JP2018203725A - くすみ抑制剤、化粧料及び皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、安全で、かつ、肌のくすみ抑制するくすみ抑制剤、及び、前記くすみ抑制剤を含む化粧料、前記くすみ抑制剤を含む皮膚外用剤を提供することを目的とする。【解決手段】ハマメリス由来の抽出物の抽出物を有効成分とする、肌のくすみを抑制する肌のくすみ抑制剤であること。【選択図】図1
Description
この発明は、肌のくすみを抑制するくすみ抑制剤、及び、前記くすみ抑制剤を含む化粧料、前記くすみ抑制剤を含む皮膚外用剤に関する。
例えば、紫外線の照射や、排ガス等に含まれる硫化化合物や窒素化合物などにより生体内で誘発された活性酸素は、細胞や遺伝子を損傷し、あるいは脂質を分解する。分解された脂質は、細胞内のタンパク質と結合してカルボニル化タンパク質を生成し、細胞内に堆積することとなる。このカルボニル化タンパク質は黄色をしており、肌のくすみの原因となっている。
このような肌のくすみに対する安全で効果的な対応として、スーパーオキシドディスムターゼやカタラーゼ等の活性酸素分解酵素を含む化粧料や、あるいはビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用を有する化合物を含む化粧料など、様々な提案がされてきた。
例えば、特許文献1には、天然物であるシソ科キャットニップのエッセンスからなる活性酸素消去剤が提案されており、安全に抗酸化機能を向上させることができるとされている。また、より抗酸化機能を向上させるために、前記活性酸素消去剤に活性酸素分解酵素であるスーパーオキシドディスムターゼを配合することも提案されている。しかしながらこれらの活性酸素消去剤は、肌のくすみ対策としては十分な効果が得られていなかった。
この発明は、上述した問題を鑑み、安全で、かつ、肌のくすみを抑制するくすみ抑制剤、前記くすみ抑制剤を含む化粧料及び前記くすみ抑制剤を含む皮膚外用剤を提供することを目的とする。
この発明は、ハマメリス由来の抽出物を有効成分とする、肌のくすみを抑制する肌のくすみ抑制剤であることを特徴とする。
またこの発明は、上述のくすみ抑制剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤であることを特徴とする。
またこの発明は、上述のくすみ抑制剤を含有する化粧料又は皮膚外用剤であることを特徴とする。
上述のハマメリス由来の抽出物とは、ハマメリスの全部又は一部から抽出したものを含む。ハマメリスの一部とは、例えば花や茎、種子、葉、根などから抽出したものを含む。なお、ハマメリスの一部から抽出したものとは、これらの部位の内、複数を選択して抽出したものも含む。
なお、抽出物の抽出方法は、例えば乾燥させたハマメリスの全部又は一部を粉砕し、有機溶媒や水などで溶解した後に、固形物を濾過して抽出物を抽出する方法などが考えられるが、この方法に限らずどのような方法で抽出してもよい。
前記化粧料は、性状が液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよく、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗顔料、メーキャップ化粧料等の皮膚用化粧料等とすることができる。
同様に、前記皮膚外用剤も液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよい。
同様に、前記皮膚外用剤も液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよい。
この発明によると、天然物であるハマメリスから抽出した抽出物を用いた肌のくすみ抑制剤であるため、安全に肌のくすみ抑制することができる。
この発明の態様として、前記有効成分は、タンパク質のカルボニル化を抑制するカルボニル化抑制剤を含有することができる。
この発明によると、肌のくすみの一因であるカルボニル化タンパク質が生成されることを抑制できるため、確実に肌のくすみを抑制できる。
この発明によると、肌のくすみの一因であるカルボニル化タンパク質が生成されることを抑制できるため、確実に肌のくすみを抑制できる。
詳述すると、紫外線や窒素化物などの外的要因により誘発される活性酸素により、例えば脂質が分解されることにより生じるアルデヒト化合物と生体内のタンパク質が結合して、生成されるカルボニル化タンパク質が肌の内部に堆積することは、肌のくすみの一因となる。
本発明によると、細胞内の活性酸素の量を低減できるとともに、不飽和アルデヒトに起因する、あるいは、不飽和脂肪酸に起因するタンパク質のカルボニル化を抑制できるため、肌のくすみを抑制することができる
本発明によると、細胞内の活性酸素の量を低減できるとともに、不飽和アルデヒトに起因する、あるいは、不飽和脂肪酸に起因するタンパク質のカルボニル化を抑制できるため、肌のくすみを抑制することができる
またこの発明の態様として、前記有効成分は、フィラグリン遺伝子の発現を活性化させる発現活性剤としてもよい。
この発明によると、分解されることにより天然保湿因子(NMF)となるフィラグリンに対応するフィラグリン遺伝子の発現を活性化できる。これにより発現されたフィラグリンが、タンパク質分解酵素によって分解されてNMFとなり、肌の保湿機能を向上するとともに、肌のバリア機能を向上させることができ、肌のくすみを抑制することができる。
この発明によると、分解されることにより天然保湿因子(NMF)となるフィラグリンに対応するフィラグリン遺伝子の発現を活性化できる。これにより発現されたフィラグリンが、タンパク質分解酵素によって分解されてNMFとなり、肌の保湿機能を向上するとともに、肌のバリア機能を向上させることができ、肌のくすみを抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記有効成分は、カスパーゼ14遺伝子の発現を活性化させる発現促進剤としてもよい。
この発明によると、フィラグリンを分解するタンパク質分解酵素であるカスパーゼ14に対応するカスパーゼ14遺伝子の発現が活性化されるため、よりフィラグリンの分解が促進されることとなり、より確実に肌の保湿機能を向上するとともに、肌のバリア機能を向上させることができる。
この発明によると、フィラグリンを分解するタンパク質分解酵素であるカスパーゼ14に対応するカスパーゼ14遺伝子の発現が活性化されるため、よりフィラグリンの分解が促進されることとなり、より確実に肌の保湿機能を向上するとともに、肌のバリア機能を向上させることができる。
この発明により、安全で、かつ、肌のくすみを抑制するくすみ抑制剤、前記くすみ抑制剤を含む化粧料、及び前記くすみ抑制剤を含む皮膚外用剤を提供することができる。
本実施形態に係るハマメリス由来の抽出物は、ハマメリス由来の成分を抽出したものであれば特に抽出させるために用いる部位は限定されず、例えば、花や葉、実、茎、種子、根等の各部分も使用できるが、花や葉を用いることが好ましい。より好ましくは花を用いることがよい。なお、例えば花と葉を用いて抽出するなど、複数の部位を用いて抽出しても構わない。
ハマメリス由来の抽出物を得る方法は、どのような方法であってもよい。例えば、乾燥させたハマメリスの花や葉などを粉砕した粉砕物を適当な抽出溶媒に浸漬する方法、ハマメリスの花や葉を常温から抽出溶媒の沸点の範囲内において攪拌して抽出する方法等によって抽出物を得ることができる。
具体的には、ハマメリス由来の抽出物の抽出方法として、乾燥したハマメリスの花や葉などをミキサーやすりこぎなどで粉砕し、25℃以上80℃以下の温度の水又は20〜70%エタノール水溶液で数時間から10日間程抽出して濾過する方法が好ましい。より好ましくは、25℃以上80℃以下の温度の水又は20〜70%エタノールで1週間程静置又は撹拌して抽出することが好ましい。
ハマメリスから抽出物を抽出する前記抽出溶媒はどのような溶媒であってもよいが、本発明が化粧料や皮膚用外溶剤として使用される場合には、水及びエタノールを適当な割合で混合して抽出溶媒とすることが好ましい。
このようにして得られたハマメリス由来の抽出物は、肌のくすみを抑制させる効果を有する。
具体的に、肌のくすみは、紫外線や窒素化合物により分解された脂質などが細胞内のタンパク質と結合することにより、タンパク質が変性して黄色に変色したカルボニル化タンパク質となり細胞内で堆積することが一因と考えられている。
具体的に、肌のくすみは、紫外線や窒素化合物により分解された脂質などが細胞内のタンパク質と結合することにより、タンパク質が変性して黄色に変色したカルボニル化タンパク質となり細胞内で堆積することが一因と考えられている。
ここで、ハマメリス由来の抽出物は抗酸化機能を向上させる効果を奏する有効成分を有するため、過酸化水素やフリーラジカルなどといった活性酸素を還元させて、生体内における活性酸素濃度を低減できる。これにより活性酸素による脂質の酸化を抑制でき、タンパク質のカルボニル化を抑制できる。
また、ハマメリス由来の抽出物は、生体内における活性酸素濃度を低減するだけでなく、不飽和アルデヒト、あるいは、不飽和脂肪酸に起因するタンパク質のカルボニル化を阻害する効果を奏するため、カルボニル化タンパク質の生成をより確実に抑制できる。したがって、肌のくすみを抑制して美白効果を奏する。
さらにまた、前記抽出物は、分解されてNMFとなるフィラグリンの遺伝子及びフィラグリンを分解するカスパーゼ14の遺伝子の発現を活性化できる。
詳述すると、フィラグリンは角層においてカスパーゼ14によって分解されて、NMFの前駆体となる。このように、フィラグリン及びカスパーゼ14の発現量が増加させることにより、NMFを増加させることができる。これにより、肌の保湿機能を向上できるため、肌の老化を抑制しながら肌のバリア機能が向上し、肌のくすみを抑制できる。
詳述すると、フィラグリンは角層においてカスパーゼ14によって分解されて、NMFの前駆体となる。このように、フィラグリン及びカスパーゼ14の発現量が増加させることにより、NMFを増加させることができる。これにより、肌の保湿機能を向上できるため、肌の老化を抑制しながら肌のバリア機能が向上し、肌のくすみを抑制できる。
このように抽出されたハマメリス由来の抽出物は、活性酸素の濃度を低減するとともに、細胞内のタンパク質のカルボニル化を阻害できるため、よりタンパク質のカルボニル化を抑制できる。加えて、保湿成分であるNMFを増加させることで肌の保湿機能及び肌のバリア機能を向上できる。これにより、肌のくすみを抑制できるとともに、美白効果や肌の老化を防止でき、化粧料や皮膚外用剤として有用である。
上述の皮膚外用剤または化粧料の性状は、液状、ゲル状、クリーム状、半固形状、固形状、スティック状、パウダー状等のいずれであってもよく、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗顔料、メーキャップ化粧料等の皮膚用化粧料等とすることができる。
本実施形態に係る皮膚外用剤又は化粧料には、上記抽出物が有する抗酸化機能の活性化の促進や、細胞内のタンパク質のカルボニル化の抑制を妨げない限り、通常の皮膚外用剤や化粧料の製造に用いられる主剤、助剤またはその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、乳化剤、増泡剤、増粘剤、消臭・脱臭剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、美白剤、酵素、ホルモン類、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、精製水などを配合することができる。
前記皮膚外用剤は、上記抽出物が有する抗酸化機能の活性化の促進や、細胞内のタンパク質のカルボニル化の抑制を妨げない限り、皮膚外用剤に通常用いられる種々の成分、例えば、保湿剤、油性物質、界面活性剤、増粘剤、中和剤、防腐剤、抗酸化剤、色素、香料、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、他の薬効成分などが挙げられる。
以下実施例をもって詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1:ハマメリスの抽出物の抽出方法
乾燥させたハマメリスの花及び葉(100g)をミキサーで粉砕した後に、50w/w%のエタノールを加えて室温で1週間撹拌しながら抽出し,濾過を行った。得られた濾液は、濃縮・乾燥してハマメリス抽出物(5.2g)を得た。
乾燥させたハマメリスの花及び葉(100g)をミキサーで粉砕した後に、50w/w%のエタノールを加えて室温で1週間撹拌しながら抽出し,濾過を行った。得られた濾液は、濃縮・乾燥してハマメリス抽出物(5.2g)を得た。
比較例1:オウレンの抽出物の抽出方法
乾燥させたオウレンの花及び葉(100g)をミキサーで粉砕した後に、50w/w%のエタノールを加えて室温で1週間撹拌しながら抽出し,濾過を行った。得られた濾液は、濃縮・乾燥してオウレン抽出物(3.8g)を得た。
乾燥させたオウレンの花及び葉(100g)をミキサーで粉砕した後に、50w/w%のエタノールを加えて室温で1週間撹拌しながら抽出し,濾過を行った。得られた濾液は、濃縮・乾燥してオウレン抽出物(3.8g)を得た。
正常ヒト新生児ケラチノサイト(HEKn)の培養方法
正常ヒト新生児ケラチノサイト(HEKn)をヒトケラチノサイト増殖用培地サプリメント(HKGS)を添加したEpiLife培地とkeratinocyte用培地を用いて37℃、5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、Epilife培地を抜き取り、Trypsin/EDTAソリューションとTrypsin Neutralizingソリューションを用いて、HEKnを剥離して継代培養を行った。
正常ヒト新生児ケラチノサイト(HEKn)をヒトケラチノサイト増殖用培地サプリメント(HKGS)を添加したEpiLife培地とkeratinocyte用培地を用いて37℃、5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、Epilife培地を抜き取り、Trypsin/EDTAソリューションとTrypsin Neutralizingソリューションを用いて、HEKnを剥離して継代培養を行った。
試験例1:細胞内活性酸素の抑制作用の測定
ハマメリス抽出物を添加したHEKnにおける活性酸素の抑制作用の測定方法について記載する。
ハマメリス抽出物を添加したHEKnにおける活性酸素の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりHEKnを培養するEpiLife培地に最終濃度が0μg/ml、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、及び25.0μg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物を添加し、37℃、5%CO2下で24時間培養した。
次に、ハマメリス抽出物を添加したHEKnにROS検出蛍光プローブH2DCFDA(CALBIOCHEM 287810)を添加して、37℃、5%CO2下で30分培養した。その後、終濃度0μM、及び、500μMとなるように過酸化水素水を添加して、37℃、5%CO2下で30分培養し、各条件における蛍光強度をマイクロプレートリーダ(Life Technologies 社 FLoid(登録商標))で計測し評価した。その結果を図1に示す。
比較試験例1:細胞内活性酸素の抑制作用の測定
比較例であるオウレン抽出物を添加したHEKnにおける活性酸素の抑制作用の測定方法について記載する。
比較例であるオウレン抽出物を添加したHEKnにおける活性酸素の抑制作用の測定方法について記載する。
同様に、上述のHEKnを培養するEpiLife培地に最終濃度が0μg/ml、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、及び25.0μg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物を添加し、37℃、5%CO2下で24時間培養した。
次に、比較例であるオウレン抽出物を添加したHaCaTケラノサイトにROS検出蛍光プローブH2DCFDAを添加して、37℃、5%CO2下で30分培養した。その後、終濃度0μM、及び、500μMとなるように過酸化水素水を添加して、37℃、5%CO2下で30分培養し、各条件における蛍光強度をマイクロプレートリーダで計測し評価した。その結果を図2に示す。
図1及び図2は、ハマメリス抽出物及び比較例であるオウレン抽出物を添加したEpiLife培地で培養したHEKnにおいて、過酸化水素水を添加した場合のハマメリス及びオウレン抽出物の濃度に対する過酸化水素の抑制効果を示した棒グラフであり、縦軸は細胞のタンパク量に対する蛍光強度を示す。
なお、細胞のタンパク量は、BCA(Bicin Choninic Acid)法を用いて測定した。
なお、細胞のタンパク量は、BCA(Bicin Choninic Acid)法を用いて測定した。
図1に示すように、HEKnを培養するEpiLife培地に対して過酸化水素水を添加することにより、活性酸素濃度が大幅に増加するが、過酸化水素処理する前にハマメリス抽出物を添加した場合、活性酸素濃度を低減できることが分かった。また、ハマメリス抽出物の濃度が濃いほど、過酸化水素水(活性酸素)が減少することが分かった。
同様に、図2に示すように、過酸化水素処理する前にオウレン抽出物が添加されているHEKnにおいても、活性酸素濃度を低減できることが分かった。また、オウレン抽出物の濃度が濃いほど、過酸化水素水(活性酸素)が減少することが分かった。
このことから、ハマメリス抽出物及びオウレン抽出物は活性酸素濃度を低減する効果を奏するため、活性酸素による損傷や脂質の分解などを低減するとともに、活性酸素による肌の老化等を抑制できる。
試験例2:タンパク質のカルボニル化の抑制作用実験
以下、HEKnを用いて、ハマメリス抽出物及び比較例であるオウレン抽出物によるタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法及びその結果について記載する。
以下、HEKnを用いて、ハマメリス抽出物及び比較例であるオウレン抽出物によるタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法及びその結果について記載する。
<試験例2−1>
先ず、ハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物を添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
先ず、ハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物を添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
その後、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体(Fluores−5−thiosemicarbazide)を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄した後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図3)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図5)。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養したものをコントロールとして用いた。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養したものをコントロールとして用いた。
<試験例2−2>
アクロレインを添加した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、28時間、37℃にてインキュベートした。
アクロレインを添加した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、28時間、37℃にてインキュベートした。
その後、スライドガラスに残っている試薬をエタノールで洗浄し、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図4)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図5)。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加したものをコントロールとして用いた。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加したものをコントロールとして用いた。
この結果、不飽和アルデヒトであるアクロレインを添加しないHEKnでは、ハマメリス抽出物の添加の有無によるカルボニル化タンパク質の量の差がほとんど見られなかった(図3及び図5)。一方、アクロレインを添加したHEKnでは、ハマメリス抽出物を添加していない場合に、著しくカルボニル化タンパク質が増加しているのに対し(図4(a)参照)、ハマメリス抽出物を添加した場合には、不飽和アルデヒトに起因するカルボニル化タンパク質の量が増加しておらず、タンパク質のカルボニル化が抑制されていることが分かった(図4(b)乃至(f)参照)。
また、ハマメリス抽出物の終濃度が3.13μg/ml以下では、ハマメリス抽出物の濃度が濃いほどタンパク質のカルボニル化を抑制しているが(図4(b)乃至(f)参照)、添加したハマメリス抽出物の終濃度が3.13μg/ml以上では、カルボニル化タンパク質の量に大きな差異は見られなかった(図5参照)。
<比較例2−1>
比較例であるオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpilife培地で培養したHEKnを培養した24時間後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
比較例であるオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpilife培地で培養したHEKnを培養した24時間後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
その後、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図6)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図8)。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養したものをコントロールとして用いた。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養したものをコントロールとして用いた。
<比較例2−2>
アクロレインを添加した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを24時間培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
アクロレインを添加した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法によりEpiLife培地で培養したHEKnを24時間培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、1.56μg/ml、3.13μg/ml、6.25μg/ml、12.5μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
その後、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図7)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図8)。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養し、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加したものをコントロールとして用いた。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養し、終濃度が25μMとなるようにアクロレインを添加したものをコントロールとして用いた。
この結果、不飽和アルデヒトであるアクロレインを添加しないHEKnでは、オウレン抽出物の添加の有無によるカルボニル化タンパク質の量の差がほとんど見られなかった(図6及び図8)。一方、アクロレインを添加したHEKnでは、オウレン抽出物を添加していない場合には、著しくタンパク質がカルボニル化しているのに対し(図6(a)参照)、オウレン抽出物を添加した場合には、カルボニル化タンパク質の量が増加しておらず、タンパク質のカルボニル化が抑制されていることが分かった。
また、ハマメリスと同様に、添加したオウレン抽出物の終濃度が3.13μg/ml以下では添加したオウレン抽出物の濃度が濃いほど、タンパク質のカルボニル化を抑制していることが分かった(図6(b)乃至(f)参照)。なお、添加したオウレン抽出物の終濃度が3.13μg/ml以上では、不飽和アルデヒトに起因するカルボニル化タンパク質の量に大きな差異は見られなかった(図8参照)。
また、ハマメリス抽出物及びオウレン抽出物を添加することにより、アクロレインを含まないHEKnと同レベルまで、カルボニル化タンパク質の生成を低減できる。このことから、ハマメリス抽出物及びオウレン抽出物は、不飽和アルデヒトであるアクロレインに対してタンパク質のカルボニル化を効果的に阻害する機能を有することが分かった。
<試験例2−3>
オレイン酸を添加した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法により、テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び、0.25mg/ml、0.50mg/ml、1.00mg/ml、2.00mg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、48時間、37℃にてインキュベートした。
オレイン酸を添加した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法により、テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び、0.25mg/ml、0.50mg/ml、1.00mg/ml、2.00mg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、48時間、37℃にてインキュベートした。
その後、スライドガラスに残っている試薬をエタノールで洗浄し、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図9)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図11)。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加したものをコントロールとして用いた。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加したものをコントロールとして用いた。
<試験例2−4>
オレイン酸を添加してUVA照射した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び、0.25mg/ml、0.50mg/ml、1.00mg/ml、2.00mg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、BLBLampsでUVAを10J/cm2照射した。照射後、48時間、37℃にてインキュベートした。
オレイン酸を添加してUVA照射した場合のハマメリス抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び、0.25mg/ml、0.50mg/ml、1.00mg/ml、2.00mg/mlとなるように調整したハマメリスの抽出物と終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、BLBLampsでUVAを10J/cm2照射した。照射後、48時間、37℃にてインキュベートした。
その後、スライドガラスに残っている試薬をエタノールで洗浄し、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体(Fluores−5−thiosemicarbazide)を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図10)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図11)。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加してUVAを照射したものを、コントロールとして用いた。
なお、ハマメリス抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加してUVAを照射したものを、コントロールとして用いた。
この結果、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を添加した角層では、ハマメリス抽出物を添加していない場合に、タンパク質のカルボニル化が見られたが(図9(a)及び図11)、ハマメリス抽出物を添加することによりタンパク質のカルボニル化を抑制できることが分かった(図9(b)、図9(c)及び図11)。なお、添加したハマメリス抽出物の終濃度が0.25mg/ml以上では、カルボニル化タンパク質の量に大きな差異は見られなかった(図11参照)。
一方、オレイン酸を添加するとともにUVAを照射した角層では、ハマメリス抽出物を添加していない場合には、著しくカルボニル化タンパク質が増加しているのに対し(図10(a)参照)、ハマメリス抽出物を添加した場合には、カルボニル化タンパク質の増加量を抑制している。このことから、ハマメリス抽出物は、不飽和脂肪酸にUVAを照射することにより生じるタンパク質のカルボニル化を阻害していることが分かった(図10(b)乃至(f)参照)。なお、添加したハマメリス抽出物の終濃度が濃いほどタンパク質のカルボニル化を阻害することが分かった(図11参照)。
これは、紫外線を角層に照射することにより、不飽和酸であるオレイン酸が酸化して角層内のタンパク質と結合し、カルボニル化タンパク質を生成することに起因すると考えられる。このように不飽和脂肪酸であるオレイン酸がUVAによって酸化される環境下においてもハマメリス抽出物はタンパク質のカルボニル化を阻害できる。
<比較例2−3>
オレイン酸を添加した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法により、テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び0.01mg/ml、0.025mg/ml、0.05mg/ml、0.10mg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、48時間、37℃にてインキュベートした。
オレイン酸を添加した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
上述の方法により、テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び0.01mg/ml、0.025mg/ml、0.05mg/ml、0.10mg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、48時間、37℃にてインキュベートした。
その後、スライドガラスに残っている試薬をエタノールで洗浄し、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図12)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図14)。
<比較例2−4>
オレイン酸を添加してUVA照射した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び0.01mg/ml、0.025mg/ml、0.05mg/ml、0.10mg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、BLB LampsでUVAを10 J/cm2照射した。照射後、48時間、37℃にてインキュベートした。
オレイン酸を添加してUVA照射した場合のオウレン抽出物を用いたタンパク質のカルボニル化の抑制作用の測定方法について記載する。
テープストリッピング法で角層を剥がし、スライドガラスに転写し、Xyleneに一晩付けた。乾燥させた後、最終濃度が0mg/ml、及び0.01mg/ml、0.025mg/ml、0.05mg/ml、0.10mg/mlとなるように調整したオウレンの抽出物と、終濃度が5%となるようにオレイン酸を添加し、BLB LampsでUVAを10 J/cm2照射した。照射後、48時間、37℃にてインキュベートした。
その後、スライドガラスに残っている試薬をエタノールで洗浄し、カルボニル化タンパク質中のアルデヒド基と反応性の高いヒドラジド誘導体(Fluores−5−thiosemicarbazide)を用いてカルボニル染色を行った。染色液を蒸留水で洗浄後、Floidを用いて緑色の蛍光画像を撮り(図13)、画像解析ソフトにて細胞面積当たりの蛍光輝度を算出し、カルボニル化タンパク質レベルとして評価した(図14)。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加してUVAを照射したものを、コントロールとして用いた。
なお、オウレン抽出物を添加せずに培養し、オレイン酸を添加してUVAを照射したものを、コントロールとして用いた。
この結果、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を添加した角層では、オウレン抽出物を添加していない場合に、タンパク質のカルボニル化はほとんど見られなかった(図12(a)及び図14)。また、オウレン抽出物を添加した場合であっても、オウレン抽出物を添加していない場合と比べてカルボニル化タンパク質の量に差異がないことが分かった(図12(b)、図12(c)及び図11)。
一方、オレイン酸を添加するとともにUVAを照射した角層では、オウレン抽出物を添加していない場合には、著しくカルボニル化タンパク質が増加している(図13(a)参照)。同様に、オウレン抽出物を添加した場合であっても、カルボニル化タンパク質の量にさほど差はなく、タンパク質のカルボニル化を過度に抑制していないことが分かった(図13(b)乃至(f)参照)。このように不飽和脂肪酸であるオレイン酸がUVAによって酸化される環境下において、オウレン抽出物はタンパク質のカルボニル化を抑制できない。
試験例3:遺伝子発現量の測定方法
上述の方法によりEpilifeで培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、5.0μg/ml、10.0μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリス抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインとを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
その後、培養したHEKnから全RNAを抽出してリアルタイムPCR法を行った。
上述の方法によりEpilifeで培養したHEKnを培養した後、最終濃度が0μg/ml、及び、5.0μg/ml、10.0μg/ml、25.0μg/mlとなるように調整したハマメリス抽出物と、終濃度が25μMとなるようにアクロレインとを添加し、24時間、37℃にてインキュベートした。
その後、培養したHEKnから全RNAを抽出してリアルタイムPCR法を行った。
上述のようにハマメリス抽出物の濃度が0μg/ml、5.0μg/ml、10.0μg/ml、及び25.0μg/mlとして24時間培養させたHEKn細胞内のRNAを回収し、測定対象に対応するプライマーを用いてリアルタイムPCR法を行い、ハマメリス抽出物の添加の有無において発現されたmRNAの発現量を測定して、評価する。その結果を図15及び図16に示す。
ここで、プライマーに関しては、フィラグリン及びカスパーゼ14に対応するプライマーを作成し、これらを用いてそれぞれの発現量を調べた。なお、リアルタイムPCRは遺伝子解析の分野においては、当業者であるならば周知の技術であるため詳細は省く。
図15はハマメリス抽出物の添加の有無に対するフィラグリン遺伝子の発現量の表すグラフであり、図16はハマメリス抽出物の添加の有無に対するカスパーゼ14遺伝子の発現量の表すグラフである。
なお、コントロールとしてアクチンを用いている。
なお、コントロールとしてアクチンを用いている。
図15に示すように、HEKnを培養するEpilifeに添加したハマメリス抽出物の添加量が増加するごとに、フィラグリン遺伝子の発現が活性化され、フィラグリンの発現量が増加していることが分かる。
また、図16に示すように、HEKnを培養するEpilifeに添加したハマメリス抽出物の添加量が増加するごとに、カスパーゼ14遺伝子の発現が活性化され、カスパーゼ14の発現量が増加されていることが分かる。
このように、ハマメリス抽出物を添加して培養したHEKnでは、フィラグリン遺伝子及びカスパーゼ14遺伝子の発現量が増加している。ここで、フィラグリンはカスパーゼ14によって分解されてNMFの前駆体となることから、フィラグリン遺伝子及びカスパーゼ14遺伝子の発現量が増加することによりNMFが増加すると考えられる。したがって、ハマメリス抽出物は、肌の保湿機能を向上させるとともに、保湿機能の向上により肌のバリア機能も向上させることができる。
上述のように、ハマメリス由来の抽出物を添加したEpilifeで培養されたHEKnでは、過酸化水素量を低減できるとともに、カルボニル化タンパク質の量を減少できる。このことから、ハマメリス抽出物は肌のくすみを抑制する効果を有する。
また、ハマメリス由来の抽出物であるハマメリス抽出物を添加したEpilifeで培養されたHEKnでは、フィラグリン遺伝子及びカスパーゼ14遺伝子の発現量が増加しているため、フィラグリン及びカスパーゼ14の発現量が増加している。このため、細胞内のNMFが増加され、肌の保湿機能を向上させることができ、肌のバリア機能を向上できる。
以上に示すように、本発明は、生体内において、活性酸素の低減を行うとともに、タンパク質のカルボニル化を抑制してカルボニル化タンパク質の量を低減できる。また、肌の保湿機能及び肌のバリア機能を向上させることができるため、肌のくすみを抑制できる。
また、本発明は、生体内に存在する抗酸化機能を活性化させる構成であるため、例えば所定のタンパク質の活性を抑制する阻害剤などを加える場合に比べて、安全性が高いと考えられる。
Claims (6)
- ハマメリス由来の抽出物を有効成分とする、肌のくすみを抑制する肌のくすみ抑制剤。
- 前記有効成分は、タンパク質のカルボニル化を抑制するカルボニル化抑制剤を含有する
請求項1に記載のくすみ抑制剤。 - 前記有効成分は、フィラグリン遺伝子の発現を活性化させる
請求項1又は請求項2に記載のくすみ抑制剤。 - 前記有効成分は、カスパーゼ14遺伝子の発現を活性化させる
請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のくすみ抑制剤。 - 請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載のくすみ抑制剤を含有する
化粧料。 - 請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載のくすみ抑制剤を含有する
皮膚外用剤。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7455350B2 (ja) | 2019-10-17 | 2024-03-26 | 丸善製薬株式会社 | 大気汚染物質によるダメージ抑制剤、化粧料及び飲食品 |
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2018
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