JP2018200068A - シール構造及びメカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】両シール面同士を非接触状態に保持する動圧を増大させることができるシール構造及びメカニカルシールを提供する。【解決手段】シール構造の静止密封環10は、そのシール面10aにおいて周方向に所定間隔をあけて複数形成され、シールガスが流入する動圧発生溝24を有する。シール構造の回転密封環3は、そのシール面において周方向に所定間隔をあけて複数形成され、シールガスが流入する第1溝部31を有する。複数の第1溝部31は、回転密封環3の回転中に、複数の動圧発生溝24のいずれかに連通する連通状態と、複数の動圧発生溝24のいずれとも連通しない非連通状態と、を交互に繰り返すように形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、シール構造及びメカニカルシールに関する。
従来より、回転機器の内部の被密封流体をシールするものとして、ケーシング側に固定された静止密封環と、回転軸側に一体回転可能に取り付けられた回転密封環とを備え、静止密封環及び回転密封環の互いに対向するシール面間にシールガスを供給することによって当該シール面同士を非接触状態に保持する非接触メカニカルシールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような非接触メカニカルシールでは、一方のシール面は平坦に形成され、他方のシール面にはシールガスが流入する動圧発生溝(「グルーブ」とも呼ばれる)が形成されている。そして、回転密封環の回転時に、動圧発生溝に発生するシールガスの動圧が、両シール面を互いに離間させようとする力(浮上力)として作用することで、両シール面同士は非接触状態に保持される。
特開平9−303571号公報
しかし、上記従来の非接触メカニカルシールでは、動圧発生溝へ供給されるシールガスの流量が不足したり、シール全体の大きさが制限されたりすることによって、両シール面を互いに離間させるために必要な動圧を得ることができない場合がある。このような状態でメカニカルシールが作動すると、両シール面が互いに接触して変形や損傷が生じ、シール性能が大幅に低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、両シール面同士を非接触状態に保持する動圧を増大させることができるシール構造及びメカニカルシールを提供することを目的とする。
(1)本発明のシール構造は、互いに相対回転可能であり且つ軸方向に対向して配置された一対の密封環を備え、前記一対の密封環の互いに対向するシール面同士の間にシールガスが供給されることで、これら両シール面を非接触状態に保持させつつ当該両シール面の間をシールするシール構造であって、一方の前記密封環は、そのシール面において周方向に所定間隔をあけて複数形成され、前記シールガスが流入する動圧発生溝を有し、他方の前記密封環は、そのシール面において周方向に所定間隔をあけて複数形成され、前記シールガスが流入する第1溝部を有し、前記複数の第1溝部は、前記一対の密封環の相対回転中に、前記複数の動圧発生溝のいずれかに連通する連通状態と、前記複数の動圧発生溝のいずれとも連通しない非連通状態と、を交互に繰り返すように形成されている。
このシール構造によれば、一対の密封環の相対回転中に、一方の密封環のシール面に形成された複数の動圧発生溝、及び他方の密封環のシール面に形成された複数の第1溝部が、互いに連通する連通状態と、互いに連通しない非連通状態とを交互に繰り返す。その際、非連通状態では、第1溝部内に滞留したシールガスが、前記相対回転に伴う慣性力によって高圧となり、この状態から連通状態となったときに、第1溝部内の高圧のシールガスが動圧発生溝内に流れ込む。これにより、動圧発生溝に発生する動圧を増大させることができる。その結果、両シール面の離間距離が増すので、両シール面の接触に起因するシール性能の低下を効果的に抑制することができる。
(2)前記シール構造において、前記他方の密封環は、そのシール面において、前記第1溝部に連通するとともに前記一対の密封環の相対回転中に前記複数の動圧発生溝のいずれとも連通しないように形成された、前記シールガスが流入する第2溝部をさらに有しているのが好ましい。
この場合、第1溝部と動圧発生溝とが連通した連通状態において、第1溝部内で高圧となったシールガスが動圧発生溝に流出することで、第1溝部内の圧力は一時的に低下するが、その圧力を均一化しようと第2溝部内のシールガスが第1溝部内に流入する。これにより、連通状態から再び非連通状態となったときに、第1溝部内のシールガスを確実に高圧にすることができる。
(3)前記シール構造において、前記第2溝部は、軸方向から見た正面視において、前記複数の第1溝部の全てに連通するように、円環形状に形成されているのが好ましい。
この場合、第2溝部を各第1溝部に対応して複数形成する場合に比べて、簡単に形成することができる。
(4)前記シール構造において、前記各第1溝部の外形は、軸方向から見た正面視において円弧形状に形成されているのが好ましい。
この場合、第1溝部を簡単に形成することができる。
(5)前記シール構造において、前記各第1溝部は、前記非連通状態の維持時間が前記連通状態の維持時間よりも短くなるように形成されているのが好ましい。
この場合、非連通状態において第1溝部内のシールガスが動圧発生溝に流入しない時間を短くすることができるので、シール性能が低下することを抑えることができる。
(6)本発明のメカニカルシールは、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のシール構造を備える。
このメカニカルシールによれば、一対の密封環の相対回転中に、一方の密封環のシール面に形成された複数の動圧発生溝、及び他方の密封環のシール面に形成された複数の第1溝部が、互いに連通する連通状態と、互いに連通しない非連通状態とを交互に繰り返す。その際、非連通状態では、第1溝部内に滞留したシールガスが前記相対回転に伴う慣性力によって高圧となり、この状態から連通状態となったときに、第1溝部内の高圧のシールガスが動圧発生溝内に流れ込む。これにより、動圧発生溝に発生する動圧を増大させることができる。その結果、両シール面の離間距離が増すので、両シール面の接触に起因するシール性能の低下を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、両シール面同士を非接触状態に保持する動圧を増大させることができる。
本発明の第1実施形態に係るシール構造を備えたメカニカルシールを示す断面図である。 静止密封環のシール面を軸方向から見た正面図である。 回転密封環のシール面を軸方向から見た正面図である。 図1の要部拡大断面図である。 回転密封環の回転中における、第1及び第2溝部と動圧発生溝との軸方向から見た位置関係を示しており、(a)は連通状態、(b)は非連通状態である。 本発明の第2実施形態に係るシール構造における静止密封環のシール面を軸方向から見た正面図である。 第2実施形態に係るシール構造における回転密封環のシール面を軸方向から見た正面図である。 第2実施形態の回転密封環の回転中における、第1及び第2溝部と動圧発生溝との軸方向から見た位置関係を示しており、(a)は連通状態、(b)は非連通状態である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシール構造を備えたメカニカルシールを示す断面図である。図1において、このメカニカルシールMは、タービン又は圧縮機等の高速回転機器に用いられ、この高速回転機器のケーシング1と、ケーシング1に挿入される回転軸2との間に配置されている。メカニカルシールMは、後述するシール面間を挟んで、径方向外側及び軸方向一方側の機内側(第1空間)Aと、径方向内側及び軸方向他端側の機外側(第2空間)Bとを仕切り、機内側Aを低圧、機外側Bを高圧にして、機内側Aに存在する被密封流体が機外側Bに漏れるのを防止する。
メカニカルシールMは、回転側ユニットとして、回転軸2に取り付けられた環状の回転密封環3と、回転軸2に外嵌して固定されているストッパーリング4と、このストッパーリング4に固定され、回転軸2に外嵌されたフランジ5a付きのスリーブ5とを備えている。
回転密封環3は、スリーブ5に外嵌されており、当該スリーブ5のフランジ5aとストッパーリング4とに挟まれて回転軸2に固定されている。これにより、回転密封環3は回転軸2と一体回転可能である。回転密封環3の機外側Bの端面は、シール面3aとされている。スリーブ5及びストッパーリング4は、ボルト6により固定されており、ストッパーリング4は、セットスクリュー7により回転軸2に固定されている。
回転密封環3とスリーブ5との間には、機内側Aと機外側Bとの間をシールするOリング8が介在している。また、回転軸2とスリーブ5との間には、機内側Aと機外側Bとの間をシールするOリング9が介在している。これらのOリング8,9により、回転密封環3と回転軸2と間で、機内側Aの被密封流体が機外側Bに漏れるのを防止している。
メカニカルシールMは、静止側ユニットとして、回転密封環3と軸方向に対向する環状の静止密封環10と、この静止密封環10をケーシング1に取り付けるための環状のシールケース11と、静止密封環10を回転密封環3に向かって押圧する弾性部材であるスプリング12とを備えている。
シールケース11は、第1ケース13と第2ケース14とで構成されている。両ケース13、14は、円環形状に形成されており、ボルト15によってケーシング1に固定されている。第2ケース14は、静止密封環10に対して軸方向に対向する壁部17と、この壁部17の径方向内側において軸方向(機内側Aの方向)に延びる円筒部18とを有している。円筒部18の内周面と、静止密封環10の外周面との間にはOリング19が介在している。第2ケース14には、シールガス(例えばエア)を供給するガス供給孔16が径方向に貫通して形成されている。
静止密封環10は、第1ケース13の径方向内側であって、第2ケース14と回転密封環3との間に挟まれて配置されている。第1ケース13の内周面と静止密封環10の外周面との間には、Oリング20が配設されている。
静止密封環10の機外側Bには、機外側Bから機内側Aに向かって軸方向に凹んでいる穴21が周方向に等間隔で複数形成されている。各穴21内には、前記スプリング12が配設されている。スプリング12の一端は穴21の底面に当接し、他端が第2ケース14の壁部17の機内側Aの壁面17aに当接している。スプリング12の弾性復元力により、静止密封環10は回転密封環3側へ押圧されている。
静止密封環10の内周面及び外周面は、前記Oリング19と前記Oリング20とによって径方向両側から支持されている。そして、静止密封環10は、前記スプリング12の弾性力に抗して軸方向に移動可能である。静止密封環10の機内側Aの端面は、回転密封環3のシール面3aに対向するシール面10aとされている。
静止密封環10の機内側Aの内周面および円筒部18の内周面と、ストッパーリング4の外周面との間には、前記ガス供給孔16を通じてシールガスが供給される環状の空間Sが形成されている。静止密封環10のシール面10aには、前記空間Sからシールガスが流入する動圧発生溝24が形成されている。この動圧発生溝24に流入したシールガスは、回転密封環3の回転時に発生する動圧によって、両シール面3a,10aを互いに離間させる力(浮上力)を生じさせる。
具体的には、前記動圧によって、静止密封環10のシール面10aをスプリング12の弾性力に抗して機外側Bへ押圧する力が生じる。これにより、動圧発生溝24に流入したシールガスは、両シール面3a、10a間の隙間を通じて、径方向外側へ流出する。そして、シールガスが供給されている間、径方向内側の空間Sから両シール面3a、10aを経由して、径方向外側へと流出する流れが常に生じている。
そして、前記隙間におけるシールガスのガス圧(動圧)と機内側Aの被密封流体による圧力との合力と、スプリング12の弾性力とが拮抗する位置まで静止密封環10が機外側Bへ移動した後に、当該位置で保持される。そして、前記隙間に充填されるシールガスによって、静止密封環10と回転密封環3とが非接触状態となり、この状態が保持されたまま、回転軸2及び回転密封環3が回転する。
したがって、回転軸2の回転時に両シール面3a,10a間にシールガスを供給することによって、両シール面3a,10a間をシールすることができる。本実施形態では、回転密封環3及び静止密封環10が、これら一対の密封環の互いに対向するシール面3a,10a同士を非接触状態に保持させつつ、両シール面3a,10aの間をシールするシール構造25を構成している。
図2は、静止密封環10のシール面10aを軸方向から見た正面図である。図2において、静止密封環10のシール面10aには、前記動圧発生溝24(図中のハッチングで示す部分)が周方向に等間隔をあけて複数(図例では8個)形成されている。各動圧発生溝24は、前記空間Sからシールガスが流入するように、静止密封環10の内周端で開口している。そして、各動圧発生溝24は、静止密封環10の内周端から、径方向外側であって、且つ回転密封環3の回転方向R側に向かって螺旋状に延びて形成されている。
図3は、回転密封環3のシール面3aを軸方向から見た正面図である。図3において、回転密封環3のシール面3aには、複数の第1溝部31(図中のクロスハッチングで示す部分)と、1個の第2溝部32(図中のハッチングで示す部分)とが形成されている。第2溝部32は、シール面3aの径方向内側部分において、例えば、回転密封環3と同心の円環形状に形成されている。
複数の第1溝部31は、第2溝部32の径方向外側において周方向に等間隔をあけて形成されており、これらの第1溝部31それぞれは、第2溝部32に連通している。各第1溝部31の外形は、第2溝部32の外周から径方向外側に突出するように円弧形状に形成されている。本実施形態の第1溝部31の個数は、動圧発生溝24の個数と同数(8個)である。
図4は、図1の要部拡大断面図である。図4において、回転密封環3の第1溝部31及び第2溝部32の各軸方向(図中の左右方向)の深さは、同じ深さHに設定されている。そして、前記深さHは、静止密封環10の動圧発生溝24の軸方向の深さhよりも深く設定されている。
図4に示すように、回転密封環3の第2溝部32は、その全周が上記空間Sに対応する位置に形成されており、当該空間Sに連通している。一方、回転密封環3の第1溝部31は、上記空間Sよりも径方向外側において、静止密封環10の動圧発生溝24に対応する位置に形成されており、当該動圧発生溝24に連通している。これにより、空間S内のシールガスは、図4中の破線矢印で示すように、第2溝部32から各第1溝部31を通過して動圧発生溝24に流入するようになっている。
図5(a)及び図5(b)は、回転密封環3の回転中における、第1及び第2溝部31,32と動圧発生溝24との軸方向から見た位置関係を示す説明図である。なお、図5(a)及び(b)では、第1溝部31をクロスハッチング(図5(b)では黒塗り部分も含む)、第2溝部32をハッチング、動圧発生溝24をハッチング無し、でそれぞれ示している。また、図5(a)及び(b)では、説明の便宜上、回転密封環3の第1及び第2溝部31,32以外の部分、及び静止密封環10のシール面10aよりも径方向外側の部分は図示を省略している。
図5(a)及び(b)に示すように、第2溝部32は、複数の動圧発生溝24よりも径方向内側に形成されている。つまり、第2溝部32は、回転密封環3と共に回転方向Rに回転しているとき、複数の動圧発生溝24のいずれとも連通しないように形成されている。
複数の第1溝部31は、回転密封環3と共に回転方向Rに回転しているとき、複数の動圧発生溝24のいずれかに連通する連通状態(図5(a)の状態)と、複数の動圧発生溝24のいずれとも連通しない非連通状態(図5(b)の状態)とを交互に繰り返すように形成されている。
ここで、「連通状態」とは、図5(a)に示すように、第1溝部31の全体が動圧発生溝24に連通している(軸方向において重なり合っている )状態だけでなく、第1溝部31の一部が動圧発生溝24の一部と連通している状態も含む。
また、「非連通状態」とは、連通状態以外の場合をいい、図5(b)に示すように、第1溝部31の全体が隣り合う動圧発生溝24同士の間に位置している状態のみを含む。
本実施形態では、各第1溝部31の外形を可及的に大きくするために、図5(b)に示すように、非連通状態において、各第1溝部31と、その周方向両側にそれぞれ隣接する動圧発生溝24との間には僅かな隙間しか形成されていない。このため、図5(b)に示す非連通状態から、回転密封環3が僅かに回転すると、各第1溝部31の一部が隣接する動圧発生溝24の一部と連通することで、すぐに連通状態に切り替わる。
そして、回転密封環3がさらに回転して、各第1溝部31が、図5(a)に示す状態を経て、次の非連通状態(図5(b)に示す状態)となるまでの間、連通状態が維持される。したがって、本実施形態では、回転密封環3の回転中において、連通状態の維持時間は、非連通状態の維持時間よりも大幅に長くなっている。これにより、連通状態の間に、第1溝部31内の高圧のシールガスを動圧発生溝24に確実に流入させることができる。
以上の構成により、回転密封環3の回転中に、複数の第1溝部31が回転密封環3と共に回転することで、これら複数の第1溝部31、及び静止密封環10の複数の動圧発生溝24とが、互いに連通する連通状態と、互いに連通しない非連通状態とを交互に繰り返す。その際、非連通状態では、シールガスが第1溝部31内において動圧発生溝24へ流れずに滞留するため、第1溝部31内のシールガスは、回転密封環3の高速回転に伴う慣性力によって、図5(b)の黒塗り部分の領域で高圧となる。なお、この時点における、機内側Aの圧力、機外側B及び第1溝部31の圧力、第2溝部32の前記黒塗り部分(高圧領域)の圧力は、この順に高く(機内側Aの圧力<機外側B及び第1溝部31の圧力<第2溝部32の黒塗り部分の圧力)なっている。
その後、第1溝部31の前記黒塗り部分の領域で高圧となったシールガスは、非連通状態(図5(b)参照)から連通状態(図5(a)参照)となったときに、動圧発生溝24内に流れ込む。これにより、動圧発生溝24に発生する動圧を増大させることができる。その結果、両シール面3a,10aの離間距離が増すので、両シール面3a,10aの接触に起因するシール性能の低下を効果的に抑制することができる。
また、非連通状態から連通状態となったとき、第1溝部31内で高圧となったシールガスが動圧発生溝24に流出することで、第1溝部31内の圧力は一時的に低下するが、その圧力を均一化しようと第2溝部32内のシールガスが第1溝部31内に流入する。これにより、第1溝部31内にシールガスを迅速に充填することができるので、連通状態から再び非連通状態となったときに、第1溝部31内のシールガスを迅速に高圧にすることができる。
また、第2溝部32は、軸方向から見た正面視において、複数の第1溝部31の全てに連通するように円環形状に形成されているので、第2溝部32を各第1溝部31に対応して複数形成する場合に比べて、簡単に形成することができる。
また、各第1溝部31の外形は、軸方向から見た正面視において円弧形状に形成されているので、第1溝部31を簡単に形成することができる。
また、動圧発生溝24の個数と同数の第1溝部31が周方向に等間隔に形成されているため、各第1溝部31の前記黒塗り部分の領域で高圧となったシールガスを、全ての動圧発生溝24に均等に流入させることができる。その結果、両シール面3a,10aの離間距離を周方向全体で均一に増すことができる。
なお、本実施形態では、第1溝部31の外形を、可及的に大きく形成しているが、本実施形態よりも小さく形成してもよい。この場合、第1溝部31の全体が隣り合う動圧発生溝24同士の間に位置している時間、つまり非連通状態の維持時間が本実施形態に比べて長くなるので、その分だけ第1溝部31内のシールガスをより高圧にすることができる。これにより、動圧発生溝24に発生する動圧がさらに増大するので、両シール面3a,10aの離間距離をさらに増すことができる。
[第2実施形態]
図6及び図7は、いずれも本発明の第2実施形態に係るシール構造25を示しており、特に図6は、静止密封環10のシール面10aを軸方向から見た正面図であり、図7は、回転密封環3のシール面3aを軸方向から見た正面図である。
第2実施形態のシール構造25は、静止密封環10及び回転密封環3の径方向外側を高圧の機外側Bとし、静止密封環10及び回転密封環3の径方向内側を、被密封流体が存在する低圧の機内側Aとしている点で、第1実施形態と異なる。したがって、第2実施形態では、図示を省略するが、静止密封環10及び回転密封環3の径方向外側に、外部からシールガスが流入する空間(第1実施形態の空間Sに相当)が形成されている。
図6において、静止密封環10のシール面10aには、複数(図例では8個)の動圧発生溝24’(図中のハッチングで示す部分)が、静止密封環10の径方向外側からシールガスが流入するように、静止密封環10の外周端で開口している。そして、各動圧発生溝24’は、静止密封環10の外周端から、径方向内側であって且つ回転密封環3の回転方向R側に向かって螺旋状に延びて形成されている。
図7において、回転密封環3のシール面3aには、円環形状に形成された第2溝部32’(図中のハッチングで示す部分)の径方向内側において、複数の第1溝部31’(図中のクロスハッチングで示す部分)が周方向に等間隔をあけて形成されている。複数の第1溝部31’それぞれは、第2溝部32’に連通している。各第1溝部31’の外形は、第2溝部32’の内周から径方向内側に突出するように円弧形状に形成されている。
図8(a)及び図8(b)は、回転密封環3の回転中における、第1及び第2溝部31’,32’と動圧発生溝24’との軸方向から見た位置関係を示す説明図である。なお、図8(a)及び(b)では、第1溝部31’をクロスハッチング(図8(b)では黒塗り部分も含む)、第2溝部32’をハッチング、動圧発生溝24’をハッチング無し、でそれぞれ示している。また、図8(a)及び(b)では、説明の便宜上、回転密封環3の第1及び第2溝部31’,32’以外の部分は図示を省略している。
図8(a)及び(b)に示すように、第2溝部32’は、複数の動圧発生溝24’よりも径方向外側に形成されている。つまり、第2溝部32’は、回転密封環3と共に回転方向Rに回転しているとき、複数の動圧発生溝24’のいずれとも連通しないように形成されている。
複数の第1溝部31’は、回転密封環3と共に回転方向Rに回転しているとき、複数の動圧発生溝24’のいずれかに連通する連通状態(図8(a)の状態)と、複数の動圧発生溝24’のいずれとも連通しない非連通状態(図8(b)の状態)とを交互に繰り返すように形成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上の構成により、回転密封環3の回転中に、複数の第1溝部31’が回転密封環3と共に回転することで、これら複数の第1溝部31’、及び静止密封環10の複数の動圧発生溝24’とが、互いに連通する連通状態と、互いに連通しない非連通状態とを交互に繰り返す。その際、非連通状態では、シールガスが第1溝部31’内において動圧発生溝24’へ流れずに滞留するため、第1溝部31’内のシールガスは、回転密封環3の高速回転に伴う慣性力によって、図8(b)の黒塗り部分の領域で高圧となる。なお、この時点における、機内側Aの圧力、機外側B及び第1溝部31’の圧力、第2溝部32’の前記黒塗り部分の圧力は、この順に高くなっている。
その後、第1溝部31’の前記黒塗り部分の領域で高圧となったシールガスは、非連通状態(図8(b)参照)から連通状態(図8(a)参照)となったときに、動圧発生溝24’内に流れ込む。これにより、動圧発生溝24’に発生する動圧を増大させることができる。その結果、両シール面3a,10aの離間距離が増すので、両シール面3a,10aの接触に起因するシール性能の低下を効果的に抑制することができる。
また、非連通状態から連通状態となったとき、第1溝部31’内で高圧となったシールガスが動圧発生溝24’に流出することで、第1溝部31’内の圧力は一時的に低下するが、その圧力を均一化しようと第2溝部32’内のシールガスが第1溝部31’内に流入する。これにより、第1溝部31’内にシールガスを迅速に充填することができるので、連通状態から再び非連通状態となったときに、第1溝部31’内のシールガスを迅速に高圧にすることができる。
[その他]
上記各実施形態における回転密封環3には、第1溝部31(31’)と第2溝部32(32’)とが形成されているが、少なくとも第1溝部31(31’)が形成されていればよい。この場合、外部からメカニカルシールM内に供給されたシールガスを第1溝部31に直接流入させればよい。また、上記実施形態のシール構造25は、メカニカルシールMに用いる場合について説明したが、他のシール装置にも適用することができる。
上記各実施形態におけるシール構造25では、静止密封環10側に動圧発生溝24(24’)が形成され、回転密封環3側に第1及び第2溝部31,32(31’,32’)が形成されているが、静止密封環10側に第1及び第2溝部31,32(31’,32’)が形成され、回転密封環3側に動圧発生溝24(24’)が形成されていてもよい。
上記各実施形態における第1溝部31(31’)の個数は、動圧発生溝24(24’)の個数と同数であるが、動圧発生溝24(24’)の個数よりも少なくしてもよい。また、第1溝部31(31’)の外形は、円弧形状に限定されるものではなく、回転密封環3の回転に伴う慣性力により高圧となる領域が存在していれば、多角形状等の他の形状に形成されていてもよい。
上記各実施形態における第2溝部32(32’)は、円環形状に形成されているが、多角環形状等の他の環形状に形成されていてもよい。また、上記実施形態では、1つの第2溝部32(32’)が複数の第1溝部31(31’)の全てに連通するように形成されているが、各第1溝部31(31’)に個別に連通する複数の第2溝部32(32’)が形成されていてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
3 回転密封環(密封環)
3a シール面
10 静止密封環(密封環)
10a シール面
24,24’ 動圧発生溝
25 シール構造
31,31’ 第1溝部
32,32’ 第2溝部
M メカニカルシール

Claims (5)

  1. 互いに相対回転可能であり且つ軸方向に対向して配置された一対の密封環を備え、前記一対の密封環の互いに対向するシール面同士の間にシールガスが供給されることで、これら両シール面を非接触状態に保持させつつ当該両シール面の間をシールするシール構造であって、
    一方の前記密封環は、そのシール面において周方向に所定間隔をあけて複数形成され、前記シールガスが流入する動圧発生溝を有し、
    他方の前記密封環は、そのシール面において周方向に所定間隔をあけて複数形成され、前記シールガスが流入する第1溝部を有し、
    前記複数の第1溝部は、前記一対の密封環の相対回転中に、前記複数の動圧発生溝のいずれかに連通する連通状態と、前記複数の動圧発生溝のいずれとも連通しない非連通状態と、を交互に繰り返すように形成されている、シール構造。
  2. 前記他方の密封環は、そのシール面において、前記第1溝部に連通するとともに前記一対の密封環の相対回転中に前記複数の動圧発生溝のいずれとも連通しないように形成された、前記シールガスが流入する第2溝部をさらに有している、請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記第2溝部は、軸方向から見た正面視において、前記複数の第1溝部の全てに連通するように、円環形状に形成されている、請求項2に記載のシール構造。
  4. 前記各第1溝部の外形は、軸方向から見た正面視において円弧形状に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール構造。
  5. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシール構造を備えるメカニカルシール。
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