JP2018203560A - 金属窒化物生成装置及び金属窒化物生成方法 - Google Patents

金属窒化物生成装置及び金属窒化物生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温の非熱平衡プラズマを用いて金属酸化物から金属窒化物を生成することができる金属窒化物生成装置、金属窒化物生成方法を提供すること。【解決手段】本発明は、第1電極と、第1電極と離間して配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に形成された空間に窒素を含む気体の雰囲気を形成する気体注入部と、第1電極と第2電極との間に電圧を加え、空間に金属酸化物が配置された状態で、雰囲気における空間に放電してプラズマ状態を生成する電源部と、を備える、金属窒化物生成装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、金属酸化物から金属窒化物を生成する金属窒化物生成装置及び金属窒化物生成方法に関する。
従来、金属窒化物を生成する方法として、様々な手法が提案されている。例えば、単体の金属マグネシウムを原料にして加熱法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて窒化マグネシウムを生成する方法がある。しかし、単体の金属マグネシウムを生成するために、酸化マグネシウムを原料とした加熱法(熱プラズマを含む)や電気分解法などが用いられるが、いずれも数千℃の高温、あるいは大電力が必要とされていた。金属窒化物を生成する際、単体の金属を介することなく、安定した金属酸化物を用い、直接金属窒化物を生成できれば、エネルギーコストが低減され得る。
金属酸化物から金属窒化物を生成する技術として例えば特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載された金属窒化物の生成方法によると、容器の底部に溜められた原料の金属酸化物の粉末を、底部に配置された送風機で上方に浮遊させて移送し、移送の途中で窒素ガス、アンモニアガス及び有機ガスを添加して混合気体を生成し、粉末を含有する混合気体を上方に配置された加熱部で加熱して金属窒化物を生成している。
特開2001−106525号公報
特許文献1に記載された技術では、金属酸化物から金属窒化物を生成する加熱の工程で高温(800〜1800[℃])が必要であった。
本発明は、低温の非熱平衡プラズマを用いて金属酸化物から金属窒化物を生成することができる金属窒化物生成装置、金属窒化物生成方法を提供することを目的とする。
(1):本発明は、第1電極と、前記第1電極と離間して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間に窒素を含む気体の雰囲気を形成する気体注入部と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加え、前記空間に金属酸化物が配置された状態で、前記雰囲気における前記空間に放電してプラズマ状態を生成する電源部と、を備える、金属窒化物生成装置である。
本発明はこのような構成により、窒素を含む気体の雰囲気においてプラズマ処理をおこなうことで金属酸化物から金属窒化物を生成することができる。
(2):本発明は、(1)に記載の金属窒化物生成装置であって、前記プラズマ状態が非熱平衡プラズマ状態であるものである。
本発明は、非熱平衡プラズマ状態で金属酸化物と窒素を含む気体とを反応させるため、熱平衡プラズマによる処理等に対して低温で金属酸化物を生成することができる。
(3):本発明は、(1)または(2)に記載の金属窒化物生成装置であって、前記金属酸化物における金属がマグネシウムであるものである。
本発明はこのような構成により、酸化マグネシウムから直接的に窒化マグネシウムを生成することができる。
本発明は、窒素を含む気体の雰囲気で非熱平衡プラズマ処理を行い、酸化マグネシウムから窒化マグネシウムを生成することができる。
(4):本発明は、(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の金属窒化物生成装置であって、前記窒素を含む気体は、希ガス又は水素の少なくとも一方を含有するものである。
本発明は、窒素を含む気体に希ガス又は水素を含有させることにより、非熱平衡プラズマ処理における酸化マグネシウムから窒化マグネシウムを生成する反応性を向上させることができる。
(5):本発明は、(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の金属窒化物生成装置であって、前記パルス放電のパルス幅が1[nsec]〜10[μsec]であるものである。
本発明は、パルス放電のパルス幅を調整し、窒素を含む気体の雰囲気において非熱平衡プラズマ状態を生成することができる。
(6):本発明は、第1電極と離間して配置された第2電極と、によって形成された空間に窒素を含む気体の雰囲気を形成し、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加え、前記空間に金属酸化物が配置された状態で、前記雰囲気における前記空間に放電してプラズマ状態を生成する、金属窒化物生成方法である。
本発明はこのような構成により、窒素を含む気体の雰囲気においてプラズマ処理をおこなうことで金属酸化物から金属窒化物を生成することができる。
本発明に係る金属窒化物生成装置、金属窒化物生成方法によると、低温の非熱平衡プラズマを用いて金属酸化物から金属窒化物を生成することができる。
本発明に係る金属窒化物生成装置の構成の一例を示す図である。 金属窒化物生成装置において加えられるパルス電圧の一例を示す図である。 金属窒化物生成装置で金属窒化物を生成する工程を示すフローチャートである。 金属窒化物生成装置により生成される金属窒化物の生成量を示す実験結果である。 金属窒化物生成装置により生成される金属窒化物の生成効率を示す実験結果である。 金属窒化物生成装置の消費電力と表面温度を示す実験結果である。
図1に示される金属窒化物生成装置1は、非熱平衡プラズマ(大気圧プラズマ)処理を用いることによって、原料とする金属酸化物から金属窒化物を直接的に生成する装置である。
先ず、本発明で用いられる非熱平衡プラズマについて説明する。プラズマは、電離した気体であり、気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に別れて運動している状態をいう。プラズマは、固体、液体、気体、とは異なる、物質の第4状態とも呼ばれる。プラズマは、大別すると熱平衡プラズマと、非熱平衡プラズマとに分けられる。一般的に用いられるものは熱平衡プラズマである。
熱平衡プラズマは、高温の条件下で生成され、熱プラズマと呼ばれる。熱平衡プラズマは、大気圧で定常的な放電を行ってプラズマを発生させるものであり、発生したプラズマの電子温度とガス、イオンの温度が一致する。熱平衡プラズマでは、電子温度≒ガス温度であり、両温度とも、数千[K]以上である。
これに対し、非熱平衡プラズマは、熱平衡プラズマに比して低温のプラズマである。非熱平衡プラズマは、電子温度が10,000[K]以上であるのに対して、ガス温度が1000[K]以下であり、非熱平衡の状態となる。非熱平衡プラズマは、プラズマを発生させるときの放電時において、電界の印加が間欠的になるようにパルス状に印加することにより、電子のみが選択的にエネルギーを受ける状態にすることで、電子温度(電子エネルギー)をガス温度よりも高い状態(非熱平衡の状態)とするものである。
つまり、非熱平衡プラズマでは、電子の運動エネルギーが大きいのに対して、イオンや分子のエネルギーが小さい非平衡状態となる。また、非熱平衡プラズマは、弱電離プラズマとも呼ばれ、粒子の集団において、大部分が中性粒子である中で、粒子の一部が電離している状態となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る金属窒化物生成装置1について説明する。
金属窒化物生成装置1は、円筒状に形成された筐体2と、筐体2の内部空間Sに挿入された棒状の第1電極11と、筐体2の周囲を覆うように形成された第2電極12と、第1電極と第2電極との間に電圧を加える電源部10と、内部空間Sに気体の雰囲気を形成する気体注入部20とを備える。
筐体2は、例えば、円筒形のガラス製のシリンダである。筐体2の内径は、例えば2.6[cm]である。筐体2の一端2c及び他端2dには、開口2a,2bがそれぞれ設けられている。開口2bから筐体2の内部空間Sに、第1電極11が筐体2の軸線Lに沿って挿入される。
第1電極11は、例えば、ステンレス鋼を用いて形成された棒状体である。第1電極11の外径は、例えば6[mm]である。第1電極11の他端11bは、電源部10と接続される。第1電極11の全長は、筐体2の全長より短く形成されている。
第1電極11の一端11aを軸支するように、中心に貫通孔5aが設けられた円柱状の内蓋5が筐体2の開口2aから内部空間Sに挿入される。第1電極11が挿入される貫通孔5aは、第1電極11の外径より大きく形成されている。貫通孔5aの外径は、後述のように気体が流入出可能な径に調整されている。内蓋5は、筐体2の内径よりわずかに小さい外径となるように形成されている。内蓋5は、後述のように、非熱平衡プラズマが生成された際の温度に耐えられるように、例えば、セラミックで形成されている。
同様に、第1電極11の他端11bを軸支するように、中心に貫通孔6aが設けられた円柱状の内蓋6が筐体2の開口2bから内部空間Sに挿入される。貫通孔6aは、第1電極11の外径より大きく形成されている。内蓋6は、内蓋5と同一形状及び材料で形成されている。第1電極11が挿入される貫通孔6aには、第1電極11と電源部10を接続する第1配線10aが挿通される。
一対の内蓋5,6が内部空間Sに挿入されることにより、内部空間S内には、内蓋5,6で区切られた空間Rが形成される。空間Rには、後述のように原料となる金属酸化物M(例えば、酸化マグネシウムの紛体)が配置される。
内蓋5の外方に向かって筐体2の一端2cには、内部空間Sと外界を仕切る外蓋7が嵌め込まれる。外蓋7は、筐体2の一端2cの外周に沿って延在した縁7bが形成されている。外蓋7の外界側には、気体を内部空間Sに流入させるための気体注入管7aが形成されている。気体注入管7aは、配管22を介して気体貯蔵部21に接続されている。気体貯蔵部21は、後述のように窒素を含む気体を内部空間Sに注入し、内部空間Sに窒素を含む気体の雰囲気を形成する。
気体貯蔵部21は、例えば、窒素を含む気体を貯蔵するタンクであり、配管22及び気体注入管7aを介して内部空間Sに窒素を含む気体を供給する。気体貯蔵部21は、窒素が充填されたタンクの他、後述の他の気体が充填されたタンクからなる複数のタンクで構成されていてもよい。複数のタンクのそれぞれには調整弁が設けられ、窒素を含む気体の窒素含有率を調整する。気体貯蔵部21と外蓋7とによって気体注入部20を構成する。
外蓋7と同様に、内蓋6の外方に向かって筐体2の他端2dには、内部空間Sと外界を仕切る外蓋8が嵌め込まれる。外蓋8は、外蓋7と同様に筐体2の他端2dの外周に沿って延在した縁8bが形成されている。外蓋8の外界側には、内部空間S内の気体を外部に流出させるための気体排気管8aが形成されている。
気体排気管8aは、気体注入管7aから窒素を含む気体が注入された際、内部空間S内にあった気体を、窒素を含む気体に置換するための排気用の管である。気体排気管8aには、第1配線10aが挿通される。第1配線10aは、気体排気管8aから外界に取り出されて電源部10に設けられた一対の電極の一方に配線される。電源部10の他方の電極には、第2配線10bを介して第2電極12が接続される。
電源部10と第2電極12との途中には、電流を計測するためのコンデンサCが接続される。コンデンサCの容量は、例えば、2.2[μF]である。
第2電極12は、例えば、金属製のメッシュを用いてシート状に形成される。第2電極12は、筐体2において空間Rの位置で筐体2の周囲を覆うように設けられる。第2電極12は、例えば、筐体2の周囲に巻きつけた後、バンド等を用いて固定される。このような配置関係により、第1電極11と第2電極12とは、離間して配置され、第1電極11と第2電極12との間には、第1電極11を中心に同心円状の空間Rが形成される。第1電極11と第2電極12との離間距離は例えば、1[cm]程度である。
離間した第1電極11と第2電極12との間には、第1電極11と第2電極12とに接続された電源部10によって電圧が加えられて電界が発生し、放電が行われる。
電源部10は、例えば、交流電源である。電源部10は、後述のように、第1電極11と第2電極12との間に電圧を加え、空間Rに金属酸化物Mが配置された状態で、窒素を含む気体(第1気体)の雰囲気における空間Rにパルス放電して非熱平衡プラズマ状態を生成する。
電源部10は、例えば、正弦波の電圧を出力する。電源部10から出力された電圧は、後述のようにパルス波に変換される。電源部10は、例えば、0.1〜100[KHz]の周波数で1〜30[KV]の電圧値以上の矩形のパルス波を形成するために用いられる。電圧値の大きさは、第1電極11と第2電極12との間の離間距離によって値が変更される。
図2に示されるように、1回のパルス波の放電時間(パルス幅)は、例えば10[nsec]である。パルス幅は、任意に変更可能である。パルス幅は、例えば1[nsec]〜10[μsec]の範囲で設定してもよい。
上記のように、第1電極11と第2電極12との間には、ガラス製の筐体2が配置されている。この場合、第1電極11と第2電極12との間に電源部10によって半波長の正弦波の電位差が与えられると、筐体2に電荷が蓄えられて電圧値が所定値になった時点で第1電極11と第2電極12との間に放電が発生する。その結果、第1電極11と第2電極12との間に矩形のパルス波の電流が流れる。電源部10は、後述のように出力波形を制御して矩形波を直接出力してもよいし、矩形のパルス波の他に三角波を出力してもよい。
以下、金属窒化物生成装置1により酸化マグネシウムから窒化マグネシウムを生成する工程を例示する。この工程における各条件は以下の通りである。
原材料となる酸化マグネシウムは例えば、粒径が35[nmφ]程度の紛体であり、試料として3[g]程度が用いられる。雰囲気を生成する第1気体の窒素含有率は、例えば、80[%]〜100[%]である。第1気体には、アルゴンや水素を混合してもよい。アルゴンの他、他の希ガス類(第18族元素のガス)を用いてもよい。第1気体に希ガス類が混合される場合、例えば、ヘリウムを90%以上とし、窒素を10%以下としてもよい。
また、第1気体は空気を用いてもよい。空気を使用する場合、空気中の酸素の影響で窒化マグネシウムの生成効率が落ちるので酸素濃度を20[%]以下にするのが望ましい。従って、空気を使用する場合には、アルゴンや水素を添加して、酸素濃度を20[%]以下にしてもよい。
雰囲気の気圧は、大気圧(1[atm])である。雰囲気の気温は、常温である。雰囲気の気圧は0.1[atm]〜2[atm]の範囲で設定されてもよい。電源部10から投入される電力は、例えば、50[W]である。
先ず、外蓋7及び内蓋5が取り外された金属窒化物生成装置1の筐体2内に、酸化マグネシウムの紛体を充填する。酸化マグネシウムを充填後、内蓋5が筐体2内に設置されて酸化マグネシウムの紛体が筐体2内に配置される。このとき、酸化マグネシウムの紛体は、上限が第1電極11に触れる程度の高さに充填される。その後、外蓋7が取り付けられ、筐体2の内部空間Sと外界とが遮断される。
その後、気体貯蔵部21から窒素を含む第1気体が内部空間Sに注入される。気体注入管7aを介して内部空間Sに入った窒素を含む第1気体は、内蓋5に設けられた貫通孔5aと第1電極11との間の隙間を通って空間Rに充填される。空間Rに元々あった気体は、第1気体に置換されると共に、内蓋6に設けられた貫通孔6aと第1電極11との間の隙間を通って外界に排気される。空間Rには、窒素を含む気体の雰囲気が形成される。
このように、窒素を含む気体の雰囲気の空間R内に酸化マグネシウムが配置された状態で、電源部10により第1電極11と第2電極12とに電圧を与え、第1電極11と第2電極12との間に電界を発生させる。加えられる電圧が所定値以上となった場合、第1電極11と第2電極12との間にパルス放電が発生する。
第1気体中でパルス放電が発生すると、荷電粒子の加速により、窒素の気体分子との衝突・電離が繰り返され、窒素のプラズマ(電離気体)が生成される。この結果、空間R内では、第1気体に含まれる窒素ガスの一部がプラズマ状態となったプラズマ粒子となり、酸化マグネシウムを還元して窒化マグネシウムが生成される。空間R内では、窒素ガスのプラズマ粒子の運動によって酸化マグネシウムの粉末が浮遊し、粉末と気体とが混合された状態となり、酸化マグネシウムの粉末がプラズマ粒子と衝突することが繰り返されることにより酸化マグネシウムの還元反応が進行する。
電源部10を制御して、例えば、100[μsec]〜1[sec]の周期で、第1電極11と第2電極12との間にパルス放電を発生させることにより、還元反応がその後も進行し、酸化マグネシウムから窒化マグネシウムが生成される。
図3は、金属窒化物生成装置1により金属酸化物から金属窒化物生成する工程の一例を示すフローチャートである。筐体2内に金属酸化物Mを充填する(ステップS100)。筐体2内に第1気体を注入して筐体2内を第1気体の雰囲気にする(ステップS110)。筐体2内の雰囲気にパルス放電を行う(ステップS120)。この結果、金属窒化物生成装置1は、金属窒化物を生成することができる。
以下、実験結果の一例を示す。実験条件は、第1気体の窒素含有率:100[%]、気圧:1[atm]、酸化マグネシウム量:2[g]、電圧:20[kV]、周波数1[kHz]である。
図4に示されるように、実験結果として、窒化マグネシウムの生成量は、20分間で3[mg]〜4[mg]であった。ここでは、後述の式(1)のように窒化マグネシウムを水と反応させて、生成されたアンモニアの濃度から窒化マグネシウムの量を換算して求めている。例えば、窒化マグネシウムの生成量は、5分、10分、15分、20分のそれぞれ放電時間が異なる別々の実験を行って、生成された窒化マグネシウムを水と反応させてアンモニアを生成し、生成されたアンモニアの濃度から窒化マグネシウムの生成量をそれぞれ換算した。
図5に示されるように、窒化マグネシウムの生成効率は、投入エネルギー[J]に対して0.25[%]程度であった。
図6に示されるように、消費電力は、35〜50[W]程度である。筐体2の表面温度は、150[℃](423[K])程度であった。
金属窒化物生成装置1により得られた窒化マグネシウムは、以下のような用途が考えられる。窒化マグネシウムは、常温常圧で個体であり乾燥した条件の下では科学的に安定している。窒化マグネシウムは、水と反応してアンモニアを生成することが知られている。
Mg3N2+6H2O→3Mg(OH)2+2NH3 (1)
そして、窒化マグネシウムは、質量アンモニア密度が高いことが知られている(34[mass%])。アンモニアは、水素貯蔵のための物質として注目されているが、劇物であるためその取扱いについては注意が必要とされる。そのため、窒化マグネシウムをアンモニア貯蔵のための物質として利用すれば、アンモニアをそのまま貯蔵する場合に比して取扱いが簡便となり、安全性が向上する。
例えば、アンモニアが必要となった際に、窒化マグネシウムを水と反応させてアンモニアを生成すればよい。そして、水と反応した結果、生成された水酸化マグネシウムを350度程度で加熱することにより、酸化マグネシウムを再び生成することができる。
Mg(OH)2(加熱)→MgO+H2O (2)
そして、生成された酸化マグネシウムからは、金属窒化物生成装置1により窒化マグネシウムを生成することができる。
また、窒化マグネシウムは、それ自体が燃焼し、燃料としても利用できる。
Mg3N21.5O2→3MgO+N2+1576[kJ] (3)
燃焼後に生成された酸化マグネシウムからは、金属窒化物生成装置1により窒化マグネシウムを生成することができる。上記のように、窒化マグネシウムは、長期的に安定的かつ安全性が高められた貯蔵可能なエネルギーキャリアとなり得る。
上述した金属窒化物生成装置1によると、金属酸化物から金属窒化物を生成することができる。金属窒化物生成装置1は、非熱平衡プラズマを用いるため低温で窒化マグネシウムを生成することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、金属窒化物生成装置1において、筐体2にガラス製のシリンダを用いたが、筐体2を金属で形成して第2電極として用いてもよい。この場合、電源部10から出力する電圧は正弦波でなく、矩形波としてもよい。また、金属窒化物生成装置1において、放電にパルス放電を用いたが、空間R内の気圧を低圧(例えば、大気圧の100分の1程度)の状態にしてグロー放電を用いてもよい。
また、上記実施形態では、金属窒化物生成装置1において、第2電極12が棒状の第1電極11に対して同心円状に配置されるものとしたが、これに限らず第1電極と第2電極が対向して配置された平板で形成されていてもよい。また、金属窒化物生成装置1は、マグネシウム以外の金属に適用してもよい。
1…金属窒化物生成装置、2…筐体、2a…開口、2b…開口、5…内蓋、5a…貫通孔、6…内蓋、6a…貫通孔、7…外蓋、7a…気体注入管、8…外蓋、8a…気体排気管、10…電源部、10a…第1配線、10b…第2配線、11…第1電極、12…第2電極、20…気体注入部、21…気体貯蔵部、22…配管、C…コンデンサ

Claims (6)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極と離間して配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間に窒素を含む気体の雰囲気を形成する気体注入部と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加え、前記空間に金属酸化物が配置された状態で、前記雰囲気における前記空間に放電してプラズマ状態を生成する電源部と、
    を備える、
    金属窒化物生成装置。
  2. 前記プラズマ状態は、非熱平衡プラズマ状態である、
    請求項1に記載の金属窒化物生成装置。
  3. 前記金属酸化物における金属はマグネシウムである、
    請求項1または2に記載の金属窒化物生成装置。
  4. 前記窒素を含む気体は、希ガス又は水素の少なくとも一方を含有する、
    請求項1から3のうちいずれか1項に記載の金属窒化物生成装置。
  5. 前記パルス放電のパルス幅が1[nsec]〜10[μsec]である、
    請求項1から4のうちいずれか1項に記載の金属窒化物生成装置。
  6. 第1電極と離間して配置された第2電極と、によって形成された空間に窒素を含む気体の雰囲気を形成し、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加え、前記空間に金属酸化物が配置された状態で、前記雰囲気における前記空間に放電してプラズマ状態を生成する、
    金属窒化物生成方法。
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