JP2018201916A - カテーテル情報管理装置、カテーテル装置、カテーテル情報管理装置の制御プログラム及びカテーテル情報管理方法 - Google Patents
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Description
このようなバルーンカテーテルは、血管内等に挿入され、狭窄部でバルーンを拡張させることで狭窄部を押し広げる処置を行うことができる。
また、このような、バルーンカテーテルを拡張させるときは、バルーン内に所定量の造影剤を注入する構成となっている。
一方、バルーンカテーテルのバルーンを精度良く制御するための提案もされている(例えば、特許文献1)。
したがって、バルーン部の拡張過程における変化量を把握しつつ、バルーンの拡張過程に応じた、バルーンの挿入対象である血管等の生体の情報を把握することができる。
したがって、バルーン部の拡張による血管等の変化状態のみならず、危険な状態となった場合も迅速に操作者等にその事実を報知することができ、極めて安全性の高いカテーテル情報管理装置となっている。
このように、圧力情報や体積情報に基づいて、血管等の生体の状態を判断するので、容易且つ精度良く生体の状態を判断することができる。
したがって、バルーンカテーテル等を操作する医師等に未然に警報を与えることができ、重篤な事態の発生を未然に防止することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載ない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカテーテル装置である例えば、バルーンカテーテル装置1の主な構成を示す概略図である。
図1に示すバルーンカテーテル装置1は、図1に示すように、患者の生体である例えば、血管内に挿入し配置するためのカテーテルである例えば、バルーンカテーテル2を有している。
このバルーンカテーテル2は、その先端に、液体である例えば、造影剤の注入によってバルーン部であるバルーン21が拡張する構成となっている。
具体的には、患者の血管内の狭窄部(病変部)でバルーン21を拡張させることで狭窄部を押し広げて治療可能な構成となっている。
また、本実施の形態のバルーンカテーテル2は、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他の消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官に形成された狭窄部の治療及び改善を目的として使用されるものとして構成することができる。
また、シャフト22の基端側には、バルーンカテーテル2が他の装置と接続するためのハブ24が配置されている。
また、シャフト22には、ガイドワイヤ23が導出される開口部25も形成されている。
この二股の接続具3の一方側には、バルーン拡張変化情報取得部である例えば、圧力センサ8が接続されている。
したがって、圧力センサ8は、接続具8を介してバルーンカテーテル2の内部と連通しているため、圧力センサ8は、バルーン21の内圧を計測可能な構成となっている。
圧力センサ8は、バルーン拡張情報取得部の一例となっている。
このシリンジ4の内部には、上述の造影剤が収容されており、シリンジ送り機構5の動作により,所定の造影剤がバルーンカテーテル3のバルーン21に注入され、バルーン21が拡張する構成となっている。
さらに、図1に示すように、圧力センサ8やモータドライバ7は、アナログ/デジタル(A/D)変換器9と接続され、このアナログ/デジタル変換器9が、カテーテル情報管理装置である例えば、パーソナルコンピュータ(PC)10と接続されている。
したがって、シリンジ4内の造影剤の注入量は、PC10で制御されると共に、圧力センサ8の情報がPC10に入力される構成となっている。
図2に示すように、PC10は、「PC制御部13」を有し、PC制御部13は、A/D変換器9と通信するための「通信装置14」、「計時装置15」や図1に示すディスプレイ11及び各種情報入力部12を制御する構成となっている。
図3乃至図5は、それぞれ「第1の各種情報記憶部30」、「第2の各種情報記憶部40」及び「第3の各種情報記憶部50」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容は後述する。
先ず、図1のバルーンカテーテル2を患者の血管内に挿入し、狭窄部(病変部)にバルーン21を配置させる。
次いで、図6のステップ(以下「ST」とする。)1では、医師等の操作者が図1のPC10を操作し、PC10へ「造影剤注入開始情報」を入力する。
この「造影剤注入量情報」は図示しない「注入情報取得部(プログラム)」で取得され、この「注入情報取得部(プログラム)」が「注入情報取得部」の一例である。
このときの圧力情報は、バルーンカテーテル2の内部、すなわち、バルーン21の内圧
情報であり、この内圧情報をその時刻情報と共に記憶する構成となっている。
この圧力センサ8の「圧力情報」が、「バルーン拡張情報」及び「バルーン部の圧力情報」の一例である。
したがって、注入量関連圧力情報が、バルーン拡張変化情報の一例である。
また、「注入量関連圧力情報生成部(プログラム)34」が、バルーン拡張変化情報を算出する算出部の一例である。
ここで、「基準注入量圧力情報」は、基準となる注入量に対応する圧力情報、すなわち、バルーン21の拡張が血管によって制限されることなく拡張すると仮定した場合の注入量と圧力の関係の情報である。
そして、「基準注入量圧力情報」は、「基準情報」及び「基準圧力情報」の一例である。
図10の矢印Gは、実際の注入量(容量)と、それに対応する実際に圧力センサ8によって測定されたバルーン21の内圧(kPa)の関係である注入量関連圧力情報を示す。矢印Sは、上述の基準となる注入量と圧力の関係である基準注入量圧力情報を示す。
したがって、図1のバルーンカテーテル2内に造影剤を注入中の医師等の操作者は、図10の矢印Gのグラフを視認することで、バルーン21の内圧の変化を、注入量との関係で明確に把握することができる。
また、矢印Sの基準と比較して。矢印Gを視認することで、バルーン21が血管内壁に当接したか否かのみならず血管内壁にクラックが生じたか否かを予想することができる。
さらに、本実施の形態では、PC10が、精度よく血管内壁とバルーン21との関係を自動的に判断し、その判断結果をディスプレイ11に表示する構成と有している。以下、詳細に説明する。
そして、直近の注入量における圧力値と現在の注入量の圧力値とを比較して「現在圧力増加率Δn」情報を生成し、図4の「現在圧力増加率情報記憶部42」に記憶する。
そして、「現在圧力増加率Δn」の値が、図3の「基準注入量圧力情報記憶部37」の「基準注入量圧力情報」の対応する増加率と比べ「大」であるか否かを判断する。
この「血管壁当接状態」の情報が、生体変化情報や血管当接情報の一例となっている。
例えば、図10の注入量0.011mLから0.047mLである「L1」の区間では、矢印Gのグラフの増加率は、矢印Sの増加率より「大」となっている。
そこで、本実施の形態では、かかる場合は、バルーン部21が血管内壁に当接した「血管壁当接状態」と判断し、「血管壁当接」をディスプレイ11に表示する構成となっている。(ST10)
すなわち、図3の「注入量関連圧力情報記憶部35」の現在の圧力情報を取得し、図3
の「基準注入量圧力情報記憶部37」の「基準注入量圧力情報」における「現在の注入量」に対応する圧力情報と比較する。
このように判断することで、より精度の高い判断が可能となる。
このクラック回数情報については後述するが、圧力変化によって血管内壁にクラックが発生のおそれがあったと、過去に判断された回数である。
そして、本工程では、クラック回数が所定回数(例えば、2回)に達しているか否かを判断する。
なお、この「第1の血管壁解離警報生成処理部(プログラム)51」が「生体壁解離判断部」の一例である。
ST13では、「血管壁解離発生警報」をPC10のディスプレイ11に表示する。
したがって、バルーンカテーテル2を操作する医師等に未然に警報を与えることができ、重篤な事態の発生を未然に防止することができる。
この場合、より安全なバルーンカテーテル装置1となる。
一方、ST14で「造影剤注入停止情報」の入力がなかったときは、ST15へ進む、
ST15では、図5のクラック発生判断部である例えば、「第1のクラック発生有無判断処理部(プログラム)52」が動作し、図4の「現在圧力増加率情報記憶部42」に記憶されている直近のデータを「直近圧力増加率Δn−1」として取得し、この値が、図3の「基準注入量圧力情報記憶部37」の「基準注入量圧力情報」の対応する増加率と比べ「大」であるか否かを判断する。
ST16では、図4の「現在圧力増加率情報記憶部42」の「現在圧力増加率Δn」が「0」より「小さい」か否かを判断し、「小さい」ときは、ST17へ進む。
これは、圧力が通常より大きいこと、すなわち、バルーン21が血管内壁に当接していることを示す。
これは、血管内壁にクラックが発生し、血管が広がったため、バルーン21に対する圧力が減少したものと推定される。
このように、バルーン21が血管内壁に当たって圧力上昇した後、圧力が下がったと判断されたときは、この圧力の減少は、クラックによるものと判断することができる。
しかし、本発明は、これに限らず、単に、現在圧力増加率が「0」より小さいときに「クラック発生のおそれ」ありと判断する構成としても構わない。
さらに、かかる情報をディスプレイ11に表示することで、操作者等に適切に報知することができる。
このように、本実施の形態のバルーンカテーテル装置1は、バルーン21の拡張による血管等の変化状態のみならず、危険な状態となった場合も迅速に操作者等にその事実を報知することができ、極めて安全性の高いバルーンカテーテル装置1となっている。
図9に示すように、たとえば、ST17で「クラック」発生のおそれありと判断した直後に、クラック発生回数が所定回数(例えば、2回)に達したか否かを判断し、早い段階で「血管解離発生警報」を発しても良い。この場合は、「血管解離発生注意報」としても良い。
すなわち、ST17でクラック回数情報に「+1」して記憶した後にST18へ進む。
そして、ST19でクラック回数が所定回数(例えば、2回)に達していると判断されたときは、ST20へ進み、「血管壁解離発生警報」をPC10のディスプレイ11に表示する。
具体的には、ST17で「クラック」発生のおそれありと判断した直後に、クラック発生回数が所定回数(例えば、2回)に達したと判断した際に「血管解離発生注意報」を発し、その後、血管内壁に当接したと判断した際に「血管解離発生警報」発する。
この場合は、ST20で「血管解離発生注意報」を発し、ST13で「血管解離発生警報」を発する。
これらの場合は、早い段階からバルーンカテーテル2を操作する医師等に注意を促すことができ、重篤な事態の発生を未然に防止することができる。
この場合、より安全なバルーンカテーテル装置1となる。
図11は、「クラック発生のおそれの判断」に関する第1の変形例を示す造影剤の注入量(送り量)とバルーンの圧力値との関係を示す概略図である。
本変形例では、上述の第1の実施の形態と異なり、「クラック発生のおそれ」の判断方法が相違するため、以下、その相違点を中心に説明する。
上述の第1の実施の形態では、図8のST15及びST16に示すように、先ず、直前である直近の注入量における圧力の増加率を求める。
すなわち、直近の注入量における圧力値と、その更に直近の注入量の圧力値とを比較して「直近圧力増加率Δn―1」情報を生成する。
そして、「直近圧力増加率Δn―1」と「基準注入量圧力情報の直近の増加率」を比較する。
具体的には、グラフGの「直近圧力増加率Δn―1」の値が、グラフSの「基準注入量圧力情報の直近の増加率」より「大」であれば、バルーン21が「血管壁当接状態」と判断する。
そして、この「現在圧力増加率Δn」が「0」より小さいか否かを判断し、小さいときは、「クラック発生のおそれありと判断する。
まず、例えば、図11の注入量毎(例えば、0.0011mL.0.0012mL等)の注入量の圧力である「圧力実測値」と、対応する注入量における図11の「基準注入量圧力情報」との差を求め、「圧力基準乖離値」として記憶する。
すなわち、造影剤の送り量(注入量)毎(例えば、0.011mL、0.012mL等)の「圧力基準乖離値」を求め、記憶する。
例えば、図11の矢印E1〜Enで示すように、各送り量における「圧力基準乖離値」を記憶する。
具体的には、直近の更に直近の「圧力基準乖離値」と直近の「圧力基準乖離値」から「圧力基準乖離値の直近増加率」を求めることとなる。
例えば、図11の「E11」が現在の「圧力基準乖離値」で、直近の更に直近が「E9」で、直近が「E10」の場合、E9とE10の「圧力基準乖離値」からE10の直近の「圧力基準乖離値の直近増加率」を求める。
具体的には、図11のE10の「圧力基準乖離値」とE11の「圧力基準乖離値」からE11の「圧力基準乖離値の現在増加率」を求める。
そして、「圧力基準乖離値の現在増加率」が「0」より「小さい」ときは、「クラック発生のおそれあり」と判断する。
なお、上述の「圧力基準乖離値」が、「バルーン拡張変化情報と基準情報との乖離情報」の一例となっている。
図12は「クラック発生のおそれの判断」に関する第2の変形例を示す造影剤の注入量(送り量)とバルーンの圧力値との関係を示す概略図である。
本変形例では、上述の第1の実施の形態と異なり、「クラック発生のおそれ」の判断方法が相違するため、以下、その相違点を中心に説明する。
例えば、図12では、T1で示される傾きである「圧力の直近増加率Δn―1(T1)」が「500kPa/0.03mL≒17MPa/mL」で、T2で示される傾きである「圧力の現在増加率Δn(T2)」が「―400kPa/0.002mL≒―200MPa/mL」である。
そして、この減少度は、閾値以上であるため、この例では、バルーン21による「クラックが発生するおそれがある」と判断する。
したがって、この減少度は、閾値以上であるため、この例でも、バルーン21による「クラックが発生するおそれがある」と判断する。
したがって、実際の注入量における「現在圧力増加率Δn」が「0」より小さくない場合であっても、クラック発生のおそれの有無を精度良く判断することができる。
上述の第2の変形例では、図12の「圧力の直近増加率Δn―1」(T1等)と「圧力の現在増加率Δn」(T2等)とを比較し、その減少度を算出し、この減少度が所定の閾値以上であるときは、「クラックが発生するおそれがある」と判断する構成となっている。
上述の第2の変形例の場合、2つの増加率(傾き)における減少度を把握することはできるが、これらの2つの「圧力の直近増加率Δn―1」(T1等)と、「圧力の現在増加率Δn」(T2等)の間における変化の程度(変化が急であるか、若しくは緩やかであるか等)を把握することができない。
このため、本実施の形態では、2つの増加率(傾き)間の微小変化量を把握し、2つの増加率(傾き)間において、変化が急であったか、若しくは穏やかであったか等を把握できる構成となっている。
すなわち、「(−200−17)・0.002」となり、これは「−109GPa/mL^2」となり、これが微小変化量の減少度となる。
例えば、本変形例では、「50GPa/mL^2」を「微小変化量の減少度」とする。
すると、図12のT1とT2の増加率(傾き)の間の微小変化量の減少度が「−109GPa/mL^2」であるため、閾値「50GPa/mL^2」を超え、急激な変化等が発生したと判断され、「クラックが発生するおそれ」があると判断されることになる。
図13は、上述の第1の実施の形態のバルーンカテーテル装置1の第1の変形例であるバルーンカテーテル装置100を示す概略図である。
本変形例のバルーンカテーテル装置100の多くの構成は、上述の第1の実施の形態のバルーンカテーテル装置1と共通するため、重複する構成は同一符号等として、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図14に示すように、バルーン121内に造影剤が注入され、バルーン12が拡張し、血管内壁と当接すると、その表面圧力をひずみゲージ126a、126bが検知し、図10のA/D変換器9等を介して、PC10へ入力される構成となっている。
また、この圧力情報は、第1の実施の形態の圧力センサ8と異なり、バルーン121の表面圧という直接的な情報であるため、より正確に圧力情報を取得することができる。
図15は、上述の第1の実施の形態のバルーンカテーテル装置1の第2の変形例であるバルーンカテーテル装置200を示す概略図である。
本変形例のバルーンカテーテル装置200の多くの構成は、上述の第1の実施の形態のバルーンカテーテル装置1と共通するため、重複する構成は同一符号等として、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
また、インデフレータ201は、接続具203を介してバルーンカテーテル2に接続されている。
したがって、本変形例では、第1の実施の形態のバルーンカテーテル1と異なり、シリンジ4,シリンジ送り機構5,ステッピングモータ6、モータドライバ7を用いることなく、操作者がインデフレータ201を操作することで、造影剤をバルーンカテーテル2内に注入することができるので、極めて使い易いバルーンカテーテル装置200となっている。
この場合、バルーンカテーテル2へ注入された造影剤の流量を測定するセンサを設け、測定値を図3の「造影剤注入量情報記憶部32」へ記憶することとなる。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るバルーンカテーテル装置300の主な構成を示す概略ブロック図である。
図16に示す第2の実施の形態にかかるバルーンカテーテル装置300は、多くの構成が上述の第1の実施の形態にかかるバルーンカテーテル1と共通するため、以下、共通する構成は、同一符号等とし、説明を省略し、相違点を中心に説明する。
そして、このX線撮像装置301で、バルーンカテーテル装置300のバルーン21の拡張状態を撮像することで、バルーン21の体積変化を測定する構成となっている。
先ず、図16のバルーンカテーテル2を患者の血管内に挿通し、狭窄部(病変部)にバルーン21を配置させる。
次いで、図20のステップ51では、医師等の操作者が図16のPC10を操作し、PC10へ「造影剤注入開始情報」を入力する。
「造影剤注入量情報記憶部32」の内容は、上述の第1の実施の形態の図3の「造影剤注入量情報記憶部32」と同様である。
次いで、ST55へ進む。ST55では、図17の「体積情報生成部(プログラム)332」が動作し、図17の「バルーン画像情報記憶部331」を参照し、バルーン画像情報から体積情報を生成し、体積情報を時刻情報と関連共に 図17の「体積情報記憶部333」に記憶する。
ここで、「基準注入量体積情報」は、基準となる注入量に対応する体積情報、すなわち、バルーン21の拡張が血管によって制限されることなく拡張すると仮定した場合の注入量と体積との関係の情報である。
この「基準注入量体積情報」が「基準体積情報」の一例である。
図23の矢印G1は、実際の注入量(容量)と、それに対応するバルーン21の体積(mL)を示すと共に、矢印S1は、上述の基準となる注入量と体積の関係を示す。
したがって、図1のバルーンカテーテル2内に造影剤を注入中の医師等の操作者は、図23の矢印G1のグラフを視認することで、バルーン21の体積の変化を、注入量との関係で明確に把握することができる。
また、矢印S1の基準と比較して。矢印G1を視認することで、バルーン21が血管内壁に当接したか否かのみならず血管内壁にクラックが生じたか否かを予想することもできる。
さらに、本実施の形態では、PC10が、精度よく血管内壁とバルーン21との関係を自動的に判断し、その判断結果をディスプレイ11に表示する。以下、詳細に説明する。
そして、この「現在体積増加率Δn」の値を図18の「現在体積増加率情報記憶部343」に記憶する。
ST61では、「血管壁当接状態」と判断し、「血管壁当接」をディスプレイ11に表示する。
例えば、図23の注入量0.011mLから0.047mLである「L3」の区間では、矢印G1のグラフの体積値が、矢印S1の体積値より「10%以上低く」なっている。
これは、体積が増加しない、すなわち、バルーン21が血管内壁に当接していることを示すものである。
そこで、本実施の形態では、かかる場合は、バルーン部21が血管内壁に当接した「血管壁当接状態」と判断し、「血管壁当接」をディスプレイ11に表示する構成となっている。
この場合は。僅かな変化でも医師等に報知可能であり、精度の高い判断が可能となる。
このクラック回数情報については後述するが、体積変化によって血管内壁にクラックが発生のおそれがあったと、過去に判断された回数である。
ST64では、「血管壁解離発生警報」をPC10のディスプレイ11に表示する。
すなわち、クラックが過去に2回発生した状態で、さらに、バルーン21が血管内壁に当接し、さらにバルーン12が拡張して、血管に圧力をかけると、クラックを超える「血管壁解離」が発生する可能性があるとして、「血管壁解離発生警報」がディスプレイ11に表示される。
したがって、バルーンカテーテル2を操作する医師等に未然に警報を与えることができ、重篤な自体の発生を未然に防止することができる。
この場合、より安全なバルーンカテーテル装置1となる。
一方、ST65で「造影剤注入停止情報」の入力がなかったときは、ST66へ進む。
そして、「0」よりも「大きい」と判断されるとST68へ進む。
これは、圧力が通常より大きいこと、すなわち、バルーン21が血管内壁に当接していることを示す。
これは、血管内壁にクラックが発生し、血管が広がったため、バルーン21の体積が増加したものと推定される。
このように、バルーン21が血管内壁に当たって体積が増加せず、その後、体積が増加したと判断されたときは、この体積の増加は、クラックによるものと判断することができる。
しかし、本発明は、これに限らず、単に、現在体積増加率が「0」より大きいときに「クラック」が生じたとしても構わない。
さらに、かかる情報をディスプレイ11に表示することで、操作者等に適切に報知することができる
このように、本実施の形態のバルーンカテーテル装置1は、バルーン21の拡張による血管等の変化状態のみならず、危険な状態となった場合も迅速に操作者等にその事実を報知することができ、極めて安全性の高いバルーンカテーテル装置300となっている。
この場合、より安全なバルーンカテーテル装置1となる。
図24は、「クラック発生のおそれの判断」に関する第1の変形例を示す造影剤の注入量(送り量)とバルーンの体積値との関係を示す概略図である。
本変形例では、上述の第2の実施の形態と異なり、「クラック発生のおそれ」の判断方法が相違するため、以下、その相違点を中心に説明する。
上述の第2の実施の形態では、図8のST66及びST67に示すように、先ず、直前である直近の注入量における体積の増加率を求める。
すなわち、直近の注入量における体積値と、その更に直近の注入量の体積値とを比較して「直近体積増加率Δn―1」情報を生成する。
そして、「直近体積増加率Δn―1」と「基準注入量体積情報の直近の増加率」を比較する。
具体的には、グラフG1の「直近体積増加率Δn―1」の値が、グラフS1の「基準注入量圧力情報の直近の増加率」より「小」であれば、バルーン21が「血管壁当接状態」と判断する。
そして、この「現在体積増加率Δn」が「0」より大きいか否かを判断し、大きいときは、「クラック発生のおそれありと判断する。
まず、例えば、図24の注入量毎(例えば、0.0011mL.0.0012mL等)の注入量の圧力である「体積実測値」と、対応する注入量における図24の「基準注入量体積情報」との差を求め、「体積基準乖離値」として記憶する。
すなわち、造影剤の送り量(注入量)毎(例えば、0.011mL、0.012mL等)の「体積基準乖離値」を求め、記憶する。
例えば、図24の矢印F1〜Fnで示すように、各送り量における「体積基準乖離値」を記憶する。
具体的には、直近の更に直近の「体積基準乖離値」と直近の「体積基準乖離値」から「体積基準乖離値の直近増加率」を求めることとなる。
例えば、図24の「F11」が現在の「圧力基準乖離値」で、直近の更に直近が「F9」で、直近が「F10」の場合、F9とF10の「体積基準乖離値」からF10の直近の「体積基準乖離値の直近増加率」を求める。
具体的には、図24のF10の「体積基準乖離値」とF11の「体積基準乖離値」からF11の「体積基準乖離値の現在増加率」を求める。
そして、「体積基準乖離値の現在増加率」が「0」より「大きい」ときは、「クラック発生のおそれあり」と判断する。
図25は「クラック発生のおそれの判断」に関する第2の変形例を示す造影剤の注入量(送り量)とバルーンの体積値との関係を示す概略図である。
本変形例では、上述の第2の実施の形態と異なり、「クラック発生のおそれ」の判断方法が相違するため、以下、その相違点を中心に説明する。
したがって、実際の注入量における「現在体積増加率Δn」が「0」より大きくない場合であっても、クラック発生のおそれの有無を精度良く判断することができる。
上述の第2の変形例では、図25の「体積の直近増加率Δn―1」(T5)と「体積の現在増加率Δn」(T6)とを比較し、その増加度を算出し、この増加度が所定の閾値以上であるときは、「クラックが発生するおそれがある」と判断する構成となっている。
上述の第2の変形例の場合、2つの増加率(傾き)における増加度を把握することはできるが、これらの2つの「体積の直近増加率Δn―1」(T5)と、「体積の現在増加率Δn」(T6)の間における変化の程度(変化が急であるか、若しくは緩やかであるか等)を把握することができない。
このため、本実施の形態では、2つの増加率(傾き)間の微小変化量を把握し、2つの増加率(傾き)間において、変化が急であったか、若しくは穏やかであったか等の微小変化量の増加度を把握できる構成となっている。
Claims (17)
- 生体内に配置されるカテーテルのバルーン部を拡張させるために注入される流体の量に関する注入情報を取得する注入情報取得部と、前記バルーン部の拡張状態を示すバルーン拡張情報を取得するバルーン拡張情報取得部と、前記注入情報と前記バルーン拡張情報に基づいて、前記バルーン部の拡張に伴う生体変化を判断する生体状態判断部と、を有することを特徴とするカテーテル情報管理装置
- 前記バルーン拡張情報が、前記バルーン部の圧力情報又は体積情報であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記注入情報と前記バルーン拡張情報によってバルーン拡張変化情報を算出する算出部を有し、前記生体状態判断部は、前記バルーン拡張変化情報に基づいて生体変化を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体状態判断部は、前記生体にクラックが発生したか否かを判断するクラック発生判断部を有し、前記クラック発生判断部は、前記バルーン拡張変化情報から生成されたバルーン拡張程度情報に基づき、クラック発生の有無を判断することを特徴とする請求項3に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記バルーン拡張程度情報が、前記バルーン拡張変化情報と前記バルーン部の基準情報との乖離情報、前記バルーン拡張変化情報の複数の地点の傾き間の変化情報、前記複数の地点の前記傾きの間の微小変化量情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項4に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体状態判断部は、前記生体にクラックが発生したか否かを判断するクラック発生判断部を有し、前記クラック発生判断部は、前記バルーン拡張変化情報から現在注入量における現在圧力増加率または現在体積増加率を取得し、前記現在圧力増加率が0以下または前記体積増加率が0以上である場合にクラック発生と判断することを特徴とする請求項3に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体状態判断部は、前記生体にクラックが発生したか否かを判断するクラック発生判断部を有し、前記クラック発生判断部は、前記バルーン拡張変化情報から直近注入量における直近圧力増加率を取得し、前記直近圧力増加率が0より大きく、前記現在圧力増加率が0以下である場合にクラック発生と判断することを特徴とする請求項6に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体状態判断部は、前記生体にクラックが発生したか否かを判断するクラック発生判断部を有し、前記クラック発生判断部は、前記バルーン拡張変化情報から直近注入量における直近体積増加率を取得し、前記直近体積増加率が0より小さく、前記現在体積増加率が0以上である場合にクラック発生と判断することを特徴とする請求項6に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体状態判断部は、前記バルーン部が生体に当接であるか否かを判断する生体当接判断部を有し、前記クラック発生判断部は、直近の注入量において生体当接判断部が当接であると判断している場合に限りクラック発生と判断することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体当接判断部は、前記現在圧力情報と前記バルーン部の現在の注入量における基準情報である基準圧力情報を比較することにより判断することを特徴とする請求項9に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体当接判断部は、前記現在体積情報と前記バルーン部の現在の注入量における基準情報である基準体積情報を比較することにより判断することを特徴とする請求項9に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体当接判断部は、前記現在圧力増加率と前記バルーン部の対応する注入量における基準情報である基準圧力情報の増加率を比較することにより判断することを特徴とする請求項9に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記生体当接判断部は、前記現在体積増加率と前記バルーン部の対応する注入量における基準情報である基準体積情報の増加率を比較することにより判断することを特徴とする請求項9に記載のカテーテル情報管理装置。
- 前記クラック発生判断部によって生成されるクラック発生回数情報に基づいて生体壁解離の蓋然性を判断する生体壁解離判断部を有し、前記生体壁解離判断部は、前記クラック発生回数情報の値が所定値以上の場合に生体壁解離の蓋然性を操作者に報知することを特徴とする請求項6乃至請求項13のいずれか1項に記載のカテーテル情報管理装置。
- 生体内に配置され拡張可能なバルーン部を有するカテーテルと、前記バルーン部を拡張させるための流体を注入する流体注入部と、前記カテーテル部に関する情報を管理する管理部を有し、前記管理部は、前記バルーン部を拡張させるために注入される流体の量に関する注入情報を取得する注入情報取得部と、前記バルーン部の拡張状態を示すバルーン拡張情報を取得するバルーン拡張情報取得部と、前記注入情報と前記バルーン拡張情報に基づいて、前記バルーン部の拡張に伴う生体変化を判断する生体状態判断部と、を有することを特徴とするカテーテル装置。
- カテーテルに関する情報を管理するカテーテル情報管理装置を、生体内に配置されるカテーテルのバルーン部を拡張させるために注入される流体の量に関する注入情報を取得する注入情報取得部、前記バルーン部の拡張状態を示すバルーン拡張情報を取得するバルーン拡張情報取得部、前記注入情報と前記バルーン拡張情報に基づいて、前記バルーン部の拡張に伴う生体変化を判断する生体状態判断部として、機能させるためのカテーテル情報管理装置の制御プログラム。
- 生体内に配置され拡張可能なカテーテルのバルーン部に拡張させるために、生体内に配置されるカテーテルのバルーン部を拡張させるために注入される流体の量に関する注入情報を注入情報取得部が取得し、前記バルーン部の拡張状態を示すバルーン拡張情報をバルーン拡張情報取得部が取得し、前記注入情報と前記バルーン拡張情報に基づいて、生体状態判断部が前記バルーン部の拡張に伴う生体変化を判断することを特徴とするカテーテル情報管理方法。
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