JP2018204458A - 圧縮機 - Google Patents

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JP2018204458A JP2017107993A JP2017107993A JP2018204458A JP 2018204458 A JP2018204458 A JP 2018204458A JP 2017107993 A JP2017107993 A JP 2017107993A JP 2017107993 A JP2017107993 A JP 2017107993A JP 2018204458 A JP2018204458 A JP 2018204458A
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洪一 入川
Koichi Irikawa
洪一 入川
健一 湯浅
Kenichi Yuasa
健一 湯浅
ちひろ 遠藤
Chihiro Endo
ちひろ 遠藤
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Abstract

【課題】簡単な構成で吐出ポート内の死容積部の冷媒量を少なくでき、脈動と騒音を低減できる2シリンダ構成の圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機は、2シリンダ構成の圧縮機構部を備える。圧縮機構部のミドルプレート(60)の中央部分に設けられた貫通穴(100)は、内周縁の一部の領域に設けられた拡径部(101)を有する。この拡径部(101)は、貫通穴(100)の内周縁の他の領域よりも径方向外側、かつ、第1ピストンの旋回方向において、ミドルプレート(60)の中心O1に対して吸入ポート(61)と反対側の位置P1から吐出ポート(62)の位置P2までの角度範囲S内に設けられている。
【選択図】図5

Description

この発明は、圧縮機に関する。
従来、圧縮機としては、吐出過程完了時に圧縮機構部内に冷媒ガスが残存する空間となる吐出ポートの死容積部に潤滑油を導入して、この潤滑油を圧縮開始時のシリンダ室に供給するものがある(例えば、特開2014−55534号公報(特許文献1)参照)。
上記圧縮機では、密閉容器の油溜まりからシリンダ室へ導入される潤滑油を一時的に貯留する油貯留凹部をシリンダ室に形成することによって、吐出ポートの死容積部に潤滑油を導入して、死容積部内の冷媒量を少なくする。これによって、上記圧縮機では、次の圧縮過程で死容積部内の高圧冷媒ガスがシリンダ室に戻って再膨脹することにより発生する圧力脈動を低減している。
特開2014−55534号公報
上記圧縮機では、リアヘッドのシリンダ室に面する内面側に油貯留凹部が形成されているが、このような油貯留凹部を2シリンダ構成の圧縮機に適用しようとした場合、フロントヘッドとリアヘッドの両方に油貯留凹部を設ける必要があるため、加工コストが高くなるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、簡単な構成で吐出ポート内の死容積部の冷媒量を少なくでき、脈動と騒音を低減できる2シリンダ構成の圧縮機を提供することにある。
この発明の一態様に係る圧縮機は、
第1ヘッドと、第1シリンダと、ミドルプレートと、第2シリンダと、第2ヘッドが積層され、偏心部を有するクランク軸の回転動作により、上記第1,第2シリンダ内に形成された第1,第2シリンダ室の内周面に沿って第1,第2ピストンがそれぞれ旋回運動する2シリンダ構成の圧縮機構部を備え、
上記圧縮機構部の上記ミドルプレートの中央部分に設けられた貫通穴は、内周縁の一部の領域かつ少なくとも両端面側に設けられた拡径部を有し、
上記拡径部は、上記貫通穴の内周縁の他の領域よりも径方向外側、かつ、上記第1,第2ピストンの旋回方向において、上記貫通穴の中心に対して吸入ポートと反対側の位置から吐出ポートまでの角度範囲内に設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、圧縮機構部のミドルプレートの中央部分に設けられた貫通穴は、内周縁の一部の領域に設けられた拡径部を有し、内周縁の他の領域よりも径方向外側、かつ、第1,第2ピストンの旋回方向において、貫通穴の中心に対して吸入ポートと反対側の位置から吐出ポートまでの角度範囲内に拡径部を設けたことによって、この角度範囲内において、第1,第2ピストンの端面とミドルプレートの端面との間のシール距離が貫通穴の内周縁の他の領域よりも小さくなる。これにより、圧縮過程でクランク軸側から第1,第2ピストンの端面とミドルプレートの端面との隙間を介して第1,第2シリンダ室内に潤滑油が流入した後、吐出ポート内に潤滑油が導入される。このとき、ミドルプレートの貫通穴に拡径部がない場合に比べて、第1,第2シリンダ室内に流入する潤滑油の量が増え、吐出ポート内に導入される潤滑油の量を増やすことができる。したがって、簡単な構成で吐出ポート内の死容積部の冷媒量を少なくでき、脈動と騒音を低減できる。
また、貫通穴の中心に対して吸入ポートと反対側の位置から吐出ポートまでの角度範囲内において拡径部を設けることで、吸入ポートが閉じてからシリンダ室内に潤滑油を流入させるので、吸入過程で潤滑油が第1,第2シリンダ室内に流入して容積効率が低下するのを防ぐことができる。
なお、上記圧縮機構部のミドルプレートの中央部分に設けられた貫通穴の拡径部は、内周縁の一部の領域かつ両端面側に設けられていても同様の効果を奏する。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ミドルプレートの上記拡径部は、上記ミドルプレートを軸方向に貫通している。
上記実施形態によれば、ミドルプレートの貫通穴の内周側に、ミドルプレートを軸方向に貫通する拡径部を設けることによって、第1,第2ヘッドの夫々に拡径部を設けた場合よりも、1つの部材であるミドルプレートに対して加工を施すことで、加工コストを低減できると共に、拡径部の第1,第2ピストンに対する位置精度を向上できる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記第1,第2ピストンは、上記クランク軸の上記偏心部が内周側に摺動可能に収容された環状の部材であり、
上記ミドルプレートの中心から上記貫通穴の上記拡径部の縁までの距離Lは、上記第1,第2ピストンの内径をD1、上記第1,第2ピストンの外径をD2、上記第1,第2ピストンの偏心量をeとすると、
(D1/2−e) < L < (D2/2−e)
の条件を満たす。
上記実施形態によれば、ミドルプレートの貫通穴を広げた拡径部と反対の方向に第1,第2ピストンの中心があるとき、(D1/2−e)<Lの条件を満たして、ミドルプレートの貫通穴の内周縁が第1,第2ピストンの内周よりも外側にあるようにすることで、第1,第2ピストンの端面とミドルプレートの端面との間のシール距離が短くなり、第1,第2シリンダ室22A,22B内への潤滑油が流入しやすくなる。
また、L<(D2/2−e)の条件を満たして、ミドルプレートの貫通穴の内周縁を第1,第2ピストンの外周よりも外側にはみ出さないようにすることで、ミドルプレートの貫通穴と第1,第2シリンダ室が連通して必要以上の潤滑油がシリンダ室内に流入するのを防ぐことができる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ミドルプレートの上記貫通穴は、上記拡径部を含む長円形である。
上記実施形態によれば、ミドルプレートの貫通穴を、拡径部を含む長円形とすることによって、加工が容易にできると共に、シール距離を短くする拡径部を広い角度範囲に設けることが可能となる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ミドルプレートの上記貫通穴の上記拡径部は、丸形の切り欠きである。
上記実施形態によれば、ミドルプレートの貫通穴に、拡径部として丸形の切り欠きを設けることによって、所望の角度範囲にシール距離を短くする拡径部を形成することが容易にできる。
また、一実施形態の圧縮機では、
上記ミドルプレートの上記貫通穴の上記拡径部は、角形の切り欠きである。
上記実施形態によれば、ミドルプレートの貫通穴に、拡径部として角形の切り欠きを設けることによって、所望の角度範囲にシール距離を短くする拡径部を形成することが容易にできる。
以上より明らかなように、この発明によれば、圧縮機構部のミドルプレートの貫通穴の内周縁の一部の領域であって内周縁の他の領域よりも径方向外側の領域、かつ、第1,第2ピストンの旋回方向において、貫通穴の中心に対して吸入ポートと反対側の位置から吐出ポートまでの角度範囲内に拡径部を設けたことによって、簡単な構成で吐出ポート内の死容積部の冷媒量を少なくでき、脈動と騒音を低減できる2シリンダ構成の圧縮機を実現することができる。
図1はこの発明の第1実施形態の圧縮機の縦断面図である。 図2は上記圧縮機の圧縮機構部の第1シリンダと第1ピストンの上面図である。 図3は上記圧縮機構部のミドルプレートの平面図と断面図である。 図4は図3の要部の拡大図である。 図5は上記ミドルプレートの貫通穴の拡径部の角度範囲を示す図である。 図6は上記圧縮機構部の第1ピストンが角度0deg(上死点)の位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図7は上記第1ピストンが角度45degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図8は上記第1ピストンが角度90degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図9は上記第1ピストンが角度135degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図10は上記第1ピストンが角度180deg(下死点)の位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図11は上記第1ピストンが角度225degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図12は上記第1ピストンが角度270degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図13は上記第1ピストンが角度315degの位置にあるときのミドルプレートの貫通穴と第1ピストンとの関係を示す模式図である。 図14はこの発明の第2実施形態の圧縮機の圧縮機構部のミドルプレートに設けられた貫通穴の拡径部を示す図である。 図15はこの発明の第3実施形態の圧縮機の圧縮機構部のミドルプレートに設けられた貫通穴の拡径部を示す図である。 図16はこの発明の第4実施形態の圧縮機の圧縮機構部のミドルプレートの平面図と断面図である。
以下、この発明の圧縮機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の圧縮機の縦断面図を示している。
この第1実施形態の圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、密閉容器1内に配置され、圧縮機構部2を駆動軸12を介して駆動するモータ3とを備えている。
この圧縮機は、2シリンダ構成の揺動ピストン型の圧縮機である。上記圧縮機は、密閉容器1内の下側に、圧縮機構部2を配置し、その圧縮機構部2の上側にモータ3を配置している。このモータ3は、密閉容器1の内側に固定された環状のステータ5と、そのステータ5の内側に配置され、駆動軸12に固定されたロータ6とを有する。このロータ6によって、駆動軸12を介して、圧縮機構部2を駆動するようにしている。
上記圧縮機構部2は、アキュームレータ(図示せず)から吸入管11A,11Bを介して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、この圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。
上記圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガス(吐出ガス)を、圧縮機構部2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、モータ3のステータ5とロータ6との間の隙間を通して、モータ3を冷却した後、モータ3の上側に設けられた吐出管13から外部に吐出するようにしている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部9が形成されている。この潤滑油は、油溜まり部9から、駆動軸12に設けられた油通路(図示せず)を通って、圧縮機構部2の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。
上記圧縮機構部2は、密閉容器1の内面に取り付けられたフロントヘッド50と、そのフロントヘッド50の下側に取り付けられた第1シリンダ21Aと、この第1シリンダ21Aの下側の開口端に取り付けられたミドルプレート60とを備える。上記第1シリンダ21Aとフロントヘッド50とミドルプレート60によって、第1シリンダ室22Aを形成する。上記フロントヘッド50は、第1ヘッドの一例である。
また、上記圧縮機構部2は、ミドルプレート60の下側に取り付けられた第2シリンダ21Bと、この第2シリンダ21Bの下側の開口端に取り付けられたリアヘッド70とを備える。上記第2シリンダ21Bとミドルプレート60とリアヘッド70とによって、シリンダ室22Bを形成する。上記リアヘッド70は、第2ヘッドの一例である。
上記フロントヘッド50は、円板状の本体部51と、この本体部51の中央に上方へ設けられたボス部52とを有する。本体部51およびボス部52は、駆動軸12が挿通されている。
上記本体部51には、第1シリンダ室22Aに連通する吐出ポート62(図2に示す)が設けられている。上記本体部51に関して第1シリンダ21Aと反対側に位置するように、本体部51に吐出弁(図示せず)が取り付けられている。この吐出弁は、弁体が板バネ状のリード弁であり、吐出ポート62(図2に示す)を開閉する。
上記本体部51の上側には、吐出弁を覆うようにカップ型のマフラカバー40が取り付けられている。このマフラカバー40は、ボルト(図示せず)などによって本体部51に固定されている。上記マフラカバー40は、ボス部52が挿通されている。
上記マフラカバー40およびフロントヘッド50によって、マフラ室42を形成する。上記マフラ室42と第1シリンダ室22Aを、吐出ポート62(図2に示す)を介して連通している。また、上記マフラカバー40は、マフラ室42とマフラカバー40の外側とを連通する孔部(図示せず)を有する。
また、上記リアヘッド70は、円板状の本体部71と、この本体部71の中央に下方へ設けられたボス部72とを有する。上記本体部71およびボス部72は、駆動軸12が挿通されている。
上記本体部71には、シリンダ室22Bに連通する吐出ポート(図示せず)が設けられている。上記本体部71に、吐出ポート(図示せず)を開閉する吐出弁(図示せず)を取り付けている。この吐出弁は、弁体が板バネ状のリード弁であり、吐出ポートを開閉する。
このようにして、駆動軸12の一端部は、フロントヘッド50およびリアヘッド70に支持されている。上記駆動軸12の一端部(支持端側)は、第1,第2シリンダ室22A,22Bの内部に挿入されている。
上記駆動軸12の支持端側には、圧縮機構部2側の第1,第2シリンダ室22A,22B内に位置するように、偏心部26A,26Bを設けている。この偏心部26Aは、第1ピストン29Aのローラ27Aに嵌合し、偏心部26Bは、第2ピストン29Bのローラ27Bに嵌合している。この第1,第2ピストン29A,29Bは、第1,第2シリンダ室22A,22B内で公転可能に夫々配置され、この第1,第2ピストン29A,29Bの公転運動で圧縮作用を行う。
上記駆動軸12と偏心部26A,26Bでクランク軸を構成している。
上記圧縮機構部2は、フロントヘッド50(第1ヘッド)と、第1シリンダ21Aと、ミドルプレート60と、第2シリンダ21Bと、リアヘッド70(第2ヘッド)が積層され、偏心部26A,26Bを有するクランク軸の回転動作により、第1,第2シリンダ21A,21B内に形成された第1,第2シリンダ室22A,22Bの内周面に沿って第1,第2ピストン29A,29Bがそれぞれ旋回運動する。
図2は上記圧縮機構部2の第1シリンダ21Aと第1ピストン29Aの上面図を示している。図2において、80は第1シリンダ21Aの内周面である。
この圧縮機は、図2に示すように、ローラ27Aとブレード28Aが一体に設けられた第1ピストン29Aを備え、フロントヘッド50,ミドルプレート60(図1に示す)に挟まれた第1シリンダ21A内において第1ピストン29Aが揺動する。上記第1ピストン29Aのブレード28Aによって第1シリンダ室22A内を仕切っている。すなわち、ブレード28Aの右側に吸入室22Aaを形成し、ブレード28Aの左側に圧縮室22Abを形成している。
また、第1シリンダ21Aに形成された吸入ポート61に吸入管11Aが接続されて、吸入ポート61が第1シリンダ室22Aの内面に開口している。一方、第1シリンダ21Aに形成された吐出ポート62が第1シリンダ室22Aの内面に開口している。
上記ブレード28Aとブッシュ25A,25Aとの間は、潤滑油で潤滑される。上記ブッシュ25A,25Aによりブレード28Aを両側から挟んで進退可能に支持している。このブレード28Aは、第1シリンダ21Aに設けられた背面空間90に出没する。
そして、駆動軸12の回転に伴って偏心部26Aが偏心回転して、偏心部26Aに嵌合したローラ27Aが、このローラ27Aの外周面を第1シリンダ室22Aの内周面80に接しながら公転する。
上記ローラ27Aが第1シリンダ室22A内で公転するのに伴って、吸入ポート61から低圧の冷媒ガスを吸入室22Aaに吸入して、圧縮室22Abで圧縮して高圧にした後、吐出ポート62から高圧の冷媒ガスを吐出する。
その後、吐出ポート62から吐出された冷媒ガスは、図1に示すマフラ室42を経由して、マフラカバー40の外側に排出される。
なお、この圧縮機は、図1に示すように、ローラ27Bとブレード28Bが一体に設けられた第2ピストン29Bを備え、ローラ27Aとブレード28Aが一体に設けられた第1ピストン29Aと同様の構成をしており、ミドルプレート60,リアヘッド70(図1に示す)に挟まれた第2シリンダ21B内において第2ピストン29Bが揺動する。
図3は上記圧縮機構部2のミドルプレート60の平面図と断面図を示し、図3の上側がミドルプレート60の平面図であり、図3の下側がIII−III線から見たミドルプレート60の断面図(駆動軸12を省略)である。また、図4は図3の要部の拡大図を示している。図3,図4において図1,図2と同一の構成部に同一参照番号を付している。また、図3において、O1はミドルプレート60の中心(駆動軸12の中心)、O2は第1ピストン29Aのローラ27Aの中心である。
図3,図4に示すように、ミドルプレート60の中央に設けられた貫通穴100は、内周縁の一部であって内周縁の他の領域よりも径方向外側に設けた拡径部101(図4の斜線部分)を有している。
図3において、貫通穴100の内周縁の右側半円が一致する仮想真円(中心が中心O1と一致)の左側半円を円弧C(一点鎖線)で示している。この仮想真円の左側半円の径方向外側に三日月形状の拡径部101(図4に示す斜線領域)を形成している。この拡径部101は、ミドルプレート60を軸方向に貫通している。
上記ミドルプレート60の中心O1から貫通穴100の拡径部101の縁までの距離Lは、第1ピストン29Aの内径をD1、第1ピストン29Aの外径をD2、第1ピストン29Aの偏心量をeとすると、
(D1/2−e) <L < (D2/2−e)
の条件を満たすように設定されている。
上記圧縮機構部2における圧縮過程の終了位置と圧縮過程の開始位置との間の位置を、第1ピストン29Aの旋回動作の基準位置とし、その基準位置の角度を0degとして、例えば、図4に示すように、第1ピストン29Aのローラ27Aの中心O2が角度90degの位置にあるとき、拡径部を設けない場合の円弧C(一点鎖線)から第1ピストン29Aのローラ27Aの外周Aまでの距離Yに対して、拡径部101の縁から第1ピストン29Aのローラ27Aの外周Aまでのシール距離Xは短くなる。図4において、Bは第1ピストン29Aのローラ27Aの内周である。
図5は上記ミドルプレート60の貫通穴100の拡径部101の角度範囲Sを示している。図5において図1,図2と同一の構成部に同一参照番号を付している。
貫通穴100の拡径部101を、図5に示すように、第1,第2ピストン29A,29Bの旋回方向において、ミドルプレート60の中心O1に対して吸入ポート61と反対側の位置P1から吐出ポート62の位置P2までの角度範囲S内に設けている。
<吸入過程と圧縮過程>
次に、図6〜図13に従って、第1ピストン29Aが旋回する吸入過程と圧縮過程を説明する。図6〜図13では、第1ピストン29Aは図6〜図13の順に時計回りに旋回し、圧縮機構部2の第1ピストン29Aが角度0deg(上死点)〜315degまでの45deg毎の位置にあるときのミドルプレート60の貫通穴100と第1ピストン29Aとの関係を示している。
図6の角度0deg(上死点)の位置から第1ピストン29Aが旋回して、吸入ポート61が閉じると、吸入過程が終わって圧縮過程が開始される。そして、図7,図8,図9(角度45deg,90deg,135deg)の圧縮過程では、貫通穴100の拡径部101によって、第1ピストン29Aの端面とミドルプレート60の端面との間のシール距離Xが貫通穴100の内周縁の他の領域よりも小さくなる。すなわち、第1ピストン29Aのローラ27Aと貫通穴100の拡径部101とが平面視において重なり合う領域で、第1ピストン29Aの端面とミドルプレート60の端面との間のシール距離Xが短くなる。
この拡径部101によりシール距離Xが短くなった領域において、圧縮過程で駆動軸12側から第1ピストン29Aの端面とミドルプレート60の端面との隙間を介して第1シリンダ室22A内に潤滑油が流入する。
図7,図8,図9では、矢印Xで最短シール距離を示している。
そして、図10,図11,図12,図13(角度180deg,225deg,270deg,315deg)の圧縮過程では、徐々に冷媒が圧縮されて、吐出ポート62から吐出弁(図示せず)を介して吐出される。このとき、圧縮過程の前半で第1シリンダ室22A内に流入した潤滑油は、徐々に第1シリンダ室22A内の吐出ポート62側に集まった後、吐出ポート62内に導入される。
このように、上記構成の圧縮機では、圧縮機構部2のミドルプレート60の中央部分に設けられた貫通穴100は、内周縁の一部の領域に設けられた拡径部101を有している。そして、貫通穴100の内周縁の他の領域(図3において貫通穴100の内周縁の右側半円)よりも径方向外側、かつ、第1,第2ピストン29A,29Bの旋回方向において、貫通穴100の中心に対して吸入ポート61と反対側の位置から吐出ポート62までの角度範囲S(図5に示す)内に拡径部101を設けている。
この角度範囲S内において、第1,第2ピストン29A,29Bの端面とミドルプレート60の端面との間のシール距離Xが貫通穴100の内周縁の他の領域よりも小さくなる。これにより、圧縮過程で駆動軸12側から第1,第2ピストン29A,29Bの端面とミドルプレート60の端面との隙間を介して第1,第2シリンダ室22A,22B内に潤滑油が流入した後、吐出ポート62内に潤滑油が導入される。このとき、ミドルプレート60の貫通穴100に拡径部101がない場合に比べて、第1,第2シリンダ室22A,22B内に流入する潤滑油の量が増え、吐出ポート62内に導入される潤滑油の量を増やすことができる。これにより、簡単な構成で吐出ポート62内の死容積部の冷媒量を少なくでき、脈動と騒音を低減できる。
また、貫通穴100の中心に対して吸入ポート61と反対側の位置P1から吐出ポート62の位置P2までの角度範囲S内において拡径部101を設けることで、吸入ポート61が閉じてから第1,第2シリンダ室22A,22B内に潤滑油を流入させるので、吸入過程で潤滑油が第1,第2シリンダ室22A,22B内に流入して容積効率が低下するのを防ぐことができる。
また、上記ミドルプレート60の貫通穴100の内周側に、ミドルプレート60を軸方向に貫通する拡径部101を設けることによって、第1,第2ヘッドの夫々に拡径部101を設けた場合よりも、1つの部材であるミドルプレート60に対して加工を施すことで、加工コストを低減できると共に、拡径部101の第1,第2ピストン29A,29Bに対する位置精度を向上できる。
また、上記第1,第2ピストン29A,29Bは、クランク軸の偏心部26A,26Bが内周側に摺動可能に収容された環状の部材であり、ミドルプレート60の中心O1から貫通穴100の拡径部101の縁までの距離Lは、第1,第2ピストン29A,29Bの内径をD1、第1,第2ピストン29A,29Bの外径をD2、第1,第2ピストン29A,29Bの偏心量をeとすると、
(D1/2−e) < L < (D2/2−e)
の条件を満たす。
上記ミドルプレート60の貫通穴100を広げた拡径部101と反対の方向に第1,第2ピストン29A,29Bの中心があるとき、(D1/2−e)<Lの条件を満たして、ミドルプレート60の貫通穴100の内周縁が第1,第2ピストン29A,29Bの内周よりも外側にあるようにすることで、第1,第2ピストン29A,29Bの端面とミドルプレート60の端面との間のシール距離が短くなり、第1,第2シリンダ室22A,22B内への潤滑油が流入しやすくなる。
また、L<(D2/2−e)の条件を満たして、ミドルプレート60の貫通穴100の内周縁を第1,第2ピストン29A,29Bの外周よりも外側にはみ出さないようにすることで、ミドルプレート60の貫通穴100と第1,第2シリンダ室22A,22Bが連通して必要以上の潤滑油が第1,第2シリンダ室22A,22B内に流入するのを防ぐことができる。
また、上記ミドルプレート60の貫通穴100を、拡径部101を含む長円形とすることによって、加工が容易にできると共に、シール距離を短くする拡径部101を広い角度範囲に設けることが可能となる。
〔第2実施形態〕
図14はこの発明の第2実施形態の圧縮機の圧縮機構部2のミドルプレート60に設けられた貫通穴200の拡径部201を示している。この第2実施形態の圧縮機は、ミドルプレート60の貫通穴200の拡径部201を除いて第1実施形態の圧縮機と同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
上記第2実施形態の圧縮機では、ミドルプレート60の貫通穴200に、拡径部201として丸形の切り欠きを設けている。また、貫通穴200の拡径部201を、図14に示すように、第1,第2ピストン29A,29B(図1に示す)の旋回方向において、ミドルプレート60の中心O1に対して吸入ポート61と反対側の位置P1から吐出ポート62の位置P2までの角度範囲S内に設けている。これによって、所望の角度範囲にシール距離を短くする拡径部201を形成することが容易にできる。
上記第2実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機と同様の効果を有する。
〔第3実施形態〕
図15はこの発明の第3実施形態の圧縮機の圧縮機構部2のミドルプレート60に設けられた貫通穴300の拡径部301を示している。この第3実施形態の圧縮機は、ミドルプレート60の貫通穴300の拡径部301を除いて第1実施形態の圧縮機と同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
上記第3実施形態の圧縮機では、ミドルプレート60の貫通穴300に、拡径部301として角形の切り欠きを設けている。また、貫通穴300の拡径部301を、図15に示すように、第1,第2ピストン29A,29B(図1に示す)の旋回方向において、ミドルプレート60の中心O1に対して吸入ポート61と反対側の位置P1から吐出ポート62の位置P2までの角度範囲S内に設けている。これによって、所望の角度範囲にシール距離を短くする拡径部301を形成することが容易にできる。
上記第3実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機と同様の効果を有する。
〔第4実施形態〕
図16はこの発明の第4実施形態の圧縮機の圧縮機構部2のミドルプレート60の平面図と断面図を示している。図16の上側がミドルプレート60の平面図であり、図16の下側がXVI−XVI線から見たミドルプレート60の断面図(駆動軸12を省略)である。この第4実施形態の圧縮機は、ミドルプレート60の貫通穴400の拡径部401,402を除いて第1実施形態の圧縮機と同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
上記第4実施形態の圧縮機では、圧縮機構部2のミドルプレート60の中央部分に設けられた貫通穴400の拡径部401,402は、ミドルプレート60の両端面に夫々設けられている。この拡径部401,402の夫々は、貫通穴400の内周縁の一部の領域において内周縁の他の領域よりも径方向外側に延在する三日月形状の段差部である。
また、貫通穴400の拡径部401,402を、第1〜第3実施形態と同様に、第1,第2ピストン29A,29B(図1に示す)の旋回方向において、ミドルプレート60の中心O1に対して吸入ポート61と反対側の位置P1から吐出ポート62の位置P2までの角度範囲S内に設けている。
上記第4実施形態の圧縮機は、第1実施形態の圧縮機と同様の効果を有する。
上記第1〜第4実施形態では、第1,第2ピストン29A,29Bとブレード28A,28Bが一体になった揺動ピストン型の圧縮機について説明したが、ピストンとブレードが別体の圧縮機にこの発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、ミドルプレート60の貫通穴100に三日月形状の拡径部101,401,402、丸形の切り欠きである拡径部201、角形の切り欠きである拡径部301を設けた圧縮機について説明したが、ミドルプレートの貫通穴に設ける拡径部の形状はこれに限らない。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第4実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
1…密閉容器
2…圧縮機構部
3…モータ
5…ステータ
6…ロータ
7…ハウジング
9…油溜まり部
11A,11B…吸入管
12…駆動軸
13…吐出管
21A…第1シリンダ
21B…第2シリンダ
22A…第1シリンダ室
22B…第2シリンダ室
22Aa…吸入室
22Ab…圧縮室
25A,25A…ブッシュ
26A,26B…偏心部
27A,27B…ローラ
28A,28B…ブレード
29A…第1ピストン
29B…第2ピストン
40…マフラカバー
42…マフラ室
50…フロントヘッド(第1ヘッド)
50a…フェース面
51…本体部
52…ボス部
61…吸入ポート
62…吐出ポート
60…ミドルプレート
70…リアヘッド(第2ヘッド)
71…本体部
72…ボス部
80…シリンダ内周面
90…背面空間
100,200,300,400…貫通穴
101,201,301,401,402…拡径部

Claims (6)

  1. 第1ヘッド(50)と、第1シリンダ(21A)と、ミドルプレート(60)と、第2シリンダ(21B)と、第2ヘッド(70)が積層され、偏心部(26A,26B)を有するクランク軸(12,26A,26B)の回転動作により、上記第1,第2シリンダ(21A,21B)内に形成された第1,第2シリンダ室(22A,22B)の内周面に沿って第1,第2ピストン(29A,29B)がそれぞれ旋回運動する2シリンダ構成の圧縮機構部(2)を備え、
    上記圧縮機構部(2)の上記ミドルプレート(60)の中央部分に設けられた貫通穴(100,200,300,400)は、内周縁の一部の領域かつ少なくとも両端面側に設けられた拡径部(101,201,301,401,402)を有し、
    上記拡径部(101,201,301,401,402)は、上記貫通穴(100,200,300,400)の内周縁の他の領域よりも径方向外側、かつ、上記第1,第2ピストン(29A,29B)の旋回方向において、上記ミドルプレート(60)の中心に対して吸入ポート(61)と反対側の位置から吐出ポート(62)までの角度範囲内に設けられていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機において、
    上記ミドルプレート(60)の上記拡径部(101,201,301)は、上記ミドルプレート(60)を軸方向に貫通していることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載の圧縮機において、
    上記第1,第2ピストン(29A,29B)は、上記クランク軸(12,26A,26B)の上記偏心部(26A,26B)が内周側に摺動可能に収容された環状の部材であり、
    上記ミドルプレート(60)の中心から上記貫通穴(100,200,300,400)の上記拡径部(101,201,301,401,402)の縁までの距離Lは、上記第1,第2ピストン(29A,29B)の内径をD1、上記第1,第2ピストン(29A,29B)の外径をD2、上記第1,第2ピストン(29A,29B)の偏心量をeとすると、
    (D1/2−e) < L < (D2/2−e)
    の条件を満たすことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ミドルプレート(60)の上記貫通穴(100)は、上記拡径部(101)を含む長円形であることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ミドルプレート(60)の上記貫通穴(200)の上記拡径部(201)は、丸形の切り欠きであることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の圧縮機において、
    上記ミドルプレート(60)の上記貫通穴(300)の上記拡径部(301)は、角形の切り欠きであることを特徴とする圧縮機。
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