JP2018198213A - 燃料電池車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セルの劣化を抑制することが可能な燃料電池車両を提供する。【解決手段】第1電流電圧特性において要求電力に対応する電力を発生させる場合の、燃料電池30の出力電流及び出力電圧からなる第3運転ポイントを算出する。第3運転ポイントにおける出力電圧が上限出力電圧よりも大きい場合は、第1電流電圧特性よりも燃料電池30の出力電圧が小さく、且つ、単セル301の出力電圧が下限出力電圧となる第2電流電圧特性で燃料電池30を運転させるように燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方の流量を漸次減少させる。電力消費制御部105は、燃料電池30が第2電流電圧特性で運転している場合は、燃料電池30が発生させた余剰電力を、駆動力発生部62で発生させる駆動力に影響を与えることなく機器において消費させる。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の単セルによって構成された燃料電池を有する燃料電池車両に関する。
環境意識の高まりなどから、ガソリン等の化石燃料を用いて駆動力を発生させる自動車から、電力を用いて駆動力を発生させる電気自動車への代替が進んでいる。このような電気自動車の一形態として、燃料電池を搭載した燃料電池車両の検討も進められている。
燃料電池車両は、燃料電池のほかにも、燃料電池のアノードに燃料ガスを供給する燃料ガス供給部や、カソードに酸化ガスを供給する酸化ガス供給部を備えている。燃料電池は、これらから供給される燃料ガスと酸化ガスとを用いて電気化学反応を生じさせることで電力を発生させる。燃料電池が発生させた電力は、インバータ等を介して走行用のモータに供給され、当該モータにおいて駆動力の発生に消費される。
ここで、燃料電池の電位が過度に高まると、燃料電池の性能低下を招いてしまうおそれがある。詳述すると、燃料電池のアノード及びカソードには白金等の触媒金属の粒子が分散して担持されているが、燃料電池が高電位となるとこの触媒金属が溶出し、粒子同士が結合して粒径が大きくなる現象が生じる。当該結合によって触媒金属の粒径が大きくなると、燃料ガスや酸化ガスと接触する表面積が減少するため、前述した電気化学反応を適切に生じさせることができなくなってしまう。
これに対し、下記特許文献1には、燃料電池の電位が過度に高まるおそれがある場合に、燃料ガスや酸化ガスの供給量を変更する燃料電池車両が記載されている。具体的には、当該燃料電池車両は、燃料電池に供給する燃料ガスや酸化ガスの流量を減少させることで、燃料電池の出力電圧を低下させるものである。これにより、当該燃料電池車両では、燃料電池の電位が過度に高まることを防止し、性能低下の抑制を図ることが可能とされている。
特開2012−94257号公報
ところで、燃料電池では、アノード及びカソードと、それらの間に配置される高分子膜や電解質等と、からなる単セルを複数使用して構成されることが一般的である。各単セルが電気的に直列に接続されることで、燃料電池全体で大きな電力を発生させることが可能となる。燃料ガス供給部及び酸化ガス供給部は、燃料ガス及び酸化ガスを各単セルに分配して供給することによって、各単セルにおいて電気化学反応を生じさせる。
このように複数の単セルによって構成されている燃料電池では、各単セルに供給される燃料ガス及び酸化ガスの流量にばらつきが生じ得る。このため、上記特許文献1に記載された燃料電池車両のように、燃料電池の電位の過度の高まりを防止するために燃料ガスや酸化ガスの供給量の調整を大きく変更すると、それに伴って一部の単セルにおいて燃料ガスや酸化ガスが欠乏し、高分子膜等が著しく劣化してしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の単セルによって構成された燃料電池を有する燃料電池車両であって、燃料電池の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セルの劣化を抑制することが可能な燃料電池車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池車両は、複数の単セル(301)によって構成された燃料電池(30)を有する燃料電池車両(10)であって、前記複数の単セルのアノード(AN)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部(34)と、前記複数の単セルのカソード(CS)に酸化ガスを供給する酸化ガス供給部(33)と、前記燃料電池が発生させた電力を用いて走行用の駆動力を発生させる駆動力発生部(62)と、前記燃料電池に対する要求電力を取得する要求電力取得部(104)と、第1電流電圧特性において、前記要求電力に対応する電力を発生させる場合の、前記燃料電池の出力電流及び出力電圧からなる第3運転ポイントを算出する第3運転ポイント算出部(106)と、前記燃料電池車両に搭載された複数の機器における電力消費を制御する電力消費制御部(105)と、を備え、前記第3運転ポイントにおける出力電圧が上限出力電圧よりも大きい場合は、前記燃料ガス供給部及び酸化ガス供給部の少なくとも一方は、前記第1電流電圧特性よりも前記燃料電池の出力電圧が小さく、且つ、前記単セルの出力電圧が予め定められた下限出力電圧となる第2電流電圧特性で前記燃料電池を運転させるように燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方の流量を漸次減少させ、前記電力消費制御部は、前記燃料電池が前記第2電流電圧特性で運転している場合は、前記燃料電池が発生させた余剰電力を、前記駆動力発生部で発生させる駆動力に影響を与えることなく前記機器において消費させる。
本発明では、第3運転ポイントにおける出力電圧が上限出力電圧よりも大きい場合は、第2電流電圧特性で燃料電池を運転させるように燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方の流量を漸次減少させる。第2電流電圧特性は、第1電流電圧特性よりも燃料電池の出力電圧が小さく、且つ、単セルの出力電圧が予め定められた下限出力電圧となる特性である。そして、燃料電池がこの第2電流電圧特性で運転している場合は、燃料電池が発生させた余剰電力を、駆動力に影響を与えることなく、燃料電池車両に搭載された機器において消費させる。すなわち、本発明よれば、燃料電池の電位が過度に高まるおそれがある場合は、単セルの出力電圧が下限出力電圧となるまでの範囲で酸化ガスや燃料ガスの流量を漸次減少させる。したがって、単セルにおいて燃料ガスや酸化ガスの欠乏が生じることがなく、この結果、燃料電池の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セルの劣化を抑制することが可能となる。
本発明によれば、複数の単セルによって構成された燃料電池を有する燃料電池車両であって、燃料電池の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セルの劣化を抑制することが可能な燃料電池車両を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両を示すブロック図である。 図1の燃料電池を示す模式図である。 図1の燃料電池の運転ポイントの決定を説明する説明図である。 電流ベクトルについて説明する説明図である。 トルクと電流ベクトルとの関係を示す説明図である。 図1の制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 図1の制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池の運転ポイントの決定を説明する説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両10の概略構成について説明する。図1は、燃料電池車両10が有する各機能をブロックとして図示している。
図1に示されるように、燃料電池車両10は、電力を消費する機器(負荷)として、走行用モータ62と、エアポンプ33と、水素ポンプ34と、高圧補機40と、低圧補機46と、を搭載している。
燃料電池車両10は、これらの機器に電力を供給する電源として、燃料電池30及び二次電池21を搭載している。燃料電池30は、配線50に接続されている。二次電池21は、コンバータ22を介して配線50に接続されており、コンバータ22と燃料電池30とは、互いに並列に接続されている。
二次電池21は、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池等、充電及び放電が可能な種々の二次電池によって構成することができる。燃料電池車両10の減速時には、走行用モータ62を発電機として用いて、駆動軸65及び出力軸63を介して入力される運動エネルギを電気エネルギに変換し、得られた電気エネルギで二次電池21を充電することができる。
コンバータ22は、二次電池21からの出力電圧を調節して配線50に電力を供給する。コンバータ22は、二次電池21と配線50との電気的な接続を制御するスイッチとしての役割も果たしている。コンバータ22は、二次電池21において充電及び放電を行う必要がない場合は、二次電池21と配線50とを電気的に切断する。
走行用モータ62は、電力の供給を受けて動作し、トルク(駆動力)を発生させる電動機である。走行用モータ62は三相同期モータであって、回転磁界を形成するための三相コイル(不図示)を備えている。走行用モータ62が発生させるトルクの調整は、電流ベクトルを制御する電流ベクトル制御モードと、矩形波を制御する矩形波制御モードと、を適宜切り替えることによって行う。走行用モータ62が発生させたトルクは、走行用モータ62の出力軸63及び減速ギヤ64を介して駆動軸65に伝達されることで、燃料電池車両10を走行させる。
走行用モータ62は、駆動インバータ61を介して二次電池21や燃料電池30から電力の供給を受ける。駆動インバータ61は、走行用モータ62の各相に対応してスイッチング素子としてのトランジスタ(不図示)を備えるトランジスタインバータである。
エアポンプ33と、水素ポンプ34は、それぞれ三相同期モータ(不図示)を有しており、当該モータが制御装置100から制御信号を受信することで動作する。エアポンプ33は、外部から空気を取り入れて燃料電池30に供給する。また、水素ポンプ34は、水素タンク35に貯留されている水素ガスを燃料電池30に供給する。
高圧補機40は、二次電池21や燃料電池30から供給される電力を、300V程度の電圧のまま利用する装置である。高圧補機40に含まれる補機としては、燃料電池30を冷却するために燃料電池30の内部に冷媒を循環させるための冷媒ポンプ(不図示)やラジエータファン(不図示)が挙げられる。また、燃料電池30の運転に関与しない高圧補機40としては、例えば燃料電池車両10の車室内の温度調整を行う空調装置(不図示)等が挙げられる。
低圧補機46は、走行用モータ62や高圧補機40とは異なり駆動電圧が低い負荷である。低圧補機46には、配線50に接続された降圧コンバータ44によって電圧を12V程度まで下げられた電力が供給される。低圧補機46に含まれる補機としては、燃料電池30に燃料ガス、酸化ガス、冷却水等を供給したり排出したりする流路に設けられた各種バルブが挙げられる。また、燃料電池30の運転に関与しない低圧補機46としては、例えば、ハザードランプや方向指示器が挙げられる。
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制御信号を出力する機能を果たすため、制御装置100には機能的な制御ブロックが構成される。
図1は、制御装置100を、機能的な制御ブロック図として示している。尚、制御装置100を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも図1に示す制御ブロックに分割されている必要はなく、複数の制御ブロックの働きをするものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理を実行できるように構成されていれば、制御装置100の内部の実際の構成は当業者が適宜変更できるものである。
制御装置100は、二次電池21や燃料電池30等の各車両搭載機器と電気的に接続された電子機器である。制御装置100は、二次電池21の充放電及び燃料電池30の発電だけでなく、各車両搭載機器に制御信号を送信して制御を行なう。制御装置100は、第1運転ポイント算出部101と、第2運転ポイント算出部102と、運転ポイント選択部103と、要求電力取得部104と、電力消費制御部105と、を有している。
第1運転ポイント算出部101は、所定電流電圧特性において、燃料電池30への要求電力に対応する電力を発生させるための燃料電池30の出力電流及び出力電圧からなる第1運転ポイントを算出する部分である。すなわち、燃料電池30の出力電流及び出力電圧を変更すると、それに伴って燃料電池30の出力電力が変化するところ、第1運転ポイント算出部101は、燃料電池30の出力電力が要求電力と一致するような第1運転ポイント(出力電圧、出力電流)を算出する。
第2運転ポイント算出部102は、所定電流電圧特性において、要求電力以上の電力を発生させるとともに燃料電池30の電位が過度に高まることを防止するための燃料電池30の上限出力電圧及び出力電流からなる第2運転ポイントを算出する部分である。ここでの所定電流電圧特性とは、第1運転ポイント算出部101が第1運転ポイントを算出する際の電流電圧特性と同一のものである。
運転ポイント選択部103は、所定電流電圧特性において、燃料電池30を運転させる出力電圧及び出力電流からなる運転ポイントを選択する部分である。ここでの所定電流電圧特性とは、第1運転ポイント算出部101が第1運転ポイントを算出する際の電流電圧特性と同一のものである。
要求電力取得部104は、燃料電池30への要求電力を取得する部分である。具体的には、要求電力取得部104は、燃料電池車両10の走行状態や、空調装置等の車両搭載機器の動作状態に基づいて所定の演算を行い、燃料電池30に要求する電力を算出する。前述した第1運転ポイント算出部101や第2運転ポイント算出部102は、この要求電力取得部104によって取得された要求電力に基づいて第1運転ポイントや第2運転ポイントの算出を行う。
電力消費制御部105は、各車両搭載機器における電力の消費を制御する部分である。電力消費制御部105は、燃料電池車両10の走行や車室内の空調に必要となる電力を各車両搭載機器に消費させるだけでなく、後述するように、燃料電池30が発電した余剰電力を消費させる。
続いて、図2を参照しながら、燃料電池30の構成について詳述する。燃料電池30は、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell、PEFC)と称される発電装置である。燃料電池30は、複数の単セル301によって構成されている。燃料電池30は、複数の単セル301を積層するとともに、直列接続することで構成されている。このように構成された燃料電池30は「セルスタック」とも称される。
各単セル301は、アノードANと、カソードCSと、膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下「MEA」と称する)と、を有している。図2では、燃料電池30の端部の単セル301のみアノードAN、カソードCS及びMEAを図示し、他の単セル301についてはこれらの図示を省略している。
各単セル301のアノードANとカソードCSとは、MEAを挟んで互いに対向するように配置されている。MEAを構成する電解質膜は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成された水素イオン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。アノードAN及びカソードCSは、この電解質膜上に形成された層であり、電気化学反応を進行する触媒金属(例えば白金)を担持するカーボン粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質と、を備えている。
燃料電池30の端部の単セル301には、酸化ガス導入口311が形成されている。燃料電池30の内部には、酸化ガス導入口311から単セル301の積層方向に沿って延びるようにして、酸化ガス分配流路312が形成されている。さらに、燃料電池30の端部の単セル301には、燃料ガス導入口321が形成されている。燃料電池30の内部には、燃料ガス導入口321から単セル301の積層方向に沿って延びるようにして、燃料ガス分配流路322が形成されている。
また、燃料電池30の端部の単セル301には、酸化ガス排出口314が形成されている。燃料電池30の内部には、単セル301の積層方向に沿って酸化ガス排出口314に向かって延びるようにして、酸化ガス回収流路313が形成されている。さらに、燃料電池30の端部の単セル301には、燃料ガス排出口324が形成されている。燃料電池30の内部には、単セル301の積層方向に沿って燃料ガス排出口324に向かって延びるようにして、燃料ガス回収流路323が形成されている。
以上のように構成された燃料電池30は、エアポンプ33から酸化ガスの供給を受け、水素ポンプ34から燃料ガスの供給を受ける。詳細には、エアポンプ33によって供給される空気中の酸素が酸化ガスとして機能し、水素ポンプ34によって供給される水素ガスが燃料ガスとして機能する。供給された酸化ガス、燃料ガスは、それぞれ酸化ガス導入口311、燃料ガス導入口321から燃料電池30の内部に導入される。
酸化ガス導入口311から燃料電池30の内部に導入された酸化ガスは、酸化ガス分配流路312を流れ、各単セル301のカソードCSに分配して供給される。また、燃料ガス導入口321から燃料電池30の内部に導入された燃料ガスは、燃料ガス分配流路322を流れ、各単セル301のアノードANに分配して供給される。
各単セル301の内部では、酸化ガス及び燃料ガスがMEAを挟んで流れることで、電気化学反応が生じる。アノードANにおいては、水素ガスが水素イオンと電子とに分解され、水素イオンはMEAを通過してカソードCSに移動するとともに、電子は導線を介してカソードCSに移動する。一方、カソードCSにおいては、MEAから移動してきた水素イオンと、導線を介して移動してきた電子が空気中の酸素と反応し、水が生成される。
各単セル301の内部を流れた酸化ガス、燃料ガスは、それぞれ酸化ガス回収流路313、燃料ガス回収流路323に流入する。各単セル301の内部を流れた酸化ガスは、酸化ガス回収流路313において合流し、酸化ガス排出口314から燃料電池30の外部に排出される。また、各単セル301の内部を流れた燃料ガスは、燃料ガス回収流路323において合流し、燃料ガス排出口324から燃料電池30の外部に排出される。
燃料電池30では、以上のような電気化学反応に伴って電子を移動させる発電が行われる。燃料電池30が出力できる電力は、エアポンプ33や水素ポンプ34によって供給される酸化ガスや燃料ガスの流量に基づいて決まる。
続いて、図3を参照しながら、燃料電池30を運転させる出力電流及び出力電圧からなる運転ポイントの選択について説明する。図3は、出力電流、出力電圧及び出力電力の関係からなる燃料電池30の特性を示すデータであり、当該データは、制御装置100が有するメモリ(不図示)に格納されている。制御装置100は、当該メモリに格納されているデータを適宜参照することによって運転ポイントの選択を行う。尚、以下では簡便のため、詳細には制御装置100の第1運転ポイント算出部101等の各部分によって行われる処理も、総括して制御装置100が行うとして説明する。
図3に示されるように、燃料電池30の電流電圧特性は、出力電流の増加に伴って出力電圧が減少するような曲線となる。一方、当該電流電圧特性に対応する燃料電池30の出力電力は、出力電流の増加に伴って増加するような曲線となる。
まず、燃料電池30への要求電力がPR1である場合の、制御装置100による第1運転ポイントOP11の算出について説明する。この場合、燃料電池30の出力電流は、出力電流の曲線と要求電力PR1の直線との交点C11に対応するI11となる。また、この場合の燃料電池30の出力電圧は、電流電圧特性の曲線と出力電流I11の直線との交点に対応するV11となる。すなわち、制御装置100は、出力電流I11及び出力電圧V11を、要求電力PR1に対応する電力を発生させるための燃料電池30の第1運転ポイントOP11として算出する。
次に、制御装置100における第2運転ポイントOP2の算出について説明する。この第2運転ポイントOP2は、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止するための燃料電池30の出力電流及び出力電圧からなるものである。ここでの出力電圧は、上限出力電圧VFCに設定される。すなわち、上限出力電圧VFCは、燃料電池30の出力電圧がその値を上回ることで、単セル301の性能低下が懸念される閾値である。
したがって、第2運転ポイントOP2は、電流電圧特性の曲線と上限出力電圧VFCの直線との交点となる。すなわち、出力電流IFC及び出力電圧VFCを、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止するための燃料電池30の第2運転ポイントOP2として算出する。
ここで、第1運転ポイントOP11の出力電圧V11は、上限出力電圧VFCよりも大きい。したがって、要求電力PR1に対応する電力を発生させるために、燃料電池30を第1運転ポイントOP11(出力電流I11、出力電圧V11)で運転させると、燃料電池30の電位が過度に高まり、単セル301の性能低下が懸念される。したがって、この場合、制御装置100は、第1運転ポイントOP11ではなく、第2運転ポイントOP2(出力電流IFC、出力電圧VFC)を、燃料電池30を運転させる運転ポイントとして選択する。
燃料電池30を第2運転ポイントOP2(出力電流IFC、出力電圧VFC)で運転させることで、燃料電池30は要求電力PR1よりも大きな電力を出力することとなる。つまり、燃料電池30を第2運転ポイントOP2で運転させると、その出力電力は、出力電流の曲線と出力電流IFCの直線との交点C2に対応するPFCとなる。すなわち、燃料電池30は、要求電力PR1よりもΔP1だけ大きいPFCの電力を出力することとなる。したがって、その差分(PFC−PR1)であるΔP1が余剰電力となる。
制御装置100は、この余剰電力ΔP1を、走行用モータ62で発生させるトルクに影響を与えることなく、車両搭載機器において消費させる。すなわち、制御装置100は、余剰電力ΔP1の電気エネルギを、走行用モータ62における運動エネルギへの変換に用いることなく消費し、燃料電池30の出力電力が実質的に要求電力PR1と一致するように調整する。
これに対し、燃料電池30への要求電力がPR2である場合、燃料電池30の出力電流は、出力電力の曲線と要求電力PR2の直線との交点C12に対応するI12となる。また、この場合の燃料電池30の出力電圧は、電流電圧特性の曲線と出力電流I12の直線との交点に対応するV12となる。すなわち、制御装置100は、出力電流I12及び出力電圧V12を、要求電力PR2に対応する電力を発生させるための燃料電池30の第1運転ポイントOP12として算出する。
この場合の第1運転ポイントOP12の出力電圧V12は、上限出力電圧VFCよりも小さい。したがって、要求電力PR2に対応する電力を発生させるために、燃料電池30を第1運転ポイントOP12(出力電流I12、出力電圧V12)で運転させても、燃料電池30の電位が過度に高まる懸念はない。したがって、この場合、制御装置100は、第1運転ポイントOP12を、燃料電池30を運転させる運転ポイントとして選択する。
燃料電池30を第1運転ポイントOP12(出力電流I12、出力電圧V12)で運転させることで、燃料電池30では要求電力PR1に対応する電力が出力されることとなる。すなわち、燃料電池30が出力する余剰電力は無い。
以上のように、本第1実施形態では、燃料電池30を上限出力電圧VFCで運転させる第2運転ポイントOP2では、燃料電池30が発生させた余剰電力ΔP1を、トルクに影響を与えることなく、燃料電池車両10に搭載された機器において消費させる。したがって、本第1実施形態によれば、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止するために酸化ガスや燃料ガスの流量を大きく変更する必要がないため、単セル301において燃料ガスや酸化ガスの欠乏が生じることがない。このため、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セル301の劣化を抑制することが可能となる。
続いて、図4及び図5を参照しながら、余剰電力の消費について説明する。ここでは、走行用モータ62(図1参照)において発生させるトルクに影響を与えることなく、走行用モータ62で余剰電力を消費させる場合について説明する。
具体的には、制御装置100は、電流ベクトルの制御によって、走行用モータ62において余剰電力を消費させる。走行用モータ62に供給される電力の電流振幅と、q軸電流と、d軸電流と、の関係は、図4のように示される。q軸から電気角θ1で傾斜するベクトルとして示される電流振幅A1を、q軸側に投影した成分Iqがq軸電流となるのに対し、電流振幅A1をd軸側に投影した成分Id1がd軸電流となる。このうち、q軸電流は走行用モータ62におけるトルクの発生に寄与し得る成分であるのに対して、d軸電流は当該トルク発生に寄与せず、熱エネルギ等に変換されて消費される。
したがって、走行用モータ62において発生させるトルクに影響を与えることなく、走行用モータ62で余剰電力を消費させる場合、q軸側の成分を変化させることなく、d軸側の成分を増加させるように、電流ベクトルの制御を行えばよい。換言すれば、走行用モータ62の効率(走行用モータ62に供給される電力に対する、発生トルクの割合)を低下させることによって、走行用モータ62において余剰電力を消費させることができる。具体的には、図4に示されるように、電流振幅をA1からA2に増加させるとともに、電気角もθ1からθ2に増加させることで、q軸側の成分はIqで一定にしたまま、d軸側の成分をId1からId2に増加させることができる。
図5に基づいて、この電流ベクトルの制御についてさらに説明する。燃料電池車両10のある走行状態において、走行用モータ62が出力する必要があるトルクがTrであった場合について考える。その際、電流振幅が100[Arms]であったとすると、電気角は、電流振幅100[Arms]の曲線とトルクTrの直線との交点Ctに対応するθaとなる。
ここで、走行用モータ62において余剰電力を消費する必要が生じた場合、制御装置100は、前述したように、電気角をθaからθbに増加させる。しかしながら、電流振幅100[Arms]のままでは、電気角をθbにした場合に走行用モータ62が発生させるトルクはTr1となり、必要トルクTrに満たないものとなってしまう。
そこで、制御装置100は、走行用モータ62が発生させるトルクがTrとなるように、電流振幅を増加させる。図5に示される例では、電流振幅を200[Arms]に増加させることによって、電気角θbにおいて走行用モータ62が発生させるトルクがTrに達する。電流振幅が増加したことにより、走行用モータ62で消費される電力が増加することとなる。
続いて、図6及び図7を参照しながら、制御装置100において実行される処理の流れについて説明する。
まず、制御装置100は、図6のステップS11で、燃料電池30への要求電力を取得する。前述したように、当該要求電力は、燃料電池車両10の走行状態や、空調装置等の車両搭載機器の動作状態に基づいて、制御装置100が所定の演算を行って算出するものである。
次に、制御装置100は、ステップS12で、第1運転ポイントの算出を行う。前述したように、制御装置100は、燃料電池30の出力電力が要求電力と一致するような第1運転ポイントを算出する。
次に、制御装置100は、ステップS13で、第2運転ポイントの算出を行う。前述したように、制御装置100は、出力電圧を上限出力電圧VFCに設定して第2運転ポイントを算出する。
次に、制御装置100は、ステップS14で、第1運転ポイントの出力電圧が上限出力電圧VFCよりも大きいか否かを判定する。第1運転ポイントの出力電圧が上限出力電圧VFCよりも大きいと判定した場合(S14:Yes)、制御装置100は、ステップS15の処理に進む。
次に、制御装置100は、ステップS15で、温度によるモータ出力制限が無いか否かを判定する。余剰電力を消費させることによって走行用モータ62が発熱し、その温度が過度に高まると、走行用モータ62の損傷を招くおそれがある。このため、制御装置100は、ステップS15において、走行用モータ62が既に高温となっており、余剰電力の消費によってこのような損傷を招くおそれが無いか否かを判定する。温度によるモータ出力制限が無いと判定した場合(S15:Yes)、すなわち、走行用モータ62が高温となっておらず、余剰電力の消費が可能であると判定した場合、制御装置100は、ステップS16の処理に進む。
次に、制御装置100は、ステップS16で、走行用モータ62が電流ベクトル制御モードで制御されているか否かを判定する。走行用モータ62が電流ベクトル制御モードで制御されていると判定した場合(S16:Yes)、制御装置100は、ステップS17の処理に進む。
次に、制御装置100は、ステップS17で、燃料電池30を運転させる運転ポイントとして第2運転ポイントを選択する。すなわち、第1運転ポイントで燃料電池30を運転させた場合、燃料電池30の電位が過度に高まって単セル301が劣化する懸念があることから、制御装置100は、燃料電池30を第2運転ポイントで運転させることを選択する。
次に、制御装置100は、ステップS18で、燃料電池30を第2運転ポイントで運転させた際に出力される余剰電力を消費する処理を実行する。このステップS18において実行される処理について、図7を参照しながら説明する。
まず、制御装置100は、図7のステップS21で、余剰電力の算出を行う。前述した図3に示される例では、出力電力PFCと出力電力PR1との差分から、余剰電力ΔP1を算出する。
次に、制御装置100は、ステップS22で、電気角と電流振幅を調整する。すなわち、制御装置100は、前述したように走行用モータ62が発生させるトルクを必要トルクとしながら、電気角と電流振幅の調整によって走行用モータ62で消費される電力を変更し、燃料電池30の出力電力が実質的に要求電力と一致するように調整する。
再び図6を参照しながら説明を続ける。ステップS14で、第1運転ポイントの出力電圧が上限出力電圧VFCよりも大きくないと判定した場合(S14:No)、制御装置100は、ステップS19の処理に進む。また、ステップS15で、温度によるモータ出力制限があると判定した場合(S15:No)、すなわち、走行用モータ62が既に高温となっており、余剰電力の消費が不可能であると判定した場合も、制御装置100は、ステップS19の処理に進む。さらに、ステップS16で、走行用モータ62が電流ベクトル制御モードで制御されていないと判定した場合(S16:No)、すなわち、走行用モータ62が矩形波制御モードで制御されていると判定した場合も、制御装置100は、ステップS19の処理に進む。
次に、制御装置100は、ステップS19で、燃料電池30を運転させる運転ポイントとして第1運転ポイントを選択する。この場合、燃料電池30において余剰電力は発生しない。
ところで、走行用モータ62が既に高温となっている場合や、走行用モータ62が矩形波制御モードで制御されている場合に余剰電力を消費する他の方法として、当該余剰電力を二次電池21の充電に使用するものが考えられる。しかしながら、この場合、二次電池21が過充電となり、より甚大な損傷を招くおそれがある。
そこで、制御装置100は、ステップS19で、燃料電池30を運転させる運転ポイントとして第1運転ポイントを選択し、余剰電力を発生させることなく燃料電池30を運転させる。これにより、燃料電池30が高電位となり性能低下が懸念される場合でも、走行用モータ62や二次電池21の保護を優先させる。
以上のように、本第1実施形態では、走行用モータ62が効率を変更可能なモータであり、その効率の変更によって余剰電力を走行用モータ62に消費させる。したがって、余剰電力の消費のみに用いる機器を燃料電池車両10に搭載する必要がなく、燃料電池車両10の小型化や製造コスト等の点で有利となる。
尚、本第1実施形態では、走行用モータ62を効率が変更可能なモータとし、走行用モータ62に余剰電力を消費させているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エアポンプ33が有するモータを効率が変更可能なものとし、走行用モータ62に代えて、又は、走行用モータ62に加えて、エアポンプ33のモータにおいても余剰電力を消費させるように構成してもよい。
また、本第1実施形態では、電流ベクトルを制御することで、走行用モータ62の効率を変更可能としている。これにより、制御装置100における制御を簡便なものとしながらも、走行用モータ62やエアポンプ33のモータにおいて、余剰電力を確実に消費させることが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図8を参照しながら説明する。本第2実施形態は、制御装置100が第3運転ポイント算出部106(図1参照)を有しており、その制御が前述した第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用いて、重複する説明は適宜省略する。
第3運転ポイント算出部106は、所定の電流電圧特性において、燃料電池30への要求電力に対応する電力を発生させるための燃料電池30の出力電流及び出力電圧からなる第3運転ポイントを算出する部分である。本第2実施形態においては、第3運転ポイント算出部106は、第1電流電圧特性において、燃料電池30が発生させる電力が要求電力と一致するような第3運転ポイント(出力電圧、出力電流)を算出する。
図8には、燃料電池30の電流電圧特性と出力特性とが2つずつ図示されている。このうち対応する電流電圧特性と出力特性は、同一の線種(実線、破線)で図示されている。燃料電池30がいずれの電流電圧特性で運転するかは、燃料電池30に供給される酸化ガス及び燃料ガスの流量に基づいて決まる。
燃料電池30が実線で図示される第1電流電圧特性で運転している場合、燃料電池30への要求電力がPR3となると、燃料電池30の出力電流は、第1電流電圧特性における出力電力の曲線と要求電力PR3の直線との交点C3に対応するI3となる。また、このときの燃料電池30の出力電圧は、第1電流電圧特性の曲線と出力電流I3の直線との交点に対応するV3となる。すなわち、制御装置100は、出力電流I3及び出力電圧V3を、要求電力PR3に対応する電力を発生させるための燃料電池30の第3運転ポイントOP3として算出する。
ここで、第3運転ポイントOP3の出力電圧V3は、上限出力電圧VFCよりも大きい。したがって、要求電力PR3に対応する電力を発生させるために燃料電池30を第3運転ポイントOP3(出力電流I3、出力電圧V3)で運転させると、燃料電池30の電位が過度に高まり、単セル301の性能低下が懸念される。
そこで、制御装置100は、燃料電池30を第2電流電圧特性で運転させるように、燃料電池30に供給する燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方を漸次減少させる。この第2電流電圧特性は、第1電流電圧特性よりも燃料電池30の出力電圧が小さく、且つ、単セル301の出力電圧が予め定められた下限出力電圧となるものである。
燃料電池30が破線で図示される第2電流電圧特性で運転している場合、要求電力PR3に対応する燃料電池30の出力電流は、第2電流電圧特性における出力電力の曲線と要求電力PR3の直線との交点C4に対応するI4となる。また、このときの燃料電池30の出力電圧は、第2電流電圧特性の曲線と出力電流I4の直線との交点に対応するV4となる。この出力電流I4及び出力電圧V4を、燃料電池30の第4運転ポイントOP4と称する。
ここで、第4運転ポイントOP4の出力電圧V4は、なおも上限出力電圧VFCよりも大きい。したがって、要求電力PR3に対応する電力を発生させるために燃料電池30を第4運転ポイントOP4(出力電流I4、出力電圧V4)で運転させた場合も、燃料電池30の電位の過度に高まりと、単セル301の性能低下が懸念される。
そこで、制御装置100は、第2電流電圧特性の曲線と上限出力電圧VFCとの交点に対応する運転ポイントで燃料電池30を運転させる。すなわち、出力電流IFC及び出力電圧VFCを、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止するための燃料電池30の第5運転ポイントOP5として算出する。
燃料電池30を第5運転ポイントOP5(出力電流IFC、出力電圧VFC)で運転させることで、燃料電池30では要求電力PR3よりも大きな電力が出力されることとなる。つまり、燃料電池30を第5運転ポイントOP5で運転させると、その出力電力は、第2電流電圧特性における出力電力の曲線と出力電流IFCの直線との交点C5に対応するPFCとなる。すなわち、燃料電池30は、要求電力PR3よりもΔP2だけ大きいPFCの電力を出力することとなる。したがって、その差分(PFC−PR3)であるΔP2が余剰電力となる。
制御装置100は、この余剰電力ΔP2を、走行用モータ62で発生させるトルクに影響を与えることなく、車両搭載機器において消費させる。すなわち、制御装置100は、余剰電力ΔP2の電気エネルギを、走行用モータ62における運動エネルギへの変換に用いることなく消費し、燃料電池30の出力電力が実質的に要求電力PR3と一致するように調整する。
以上のように、本第2実施形態では、第3運転ポイントOP3における出力電圧V3が上限出力電圧VFCよりも大きい場合は、第2電流電圧特性で燃料電池30を運転させるように燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方の流量を漸次減少させる。第2電流電圧特性は、第1電流電圧特性よりも燃料電池の出力電圧が小さく、且つ、単セル301の出力電圧が予め定められた下限出力電圧となる特性である。そして、燃料電池30がこの第2電流電圧特性で運転している場合は、燃料電池30が発生させた余剰電力ΔP2を、トルクに影響を与えることなく、燃料電池車両10に搭載された機器において消費させる。すなわち、本第2実施形態によれば、燃料電池30の電位が過度に高まるおそれがある場合は、単セル301の出力電圧が下限出力電圧となるまでの範囲で酸化ガスや燃料ガスの流量を漸次減少させる。したがって、単セル301において燃料ガスや酸化ガスの欠乏が生じることがなく、この結果、燃料電池30の電位が過度に高まることを防止しながらも、単セル301の劣化を抑制することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態では、効率を変更するモータとして三相同期モータを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。三相同期モータに代えて、例えば誘導電動機を用いることも可能である。この場合、誘導電動機における力率(皮相電力に対する有効電力の比)を適宜変更することで効率を変更し、消費する電力の調整を行うことが可能となる。
10:燃料電池車両
30:燃料電池
33:エアポンプ
34:水素ポンプ
62:走行用モータ(駆動力発生部)
101:第1運転ポイント算出部
102:第2運転ポイント算出部
103:運転ポイント選択部
104:要求電力取得部
105:電力消費制御部
106:第3運転ポイント算出部
301:単セル
AN :アノード
CS :カソード

Claims (3)

  1. 複数の単セル(301)によって構成された燃料電池(30)を有する燃料電池車両(10)であって、
    前記複数の単セルのアノード(AN)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部(34)と、
    前記複数の単セルのカソード(CS)に酸化ガスを供給する酸化ガス供給部(33)と、
    前記燃料電池が発生させた電力を用いて走行用の駆動力を発生させる駆動力発生部(62)と、
    前記燃料電池に対する要求電力を取得する要求電力取得部(104)と、
    第1電流電圧特性において、前記要求電力に対応する電力を発生させる場合の、前記燃料電池の出力電流及び出力電圧からなる第3運転ポイントを算出する第3運転ポイント算出部(106)と、
    前記燃料電池車両に搭載された複数の機器における電力消費を制御する電力消費制御部(105)と、を備え、
    前記第3運転ポイントにおける出力電圧が上限出力電圧よりも大きい場合は、前記燃料ガス供給部及び酸化ガス供給部の少なくとも一方は、前記第1電流電圧特性よりも前記燃料電池の出力電圧が小さく、且つ、前記単セルの出力電圧が予め定められた下限出力電圧となる第2電流電圧特性で前記燃料電池を運転させるように燃料ガス及び酸化ガスの少なくとも一方の流量を漸次減少させ、
    前記電力消費制御部は、前記燃料電池が前記第2電流電圧特性で運転している場合は、前記燃料電池が発生させた余剰電力を、前記駆動力発生部で発生させる駆動力に影響を与えることなく前記機器において消費させることを特徴とする燃料電池車両。
  2. 前記酸化ガス供給部及び前記駆動力発生部の少なくとも一方が、効率を変更可能なモータを有し、
    前記電力消費制御部は、該効率の変更によって前記余剰電力を前記モータに消費させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。
  3. 前記モータは、電流ベクトルを変更することで前記効率を変更可能であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両。
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