以下、図面を参照して、医用画像診断装置及び医用画像処理装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、医用画像診断装置及び医用画像処理装置を含んだ医用画像処理システムを一例として説明する。なお、第1の実施形態では、医用画像処理装置の例として、医用画像データの保管を行う画像保管装置について説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10と、画像保管装置20と、ワークステーション30とを備える。なお、図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の一例を示す図である。図1に示すように、医用画像診断装置10、画像保管装置20及びワークステーション30は、ネットワークを介して相互に接続される。
医用画像診断装置10は、被検体から医用画像データを収集する装置である。なお、医用画像診断装置10が生成する医用画像データは、3次元の画像データであってもよいし、2次元の画像データであってもよい。例えば、医用画像診断装置10は、X線CT(Computed Tomography)装置や、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置などである。
例えば、医用画像診断装置10は、被検体に対するスキャンを実行することで、スキャン位置及びスキャンタイミングが同一であり、且つ、解像度が異なる複数の医用画像データを生成する。例えば、医用画像診断装置10は、通常の解像度を有する医用画像データ(通常解像度画像)と、通常解像度画像よりも解像度が高い医用画像データ(高解像度画像)とを生成する。一例を挙げると、医用画像診断装置10がX線CT装置である場合、医用画像診断装置10は、被検体を透過したX線に基づく信号から、通常解像度画像及び高解像度画像をそれぞれ生成する。
画像保管装置20は、医用画像処理装置の一例であり、医用画像診断装置10によって収集された医用画像データを保管する装置である。例えば、画像保管装置20は、サーバ装置等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、画像保管装置20は、ネットワークを介して医用画像診断装置10から医用画像データを受け付ける。例えば、画像保管装置20は、医用画像診断装置10から通常解像度画像と差分画像に対応する情報とを受け付ける。また、例えば、画像保管装置20は、通常解像度画像と差分画像に対応する情報とに基づいて、高解像度画像を復元する。なお、差分画像に対応する情報、及び、高解像度画像の復元については後述する。
ワークステーション30は、ネットワークを介して医用画像データを取得し、取得した医用画像データを用いた種々の処理を実行する。本実施形態では、ワークステーション30は、ネットワークを介して、画像保管装置20から医用画像データを取得する。例えば、ワークステーション30は、画像保管装置20から、通常解像度画像や高解像度画像を取得する。また、例えば、ワークステーション30は、取得した通常解像度画像や高解像度画像に対して種々の画像処理を実行する。また、例えば、ワークステーション30は、取得した通常解像度画像や高解像度画像の表示を行う。
ここで、図2を用いて、医用画像診断装置10の一例について説明する。以下では、医用画像診断装置10の一例として、X線CT装置100について説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置100の一例を示すブロック図である。図2に示すように、X線CT装置100は、架台110と、寝台装置120と、コンソール130とを備える。
架台110は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して、コンソール130に出力する装置であり、X線照射制御回路111と、X線発生装置112と、ウェッジ113と、コリメータ114と、検出器115と、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)116と、回転フレーム117と、架台制御装置118とを有する。
回転フレーム117は、X線発生装置112、ウェッジ113及びコリメータ114と、検出器115とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、架台制御装置118によって被検体Pを中心とした円軌道にて回転する円環状のフレームである。
X線照射制御回路111は、図示しない高電圧発生装置を制御して、X線発生装置112に高電圧を供給する。ここで、X線照射制御回路111は、スキャン制御回路133による制御の下、X線発生装置112に供給する管電圧や、X線発生装置112を構成するX線管内の管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線照射制御回路111は、ウェッジ113の切り替えを行う。また、X線照射制御回路111は、コリメータ114の開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。
X線発生装置112は、例えば、X線照射制御回路111による制御の下、図示しない高電圧発生装置から高電圧の供給を受けて、陰極(フィラメントと呼ぶ場合もある)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射するX線管(真空管)から構成される。X線発生装置112は、回転フレーム117の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。
ウェッジ113は、X線照射制御回路111の制御により、X線発生装置112から曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ113は、X線発生装置112から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線発生装置112から曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。なお、ウェッジ113は、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
コリメータ114は、X線照射制御回路111の制御により、ウェッジ113によってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。例えば、コリメータ114は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。コリメータ114は、X線照射制御回路111による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線発生装置112が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。なお、絞り羽根は、鉛や銅などで構成された板状部材であり、X線の照射範囲を調整するためにX線発生装置112のX線照射口付近に設けられる。
検出器115は、例えば、X線発生装置112におけるX線管の焦点を中心として、1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列から構成される。検出器115は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(図2に示すZ軸方向)に複数配列された構造を有する。検出器115は、X線発生装置112から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した電気信号をデータ収集回路116へ出力する。また、検出器115は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとから構成される間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータから構成され、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶にて構成される。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板で構成される。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管等の光センサから構成される。なお、検出器115は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子から構成される直接変換型の検出器であっても構わない。
データ収集回路116は、例えば、検出器115の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とから少なくとも構成され、検出データ(純生データ)を生成する。なお、データ収集回路116が生成した検出データは、CT投影データの一例である。データ収集回路116が生成したCT投影データは、コンソール130へと転送される。例えば、データ収集回路116は、検出器115により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理等を行なってCT投影データを生成し、生成したCT投影データをコンソール130に送信する。例えば、回転フレーム117の回転中に、X線発生装置112からX線が連続曝射されている場合、データ収集回路116は、全周囲分(360度分)のCT投影データ群を収集する。また、データ収集回路116は、収集した各CT投影データに管球位置を対応付けて、コンソール130に送信する。管球位置は、CT投影データの投影方向を示す情報となる。
架台制御装置118は、回転フレーム117を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上で、X線発生装置112、ウェッジ113及びコリメータ114と、検出器115とを旋回させる。架台制御装置118は、処理回路と駆動機構から構成される。ここで、架台制御装置118における処理回路は、例えば、記憶回路134からプログラムを読み出して実行することで機能を実現するプロセッサである。また、駆動機構は、例えば、モータと、モータからの駆動力を変換する機構(以下、アクチュエータとも記載する)とを含む。架台制御装置118は、入力回路131(コンソール130若しくは架台110に取り付けられた入力装置等)からの入力信号を受けて、架台110の動作制御を行う機能を有する。例えば、架台制御装置118は、入力信号を受けて、回転フレーム117を回転させる制御や、架台110をチルトさせる制御を行う。
寝台装置120は、被検体Pを載置する装置であり、寝台駆動装置121と、天板122とを有する。天板122は、被検体Pを載置する板である。寝台駆動装置121は、天板122をZ軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム117内に移動させる。例えば、寝台駆動装置121は、図示しないモータからの駆動力をアクチュエータにより変換することで、天板122を移動させる。なお、架台110と天板122との相対位置の変化は、天板122を制御することによって実現されてもよいし、架台110が自走式である場合には、架台110の走行を制御することによって実現されてもよい。
コンソール130は、操作者によるX線CT装置100の操作を受け付けるとともに、架台110におけるスキャンを制御し、架台110によって収集されたCT投影データを用いてCT画像データ(ボリュームデータ)を再構成する装置である。コンソール130は、図1に示すように、入力回路131と、ディスプレイ132と、スキャン制御回路133と、記憶回路134と、処理回路135とを有する。
入力回路131は、X線CT装置100の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路135に転送する。
ディスプレイ132は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路135による制御の下、種々の医用画像を操作者に提示したり、入力回路131を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。
スキャン制御回路133は、処理回路135による制御の下、X線照射制御回路111、データ収集回路116、架台制御装置118及び寝台駆動装置121の動作を制御することで、架台110におけるCT投影データの収集処理を制御する。
記憶回路134は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶回路134は、CT投影データや、解像度が異なる複数のCT画像データなど、種々の画像データを記憶する。また、例えば、記憶回路134は、高解像度画像と通常解像度画像との差分画像に対応する情報を記憶する。なお、差分画像に対応する情報については後述する。
処理回路135は、制御機能135a、画像生成機能135b、差分画像生成機能135c、表示制御機能135d及び送信機能135eを実行することで、X線CT装置100全体の動作を制御する。例えば、処理回路135は、制御機能135aに対応するプログラムを記憶回路134から読み出して実行することにより、スキャン制御回路133を制御して、被検体PからCT投影データを収集する。
また、例えば、処理回路135は、画像生成機能135bに対応するプログラムを記憶回路134から読み出して実行することにより、CT投影データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なうことで、補正済みのCT投影データを生成して、記憶回路134に記憶させる。なお、補正済みのCT投影データは、生データとも記載する。
また、例えば、処理回路135は、記憶回路134が記憶するCT投影データを用いて、CT画像データ(ボリュームデータ)を再構成する。ここで、再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、処理回路135は、逐次近似再構成(IR:Iterative Reconstruction)法を用いて、CT画像データを再構成することもできる。そして、処理回路135は、再構成したCT画像データを記憶回路134に記憶させる。
ここで、処理回路135は、CT画像データを再構成することにより、通常解像度画像及び高解像度画像を生成する。例えば、処理回路135は、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データ、及び、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データを生成する。この場合、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データを通常解像度画像とし、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データを高解像度画像とすることができる。或いは、この場合、「512×512」の画素数を有する各スライスを通常解像度画像とし、「1024×1024」の画素数を有する各スライスを高解像度画像とすることができる。
或いは、処理回路135は、CT画像データに対するレンダリング処理により、通常解像度画像及び高解像度画像を生成する場合であってもよい。例えば、処理回路135は、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データ、及び、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データのそれぞれから、断面再構成法(MPR:Multi Planar Reconstruction)により、任意の断面のMPR画像データを再構成する。この場合、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データから生成したMPR画像データを通常解像度画像とし、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データから生成したMPR画像データを高解像度画像とすることができる。
即ち、高解像度画像及び通常解像度画像は、3次元の画像データでもよいし、2次元の画像データでもよい。以下では、高解像度画像及び通常解像度画像が2次元の画像データである場合を例として説明する。また、以下では、高解像度画像及び通常解像度画像が、CT画像データにおけるスライスである場合を例として説明する。
一例を挙げると、処理回路135は、X線に基づく電気信号から生成されたCT投影データについて、通常解像度画像に対応する再構成関数を用いた再構成処理を行うことで、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データを生成し、高解像度画像に対応する再構成関数を用いた再構成処理を行うことで、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データを生成する。即ち、処理回路135は、被検体Pについて収集された信号から、通常解像度画像及び高解像度画像をそれぞれ生成することができる。
また、別の一例を挙げると、処理回路135は、検出器115の各X線検出素子にて検出された電気信号を、チャネル方向及びスライス方向の各方向について所定の単位で合成し、合成した電気信号から生成されたCT投影データについて再構成処理を行うことで、CT画像データを生成する。ここで、処理回路135は、合成を行うか否か、又は、合成の単位に応じて、解像度を調整することができる。例えば、処理回路135は、複数のX線検出素子ごとに電気信号を合成した上で再構成処理を行うことで、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データを生成し、合成を行うことなく再構成処理を行うことで、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データを生成する。即ち、処理回路135は、被検体Pについて収集された信号から、通常解像度画像及び高解像度画像をそれぞれ生成することができる。
また、別の一例を挙げると、処理回路135は、各スライスが「1024×1024」の画素数を有するCT画像データを生成した後、生成したCT画像データの各スライスのサイズ(画素数)を「1/4」とすることで、各スライスが「512×512」の画素数を有するCT画像データを生成する。即ち、処理回路135は、被検体Pについて収集された信号から高解像度画像を生成し、生成した高解像度画像を圧縮することで、通常解像度画像を生成することができる。
また、例えば、処理回路135は、差分画像生成機能135cに対応するプログラムを記憶回路134から読み出して実行することにより、通常解像度画像と高解像度画像との差分画像を生成する。また、例えば、処理回路135は、表示制御機能135dに対応するプログラムを記憶回路134から読み出して実行することにより、通常解像度画像や高解像度画像をディスプレイ132に表示させる。また、例えば、処理回路135は、送信機能135eに対応するプログラムを記憶回路134から読み出して実行することにより、通常解像度画像と、差分画像に対応する情報とを、外部装置に送信する。ここで、X線CT装置100の外部装置とは、例えば、画像保管装置20やワークステーション30などである。
図2に示すX線CT装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路134へ記憶されている。処理回路135は、記憶回路134からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路135は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図2においては単一の処理回路135にて、制御機能135a、画像生成機能135b、差分画像生成機能135c、表示制御機能135d及び送信機能135eが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路135を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
次に、図3を用いて、画像保管装置20の一例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る画像保管装置20の一例を示すブロック図である。図3に示すように、画像保管装置20は、入力回路21と、ディスプレイ22と、記憶回路23と、処理回路24とを有する。
入力回路21は、画像保管装置20の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路24に転送する。
ディスプレイ22は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路24による制御の下、種々の医用画像を操作者に提示したり、入力回路21を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUIを表示したりする。
記憶回路23は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶回路23は、通常解像度画像、及び、高解像度画像と通常解像度画像との差分画像に対応する情報を記憶する。なお、差分画像に対応する情報については後述する。
処理回路24は、受付機能24a、復元処理機能24b、表示制御機能24c及び送信機能24dを実行することで、画像保管装置20全体の動作を制御する。例えば、処理回路24は、受付機能24aに対応するプログラムを記憶回路23から読み出して実行することにより、X線CT装置100から、通常解像度画像、及び、通常解像度画像と高解像度画像との差分画像に対応する情報を受け付ける。また、例えば、処理回路24は、復元処理機能24bに対応するプログラムを記憶回路23から読み出して実行することにより、通常解像度画像と差分画像に対応する情報とから、高解像度画像を復元する。また、例えば、処理回路24は、表示制御機能24cに対応するプログラムを記憶回路23から読み出して実行することにより、通常解像度画像や高解像度画像をディスプレイ132に表示させる。また、例えば、処理回路24は、送信機能24dに対応するプログラムを記憶回路23から読み出して実行することにより、通常解像度画像と高解像度画像とを、外部装置に送信する。ここで、画像保管装置20の外部装置とは、例えば、X線CT装置100やワークステーション30などである。
図3に示す画像保管装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路23へ記憶されている。処理回路24は、記憶回路23からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路24は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図3においては単一の処理回路24にて、受付機能24a、復元処理機能24b、表示制御機能24c及び送信機能24dが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路24を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
以上、医用画像処理システム1の構成について説明した。かかる構成の下、医用画像処理システム1におけるX線CT装置100及び画像保管装置20は、解像度が異なる複数の医用画像の利用を可能としつつ、データ容量を低減する。具体的には、X線CT装置100は、通常解像度画像及び高解像度画像を生成し、通常解像度画像、及び、通常解像度画像と高解像度画像との差分画像に対応する情報を記憶することで、解像度が異なる複数の医用画像の利用を可能としつつ、データ容量を低減する。また、画像保管装置20は、通常解像度画像、及び、差分画像に対応する情報を受け付け、通常解像度画像と差分画像に対応する情報とから高解像度画像を復元することにより、解像度が異なる複数の医用画像の利用を可能としつつ、データ容量を低減する。以下、医用画像処理システム1における処理について、詳細に説明する。
まず、制御機能135aは、被検体Pに対するスキャンを実行してCT投影データを収集する。次に、画像生成機能135bは、CT投影データからCT画像データを再構成する。例えば、画像生成機能135bは、CT画像データを再構成することにより、「512×512」の画素数を有する通常解像度画像や、「1024×1024」の画素数を有する高解像度画像を生成する。
再構成されたCT画像データは、記憶回路134に記憶されるとともに、画像保管装置20に送信される。また、画像保管装置20に送信されたCT画像データは、記憶回路23に記憶されるとともに、ワークステーション30に送信され、ワークステーション30が備える記憶回路31に記憶される。そして、記憶回路134に記憶されたCT画像データは、X線CT装置100において種々の処理に用いられる。また、記憶回路23に記憶されたCT画像データは、画像保管装置20において種々の処理に用いられる。また、記憶回路31に記憶されたCT画像データは、ワークステーション30において種々の処理に用いられる。
ここで、X線CT装置100は、通常解像度画像及び高解像度画像の双方を生成する場合に限らず、通常解像度画像のみを生成することもできるし、高解像度画像のみを生成することもできる。しかしながら、通常解像度画像のみが生成された場合及び高解像度画像のみが生成された場合には、X線CT装置100や画像保管装置20、ワークステーション30といった各装置において、解像度が異なる複数のCT画像データを利用することはできない。
例えば、図4Aに示すように、通常解像度画像I10のみが生成された場合、記憶回路134は、通常解像度画像I10のみを記憶する。なお、図4Aは、医用画像処理システム1の各装置におけるCT画像データに対する処理の一例を示す図である。記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10は、表示制御機能135dにより、通常解像度で、ディスプレイ132に表示される。即ち、通常解像度画像I10のみが生成された場合、X線CT装置100は、高解像度での表示を行うことはできない。また、X線CT装置100は、記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10を、画像保管装置20に送信する。
図4Aに示すように、画像保管装置20は、通常解像度画像I10を受け付けた場合、通常解像度画像I10を記憶回路23に記憶させる。記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10は、表示制御機能24c(ビューア)により、通常解像度で、ディスプレイ22に表示される。また、画像保管装置20は、記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10を、ワークステーション30に送信する。即ち、通常解像度画像I10のみが生成された場合、画像保管装置20は、高解像度画像の送信を行うことはできない。
図4Aに示すように、ワークステーション30は、通常解像度画像I10を受け付けた場合、通常解像度画像I10を記憶回路31に記憶させる。記憶回路31に記憶された通常解像度画像I10は、表示を含む種々の処理に用いられる。例えば、通常解像度画像I10は、通常解像度で、ワークステーション30が備えるディスプレイ32に表示される。即ち、通常解像度画像I10のみが生成された場合、ワークステーション30は、高解像度での表示を行うことはできない。
また、例えば、記憶回路31に記憶された通常解像度画像I10は、アプリケーションA1やアプリケーションA2による処理を受ける。ここで、アプリケーションA1は、通常解像度画像については対応しているものの、高解像度画像については対応していないアプリケーションを示す。また、アプリケーションA2は、通常解像度画像及び高解像度画像に対応しているアプリケーションを示す。例えば、アプリケーションA1は、高解像度画像が利用されるようになる以前に作成されたプログラムであり、アプリケーションA2は、高解像度画像が利用されるようになった後に作成されたプログラムである。即ち、通常解像度画像I10については、アプリケーションA1及びアプリケーションA2のいずれも対応している。
また、例えば、図4Bに示すように、高解像度画像I20のみが生成された場合、記憶回路134は、高解像度画像I20のみを記憶する。なお、図4Bは、医用画像処理システム1の各装置におけるCT画像データに対する処理の一例を示す図である。記憶回路134に記憶された高解像度画像I20は、表示制御機能135dにより、高解像度で、ディスプレイ132に表示される。また、X線CT装置100は、記憶回路134に記憶された高解像度画像I20を、画像保管装置20に送信する。
図4Bに示すように、画像保管装置20は、高解像度画像I20を受け付けた場合、高解像度画像I20を記憶回路23に記憶させる。記憶回路23に記憶された高解像度画像I20は、表示制御機能24c(ビューア)により、高解像度で、ディスプレイ22に表示される。ここで、画像保管装置20での読影においては、通常解像度で表示を行なえば十分な場合もあるが、高解像度画像I20のみが生成された場合、画像保管装置20は、通常解像度での表示を行うことはできない。また、画像保管装置20は、記憶回路23に記憶された高解像度画像I20を、ワークステーション30に送信する。即ち、高解像度画像I20のみが生成された場合、画像保管装置20は、通常解像度画像の送信を行うことはできない。
図4Bに示すように、ワークステーション30は、高解像度画像I20を受け付けた場合、高解像度画像I20を記憶回路31に記憶させる。記憶回路31に記憶された高解像度画像I20は、表示を含む種々の処理に用いられる。例えば、高解像度画像I20は、高解像度で、ワークステーション30が備えるディスプレイ32に表示される。また、例えば、記憶回路31に記憶された高解像度画像I20は、アプリケーションA2による処理を受ける。ここで、アプリケーションA1は高解像度画像I20には対応していないため、高解像度画像I20は、アプリケーションA1による処理を受けることはできない。
上述したように、通常解像度画像I10のみが生成された場合、X線CT装置100やワークステーション30において高解像度での表示を行うことができない。また、高解像度画像I20のみが生成された場合、画像保管装置20において通常解像度での表示を行うことができない。また、高解像度画像I20のみが生成された場合、処理(アプリケーションA1による処理など)を実行できない場合がある。
以下では、X線CT装置100が、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を生成した場合について説明する。例えば、図4Cに示すように、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20が生成された場合、記憶回路134は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を記憶する。なお、図4Cは、医用画像処理システム1の各装置におけるCT画像データに対する処理の一例を示す図である。記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、表示制御機能135dにより、通常解像度又は高解像度で、ディスプレイ132に表示される。また、X線CT装置100は、記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を、画像保管装置20に送信する。
図4Cに示すように、画像保管装置20は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を受け付けた場合、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を記憶回路23に記憶させる。記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10は、表示制御機能24c(ビューア)により、通常解像度で、ディスプレイ22に表示される。また、画像保管装置20は、記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を、ワークステーション30に送信する。
図4Cに示すように、ワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を受け付けた場合、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を記憶回路31に記憶させる。記憶回路31に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、表示を含む種々の処理に用いられる。例えば、記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、通常解像度又は高解像度で、ワークステーション30が備えるディスプレイ32に表示される。また、例えば、通常解像度画像I10はアプリケーションA1による処理を受け、高解像度画像I20はアプリケーションA2による処理を受ける。
上述したように、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20が生成された場合、高解像度での表示及び通常解像度での表示を必要に応じて使い分け、かつ、処理(アプリケーションA1による処理など)を実行できない事態を回避することができる。しかしながら、X線CT装置100において通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を記憶する場合、記憶回路134の容量が圧迫される場合がある。また、X線CT装置100が通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を送信する場合、送信に要する時間が長くなる場合がある。また、画像保管装置20において通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を記憶する場合、記憶回路23の容量が圧迫される場合がある。即ち、図4Cに示す場合、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を利用することは可能となるものの、データサイズを低減することはできない。
そこで、X線CT装置100は、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像を生成することにより、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の利用を可能としつつ、記憶回路134に記憶するデータ及び画像保管装置20に送信するデータについて、データサイズを低減する。また、画像保管装置20は、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報を受け付け、高解像度画像I20を復元することにより、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の利用を可能としつつ、記憶回路23に記憶するデータについて、データサイズを低減する。
以下、差分画像に対応する情報I30が生成される場合について、図5を用いて説明する。図5は、医用画像処理システム1の各装置におけるCT画像データに対する処理の一例を示す図である。まず、画像生成機能135bは、被検体Pについて収集された信号から通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を生成し、記憶回路134に記憶させる。次に、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像を生成する。ここで、差分画像は、例えば、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との対応する画素間での画素値の差を示す画像であり、高解像度画像I20と同じ画素数を有する画像である。
次に、差分画像生成機能135cは、差分画像に対応する情報I30を、記憶回路134に記憶させる。ここで、差分画像に対応する情報I30は、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像そのものであってもよいし、差分画像に基づいて生成される情報であってもよい。また、差分画像に対応する情報I30を記憶回路134に記憶する際に、記憶回路134に記憶されていた高解像度画像I20を削除することとしてもよい。
記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30は、表示制御機能135dにより、通常解像度又は高解像度で、ディスプレイ132に表示される。即ち、X線CT装置100は、通常解像度画像I10を表示させ、又は、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30から復元した高解像度画像I20を表示させる。また、送信機能135eは、記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を、画像保管装置20に送信する。
画像保管装置20における受付機能24aは、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を受け付け、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を記憶回路23に記憶させる。記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10は、図5に示すように、表示制御機能24c(ビューア)によって、通常解像度でディスプレイ22に表示される。また、復元処理機能24bは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。また、送信機能24dは、記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10、及び、復元した高解像度画像I20を、ワークステーション30に送信する。
ワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を受け付けた場合、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を記憶回路31に記憶させる。記憶回路31に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、表示を含む種々の処理に用いられる。例えば、記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、通常解像度又は高解像度で、ワークステーション30が備えるディスプレイ32に表示される。また、例えば、通常解像度画像I10はアプリケーションA1による処理を受け、高解像度画像I20はアプリケーションA2による処理を受ける。
上述したように、差分画像に対応する情報I30が生成される場合、高解像度での表示及び通常解像度での表示を必要に応じて使い分け、かつ、処理(アプリケーションA1による処理など)を実行できない事態を回避することができる。また、差分画像に対応する情報I30は、高解像度画像I20に対してデータサイズが小さいため、送信時間が短縮されるとともに、記憶回路の使用領域を低減することができる。
ここで、差分画像に対応する情報I30について、図6A、図6B及び図6Cを用いて説明する。図6A、図6B及び図6Cは、第1の実施形態に係る差分画像に対応する情報I30について説明するための図である。なお、図6Aは、「512×512」の通常解像度画像I10を示し、図6Bは、「1024×1024」の高解像度画像I20を示す。また、図6Cにおいては、差分画像に対応する情報I30の一例として、差分画像I31を示す。
図6Aに示す通常解像度画像I10は、1行目に画素「P1」〜画素「P512」を有する。図6Aの画素「P1」は、図6Bに示す高解像度画像I20における画素「P1a」、画素「P1b」、画素「P1c」及び画素「P1d」に対応する。即ち、画素「P1」と、画素「P1a」、画素「P1b」、画素「P1c」及び画素「P1d」とは、被検体Pの同一の位置から、同一の時間に収集された信号に基づく画素である。同様に、図6Aの画素「P2」は、図6Bの画素「P2a」、画素「P2b」、画素「P2c」及び画素「P2d」に対応する。
差分画像生成機能135cは、図6Cに示すように、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との間で、対応する画素間の差分処理を実行する。具体的には、差分画像生成機能135cは、画素「P1」と画素「P1a」との間の画素値の差を画素「D1a」の画素値として算出し、画素「P1」と画素「P1b」との間の画素値の差を画素「D1b」の画素値として算出し、画素「P1」と画素「P1c」との間の画素値の差を画素「D1c」の画素値として算出し、画素「P1」と画素「P1d」との間の画素値の差を画素「D1d」の画素値として算出する。例えば、画素「P1」の画素値が「100」であり、画素「P1a」の画素値が「100」であり、画素「P1b」の画素値が「100」であり、画素「P1c」の画素値が「100」であり、画素「P1d」の画素値が「99」である場合、画素「D1a」の画素値は「0」となり、画素「D1b」の画素値は「0」となり、画素「D1c」の画素値は「0」となり、画素「D1d」の画素値は「1」となる。
また、差分画像生成機能135cは、画素「P2」と画素「P2a」との間の画素値の差を画素「D2a」の画素値として算出し、画素「P2」と画素「P2b」との間の画素値の差を画素「D2b」の画素値として算出し、画素「P2」と画素「P2c」との間の画素値の差を画素「D2c」の画素値として算出し、画素「P2」と画素「P2d」との間の画素値の差を画素「D2d」の画素値として算出する。更に、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10における画素「P1」及び画素「P2」以外の各画素についても、高解像度画像I20において対応する画素との間で差分処理を実行し、差分画像I31を生成する。
図6Cに示すように、差分画像I31は、高解像度画像I20と同じ画素数を有する。また、差分画像I31における各画素は、略一定の画素値を有する。これは、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、スキャン位置及びスキャンタイミングが同じ画像であり、類似しているためである。例えば、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20が同程度のゲインで生成されていた場合、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の対応する画素は同程度の画素値となっており、これらを差分した値は「0」、又は「0」に近い値となる。
差分画像I31は、高解像度画像I20と同じ画素数を有するものの、各画素が略一定の画素値を有することにより、高解像度画像I20よりもデータサイズが小さくなる。ここで、通常解像度画像I10、高解像度画像I20及び差分画像I31のデータサイズについて説明する。以下では、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の各画素が、「4096階調」の画素値を有する場合について説明する。例えば、通常解像度画像I10や高解像度画像I20は、被検体Pの体表外(空気)の画素値が「−2048」に近い値となり、骨や金属など密度の大きい部分の画素値が「2048」に近い値となるように生成される。
「4096階調」を表現するためには少なくとも「14bit」が必要である。通常解像度画像I10や高解像度画像I20の各画素は、例えば、拡張ビットを含め、「2Byte」のデータサイズを有する。この場合、「512×512」の通常解像度画像I10のデータサイズは「524288Byte(以下、「0.5MB」と記載する)」となり、「1024×1024」の高解像度画像I20のデータサイズは「2097152Byte(以下、「2MB」と記載する)」となる。
ここで、差分画像I31については、各画素が略一定の画素値を有していることから、各画素について「2Byte」は必要でない場合が多い。例えば、差分画像生成機能135cは、差分画像I31の各画素を「128階調(7bit)」で表現することができる。一例を挙げると、差分画像生成機能135cは、図7Aに示すように、差分画像I31の各画素について、画素値を示す「7bit」及び拡張ビットの「1bit」を、「8bit(1Byte)」のデータサイズで格納する。なお、図7Aは、第1の実施形態に係る差分画像I31のデータサイズについて説明するための図である。
図7Aにおいては、マイナス値を2の補数で表現することにより「−64」〜「63」までの画素値を表現することができる。差分画像I31における全ての画素において画素値が「−64」〜「63」の範囲内である場合、差分画像I31の各画素は「1Byte」のデータサイズを有する。そして、差分画像I31のデータサイズは、高解像度画像I20のデータサイズの半分である「1MB」となる。また、この場合、通常解像度画像I10及び差分画像I31のデータサイズの合計は「1.5MB」であるので、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のデータサイズの合計「2.5MB」を基準とすると、圧縮率は「60%」となる。
なお、差分画像I31は、画素値が「−64」〜「63」の範囲外となる画素を有する場合がある。例えば、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との間で異なる再構成関数やフィルタを用いることで、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との間で部分的に色(画素値)が異なることとなり、差分画像I31の一部において画素値が「−64」〜「63」の範囲外となる場合がある。
また、例えば、FOV(Field Of View)と外側との境界や、被検体Pにおける臓器間の境界、被検体Pの体表面などにおいて、差分画像I31の画素値が「−64」〜「63」の範囲外となる場合がある。一例を挙げると、図7Bに示すFOVと外側との境界領域R1や、臓器間の境界領域R2において、差分画像I31の画素値が「−64」〜「63」の範囲外となる場合がある。なお、図7Bは、第1の実施形態に係る差分画像I31のデータサイズについて説明するための図である。
図7Bにおいて、境界領域R1は、通常解像度画像I10の画素「P11」に対応するとともに、高解像度画像I20の画素「P11a」、画素「P11b」、画素「P11c」及び画素「P11d」に対応する。また、図7Bにおいて、境界領域R2は、通常解像度画像I10の画素「P12」に対応するとともに、高解像度画像I20の画素「P12a」、画素「P12b」、画素「P12c」及び画素「P12d」に対応する。
図7Bに示すように、通常解像度画像I10の画素「P11」と、画素「P11」に対応する高解像度画像I20の画素「P11a」、画素「P11b」及び画素「P11d」とは、同じ色(画素値)を有する。なお、画素「P11」、画素「P11a」、画素「P11b」及び画素「P11d」のように、FOVの外側を表現する画素については、画素値を固定値(例えば、「−2048」)としてもよい。ここで、画素「P11」と、画素「P11a」、画素「P11b」及び画素「P11d」との間で差分処理を実行した場合、算出される差分画像I31の画素の画素値は「0」となり、「−64」〜「63」の範囲内となる。
一方で、図7Bに示すように、通常解像度画像I10の画素「P11」と、画素「P11」に対応する高解像度画像I20の画素「P11c」とは、異なる色(画素値)を有する。ここで、画素「P11」と画素「P11c」との間で差分処理を実行した場合、算出される差分画像I31の画素の画素値は、「−64」〜「63」の範囲外となる場合がある。
また、図7Bに示すように、通常解像度画像I10の画素「P12」と、画素「P12」に対応する高解像度画像I20の画素「P12a」、画素「P12b」及び画素「P12d」とは同程度の色(画素値)を有しているため、差分処理を実行した場合、算出される差分画像I31の画素の画素値は「0」、又は「0」に近い値となり、「−64」〜「63」の範囲内となる。一方で、図7Bに示すように、通常解像度画像I10の画素「P12」と、画素「P12」に対応する高解像度画像I20の画素「P12c」とは異なる画素値を有しているため、差分処理を実行した場合、算出される差分画像I31の画素の画素値は、「−64」〜「63」の範囲外となる場合がある。
画素値が「−64」〜「63」の範囲外となる画素については、図7Aに示した「1Byte」のデータサイズで表現することはできない。そこで、差分画像生成機能135cは、図7Cに示すように、差分画像I31の各画素について、「−64」〜「63」の範囲外となるか否かで場合分けを行うこととしてもよい。なお、図7Cは、差分画像I31のデータサイズについて説明するための図である。
例えば、図7Cに示す差分画像I31の画素「D13a」の画素値が「−64」以上且つ「63」以下である場合、差分画像生成機能135cは、画素「D13a」を「7bit」に収める。また、例えば、図7Cに示す差分画像I31の画素「D13a」の画素値が「−65」以下又は「64」以上である場合、差分画像生成機能135cは、画素「D13a」を「15bit」に収める。
ここで、画素「D13a」が境界に対応する場合等の限られた条件の下で、画素「D13a」の画素値が「−65」以下又は「64」以上となることはあるとしても、多くの場合、画素「D13a」の画素値は「−64」以上且つ「63」以下となる。即ち、差分画像I31の多くの画素は「1Byte」のデータサイズで表現することができ、「2Byte」のデータサイズを要するのは一部の画素に過ぎない。従って、図7Cに示す場合、差分画像I31のデータサイズは、高解像度画像I20のデータサイズの半分である「1MB」よりは大きくなるものの、「1MB」と同程度のデータサイズとなる。
なお、図7Cに示すように、画素値に応じて差分画像I31の各画素のデータサイズを決定することで、差分画像生成機能135cは、高解像度画像I20を可逆圧縮することができる。また、図7Aに示すように、差分画像I31の各画素のデータサイズを一定とする場合においても、画素値が「−65」以下又は「64」以上となる画素が無い場合には、差分画像生成機能135cは、高解像度画像I20を可逆圧縮することができる。
上述したように、差分画像生成機能135cは、高解像度画像I20よりも小さいデータサイズにおいて、差分画像I31を生成することができる。なお、差分画像生成機能135cは、差分画像I31について、ランレングス符号化やハフマン符号化などによる圧縮処理を行なってもよい。
また、差分画像生成機能135cは、差分画像I31を、通常解像度画像I10に付帯させることとしてもよい。即ち、生成された差分画像I31は、通常解像度画像I10とともに記憶回路23に記憶されたり、画像保管装置20に送信されたりするため、通常解像度画像I10に付帯させた状態にしておくことで管理が容易となる。
ここで、通常解像度画像I10に差分画像I31を付帯させる場合について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bは、第1の実施形態に係る通常解像度画像I10の付帯情報について説明するための図である。なお、図8A及び図8Bは、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20から差分画像I31を生成し、差分画像I31を通常解像度画像I10に付帯させるまでの一連のフローを示す。
まず、画像生成機能135bは、図8Aに示すように、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を生成する。ここで、通常解像度画像I10(ピクセルデータ)には付帯情報A10が付帯し、高解像度画像I20(ピクセルデータ)には付帯情報A20が付帯する。例えば、付帯情報A10及び付帯情報A20は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則ってピクセルデータに付帯する。付帯情報A10及び付帯情報A20には、例えば、画像の識別に用いるUID(unique identification)等の情報が含まれる。
次に、差分画像生成機能135cは図8Aに示すように、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31を生成し、生成した差分画像I31から差分情報I32を生成する。ここで、差分情報I32は、例えば、差分画像I31に対し、通常解像度画像I10の付帯情報に含ませるための形式的な変換処理を行った情報である。差分画像I31や差分情報I32は、差分画像に対応する情報I30の一例である。ここで、差分画像生成機能135cは、付帯情報A20に含まれていたUID等を、差分情報I32のヘッダーに入れることとしてもよい。
次に、差分画像生成機能135cは、差分情報I32を通常解像度画像I10に付帯させる。例えば、差分画像生成機能135cは、図8Bに示すように、付帯情報A10と差分情報I32とを併せて付帯情報A11を生成する。一例を挙げると、差分画像生成機能135cは、DICOM規格に則り、差分情報I32をプライベートタグとして付帯情報A10に追加することで、付帯情報A11を生成する。そして、差分画像生成機能135cは、付帯情報A11を通常解像度画像I10に付帯させた状態で、記憶回路134に記憶させる。
記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び付帯情報A11は、例えば、ディスプレイ132における表示に用いられる。また、例えば、通常解像度画像I10及び付帯情報A11は、X線CT装置100から画像保管装置20に送信され、ディスプレイ22における表示に用いられる。ここで、X線CT装置100や画像保管装置20においては、通常解像度画像I10及び付帯情報A11に基づいて、通常解像度及び高解像度での表示を行うことができる。以下、この点について、図9A及び図9Bを用いて説明する。図9A及び図9Bは、第1の実施形態に係る通常解像度画像I10及び付帯情報A11に基づく表示について説明するための図である。
図9A及び図9Bにおいては、一例として、通常解像度画像I10及び付帯情報A11がX線CT装置100から画像保管装置20に送信され、ディスプレイ22に表示される場合について説明する。また、図9A及び図9Bにおいては、一例として、通常解像度画像I10が「512×512」のピクセルデータであり、高解像度画像I20が「1024×1024」のピクセルデータである場合について説明する。また、以下では、通常解像度画像I10及び付帯情報A11からなるデータを、画像データI40とも記載する。画像データI40は、通常解像度画像I10や差分画像に対応する情報I30、UID等の情報を含む。
まず、通常解像度での表示について説明する。例えば、受付機能24aは、X線CT装置100から送信された画像データI40(通常解像度画像I10及び付帯情報A11)を受け付け、記憶回路23に記憶させる。次に、表示制御機能24cは、図9Aに示すように、記憶回路23に記憶された画像データI40を「512×512」で読み込み、通常解像度での表示を行う。
具体的には、表示制御機能24cは、図9Bに示すように、記憶回路23に記憶された画像データI40を読み込み、画像データI40に含まれる通常解像度画像I10について通常処理を行うことで、通常解像度画像I10をディスプレイ22に表示させる。ここで、通常処理とは、CT画像データの表示を行う際に通常行われる処理である。なお、表示制御機能24cは、通常解像度での表示を行う際には、通常解像度画像I10のみを読み込むこととしてもよい。即ち、表示制御機能24cは、付帯情報A11を用いることなく、通常解像度での表示を行うことができる。
次に、高解像度での表示について説明する。例えば、受付機能24aは、X線CT装置100から送信された画像データI40(通常解像度画像I10及び付帯情報A11)を受け付け、記憶回路23に記憶させる。次に、復元処理機能24bは、図9Aに示すように、記憶回路23に記憶された画像データI40を「1024×1024」で読み込み、高解像度画像I20を復元する。
例えば、復元処理機能24bは、図9Aに示すように、付帯情報A11から差分情報I32を抜き出して、通常解像度画像I10(ピクセルデータ)と差分情報I32とから、「1024×1024」の高解像度画像I20(ピクセルデータ)を復元する。ここで、復元処理機能24bは、差分情報I32のヘッダーとして含まれていた高解像度画像I20のUID等を、付帯情報A20として、復元した高解像度画像I20に付帯させることとしてもよい。
具体的には、復元処理機能24bは、図9Bに示すように、記憶回路23に記憶された画像データI40を読み込み、復元処理を行うことで、高解像度画像I20を復元する。
ここで、復元処理とは、高解像度画像I20を復元するための処理をいう。例えば、復元処理機能24bは、復元処理として、まず、差分情報I32を生成する際に差分画像I31に対して行った形式的な変換処理の逆の処理を差分情報I32に対して行うことで、差分情報I32から差分画像I31を生成する。次に、復元処理機能24bは、復元処理として、差分画像I31と通常解像度画像I10とで、対応する画素間の画素値についての差分を行う。例えば、図9Bに示す画素「P1」の画素値が「100」であり、画素「D1a」の画素値が「0」であり、画素「D1b」の画素値が「0」であり、画素「D1c」の画素値が「0」であり、画素「D1d」の画素値が「1」である場合、画素「P1a」の画素値は「100」となり、画素「P1b」の画素値は「100」となり、画素「P1c」の画素値は「100」となり、画素「P1d」の画素値は「99」となる。そして、表示制御機能24cは、復元された高解像度画像I20をディスプレイ22に表示させる。
上述したように、表示制御機能24cは、記憶回路23に記憶された通常解像度画像I10及び付帯情報A11に基づいて、通常解像度画像I10又は高解像度画像I20をディスプレイ22に表示させることができる。ここで、表示制御機能24cは、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を切り替えて表示する場合であってもよい。例えば、表示制御機能24cは、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の表示を、操作者が入力回路21を介して行う操作に基づいて切り替えることができる。一例を挙げると、画像保管装置20での読影においては通常解像度で表示を行なえば十分な場合があるため、表示制御機能24cは、まず、通常解像度画像I10を表示させる。ここで、操作者が高解像度での表示を要求する場合、表示制御機能24cは、高解像度画像I20を表示させることができる。なお、表示制御機能24cは、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を表示する場合であってもよい。
図9A及び図9Bにおいては、画像データI40に基づく表示がディスプレイ22において行われる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像データI40に基づく表示が、X線CT装置100のディスプレイ132やワークステーション30のディスプレイ32において行われる場合であってもよい。以下、画像データI40に基づく各装置での処理のバリエーションについて、図10A及び図10Bを用いて説明する。図10A及び図10Bは、第1の実施形態に係るユースケースの一例を説明するための図である。
例えば、X線CT装置100は、図10Aに示すように、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を収集し、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を記憶回路134に記憶させる。ここで、X線CT装置100は、記憶回路134に記憶された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を読み込むことができる。例えば、X線CT装置100は、高解像度画像I20を読み込み、ディスプレイ132において、高解像度での表示を行う。なお、X線CT装置100は、通常解像度画像I10を表示させることもできるし、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の双方を表示させることもできる。また、X線CT装置100は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20から差分画像I31を生成する。そして、X線CT装置100は、図10Aに示すように、通常解像度画像I10及び差分画像I31を含む画像データI40を、画像保管装置20に送信する。
図10Aに示すように、画像保管装置20は、画像データI40を受け付け、画像データI40を記憶回路23に記憶させる。ここで、画像保管装置20は、画像データI40に含まれる通常解像度画像I10を読み込み、ディスプレイ22において、通常解像度での表示を行うことができる。
また、図10Bに示すように、画像保管装置20は、画像データI40から高解像度画像I20を復元する。例えば、画像保管装置20は、通常解像度画像I10と差分画像I31との対応する画素間の差分処理を行うことにより、高解像度画像I20を復元する。ここで、画像保管装置20は、復元した高解像度画像I20を読み込み、ディスプレイ22において、高解像度での表示を行うこともできる。また、画像保管装置20は、通常解像度画像I10及び復元した高解像度画像I20をワークステーション30に送信する。
図10Bに示すように、ワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を画像保管装置20から受け付け、記憶回路31に記憶させる。ここで、ワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の少なくとも一つを読み込み、ディスプレイ32において、通常解像度での表示や高解像度での表示を行うことができる。また、ワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の少なくとも一つを読み込み、種々のアプリケーションによる処理を行うことができる。
次に、X線CT装置100による処理の手順の一例を、図11Aを用いて説明する。図11Aは、第1の実施形態に係るX線CT装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS101は、画像生成機能135bに対応するステップである。ステップS104は、差分画像生成機能135cに対応するステップである。ステップS102及びステップS103は、表示制御機能135dに対応するステップである。ステップS105は、送信機能135eに対応するステップである。
まず、処理回路135は、被検体Pについて収集した信号から生成したCT投影データについて再構成処理を行うことで、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を生成する(ステップS101)。ここで、処理回路135は、操作者から表示の要求を受け付けた場合(ステップS102肯定)、高解像度画像I20をディスプレイ132に表示させる(ステップS103)。高解像度画像I20の表示を行った後、または、操作者から表示の要求を受け付けなかった場合(ステップS102否定)、処理回路135は、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31を生成する(ステップS104)。そして、処理回路135は、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを画像保管装置20に送信し(ステップS105)、処理を終了する。
次に、画像保管装置20による処理の手順の一例を、図11Bを用いて説明する。図11Bは、第1の実施形態に係る画像保管装置20の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS201は、受付機能24aに対応するステップである。ステップS204は、復元処理機能24bに対応するステップである。ステップS202及びステップS203は、表示制御機能24cに対応するステップである。ステップS205は、送信機能24dに対応するステップである。
まず、処理回路24は、X線CT装置100から送信された通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを受け付ける(ステップS201)。ここで、処理回路24は、操作者から表示の要求を受け付けた場合(ステップS202肯定)、通常解像度画像I10をディスプレイ22に表示させる(ステップS203)。通常解像度画像I10の表示を行った後、または、操作者から表示の要求を受け付けなかった場合(ステップS202否定)、処理回路24は、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて、高解像度画像I20を復元する(ステップS204)。そして、処理回路24は、通常解像度画像I10と高解像度画像I20とをワークステーション30に送信し(ステップS205)、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態によれば、画像生成機能135bは、通常解像度画像I10と、通常解像度画像I10とスキャン位置及びスキャンタイミングが同一で、且つ、通常解像度画像I10よりも解像度が高い高解像度画像I20とを生成する。また、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31を生成する。また、記憶回路134は、通常解像度画像I10と、差分画像に対応する情報I30とを記憶する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置100は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のX線CT装置100における利用を可能としつつ、X線CT装置100において記憶するデータサイズを低減することができる。
また、第1の実施形態によれば、送信機能135eは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを、画像保管装置20等の外部装置に送信する。従って、第1の実施形態に係るX線CT装置100は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の外部装置における利用を可能としつつ、送信するデータサイズを低減し、送信時間を短縮することができる。
また、上述したように、第1の実施形態によれば、受付機能24aは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像に対応する情報I30、及び、通常解像度画像I10を受け付ける。また、復元処理機能24bは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。従って、第1の実施形態に係る画像保管装置20は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の画像保管装置20における利用を可能としつつ、画像保管装置20において記憶するデータサイズを低減することができる。
また、第1の実施形態によれば、送信機能24dは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20とを、ワークステーション30等の外部装置に送信する。従って、第1の実施形態に係る画像保管装置20は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の外部装置における利用を可能としつつ、画像保管装置20において記憶するデータサイズを低減することができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30に基づく高解像度画像I20の復元を、画像保管装置20が行う場合について説明した。これに対して、第2の実施形態では、高解像度画像I20の復元を、ワークステーション30が行う場合について説明する。即ち、第1の実施形態では、医用画像処理装置の例として画像保管装置20について説明したが、第2の実施形態では、医用画像処理装置の例としてワークステーション30について説明する。
第2の実施形態に係るX線CT装置100は、図2に示したX線CT装置100と同様の構成を有する。また、第2の実施形態に係る画像保管装置20は、図3に示した画像保管装置20と同様の構成を有し、復元処理機能24b、表示制御機能24c及び送信機能24dによる処理の一部が相違する。
また、図12を用いて、第2の実施形態に係るワークステーション30の一例について説明する。図12は、第2の実施形態に係るワークステーション30の一例を示すブロック図である。図12に示すように、ワークステーション30は、記憶回路31と、ディスプレイ32と、入力回路33と、処理回路34とを有する。
記憶回路31は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶回路31は、画像保管装置20から受け付けた通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30から復元した高解像度画像I20などを記憶する。
ディスプレイ32は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路34による制御の下、通常解像度画像I10や高解像度画像I20を操作者に提示したり、入力回路33を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUIを表示したりする。
入力回路33は、ワークステーション30の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路34に転送する。
処理回路34は、受付機能34a、復元処理機能34b、表示制御機能34c及び送信機能34dを実行することで、ワークステーション30全体の動作を制御する。例えば、処理回路34は、受付機能34aに対応するプログラムを記憶回路31から読み出して実行することにより、画像保管装置20から、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を受け付ける。また、例えば、処理回路34は、復元処理機能34bに対応するプログラムを記憶回路31から読み出して実行することにより、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とから、高解像度画像I20を復元する。また、例えば、処理回路34は、表示制御機能34cに対応するプログラムを記憶回路31から読み出して実行することにより、通常解像度画像I10や高解像度画像I20をディスプレイ32に表示させる。また、例えば、処理回路34は、送信機能34dに対応するプログラムを記憶回路31から読み出して実行することにより、通常解像度画像I10と高解像度画像I20とを、外部装置に送信する。ここで、ワークステーション30の外部装置とは、例えば、X線CT装置100や画像保管装置20などである。
図12に示すワークステーション30においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路31へ記憶されている。処理回路34は、記憶回路31からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路34は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図12においては単一の処理回路34にて、受付機能34a、復元処理機能34b、表示制御機能34c及び送信機能34dが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路34を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路に記憶されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを記憶させる代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
以上、第2の実施形態に係る医用画像処理システム1の構成について説明した。以下、第2の実施形態に係る医用画像処理システム1における処理について詳細に説明する。
まず、X線CT装置100は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を生成し、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20との差分画像I31を生成し、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを記憶回路134に記憶させる。また、X線CT装置100は、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを画像保管装置20に送信する。次に、画像保管装置20は、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30と受け付けて、記憶回路23に記憶させる。また、画像保管装置20は、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とをワークステーション30に送信する。
ワークステーション30における受付機能34aは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを受け付け、記憶回路31に記憶させる。また、復元処理機能34bは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。そして、表示制御機能34cは、通常解像度画像I10及び復元された高解像度画像I20の少なくとも一つをディスプレイ32に表示させる。
ここで、ワークステーション30における通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の表示の例について、図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態における通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の表示の一例を示す図である。なお、図13は、通常解像度画像I10及び差分画像I31を含む画像データI40が、被検体Pにおける位置ごとに生成された場合を示す。
例えば、まず、画像生成機能135bは、通常解像度に対応する再構成関数を用いた再構成処理によるCT画像データC1と、高解像度に対応する再構成関数を用いた再構成処理によるCT画像データC2とを生成する。ここで、CT画像データC1における複数のスライスを、それぞれ、通常解像度画像I10a、通常解像度画像I10b、通常解像度画像I10c・・・とする。言い換えると、X線CT装置100は、被検体Pにおける位置ごとに通常解像度画像I10を生成する。また、CT画像データC2における複数のスライスを、それぞれ、高解像度画像I20a、高解像度画像I20b、高解像度画像I20c・・・とする。言い換えると、X線CT装置100は、被検体Pにおける位置ごとに高解像度画像I20を生成する。
次に、差分画像生成機能135cは、被検体Pにおける位置ごとに、差分画像I31を生成する。例えば、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10aと高解像度画像I20aとの差分画像I31a、通常解像度画像I10bと高解像度画像I20bとの差分画像I31b、通常解像度画像I10cと高解像度画像I20cとの差分画像I31cなどを生成する。また、送信機能135eは、通常解像度画像I10aと差分画像I31aとを含む画像データI40a、通常解像度画像I10bと差分画像I31bとを含む画像データI40b、通常解像度画像I10cと差分画像I31cとを含む画像データI40cなどを、画像保管装置20に送信する。画像保管装置20は、画像データI40a、画像データI40b、画像データI40cなどを受け付け、ワークステーション30に送信する。
受付機能34aは、画像データI40a、画像データI40b、画像データI40cなどを受け付ける。即ち、受付機能34aは、被検体Pにおける位置ごとに生成された複数の通常解像度画像I10、及び、複数の通常解像度画像I10ごとの差分画像I31を受け付ける。次に、表示制御機能34cは、図13に示すように、画像データI40a、画像データI40b、画像データI40cなどに基づいて、被検体Pにおける位置ごとに、通常解像度での表示を行う。
ここで、復元処理機能34bは、通常解像度で表示された複数の通常解像度画像I10を参照した操作者から、関心領域を含む通常解像度画像I10(フレーム)の選択を受け付ける。なお、関心領域とは、例えば、検査の対象となっている臓器や、病変が疑われる部位など、操作者が関心を有する領域である。関心領域を含む通常解像度画像I10が選択された場合、復元処理機能34bは、選択された通常解像度画像I10と、対応する差分画像I31とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。例えば、復元処理機能34bは、図13に示すように、関心領域を含む3つの通常解像度画像I10に基づいて、3つの高解像度画像I20を復元する。そして、表示制御機能34cは、復元された高解像度画像I20を、ディスプレイ32に表示させる。
次に、ワークステーション30における表示の別の例について説明する。具体的には、ディスプレイ32の解像度及び表示レイアウトの少なくとも一つに応じて、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれか一方をディスプレイ32に表示させる場合について説明する。
まず、表示レイアウトが全画面表示である場合について説明する。この場合、表示制御機能34cは、ディスプレイ32の解像度に応じて、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれか一方をディスプレイ32に表示させる。例えば、表示制御機能34cは、ディスプレイ32の解像度と、高解像度画像I20の解像度とを比較することにより、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれを表示するかを決定する。
例えば、高解像度画像I20が有する画素数が「1024×1024」であり、ディスプレイ32が有する画素数が「1024×1024」である場合、ディスプレイ32は、高解像度画像I20を高解像度で表示することができる。この場合、表示制御機能34cは、高解像度画像I20を表示することを決定する。そして、復元処理機能34bは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて高解像度画像I20を復元し、表示制御機能34cは、復元された高解像度画像I20をディスプレイ32に表示させる。
一方で、高解像度画像I20が有する画素数が「1024×1024」であり、ディスプレイ32が有する画素数が「512×512」である場合、ディスプレイ32は、高解像度画像I20を高解像度で表示することができない。即ち、この場合、高解像度画像I20を表示させても、「512×512」の通常解像度で表示が行われることとなる。従って、表示制御機能34cは、通常解像度画像I10を表示することを決定し、通常解像度画像I10をディスプレイ32に表示させる。
次に、表示レイアウトに応じて通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれを表示するかを決定する場合について、図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態における通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の表示の一例を示す図である。なお、図14においては、ディスプレイ32が有する画素数が「1024×1024」である場合について説明する。また、図14は、図13における場合と同様に、受付機能34aが複数の画像データI40を受け付けた場合を示すが、受付機能34aが受け付ける画像データI40は1つでもよい。
例えば、表示レイアウトが全画面表示である場合、「1024×1024」のディスプレイ32は、「1024×1024」の高解像度画像I20を高解像度で表示することができる。この場合、表示制御機能34cは、高解像度画像I20を表示することを決定する。そして、復元処理機能34bは高解像度画像I20を復元し、表示制御機能34cは、図14に示すように、復元された高解像度画像I20をディスプレイ32に表示させる。
一方で、例えば、ディスプレイ32における1/4の領域を用いた表示(2×2レイアウト)を行う場合、表示領域の画素数は「512×512」であるので、高解像度画像I20を高解像度で表示することができない。即ち、この場合、高解像度画像I20を表示させても通常解像度で表示されることとなるため、表示制御機能34cは、通常解像度画像I10を表示することを決定する。そして、表示制御機能34cは、図14に示すように、通常解像度画像I10を、通常解像度でディスプレイ32に表示させる。
なお、復元処理機能34bが復元した通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、ワークステーション30において、表示に限らず、種々の処理に用いることができる。例えば、復元された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、図5に示したアプリケーションA1やアプリケーションA2等による処理を受ける。また、例えば、復元された通常解像度画像I10及び高解像度画像I20は、送信機能34dにより、X線CT装置100や画像保管装置20などの外部装置に送信される。
上述したように、第2の実施形態によれば、受付機能34aは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像に対応する情報I30、及び、通常解像度画像I10を受け付ける。また、復元処理機能34bは、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。従って、第2の実施形態に係るワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のワークステーション30における利用を可能としつつ、外部装置やワークステーション30において記憶するデータサイズを低減することができる。また、第2の実施形態に係るワークステーション30は、外部装置がワークステーション30に送信するデータサイズを低減し、送信時間を短縮することができる。
また、第2の実施形態によれば、送信機能34dは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20とを、X線CT装置100や画像保管装置20等の外部装置に送信する。従って、第2の実施形態に係るワークステーション30は、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20の外部装置における利用を可能としつつ、ワークステーション30において記憶するデータサイズを低減することができる。
また、第2の実施形態によれば、受付機能34aは、被検体Pにおける位置ごとに生成された複数の通常解像度画像I10、及び、複数の通常解像度画像I10ごとの差分画像に対応する情報I30を受け付ける。また、復元処理機能34bは、複数の通常解像度画像I10のうち関心領域を含む通常解像度画像I10と、対応する差分画像に対応する情報I30とに基づいて高解像度画像I20を復元する。また、表示制御機能34cは、復元された高解像度画像I20をディスプレイ32に表示させる。従って、第2の実施形態に係るワークステーション30は、複数のスライスについての表示を行う際に、操作者が関心を有するスライスを高解像度で表示し、他のスライスについては通常解像度で簡便に表示することができる。
また、第2の実施形態によれば、表示制御機能34cは、ディスプレイ32の解像度及び表示レイアウトの少なくとも一つに応じて、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれか一方をディスプレイ32に表示させる。従って、第2の実施形態に係るワークステーション30は、高解像度画像I20を表示できる場合には高解像度での表示を行い、他の場合には、通常解像度画像I10を通常解像度で簡便に表示することができる。
なお、第2の実施形態では、ワークステーション30において、被検体Pの関心領域を含む高解像度画像I20の表示を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、X線CT装置100や画像保管装置20において、被検体Pの関心領域を含む高解像度画像I20の表示が行われる場合であってもよい。
一例を挙げると、まず、画像保管装置20における受付機能24aは、被検体Pにおける位置ごとに生成された複数の通常解像度画像I10、及び、複数の通常解像度画像I10ごとの差分画像に対応する情報I30を受け付ける。また、復元処理機能24bは、複数の通常解像度画像I10のうち関心領域を含む通常解像度画像I10と、対応する差分画像に対応する情報I30とに基づいて高解像度画像I20を復元する。そして、表示制御機能24cは、被検体Pの関心領域を含む高解像度画像I20を、ディスプレイ22に表示させることができる。
また、第2の実施形態では、ワークステーション30において、ディスプレイ32の解像度及び表示レイアウトの少なくとも一つに応じた表示を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線CT装置100や画像保管装置20において、ディスプレイの解像度及び表示レイアウトの少なくとも一つに応じた表示を行う場合であってもよい。一例を挙げると、画像保管装置20における表示制御機能24cは、ディスプレイ22の解像度及び表示レイアウトの少なくとも一つに応じて、通常解像度画像I10及び高解像度画像I20のいずれか一方をディスプレイ22に表示させることができる。
また、第2の実施形態では、画像保管装置20における処理回路24が、受付機能24a、復元処理機能24b、表示制御機能24c及び送信機能24dを有する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、処理回路24は、受付機能24a、復元処理機能24b、表示制御機能24c及び送信機能24dの一部又は全部を有しない場合であってもよい。例えば、処理回路24が復元処理機能24bを有しないこととし、画像保管装置20においては、通常解像度画像I10の表示のみを行う場合であってもよい。
また、第2の実施形態では、受付機能34aが、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を、画像保管装置20から受け付ける場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、受付機能34aは、通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を、X線CT装置100から受け付ける場合であってもよい。この場合、処理回路24は、受付機能24aや送信機能24dを有しないこととしてもよい。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1〜第2の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、X線CT装置100が通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30を送信した後、画像保管装置20又はワークステーション30が高解像度画像I20を復元する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、図15に示すように、画像保管装置20がX線CT装置100に画像データI40を送信し、X線CT装置100が、受け付けた画像データI40に含まれる通常解像度画像I10及び差分画像に対応する情報I30に基づいて、高解像度画像I20を復元する場合であってもよい。なお、図15は、第3の実施形態に係るユースケースの一例を説明するための図である。
例えば、図15のX線CT装置100は、操作者からの指示に応じて通常解像度画像I10や高解像度画像I20を読み込む場合、画像保管装置20から画像データI40を受け付け、通常解像度画像I10や復元した高解像度画像I20を読み込むことができる。従って、図15のX線CT装置100は、通常解像度画像I10や高解像度画像I20、差分画像に対応する情報I30を記憶しないこととしても通常解像度画像I10及び高解像度画像I20を利用することができ、X線CT装置100において記憶するデータサイズを更に低減することができる。
なお、図15においては、X線CT装置100が画像データI40を受け付ける場合について説明したが、X線CT装置100以外のモダリティが画像データI40を受け付ける場合であってもよい。例えば、画像保管装置20は、画像データI40を生成したX線CT装置100とは異なるX線CT装置に対して、画像データI40を送信する。そして、画像データI40を受け付けたX線CT装置は、画像データI40に含まれる通常解像度画像I10や、復元した高解像度画像I20を読み込むことができる。
また、上述した実施形態では、通常解像度画像I10の画素数が「512×512」であり、高解像度画像I20の画素数が「1024×1024」である場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像生成機能135bは、画素数が「512×512」である通常解像度画像I10と、画素数が「2048×2048」である高解像度画像I21とを生成する場合であってもよい。この場合、差分画像生成機能135cは、図16に示すように、通常解像度画像I10における1つの画素と、この画素に対応する高解像度画像I21の「4×4」の16の画素とを差分することで、差分画像I33の16の画素を生成する。なお、差分画像I33は、差分画像に対応する情報I30の一例である。また、図16は、第3の実施形態に係る差分画像に対応する情報I30について説明するための図である。差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10における各画素について、高解像度画像I21において対応する画素との差分処理を実行することで、「2048×2048」の画素数を有する差分画像I33を生成することができる。
例えば、通常解像度画像I10及び高解像度画像I21の各画素における画素値が「4096階調」であり、各画素が「2Byte」のデータサイズを有する場合において、通常解像度画像I10のデータサイズを「0.5MB」とすると、高解像度画像I21のデータサイズは「8MB」となる。ここで、図7Aに示したように、差分画像I33における各画素を「128階調(7bit)」で表現し、差分画像I33の各画素のデータサイズが「1Byte」となっている場合、差分画像I33のデータサイズは、高解像度画像I21のデータサイズの半分である「4MB」となる。この場合、通常解像度画像I10及び差分画像I33のデータサイズの合計は「4.5MB」であるので、通常解像度画像I10及び高解像度画像I21のデータサイズの合計「8.5MB」を基準とすると、圧縮率は約「53%」となる。
また、上述した実施形態では、通常解像度画像及び高解像度画像を生成する場合について説明した。即ち、上述した実施形態では、スキャン位置及びスキャンタイミングが同一であって解像度が異なる医用画像を、2つ生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像生成機能135bは、スキャン位置及びスキャンタイミングが同一であって解像度が異なる医用画像を、3つ以上生成する場合であってもよい。
例えば、画像生成機能135bは、画素数が「512×512」である通常解像度画像I10と、画素数が「1024×1024」である高解像度画像I20と、画素数が「2048×2048」である高解像度画像I21とを生成する。次に、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20と高解像度画像I21とに基づいて、差分画像に対応する情報I30を生成する。
一例を挙げると、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31、及び、高解像度画像I20と高解像度画像I21との差分画像I34を生成する。なお、差分画像I34は、差分画像に対応する情報I30の一例である。また、送信機能135eは、通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I34とを外部装置に送信する。通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I34とを受け付けた画像保管装置20やワークステーション30は、通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I34とを用いて復元処理を行う。一例を挙げると、復元処理機能24bは、通常解像度画像I10と差分画像I31とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。また、復元処理機能24bは、復元した高解像度画像I20と差分画像I34とに基づいて、高解像度画像I21を復元する。
別の例を挙げると、差分画像生成機能135cは、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31、及び、通常解像度画像I10と高解像度画像I21との差分画像I33を生成する。また、送信機能135eは、通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I33とを外部装置に送信する。通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I33とを受け付けた画像保管装置20やワークステーション30は、通常解像度画像I10と差分画像I31と差分画像I33とを用いて復元処理を行う。一例を挙げると、復元処理機能24bは、通常解像度画像I10と差分画像I31とに基づいて、高解像度画像I20を復元する。また、復元処理機能24bは、通常解像度画像I10と差分画像I33とに基づいて、高解像度画像I21を復元する。
また、上述した実施形態では、X線CT装置100において、通常解像度画像I10と差分画像に対応する情報I30とを記憶回路134に記憶し、外部装置に送信する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、通常解像度画像I10と高解像度画像I20との差分画像I31を生成した場合において、X線CT装置100は、高解像度画像I20と差分画像I31とを記憶回路134に記憶し、外部装置に送信する場合であってもよい。
高解像度画像I20と差分画像I31とを受け付けた画像保管装置20やワークステーション30は、高解像度画像I20と差分画像I31とを用いて、通常解像度画像I10の復元処理を行う。一例を挙げると、復元処理機能24bは、高解像度画像I20と差分画像I31との間で対応する画素間の加算処理を行うことで、通常解像度画像I10を復元する。
即ち、差分画像に対応する情報I30と共に記憶されたり送信されたりする医用画像は、差分画像に対応する情報I30の生成に用いた複数の医用画像のうち、いずれであってもよい。なお、差分画像に対応する情報I30の生成に用いた複数の医用画像のうち、差分画像に対応する情報I30と共に記憶されたり送信されたりする医用画像については、第1の医用画像とも記載する。また、差分画像に対応する情報I30の生成に用いた複数の医用画像のうち、第1の医用画像以外の医用画像については、第2の医用画像とも記載する。例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態においては、通常解像度画像I10が第1の医用画像であり、高解像度画像I20が第2の医用画像である。
第1〜第3の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、第1〜第3の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、解像度が異なる複数の医用画像の利用を可能としつつ、データサイズを低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。