JP2018203953A - 緩衝器用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動部位において、静摩擦力を高め、動摩擦力を低減させることができ、低温特性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物の提供。【解決手段】100℃動粘度0.1〜5.0mm2/sの潤滑油基油、組成物全量を基準として、重量平均分子量30,000〜200,000の非分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤0.5〜10.0質量%、式(1)のZDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)0.1〜1.0質量%、及び式(2)のZDTP0.1〜0.8質量%を含有し、式(1)のZDTPの含有量に対する、式(2)のZDTPの含有量の比が0.4〜2.5及び−40℃BF粘度が1,500mPa・s以下の緩衝器用潤滑油組成物。[式(1)中、R11〜R14は、第一級アルキル基を示す。][式(2)中、R21〜R24は、第二級アルキル基を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、緩衝器用潤滑油組成物に関する。
緩衝器は乗用車の車体とタイヤとの間に設置され、路面凹凸による車体の振動、急加速又は急ブレーキの際に発生する揺れ等を緩衝する働きを担っている。そのため、緩衝器に用いられる潤滑油組成物には、緩衝器における摺動を伴う部位(ピストンロッド、オイルシール及びピストンバンドとシリンダーとの摺動部位等)において、潤滑性、摩擦防止剤、熱・酸化防止性等の潤滑剤としての特性が要求される。
緩衝器用潤滑油組成物は、潤滑油基油に各種添加剤を配合したものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2009−013380号公報 特開2013−199535号公報
ところで、緩衝器潤滑油組成物においては、低温時においても、操縦安定性の向上の観点から、動き出す前の摩擦力(静摩擦力)を向上させつつ、乗り心地の向上の観点から、動き出してからの摩擦力(動摩擦力)を低減させることが求められている。しかし、従来の潤滑油組成物を緩衝器に適用すると、動摩擦力を低減することができたとしても、静摩擦力も連動して低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、低温特性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、特定の潤滑油基油に特定の添加剤を加えることによって、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、低温特性及び熱安定性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[4]に示す潤滑油組成物、下記[5]に示す組成物の使用(応用)、及び下記[6]に示す組成物の製造のための使用(応用)を提供する。
[1]100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sである潤滑油基油と、組成物全量を基準として、重量平均分子量が30,000〜200,000である非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤0.5〜10.0質量%と、下記一般式(1)で表される第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜1.0質量%と、下記一般式(2)で表される第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜0.8質量%と、を含有し、第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比が0.4〜2.5であり、−40℃におけるBF粘度が1,500mPa・s以下である、緩衝器用潤滑油組成物。
Figure 2018203953

[式(1)中、R11〜R14は、それぞれ独立に第一級アルキル基を示す。]
Figure 2018203953

[式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に第二級アルキル基を示す。]
[2]緩衝器用潤滑油組成物の100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、[1]に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
[3]第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛が、炭素数6〜10の第一級アルキル基を含む、[1]又は[2]に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
[4]第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛が、炭素数3〜5の第二級アルキル基を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の緩衝器用潤滑油組成物。
[5]組成物の緩衝器用潤滑油としての使用(応用)であって、組成物が、100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sである潤滑油基油と、組成物全量を基準として、重量平均分子量が30,000〜200,000である非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤0.5〜10.0質量%と、下記一般式(1)で表される第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜1.0質量%と、下記一般式(2)で表される第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜0.8質量%と、を含有し、第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比が0.4〜2.5であり、−40℃におけるBF粘度が1,500mPa・s以下である、使用(応用)。
Figure 2018203953

[式(1)中、R11〜R14は、それぞれ独立に第一級アルキル基を示す。]
Figure 2018203953

[式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に第二級アルキル基を示す。]
[6]組成物の緩衝器用潤滑油の製造のための使用(応用)であって、組成物が、100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sである潤滑油基油と、組成物全量を基準として、重量平均分子量が30,000〜200,000である非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤0.5〜10.0質量%と、下記一般式(1)で表される第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜1.0質量%と、下記一般式(2)で表される第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜0.8質量%と、を含有し、第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比が0.4〜2.5であり、−40℃におけるBF粘度が1,500mPa・s以下である、使用(応用)。
Figure 2018203953

[式(1)中、R11〜R14は、それぞれ独立に第一級アルキル基を示す。]
Figure 2018203953

[式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に第二級アルキル基を示す。]
本発明によれば、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、低温特性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る緩衝器用潤滑油組成物は、特定の潤滑油基油と、特定のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤と、特定のジアルキルジチオリン酸亜鉛と、を含有する。
<潤滑油基油>
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sである潤滑油基油を含有する。潤滑油基油は、100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sであれば、通常の潤滑油分野に使用される基油を使用することができる。具体的には、鉱油系基油、合成系基油、又は両者の混合物が挙げられる。
鉱油系基油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる灯油留分;灯油留分からの抽出操作等により得られるノルマルパラフィン;及びパラフィン系、ナフテン系、又は芳香族系の原油の蒸留により得られる潤滑油留分、あるいは潤滑油脱ろう工程により得られる、スラックワックス等のワックス及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる、フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等の合成ワックスを原料とし、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、水素化異性化、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1つ又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油、芳香族系基油が挙げられる。これらの鉱油系基油は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、後述の合成系基油の1種以上と任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
合成系基油としては、例えば、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらのうち、合成系基油はポリα−オレフィンが好ましい。これらの合成系基油は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また、前述の合成系基油の1種以上と任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
潤滑油基油の100℃における動粘度は、0.1〜5.0mm/sである。100℃における動粘度は、好ましくは0.5mm/s以上、より好ましくは1mm/s以上、さらに好ましくは1.5mm/s以上である。100℃における動粘度は、好ましくは4mm/s以下、より好ましくは3.5mm/s以下、さらに好ましくは3mm/s以下である。100℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油基油の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
潤滑油基油の40℃における動粘度は、特に制限されないが、好ましくは4〜10mm/sである。40℃における動粘度は、より好ましくは5mm/s以上、さらに好ましくは6mm/s以上、特に好ましくは7mm/s以上である。40℃における動粘度は、より好ましくは9.5mm/s以下、さらに好ましくは9.2mm/s以下、特に好ましくは9mm/s以下である。40℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油基油の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
潤滑油基油の粘度指数は、特に制限されないが、好ましくは60以上、より好ましくは80以上、さらに好ましくは90以上である。粘度指数が上記の範囲内であると、外部の温度に対して粘度の安定性が確保されるため、使用時における外部の温度変化に対しても安定的に油膜を形成できる傾向にある。潤滑油基油の粘度指数の上限は、特に制限されないが、例えば、150以下であってよい。
本明細書における40℃及び100℃における動粘度並びに粘度指数は、それぞれJIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠して測定される値を意味する。
潤滑油基油の流動点は、特に制限されないが、−20℃以下、−30℃以下、又は−40℃以下であってよい。本明細書における流動点は、JIS K2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準拠して測定される値を意味する。
潤滑油基油の引火点は、特に制限されないが、130℃以上、140℃以上、又は150℃以上であってよい。本明細書における引火点は、JIS K2265−4「引火点の求め方−第4部:クリーブランド開放法」に準拠して測定される値を意味する。
<潤滑油用添加剤>
[ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、重量平均分子量が30,000〜200,000である非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤を含有する。ここで、ポリ(メタ)アクリレートは、ポリアクリレート又はポリメタクリレートを意味する。このようなポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤を、上述の潤滑油基油に適用することによって、低温から高温にわたって、摺動部位における静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることが可能となり得る。
非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤は、通常の潤滑油分野に使用される非分散型のポリ(メタ)アクリレートを使用することができる。なお、「非分散型」のポリ(メタ)アクリレートとは、水酸基、アミノ基、アミド基等の極性基を側鎖に有しないポリ(メタ)アクリレートを意味する。非分散型のポリ(メタ)アクリレートは、例えば、一般式(A−1)で表される単量体の重合体であってもよい。非分散型のポリ(メタ)アクリレートは、重量平均分子量が上記条件を満たすものであれば、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2018203953
式(A−1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜30の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を示す。
で表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状又は分岐状であってもよい。)などが挙げられる。
非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤は、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤の製造方法としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド等の重合開始剤の存在下で、一般式(A−1)で表される単量体をラジカル溶液重合させる方法が挙げられる。
非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜200,000である。重量平均分子量は、好ましくは35,000以上、より好ましくは40,000以上、さらに好ましくは45,000以上である。重量平均分子量が30,000以上であると、粘度指数を有効的に向上させることができる。また、重量平均分子量は、好ましくは190,000以下、より好ましくは180,000以下、さらに好ましくは175,000以下である。重量平均分子量が200,000以下であると、粘度指数を向上させるとともにせん断安定性を向上させることができる。なお、重量平均分量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線に基づき換算した値を意味する。
非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤は、組成物全量を基準として、0.5〜10.0質量%である。非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤の含有量は、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.2質量%以上である。非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤の含有量は、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤の含有量の範囲が上記範囲内であると、潤滑油組成物の低温時における静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができる。
[ジアルキルジチオリン酸亜鉛]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、一般式(1)で表される第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛と、一般式(2)で表される第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛と、を含有する。このような組み合わせのジアルキルジチオリン酸亜鉛を、上述の潤滑油基油に適用することによって、摺動部位における静摩擦力を向上させ、動摩擦力を低減させることが可能となり得る。
第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(1)で表される化合物である。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(1)で表される化合物であれば、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2018203953
式(1)中、R11〜R14は、それぞれ独立に第一級アルキル基(プライマリーアルキル基)を示す。ここで、第一級アルキル基は、下記一般式(1A)で表されるアルキル基である。R11〜R14は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2018203953
式(1A)中、R15は、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。
第一級アルキル基(一般式(1A)で表されるアルキル基)としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、第一級アルキル基として、炭素数6〜10の第一級アルキル基を含むことが好ましく、炭素数7〜9の第一級アルキル基を含むことがより好ましく、炭素数8の第一級アルキル基を含むことがさらに好ましい。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛が炭素数6〜10の第一級アルキル基を含むことによって、潤滑油組成物の熱安定性がより優れる傾向にある。
第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、組成物全量を基準として、0.1〜1.0質量%である。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.25質量%以上である。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量が0.1質量%以上であると、潤滑油組成物の摩擦特性及び熱安定性が優れる傾向にある。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量が1.0質量%以下であると、潤滑油組成物の摩擦特性が優れる傾向にある。
第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(2)で表される化合物である。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、一般式(2)で表される化合物であれば、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2018203953
式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に第二級アルキル基(セカンダリーアルキル基)示す。ここで、第二級アルキル基は、下記一般式(2A)で表されるアルキル基である。R21〜R24は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Figure 2018203953
式(2A)中、R25及びR26は、直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。
第二級アルキル基(一般式(2A)で表されるアルキル基)としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基等が挙げられる。
第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、第二級アルキル基として、炭素数3〜5の第二級アルキル基を含むことが好ましく、炭素数4の第二級アルキル基を含むことがより好ましい。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛が炭素数3〜5の第二級アルキル基を含むことによって、潤滑油組成物の摩擦特性がより優れる傾向にある。
第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛は、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、組成物全量を基準として、0.1〜0.8質量%である。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、0.15質量%以上、より好ましくは0.18質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量が0.1質量%以上であると、潤滑油組成物の摩擦特性が優れる傾向にある。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、好ましくは0.75質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.65質量%以下である。第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量が0.8質量%以下であると、潤滑油組成物の摩擦特性及び熱安定性が優れる傾向にある。
第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比(第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量/第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量)は、0.4〜2.5である。当該比は、好ましくは0.45以上、より好ましくは0.48以上、さらに好ましくは0.5以上である。当該比が0.4以上であると、潤滑油組成物の摩擦特性が優れる傾向にある。当該比は、好ましくは2.4以下、より好ましくは2.3以下、さらに好ましくは2.2以下である。当該比が2.5以下であると、潤滑油組成物の摩擦特性及び熱安定性が優れる傾向にある。
[脂肪酸と多価アルコールとのエステル]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、脂肪酸と多価アルコールとから構成されるエステル(以下、単に「エステル」という場合がある。)をさらに含有していてもよい。
エステルを構成する脂肪酸は、例えば、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸であってもよい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜20である。これらの脂肪酸は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
エステルを構成する多価アルコールは、例えば、炭素数2〜8の2〜6価の脂肪族アルコールであってもよい。多価アルコールの炭素数は、好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5である。多価アルコールの価数は、好ましくは2〜4価、より好ましくは3価又は4価である。これらの多価アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビタン、グリセロール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
エステルとしては、例えば、オレイン酸とソルビタン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの部分エステル、すなわち、ソルビタンモノオレート、グリセロールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート等が挙げられる。これらのエステルは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
エステルは、多価アルコールの水酸基の一部がエステル化されていない部分エステルであっても、多価アルコールの水酸基の全部がエステル化されている完全エステルであってもよい。エステルは、摩擦特性の観点から、部分エステルであることが好ましい。
エステルは、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
エステルの含有量は、例えば、組成物全量を基準として、0.1〜1.0質量%であってもよい。
[脂肪酸アミド]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、脂肪酸アミドをさらに含有していてもよい。脂肪酸アミドは、例えば、脂肪酸と下記一般式(E)で表されるポリアルキレンポリアミンとから構成される脂肪酸アミドであってもよい。
N−(RE1−NH)−H (E)
式(E)中、RE1は、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、mは、2〜6の整数を示す。
脂肪酸アミドを構成する脂肪酸は、例えば、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸であってもよい。アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜20である。これらの脂肪酸は単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
脂肪酸アミドを構成する一般式(E)で表されるポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、テトラプロピレンペンタミン、ヘキサブチレンヘプタミン等が挙げられる。これらのポリアルキレンポリアミンは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸アミドとしては、例えば、イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとのアミド等が挙げられる。脂肪酸アミドは1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
脂肪酸アミドは、市販品をそのまま用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
脂肪酸アミドの含有量は、例えば、組成物全量を基準として、0.1〜0.5質量%であってもよい。
[アミン系酸化防止剤]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、アミン系酸化防止剤をさらに含有していてもよい。アミン系酸化防止剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油分野に使用される添加剤を使用することができる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、下記一般式(A)で表される(p,p’)−アルキル化ジフェニルアミン、下記一般式(B)で表されるアルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。これらのアミン系酸化防止剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
Figure 2018203953
式(A)中、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示す。RA1及びRA2としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜8である。RA1及びRA2は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2018203953
式(B)中、RB1は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。RB1としてのアルキル基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18である。
アミン系酸化防止剤の含有量は、例えば、組成物全量を基準として、0.1〜0.5質量%であってもよい。
[消泡剤]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、消泡剤をさらに含有していてもよい。消泡剤は、特に制限されずに、通常の潤滑油分野に使用される添加剤を使用することができる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が100〜1,000,000mm/sのハロゲン化アルキル基を有していてもよいシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコールとのエステル等が挙げられる。
消泡剤の含有量は、例えば、組成物全量を基準として、0.1〜100質量ppmであってもよい。
[その他の添加剤]
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物は、その目的に応じて、一般的に使用されている任意の潤滑油用添加剤をさらに含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、金属系清浄剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤等が挙げられる。
金属系清浄剤としては、例えば、スルホネート系清浄剤、サリチレート系清浄剤、フェネート系清浄剤等が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基性塩、過塩基性塩のいずれをも配合することができる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン、アゾール誘導体等が挙げられる。
これらのその他の添加剤を用いる場合、それぞれの含有量は、組成物全量を基準として、0.01〜20質量%であってもよい。
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは2.0〜3.5mm/sである。100℃における動粘度は、より好ましくは2.5mm/s以上、さらに好ましくは2.8mm/s以上、特に好ましくは3.0mm/s以上である。100℃における動粘度は、より好ましくは3.4mm/s以下、さらに好ましくは3.3mm/s以下、特に好ましくは3.2mm/s以下である。100℃における動粘度が上記の範囲内であると、潤滑油組成物の適正な粘性を確保でき、実使用温度域において良好な油膜が得られる傾向にある。
本実施形態の緩衝器用潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度は、1,500mPa・s以下である。−40℃におけるBF粘度は、好ましくは1,400mPa・s以下、より好ましくは1,350mPa・s以下、さらに好ましくは1,300mPa・s以下である。−40℃におけるBF粘度が1,500mPa・s以下であると、潤滑油組成物の低温特性が優れる傾向にある。−40℃におけるBF粘度は、例えば、800mPa・s以上であってもよい。なお、本明細書における−40℃におけるBF粘度は、ASTM D 2983に準拠して測定される値を意味する。
本発明によれば、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、低温特性及び熱安定性に優れる緩衝器用潤滑油組成物が提供される。このような潤滑油組成物を緩衝器に適用することによって、優れた操縦安定性及び乗り心地を得ることができる。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[潤滑油組成物の調製]
(実施例1〜9及び比較例1〜6)
表1及び表2に示すように、実施例1〜9及び比較例1〜6の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。なお、潤滑油組成物の調製の際には、その100℃における動粘度が、3.1〜3.2mm/sの範囲内になるように主に粘度指数向上剤の含有量を調整した。得られた潤滑油組成物について、粘度特性、低温特性、摩擦特性、熱安定性等を検討した。
表1及び表2に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
<潤滑油基油>
X−1:水素化精製鉱油(GpII)(40℃動粘度:7.71mm/s、100℃動粘度:2.254mm/s、粘度指数:99、流動点:−42℃、引火点:162℃)
X−2:水素化精製鉱油(GpII)(40℃動粘度:8.854mm/s、100℃動粘度:2.464mm/s、粘度指数:100、流動点:−42.5℃、引火点:168℃)
X−3:ワックス異性化基油(GpIII)(40℃動粘度:9.072mm/s、100℃動粘度:2.621mm/s、粘度指数:127)
X−4:ポリα−オレフィン(GpIV)(40℃動粘度:5mm/s、100℃動粘度:1.7mm/s、粘度指数:91、流動点:−66℃、引火点:157℃)
<ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤>
A−1:非分散型ポリメタクリレート、エボニックジャパン社製、VISCOPLEX 12−150(重量平均分子量:50,000)
A−2:非分散型ポリメタクリレート、エボニックジャパン社製、VISCOPLEX 12−419(重量平均分子量:170,000)
a−1:分散型ポリメタクリレート、エボニックジャパン社製、VISCOPLEX 12−105(重量平均分子量:40,000)
a−2:分散型ポリメタクリレート、エボニックジャパン社製、VISCOPLEX 12−413(重量平均分子量:150,000)
<ジアルキルジチオリン酸亜鉛>
B−1:第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛(上記一般式(1)のR11〜R14が炭素数8の第1級アルキル基である化合物)、オロナイト社製、OLOA 269R(亜鉛含有量:9.0質量%、リン含有量:7.4質量%、硫黄含有量:15.0質量%)
C−1:第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛(上記一般式(2)のR21〜R24が炭素数4の第2級アルキル基である化合物(90質量%)とR21〜R24が炭素数6の第2級アルキル基である化合物(10質量%)との混合物)、オロナイト社製、OLOA 262(亜鉛含有量:8.0質量%、リン含有量:7.2質量%、硫黄含有量:14.5質量%)
<脂肪酸と多価アルコールとのエステル>
D−1:ペンタエリスリトールモノオレエート、花王株式会社製、エキセパールPE−MO
<脂肪酸アミド>
E−1:イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの反応物、オロナイト社製、OLOA 340D(窒素含有量:6.2質量%)
<酸化防止剤>
F−1:モノブチルフェニルモノオクチルフェニルアミン、BASF社製、IRGANOX L57(窒素含有量:4.5質量%)
<消泡剤>
G−1:ポリアルキルハロアルキルシロキサン(100%)、東レ・ダウコーニング株式会社製、FS 1265(300cS)(動粘度(25℃):270〜330mm/s、比重(25℃):1.22〜1.32、屈折率(25℃):1.378〜1.383)
各成分の各元素含有量は、ICP元素分析法によって求めた。
(1)粘度特性
JIS K2283に準拠し、各潤滑油組成物の100℃における動粘度を測定した。
(2)低温特性
ASTM D 2983に準拠し、各潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度を測定した。本試験においては、BF粘度の値が小さい(例えば、1,500mPa・s以下)ほど、低温特性に優れていることを意味する。
(3)摩擦特性
各潤滑油組成物について、以下の測定条件で、バウデン試験(バウデン式往復動摩擦試験)を行い、測定10回目の動き出しにおける静摩擦係数(μs)及び測定10回目の動摩擦係数(μd)を測定した。測定10回目の動き出しにおける静摩擦係数(μs)が高い(例えば、0.135以上)ほど、操縦安定性に優れていることを意味する。なお、静摩擦係数(μs)が高すぎる(例えば、0.145超)と、操舵感が固くなる傾向にあるので、静摩擦係数(μs)は、特定範囲(例えば、0.135以上0.145以下)にあることが好ましい。また、測定10回目の動摩擦係数(μd)が低い(例えば、0.075以下)ほど、乗り心地に優れていることを意味する。なお、動摩擦係数(μd)が低すぎる(例えば、0.065未満)と、安定感が失われる傾向にあるので、動摩擦係数(μd)は、特定範囲(例えば、0.065以上0.075以下)にあることが好ましい。
テストピース:SUJ−2球/クロムメッキ鋼板
荷重:9.8N
すべり速度:4mm/s(ストローク:10mm)
油温:80℃
測定回数:20回目
(4)熱安定性
ビーカーに100mL採取した潤滑油組成物を、空気恒温槽において、150℃で48時間加熱した。加熱後の潤滑油組成物について、色相及びスラッジの有無を評価した。色相は、ASTM D156に準拠して評価した。色相は、数値が小さい(例えば、5.0以下)ほど、熱安定性に優れていることを意味する。また、スラッジの有無は、目視で評価した。
Figure 2018203953
Figure 2018203953
表1及び表2に示すとおり、実施例1〜9の潤滑油組成物は、粘度特性、低温特性、摩擦特性、及び熱安定性において、比較例1〜6の潤滑油組成物に比べて優れていた。また、第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比を調整することによって、摩擦特性(操縦安定性及び乗り心地)をより一層改善できることが判明した。これらの結果から、本発明の緩衝器用潤滑油組成物が、摺動部位において、静摩擦力を高めつつ、動摩擦力を低減させることができ、さらには、低温特性及び熱安定性に優れることが確認された。

Claims (4)

  1. 100℃における動粘度が0.1〜5.0mm/sである潤滑油基油と、
    組成物全量を基準として、
    重量平均分子量が30,000〜200,000である非分散型のポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤0.5〜10.0質量%と、
    下記一般式(1)で表される第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜1.0質量%と、
    下記一般式(2)で表される第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛0.1〜0.8質量%と、
    を含有し、
    前記第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量に対する、前記第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量の比が0.4〜2.5であり、
    −40℃におけるBF粘度が1,500mPa・s以下である、
    緩衝器用潤滑油組成物。
    Figure 2018203953

    [式(1)中、R11〜R14は、それぞれ独立に第一級アルキル基を示す。]
    Figure 2018203953

    [式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に第二級アルキル基を示す。]
  2. 前記緩衝器用潤滑油組成物の100℃における動粘度が2.0〜3.5mm/sである、
    請求項1に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
  3. 前記第1のジアルキルジチオリン酸亜鉛が、炭素数6〜10の第一級アルキル基を含む、
    請求項1又は2に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
  4. 前記第2のジアルキルジチオリン酸亜鉛が、炭素数3〜5の第二級アルキル基を含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の緩衝器用潤滑油組成物。
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