JP2013139722A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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幸博 稲田
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Yoshitaka Shibamoto
祥孝 芝本
Kenichi Sata
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Abstract

【課題】揺動ブッシュとピストンとの摺接面に潤滑油が十分に行き渡るようにして、油切れによる焼き付きを防止する。
【解決手段】ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分には、揺動ブッシュ(45)が配設される。ピストン鏡板(43)には、油通路(16)が設けられる。油通路(16)の一端は、潤滑油が貯留される油溜まり部(26)に連通する一方、他端はピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分に開口している。揺動ブッシュ(45)とピストン鏡板(43)との間には、油通路(16)の開口を覆うように衝突板(48)が配設される。油通路(16)から吐出された潤滑油は、衝突板(48)に衝突した後、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動し、給油溝(41a)を介して揺動ブッシュ(45)のピストン(40)側の摺接面に給油される。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転式圧縮機に関するものである。
従来より、外シリンダ部と内シリンダ部との間に環状のシリンダ室が形成されたシリンダと、シリンダ室内に収容されてシリンダに対して相対的に偏心回転するピストンと、外シリンダ部と内シリンダ部とに跨るように径方向に延びてピストンを貫通してシリンダ室を低圧室と高圧室とに区画するブレード部とを備えた圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の圧縮機では、ブレード部の下面に溝部が形成されている。この溝部は、ブレード部の伸長方向に延びるように設けられ、一端側が内シリンダ部内方の潤滑油の供給される隙間に連通する一方、他端側はシリンダの径方向外方に形成された吸入空間と連通しないように外シリンダ部の外周よりも内方に位置付けられている。これにより、内側及び外側シリンダ室内に潤滑油が十分に行き渡るようにして、油切れによる焼き付きやシール不足を防止するようにしている。
特開2008−121577号公報
ところで、従来の圧縮機では、内側及び外側シリンダ室内に潤滑油が供給されるものの、揺動ブッシュとピストンとの摺接面に対しては、潤滑油が積極的に供給されないという問題があった。すなわち、揺動ブッシュとピストンとの摺接面には、シリンダとピストンとの相対的な偏心回転に伴って成り行きで給油されるのみであり、この摺接面において油切れによる焼き付きが生じるおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、揺動ブッシュとピストンとの摺接面に潤滑油が十分に行き渡るようにして、油切れによる焼き付きを防止することにある。
本発明は、外シリンダ部(32)と内シリンダ部(33)とを有し、両シリンダ部(32,33)の間に環状のシリンダ室(C)が形成されたシリンダ(31)と、
前記シリンダ(31)に対して偏心した状態で前記シリンダ室(C)内に収容され、該シリンダ(31)に対して相対的に偏心回転するピストン(40)と、
前記外シリンダ部(32)と前記内シリンダ部(33)とに跨るように径方向に延びて該ピストン(40)を貫通し、前記シリンダ室(C)を低圧室(51a,52a)と高圧室(51b,52b)とに区画するブレード(35)とを備えた回転式圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記ピストン(40)における前記ブレード(35)の貫通部分には、該ブレード(35)に対して摺接しつつ該ピストン(40)と該ブレード(35)とを相対的に揺動可能にする揺動ブッシュ(45)が配設され、
前記ピストン(40)の軸方向一端側には、ピストン鏡板(43)が一体形成され、
前記ピストン鏡板(43)には、一端が潤滑油が貯留される油溜まり部(26)に連通する一方、他端が前記ピストン(40)における前記ブレード(35)の貫通部分に開口して前記揺動ブッシュ(45)の該ピストン(40)側の摺接面に給油する油通路(16)が設けられていることを特徴とするものである。
第1の発明では、ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分には、揺動ブッシュ(45)が配設される。揺動ブッシュ(45)は、ブレード(35)に対して摺接してピストン(40)とブレード(35)とを相対的に揺動可能とする。ピストン(40)の軸方向一端側には、ピストン鏡板(43)が一体形成される。ピストン鏡板(43)には、油通路(16)が設けられる。油通路(16)の一端は、潤滑油が貯留される油溜まり部(26)に連通する一方、他端はピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分に開口している。これにより、揺動ブッシュ(45)のピストン(40)側の摺接面に潤滑油が給油される。
このような構成とすれば、ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分に開口するようにピストン鏡板(43)に設けられた油通路(16)を介して、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に潤滑油を直接給油することができる。具体的に、従来の圧縮機では、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に対しては、シリンダ(31)とピストン(40)との相対的な偏心回転に伴って成り行きで給油されるのみであり、この摺接面において油切れによる焼き付きが生じるおそれがあった。
これに対し、本発明では、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に潤滑油が十分に行き渡るように積極的に給油するようにしたから、油切れによる焼き付きを防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記揺動ブッシュ(45)と前記ピストン鏡板(43)との間には、前記油通路(16)の開口を覆うことで該油通路(16)から吐出された潤滑油を衝突させ、衝突後の潤滑油をその表面に沿って径方向外方に流動させて該揺動ブッシュ(45)の前記ピストン(40)側の摺接面に給油させる衝突板(48)が配設されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、揺動ブッシュ(45)とピストン鏡板(43)との間には、衝突板(48)が配設される。衝突板(48)は、油通路(16)の開口を覆っており、油通路(16)から吐出された潤滑油が衝突される。衝突後の潤滑油は、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動し、揺動ブッシュ(45)のピストン(40)側の摺接面に給油される。
このような構成とすれば、油通路(16)から吐出された潤滑油を、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動させることができるので、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に向かって潤滑油を確実に給油することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記ピストン(40)の前記揺動ブッシュ(45)側の摺接面には、その一部が窪んで前記油通路(16)から吐出された潤滑油が流動する給油溝(41a)が設けられていることを特徴とするものである。
第3の発明では、ピストン(40)の揺動ブッシュ(45)側の摺接面には、その一部が窪んだ給油溝(41a)が設けられる。給油溝(41a)には、油通路(16)から吐出された潤滑油が流動される。
このような構成とすれば、油通路(16)から吐出された潤滑油を、給油溝(41a)を介して揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面にスムーズに給油することができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、
前記揺動ブッシュ(45)と前記ピストン(40)との間には、前記油通路(16)から吐出された潤滑油が流動する所定の隙間(49)が設けられていることを特徴とするものである。
第4の発明では、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との間には、所定の隙間(49)が設けられる。この隙間(49)には、油通路(16)から吐出された潤滑油が流動される。
このような構成とすれば、油通路(16)から吐出された潤滑油を、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との間の隙間(49)を介してその摺接面にスムーズに給油することができる。
本発明によれば、ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分に開口するようにピストン鏡板(43)に設けられた油通路(16)を介して、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に潤滑油が十分に行き渡るように積極的に給油するようにしたから、油切れによる焼き付きを防止することができる。
本発明の実施形態1に係る圧縮機の構成を示す側面断面図である。 圧縮機構の構成を示す平面断面図である。 揺動ブッシュ周辺の構成を示す平面断面図である。 揺動ブッシュ周辺の構成を示す側面断面図である。 圧縮機構の動作を示す平面断面図である。 本実施形態2に係る揺動ブッシュ周辺の構成を示す平面断面図である。 揺動ブッシュ周辺の構成を示す側面断面図である。 本変形例に係る油通路の流通経路を示す側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態に係る圧縮機の構成を示す側面断面図である。図1に示すように、圧縮機(10)は、縦長で密閉容器状のケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)の内部には、駆動機構(20)と、圧縮機構(30)とが収納されている。圧縮機(10)は、ケーシング(11)の内部空間が高圧冷媒で満たされる、いわゆる高圧ドーム式に構成されている。圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置の冷媒回路において、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して、凝縮器へ吐出するために用いられる。
駆動機構(20)は、電動機(21)と、電動機(21)によって回転駆動される駆動軸(24)とを有している。電動機(21)は、ステータ(22)と、ロータ(23)とを有している。ステータ(22)は、ケーシング(11)の胴部に固定されている。ロータ(23)は、ステータ(22)の内側に配置され、駆動軸(24)の主軸部(24a)に連結されている。電動機(21)は、その回転速度が可変なインバータ式に構成されている。
駆動軸(24)には、その下部寄りに2つの偏心部(24b)が設けられている。偏心部(24b)は、駆動軸(24)の主軸部(24a)の軸心から偏心している。また、上側及び下側の偏心部(24b)は、両者の偏心方向が回転方向に180度ずれている。
駆動軸(24)の下端部には、給油ポンプ(25)が設けられている。給油ポンプ(25)の吐出口は、駆動軸(24)の内部に形成された軸孔(図示省略)と連通している。給油ポンプ(25)は、ケーシング(11)の内部空間の内圧(高圧冷媒の圧力)を利用することで、ケーシング(11)底部の油溜まり部(26)に溜まった潤滑油を軸孔へ搬送する、差圧駆動式に構成されている。給油ポンプ(25)から軸孔へ搬送された潤滑油は、駆動軸(24)の軸受(15)や、圧縮機構(30)の各摺動部等の潤滑に利用される。
圧縮機構(30)は、電動機(21)の下側に上下2段に並んで設けられている。下側の圧縮機構(30)は、冷媒回路からの低圧冷媒を中間圧の冷媒にまで圧縮する、低段側圧縮部を構成している。また、上側の圧縮機構(30)は、下側の圧縮機構(30)からの中間圧冷媒を高圧の冷媒にまで圧縮する、高段側圧縮部を構成している。上側及び下側の圧縮機構(30)の間には、ミドルプレート(55)が介設されている。ミドルプレート(55)の中央位置には、駆動軸(24)が貫通している。ミドルプレート(55)の貫通孔と駆動軸(24)との間には空間が形成されている。この空間は、給油ポンプ(25)で搬送されて駆動軸(24)の摺動部の潤滑に利用された潤滑油が貯留される油溜まり部(26)を構成している。
なお、上側及び下側の圧縮機構(30)は、略同様の機械要素で構成されており、下側の圧縮機構(30)は、ミドルプレート(55)を挟んで上側の圧縮機構(30)を上下反転させたような構成となっている。そのため、以下では、上側の圧縮機構(30)の構成についてのみ説明し、下側の圧縮機構(30)についての説明を省略する。
図2にも示すように、圧縮機構(30)は、シリンダ(31)と、ピストン(40)と、ブレード(35)とを有する。シリンダ(31)は、ケーシング(11)の内周面に固定されるシリンダ鏡板(34)と、シリンダ鏡板(34)の下面の外周部から下方に突出する環状の外シリンダ部(32)と、シリンダ鏡板(34)の下面の内寄りの位置から下方に突出する環状の内シリンダ部(33)とを有する。
シリンダ(31)は、外シリンダ部(32)と内シリンダ部(33)との間に環状のシリンダ室(C)を有する。シリンダ鏡板(34)の中央部分には、上方に向かって膨出する円筒状の軸受部(34a)が形成されている。軸受部(34a)には、上下方向に貫通した状態で駆動軸(24)の主軸部(24a)を回転可能に支持する軸受(15)が設けられている。
ピストン(40)は、円盤状のピストン鏡板(43)と、ピストン鏡板(43)の上面の外周寄りの位置から上方に突出する環状のピストン部(41)と、ピストン鏡板(43)の上面の内周寄りの位置から上方に突出する環状突出部(42)とを有する。ピストン(40)は、シリンダ(31)に対して偏心するようにシリンダ室(C)に収納され、シリンダ室(C)を外側流体室(51)と内側流体室(52)とに区画している。
なお、ピストン(40)とシリンダ(31)とは、ピストン(40)の外周面と外シリンダ部(32)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、ピストン(40)の内周面と内シリンダ部(33)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
環状突出部(42)には、偏心部(24b)が嵌合している。ピストン(40)は、駆動軸(24)の回転に伴い主軸部(24a)の軸心を中心として偏心回転する。なお、圧縮機構(30)では、環状突出部(42)と内シリンダ部(33)との間に空間が形成されるが、この空間では冷媒の圧縮は行われない。この空間は、給油ポンプ(25)で搬送されて駆動軸(24)の摺動部の潤滑に利用された潤滑油が貯留される油溜まり部(26)を構成している。
ブレード(35)は、外シリンダ部(32)と内シリンダ部(33)とに跨るように径方向に延びてシリンダ(31)と一体に形成されている。ブレード(35)は、シリンダ室(C)に配置され、外側流体室(51)を吸入側の外側低圧室(51a)と吐出側の外側高圧室(51b)とに区画し、内側流体室(52)を吸入側の内側低圧室(52a)と吐出側の内側高圧室(52b)とに区画している。
ブレード(35)は、環状の一部が分断されたC型形状のピストン(40)の分断箇所を貫通している。ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分には、ブレード(35)を挟むように半円形状の揺動ブッシュ(45)が嵌合されている。
揺動ブッシュ(45)は、ピストン(40)の端面に対して揺動自在に構成されている。これにより、ピストン(40)は、ブレード(35)の長手方向に進退可能で且つ揺動ブッシュ(45)とともに揺動可能になっている。
ピストン鏡板(43)には、油通路(16)が設けられている。油通路(16)の一端は、ピストン(40)の環状突出部(42)と内シリンダ部(33)との間の空間に設けられた油溜まり部(26)に連通している。油通路(16)の他端は、ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分(本実施形態では、揺動ブッシュ(45)の回動中心位置)に開口している。
図3及び図4にも示すように、ピストン鏡板(43)の上面側におけるブレード(35)の貫通部分には、収容凹部(43a)が形成されている。収容凹部(43a)の内径は、揺動ブッシュ(45)の外径と略等しい大きさに形成されている。
ピストン部(41)の揺動ブッシュ(45)側の摺接面には、その一部が窪んだ給油溝(41a)が形成されている。給油溝(41a)は、ピストン部(41)の厚さ方向の略中央位置で上下方向に延びている。給油溝(41a)の下端部は、収容凹部(43a)に連通している。給油溝(41a)の上端部は、揺動ブッシュ(45)の高さ方向の略中央位置まで延びている。
収容凹部(43a)内には、油通路(16)の開口を覆うように円盤状の衝突板(48)が収容されている。衝突板(48)は、揺動ブッシュ(45)及びブレード(35)と、ピストン鏡板(43)との間に配設されている。衝突板(48)と収容凹部(43a)の底面との間には、若干の隙間が設けられている。
このような構成とすれば、油通路(16)から吐出された潤滑油を衝突板(48)に衝突させ、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動させることで、給油溝(41a)を介して揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に積極的に給油することができる。これにより、油切れによる焼き付きを防止することができる。
圧縮機構(30)には、図示しない吸入管が接続されている。吸入管は、シリンダ鏡板(34)に形成された吸入ポート(37)に接続されている。吸入ポート(37)は、図2に示すように、外側流体室(51)と内側流体室(52)の双方に跨るように開口している。つまり、圧縮機構(30)では、吸入ポート(37)を流出した冷媒が、外側流体室(51)と内側流体室(52)とに分流し、外側流体室(51)と内側流体室(52)でそれぞれ冷媒が圧縮される。
また、シリンダ鏡板(34)には、外側流体室(51)から冷媒を吐出させるための外側吐出ポート(38)と、内側流体室(52)から冷媒を吐出させるための内側吐出ポート(39)とが形成されている。
−運転動作−
次に、圧縮機(10)の運転動作について説明する。まず、電動機(21)を起動すると、ロータ(23)の回転が駆動軸(24)を介して圧縮機構(30)のシリンダ(31)に伝達される。そうすると、圧縮機構(30)において、ブレード(35)が揺動ブッシュ(45)に対して相対的に往復運動(進退動作)を行い、かつ、ピストン(40)が揺動ブッシュ(45)とともにシリンダ(31)に対して揺動動作を行う。これによって、ピストン(40)がシリンダ(31)に対して揺動しながら公転し、圧縮機構(30)がそれぞれ所定の圧縮動作を行う。
具体的には、圧縮機構(30)の外側流体室(51)では、図5(D)の状態で外側低圧室(51a)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(24)が図の右回りに回転して図5(A)〜図5(C)の状態へ変化するのに伴って外側低圧室(51a)の容積が増大するときに、吸入ポート(37)を通じて外側低圧室(51a)に冷媒が吸入される。
駆動軸(24)が一回転して再び図5(D)の状態になると、外側低圧室(51a)への冷媒の吸入が完了する。そして、この外側低圧室(51a)は今度は冷媒が圧縮される外側高圧室(51b)となり、ブレード(35)を隔てて新たな外側低圧室(51a)が形成される。駆動軸(24)がさらに回転すると、外側低圧室(51a)において冷媒の吸入が繰り返される一方、外側高圧室(51b)の容積が減少し、外側高圧室(51b)で冷媒が圧縮される。
一方、内側流体室(52)では、図5(B)の状態で内側低圧室(52a)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(24)が図の右回りに回転して図5(C)〜図5(A)の状態へ変化するのに伴って内側低圧室(52a)の容積が増大するときに、吸入ポート(37)を通じて内側低圧室(52a)へ冷媒が吸入される。
駆動軸(24)が一回転して再び図5(B)の状態になると、内側低圧室(52a)への冷媒の吸入が完了する。そして、この内側低圧室(52a)は今度は冷媒が圧縮される内側高圧室(52b)となり、ブレード(35)を隔てて新たな内側低圧室(52a)が形成される。駆動軸(24)がさらに回転すると、内側低圧室(52a)において冷媒の吸入が繰り返される一方、内側高圧室(52b)の容積が減少し、内側高圧室(52b)で冷媒が圧縮される。
外側流体室(51)では、例えばほぼ図5(B)のタイミングで冷媒の吐出が開始されるような運転条件の場合には、内側流体室(52)ではほぼ図5(D)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側流体室(51)と内側流体室(52)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°異なっている。外側流体室(51)及び内側流体室(52)で圧縮されて外側吐出ポート(38)及び内側吐出ポート(39)からそれぞれ吐出される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1に係る圧縮機(10)によれば、ブレード(35)の貫通部分に開口するようにピストン鏡板(43)に設けられた油通路(16)を介して、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に潤滑油を直接給油することができる。
具体的に、揺動ブッシュ(45)とピストン鏡板(43)の収容凹部(43a)との間には、油通路(16)の開口を覆うように衝突板(48)が配設されているので、油通路(16)から吐出された潤滑油が衝突板(48)に衝突する。衝突後の潤滑油は、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動し、給油溝(41a)を通って揺動ブッシュ(45)のピストン(40)側の摺接面にスムーズに給油される。このように、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に潤滑油が十分に行き渡るように積極的に給油することで、油切れによる焼き付きを防止することができる。
《実施形態2》
図6は、本実施形態2に係る揺動ブッシュ周辺の構成を示す平面断面図、図7は側面断面図である。前記実施形態1との違いは、揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との間に所定の隙間(49)を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図6及び図7に示すように、ピストン鏡板(43)の上面側におけるブレード(35)の貫通部分には、収容凹部(43a)が形成されている。収容凹部(43a)の内径は、揺動ブッシュ(45)の外径よりも若干大きく形成されている。これにより、揺動ブッシュ(45)とピストン部(41)との間に所定の隙間(49)が形成される。
収容凹部(43a)内には、油通路(16)の開口を覆うように円盤状の衝突板(48)が収容されている。衝突板(48)は、揺動ブッシュ(45)及びブレード(35)と、ピストン鏡板(43)との間に配設されている。衝突板(48)と収容凹部(43a)の底面との間には、若干の隙間が設けられている。
衝突板(48)の外径は、揺動ブッシュ(45)の外径と略同じ大きさに形成されている。これにより、衝突板(48)の外周面と収容凹部(43a)の内周面との間には、所定の隙間(49)が形成される。
このような構成とすれば、油通路(16)から吐出された潤滑油を衝突板(48)に衝突させ、衝突板(48)の表面に沿って径方向外方に流動させることで、隙間(49)を介して揺動ブッシュ(45)とピストン(40)との摺接面に積極的に給油することができる。これにより、油切れによる焼き付きを防止することができる。
《変形例》
図8は、本変形例に係る油通路の流通経路を示す側面断面図である。図8に示すように、ピストン鏡板(43)には、油通路(16)が設けられている。油通路(16)の一端は、ミドルプレート(55)の貫通孔と駆動軸(24)との間の空間に連通している。より詳細に、ミドルプレート(55)とピストン鏡板(43)との間には隙間が設けられており、ミドルプレート(55)の貫通孔と駆動軸(24)との間の空間と、油通路(16)の一端とは、この隙間を介して連通している。なお、ミドルプレート(55)に図示しない凹溝を形成することで、凹溝を介してこの空間と油通路(16)の一端とを連通させてもよい。油通路(16)の他端は、ピストン(40)におけるブレード(35)の貫通部分に開口している。油通路(16)の他端側の開口は、衝突板(48)で覆われている。
ここで、ミドルプレート(55)の貫通孔と駆動軸(24)との間の空間は、給油ポンプ(25)で搬送されて駆動軸(24)の摺動部の潤滑に利用された潤滑油が貯留される油溜まり部(26)を構成している。これにより、油通路(16)には、ミドルプレート(55)の貫通孔と駆動軸(24)との間の油溜まり部(26)から衝突板(48)に向かって潤滑油が流通することとなる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、下側の圧縮機構(30)を低段側、上側の圧縮機構(30)を高段側とした2段圧縮機構を有する圧縮機(10)とした形態について説明したが、この形態に限定するものではない。例えば、上側及び下側の圧縮機構(30)でそれぞれ独立して低圧冷媒を高圧の冷媒にまで圧縮するようにした形態であってもよい。
また、本実施形態では、上側及び下側に並んで配設された2つの圧縮機構(30)を有する圧縮機(10)について説明したが、圧縮機構(30)を1つのみ有する圧縮機(10)であってもよい。
以上説明したように、本発明は、揺動ブッシュとピストンとの摺接面に潤滑油が十分に行き渡るようにして、油切れによる焼き付きを防止することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 圧縮機(回転式圧縮機)
16 油通路
26 油溜まり部
31 シリンダ
32 外シリンダ部
33 内シリンダ部
35 ブレード
40 ピストン
41a 給油溝
43 ピストン鏡板
45 揺動ブッシュ
48 衝突板
49 隙間
51a 外側低圧室
51b 外側高圧室
52a 内側低圧室
52b 内側高圧室
C シリンダ室

Claims (4)

  1. 外シリンダ部(32)と内シリンダ部(33)とを有し、両シリンダ部(32,33)の間に環状のシリンダ室(C)が形成されたシリンダ(31)と、
    前記シリンダ(31)に対して偏心した状態で前記シリンダ室(C)内に収容され、該シリンダ(31)に対して相対的に偏心回転するピストン(40)と、
    前記外シリンダ部(32)と前記内シリンダ部(33)とに跨るように径方向に延びて該ピストン(40)を貫通し、前記シリンダ室(C)を低圧室(51a,52a)と高圧室(51b,52b)とに区画するブレード(35)とを備えた回転式圧縮機であって、
    前記ピストン(40)における前記ブレード(35)の貫通部分には、該ブレード(35)に対して摺接しつつ該ピストン(40)と該ブレード(35)とを相対的に揺動可能にする揺動ブッシュ(45)が配設され、
    前記ピストン(40)の軸方向一端側には、ピストン鏡板(43)が一体形成され、
    前記ピストン鏡板(43)には、一端が潤滑油が貯留される油溜まり部(26)に連通する一方、他端が前記ピストン(40)における前記ブレード(35)の貫通部分に開口して前記揺動ブッシュ(45)の該ピストン(40)側の摺接面に給油する油通路(16)が設けられていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記揺動ブッシュ(45)と前記ピストン鏡板(43)との間には、前記油通路(16)の開口を覆うことで該油通路(16)から吐出された潤滑油を衝突させ、衝突後の潤滑油をその表面に沿って径方向外方に流動させて該揺動ブッシュ(45)の前記ピストン(40)側の摺接面に給油させる衝突板(48)が配設されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ピストン(40)の前記揺動ブッシュ(45)側の摺接面には、その一部が窪んで前記油通路(16)から吐出された潤滑油が流動する給油溝(41a)が設けられていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1又は2において、
    前記揺動ブッシュ(45)と前記ピストン(40)との間には、前記油通路(16)から吐出された潤滑油が流動する所定の隙間(49)が設けられていることを特徴とする回転式圧縮機。
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