JP2018195404A - ダイスセット - Google Patents

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Shigenori Homma
成紀 本間
吉田 健吾
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健吾 吉田
雄貴 山本
Yuki Yamamoto
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Abstract

【課題】絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができるダイスセットを提供する。
【解決手段】ダイスセット23は、長手方向に搬送される導電性を有する線材11の外周側に付着する、絶縁性を有する液状の樹脂28の厚みを制御する。ダイスセット23は、外周側に樹脂28が付着している線材11を挿通させる貫通孔32が設けられた筒状のダイス31と、ダイス31に対して線材11の搬送方向の下流側に配置され、搬送方向の下流側へのダイス31の移動を規制するダイスホルダ41とを備える。搬送方向の下流側に位置する貫通孔32の開孔部37aは、ダイスホルダ41により搬送方向への移動が規制されるダイス31の規制部34aよりも搬送方向の下流側に位置する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ダイスセットに関するものである。
銅や銅合金といった導電性の高い線材を用いた絶縁電線が広く用いられている。絶縁電線は、素材となる導電性の高い線材の外周面を絶縁皮膜で覆った構造である。絶縁電線の製造において、素材としての線材が所定の断面形状となるよう加工される。その後、長手方向に線材は搬送されながら、その表面に絶縁性を有する樹脂の皮膜が形成される。このようにして絶縁電線は製造される。
線材の表面に絶縁性を有する樹脂の皮膜を形成する工程においては、まず液状で比較的粘度の高い未硬化の樹脂(以下、「ワニス」という場合がある。)を線材の外周側に付着させる。その後、付着させた未硬化の樹脂の厚みを一定にして加熱等により樹脂を硬化させ、絶縁皮膜を形成する。このような樹脂の皮膜を形成する工程を繰り返して、所望の厚みの絶縁皮膜が形成された絶縁電線を得る。液状の未硬化の樹脂を一定の厚みで線材の外周側に付着させるために、ダイスが用いられる場合がある。
ダイスは筒状の形状を有する。ダイスには、一方側の端面から他方側の端面に至る貫通孔が設けられている。ワニスを付着させた線材は、ダイスに設けられた貫通孔内に搬送される。この時に貫通孔を取り囲むダイスの内壁面と線材との間に設けられる隙間により、線材の外周側に付着させたワニスの厚みが制御され、線材の外周側に付着させたワニスの量が調整される。
ダイスはいずれかの場所に固定された構成ではなく、線材の搬送方向に移動可能な状態で設けられている。ダイスに設けられた貫通孔には粘度の高いワニスが付着した線材が連続的に搬送されるため、ダイスは線材の搬送方向の下流側に向かう力を受ける。線材の搬送方向へのダイスの移動を規制するために、絶縁電線の製造装置には、ダイスホルダが設けられている。ダイスホルダは、ダイスに対して線材の搬送方向の下流側に配置されており、その位置が固定されている。ダイスは、線材の搬送方向の下流側に位置する一方側の端面がダイスホルダによって押さえられ、線材の搬送方向への移動が規制される。絶縁皮膜を形成する際に用いられるダイスに関する技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。
特開2013−232378号公報
ワニスを付着させた線材がダイスに設けられた貫通孔内を搬送されている際、貫通孔内においてワニスにはある程度の圧力が負荷されている。搬送された線材がダイスの貫通孔から排出された際、線材の外周側に付着したワニスに負荷されていた圧力が開放された状態となる。この時、ダイスのうち、線材の搬送方向の下流側に位置する貫通孔の周縁に、ワニスの一部が漏れ出る場合がある。このような現象を、「涙漏れ」と呼ぶことがある。漏れ出たワニスが貫通孔の周縁に溜まっていくと、溜まったワニスが搬送される線材の外周側に付着させたワニスの表面に粒状となって付着して搬送されてしまうおそれがある。そうすると、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分ができることになり、製品上好ましくない。
このような状況を回避するためには、貫通孔の周縁をチェックし、漏れ出たワニスが溜まっている状況や溜まりつつある状況であればこれを除去することが好ましい。しかし、線材の搬送方向の下流側には上記したようにダイスの移動を規制するダイスホルダが位置することになる。そうすると、貫通孔の周縁の確認が困難となってしまう。
そこで、この発明は、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができるダイスセットを提供することを目的の1つとする。
本発明に従ったダイスセットは、長手方向に搬送される導電性の線材の外周側に付着する、絶縁性を有する液状の樹脂の厚みを制御する。ダイスセットは、外周側に樹脂が付着している線材を挿通させる貫通孔が設けられた筒状のダイスと、ダイスに対して線材の搬送方向の下流側に配置され、搬送方向の下流側へのダイスの移動を規制するダイスホルダとを備える。搬送方向の下流側に位置する貫通孔の開孔部は、ダイスホルダにより搬送方向への移動が規制されるダイスの規制部よりも搬送方向の下流側に位置する。
上記ダイスセットによれば、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線に含まれる線材の一例を示す斜視図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線の一例を示す斜視図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットを備えた絶縁電線の製造装置の一部を概略的に示す図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットの断面図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットの断面図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットに含まれるダイスの外観を示す斜視図である。 本願の一実施形態に係るダイスセットに含まれるダイスの外観の一部を示す斜視図である。 本願の他の実施形態に係るダイスセットの断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願発明に係るダイスセットは、長手方向に搬送される導電性を有する線材の外周側に付着する、絶縁性を有する液状の樹脂の厚みを制御する。ダイスセットは、外周側に樹脂が付着している線材を挿通させる貫通孔が設けられた筒状のダイスと、ダイスに対して線材の搬送方向の下流側に配置され、搬送方向の下流側へのダイスの移動を規制するダイスホルダとを備える。搬送方向の下流側に位置する貫通孔の開孔部は、ダイスホルダにより搬送方向への移動が規制されるダイスの規制部よりも搬送方向の下流側に位置する。
このような構成のダイスセットは、ダイスに設けられた貫通孔の搬送方向の下流側に位置する開孔部が、ダイスホルダにより搬送方向の下流側への移動が規制されるダイスの規制部よりも搬送方向の下流側に位置するため、貫通孔の搬送方向の下流側に位置する開孔部の周縁の状態をダイスセットの外部、すなわち、ダイスセットの下流側から見やすくすることができる。そうすると、ダイスセットの外部側から貫通孔の搬送方向の下流側の開孔部の周縁を見て、ワニスが溜まった状態であるか否かを容易に把握することができる。ワニスが溜まった状態であることを視認できれば、早期にこの状態を解消することができる。したがって、ワニスが粒状となって線材の外周側に付着させたワニスの表面に付着するおそれを低減し、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
規制部からダイスホルダが位置する側に突出する突出部が設けられており、突出部に開孔部が設けられているよう構成してもよい。こうすることにより、より確実に貫通孔の搬送方向の下流側に位置する開孔部の周縁の状態をダイスセットの外部側から見やすくすることができる。また、ワニスの溜まる領域を小さくして、線材の外周側に付着させたワニスの表面にワニスが粒状となって付着するおそれを低減することができる。
規制部とダイスホルダとの間には、ベアリングが設けられていてもよい。こうすることにより、たとえば、線材が平角状であり、搬送方向に垂直な平面内において線材が傾いて搬送されたとしても、線材の形状に追随するようダイスを円滑に回転させて、線材の外周面に付着させるワニスの厚みのばらつきを抑えることができる。
上記貫通孔の開孔部は、ベアリングよりも進行方向の下流側に位置するよう構成してもよい。こうすることにより、より確実に貫通孔の搬送方向の下流側に位置する開孔部の周縁の状態をダイスセットの外部側から見やすくすることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本願の一実施形態に係るダイスセットの構成について図1〜図7を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付してその説明は繰り返さない。
まず、本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線の構成について説明する。図1は、本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線に含まれる線材の一例を示す斜視図である。理解の容易の観点から、図1において線材の断面も図示している。
本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線に含まれる線材11は、導電性を有する材料から構成されている。具体的には、たとえば導電性の高い銅または銅合金から構成されている。
図1を参照して、線材11は、図1中の矢印Dまたはその逆の向きで示す長手方向に延びる形状である。長手方向に垂直な平面で切断した線材11の断面12は、矩形状である。すなわち、線材11は、いわゆる平角状の線材である。線材11の外周面は、四つの平面13,14,15,16で構成されている。図1中の矢印Dまたはその逆の向きで示す方向に平面13,15が配置され、図1中の矢印Dまたはその逆の向きで示す方向に平面14,16が配置される。矢印Dと矢印Dは直交する。平面13と平面15との間の矢印Dまたはその逆の向きで示す方向の長さLは、平面14と平面16との間の矢印Dまたはその逆の向きで示す方向の長さLよりも短く構成されている。長さLおよび長さLはそれぞれ、要求に応じて任意にそれらの値が設定される。もちろん要求に応じて、長さLおよび長さLを同じとして線材11の断面形状を正方形状とすることにしてもよい。
図2は、本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線の一例を示す斜視図である。理解の容易の観点から、図2において絶縁電線の断面も図示している。図2における断面も、長手方向に垂直な平面で切断した場合の断面である。図2を参照して、本願の一実施形態に係るダイスセットを用いて製造される絶縁電線17は、図1に示す線材11と、絶縁皮膜18とを含む。具体的には、絶縁電線17は、線材11の外周側、具体的には線材11の外周面を構成する四つの平面13,14,15,16の表面を絶縁皮膜18で覆った構成である。絶縁皮膜18の厚みは、図2中の長さLで示される。絶縁皮膜18の厚みは、できるだけ各箇所において等しいことが望ましい。
絶縁皮膜18は、電気絶縁性の高い樹脂から構成されている。具体的には、例えばポリイミド樹脂やフッ素樹脂、ポリエーテルサルフォン(Poly Ether Sulfone(PES))樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(Poly Ether Ether Ketone(PEEK))樹脂などから構成されている。絶縁皮膜18の形成は、以下のようにして行われる。液状で比較的粘度の高い未硬化の絶縁性を有する樹脂(ワニス)が準備され、線材11の表面にワニスが塗布される。その後、加熱による樹脂の硬化により線材11の表面を覆った絶縁皮膜18が形成される。
次に、本願の一実施形態に係るダイスセットを備え、上記した図2に示す絶縁電線17を製造する際の絶縁電線17の製造装置の構成について説明する。図3は、本願の一実施形態に係るダイスセットを備えた絶縁電線17の製造装置の一部を概略的に示す図である。なお、図3において、矢印Dで線材11の搬送方向を示している。なお、線材11は、長手方向に搬送される。
図3を参照して、本願の一実施形態に係るダイスセットを備えた絶縁電線17の製造装置21は、樹脂塗布部22と、ダイス31およびダイスホルダ41を含むダイスセット23と、第一の加熱装置24と、第二の加熱装置25と、搬送部26とを備える。絶縁電線17の素材となる線材11は、搬送部26によって長手方向を搬送方向として矢印Dで示す向きに搬送される。樹脂塗布部22、ダイスセット23、第一の加熱装置24、および第二の加熱装置25はそれぞれ、線材11の搬送方向の上流側から順に配置されている。
樹脂塗布部22は、上記したワニスを満たした槽を含む。ワニスを満たした槽内を線材11が通過することにより、線材11の外周側にワニスが付着する。線材11に未だ絶縁皮膜18が形成されていない場合には、線材11の外周面を構成する平面13,14,15,16にワニスが付着する。線材11に絶縁皮膜18の一部が形成されている場合には、その絶縁皮膜18の一部の表面、すなわち、絶縁皮膜18の表層側にワニスが付着することとなる。
ワニスが外周側に付着した線材11は、ダイスセット23によってワニスの厚みが制御される。ダイスセット23は、長手方向に搬送される線材11の外周側に付着させるワニスの厚みを制御する。具体的には、ワニスが付着した線材11をダイスセット23に含まれるダイス31に備えられる貫通孔を挿通させることにより、線材11の外周側に付着させたワニスの厚みを揃えて一定の厚みとなるようにする。これについては、後述する。
ダイスセット23によりワニスの厚みが制御された後、第一の加熱装置24を用いてワニスを乾燥させる。その後、第二の加熱装置25を用いてワニスが付着した線材11を加熱し、熱硬化させる。
樹脂塗布部22、ダイスセット23、第一の加熱装置24、および第二の加熱装置25から構成される皮膜形成部27は、線材11の搬送方向において複数設けられている。複数の皮膜形成部27はそれぞれ全く同じではなく、たとえば、搬送方向の下流側に配置されるに従い、ダイス31に設けられた貫通孔の開孔部の断面積が徐々に大きくなる構成である。このようにして複数設けられた皮膜形成部27を経過する毎に、絶縁皮膜18の厚みを徐々に厚くするようにしている。すなわち、絶縁皮膜18を複数回に分けて繰り返し線材11の外周側に積層するようにして絶縁皮膜18を形成している。複数の皮膜形成部27による工程を経て、絶縁電線17が製造される。図3においては、一部の皮膜形成部27を図示している。
次に、本願の一実施形態に係るダイスセット23の構成について説明する。図4および図5は、本願の一実施形態に係るダイスセット23の断面図である。理解の容易の観点から、図5において製造工程中における線材およびワニスも図示している。図6は、本願の一実施形態に係るダイスセット23に含まれるダイスの外観を示す斜視図である。図7は、本願の一実施形態に係るダイスセット23に含まれるダイスの外観の一部を示す斜視図である。なお、図4および図5は、図6中のIV−IVで示す面で切断した場合の断面に相当する。図4〜図7中の矢印Dは、図3に示す場合と同様、線材11の搬送方向を示す。
図4〜図7を参照してダイスセット23は、ダイス31と、ダイスホルダ41とを備える。ダイスセット23は、長手方向に搬送される導電性を有する線材11の外周側に付着する、絶縁性を有する液状の樹脂であるワニスの厚みを制御する。
まずダイス31の構成について説明する。ダイス31は、筒状の形状を有する。ダイス31には、第一の貫通孔32が設けられている。ダイス31は、筒状の胴部33と、胴部33の一方側の端面34aから矢印Dで示す向きに突出する筒状の突出部35とを含む。すなわち、ダイス31には、後述する規制部としての胴部33の一方側の端面34aからダイスホルダ41が位置する側に突出する突出部35が設けられている。第一の貫通孔32は、胴部33および突出部35を貫く構成である。具体的には、第一の貫通孔32は、胴部33の他方側の端面34bから胴部33および突出部35内を通り、突出部35の最も突出した領域である端面36に至る構成である。なお、胴部33の一方側の端面34aは、ダイスホルダ41によりダイス31の搬送方向の移動が規制される規制部でもある。すなわち、ダイス31は、ダイスホルダ41に設けられた後述する段差面46により規制部としての端面34aが押さえられ、矢印Dで示す搬送方向への移動が規制される。
突出部35に開孔部37aが設けられている。第一の貫通孔32のうち、端面36側の開孔部37aは、絶縁電線17の断面形状に沿う矩形状である。また、胴部33に開孔部37bが設けられている。第一の貫通孔32のうち、端面34b側の開孔部37bは、図7に示すように矩形状である。開孔部37bの形状は、開孔部37aの形状を所定の比率で拡大した形状に近い形状である。開孔部37bから開孔部37aに至る途中の位置38までの第一の貫通孔32を取り囲む内壁面39bは、搬送方向に垂直な平面における断面積が徐々に小さくなるよう傾斜して延びている形状である。途中の位置38から開孔部37aに至る第一の貫通孔32を取り囲む内壁面39aは、搬送方向に垂直な平面における断面積が一定となるよう矢印Dに沿う方向に真っ直ぐに延びている形状である。
次に、ダイスホルダ41の構成について説明する。ダイスホルダ41には、第二の貫通孔42が設けられている。第二の貫通孔42は、丸孔である。ダイスホルダ41は、第一の輪状部43と第二の輪状部44とを含む。第一の輪状部43および第二の輪状部44は、図4中の矢印Dまたはその逆の向きで示すそれぞれの部材の厚み方向に積み重ねられた構成である。第一の輪状部43に設けられた第二の貫通孔42の直径は、第二の輪状部44に設けられた第二の貫通孔42の直径よりも小さい。第一の輪状部43および第二の輪状部44の双方とも円筒状であり、外径寸法は同じである。すなわち、内径側に設けられた第二の貫通孔42の直径の大きさの相違により、第一の輪状部43と第二の輪状部44とが分けられる構成である。第一の輪状部43には、第二の輪状部44の内径側に位置する内壁面45に連なり、図4中の矢印Dまたはその逆の向きで示す厚み方向に垂直な方向に延びる段差面46が設けられる。
ダイスセット23は、ベアリング51を備える。ベアリング51は、第一の軌道輪としてのワッシャー52と、第二の軌道輪53と、転動体としての玉54と、玉54を保持する保持器55とを備える。ベアリング51は、いわゆるスラスト荷重を受けるベアリングである。ベアリング51は、ダイス31とダイスホルダ41との間に配置される。具体的には、玉54が転動する軌道面を有するワッシャー52は、軌道面と反対側の面とダイス31のうちの胴部33の一方側の端面34aとが当接するように配置される。玉54が転動する軌道面を有する第二の軌道輪53は、軌道面と反対側の面とダイスホルダ41のうちの第一の輪状部43に設けられた段差面46とが当接するように配置される。ワッシャー52と第二の軌道輪53との間には保持器55に保持された玉54が配置され、スラスト方向に負荷される荷重を支持している。なお、開孔部37aは、ベアリング51よりも搬送方向の下流側に位置するよう構成されている。
ダイスセット23は、線材11の搬送方向の上流側にダイス31が配置され、搬送方向の下流側にダイスホルダ41が配置される構成である。そして、ダイス31とダイスホルダ41との間にベアリング51が配置される。ダイスホルダ41は、絶縁電線17の製造装置21において、いずれかの場所に固定されている。一方、ダイス31は、いずれの箇所にも固定されていない。ダイス31は、線材11の搬送方向であるDで示す向きにダイスホルダ41側に移動した際に、段差面46により胴部33の一方側の端面34aを押さえられて、ダイス31の搬送方向の下流側への移動が規制される。この時、ダイス31は、胴部33の一部および突出部35が、ダイスホルダ41に設けられた第二の貫通孔42内に収容された状態となる。また、段差面46と胴部33の一方側の端面34aとの間にはベアリング51が介在しているため、ダイス31は円滑に回転することができる。なお、第二の貫通孔42内にダイス31の一部が収容された際に、ダイス31と第二の貫通孔42との間には、隙間が形成されている。
次に、線材11の外周側にワニスを付着させる際の流れについて説明する。主に図5を参照して、線材11は、図5中の矢印Dで示す向きを搬送方向として搬送される。ここで、ダイスセット23の上流側には、上記した図3に示す樹脂塗布部22が設けられており、ワニスが満たされた槽内を通過した線材11が引き上げられるようにして矢印Dで示す向きに搬送されていく。ワニス28は粘度の高い液状であるため、ある程度の量が線材11の外周側に付着して線材11と共に引き上げられていく。ワニス28が外周側に付着した線材11は、ダイス31の端面34b側の開孔部37b側から第一の貫通孔32内に搬送されていく。
開孔部37b側に位置する第一の貫通孔32の内壁面39bは、開孔部37b側が広く、ダイス31の内方側に向かうに従い狭くなるよう傾斜した形状となっているため、線材11の外周側に付着したワニス28は、第一の貫通孔32の内壁面39bの形状に沿うよう絞り落とされていく。そして、線材11の搬送方向にストレートに延びる内壁面39aの部分まで到達すると、ワニス28の量は、線材11と内壁面39aとの間の領域を埋める量になる。このようにして線材11の外周側に付着させるワニス28の厚みを制御する。そのまま線材11は搬送方向に搬送されて引き上げられ、第一の貫通孔32のうちの端面36側の開孔部37aから排出されていく。
ダイス31については、搬送方向に搬送される線材11および線材11の外周側に付着した粘性の高いワニス28によって、線材11の搬送方向である上側に所定の力で押されることとなる。このダイス31に負荷される力は、胴部33の一方側の端面34aからベアリング51を介してダイスホルダ41に負荷される。ダイスホルダ41は固定されているため、ダイス31は、ダイスホルダ41によって矢印Dと逆の向きで示す上側、すなわち、線材11の搬送方向への移動が規制される。
線材11の外周側に付着したワニス28については、ダイス31内、すなわち、第一の貫通孔32内にあるときには、線材11の搬送方向への搬送に起因したある程度の高い圧力が負荷されている。そして、第一の貫通孔32からワニス28を外周側に付着させた線材11が排出された際に、ワニス28に負荷されていた圧力が開放されることとなる。そうすると、ワニス28の一部が、第一の貫通孔32の開孔部37aの周縁、具体的には、突出部35の端面36の領域に漏れ出る場合がある。このような漏れ出た微量のワニス28が端面36に蓄積されていくと、何らかの原因で搬送されている線材11の外周側に付着させたワニス28の表面に粒状となって付着し、そのまま搬送されていくおそれがある。このまま硬化されれば、絶縁皮膜18の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれがある。
しかし、このような構成のダイスセット23によれば、ダイス31に設けられた第一の貫通孔32の搬送方向の下流側に位置する開孔部37aが、ダイスホルダ41により搬送方向の下流側への移動が規制されるダイス31の規制部として胴部33の一方側の端面34aのよりも搬送方向の下流側に位置するため、第一の貫通孔32の搬送方向の下流側に位置する開孔部37aの周縁の状態をダイスセット23の外部側から見やすくすることができる。この場合、ダイスホルダ41の上面47と突出部35の端面36との搬送方向における長さLを比較的短くすることができる。そうすると、ダイスセット23の外部側、具体的にはダイスホルダ41の上側から第一の貫通孔32の搬送方向の下流側の開孔部37aの周縁を見やすくすることができ、ワニス28が溜まった状態であるか否かを容易に把握することができる。ワニス28が開孔部37aの周縁に溜まった状態であれば、早期にこの状態を解消することができる。具体的には、針等を利用して、開孔部37aの周縁に位置する突出部35の端面36に溜まったワニス28を除去することができる。したがって、ワニス28が粒状となって線材11の外周側に付着させたワニス28の表面に付着するおそれを低減し、絶縁皮膜18の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
本実施の形態においては、規制部からダイスホルダ41が位置する側に突出する突出部35が設けられており、突出部35に開孔部37aが設けられている。したがって、より確実に第一の貫通孔32の搬送方向の下流側に位置する開孔部37aの周縁の状態をダイスセット23の外部側から見やすくすることができる。また、このような構成によれば、開孔部37aの周縁の領域を小さくして開孔部37aの周縁に漏れ出て溜まるワニス28の量を少なくすることができる。したがって、ワニスが粒状となって線材11の外周側に付着させたワニス28の表面に付着するおそれを低減することができる。
また、本実施の形態においては、ダイスセット23は、ベアリング51を備える構成であるため、上記したような平角状の断面形状を有する線材11であっても、線材11の外周側に付着させるワニス28の厚みのばらつきを抑えることができる。すなわち、たとえば線材11の搬送方向に垂直な平面において、第一の貫通孔32の開孔部37aの形状に対して線材11が傾斜して搬送されたとする。このような場合、線材11の周囲、すなわち、線材11の各平面13,14,15,16側に位置するワニス28の量に偏りが生じるので、第一の貫通孔32の開孔部37aの形状に沿うようダイス31は回転しようとする。この時、ベアリング51によりダイス31を円滑に回転させることができ、線材11の外周側に付着させるワニス28の厚みのばらつきを抑えることができる。
また、本実施の形態においては、開孔部37aは、ベアリング51よりも搬送方向の下流側に位置する。こうすることにより、より確実に第一の貫通孔32の搬送方向の下流側に位置する開孔部37aの周縁の状態をダイスセット23の外部側から見やすくすることができる。
以上より、本実施の形態に係るダイスセット23によれば、絶縁皮膜18の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
なお、上記の実施の形態において、開孔部37aは、ベアリング51よりも搬送方向の下流側に位置することとしたが、これに限らず、開孔部37aは、ベアリング51よりも搬送方向の上流側に位置させることとしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、ダイスセット23は、ベアリング51を備える構成としたが、これに限らず、ダイスセット23は、ベアリング51を備えない構成としてもよい。図8は、本願の他の実施形態に係るダイスセットの断面図である。図8に示す断面は、図4に示す断面に相当する。
図8を参照して、本願の他の実施形態に係るダイスセット60は、ダイス61と、ダイスホルダ41とを備える。ダイスホルダ41の構成については、上記した図4等に示すものと同じであるため、その説明を省略する。
ダイス61には、第一の貫通孔62が設けられている。ダイス61は、胴部63と、突出部64とを備える。ダイス61における第一の貫通孔62、胴部63、および突出部64の基本的な構成は、図4等に示す実施形態のものと同様である。ダイス61と図4に示すダイス31とは、図8中の矢印Dまたはその逆の向きで示す胴部63の搬送方向の長さ、および突出部64の搬送方向の長さが異なる。また、胴部63のうちの規制部を構成する一方側の端面65は、ダイスホルダ41の段差面46と当接する構成である。
このようなダイスセット60によっても、絶縁皮膜18の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
なお、上記の実施の形態においては、突出部に開孔部を設けることとしたが、これに限らず、ダイスは突出部を含まない構成として、搬送方向の下流側に位置する貫通孔の開孔部は、ダイスホルダにより搬送方向への移動が規制されるダイスの規制部よりも搬送方向の下流側に位置するよう構成してもよい。このように構成することによっても、第一の貫通孔の搬送方向の下流側に位置する開孔部の周縁の状態をダイスセットの外部側から見やすくすることができる。したがって、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減することができる。
なお、上記の実施の形態においては、線材11の断面形状を矩形状としたが、これに限らず、線材11の断面形状は、多角形状であってもよいし、円状や楕円状であってもよい。さらに、線材11の断面形状は、複数の曲線と直線から構成される外形形状を有するものであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、線材11は、銅または銅合金から構成されることとしたが、これに限らず、導電性を有する線材であればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願のダイスセットは、絶縁皮膜の表面において外方側に突出した部分が生じるおそれを低減したい場合に、特に有利に適用され得る。
11 線材
12 断面
13,14,15,16 平面
17 絶縁電線
18 絶縁皮膜
21 絶縁電線の製造装置
22 樹脂塗布部
23,60 ダイスセット
24 第一の加熱装置
25 第二の加熱装置
26 搬送部
27 皮膜形成部
28 ワニス
31,61 ダイス
32,62 第一の貫通孔
33,63 胴部
34a,34b,36,65 端面
35,64 突出部
37a,37b 開孔部
38 位置
39a,39b,45 内壁面
41 ダイスホルダ
42 第二の貫通孔
43 第一の輪状部
44 第二の輪状部
46 段差面
47 上面
51 ベアリング
52 ワッシャー
53 第二の軌道輪
54 玉
55 保持器

Claims (4)

  1. 長手方向に搬送される導電性を有する線材の外周側に付着する、絶縁性を有する液状の樹脂の厚みを制御するダイスセットであって、
    前記外周側に前記樹脂が付着している前記線材を挿通させる貫通孔が設けられた筒状のダイスと、
    前記ダイスに対して前記線材の搬送方向の下流側に配置され、前記搬送方向の下流側への前記ダイスの移動を規制するダイスホルダとを備え、
    前記搬送方向の下流側に位置する前記貫通孔の開孔部は、前記ダイスホルダにより前記搬送方向への移動が規制される前記ダイスの規制部よりも前記搬送方向の下流側に位置する、ダイスセット。
  2. 前記ダイスには、前記規制部から前記ダイスホルダが位置する側に突出する突出部が設けられており、
    前記突出部に前記開孔部が設けられている、請求項1に記載のダイスセット。
  3. 前記規制部と前記ダイスホルダとの間には、ベアリングが設けられている、請求項1または請求項2に記載のダイスセット。
  4. 前記開孔部は、前記ベアリングよりも前記搬送方向の下流側に位置する、請求項3に記載のダイスセット。
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