JP2018195563A - イオン発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電電極と基準電極の間にコロナ放電を安定的に発生させるとともに、放電電極に生じるアーク放電を防止できるようにする。【解決手段】基準電極30と、基準電極30と離れて配置された放電電極10と、放電電極10と基準電極30との間に、放電電極10にコロナ放電を発生させる電圧を出力する電源40を備える。さらに、基準電極30と離れて配置されたアーク用電極20を備え、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせる。【選択図】図1

Description

本発明は、コロナ放電を誘起させることによりイオンを発生させるイオン発生装置に関するものである。
従来、放電電極と対向電極を有する放電部に電源部から電圧を印加して放電回路を形成してコロナ放電させることによりイオンを発生させる放電ユニットがある。また、このような放電ユニットとして、針状の放電電極と平板状の対向電極を有し、放電回路内に抵抗体を直列に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。この放電ユニットは、放電回路内に直列に配置された抵抗体により放電回路に流れる電流が抑制され、放電のスパークを抑制することができる。
特開2014−121424号公報
しかし、上記特許文献1に記載された放電ユニットのように、放電回路内に直列に抵抗体を配置する構成とした場合でも、例えば、高湿度環境となった場合や放電電極と対向電極の距離が短くなった場合など、アーク放電が発生しやすい環境下になると、コロナ放電からアーク放電に移行してしまう。
このように、コロナ放電からアーク放電に移行すると、放電電極や対向電極が損傷を受け、場合によってはコロナ放電を発生させることができなくなり、イオンを生成することができなくなってしまうといった問題がある。
そこで、放電回路内に配置する抵抗体の抵抗値をさらに大きくして放電回路内を流れる電流を制限することが考えられる。しかし、放電回路内に配置する抵抗体の抵抗値を大きくすると、コロナ放電させるのに必要な電流を確保することができなくなり、十分なイオンを発生できなくなってしまうといった問題が生じる。
本発明は上記問題に鑑みたもので、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を安定的に発生させるとともに、放電電極に生じるアーク放電を防止できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、基準電極(30)と、基準電極と離れて配置された放電電極(10)と、放電電極と基準電極との間に、放電電極にコロナ放電を発生させる電圧を出力する電源(40)と、を備え、放電電極にコロナ放電を発生させることによりイオンを生じさせるイオン発生装置であって、基準電極と離れて配置されたアーク用電極(20)を備え、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせる。
このような構成によれば、基準電極と離れて配置されたアーク用電極(20)を備え、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電が生じさせるよう構成されているので、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を安定的に発生させるとともに、放電電極に生じるアーク放電を防止することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 放電電極と第1基準電極との距離およびアーク用電極と第2基準電極との距離を示した図である。 本発明の第2実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る制御部のフローチャートである。 本発明の第7実施形態に係る制御部のフローチャートである。 本発明の第8実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第8実施形態に係る制御部のフローチャートである。 本発明の第9実施形態に係る制御部のフローチャートである。 本発明の第10、11実施形態に係る制御部のフローチャートである。 本発明の第12実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第13実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第14実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第15実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第15実施形態に係るイオン発生装置の各電極の形状を表した図である。 本発明の第16実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第16実施形態に係るイオン発生装置の制御部のフローチャートである。 本発明の第16実施形態に係るイオン発生装置の概略構成図である。 本発明の第17実施形態に係るイオン発生装置の電源電圧、アーク用電極スイッチの状態、電流計測値およびアークの有無を表した図である。 本発明の第17実施形態に係るイオン発生装置の制御部のフローチャートである。 本発明の第17実施形態に係るイオン発生装置の検査対象、スイッチのお状態および電流計測値を表した図である。 本発明の第18実施形態に係るイオン発生装置の各電極の形状を表した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るイオン発生装置について図1〜図2を用いて説明する。本イオン発生装置は、快適性向上のため、例えば、車両の乗員の顔に向けてイオンを含む風を噴射するイオン風送出装置に用いられる。イオン発生装置は、放電電極10、アーク用電極20、基準電極30および電源40を備えている。なお、基準電極30は、第1基準電極31および第2基準電極32を有している。
放電電極10は、基準電極31との間にコロナ放電を発生させるための電極であり、基準電極31と離れて配置されている。放電電極10は、針状を成しており、その先端部10aが、基準電極31側を向くように配置されている。放電電極10は、その先端部10aと基準電極31との最短距離が所定距離D1となるよう配置されている。
アーク用電極20は、基準電極32との間にアーク放電を発生させるための電極であり、基準電極32と離れて配置されている。アーク用電極20は、基準電極30に対し、放電電極10と並んで配置されている。アーク用電極20は、針状を成しており、その先端部20aが、基準電極32側を向くように配置されている。
アーク用電極20は、その先端部20aと基準電極32との最短距離が所定距離D1より短い所定距離D2となるよう配置されている。アーク用電極20と放電電極10は、接続線2を介して電源40の負極端子に接続されている。
本実施形態の放電電極10とアーク用電極20は同じ形状をしている。すなわち、放電電極10の先端部10aとアーク用電極20の先端部20aの角度は同じとなっている。
基準電極31、32は、それぞれ板状を成しており、接続線3を介して電源40の正極端子に接続されている。基準電極31、32は、平行に並んで配置されている。第1基準電極31は、放電電極10に対応するよう配置され、基準電極32は、アーク用電極20に対応するよう配置されている。なお、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32は、それぞれ図示しない支持部材に固定されている。
電源40は、正極端子と負極端子から所定電圧を出力する。電源40は、6kV程度以下の直流電圧を出力することが可能となっている。また、電源40は、図示しない操作部の操作および外部から入力される制御信号に応じて出力電圧を変更することが可能となっている。本実施形態の電源40は、放電電極10にコロナ放電を発生させる所定電圧(例えば、−5kV)を出力する。
次に、放電について説明する。放電は、電極間にかかる電位差によって、電極間に存在する気体に絶縁破壊が生じ電子が放出され、電流が流れる現象である。コロナ放電は、針状の電極の周りに不均一な電界が生じることにより持続的に発生する放電である。アーク放電は、熱電子放出を主とした放電であり、強い光放射を伴う。
本イオン発生装置は、放電電極10にコロナ放電を生じさせることによりイオンを誘起させる。しかし、高湿度環境となった場合や、放電電極10に異物が付着して放電電極10と基準電極31の距離が短くなった場合など、放電回路に流れる電流が増大すると、コロナ放電からアーク放電に移行してしまう。ひとたび放電電極10にアーク放電が発生すると、放電電極10や基準電極31が損傷を受け、場合によってはコロナ放電させてイオンを発生させることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態のイオン発生装置は、放電電極10と並んで配置されたアーク用電極20を備え、放電電極10より優先してアーク用電極20にアーク放電を発生させることにより放電電極10に生じるアーク放電を回避する。
次に、本イオン発生装置の作動について説明する。
電源40から所定の出力電圧(例えば、−5kV)が出力されると、放電電極10と基準電極31との間およびアーク用電極20と基準電極32との間に、それぞれ電源40の出力電圧が印加される。これにより、放電電極10の先端部10aの近傍に強電界が生じ、放電電極10の周囲にコロナ放電が発生する。同様に、アーク用電極20と基準電極32の間にもコロナ放電が発生する。
そして、コロナ放電の発生により放電電極10の周囲の空気が電離して空気イオンが発生する。具体的には、放電電極10およびアーク用電極20の周囲の気体の一部が電離して正負のイオンが生成される。
本イオン発生装置のように、放電電極10が陰極となっている場合、負のイオンが放電電極10と基準電極31の間に形成される電界によって基準電極31側に移動する。その過程で周囲の中性空気分子を巻き込み、イオン風を発生させる。
ここで、アーク用電極20と基準電極32との間の電圧は、放電電極10と基準電極31との間の所定電圧と同じとなっており、アーク用電極20と基準電極32との距離D2は、放電電極10と基準電極31との距離D1よりも短く構成されている。
つまり、アーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路のインピーダンスの方が、放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路のインピーダンスよりも低インピーダンスとなるため、アーク用電極20の方が放電電極10よりもアーク放電が生じやすくなっている。すなわち、アーク用電極20は、放電電極10に対し、電極間のインピーダンス等により定まるアーク耐圧が低く設定され、アーク放電が生じやすくなっている。
このため、例えば、高湿度環境となった場合や異物の付着等により放電電極10と基準電極31との距離が短くなった場合など、アーク放電が発生しやすい環境になると、放電電極10にアーク放電が生じる前に、アーク用電極20にアーク放電が生じる。したがって、放電電極10のアーク放電が回避される。
なお、アーク用電極20にアーク放電が生じている期間中、アーク用電極20と基準電極32との間に大電流が流れるため、放電電極10と基準電極31との間でコロナ放電が行われなくなるが、アーク用電極20におけるアーク放電が終了すると、放電電極10と基準電極31との間でコロナ放電が再開され、イオン放出が行われる。
上述したように、本イオン発生装置は、基準電極30と、基準電極30と離れて配置された放電電極10と、放電電極10と基準電極30との間に、放電電極10にコロナ放電を発生させる電圧を出力する電源40と、を備えている。そして、放電電極10にコロナ放電を発生させることによりイオンを生じさせる。本イオン発生装置は、さらに基準電極30と離れて配置されたアーク用電極20を備え、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせる。
このような構成によれば、基準電極30と離れて配置されたアーク用電極20を備え、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電が生じるので、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を安定的に発生させるとともに、放電電極に生じるアーク放電を防止することができる。
また、本イオン発生装置では、電源40は、放電電極10と基準電極31との間に加え、アーク用電極20と基準電極32との間に所定電圧を出力する。そして、アーク用電極20と基準電極32との距離が、放電電極10と基準電極31との距離よりも短く構成される。
これにより、アーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路のインピーダンスの方が、放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路のインピーダンスよりも低インピーダンスとなるため、アーク用電極20の方が放電電極10よりもアーク放電が生じやすくなり、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るイオン発生装置について図3を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置は、上記第1実施形態のイオン風送出装置と比較して、さらに、アーク用電極20と基準電極31との距離を調整する距離調整機構50を有している点が異なる。
距離調整機構50は、アーク用電極20の位置を調整する。距離調整機構50は、アーク用電極20を軸方向に摺動可能に支持する不図示の筒状部材を有している。作業者は、この筒状部材に支持されたアーク用電極20を、その軸方向に摺動させて、アーク用電極20の位置を基準電極32に近づけたり遠ざけたりすることが可能となっている。
このように、本実施形態のイオン発生装置は、アーク用電極20と基準電極31との距離を調整する距離調整機構50を有しているので、アーク用電極20と基準電極32との距離D2を容易に調整することができ、アーク用電極20にアーク放電を発生させる条件を容易に変更することができる。例えば、アーク用電極20の先端部20aがアーク放電により摩耗した場合には、アーク用電極20の先端部20aを基準電極32に容易に近づけて放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電が生じるように調整することができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るイオン発生装置について図4を用いて説明する。上記第2実施形態のイオン発生装置は、アーク用電極20の位置を調整する距離調整機構50を備えているが、本実施形態のイオン発生装置は、距離調整機構50に代えて、基準電極32の位置を調整する距離調整機構51を備えている。
距離調整機構51は、基準電極32の位置を調整する。具体的には、距離調整機構51は、基準電極32をアーク用電極20の軸方向に移動可能に支持する不図示の支持部材により構成されている。この支持部材は、基準電極32を挟持するよう構成されている。
作業者は、この支持部材に支持された基準電極32を、アーク用電極20の軸方向に摺動させて、アーク用電極20の位置を基準電極32に近づけたり遠ざけたりすることが可能となっている。
このように、本実施形態のイオン発生装置は、アーク用電極20と基準電極31との距離を調整する距離調整機構51を有しているので、アーク用電極20と基準電極32との距離D2を容易に調整することができ、アーク用電極20にアーク放電を発生させる条件を容易に変更することができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係るイオン発生装置について図5を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置は、上記第1実施形態のイオン風送出装置と比較して、さらに、放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路に、放電電極10に流れる電流を抑制する第1抵抗体61を配置するとともに、アーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路に、アーク用電極20に流れる電流を抑制する第2抵抗体62を備えている。また、本実施形態のイオン発生装置は、放電電極10と第1基準電極31との距離D1が、アーク用電極20と基準電極32との距離D2と等しくなっている。
第1抵抗体61は、電源40の負極端子と放電電極10との間に配置されている。また、第2抵抗体62は、電源40の負極端子とアーク用電極20との間に配置されている。
また、放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路に印加される電圧は、アーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路に印加される電圧と同じとなっている。
本実施形態の第2抵抗体62の抵抗値は、第1抵抗体61よりも小さく構成されており、アーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路のインピーダンスの方が、放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路のインピーダンスよりも低インピーダンスとなっている。このため、アーク用電極20の方が放電電極10よりもアーク放電が生じやすくなっている。すなわち、アーク用電極20は、放電電極10に対し、電極間のインピーダンス等により定まるアーク耐圧が低く設定され、アーク放電が生じやすくなっている。
このように、本実施形態では、第2抵抗体62の抵抗値が、第1抵抗体61よりも小さく構成されることにより、放電電極10より優先してアーク用電極20にアーク放電が発生するよう構成されている。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置について図6を用いて説明する。上記第4実施形態のイオン発生装置は、第2抵抗体62が固定抵抗となっているのに対し、本実施形態のイオン発生装置の構成は、第2抵抗体62が可変抵抗となっている点が異なる。
第2抵抗体62は、不図示のツマミを有しており、このツマミを回転させることにより、その抵抗値が変化する。
したがって、例えば、アーク用電極20の先端部20aがアーク放電により摩耗した場合には、作業者は容易に第2抵抗体62の抵抗値を変化させることができ、アーク用電極20にアーク放電を発生させる条件を容易に変更することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態に係るイオン発生装置について図7〜図8を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置は、上記第1実施形態のイオン発生装置に対し、さらに、電流測定部71、制御部72および距離調整機構70を備えている。
電流測定部71は、アーク用電極20に流れる電流を計測し、測定した電流に応じた信号を制御部72に出力する。電流測定部71は、ロゴスキーコイル方式電流センサ、ホール素子方式電流センサ等を用いて構成することができる。
制御部72は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。なお、制御部72のフラッシュメモリは、記憶部に相当する。
距離調整機構70は、アーク用電極20と基準電極32との間の距離を調整するものである。本実施形態の距離調整機構70は、アーク用電極20を支持するシャフトと、このシャフトをその軸方向に摺動可能に支持する不図示の筒状部材と、シャフトの側面に形成されたラックと噛み合うピニオンと、このピニオンを回転駆動する電動アクチュエータ(いずれも図示せず)を有している。制御部72により電動アクチュエータが駆動されると、ピニオンが回転してシャフトがその軸方向に移動する。
本実施形態のイオン発生装置の制御部72は、イオン発生装置が動作状態になると、電流測定部71より出力される信号に基づいてアーク用電極20に流れる電流を一定期間Δt毎に特定する電流特定処理を実施する。さらに、制御部72は、この電流特定処理と並行して、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定し、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、アーク用電極20と基準電極32との距離をより長くするよう距離調整機構70を制御する処理を実施する。
図8に、この処理のフローチャートを示す。制御部72は、定期的に図8に示す処理を実施する。なお、各図面のフローチャートにおける各制御ステップは、制御部72が有する各種の機能実現手段を構成している。なお、この処理の開始時において、距離調整機構70は、アーク用電極20と基準電極32との距離が、放電電極10と基準電極31との距離よりも短くなるよう設定されている。
まず、制御部72は、S100にて、アーク用電極20に流れる電流の積算値を特定する。具体的には、電流特定処理により特定されたアーク用電極20に流れる電流に対し、アーク用電極20に電流が流れた期間Δtを積算してアーク用電極20に流れる電流の積算値を特定する。
次に、S102にて、アーク用電極20に流れる電流の積算値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。ここで、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値未満となっている場合には、本処理を終了する。
また、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上となった場合には、S104にて、アーク用電極20と基準電極32間の距離を調整する。具体的には、アーク用電極20と基準電極32との距離をより短くするよう距離調整機構70を制御する。すなわち、アーク用電極20と基準電極32との距離がより短くなるように距離調整機構70の電動アクチュエータを制御する。次に、S106にて、電流積算値をリセットし、本処理を終了する。
上記したように、本イオン発生装置は、アーク用電極20に流れる電流を測定する電流測定部71を備えている。さらに、本イオン発生装置は、電流測定部71の測定結果に基づいてアーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定し(S100)、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、アーク用電極20と基準電極32との距離をより短くするよう距離調整機構70を制御する(S104)。
したがって、例えば、長期的な使用により、アーク用電極20の先端部20aが摩耗してアーク用電極20と基準電極32との距離がより長くなった場合でも、アーク用電極20と基準電極32との距離がより短くなるよう制御されるので、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態に係るイオン発生装置について図9を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置の構成は、図7に示した上記第6実施形態のものと同じである。本実施形態のイオン発生装置は、上記第6実施形態のイオン発生装置と比較して制御部72の処理が異なる。
本実施形態のイオン発生装置の制御部72は、アーク用電極20に流れる電流に基づいてアーク用電極20にアーク放電が生じたか否かを判定し、アーク用電極20にアーク放電が生じたと判定された場合、アーク用電極20と基準電極32との距離をより短くする処理を実施する。図9は、本実施形態の制御部72のフローチャートである。制御部72は、イオン発生装置が動作状態になると、図8に示す処理を実施する。
まず、制御部72は、S200にて、アーク用電極20と基準電極32間の電圧Xを特定する。アーク用電極20と基準電極32間の電圧Xは、電源40に出力した制御信号に基づいて特定することができる。
次に、S202にて、アーク用電極20に流れている電流を特定する。アーク用電極20に流れている電流は、電流測定部71より出力される信号に基づいて特定することができる。
次に、アーク用電極20に流れている電流が予め定められている閾値以上であるか否かに基づいてアーク用電極20にアーク放電が生じたか否かを判定する。ここで、アーク用電極20に流れている電流が予め定められている閾値未満となっている場合には、本処理を終了する。
また、アーク用電極20にアーク放電が生じ、アーク用電極20に大電流が流れ、アーク用電極20に流れている電流が予め定められている閾値以上になると、S204にて、アーク用電極20にアーク放電が生じたと判定され、S206にて、アーク用電極20と基準電極32間の距離を調整する。具体的には、アーク用電極20と基準電極32との距離をより長くするよう距離調整機構70を制御する。すなわち、アーク用電極20と基準電極32との距離がより長くなるように距離調整機構70の電動アクチュエータを制御し、本処理を終了する。
したがって、例えば、イオン発生装置の周囲の湿度が高湿度となり、アーク用電極20にアーク放電が頻繁に発生するような状況となった場合でも、アーク用電極20と基準電極32との距離がより長くなるよう制御されるので、アーク用電極20と基準電極32との距離を、イオン発生装置の周囲の湿度に適した距離に変更することが可能である。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態に係るイオン発生装置について図10〜図11を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置の構成は、図7に示した第6実施形態のイオン発生装置と比較して、距離調整機構70に代えて、可変抵抗により構成された第2抵抗体62aを備えた点が異なる。本実施形態のイオン発生装置の制御部72は、図8のS104の処理に代えて、図11のS300の処理を実施する。
第2抵抗体62aは、アーク用電極20に接続され、アーク用電極20に流れる電流を制限する。第2抵抗体62aは、制御部72からの制御信号に応じて、その抵抗値が変化する。
制御部72は、S102の判定にて、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値未満となっている場合には、S300の処理を実施することなく、本処理を終了する。
また、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値以上となった場合には、S300にて、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより大きくなるよう、第2抵抗体62aの抵抗値を調整する。具体的には、第2抵抗体62aの抵抗値をより小さくするよう第2抵抗体62aを構成する可変抵抗を制御し、S106へ進む。
したがって、例えば、長期的な使用により、アーク用電極20の先端部20aが摩耗してアーク用電極20と基準電極32との距離がより長くなった場合でも、第2抵抗体62aの抵抗値がより小さくされるので、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態に係るイオン発生装置について図12を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置の構成は、図10に示した第8実施形態と同じである。また、本実施形態のイオン発生装置の制御部72は、図9のS206の処理に代えて、図12のS400の処理を実施する。
制御部72は、アーク用電極20にアーク放電が生じ、アーク用電極20に大電流が流れ、アーク用電極20に流れている電流が予め定められている閾値以上になると、S204にて、アーク用電極20にアーク放電が生じたと判定され、S400にて、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより小さくなるよう、第2抵抗体62aの抵抗値を調整する。具体的には、第2抵抗体62aの抵抗値をより大きくするように第2抵抗体62aを制御し、S106へ進む。
したがって、例えば、イオン発生装置の周囲の湿度が高湿度となり、アーク用電極20にアーク放電が頻繁に発生するような状況となった場合でも、第2抵抗体62aの抵抗値がより大きくされるので、第2抵抗体62aの抵抗値を、イオン発生装置の周囲の湿度に適した条件に変更することができる。
また、アーク用電極20に流れる電流の積算値が閾値未満となっている場合には、S400の処理を実施することなく、本処理を終了する。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態に係るイオン発生装置について図13を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置の構成は、第6実施形態のイオン発生装置と同じである。本実施形態のイオン発生装置は、上記第6実施形態のイオン発生装置と比較して、制御部72の処理が異なる。本実施形態のイオン発生装置の制御部72のフローチャートを図13に示す。制御部72は、定期的に図13に示す処理を実施する。なお、本実施形態では、距離調整機構70により、アーク用電極20と基準電極32との間の距離が、放電電極10と基準電極31との距離よりも短くなっている。
制御部72は、まず、S500にて、電源40の出力電圧を所定電圧Xに制御する。具体的には、電源40の出力電圧が所定電圧Xとなるよう電源40に制御信号を出力する。
次に、制御部72は、S502にて、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいか否かを判定する。ここで、電流測定部71の測定値が閾値IA以下の場合、S504にて、電源40の出力電圧を増加させる。具体的には、増加前の電源40の出力電圧を所定電圧X、増加分の電圧をΔxとすると、X=X+Δxとなるよう電源40の出力電圧を増加させ、S502へ戻る。なお、増加分の電圧Δxは、例えば、0.1kVとすることができる。
したがって、増加前の電源40の出力電圧が4.5kVとなっている場合には、増加分の電圧Δx=0.1kVを増加させて、電源40の出力電圧を4.6kVに増加させる。
S502では、再度、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいか否かを判定する。電流測定部71の測定値が閾値IA以下の場合、再度、S504にて、電源40の出力電圧を増加させる。
このような処理を繰り返し実施することで、電源40の出力電圧は、次第に上昇する。そして、アーク用電極20にアーク放電が発生し、S502の判定にて、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいと判定されると、S506にて、電源40の出力電圧を減少させる。具体的には、減少前の電源40の出力電圧を所定電圧X、減少分の電圧をΔxとすると、X=X−Δxとなるよう電源40の出力電圧を減少させ、本処理を終了する。なお、減少分の電圧Δxは、例えば、0.1kVとすることができる。
したがって、減少前の電源40の出力電圧が4.7kVとなっている場合には、減少分の電圧Δx=0.1kVを減少させて、電源40の出力電圧を4.6kVに低下させる。電源40の出力電圧は、アーク用電極20にアーク放電が発生し、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きくなるまで、維持される。
上記したように、本イオン発生装置は、アーク用電極20に流れる電流を測定する電流測定部71を備えている。また、電流測定部71の測定結果に基づいてアーク用電極20にアーク放電が生じたと判定されるまで、電源40の出力電圧を段階的に増加させ、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御する。
したがって、放電電極10と基準電極31との間の電位差を、放電電極10でアーク放電を生じさせない最大の電圧に維持することが可能であり、コロナ放電によるイオンの発生を最大効率で実現することが可能である。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態に係るイオン発生装置について説明する。本実施形態のイオン発生装置の構成は、上記第8実施形態のイオン発生装置と同じである。また、本実施形態の制御部72の処理は、図13に示したものと同じである。制御部72は、定期的に図13に示す処理を実施する。なお、本実施形態では、可変抵抗を構成する第2抵抗体62の抵抗値が第1抵抗体61の抵抗値よりも小さくされている。
このように、上記第8実施形態のイオン発生装置と同様の構成とするとともに、可変抵抗を構成する第2抵抗体62の抵抗値を第1抵抗体61の抵抗値よりも小さくなるよう構成し、制御部72の処理を、図13に示したものと同様に実施することもできる。
これによれば、上記第10実施形態と同様に、放電電極10と基準電極31との間の電位差を、放電電極10でアーク放電を生じさせない最大の電圧に維持することができ、コロナ放電によるイオンの発生を最大効率で実現することが可能である。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態に係るイオン発生装置について図14を用いて説明する。上記各実施形態では、2つの基準電極31、32により基準電極30を構成したが、本実施形態では、基準電極30は1つとなっている。すなわち、1つの基準電極30に対応して放電電極10およびアーク用電極20が配置されている。
このように、1つに基準電極30に対応して放電電極10およびアーク用電極20を配置することもできる。
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態に係るイオン発生装置について図15を用いて説明する。上記各実施形態では、放電電極10の先端部10aとアーク用電極20の先端部20aの角度は同じとなっている。これに対し、本実施形態のアーク用電極20の先端部20aは、放電電極10の先端部10aよりも鋭角になっている。
このように、アーク用電極20の先端部20aを、放電電極10の先端部10aよりも鋭角となるよう構成することにより、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせることが可能である。
(第14実施形態)
本発明の第14実施形態に係るイオン発生装置について図16を用いて説明する。本実施形態の放電電極10の先端部10aは、丸みを帯びている。
このように、放電電極10の先端部10aに、丸みを帯びさせることで、放電電極10よりアーク用電極20に優先的にアーク放電を生じさせることが可能である。
(第15実施形態)
本発明の第15実施形態に係るイオン発生装置について図17〜図18を用いて説明する。上記第1実施形態では、いずれも針状を成す放電電極10、アーク用電極20と、板状を成す基準電極31、32を備えているが、本実施形態のイオン発生装置は、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32が、それぞれ導電性の板状部材(例えば、ステンレス)により構成されている。また、本実施形態のイオン発生装置は、5つの鋭角部を有する放電電極10と、1つの鋭角部を有するアーク用電極20を有している。放電電極10およびアーク用電極20は、同一の平板を鋸歯状に切り込み加工あるいは剪断加工することにより形成されている。
放電電極10およびアーク用電極20は、互いに物理的および電気的に接続されている。放電電極10およびアーク用電極20は、同一の平板の板厚は、0.5ミリメートル程度となっている。また、アーク用電極20先端部は、放電電極10の先端部よりも鋭角となっている。
上記したように、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32は、それぞれ導電性の板状部材により構成されている。このため、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32を効率良く形成することが可能であり、生産性を向上することができる。
また、放電電極10およびアーク用電極20は一体で形成されているので、放電電極10およびアーク用電極20を別体として構成した場合と比較して部品点数を少なくすることができ、さらに、生産性を向上することができる。
(第16実施形態)
本発明の第16実施形態に係るイオン発生装置について図19〜図21を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置は、アーク用電極20と基準電極32との間への電圧の印加を遮断するためのアーク用電源スイッチ73を備えている。具体的には、アーク用電源スイッチ73は、電源40の負極端子と距離調整機構70との間に設けられている。
アーク用電源スイッチ73は、制御部72からの制御信号に応じてオン状態またはオフ状態に切り替わる。
次に、本実施形態のイオン発生装置の制御部72の処理について図20を用いて説明する。本実施形態の制御部72は、図13に示した処理に対し、ステップS506の後に、S508を実施する点が異なっている。
制御部72は、定期的に図20に示す処理を実施する。なお、本実施形態では、距離調整機構70により、アーク用電極20と基準電極32との間の距離が、放電電極10と基準電極31との距離よりも短くなっている。
制御部72は、まず、S500にて、アーク用電源スイッチ73のをオン状態とするよう制御するとともに、電源40の出力電圧を所定電圧Xに制御する。具体的には、電源40の出力電圧が所定電圧Xとなるよう電源40に制御信号を出力する。
次に、制御部72は、S502にて、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいか否かを判定する。ここで、電流測定部71の測定値が閾値IA以下の場合、S504にて、電源40の出力電圧を増加させる。具体的には、増加前の電源40の出力電圧を所定電圧X、増加分の電圧をΔxとすると、X=X+Δxとなるよう電源40の出力電圧を増加させ、S502へ戻る。なお、増加分の電圧Δxは、例えば、0.5kVとすることができる。
例えば、図21に示すように、増加前の電源40の出力電圧が2kVとなっている場合には、増加分の電圧Δx=0.5kVを増加させて、電源40の出力電圧を2.5kVに増加させる。
S502では、再度、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいか否かを判定する。電流測定部71の測定値が閾値IA以下の場合、再度、S504にて、電源40の出力電圧を増加させる。
このような処理を繰り返し実施することで、電源40の出力電圧は、次第に上昇する。例えば、増加前の電源40の出力電圧が2.5kVとなっている場合には、S504にて、増加分の電圧Δx=0.5kVを増加させて、電源40の出力電圧を3.0kVに増加させる。
また、増加前の電源40の出力電圧が3.0kVとなっている場合には、S504にて、増加分の電圧Δx=0.5kVを増加させて、電源40の出力電圧を3.5kVに増加させる。さらに、増加前の電源40の出力電圧が3.5kVとなっている場合には、S504にて、増加分の電圧Δx=0.5kVを増加させて、電源40の出力電圧を4.0kVに増加させる。
ここで、アーク用電極20にアーク放電が発生し、S502の判定にて、電流測定部71の測定値が閾値IAより大きいと判定されると、S506にて、電源40の出力電圧を減少させる。具体的には、減少前の電源40の出力電圧を所定電圧X、減少分の電圧をΔxとすると、X=X−Δxとなるよう電源40の出力電圧を減少させる。例えば、減少前の電源40の出力電圧を所定電圧4.0kV、減少分の電圧を0.5kVとすると、3.5kVとなるよう電源40の出力電圧を減少させる。
次に、制御部72は、S508にて、アーク用電源スイッチ73をオフ状態にするよう制御する。なお、制御部72は、アーク用電源スイッチ73をオフ状態にするよう制御した後、S506にて電源40の出力電圧を減少させた状態で所定期間放電電極10にコロナ放電を生じさせ、所定期間が経過すると、本処理を終了する。
ここで、S508にて、アーク用電源スイッチ73をオフ状態にしない場合、アーク用電極20に電流が流れて放電電極10に流れる電流が減少してしまう場合がある。しかし、S508にて、アーク用電源スイッチ73をオフ状態にするよう制御することで、アーク用電極20に電流が流れなくなるので、放電電極10に安定的に電流を流すことが可能となり、イオンを安定的に発生させることが可能となる。
(第17実施形態)
本発明の第17実施形態に係るイオン発生装置について図22〜図24を用いて説明する。本実施形態のイオン発生装置は、アーク用電極20として3つのアーク用電極21〜23を有している。さらに、本実施形態のイオン発生装置は、各アーク用電極21〜23での電圧印加を切り替える選択スイッチ74を備えている。
アーク用電極21〜23は、それぞれ針状を成しており、基準電極32に対向して配置されている。
選択スイッチ74は、電源40から出力される電圧が、複数の前記アーク用電極のいずれか1つに印加されるよう選択するものである。選択スイッチ74は、電流測定部71と各アーク用電極21〜23との間に配置されている。選択スイッチ74は、制御部72より入力される制御信号によって切り替わる。
次に、本実施形態のイオン発生装置の制御部72の処理について図23を用いて説明する。本実施形態の制御部72は、定期的に図23に示す処理を実施する。なお、本実施形態では、距離調整機構70により、アーク用電極20と基準電極32との間の距離が、放電電極10と基準電極31との距離よりも短くなっている。
制御部72は、まず、S600にて、アーク用電源スイッチ73のをオン状態とするよう制御し、アーク用電極21〜23のうちの1つに電源40の出力電圧が印加されるよう選択スイッチ74を制御する。ここでは、アーク用電極21に電源40の出力電圧が印加されるよう選択スイッチ74を制御する。さらに、電源40の出力電圧を所定電圧Xに制御する。具体的には、電源40の出力電圧が所定時間、所定電圧Xとなるよう電源40に制御信号を出力する。
次に、制御部72は、S602にて、電流測定部71より出力される信号に基づいてアーク用電極21に流れる放電電流を特定する。次に、制御部72は、S604にて、S602にて特定した電流値をフラッシュメモリに記憶させる。
次に、制御部72は、全てのアーク用電極21〜23で電流値を特定したか否かを判定する。
ここでは、アーク用電極22〜23の放電電流の電流値を特定していないので、S606の判定はNOとなり、次に、S608にて、電流値未測定のアーク用電極に電源40の出力電圧が印加されるよう選択スイッチ74を制御する。ここでは、アーク用電極22に電源40の出力電圧が印加されるよう選択スイッチ74を制御する。さらに、電源40の出力電圧を所定電圧Xに制御する。具体的には、電源40の出力電圧が所定時間、所定電圧Xとなるよう電源40に制御信号を出力し、S602へ戻る。
次に、制御部72は、S602にて、電流測定部71より出力される信号に基づいてアーク用電極21に流れる放電電流を特定する。次に、制御部72は、S604にて、S602にて特定した電流値をフラッシュメモリに記憶させる。
次に、制御部72は、全てのアーク用電極21〜23で放電電流の電流値を特定したか否かを判定する。
ここでは、アーク用電極23の放電電流の電流値を特定していないので、S606の判定はNOとなり、次に、制御部72は、S608にて、アーク用電極23に電源40の出力電圧が印加されるよう選択スイッチ74を制御する。さらに、電源40の出力電圧を所定電圧Xに制御する。具体的には、電源40の出力電圧が所定時間、所定電圧Xとなるよう電源40に制御信号を出力する。
このように、制御部72は、全てのアーク用電極21〜23で放電電流の電流値を特定すると、S606の判定はYESとなり、次に、制御部72は、S610にて、故障のアーク用電極があるか否かを判定する。具体的には、制御部72は、アーク用電極21〜23のうちの1つの電極の電流値と他の電極の電流値との比が予め定められた閾値よりも大きい場合に、故障の電極があると判定する。
具体的には、アーク用電極21の電流値とアーク用電極22の電流値との比が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。また、アーク用電極22の電流値とアーク用電極23の電流値との比が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。また、アーク用電極21の電流値とアーク用電極23の電流値との比が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、アーク用電極21の電流値とアーク用電極22の電流値との比が予め定められた閾値よりも大きいものがあるか否かを判定する。
ここで、故障のアーク用電極があると判定された場合、次に、制御部72は、S612にて、故障のアーク用電極21〜23を特定する。アーク用電極21〜23のが摩耗して基準電極32との距離が短くなると、放電電流の電流値が減少することから、電流値の少ない方の電極が故障していると特定することができる。
次に、制御部72は、S614にて、故障のアーク用電極を使用しないように除外する。具体的には、制御部72のフラッシュメモリに故障アーク電極として登録し、本処理を終了する。なお、これ以降、制御部72は、制御部72のフラッシュメモリに故障アーク電極を除外して放電制御を実施する。
また、S610にて、故障のアーク用電極があると判定されない場合には、制御部72は、S614へ進むことなく、本処理を終了する。
以上、説明したように、イオン発生装置は、複数のアーク用電極21〜23と、電源から出力される電圧が、複数のアーク用電極21〜23のいずれか1つに印加されるよう選択する選択スイッチ74を備えている、さらに、選択スイッチ74により選択されたアーク用電極21〜23に流れる電流を測定する電流測定部71と、を備えている。
このように、複数のアーク用電極21〜23を有しているので、複数のアーク用電極21〜23のいずれかが故障しても他の正常なアーク用電極21〜23によりアーク放電を生じさせることができる。また、電流測定部71により測定された電流に基づいて複数のアーク用電極21〜23のいずれかに故障が発生しているか否かを認識することが可能である。
また、イオン発生装置は、選択スイッチ74により選択されるアーク用電極21〜23を順次切り替えるとともに、電流測定部71により測定されたアーク用電極21〜23に流れる電流の電流値を記憶部に記憶させる記憶制御部を備えている。また、記憶制御部により記憶部に記憶された電流値に基づいて故障したアーク用電極21〜23があるか否かを判定する故障判定部を備えている。さらに、故障判定部により故障したアーク用電極21〜23があると判定された場合、故障したアーク用電極21〜23を選択スイッチ74が選択しないよう制限する制限部と、を備えている。
したがって、故障したアーク用電極21〜23を選択スイッチ74が選択しないよう制限することができ、信頼性を確保することができる。
(第18実施形態)
本発明の第18実施形態に係るイオン発生装置について図25を用いて説明する。上記第15実施形態では、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32が、それぞれ導電性の板状部材(例えば、ステンレス)により構成されており、放電電極10およびアーク用電極20は、互いに物理的および電気的に接続されている。
これに対し、本実施形態では、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32が、それぞれ導電性の板状部材(例えば、ステンレス)により構成されている点は同じであるが、放電電極10およびアーク用電極20は、別体として構成されている。このように、放電電極10およびアーク用電極20を別体として構成することもできる。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態のイオン発生装置は、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32を収納する筐体を有していないが、放電電極10、アーク用電極20および基準電極31、32を収納する筐体を備えてもよい。また、この筐体に噴射口を設け、この噴射口からコロナ放電で生じたイオンを含むイオン風を噴射させるよう構成してもよい。
この場合、電源40から放電電極10と基準電極31から成る第1放電回路およびアーク用電極20と基準電極32から成る第2放電回路に対して矩形波状のパルス信号を出力するよう構成し、噴射口からコロナ放電で生じたイオンを含む渦輪を噴射するよう構成してもよい。
(2)上記各実施形態のイオン発生装置は、放電電極10にコロナ放電を発生させることによりイオンを生じさせる例を示したが、発生したイオンを車両の車室内に送風する送風機を備え、この送風機によりコロナ放電を発生させることにより生じたイオンを車両の車室内に送風することもできる。
(3)上記第8実施形態では、S300にて、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより大きくなるよう、第2抵抗体62aの抵抗値を調整したが、例えば、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより大きくなるよう電源40の出力電圧をより大きくするよう構成してもよい。
(4)上記第9実施形態では、S400にて、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより小さくなるよう、第2抵抗体62aの抵抗値を調整したが、例えば、アーク用電極20と基準電極32との間の電位差がより小さくなるよう電源40の出力電圧をより小さくするよう構成してもよい。
(5)上記各実施形態では、電源40の負極端子にアーク用電極20と放電電極10が接続され、電源40の正極端子に基準電極31、32が接続されている。これに対し、電源40の正極端子にアーク用電極20と放電電極10が接続され、電源40の負極端子に基準電極31、32が接続されるよう構成してもよい。
(6)上記第10、第11実施形態において、放電電極10と基準電極31に電圧を出力する電源とアーク用電極20と基準電極32に電圧を出力する電源を別々に設けるよう構成してもよい。
(7)上記第15実施形態では、放電電極10、アーク用電極20および基準電極30を、それぞれ導電性の板状部材により構成したが、放電電極10、アーク用電極20および基準電極30の少なくとも1つを、導電性の板状部材により構成することもできる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、本イオン発生装置は、基準電極と、基準電極と離れて配置された放電電極と、放電電極と基準電極との間に、放電電極にコロナ放電を発生させる電圧を出力する電源と、を備えている。そして、放電電極にコロナ放電を発生させることによりイオンを生じさせる。本イオン発生装置は、さらに基準電極と離れて配置されたアーク用電極を備え、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせる。
また、第2の観点によれば、電源は、放電電極と基準電極との間に加え、アーク用電極と基準電極との間に所定電圧を出力し、アーク用電極と基準電極との距離が、放電電極と基準電極との距離よりも短く構成される。
これにより、アーク用電極と基準電極から成る第2放電回路のインピーダンスの方が、放電電極と基準電極から成る第1放電回路のインピーダンスよりも低インピーダンスとなるため、アーク用電極の方が放電電極よりもアーク放電が生じやすくなり、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
また、第3の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部と、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部と、を備えている、さらに、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部を備えている。
したがって、放電電極と基準電極との間の電位差を、放電電極でアーク放電を生じさせない最大の電圧に維持することが可能であり、コロナ放電によるイオンの発生を最大効率で実現することが可能である。
また、第4の観点によれば、アーク用電極と基準電極との距離を調整する距離調整機構を備えたことである。したがって、アーク用電極と基準電極との距離を容易に調整することができ、アーク用電極にアーク放電を発生させる条件を変更することができる。
また、第5の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部と、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定する電流積算値判定部と、を備えている。また、電流積算値判定部によりアーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、アーク用電極と基準電極との距離をより短くするよう距離調整機構を制御する距離制御部と、を備えている。
したがって、例えば、長期的な使用により、アーク用電極の先端部が摩耗してアーク用電極と基準電極との距離がより長くなった場合でも、アーク用電極と基準電極との距離がより短くするよう制御されるので、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
また、第6の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部と、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたか否かを判定するアーク判定部と、を備えている。また、アーク判定部によりアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、アーク用電極と基準電極との距離をより長くするよう距離調整機構を制御する距離制御部を備えている。
したがって、例えば、イオン発生装置の周囲の湿度が高湿度となり、アーク用電極にアーク放電が頻繁に発生するような状況となった場合でも、アーク用電極と基準電極32との距離がより長くなるので、アーク用電極と基準電極との距離を、イオン発生装置の周囲の湿度に適した距離に変更することができる。
また、第7の観点によれば、放電電極と基準電極から成る第1放電回路に直列に配置され、放電電極に流れる電流を制限する第1抵抗体と、アーク用電極と基準電極から成る第2放電回路に直列に配置され、アーク用電極に流れる電流を制限する第2抵抗体と、を備えている。また、電源は、放電電極と基準電極との間に加え、アーク用電極と基準電極との間に所定電圧を出力し、第2抵抗体の抵抗値が第1抵抗体の抵抗値よりも小さくされることにより、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせる。
このように、第2抵抗体の抵抗値を第1抵抗体の抵抗値よりも小さくすることにより、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせることもできる。
また、第8の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部と、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部と、を備えている。さらに、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部を備えている。
したがって、放電電極と基準電極との間の電位差を、放電電極でアーク放電を生じさせない最大の電圧に維持することが可能であり、コロナ放電によるイオンの発生を最大効率で実現することが可能である。
また、第9の観点によれば、第2抵抗体は、抵抗値を変更することが可能な可変抵抗である。このように、第2抵抗体は、抵抗値を変更することが可能な可変抵抗おして構成することもできる。
また、第10の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部を備えている。また、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定し、アーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、第2抵抗体を構成する可変抵抗の抵抗値をより小さくするよう制御する。
したがって、例えば、長期的な使用により、アーク用電極の先端部が摩耗してアーク用電極と基準電極との距離がより長くなった場合でも、第2抵抗体の抵抗値がより小さくされるので、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせることができる。
また、第11の観点によれば、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部を備えている。また、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたか否かを判定し、アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、第2抵抗体を構成する可変抵抗の抵抗値をより大きくするよう制御する。
例えば、イオン発生装置の周囲の湿度が高湿度となり、アーク用電極にアーク放電が頻繁に発生するような状況となった場合でも、第2抵抗体の抵抗値がより小さくされるので、第2抵抗体の抵抗値を、イオン発生装置の周囲の湿度に適した条件に変更することができる。
また、第12の観点によれば、放電電極およびアーク用電極は、それぞれ針状の先端部を有し、先端部が基準電極へ向いて配置されており、アーク用電極の先端部は、放電電極の先端部よりも鋭角となっている。
このように、アーク用電極の先端部を、放電電極の先端部よりも鋭角となるよう構成することにより、放電電極よりアーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせることが可能である。
また、第13の観点によれば、基準電極は、放電電極と対応して配置された第1基準電極と、放電電極と対応して配置された第2基準電極と、を有している。
このように、基準電極は、放電電極と対応して配置された第1基準電極と、放電電極と対応して配置された第2基準電極と、構成することもできる。
また、第14の観点によれば、放電電極、アーク用電極および基準電極の少なくとも1つは、導電性の板状部材により構成されている。
放電電極、アーク用電極および基準電極の少なくとも1つを、導電性の板状部材により構成することにより、放電電極、アーク用電極および基準電極の少なくとも1つを効率よく形成することが可能であり、生産性を向上することができる。
また、第15の観点によれば、イオン発生装置は、アーク用電極と基準電極との間への電圧の印加を遮断するためのアーク用電極スイッチを備えている。
したがって、放電電極と基準電極との間で安定的にコロナ放電が発生している際に、アーク用電極と基準電極との間に電流が流れて、放電電極と基準電極との間の放電電流が減少してしまうといったことを防止することが可能である。
また、第16の観点によれば、イオン発生装置は、アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部を備えている。また、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部を備えている。また、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部を備えている。さらに、電圧制御部により電源の出力電圧が低下するよう制御された場合、アーク用電極と基準電極との間の電圧の印加を遮断するようアーク用電極スイッチを制御する電圧印加遮断部と、を備えている。
このように、電圧増加部は、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、電源の出力電圧を段階的に増加させ、電圧制御部は、電流測定部の測定結果に基づいてアーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御するので、放電電極と基準電極との間にアーク放電が生じない程度の高電圧を印加することができるのイオン発生効率を高めることが可能である。
また、電圧印加遮断部は、電圧制御部により電源の出力電圧が低下するよう制御された場合、アーク用電極と基準電極との間の電圧の印加を遮断するようアーク用電極スイッチを制御するので、アーク用電極と基準電極との間の放電を防止することができ、よりイオン発生効率を高めることが可能である。
また、第17の観点によれば、イオン発生装置は、複数のアーク用電極と、電源から出力される電圧が、複数のアーク用電極のいずれか1つに印加されるよう選択する選択スイッチと、を備えている。さらに、選択スイッチにより選択されたアーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部と、を備えている。
このように、複数のアーク用電極を有しているので、複数のアーク用電極のいずれかが故障しても他の正常なアーク用電極によりアーク放電を生じさせることができる。また、電流測定部により測定された電流に基づいて複数のアーク用電極のいずれかに故障が発生しているか否かを認識することが可能である。
また、第18の観点によれば、イオン発生装置は、選択スイッチにより選択されるアーク用電極を順次切り替えるとともに、電流測定部により測定されたアーク用電極に流れる電流の電流値を記憶部に記憶させる記憶制御部を備えている。また、記憶制御部により記憶部に記憶された電流値に基づいて故障したアーク用電極があるか否かを判定する故障判定部を備えている。さらに、故障判定部により故障したアーク用電極があると判定された場合、故障したアーク用電極を選択スイッチが選択しないよう制限する制限部と、を備えている。
したがって、故障したアーク用電極を選択スイッチが選択しないよう制限することができ、信頼性を確保することができる。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100の処理が電流積算値判定部に相当し、S104の処理が距離制御部に相当し、S204の処理がアーク判定部に相当し、S206の処理が距離制御部に相当し、S300、S400の処理が抵抗制御部に相当し、S502、S504の処理が電圧増加部に相当し、S506が電圧制御部に相当する。また、S508が電圧印加遮断部に相当し、S602〜S608が記憶制御部に相当し、S610が故障判定部に相当し、S604が制限部に相当する。
10 放電電極
20 アーク用電極
30、31、32 基準電極
40、41、42 電源
50、51、70 距離調整機構
61、62 抵抗体
71 電流計測部
72 制御部

Claims (18)

  1. 基準電極(30)と、
    前記基準電極と離れて配置された放電電極(10)と、
    前記放電電極と前記基準電極との間に、前記放電電極にコロナ放電を発生させる電圧を出力する電源(40)と、を備え、
    前記放電電極に前記コロナ放電を発生させることによりイオンを生じさせるイオン発生装置であって、
    前記基準電極と離れて配置されたアーク用電極(20)を備え、
    前記放電電極より前記アーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせるイオン発生装置。
  2. 前記電源は、前記放電電極と前記基準電極との間に加え、前記アーク用電極と前記基準電極との間に所定電圧を出力し、
    前記アーク用電極と前記基準電極との距離が、前記放電電極と前記基準電極との距離よりも短く構成されることにより、前記放電電極より前記アーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせる請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、前記電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部(S502、S504)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、前記電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部(S506)と、を備えた請求項2に記載のイオン発生装置。
  4. 前記アーク用電極と前記基準電極との距離を調整する距離調整機構(50、51、70)を備えた請求項2に記載のイオン発生装置。
  5. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定する電流積算値判定部(S100)と、
    前記電流積算値判定部により前記アーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、前記アーク用電極と前記基準電極との距離をより短くするよう前記距離調整機構(70)を制御する距離制御部(S104)と、を備えた請求項4に記載のイオン発生装置。
  6. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたか否かを判定するアーク判定部(S204)と、
    前記アーク判定部により前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、前記アーク用電極と前記基準電極との距離をより長くするよう前記距離調整機構(70)を制御する距離制御部(S206)と、を備えた請求項3に記載のイオン発生装置。
  7. 前記放電電極と前記基準電極から成る第1放電回路に直列に配置され、前記放電電極に流れる電流を制限する第1抵抗体(61)と、
    前記アーク用電極と前記基準電極から成る第2放電回路に直列に配置され、前記アーク用電極に流れる電流を制限する第2抵抗体(62)と、を備え、
    前記電源は、前記放電電極と前記基準電極との間に加え、前記アーク用電極と前記基準電極との間に所定電圧を出力し、
    前記第2抵抗体の抵抗値が前記第1抵抗体の抵抗値よりも小さくされることにより、前記放電電極より前記アーク用電極に優先的にアーク放電を生じさせる請求項1に記載のイオン発生装置。
  8. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、前記電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部(S502、S504)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、前記電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部(S506)と、を備えた請求項1に記載のイオン発生装置。
  9. 前記第2抵抗体は、抵抗値を変更することが可能な可変抵抗(62a)である請求項7に記載のイオン発生装置。
  10. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であるか否かを判定する電流積算値判定部(S100)と、
    前記電流積算値判定部により前記アーク用電極に流れる電流の積算値が閾値以上であると判定された場合、前記第2抵抗体を構成する前記可変抵抗の抵抗値をより小さくするよう制御する抵抗制御部(S300)と、を備えた請求項9に記載のイオン発生装置。
  11. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたか否かを判定するアーク判定部(S204)と、
    前記アーク判定部により前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、前記第2抵抗体を構成する前記可変抵抗の抵抗値をより大きくするよう制御する抵抗制御部(S400)と、を備えた請求項9に記載のイオン発生装置。
  12. 前記放電電極および前記アーク用電極は、それぞれ針状の先端部(10a、20a)を有し、前記先端部が前記基準電極へ向いて配置されており、
    前記アーク用電極の先端部は、前記放電電極の先端部よりも鋭角となっている請求項1ないし11のいずれか1つに記載のイオン発生装置。
  13. 前記基準電極は、前記放電電極と対応して配置された第1基準電極(31)と、
    前記放電電極と対応して配置された第2基準電極(32)と、を有している請求項1ないし12のいずれか1つに記載のイオン発生装置。
  14. 前記放電電極、前記アーク用電極および前記基準電極の少なくとも1つは、導電性の板状部材により構成されている請求項1〜11、13のいずれか1つに記載のイオン発生装置。
  15. 前記アーク用電極と前記基準電極との間への電圧の印加を遮断するためのアーク用電極スイッチ(73)を備えた請求項1ないし14のいずれか1つに記載のイオン発生装置。
  16. 前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定されるまで、前記電源の出力電圧を段階的に増加させる電圧増加部(S502、S504)と、
    前記電流測定部の測定結果に基づいて前記アーク用電極にアーク放電が生じたと判定された場合、電源の出力電圧を低下させるよう制御する電圧制御部(S506)と、
    前記電圧制御部により電源の出力電圧が低下するよう制御された場合、アーク用電極と前記基準電極との間の電圧の印加を遮断するようアーク用電極スイッチを制御する電圧印加遮断部(S508)と、を備えた請求項1に記載のイオン発生装置。
  17. 複数の前記アーク用電極(21〜23)と、
    前記電源から出力される電圧が、複数の前記アーク用電極のいずれか1つに印加されるよう選択する選択スイッチ(74)と、
    前記選択スイッチにより選択された前記アーク用電極に流れる電流を測定する電流測定部(71)と、を備えた請求項1に記載のイオン発生装置。
  18. 前記選択スイッチにより選択される前記アーク用電極を順次切り替えるとともに、前記電流測定部により測定された前記アーク用電極に流れる電流の電流値を記憶部に記憶させる記憶制御部(S602〜S608)と、
    前記記憶制御部により前記記憶部に記憶された前記電流値に基づいて故障した前記アーク用電極があるか否かを判定する故障判定部(S610)と、
    前記故障判定部により故障した前記アーク用電極があると判定された場合、故障した前記アーク用電極を前記選択スイッチが選択しないよう制限する制限部(S604)と、を備えた請求項17に記載のイオン発生装置。
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