JP2018203173A - 車両の運転支援装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標経路への追従性を高めて目標経路から外れずに該目標経路上を自動運転すること。
【解決手段】
車両1の前後方向に対して車両の幅方向にずれた所定の目標地点までの目標経路Rを設定する目標経路設定手段24を備え、目標経路R上を減速しながら走行し目標地点Pdで停止する、操舵を伴う運転を実行する構成とし、車両1のヨー時定数の変動が最小となるよう車両1の前後方向の減速度を制御する減速度制御手段22を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、運転者が運転不能な状態において、車両の前後方向に対して車両の幅方向にずれた所定の目標地点までの目標経路を設定し、設定した目標経路上を減速しながら目標地点で停止するまで操舵を伴う運転を支援する車両の運転支援装置およびその方法に関する。
従来、車両の運転を支援する運転支援装置として、車両の加減速を制御するものや、車両の操舵を制御するものが知られている。例えば、特許文献1には、走行中にドライバが運転不能な状態に陥ったことを検知した場合には、車両を走行路に対して横方向(車両の幅方向)にずれた路肩まで退避させたうえで停車させるべく、予め定めた目標減速および目標減速度勾配が得られるようにブレーキACT(32)を制御する緊急避難システムが開示されている。さらに特許文献1には、このブレーキACT(32)を制御することによって、車両の速度(減速度)を、例えば、緩やか(反比例的)に低下させたり、一定速度で低下させることも開示されている(特許文献1の段落[0038]、図3、図4参照)。
ところで、車両が路肩に向けて旋回を開始してから停止するまでの間は、実際は、ステアリングの切り込み、切り戻しなどの過度状態が大半を占めことになるので路肩における目標停止地点までの目標経路に対する車両の追従性(トレース性能)は、ヨーレートの制御性能に依存することになる。そして、このヨーレートの制御性能は車両の応答特性を表すヨー時定数(前輪と後輪の応答差)の大きさで変化する。
このため、路肩への退避運転のようなステアリング操作とブレーキ制御を伴う自動運転において減速度(ブレーキ)を適切に制御しないと、ヨー時定数の変動増大に伴い、ヨーレートの制御性能バラつきが大きくなり、場合によっては目標経路から外れてしまうおそれがある。
しかし、特許文献1の緊急避難システムにおいては、退避運転時の減速度を、反比例的や一定速度という画一的な特性で低下させるものであって、車両動特性の変動が追従特性に及ぼす影響、すなわちヨー時定数の影響については考慮されておらず、検討の余地があった。
特開2009−163434号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、目標経路への追従性を高めることで、目標経路から外れずに該目標経路上を自動運転することができる車両の運転支援装置およびその方法の提供を目的とする。
この発明は、車両の前後方向(進行方向)に対して車両の幅方向(横方向)にずれた所定の目標地点までの目標経路を設定する目標経路設定手段を備え、前記目標経路上を減速しながら走行し前記目標地点で停止する、操舵を伴う運転を実行する車両の運転支援装置において、車両のヨー時定数の変動が最小となるよう車両の前後方向の減速度を制御する減速度制御手段を備えたものである。
上記構成によれば、車両のヨー時定数の変動が最小化するように車両の前後方向の減速度を制御することで目標経路への追従性を高めることができ、目標経路から外れずに該目標経路上を自動運転することができる。
なお、本発明は、ヨー時定数の変化量が0(つまりヨー時定数が一定)になるような減速度を設定することがより好ましいが、それに限らず、ヨー時定数の変動が最小となるよう車両の進行方向の減速度を設定するものであればよい。
この発明の態様として、車両の目標経路上に沿って走行する車両の速度をv(t)、前記減速度をa(t)、車両に対して横方向(車両の幅方向)に加わる横加速度をa(t)とすると、
ヨー時定数T(t)は、
(t)=f(v(t)、a(t)、a(t))で表される。
そして前記減速度制御手段は、評価関数S(t)を、例えば
S=(T(t)−T(t+Δt))
のとおり、前記ヨー時定数の変化量(変化率)の2乗と定義し、このSが最小となるように前記減速度a(t)を設定するものである。
上記構成によれば、仮に車両のヨー時定数の変化量が0(つまりヨー時定数が一定)になるような減速度が存在しなくても、ヨー時定数の変動が最小となる減速度を、統計的手法(例えば最小二乗法)を用いて近似的に求めることができる。
この発明の態様として、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの前記横加速度を、該通過地点ごとの前記車速と、該通過地点ごとにおける曲率を基に設定し、前記減速度制御手段は、前記通過地点ごとの前記横加速度に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とするものである。
上記構成によれば、ヨー時定数が、目標経路上の通過地点(通過時間)ごとの車速、減速度(前後加速度)、横加速度の夫々に依存して変動することに着目し、車速と横加速度に基づいてヨー時定数の変動が最小となる減速度を求めることができる。
この発明の態様として、前記減速度制御手段は、前記通過地点ごとの前記横加速度に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とし、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとのステアリングの操舵量(操舵角)に関する操舵プロファイルを設定する操舵プロファイル設定手段を備え、前記操舵プロファイルにおける前記操舵量は、前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとに加わる横加速度に連動するものとし、前記横加速度を、少なくとも前記操舵プロファイルに基づいて設定するものである。
上記構成によれば、前記減速プロファイル設定手段は、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの前記操舵量(操舵プロファイル)に横加速度が連動することに着目して、操舵プロファイル設定手段により操舵プロファイルを設定することによって、該操舵プロファイルを基に前記横加速度を設定でき、さらに該横加速度に基づいて、目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度(減速度プロファイル)を設定することができる。
この発明の態様として、前記運転制御手段には、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとのステアリングの操舵量に関する操舵プロファイルを設定する操舵プロファイル設定手段を備え、前記操舵プロファイルにおける前記操舵量は、前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとに加わる横加速度に連動するものとし、前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとの操舵量と減速度との間には所定の関係を有するものとし、前記減速度制御手段は、前記操舵プロファイルおよび前記所定の関係に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段としたものである。
上記構成によれば、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとのステアリングの操舵量(操舵プロファイル)を設定すれば、該操舵プロファイルに基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定することができる。
この発明の態様として、前記所定の関係とは、少なくともステアリングの操舵量の大きさが増加するに従って前記減速度を徐々に増加する関係としたものである。
上記構成によれば、少なくともステアリングの操舵量の大きさが増加するに従って減速度を徐々に増加させることで、ヨー時定数の変動を最小化することができる。よって、例えば、車両の前後方向に対して車幅方向にずれた位置に有するような目標地点までの目標経路上を一定減速度で減速して該目標地点で停止する場合と比較して車両の目標経路上の追従性を高めることができる。
この発明の態様として、前記操舵プロファイル設定手段は、目標地点への進入前の車両の前後方向に対して目標地点の側へ進入するようステアリングの切り込み操舵を行う第1操舵ステップと、前記第1操舵ステップの切り込みを中立位置まで切り戻す第2操舵ステップと、車両が目標地点の手前側において、前記目標地点への進入前の車両の前記前後方向と平行に近づくように前記第1操舵ステップの操舵方向とは逆方向に切り込み操舵を行う第3操舵ステップと、前記第3操ステップの切り込みを中立位置まで切り戻す第4操舵ステップと、を有する前記操舵プロファイルを設定するものである。
上記構成によれば、第1操舵ステップの操舵を行う前(換言すると前記目標地点への進入前)の車両の前後方向に対して車幅方向にずれたような目標地点までの目標経路に適した操舵プロファイルを設定することができる。
この発明の態様として、前記減速度制御手段は、前記目標地点に停止するよう、前記目標経路上の車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とし、該減速プロファイル設定手段は、前記第1操舵ステップの間、前記減速度を増加させる第1減速ステップと、前記第2操舵ステップの間、前記減速度を一定に保つ第2減速ステップと、前記第3操舵ステップの間、前記減速度を増加させる第3減速ステップと、前記第4操舵ステップの間、前記減速度を一定に保つ第4減速ステップとを備えた前記減速度プロファイルを設定するものである。
上記構成によれば、操舵プロファイル(目標経路上の通過地点ごとの操舵量)に応じて、前記減速プロファイル設定手段は、第1〜第4減速ステップのように減速度を制御することによって、ヨー時定数の変動を最小化、すなわち目標経路への追従性を高めることができる。
この発明の態様として、乗員の状態に応じて車両の運転を支援する運転支援装置において、前記目標地点は、退避スペースに有するものとし、乗員の状態を取得する乗員状態取得手段と、車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両を退避させる退避スペースを検出する退避スペース検出手段を備えたものである。
上記構成によれば、特に、車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両を退避させる場合においても確実に目標地点に停車させることができ、安全な場所へ退避させることができる。
この発明は、車両の前後方向に対して車幅方向にずれた所定の目標地点までの目標経路を設定する目標経路設定処理を実行し、前記目標経路上を減速しながら走行し前記目標地点で停止する、操舵を伴う運転を実行する車両の運転支援方法において、車両のヨー時定数の変動が最小となるよう車両の前後方向の減速度を制御する減速度制御処理を実行するものである。
上記構成によれば、車両のヨー時定数の変動が最小化するように車両の前後方向の減速度を制御することで目標経路への追従性を高めることができ、目標経路から外れずに該目標経路上を自動運転することができる。
この発明によれば、目標経路への追従性を高めることができ、目標経路から外れずに該目標経路上を自動運転することができる。
本発明の実施形態による運転支援装置を搭載する車両の電気的構成を示すブロック図。 本発明の実施形態による運転支援装置が実行する運転支援処理の一部を示すフローチャート。 図2に続く運転支援処理のフローチャート。 本発明の実施形態による運転支援装置を搭載した車両が進入する退避スペースの一例を示す平面図。 目標経路上の各地点に対応して示した横加速度および前後加速度を示す線図。 目標経路上を走行する車両の操舵ステップを示すフローチャートであって、操舵プロファイルの概念図。 目標経路上を走行する車両の減速度を決定する減速度プロファイル決定処理を示すフローチャート。 減速度と横加速度とに応じてヨー時定数が変化の様子を、所定車速ごとに示す概念図。 目標地点まで一定減速度で減速した場合と、ヨー時定数の変化が最小となるように減速した場合における車速とヨー時定数の各時間変化を示す線図。 目標地点まで一定減速度で減速した場合と、ヨー時定数の変化が最小となるように減速した場合におけるトレース誤差最大値およびヨー時定数変化量積分値の比較結果を示すグラフ。 目標経路上を走行する車両の横加速度と前後加速度との関係を示す線図。 他の実施例における、目標地点まで一定減速度で減速した場合と、ヨー時定数の変化が最小となるように減速した場合における車速とヨー時定数の各時間変化を示す線図。
以下、本発明の実施形態を詳述する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による運転支援装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による運転支援装置を搭載する車両について説明する。
図1に示すように、符号2は本実施形態による運転支援装置符号であり、符号1は、本実施形態による運転支援装置2を搭載する車両を示す。
この車両1は、車両1の前方を撮影する車外カメラ3、車室内の乗員の状態を検出する乗員状態センサ4、非常時に車両1を走行車線Rm(図4(a)参照)から退避させることが可能な退避スペースS(例えば非常駐車帯や待避所等)(図4(a)参照)の位置や形状に関する情報を格納した地図データベース5、GPS8(Global Positioning System)、及び、車速を検出する車速センサ7、車両1の進行方向の加速度を検出する加速度センサ8を有する。車外カメラ3が撮影した画像データ、地図データベース5から取得された退避スペースSに関する情報、GPS8により取得された位置情報、及び各センサにより検出された検出データは、ECU20(運転支援装置2)に出力される。
ECU20は、車両1の乗員の状態を取得する乗員状態取得部21と、車両1を退避させる退避スペースSを検出する退避スペース検出部22と、車両1の退避スペースSへの進入を判定する退避スペース進入可否判定部23と、目標経路としての退避経路R(図4(a)参照)を設定する目標経路設定部24と、車両1を退避スペースSの入り口Ps(同図参照)から退避スペースSの目標地点Pd(同図参照)に停車させるまでの操舵プロファイルを設定する操舵プロファイル設定部25と、車両1を退避スペースSの入り口Psから減速させてその退避スペースS内の目標地点Pdに停車させる減速プロファイルを設定する減速プロファイル設定部26と、減速プロファイルに従って車両1のエンジン10及びブレーキ11を制御する加減速制御部27と、操舵プロファイルに従って車両1の電動パワーステアリング12を制御するステアリングトルクコントローラ28とを備える。
これら21〜28は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に図4(a)に示すように、走行車線Rmを走行する車両1の進行方向(x方向)に対して横方向(y方向)にずれた退避スペースS内の所定の目標地点Pdに、車両1を目標経路(退避経路R)に沿って減速させながら停車させる際において、本実施形態の運転支援装置2が実行する運転支援処理についてその前提となる背景技術から順に説明する。
交通事故を防ぐため、自動運転技術が盛んに研究されている。自動運転技術を活用した事故防止を行うためには、一般交通流において他車両を含めた障害物に衝突せず安全に走行し、かつ他車両の交通を妨げない安全な場所へ自車両を正確に停止させる必要がある。そのため、従来の横滑り防止装置など、ドライバの補助として機能するADAS装置と比べて高い精度の目標追従性能が必要となる。
これまでは、目標経路を生成する技術はグラフ探索や動的計画法といった情報科学の分野として研究が進められる一方で目標経路(軌跡と車速)を高精度にトレースする技術は、車両の動力学や制御技術に関する研究として進められており、両者の技術は殆ど別々に研究が進められてきたのが現状である。
しかし実際には、車両1を、走行車線Rmに対して横方向にずれた所定の目標地点Pdまでの目標経路(例えばシグモイド曲線(S字曲線)を描く軌道が含まれる目標経路)に沿って走行させる際には、車両1に加わる横加速度(目標経路に沿って走行する車両1の進行方向に対して平面視で直交方向に加わる加速度)の変動等、車両1の動特性の変動が目標経路(R)への追従性に影響を及ぼすため、発明者らは、このような車両1の動特性の変動を考慮して目標地点Pdまでの車両1の減速度(減速プロファイル)について考察した。
走行車線Rmに対して横方向にずれた所定の目標地点Pdまでの目標経路(R)に沿った走行も含めて実環境での運転条件は車両1の加減速や、ステアリングの切込み、切り戻しなどの過渡状態が大半を占めているので、過渡領域のヨー時定数(ヨーレート)の制御性能を向上することが重要となる。
具体的には、2輪モデルにおけるヨーレート伝達関数γは[数1]で表され、[数1]に示すとおり、過渡応答はヨー時定数T、固有振動数ω、減衰比φで決まる。横運動の過渡領域(〜0.5Hz)に対し車速はほぼ定常と見なせるため、固有振動数ω、減衰比φ、ヨー時定数Tといったパラメータ変化は荷重移動に伴い、係数Kと係数Kの変動で生じる。ヨーレート伝達関数γのパラメータの構造をみると、固有振動数ωと減衰比φは、以下の[数2]、[数3]より明らかなとおり、係数Kと係数Kが和と積の形で含まれているので荷重移動による値の変動は小さくなるが、ヨー時定数Tは、[数4]より明らかなとおり、係数Kのみが含まれるため前後運動の影響が出やすいといえる。
Figure 2018203173
Figure 2018203173
Figure 2018203173
Figure 2018203173
なお、K,Kは、それぞれ前輪、後輪の等価コーナリングスティフネスであり、共に荷重移動によって変化し、車両の特性によって定まる係数である。Aはスタビリティファクタ(ステアリング特性、すなわち、車両がアンダステアかオーバーステアかによって変わる定数)、mは車体質量、Iはヨー慣性モーメント、Vは車速、lは前輪と後輪との前後方向の距離、l,lは車体重心位置からそれぞれ前輪、後輪までの前後方向の距離を示す。
そこで発明者らは、上述したとおり、ヨー時定数Tは前後運動の影響が出やすいことに着目し、本実施形態の運転支援装置2が実行する運転支援処理として、車両の前後加速度(目標経路Rに沿って走行する車両1の進行方向の加速度)、すなわち減速度a(前後加速度)を、ヨー時定数Tの変化量が最小となるように設定するものである。
次に、ヨー時定数の変化量が最小となる減速度aの設定アルゴリズムについてシグモイド曲線を描く目標経路を車両が減速しながら走行する場合を例に採り説明する。
まず[数4]に着目すると、ヨー時定数Tを構成する各パラメータのうち、車体質量m、距離l,lは車体の構造パラメータであり目標経路上の車両走行時には不変である。これに対して車速Vは目標経路上を減速しながら走行するため変化するとともに、係数Kは、シグモイド曲線を描く目標経路上を車両が走行時にその荷重移動によって変化する。
そうすると、車速をv(t)、減速度をa(t)、横加速度をa(t)とすると、ヨー時定数T(t)は、[数4]以外にもv(t)、a(t)、a(t)の関数、すなわち、
Figure 2018203173
で表される。ここでヨー時定数T(t)のΔt[s]後の変化量の2乗で定義される評価関数S(t)は、統計的手法(例えば最小二乗法)に基づいて、
Figure 2018203173
で表される。この[数6]を用いて評価関数S(t)が最小となるように目標経路上の車両1の通過地点ごとのa(t)を設定し、減速度プロファイルを生成する。
次に、図2、図3のフローチャートを用いて、本実施形態の運転支援装置2が実行する運転支援処理について説明する。
まず、図2、図3の運転支援処理は、ドライバの状態に応じて車両1の運転を支援する処理であり、例えば車両1のイグニッションスイッチがONにされた後に実行される。
図2に示すように、運転支援処理が開始されると、ステップS1において、ECU20は、車両1に搭載された各種センサの出力値を読み込む。
続いて、ステップS2において、乗員状態取得部21は、ステップS1で読み込んだ乗員状態センサ4の出力値に基づき、ドライバの状態に異常が有るか否かを判定する。例えば、乗員状態センサ4としては、ドライバの瞬きを検出するための瞬き検出カメラや、ドライバの体表面温度や脈波を検出する赤外線センサ、ドライバの姿勢に応じた荷重バランスや体表脈波を検出するシートセンサ等を用いることができ、乗員状態取得部21は、これらの乗員状態センサ4から出力されたデータに基づき、ドライバの状態に異常が有るか否かを判定する。
本実施形態では、「ドライバの状態に異常が有る」とは、ドライバが車両1を運転することが困難な状態であることをいう。乗員状態取得部21は、例えば、ドライバの体表面温度が所定範囲外である場合や、ドライバの脈波数が所定範囲外である場合に、ドライバの状態に異常が有ると判定する。
その結果、ドライバの状態に異常がない場合、ステップS1に戻る。以降、ステップS2においてドライバの状態に異常が有ると判定されるまで、ステップS1及びS2を繰り返す。
一方、ドライバの状態に異常が有る場合、ステップS3に進み、ECU20は、車両1の運転操作を自動運転に切り替える。即ち、ECU20が、車両1の加減速及び操舵をドライバに代わって自動的に行うようにする。
次に、ステップS4において、退避スペース検出部22は、ステップS1において車外カメラ3やGPS8から読み込んだデータや、地図データベース5から取得したデータに基づき、車両1の進行方向において現在位置に最も近い退避スペースSを検出する。退避スペースSは、図4(a)に示すように、車両1を走行車線Rmから退避させることが可能なスペースであり、例えば、非常駐車帯や待避所等を利用することができる。
続くステップS5において、退避スペース進入可否判定部23は、車両1の現在の走行位置からステップS4において検出した退避スペースSの入り口Ps(図4(a)参照)までの距離、車速センサ7により検出した車両1の現在の車速、さらには、車外カメラ3等で撮像した退避スペースSの撮影データ等に基づき、退避スペースSに進入するか否かを判定する。具体的には、車両1が現在の走行位置から退避スペースSの入り口Psに到達するまでに、退避スペースSへ進入可能な速度V又はそれ以下まで安全に減速させることが可能であるか否かや、退避スペースS内に他車両1が停車しているか否かに基づいて車両1が退避スペースSへ進入可能であるか否かについて判定する。
退避スペース進入可否判定部23によって車両1が退避スペースSへの進入が不可能であると判定した場合には(ステップ5:No)、ステップ4の手前まで戻り、車両1が進入可能な次の退避スペースSが確定するまでステップ4,5の処理を繰り返す。
一方、退避スペース進入可否判定部23によって車両1が退避スペースSへの進入が可能であると判定した場合には(ステップ5:Yes)、車両1が退避スペースSの入り口Psに達するまでに車両1を退避スペースSへ進入可能な速度Vまで減速するように、加減速制御部27は、車両1のブレーキ11およびエンジン10を制御する(ステップ6)。
次に、図3に示すステップ7において、目標経路設定部24は、図4(a)に示すように、退避スペースS内において車両1の目標地点Pdを設定するとともに、退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまでの間を、シグモイド曲線を描くように結んで車両1の目標経路としての退避経路Rを設定する。具体的には、図4(a)に示すように、退避スペース検出部22は、ステップS1において車外カメラ3やGPS8から読み込んだデータや、地図データベース5から取得したデータに基づき、退避経路Rの走行車線Rmが延びる方向(x方向)の長さL(前後距離)や走行車線Rmに直交方向(y方向)の長さL(横距離)等の情報を取得し、これら情報を基に、退避経路Rに関する情報として、例えば退避経路Rの長さL、各地点の曲率ρや座標情報等を確定する。
次に、ステップ8において、操舵プロファイル設定部25は、目標経路設定部24により検出した退避経路Rの長さLや、退避経路Rの各地点の曲率ρ等の情報を読み出し、これら退避経路Rに関する情報に基づいて退避経路Rに対応する操舵プロファイル(退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとの操舵方向、操舵量)を設定する。
詳しくは、操舵プロファイル設定部25は、退避経路Rを、便宜上、退避経路Rの各地点の形状(退避経路Rの各地点の傾きや曲率の大きさや変曲点の有無等)に基づいて、退避経路Rの走行車線Rmが延びる方向に沿って図5(a)に示すように区分けし、退避経路Rを区分けした区間ごとに設定した複数の操舵ステップから構成される操舵プロファイルを設定する。例えば当例のように、退避経路Rがシグモイド曲線を描く場合には、操舵プロファイル設定部25は、退避経路Rを表す図5(a)に示す波形Lxyのように、退避経路Rを区間D1〜D4の4つの区間に区分けし、これら区間ごとに対応する4つの操舵ステップから成る操舵プロファイルを設定する。
なお、図5(a)の線図の横軸を示す前後距離は、退避経路Rのうち走行車線Rmが延びる方向(x方向)と平行な成分の距離を示し、同じく縦軸を示す横距離は、退避経路Rのうち走行車線Rmが延びる方向と直交方向(y方向)の成分の距離を示す。
図6は、シグモイド曲線を描く退避経路Rの区間ごとに設定した操舵ステップから構成される操舵プロファイルの概念図である。
図6に示すように、操舵プロファイル設定部25は、退避経路Rの区間D1に対応して、走行車線Rmの進行方向に対して目標地点Pdの側へ進入するよう所定の操舵量で電動パワーステアリング12を切り込む第1操舵ステップ(ステップ81)と、退避経路Rの区間D2に対応して、第1操舵ステップの電動パワーステアリング12の切り込みを中立位置まで切り戻す第2操舵ステップ(ステップ82)と、退避経路Rの区間D3に対応して、車両1が目標地点Pdに達する手前側において、道路の進行方向と平行に近づくように前記第1操舵ステップの操舵方向とは逆方向に所定の操舵量で電動パワーステアリング12を切り込む第3操舵ステップ(ステップ83)と、退避経路Rの区間D4に対応して、第3操ステップにおける電動パワーステアリング12の切り込みを中立位置まで切り戻す第4操舵ステップ(ステップ84)とをこの順で実行する操舵プロファイルを設定し、図3中のステップ9へ進む。
なお、操舵プロファイル設定部25は、退避経路Rの形状に応じて適宜、操舵プロファイルを構成する各操舵ステップの内容を変更してもよい。
例えば、区間D2に対応する第2操舵ステップは、第1操舵ステップにおける電動パワーステアリング12の切り込みを中立位置まで切り戻した後、第3操舵ステップにおける電動パワーステアリング12の切り込み操舵を行う前に、該電動パワーステアリング12を中立位置(操舵量を0)に維持する時間を設けてもよい。また、区間D4に対応する第4操舵ステップは、第3操ステップにおける電動パワーステアリング12の切り込みを中立位置まで切り戻した後、目標地点Pdに到達するまで該電動パワーステアリング12を中立位置(操舵量を0)を維持する時間を設けてもよい。
なお、操舵ステップごとの操舵の速度や、電動パワーステアリング12を中立位置に維持する時間は、各種プロファイルに基づき自動運転が実行されるまでに(図3中のステップ10)退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとにおける車速や車両1の前後加速度等に基づいて適宜設定される。
続いて図3中のステップ9において、減速プロファイル設定部26は、減速プロファイル設定処理を行う。
詳しくは、図7に示すステップ91のように、減速プロファイル設定部26は、退避スペースS内へ進入可能な該退避スペースSの入り口Psにおける車速V(退避経路R上を走行する車両1の初速V)、ステップ7で設定した退避経路Rの長さL、曲率ρに基づいて、初期減速度ax0を設定する。
具体的には、退避スペースSの入り口Psに位置する車両1が例えば、初速V’(図9(b)参照)から一定減速度axcで退避経路R上を減速しながら目標地点Pdで停車する場合(図9(b)中の波形LVC参照)、一定減速度はaxc=V/2Lで表される。当例では一定減速度axcで減速しながら目標地点Pdで停車する場合よりもさらに余裕をもって、初速V(図9(b)参照)に設定するとともに、退避スペースSの入り口Psでの初期減速度ax0を、上記一定減速度axcの例えば、半分程度(当例では半分以下)の値になるようにax0=V /4L(≒1/2・axc)に設定している。
なお、初期減速度ax0は、一定減速度axcの半分程度の値に限らず他の値に設定してもよいが、一定減速度axc以下の値に設定することが好ましい。
ここで、退避スペースSの入り口Psから時刻t[s]後における車速、前後加速度、目標軌道の曲率のそれぞれを、v(t)、a(t)、ρ(t)とすると、(t+Δt)[s]後の車速と横加速度は、
Figure 2018203173
Figure 2018203173
で表される。
そして図7中のステップ92において、減速プロファイル設定部26は、退避スペースSの入り口Psからt[s]後の車速v(t)、減速度a(t)および[数7]に基づいて、(t+Δt)[s]後の車速v(t+Δt)を設定し、続くステップ93において、ステップ92にて算出した車速v(t+Δt)、図3中のステップ7にて算出した曲率ρ(t+Δt)および、[数8]に基づいて、(t+Δt)[s]後の車両1の横加速度a(t+Δt)を設定し、さらに続くステップ94において、ステップ93にて算出した車両1の横加速度a(t+Δt)および、上述した[数5]、[数6]に基づいて、Δt[s]の間におけるヨー時定数が最小となる、車両1の減速度a(t+Δt)(前後加速度)を設定する。
減速プロファイル設定部26は、このようなステップ92〜94の処理を、退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまで走行する車両1の減速度a(t)が設定されるまで繰り返し実行し(ステップ95:No)、目標地点Pdまでの車両1の減速度a(t)が決定すると、該減速度a(t)を減速度プロファイルとして設定し(ステップ95:Yes)、図3中のステップ10へ進む。
ここで、上述した図7中のステップ92〜94の処理について退避スペースSの入り口Psから最初のΔt[s]後、2Δt[s]後、3Δt[s]後における3周期について採りあげて図8を用いてより具体的に説明する。
なお、図8は、[数5]、[数6]に基づいて表されるヨー時定数の変化量を概念化して示した図であり、図8(a)、(b)、(c)は、車速をそれぞれV、V、Vに設定した場合における、減速度aと横加速度aとに応じて変動するヨー時定数の変化量の大きさを等高線状に区分けした領域ごとに示す概念図を示す。
ここで、車速V、V、Vは、それぞれ退避スペースSの入り口PsをVで通過した車両1のΔt[s]後における車速v(Δt)、2Δt[s]後[s]後における車速v(2Δt)、3Δt[s]後における車速v(3Δt)を示す。また、図8中の領域Sはnー1<S≦n(領域SはS=0、領域Sは0<S≦1、領域Sは1<S≦2、領域Sは2<S≦3、・・・)を概念的に示す。
まず、図7中のステップ92において、退避スペースSの入り口Psにおける車速としてステップ91で設定した初期減速度ax0(=V/4L)、および[数7]に基づいて、該入り口PsからΔt(s)後の車速Vを算出する。すなわち図8(a)に示すように、V:v(Δt)=V+ax0Δtとなる。図7中のステップ93において、Vおよび[数8]に基づいて、退避スペースSの入り口PsからΔt(s)後の車両1の横加速度ay1を算出する。すなわち、ay1:a(Δt)=ρ(Δt)・v(Δt)となる。図7中のステップ94において、図8(a)に示すように、a(t)=ay1のとき、ヨー時定数の変化量の2乗で定義される評価関数S(t)が最も小さくなるようなax1を特定する。具体的にはay1との組み合わせにおいて図8(a)中において領域0に属するようなax1を特定する。
図7中のステップ92に戻って、上記ステップ94で特定したax1および[数7]に基づいて、2Δt(s)後の車速Vを算出する。すなわち図8(b)に示すように、V:v(2Δt)=V+ax1・2Δtとなる。図7中のステップ93において、Vおよび[数8]に基づいて、2Δt(s)後の車両1の横加速度ay2を算出する。すなわちay2:a(2Δt)=ρ(2Δt)・v(2Δt)となる。図7中のステップ94において、図8(b)に示すように、a(t)=ay2のとき、ヨー時定数の変化量の2乗で定義される評価関数S(t)が最も小さくなるようなax2を特定する。
具体的には、ay2との組み合わせにおいて図8(b)中において領域0に属するようなax2を特定することが好ましいが、図8(b)に示すように、領域S(つまりヨー時定数の変化量が0)となるay2とax2の組み合わせが存在しない場合には、ヨー時定数の変化量が最小になるように、図8(b)中の領域Sの中でも最もSに近い地点(図8(b)中のP参照)に基づいてax2を設定する。
図7中のステップ92に戻って、上述と同じ要領でステップ94にて特定したax2および[数7]、[数8]に基づいて、ステップ92,93の処理を行い、3Δt(s)後の車両1の横加速度ay3を算出する。すなわちay3:a(3Δt)=ρ(3Δt)・v(3Δt)となる。そして図7中のステップ94において、図8(c)に示すように、a(t)=ay3のとき、ヨー時定数の2乗で定義される評価関数S(t)が最も小さくなるようなax3を特定する。
そしてこのような図7中のステップ92〜94の処理を、Δ4t[s]以降も車両1が目標地点Pdに達するまで繰り返すことで、退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまでの横加速度a(t)を特定できるとともに減速度a(t)を設定することができる。
具体的には、退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまでの車両1に加わる横加速度は、図5(b)に示すような波形Layとなり、同じく車両1に加わる減速度(前後加速度)は、図5(b)に示すような波形Laxとなる。図5(b)に示す波形Laxが減速度プロファイルを表示している。
上述した図3中のステップ9までの処理は、車両1が退避スペースSの入り口Ps(退避経路Rの初期位置)に到達するまでに実行され、車両1が退避経路Rを実際に走行する前に、その走行の際に用いられる操舵プロファイルや減速度プロファイルが予め設定される。
車両1がやがて退避スペースSの入り口Psに到達した時点で、図3中のステップ10に示すように、上述したステップ8で設定した操舵プロファイル、および上述したステップ9で設定した減速度プロファイルに基づいて車両1が退避経路Rに沿って減速しながら車両1が退避スペースS内の目標地点Pdに到達した時点で停止するように(ステップ11)自動運転が実行される。
ここで図9(a)中の波形LIcは、車両1が入り口Psでの車速を略V’として退避経路R上を一定減速度axcで減速しながら目標地点Pdで停車するまでのヨー時定数の変動と時間との関係を示し、図9(b)中の波形Lvcは、同じ条件の下での車速と時間との関係を示す。
一方、図9(a)の線図中の波形Lは、上述した運転支援処理に従って、車両1が入り口Psでの車速をVとしてヨー時定数の変動が最小となる減速度aで減速しながら目標地点Pdで停車するまでのヨー時定数の変動と時間との関係を示し、図9(b)の線図中の波形Lvcは、同じ条件の下での車速と時間との関係を示す。
なお、図9(a)、(b)中の区間Xが、車両1が入り口Psから目標地点Pdまで退避経路Rに沿って走行している間の時間に相当する。
図9(a)の区間Xに示すとおり、退避経路R上をヨー時定数の変化量が最小化するような速度度aで減速する場合(以下「当例の場合」ともいう。)は、退避経路R上を一定減速度axcで減速する場合(以下、「従来例の場合」ともいう。)と比較してヨー時定数の変化量が小さくなっていることがわかる。
具体的には、図9(a)の区間Xに示す両波形L,LICを比較すると明らかなとおり、当例の場合(波形L)は、従来例の場合(波形LIC)よりもヨー時定数の最大値と最小値との差が小さくなっている。
そして、当例のような運転支援処理を行うことで、図10に示すように、従来例の場合と比較して退避経路R上を走行する車両1が目標位置に達するまでのヨー時定数の変化量の積分値を11%低下させることができた。
ところで、退避経路R上を走行する車両1の追従性(トレース性能)は、ヨーレートの制御性能に依存することになる。そして、ヨーレートの制御性能は車両の応答特性を表すヨー時定数の大きさで変化する。
そこで当例のように、ヨー時定数の変化量が小さくなるような運転支援処理を行うことで、図10に示すように、従来例の場合と比較して退避経路R上を走行する車両1が目標位置に達するまでのヨーレート制御誤差の積分値を11%低下させることができた。
さらに、図3中のステップ10において、加減速制御部27は、図5(b)に示すような波形Laxに基づく減速プロファイルに従ってブレーキ11やエンジン10を制御することで、ヨー時定数の変化量が最小になる減速度(つまり図5(b)に示す波形Laxとなるような減速度)で車両1を減速することができ、これにより従来例の場合よりも退避経路Rへのトレース性を高めることがきる。
具体的には、図10に示すように、当例の場合、従来例の場合と比較して退避経路R上を走行する車両1の退避経路Rに対するトレース誤差を最大値で8%低下させることができた。
上述した本実施形態による運転支援装置2は、走行車線Rmの方向(図4(a)中のx方向)に対して横方向(図4(a)中のy方向)にずれた所定の目標地点Pdまでの退避経路Rを設定する目標経路設定部24(目標経路設定手段)を備え、退避経路R上を減速しながら走行し目標地点Pdで停止する、操舵を伴う運転を実行する車両1の運転支援装置2において、車両1のヨー時定数の変動が最小となるよう車両1の進行方向の減速度を制御する減速プロファイル設定部26(減速度制御手段)を備えたものである(図1、図3のステップ9、図5(b)、図9(a)、(b)参照)。
上記構成によれば、車両1のヨー時定数の変動が最小化するように車両1の進行方向の減速度を制御することで退避経路Rへの追従性を高めることができ、退避経路Rから外れずに目標地点Pdに到達するように自動運転することができる。
本実施形態による運転支援装置2は、車両1の退避経路R上に沿って走行する車両1の速度をv(t)、減速度をa(t)、車両1に対して横方向に加わる横加速度をa(t)とすると、ヨー時定数T(t)は、上記[数5]で表され、減速プロファイル設定部26は、上記[数6]に基づいてヨー時定数の変化量の2乗で定義される評価関数S(t)が最小となるように減速度a(t)を設定するものである。
上記構成によれば、仮に車両1のヨー時定数の変化量が0(つまりヨー時定数が一定)になるような減速度が存在しなくても、ヨー時定数の変動が最小となる減速度を、統計的手法(例えば最小二乗法)を用いて近似的に求めることができる(図8(b)参照)。
本実施形態による運転支援装置2は、退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとの横加速度を、該通過地点ごとの車速と、該通過地点ごとにおける曲率を用いて[数8]に基づいて設定し(図7中のステップ93参照)、減速プロファイル設定部26は、通過地点ごとの横加速度に基づいて、退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定するものである(図3中のステップ9参照)。
上記構成によれば、ヨー時定数が、退避経路R上の各通過地点(時間)ごとの車速、減速度(前後加速度)、横加速度の夫々に依存して変動することに着目し([数5]参照)、車速と横加速度に基づいてヨー時定数の変動が最小となる減速度を求めることができる(図7中のステップ91〜94、図8(a)、(b)参照)。
次に、本実施形態の運転支援装置2が実行する運転支援処理の変形例(請求項4に対応)について説明する。
運転支援処理の変形例の前提として、一般に退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとにおける、横加速度aと操舵量(操舵プロファイル)とは互いに連動する。詳しくは、退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとの操舵量は、横加速度aが示す特性、すなわち図5(b)の線図に示す波形Layと同じ特性となる。
そこで発明者らはこの点に着目し、上述した運転支援処理では、減速プロファイル設定部26は、図7中のステップ93において、横加速度を[数8]に基づいて車速や退避経路Rの曲率を用いて算出し、さらに図7中のステップ94において、この横加速度に基づいてヨー時定数の変動が最小となる減速度a(t)、すなわち減速度プロファイルを設定したのに対して、ここでの運転支援処理の変形例では、減速プロファイル設定部26は、横加速度と同じ特性(つまり図5(b)中の波形Layと同じ波形)を示す操舵量(操舵プロファイル)に基づいて、ヨー時定数の変動が最小となる減速度a(t)、すなわち減速度プロファイルを設定するものである。
上記構成によれば、運転支援処理において必ず必要となる操舵プロファイルを利用して横加速度を設定(推定)できるため、図7中のステップ93のように、横加速度を[数8]に基づいて別途算出しなくても図3中のステップ8において操舵プロファイルが設定できれば、該操舵プロファイルに従って定まる操舵量を、横加速度を示すパラメータとして利用することができる。
具体的には、図7中のステップ94において、操舵量から特定(推定)される横加速度を示すパラメータを、ステップ93で算出した横加速度とし、これを用いて上述と同じ要領で[数5]、[数6]に基づいて、減速度a(t)、すなわち減速度プロファイルを設定することができる。
さらに発明者らは、図5(b)中に示す横加速度波形Lay(横加速度波形Layと同じ特性を示す操舵量波形(Lay))と、同じく図5(b)中に示す前後加速度波形Laxとの間にも一定の関係性が成立することに着目した。
例えば、図5(b)中の波形Lax,Layに示すように、図5(b)中の区間D1,D3において、電動パワーステアリング12の中立位置から必要操舵量だけ切り込むように操舵する第1,第3操舵ステップを実行するに伴って、(図5(b)中の波形Layの区間D1,D3参照)、図5(b)中の波形Laxの区間D1,D3のように、減速度を徐々に増加させることが、ヨー時定数の変動が最小化することにつながることを見出した。
このように横加速度(操舵量)と前後加速度(減速度)とは、図11の線図に示すような関係が成立する。なお、図11は退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまで当例の減速度の下で減速しながら車両1に加わる横加速度(操舵量)と前後加速度(減速度)との関係を示しており、図11中の矢印d1,d2,d3,d4は、それぞれ区間D1に対応する第1操舵ステップ、区間D2に対応する第2操舵ステップ、区間D3に対応する第3操舵ステップ、区間D4に対応する第4操舵ステップの実行に伴う横加速度と前後加速度との変動を示す。
つまり、退避経路Rが所定のシグモイド曲線を描く場合において、このような操舵量と前後加速度(減速度)との関係性として、例えば、図11中の波形Laxyや、図5(b)に示すような波形Laxと波形Layとの対応関係が予め分かっていれば、図3中のステップ8において操舵プロファイル(図5(b)中の波形Lay参照)が決まると、該操舵プロファイルに基づいて、ヨー時定数の変化量が最小となる減速度プロファイル(図5(b)中の波形Lax参照)をダイレクトに決定することができる。
そこで運転支援処理のさらに他の変形例(請求項5〜8に対応)として、減速プロファイル設定部26は、区間D1に対応する第1操舵ステップの間(図6中のステップ81)、減速度を増加させる第1減速ステップと(図5(b)の波形Lax,Lay、図11中の矢印d1参照)、区間D2に対応する第2操舵ステップの間(図6中のステップ82)、減速度を一定に保つ第2減速ステップと(図5(b)の波形Lax,Lay、図11中の矢印d2参照)、区間D3に対応する第3操舵ステップの間(図6中のステップ83)、減速度を増加させる第3減速ステップと(図5(b)の波形Lax,Lay、図11中の矢印d3参照)、区間D4に対応する第4操舵ステップの間(図6中のステップ84)、減速度を一定に保つ第4減速ステップと(図5(b)の波形Lax,Lay、図11中の矢印d4参照)を備えた減速度プロファイルを設定する。
すなわち、上述したように、退避経路R上を走行する車両1の通過地点ごとの操舵量(操舵プロファイル)は、通過地点ごとの横加速度a(図5(b)中の波形Lay)と同じ特性を示すこととなり、さらに、横加速度(操舵量)と前後加速度(減速度)との関係(図11中の波形Laxy参照)に基づいて、減速プロファイル設定部26は、操舵プロファイルを示す図5(b)中の波形Layが確定すれば、それを基に減速度プロファイルを示す図5(b)中の波形Lxを設定することができる。
上記構成によれば、運転支援処理において必ず必要となる操舵プロファイルが設定できれば(図3中のステップ8参照)、この操舵プロファイルを利用して減速度プロファイルもダイレクトに設定することができる。
このように退避経路Rを操舵量、操舵方向の違いに応じた操舵ステップごとに区分けして、それぞれの操舵ステップに、減速ステップをヨー時定数の変動を最小化するような関係となるように対応付けることで(図5(b)中の波形Lx,Lay、図11中の波形Laxy)、操舵プロファイルが設定されれば、その操舵プロファイルに基づいて、退避経路Rへの追従性を高めることが可能な減速度プロファイルを設定することができる。
なお、図5(b)中の波形Lax,Layや、図11中の波形Laxyに示すような横加速度(操舵量)と前後加速度(減速度)との関係は、予めシミュレーションや実験等により決定することができ、退避経路Rの形状に応じてデータベース化して実走行での運転支援処理に活かすことができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、退避スペースSの入り口Psから目標地点Pdまでの図4(a)に示すような退避経路R全体に亘って、ヨー時定数Tの変化量が最小となるように車両の減速度a(前後加速度)を設定する本実施形態の運転支援処理を実行する実施例について説明したが、これに限らず、退避経路Rにおける少なくとも一区間のみにおいて上述した本実施形態の運転支援処理を実行する実施例を採用してもよい。
ところで、上述した本実施形態の運転支援処理は、車両1の操舵(横方向への荷重移動)を伴う状況においては、車速がVth(例えば、10km/h程度)以上の場合において、退避経路Rへのトレース性能向上の効果をより発揮することができる。このため、車両1がこのようなVth以上の車速の下で走行する際に、上述した本実施形態の運転支援処理を実行することが好ましい。
例えば、図4(b)に示すような退避経路Rを想定する。具体的には、退避スペースS内において目標地点Pdよりもx方向における手前側の地点を停車前目標通過地点Ppredに設定すると、退避経路Rは、退避スペースSの入り口Psから停車前目標通過地点Ppredまでをシグモイド曲線で結ぶ退避経路R’と、停車前目標通過地点Ppredから目標地点Pdまでx方向に沿って直線状を描く退避経路R’’とを直列に結ぶ経路として構成される。
車両1が図4(b)に示すような退避経路Rを走行する際には、退避スペースSの入り口Psから退避経路R’に沿って減速しながら走行し、停車前目標通過地点PpredをVthの車速にて通過し、退避経路R’’を減速しながら走行することで目標地点Pdにて停止するものとする。
このような場合には、車両1が図4(b)中の退避経路R’をVo(入り口Ps)からVth(停車前目標通過地点Ppred)まで減速しながら走行する際において、図12(a)、(b)中の各区間Xに示すように、ヨー時定数Tの変化量が最小となるように車両の減速度a(前後加速度)を設定する上述した本実施形態の運転支援処理を実行するものとする。
一方、車両1が図4(b)中の退避経路R’’をVth以下の車速で走行する際においては、上述した本実施形態の運転支援処理ではなく、図12(a)、(b)の各区間Yに示すように、車速Vthから画一的に一定減速で減速して目標地点Pdにて停車するように運転支援処理を実行するものとする。
このように車両1が、少なくともVth以上の車速で走行する退避経路R’の走行時についてのみ上述した本実施形態の運転支援処理を実行することで、退避経路R’が退避経路R全体の一区間であっても、その退避経路R’において優れたトレース性能を発揮することができる。
また他の実施例として、例えば、上述した実施例では、退避経路Rに進入する前に減速度プロファイルを設定したが(図3中のステップ9,10参照)、これに限らず、車両1が退避経路R上を走行途中において、加速度センサ8の出力信号から車両1の現在の横加速度を取得し、このリアルタイムで検出した横加速度に基づいて、ヨー時定数の変化が最小となる減速度を走行途中に逐次設定する構成を採用してもよい。
1…車両
2…車両の運転支援装置
21…乗員状態取得部(乗員状態取得手段)
12…電動パワーステアリング(ステアリング)
22…退避スペース検出部(退避スペース検出手段)
24…目標経路設定部(目標経路設定手段)
25…操舵プロファイル設定部(操舵プロファイル設定手段)
26…減速プロファイル設定部(減速プロファイル設定手段、減速度制御手段)
S7…目標経路設定処理(図3中のステップ7)
S9…減速度制御処理(図3中のステップ9)
S…退避スペース
R…退避経路(目標経路)
Pd…目標地点
ρ…曲率

Claims (10)

  1. 車両の前後方向に対して車両の幅方向にずれた所定の目標地点までの目標経路を設定する目標経路設定手段を備え、前記目標経路上を減速しながら走行し前記目標地点で停止する、操舵を伴う運転を実行する車両の運転支援装置において、
    車両のヨー時定数の変動が最小となるよう車両の前後方向の減速度を制御する減速度制御手段を備えた
    車両の運転支援装置。
  2. 車両の目標経路上に沿って走行する車両の速度をv(t)、前記減速度をa(t)、車両に対して横方向に加わる横加速度をa(t)とすると、
    ヨー時定数T(t)は、
    (t)=f(v(t)、a(t)、a(t))で表され、
    ヨー時定数の変化量をSとすると、
    前記減速度制御手段は、評価関数S(t)を、
    S=(T(t)−T(t+Δt))
    のとおり、前記ヨー時定数の変化量(変化率)の2乗と定義し、このSが最小となるように前記減速度a(t)を設定する
    請求項1に記載の車両の運転支援装置。
  3. 前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの前記横加速度を、該通過地点ごとの前記車速と、該通過地点ごとにおける曲率を基に設定し、
    前記減速度制御手段は、前記通過地点ごとの前記横加速度に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とする
    請求項1又は2に記載の車両の運転支援装置。
  4. 前記減速度制御手段は、前記通過地点ごとの前記横加速度に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とし、
    前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとのステアリングの操舵量に関する操舵プロファイルを設定する操舵プロファイル設定手段を備え、
    前記操舵プロファイルにおける前記操舵量は、前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとに加わる横加速度に連動するものとし、
    前記横加速度を、少なくとも前記操舵プロファイルに基づいて設定する
    請求項1又は2に記載の車両の運転支援装置。
  5. 前記運転制御手段には、
    前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとのステアリングの操舵量に関する操舵プロファイルを設定する操舵プロファイル設定手段を備え、
    前記操舵プロファイルにおける前記操舵量は、前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとに加わる横加速度に連動するものとし、
    前記目標経路上を走行する車両に通過地点ごとの操舵量と減速度との間には所定の関係を有するものとし、
    前記減速度制御手段は、前記操舵プロファイルおよび前記所定の関係に基づいて、前記目標経路上を走行する車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とする
    請求項1に記載の車両の運転支援装置。
  6. 前記所定の関係とは、少なくともステアリングの操舵量の大きさが増加するに従って前記減速度を徐々に増加する関係である
    請求項5に記載の車両の運転支援装置。
  7. 前記操舵プロファイル設定手段は、
    目標地点への進入前の車両の前後方向に対して目標地点の側へ進入するようステアリングの切り込み操舵を行う第1操舵ステップと、
    前記第1操舵ステップの切り込みを中立位置まで切り戻す第2操舵ステップと、
    車両が目標地点の手前側において、前記目標地点への進入前の車両の前記前後方向と平行に近づくように前記第1操舵ステップの操舵方向とは逆方向に切り込み操舵を行う第3操舵ステップと、
    前記第3操ステップの切り込みを中立位置まで切り戻す第4操舵ステップと、を有する前記操舵プロファイルを設定する
    請求項6に記載の車両の運転支援装置。
  8. 前記減速度制御手段は、前記目標地点に停止するよう、前記目標経路上の車両の通過地点ごとの減速度に関する減速度プロファイルを設定する減速プロファイル設定手段とし、
    該減速プロファイル設定手段は、
    前記第1操舵ステップの間、前記減速度を増加させる第1減速ステップと、
    前記第2操舵ステップの間、前記減速度を一定に保つ第2減速ステップと、
    前記第3操舵ステップの間、前記減速度を増加させる第3減速ステップと、
    前記第4操舵ステップの間、前記減速度を一定に保つ第4減速ステップとを備えた前記減速度プロファイルを設定する
    請求項7に記載の車両の運転支援装置。
  9. 乗員の状態に応じて車両の運転を支援する運転支援装置において、
    前記目標地点は、退避スペースに有するものとし、
    乗員の状態を取得する乗員状態取得手段と、
    車両の走行中、乗員状態に異常が発生した場合、車両を退避させる退避スペースを検出する退避スペース検出手段を備えた
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  10. 車両の前後方向に対して車両の幅方向にずれた所定の目標地点までの目標経路を設定する目標経路設定処理を実行し、前記目標経路上を減速しながら走行し前記目標地点で停止する、操舵を伴う運転を実行する車両の運転支援方法において、
    車両のヨー時定数の変動が最小となるよう車両の前後方向の減速度を制御する減速度制御処理を実行する
    車両の運転支援方法。
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