JP2018195540A - 導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導電パターン付き積層体 - Google Patents

導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導電パターン付き積層体 Download PDF

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貴大 森永
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Abstract

【課題】イオンマイグレーションや熱的要因による導電パターンの劣化によって電気的接続の不良が起きにくい導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導電パターン付き積層体を提供する。
【解決手段】導電性ペーストは、少なくとも導電性粒子(A)と、セルロースミクロフィブリル(B)と、硬化性樹脂(C)とを含み、セルロースミクロフィブリル(B)の少なくとも一部がアニオン変性している。また、導電パターン付き積層体は、基材と、基材上に形成された導電パターンと、を具備し、導電パターンが、上記の導電性ペーストにより形成されてなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いて得られる導電パターン付き積層体に関する。
従来、導電性ペーストを用いてプリント配線板の導電パターンを形成することが行われている。従来の導電性ペーストは、導電性粒子(主に、Au、Ag、Cuなどの金属粒子)と、バインダーである熱硬化性樹脂とで構成されている。そして、主にメタルマスクを用いたスクリーン印刷法により、導電性ペーストを基板上に所定パターンで付着させた後、熱処理することによって導電パターンを形成している。
このようにして形成された導電パターン内の電気的接続は、熱硬化性樹脂の硬化収縮により導電性粒子同士が押し付けられて接触することで得られている。また、この導電パターンと金属薄膜のパターニング等で形成された電極との電気的接続は、熱硬化性樹脂の硬化収縮により導電性粒子が上記電極に押し付けられて接触することで得られている。
このような導電性粒子同士の接触あるいは導電性粒子と電極との接触により得られる電気的接続は、湿度の影響等により、イオンマイグレーションが起きた場合に接続不良が生じやすい。ここで、イオンマイグレーションとは、絶縁された配線間に水分が存在する状態で電圧を付与したときに、陽極側の金属がイオン化して、クーロン力で陰極に向かって移動し、陰極で還元されて、陽極方向に成長する現象である。
このような問題点を解決するために、特許文献1には、導電性ペーストを用いて形成された配線の耐イオンマイグレーション性を向上させるために、銅(Cu)粒子の表面に銀(Ag)を物理蒸着法によりコーティングした導電性粒子を用いることが記載されている。
また、上記接触による電気的接続は、熱的要因により、導電パターンをなす樹脂にクラックなどの劣化が生じることによっても、接続不良を起こしやすい。
このような問題点を解決するために、特許文献2には、導電性粒子として銅(Cu)粒子を使用し、バインダーとして、導電パターンのクラックの発生を抑える効果を付与した特定の化合物(複素環式化合物)を使用することが記載されている。
特開平10−92646号公報 特開平8−73780号公報
本発明は、イオンマイグレーションや熱的要因による導電パターンの劣化によって電気的接続の不良が起きにくい導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導電パターン付き積層体を提供することを目的とする。
本発明では、導電性ペーストに少なくとも一部がアニオン変性したセルロースミクロフィブリルを添加することで、好適にイオンマグレーションを抑制でき、且つ、熱的要因による劣化が起きにくい導電性ペーストとなることを見出した。
すなわち、本発明の第一態様は、少なくとも導電性粒子(A)と、セルロースミクロフィブリル(B)と、硬化性樹脂(C)とを含み、セルロースミクロフィブリル(B)の少なくとも一部がアニオン変性していることを特徴とする導電性ペーストである。
また、セルロースミクロフィブリル(B)の平均繊維径が2nm以上1000nm以下であってもよい。
また、導電性粒子(A)が、銀又は銀を主体とする金属粒子であってもよい。
また、セルロースミクロフィブリル(B)の含有量が、導電性粒子(A)を除いた導電性ペーストの固形分100重量部のうち0.1重量部以上30重量部以下であってもよい。
本発明の第二態様は、基材と、基材上に形成された導電パターンと、を具備した導電パターン付き積層体であって、導電パターンが本発明の第一態様に係る導電性ペーストにより形成されてなる。
本発明によれば、イオンマイグレーションや熱的要因による導電パターンの劣化によって電気的接続の不良が生じにくい導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導電パターン付き積層体を実現することができる。
以下、本発明の詳細について実施形態に基づいて説明する。
(導電性ペーストの材料)
本実施形態に係る導電性ペーストは、少なくとも、導電性粒子(A)と、セルロースミクロフィブリル(B)と、硬化性樹脂(C)とを含む。
導電性粒子(A)は、金属粒子であって具体的には、銀、金、白金、パラジウム、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属、または、これらの合金の粒子が挙げられる。これらの導電性粒子は、単独で用いてもよく、また、併用してもよい。金属粒子の中でも導電性、安定性、コスト等を考慮すると銀単独又は銀を主体とするものが好ましい。
導電性粒子(A)の形状としては、公知のフレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)等があるが、これらの中で特にフレーク状粒子が好ましい。フレーク状粒子は導電性粒子同士の接触面積が大きくなるため、非導電性の材料を含有しても導電性の顕著な低下を抑制することができるためである。
また導電性粒子(A)の平均粒径(D50)としては、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。平均粒径が5μm以下の小さい導電性粒子(A)を用いることで、スクリーン印刷後における細線形状が良好となる。その結果、細線同士が接触を起こして短絡を招く可能性を低減することができる。平均粒径の下限は特に限定されないが、100nm以上が好ましい。平均粒径が100nmより小さくなると、導電性粒子(A)の凝集力が増して分散が困難となることでスクリーン印刷性が悪化する他、コスト的観点からも好ましくない。
導電性粒子(A)の含有量は、導電性ペーストの全固形分100重量部のうち50〜99重量部であることが、形成された導電パターンの導電性、および、基材との密着性を確保するという観点から好ましい。
セルロースミクロフィブリル(B)は、セルロースを微細化して得られるセルロースの微細繊維である。本実施形態のセルロースミクロフィブリル(B)は少なくとも一部がアニオン変性している。アニオン変性したセルロースミクロフィブリル(B)を得る方法としては、先にセルロース原料をアニオン変性した後に、解繊して微細化することが、生産性の点から好ましい。
アニオン変性の方法としては、セルロースにカルボキシメチル基またはカルボキシ基などを導入することで行う。アニオン変性することにより、結果としてイオンマイグレーションを抑制することができる。この理由は明らかではないが、水分存在下で電圧を付与した際に金属がイオン化しても、アニオン部が好適に金属イオンを捕捉していると推測される。
カルボキシメチル基を導入する方法としては、公知の手法の中から適宜用いることができるが、例えば、セルロース原料を出発原料にし、3〜20質量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を溶媒として使用する。混合媒体における低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。出発原料のグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをマーセル化剤として使用し、出発原料、溶媒、およびマーセル化剤を混合し、反応温度を0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間を15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間としてマーセル化処理を行う。その後、モノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウム(カルボキシメチル化剤)をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間としてエーテル化反応を行うことにより、カルボキシメチル基を導入したセルロースを得ることができる。
カルボキシ基を導入する方法としては、公知の手法の中から適宜用いることができるが、例えば、TEMPO(2、2、6、6−テトラメチル−1−ピペジニルオキシラジカル)触媒を使用し、pHを調整しながら次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を用いて酸化する方法が挙げられる。この方法によれば、セルロースミクロフィブリル表面のグルコース単位のC6位の水酸基が選択的にカルボキシ化される。
アニオン変性されたセルロースでは、繊維相互の静電反発が高まり分散しやすくなるため、分散媒中で軽微な解繊処理を施すことによってセルロースミクロフィブリルの分散液を得ることができる。
セルロースミクロフィブリルは、セルロースを微細化し平均径(平均繊維径)2nm以上10μm以下、平均繊維長数百nmから数μmのセルロース繊維に加工したものである。セルロースミクロフィブリルは高結晶性であるため線膨張係数が低く、導電パターンに配合することで、熱的要因によって導電パターンに対してかかる応力を緩和することができる。その結果として、導電パターンの劣化を抑制することができる。
本実施形態に用いられるセルロースミクロフィブリル(B)の平均繊維径は、2nm以上1000nm以下であることが好ましい。セルロースミクロフィブリル(B)の平均繊維径が2nm以上であることで高い結晶性が保たれるため、低い線膨張係数を維持することができ、また1000nm以下であることで繊維の表面積が大きくなり好適に金属イオンを捕捉できる。
セルロースミクロフィブリル(B)の平均繊維径の測定方法には、原子間力顕微鏡(AFM)や走査型電子顕微鏡(SEM)等の装置を用いて形状観察を行い、任意の多数のサンプルの繊維径を測定してその平均をとる方法や、粒度分布計等の装置を用いてセルロース繊維を含む塗液の粒径測定の結果から計測する方法がある。
セルロースミクロフィブリル(B)は、導電性ペースト内での分散性を高める目的で表面修飾されていてもよい。表面修飾の方法は、公知の手法の中から適宜用いることができるが、例えば、特許第5765331号に記載されているアニオン変性したセルロースの対イオンとして有機アルカリを添加する方法などが挙げられる。
セルロースミクロフィブリル(B)の含有量は、導電性粒子(A)を除く導電性ペーストの固形分100重量部のうち0.1〜30重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では、イオンマイグレーションや熱的要因による導電パターンの劣化によって生じる電気的接続の不良を好適に抑制できず、30重量部を超えると、硬化性樹脂の硬化収縮が抑制されて、導電性粒子同士の電気的接続および導電性粒子と電極との電気的接続自体が得られなくなる。
硬化性樹脂(C)としては、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂から選ばれ、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えばユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリブタジエン、ポリウレタン、メラミンフェノール樹脂、けい素樹脂、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
光硬化性樹脂としては、光重合開始剤によって、ラジカル重合、イオン重合する反応性基を有するものであれば、特に限定されないが、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、導電性ペースト中の他の成分との相溶性、低温硬化性の点で、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましく、光硬化性樹脂としてはアクリル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなどとエピクロクヒドリンとから誘導されるエポキシ樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂を光重合開始剤によってカチオン重合して使用することもできる。
アクリル樹脂としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート化合物、二官能(メタ)アクリレート化合物の重合物が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表している。
本発明の導電性ペーストに(メタ)アクリルモノマーを使用する場合、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストは、各種溶剤で溶解、希釈する事ができる。希釈用の溶剤は、使用する材料の溶解性や分散性、または印刷方法等の種類に応じて、選択する事ができる。
溶剤として、例えば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族系溶剤、脂環族系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、水等の1種または2種以上を混合して用いる事ができるが、これらに限定されるものではない。例えば、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、炭酸ジメチル等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンベンゼン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノン等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等、またはこれらモノエーテル類の酢酸エステルや、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。脂肪族系溶剤としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族系溶剤としては、トルエン、キシレン、テトラリン等が挙げられる。
導電性ペーストの固形分としては、印刷性が保たれる範囲であれば特に限定はないが、50〜90重量%となる範囲で使用することが好ましい。
また、本実施形態の導電性ペーストは、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、分散剤、耐摩擦向上剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、酸化防止剤、有機顔料、無機顔料、消泡剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、保湿剤等を添加することができる。
(導電性ペーストの調整)
本実施形態の導電性ペーストは、導電性粒子(A)、セルロースミクロフィブリル(B)、硬化性樹脂(C)および溶剤等を、所望の割合で配合してディスパー等にて混合後、必要に応じて3本ロール等にて混合分散させることにより得ることができる。全成分を配合した後に混合したり混合分散したりして導電性ペーストを得ることもできるし、いくつかの成分を混合したり混合分散したりした後、各成分が所望の割合となるように混合して、導電性ペーストを得ることもできる。
(導電パターン付き積層体)
本実施形態の導電性ペーストは、従来公知の種々の印刷法に適用することができ、特にスクリーン印刷法に適用することが好ましい。
スクリーン印刷法においては、導電パターンの高精細化に対応すべく微細なメッシュ、特に好ましくは400〜840メッシュ程度の微細なメッシュのスクリーンを用いることが好ましい。この時のスクリーンの開口面積は約20〜70%が好ましい。スクリーン線径は約5〜70μmが好ましい。
スクリーン版の種類としては、ポリエステルスクリーン、ステンレスメッシュスクリーン、コンビネーションスクリーン、メタルスクリーン、ナイロンスクリーン等が挙げられる。また、高粘度なペースト状態のものを印刷する場合は、高張力ステンレススクリーンまたは、高張力コンビネーションスクリーンを使用することができる。
スクリーン印刷のスキージは丸形、長方形、正方形いずれの形状であっても良く、またアタック角度(印刷時の版とスキージの角度)を小さくするために研磨スキージも使用することができる。その他の印刷条件等は従来公知の条件でよいが、スクリーンやスキージの特性に応じて最適な条件を設定することが好ましい。
本実施形態の導電性ペーストを用い、各種印刷法により基材上に印刷することにより、高精細な導電パターンを形成することができる。
基材としては特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリパラフェニレンテレフタルアミドフィルム、ポリエーテルニトリルフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、等が挙げられる。
また、基材として、ITO(酸化インジウムスズ)などの導電材料を、スパッタリング、ウェットコート等により、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのポリエステルフィルム、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、アクリル樹脂等の高分子フィルム上に形成したいわゆる導電フィルムや、導電材料をガラス上に形成した導電ガラス等が挙げられる。また、セラミック、ガラス基材等も用いることができる。特にタッチスクリーンパネルにおいては、ポリエスエルフィルム上に導電層を形成したITOフィルムなどの導電性フィルム、ガラス上に導電層を形成したITOガラスなどの導電性ガラスが多く用いられる。
基板上に印刷した導電パターンは、加熱して乾燥させた後、硬化させる。加熱温度は80〜230℃、加熱時間としては10〜120分が好ましい。
必要に応じ、高精細パターン配線の印刷性をさらに向上させる目的で、基材にアンカーコート層を設けた後に、アンカーコート層上に導電性ペーストを印刷することもできる。かかるアンカーコート層の材料は、基材との密着性、更には導電性ペーストの密着性が良好であれば、特に限定されず、また樹脂ビーズ等の有機フィラーや金属酸化物等の無機フィラーも必要に応じ添加することができる。これらアンカーコート層を設ける方法も特に限定されず、従来公知の塗工方法にて塗布、乾燥、硬化して得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(製造例1)
針葉樹クラフトパルプ30gを水600gに浸漬し、ミキサーにて分散させた。分散後のパルプスラリーに、予め水200g中に溶解させたTEMPOを0.3g、臭化ナトリウム(NaBr)を3g添加し、更に水で希釈し全体を1400mLとした。系内を20℃に保ち、セルロース1gに対し10mmolになるよう次亜塩素酸ナトリウム水溶液を計りとり滴下した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下開始後、pHは低下し始めるが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を随時滴下することにより、系のpHを10に保った。4時間後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液の滴下量が2.8mmol/gになったところでエタノールを30g添加し、反応を停止させた。反応系に0.5N塩酸を添加し、pH2まで低下させた。酸化パルプをろ過し、0.01N塩酸または水で繰返し洗浄した後、酸化パルプを得た。自動滴定装置(東亜ディーケーケー、AUT−701)を用いて0.1N水酸化ナトリウム水溶液により酸化パルプの電導度滴定を行ったところ、算出されたカルボキシ基の量は1.6mmol/gであった。得られた酸化パルプを水で希釈し、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調整して酸化パルプ5%懸濁液を得た。この懸濁液を2時間高速攪拌機で分散処理することで、セルロースミクロフィブリル分散液(固形分濃度5%)を得た。セルロースミクロフィブリルの平均繊維径を原子間力顕微鏡(AFM)により計測したところ5nmであった。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
・導電性粒子(A):銀粒子(商品名:シルコートAgC−2011、福田金属箔工業(株)製)、
・セルロースミクロフィブリル(B):製造例1のセルロースミクロフィブリル分散液(固形分濃度5%)、
・硬化性樹脂(C):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:jER806、三菱化学(株)製)、
・硬化剤:メルカプタン系硬化剤(商品名:QX40、三菱化学(株)製)
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル
を表1に示す配合割合(単位:重量部)で混合した後、3本ロールで混練し、各導電性ペーストを得た。尚、表1の「セルロースミクロフィブリル分散液(セルロースミクロフィブリル(B)固形分)」において、括弧内に記載された値は、セルロースミクロフィブリル分散液におけるセルロースミクロフィブリル(B)の固形分重量部を示す。
Figure 2018195540
[評価]
(導電パターンの印刷)
大型スクリーン印刷機((株)セリアコーポレーション製SERIA)によって、厚さ75μmのコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)のコロナ処理面に、各実施例、各比較例の導電性ペーストを15mm×30mmのパターン形状にスクリーン印刷し、150℃オーブンにて30分乾燥させ、厚みが8〜10μmの導電性印刷物を得た。
(スクリーン印刷条件)
・スクリーン:ステンレス版500メッシュ
・乳剤厚:10μm
・フレームサイズ:650×550mm
・スキージ研磨角度:90°(平スキージ)
・スキージアタック角度:75°
・スキージ速度:25mm/秒
・スキージ印圧:10kg
・クリアランス:0mm
(体積抵抗率の測定及び初期における接続信頼性の評価)
次に、得られた各導電性印刷物に形成された配線の抵抗値を4端子法により測定した。また、配線の長さ、幅、厚さから体積を算出した。この測定値と算出値とから、得られた配線の体積抵抗率を計算した。体積抵抗率が8.0×10−5Ω・cm以下であれば、導電材料として、実用的に広く使用可能である、または、電気的接続が良好であるために好ましく、更に5.0×10−5Ω・cm以下であれば、より広い用途で使用可能である、または、電気的接続がより良好であるため、より好ましい。一方、8.0×10−5より高い場合は、その利用範囲が限定される、または、電気的接続不良の可能性があるため、好ましくない。
○:5.0×10−5Ω・cm以下
△:5.0×10−5Ω・cmより高く、8.0×10−5Ω・cm以下
×:8.0×10−5より高い
体積抵抗率を用いた接続信頼性の評価結果を表2に示す。
(試験後の接続信頼性の評価)
上述の方法で配線が形成された各導電性印刷物を以下の各条件にて放置した後、配線の抵抗値を上記と同じ方法で測定し、配線の体積抵抗率を計算した。
・85℃、85%RHの環境下で1000時間(耐湿熱試験)
・130℃の環境下で1000時間(耐熱試験)
・−50℃の環境下に30分間、次いで150℃の環境下に30分間曝すという工程を1サイクルとして1000サイクル(熱衝撃試験)
求めた体積抵抗率を用いて、上記と同じ評価方法により各試験後の接続信頼性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2018195540
実施例1〜3は、初期において、低い体積抵抗率を示した。一方、比較例3では、セルロースミクロフィブリル(B)の割合が多いため、硬化収縮が抑制され、その結果、初期の体積抵抗率が高くなった。
また、実施例1〜3では好適にイオンマイグレーションが抑制されたため、耐湿熱試験後でも低い体積抵抗率を示した。一方、比較例1〜2ではイオンマイグレーションによって配線が短絡したため、耐湿熱試験後の体積抵抗率が高くなった。
また、耐熱試験後、および、熱衝撃試験後おいても、実施例1〜3では熱による導電パターンの劣化が抑制されているため、低い体積抵抗率を示した。一方、比較例1〜2では熱によって導電パターンが劣化したため、体積抵抗率が高くなった。
上記の評価結果から、導電性ペーストにアニオン変性されたセルロースミクロフィブリルを所定の割合で配合することによって、形成された導電パターンがイオンマイグレーションを生じ難くすることができ、且つ、熱的要因による導電パターンの劣化を生じ難くすることができることが分かった。
本発明に係る導電性ペースト及びこれを用いた導電パターン付き積層体は、例えば、スクリーン印刷法によるプリント配線板などに好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも導電性粒子(A)と、セルロースミクロフィブリル(B)と、硬化性樹脂(C)とを含み、
    前記セルロースミクロフィブリル(B)の少なくとも一部がアニオン変性していることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 前記セルロースミクロフィブリル(B)の平均繊維径が2nm以上1000nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記導電性粒子(A)が、銀又は銀を主体とする金属粒子であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記セルロースミクロフィブリル(B)の含有量が、前記導電性粒子(A)を除いた前記導電性ペーストの固形分100重量部のうち0.1重量部以上30重量部以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. 基材と、
    前記基材上に形成された導電パターンと、を具備し、
    前記導電パターンが、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストにより形成されてなる、導電パターン付き積層体。
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WO2019188289A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 第一工業製薬株式会社 導電性ペースト

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