る抵抗値測定冶具および抵抗値測定装置の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
<抵抗値の測定対象>
本発明を適用することにより好適に抵抗値が測定される平面状試料としては、樹脂製のフィルム上に形成された導電体膜、導電性材料で形成されたフィルムや金属箔を挙げることができる。ここで、フィルムとは、可撓性を有する平面状の部材をいう。フィルム上の導電体膜は、たとえば、アルミニウム、銀、銅等の金属、あるいは、酸化インジウムスズ(ITO)等の半導体を蒸着等の方法で成膜することにより形成される。フィルムとして形成される導電性材料としては、たとえば、ポリアセチレン等の導電性ポリマーや、樹脂に導電性微粒子を分散した複合材料が挙げられる。また、導電体膜が形成されたフィルムや導電性材料で形成されたフィルム(以下、併せて「導電性フィルム」とも呼ぶ)の他、絶縁体基板上に形成された導電体膜についても、本発明を適用することにより好適に抵抗値を測定することができる。また、金属箔として、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔等の測定を行うことができる。さらに、絶縁性材料で形成されたフィルム(絶縁性フィルム)や膜についても、本発明を適用することにより好適に抵抗値を測定し、あるいは、絶縁性を確認することができる。但し、本発明は、導電性フィルムや絶縁性フィルム等のフィルム状試料の抵抗値の測定により好適であり、特に、導電性フィルムの抵抗値に好適である。
<抵抗値測定装置>
図1は、本発明の一実施形態としての抵抗値測定装置1の構成を示す説明図である。抵抗値測定装置1は、平面状試料(導電性フィルム)Fの抵抗値を測定するための装置であって、抵抗値測定冶具10、抵抗値測定器20、および、抵抗値測定冶具10と抵抗値測定器20とを接続する4本の接続線WI1,WV1,WI2,WV2を有している。
抵抗値測定冶具10は、ベース11と、2つの電極12,13と、固定具14と、錘15とを有しており、鉛直下方から上方に向かって、この順に配置されている。ベース11は、シリコーンゴムで形成された平面状試料Fを配置するための板状の絶縁体である。なお、ベース11は、シリコーンゴムに限らず、絶縁性と弾力性とを有する材料で形成すれば良く、ウレタンゴム等の種々のゴムで形成することも可能である。また、ここで、弾力性とは、ゴムのように比較的容易に弾性変形が生じる特性をいい、たとえば、JIS K6253に規定されたタイプAデュロメータで測定される硬さが概ね90以下であることに相当する。
電極12,13は、長さが平面状試料Fの幅と同程度の棒状の導電体であり、水平方向に離間して配置されている。電極12,13は、たとえば、銅からなる母材に金等の貴金属のメッキを施すことにより形成される。電極12,13には、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部12a,13aが設けられている。テーパー部12a,13aは、長手方向、すなわち、離間方向に垂直な方向(奥行き方向)の断面の縁端が、内側(電極12,13同士が対向する方向における内側)において先端から上方(すなわち、離間方向と直交する方向)に向かって延びる直線状をなしており、外側(電極12,13同士が対向する方向における外側)において、先端部から延び外向きに凸な曲線状をなしている。当該先端は、先鋭な形状とすることも可能であるが、電界強度の集中を低下させ、また平面状試料Fの表面の傷つきを防止するために、丸みを設けることが好ましい。
なお、図1に示す抵抗値測定冶具10では、電極12,13が全体として棒状に形成されているが、一般的には、電極は、上述したテーパー部が設けられていれば良く、テーパー部以外の形状は、種々変更することができる。たとえば、電極を、テーパー部と、テーパー部の長手方向における長さがテーパー部よりも短い部分を有するものとして構成することも可能である。
固定具14は、電極12,13を固定するための部材であり、たとえば、ポリオキシメチレン(POM:polyoxymethylene)等の形状安定性が高い絶縁性の樹脂で形成される。図1の例では、固定具14の外側の両端に、内側に凹んだ凹部14aが設けられている。電極12,13は、凹部14aに嵌め込まれた状態で、図示しないねじ等を用いて固定具14に固定される。これにより、電極12,13の内側は、所定の距離(電極間距離)で離間させられる。なお、固定具14は、2つの電極12,13を所定の距離で離間させた状態で固定できれば良く、種々形状を変更することができる。たとえば、固定具は、凹部を形成しない直方体状としても良く、また、ベース11側(平面状試料F側)とは反対側に平板状の蓋を設けるものとしても良い。
錘15は、電極12,13が取り付けられた固定具14上に配置される。固定具14上に錘15を配置することにより、固定具14に取り付けられた電極12,13は、錘15の質量で決定される荷重でベース11上に配置された平面状試料Fに押し付けられる。固定具14上に錘15を配置することにより、電極12,13と平面状試料Fの接触を確実にすることができ、さらに、電極12,13を平面状試料Fに押し付ける荷重(押付荷重)をほぼ一定にすることができるので、抵抗値測定の再現性をより高くすることができる。
なお、図1の例では、錘15を直方体状としているが、錘の形状はこの限りでない。また、図1の例では、錘15を固定具14上に配置しているのみであるが、固定具に鉛直上方に延びる棒材を設けるとともに、当該棒材が挿入される貫通穴を錘に設けることにより、錘の落下を抑制するものとしても良い。さらに、錘15に替えて、ばね等の弾性部材を用い、電極12,13を平面状試料Fに押し付けるものとしても良い。この場合、ベース11から固定具14までは、必ずしも、下方から上方に向かって配置する必要はない。
抵抗値測定器20は、4端子法による抵抗値の測定が可能なテスターであり、2つの電流供給端子および2つの電圧測定端子(いずれも図示しない)を有している。接続線WI1,WI2は、2つの電流供給端子のそれぞれに接続され、接続線WV1,WV2は、2つの電圧測定端子のそれぞれに接続される。そして、一方の電流供給端子と電圧測定端子の組に接続された接続線WI1,WV1は、近接した位置において、一方の電極12に接続される。同様に、他方の電流供給端子と電圧測定端子の組に接続された接続線WI2,WV2は、近接した位置において、他方の電極13に接続される。これにより、接続線WI1,WV1,WI2,WV2の電気抵抗の影響を受けることなく、試料の抵抗値をより正確に測定することが可能となっている。なお、抵抗値の測定は、2端子法で行うものとしても良い。但し、試料の抵抗値をより正確に測定することができる点で、抵抗値の測定は、4端子法で行うのが好ましい。
<電極と試料との接触状態>
図1に示す電極は基端から先端に向かって離間方向における幅が狭くなるように形成されたテーパー部を有しており、テーパー部の長手方向(すなわち、離間方向に垂直な方向、あるいは、奥行き方向)に直交する鉛直断面の内側の端縁が、基端から先端にかけて鉛直な直線状をなしている。以下、図1に示す電極の実施形態を「電極の実施形態1」と呼ぶ。図2は、電極の実施形態1において電極12と平面状試料Fとの接触状態を示す説明図である。図2(a)は、電極12を平面状試料Fに押し付ける荷重(押付荷重)を電極12に加えていない状態を示し、図2(b)は、矢印で示すように、押付荷重を電極12に加えた状態を示している。なお、図2では、平面状試料Fと一方の電極12との接触状態を示しているが、他方の電極13においても同様である。
図2(a)に示すように、押付荷重を電極12に加えない状態で、電極12の先端部は平面状試料Fに接触する。この状態で、錘15を固定具14に載せることにより(図1参照)、電極12に押付荷重が加わる(図2(b))。電極12に押付荷重が加わり、電極12が平面状試料Fに押し付けられると、平面状試料Fの電極12との接触部分には応力が集中する。これにより、平面状試料Fと、平面状試料Fが配置されたベース11の上面とが変形し、電極12が平面状試料Fにめり込んだ状態となる。このように、電極12が平面状試料Fにめり込むことにより、電極12と平面状試料Fとが良好に接触するので、抵抗値の測定をより正確に行うことができる。
上述の通り、電極12に設けられたテーパー部12aは、その長手方向の断面の縁端が、外側において、外向きに凸な曲線をなしている。そのため、図2(b)に示すように、電極12を平面状試料Fに押し付け、電極12が平面状試料Fにめり込んだ状態において、電極12に加えられた押付荷重は、分散して平面状試料Fに伝わる。このように押付荷重が分散されることにより、過度な応力集中が生じて平面状試料Fが損傷することが抑制される。さらに、電極12の先端部に丸みを設けることにより、過度な応力の集中をさらに抑制することができるので、より確実に平面状試料Fの損傷を抑制することができる。
なお、図2では、弾力性を有するベース11にフィルム状の平面状試料Fを配置した場合を例に示しているが、ベースが硬質の樹脂等で形成されている場合、あるいは、絶縁体基板上に形成された導電体膜の抵抗値を測定する場合においても、電極12に押付荷重を加えると、ベースや絶縁体基板も若干弾性変形する。そのため、図2の例と同様に、押付荷重が分散されるので、測定対象となる平面状試料の損傷を抑制することができる。
また、図2に示す通り、電極12は、長手方向に直交する断面の縁端が、内側において、先端部から上方に延びる直線をなしているとともに、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなっている。そのため、電極12が平面状試料Fに接触した状態(図2(a))、および、電極12が平面状試料Fにめり込んだ状態(図2(b))のいずれにおいても、電極12と平面状試料Fとの接触部分の内側の端の位置はほぼ同一となる。本実施形態によれば、このようにして、2つの電極と平面状試料Fとの接触部分の間隔を、ほぼ一定の電極間距離に保つことができるので、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる。
さらに、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができるため、電極間距離をより短くし、より狭い領域の抵抗値を評価することも可能となる。したがって、平面状試料に斑等の不均一性があっても、不均一部分を避けて抵抗値を評価することができる。
また、電極間距離は、必ずしも短くするのが好ましいとは限らない。一般的に、電極間距離(抵抗測定装置1(図1)の電極12,13の間隔)と、電極長(電極12,13の離間方向に垂直な方向における電極12,13の長さ)との比は、その目的に応じて、適宜設定される。
上述の通り、電極12,13において、平面状試料Fと接触するテーパー部12a,13aは、長手方向が離間方向に垂直な方向(奥行き方向)となっている。そのため、電極12と平面状試料Fとが接触する接触部分の両端部(奥行き方向の両端)の2点と、電極13と平面状試料Fとが接触する接触部分の両端部の2点との4点は、仮想的な矩形をなす。電極間距離と電極長との比は、この仮想的な矩形を正方形状、あるいは、ほぼ正方形状とするものとしても良い。このようにすれば、抵抗値測定器20により測定された抵抗値が、平面状試料Fの単位面積当たりの抵抗値と一致するので、換算等の処理を行うことなく単位面積当たりの抵抗値を評価することができる。
なお、本実施形態である電極の実施形態1においては、テーパー部12a,13aは、その長手方向の断面の縁端が、内側において先端から上方に向かって延びる直線状をなしているため、電極間距離と、仮想的な矩形の電極12,13の離間方向における辺の長さが一致する。そのため、たとえば、電極間距離と電極長とをいずれも5cmとし、あるいは、電極間距離と電極長とをいずれも10cmとすれば、平面状試料Fの単位面積あたりの抵抗値を評価することができる。
また、図1に示すように、測定対象の平面状試料Fが長方形(例えば、15cm×10cm)である場合、2つの電極12,13の間隔(電極間距離)を当該長方形の短辺の長さ(10cm)以上とし、2つの電極12,13の離間方向を当該長方形の長辺方向に合わせるとともに、当該長方形の長手方向の両端が2つの電極12,13の外側に出るように、抵抗値測定治具10を配置すればよい。このようにすれば、10cm×10cmの範囲で平面状試料Fの抵抗値が測定される。そして、測定された抵抗値においては、平面状試料Fの形状である長方形の短辺の長さ(10cm)と、電極間距離(10cm)とが相殺されるので、測定された抵抗値により、平面状試料Fの単位面積あたりの抵抗値が表される。
<抵抗値測定冶具の効果>
抵抗値測定冶具10は、上記の如く、離間して配置されており測定対象の試料Fに接触可能な2つの電極12,13を備えており、それらの2つの電極12,13が、それぞれ、離間方向と直交する方向に延びる一定幅の帯状のものであり、基端から先端に向かって離間方向における幅が狭くなるように形成されたテーパー部12a,13aを有しているとともに、それらのテーパー部12a,13aの鉛直断面の内側の端縁が先端から基端に向かう直線状になっており、かつ、外側の端縁が外向きに凸な曲線状になっている。したがって、抵抗値測定冶具10によれば、2つの電極12,13と試料Fとの接触部分の間隔を略一定に保つことができるので、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる上、試料Fに過度な応力集中が生じることが抑制されるため、試料Fの損傷を抑制することができる。
また、抵抗値測定冶具10は、テーパー部12a,13aの試料F側の先端に丸みが設けられているので、試料Fにおける過度な応力の集中をさらに抑制することができる。そのため、より確実に試料Fの損傷を抑制することができる。
さらに、抵抗値測定冶具10は、弾力性を有する材料で形成されたベース11を備えており、測定対象の試料Fが、ベース11と2つの電極12,13との間に配置されており、試料Fとベースの11上面とを変形させて、テーパー部12a,13aを試料Fに(わずかに)めり込ませることができ、テーパー部12a,13aと試料Fとをより良好に接触させることができるので、抵抗値の測定をより正確に行うことができる。
加えて、抵抗値測定冶具10は、2つの電極12,13が抵抗値の測定に際して、予め設定された荷重で測定対象の試料Fに押し付けられるため、抵抗値測定の再現性をより高くすることができる。
一方、抵抗値測定装置1は、上記の如く、抵抗値測定冶具10と、抵抗値測定冶具10の2つの電極12,13のそれぞれに接続され、2つの電極12,13間の抵抗値の測定が可能なテスターである抵抗値測定器20とを備えているので、平面状試料の抵抗値を簡便に測定することができる。
<電極形状の変形例>
(電極の実施形態1)
電極の実施形態1では、平面状試料Fの抵抗値の測定に使用する2つの電極として、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部12a,13aが設けられ、その長手方向の断面の端縁を、内側において先端から基端に向かう直線状とし、外側において外向きに凸な曲線状とした電極12,13を用いているが、これら2つの電極の形状は、種々変更することが可能である。
(電極の実施形態2)
図3は、電極形状の変形例を示す説明図である。図3(a)ないし図3(c)は、電極の実施形態1における電極12,13に替えて、異なる形状の電極72,73、82,83および92,93を用いて平面状試料Fの抵抗値を測定している様子を示している。他の点は、電極の実施形態1と同じであるので、ここではその説明を省略する。
図3(a)に示す電極72,73にも、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部72a,73aが設けられている。これらのテーパー部72a,73aは、その長手方向の断面の縁端が、内側と外側との双方において、先端から斜め上方に伸びる直線状をなし、平面状試料Fと接触するテーパー部72a、73aの先端は、先鋭な形状となっている。
このように、図3(a)の例では、電極72,73に先端が先鋭なテーパー部72a,73aを設けているので、電極72,73を平面状試料Fに接触させ、電極72,73に押付荷重を加えると、平面状試料Fの電極72,73との接触部分に荷重が集中する。このように荷重が集中することにより、電極72,73と、平面状試料Fとの接触が安定するため、平面状試料Fの抵抗値をより正確に測定することができる。なお、図3(a)の例では、電極72,73の先端を先鋭な形状としているが、電極の先端に丸みを設けるものとしても良い。この場合、平面状試料Fへの過度な応力集中が抑制されるので、平面状試料Fの損傷を抑制することができる。
なお、図3(a)に示す電極72,73では、テーパー部72a,73aの長手方向の断面の縁端が直線状に伸びているので、電極72,73と平面状試料Fとの接触部分の内側の端の位置は、電極72,73が平面状試料Fに接触した状態と、電極72,73が平面状試料Fにめり込んだ状態(図2(b)参照)とで、あまり変化しない。そのため、2つの電極72,73と平面状試料Fとの接触部分の間隔を、ほぼ一定の電極間距離に保ち、接触部分の位置ずれによる抵抗値の測定精度の低下を抑制することができる。但し、図3(a)の例では、テーパー部72a,73aの長手方向の断面の縁端が、内側においても斜め上方に伸びている。そのため、接触部分の位置ずれは、電極の実施形態1よりも若干大きくなる。この点において、電極の実施形態1は、図3(a)に示す変形例よりも好ましい。一方、図3(a)に示す変形例は、電極72,73の形状がより単純であり、電極72,73をより簡単に形成できる点で、電極の実施形態1よりも好ましい。
(電極の実施形態3)
電極の実施形態1と同様に、図3(b)に示す2つの電極82,83にも、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部82a,83aが設けられている。これらのテーパー部82a,83aは、その長手方向の断面の縁端が、内側において内向きに凸な曲線状をなし、外側において外向きに凸な曲線状をなしている。
このように、図3(b)に示す2つの電極82,83においても、先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部82a,83aを設けているので、電極82,83を平面状試料Fに接触させ、電極82,83に押付荷重を加えると、平面状試料Fの電極82,83との接触部分に荷重が集中する。そのため、電極82,83と、平面状試料Fとの接触が安定するため、平面状試料Fの抵抗値をより正確に測定することができる。
また、図3(b)の例では、テーパー部82a,83aの長手方向の断面の縁端を、内側において内向きに凸な曲線状とし、外側において外向きに凸な曲線状としている。そのため、電極82,83を平面状試料Fに押し付け、電極82,83が平面状試料Fにめり込んだ状態(図2(b)参照)において、電極82,83に加えられた押付荷重は、接触部分の内側と外側との双方に分散して平面状試料Fに伝わる。これにより、平面状試料Fの電極82,83との接触部分に過度に荷重が集中することがより確実に抑制されるので、より確実に平面状試料Fの損傷を抑制することができる。
このように、図3(b)に示す電極82,83では、接触部分の内側と外側との双方に荷重が分散するので、電極の実施形態1よりも、接触部分における平面状試料Fへの荷重の集中をより効果的に抑制できる。この点において、図3(b)に示す変形例は、電極の実施形態1よりも好ましい。一方、図3(b)の例では、テーパー部82a,83aの長手方向の断面の縁端が、内側においても内向きに凸な曲線状をなしている。そのため、電極82,83が平面状試料Fに接触した状態と、電極82,83が平面状試料Fにめり込んだ状態とにおける、電極82,83と平面状試料Fとの接触部分の内側の端の位置のずれは、電極の実施形態1よりも大きくなる。この点において、電極の実施形態1は、図3(b)に示す変形例よりも好ましい。
(電極の実施形態4)
図3(c)に示す変形例において、電極92,93は、平面状試料F側の先端部に向かって幅が狭くなるように形成されたテーパー部92a,93aが設けられている。これらのテーパー部92a,93aは、その長手方向の断面の縁端が、内側において内向きに凸な曲線状をなし、外側において上方に向かって伸びる直線状をなし、また、先端に丸みが付けられている。すなわち、電極92,93は、電極の実施形態1における電極12,13(図1)の内側と外側とを反転させた形状となっている。
したがって、電極の実施形態1と同様に、図3(c)に示す変形例によれば、接触部分における平面状試料Fに荷重を集中させて、電極92,93と平面状試料Fとの接触を安定化するとともに、接触部分における平面状試料Fへの過度の荷重の集中を抑制し、平面状試料Fの損傷を抑制することができる。但し、図3(c)に示す変形例では、電極92,93が平面状試料Fに接触した状態と、電極92,93が平面状試料Fにめり込んだ状態(図2(b)参照)とにおける、電極92,93と平面状試料Fとの接触部分の内側の端の位置のずれが、電極の実施形態1よりも大きくなる。この点において、電極の実施形態1は、図3(c)に示す変形例よりも好ましい。
<その他の変形例>
本発明に係る抵抗値測定冶具の構成は、上記した実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、ベース、電極、固定具、錘、テスター等の形状・構造・材質等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。たとえば、上記の実施形態では、電極12,13(テーパー部12a,13a)の長さを平面状試料Fの幅と同程度としているが、電極やテーパー部の長さを平面状試料Fの幅よりも長くしても良い。また、電極やテーパー部の長さを平面状試料の幅よりも短くすることも可能である。このように、電極やテーパー部の長さを平面状試料の幅よりも短くした場合においては、単位面積当たりの抵抗値は正確な値を得にくいが、電極間距離を十分に短くすることにより、平面状試料F内の測定部位における局所的な抵抗値の比較を行うことができる。
本発明の抵抗値測定冶具は、上述の通り優れた効果を奏するものであるから、平面状試料の抵抗値測定に好適に用いることができる。本発明の抵抗値測定装置は、本発明の抵抗値測定冶具を用いて実現されているので、平面状試料の抵抗値測定に好適に用いることができる。また、本発明の抵抗値測定冶具および抵抗値測定装置によれば、平面状試料に損傷を与えることが抑制されるので、本発明の抵抗値測定冶具および抵抗値測定装置は、平面状試料の開発段階における試験用のみならず、工場等における製造段階における試験用にも好適に用いることができる。
1,10・・抵抗値測定装置
11・・ベース
12,13・・電極
12a,13a・・テーパー部
14・・固定具
14a・・凹部
15・・錘
20・・抵抗値測定器
72,73・・電極
72a,73a・・テーパー部
82,83・・電極
82a,83a・・テーパー部
92,93・・電極
92a,93a・・テーパー部
F・・平面状試料
WI1,WV1,WI2,WV2・・接続線

Claims (6)

  1. 平面状試料の抵抗値を測定するための抵抗値測定冶具であって、
    離間して配置されており測定対象の試料に接触可能な2つの電極を備えており、
    それらの2つの電極が、それぞれ、離間方向と直交する方向に延びる一定幅の帯状のものであり、基端から先端に向かって離間方向における幅が狭くなるように形成されたテーパー部を有していることを特徴とする抵抗値測定冶具。
  2. 前記テーパー部の鉛直断面の内側の端縁が直線状になっており、かつ、外側の端縁が外向きに凸な曲線状になっていることを特徴とする請求項1に記載の抵抗値測定冶具。
  3. 前記2つの電極のそれぞれの先端が、丸みを設けたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の抵抗値測定冶具。
  4. 弾力性を有する材料で形成されたベースを備えており、
    測定対象の試料が、前記ベースと前記2つの電極との間に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抵抗値測定冶具。
  5. 前記2つの電極が、抵抗値の測定に際して、予め設定された荷重で測定対象の試料に押し付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の抵抗値測定冶具。
  6. 平面状試料の抵抗値を測定するための抵抗値測定装置であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗値測定冶具と、
    前記抵抗値測定冶具の前記2つの電極のそれぞれに接続され、前記2つの電極間の抵抗値の測定が可能なテスターとを備えていることを特徴とする抵抗値測定装置。
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