JP2018193970A - Egr制御装置及びegr制御プログラム - Google Patents

Egr制御装置及びegr制御プログラム Download PDF

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Tomoyuki Akita
智行 秋田
松栄 上田
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Abstract

【課題】吸入空気の圧縮と非圧縮を切替可能な圧縮機を作動した場合のEGR割合の低下を抑制可能なEGR制御装置及びEGR制御プログラムを提供することを目的とする。【解決手段】HPL−EGR機構40が作動している状態で電動コンプレッサモータ30を作動する場合に、吸気圧力が排気圧力より高くなると推定されるときに、EGRガスの逆流を防ぐために、制御部がHPL−EGRバルブ24を閉じる。また、制御部が、EGRガスを還流するために、LPL−EGRバルブ22を開放して、LPL−EGR機構42によりEGRガスを還流する。【選択図】図1

Description

本発明は、LPL(Low Pressure Loop)−EGR(Exhaust Gas Recirculation)機構及びHPL(High Pressure Loop)−EGR機構を備えて排気ガスを吸気経路に還流するEGRの制御を行うEGR制御装置及びEGR制御プログラムに関する。
EGR制御装置としては種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、エンジンは、ターボ過給機、LPL−EGR機構、HPL−EGR機構及び補助過給機構を備えている。ECUは、吸気通路に凝縮水が発生すると判定し、かつ、補助過給機構により凝縮水の発生を抑制可能であると判定した場合に、補助過給機構を駆動する第1の制御手段を備えている。また、ECUは、補助過給機構の駆動後に、吸気マニホールドの吸気圧が排気マニホールドの排気圧よりも大きい場合に、HPL−EGR機構の高圧EGR弁を開弁し、高圧EGR通路を経由して吸気圧を排気通路に逃がす第2の制御手段を備えている。これにより、特許文献1では、EGRにより誘発される凝縮水を安定的に抑制し、部品の寿命や信頼性を向上させることができる。
特開2016−50481号公報
ところで、加速時など吸気流量を急激に増加させる必要がある場合、電動で作動する圧縮機を作動させる技術が知られている。電動で作動する圧縮機はモータでコンプレッサを回転させるため、排気エネルギーを利用するターボ過給機よりも応答性が早く、また排気のエネルギーを利用しないため、排気圧力が上昇しない。
しかしながら、電動の圧縮機を動作させたときに、運転条件によっては吸気圧力が排気圧力よりも高くなってしまう。そして、HPL−EGRは、排気圧力が吸気圧力よりも高い場合に、その差圧により吸気経路に排気ガスを還流するため、吸気圧力が排気圧力よりも高くなった場合には、HPL−EGRではEGRガスが吸気に導入されず、吸気が排気にバイパスされてしまう。その結果、EGR割合が低下するため、NOx排出量が増加するだけでなく、吸気量が低下するためスモーク排出量も増加する。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、吸入空気の圧縮と非圧縮を切替可能な圧縮機を作動した場合のEGR割合の低下を抑制可能なEGR制御装置及びEGR制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るEGR制御装置は、排気経路から取り出したEGRガスを、吸入空気の圧縮と非圧縮とを切り替え可能な圧縮機より吸気下流側の吸気経路に還流する第1排気再循環部に設けられた第1弁と、前記第1排気再循環部より排気下流側の排気経路から取り出したEGRガスを、前記圧縮機より吸気上流側の吸気経路に還流する第2排気再循環部に設けられた第2弁と、前記第1弁を開放している状態で、前記圧縮機を作動して吸気圧力が排気圧力より高くなる場合に、前記第1弁を閉鎖して前記第2弁を開放するように前記第1弁及び前記第2弁の各々を制御する制御部と、を含む。
なお、前記第1排気再循環部が、前記圧縮機より吸気上流側に配置されて排気圧力を利用して吸入空気を圧縮するターボ過給機の排気上流側の排気経路から取り出したEGRガスを前記ターボ過給機の吸気下流側の吸気経路に還流し、前記第2排気再循環部が、前記ターボ過給機の排気下流側の排気経路から取り出したEGRガスを前記ターボ過給機より吸気上流側の吸気経路に還流してもよい。
また、前記制御部は、前記第1弁を開放している状態で前記圧縮機を作動して吸気圧力が排気圧力より高くなる場合に、前記第1弁を閉鎖する前に、第1弁の開度を一旦大きくしてから前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を更に制御してもよい。
この場合、前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第2時間>前記第1時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第1時間から前記第3時間を差分した時間が経過するまで前記第1弁の開度を一旦大きくするように前記第1弁を制御してもよい。
或いは、前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第1時間>前記第2時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第2時間から前記第3時間を差分した時間が経過するまで前記第1弁の開度を一旦大きくするように前記第1弁を制御してもよい。
或いは、前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第3時間>前記第1時間、または前記第3時間>前記第2時間の場合は、前記第1弁の開度を一旦大きくすることなく前記圧縮機の作動直後に前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を制御してもよい。
なお、前記制御部は、前記第1弁を開放して前記第1弁の開度を一旦大きくする際に、前記第1排気再循環部によるEGRガスの還流が維持される駆動力で駆動するよう前記圧縮機を更に制御してもよい。
この場合、前記制御部は、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間の関係が、前記第2時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第2時間から前記第3時間を差分した時間が経過したところで予め定めた目標駆動力になるように前記圧縮機を制御してもよい。
或いは、前記制御部は、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間の関係が、前記第3時間>前記第2時間の場合は、前記第1弁の開度を一旦大きくすることなく前記圧縮機の作動直後に前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を制御してもよい。
一方、上記目的を達成するために本発明に係るEGR制御プログラムは、コンピュータを、上記のEGR制御装置における制御部として機能させる。
以上説明したように本発明によれば、吸入空気の圧縮と非圧縮を切替可能な圧縮機を作動した場合のEGR割合の低下を抑制することができる、という効果がある。
本実施形態に係るEGR制御装置の制御対象となる内燃機関周辺の構成を示す図である。 本実施形態に係るEGR制御装置の概略構成を示すブロック図である。 第1バルブを閉じて第2バルブを開放して電動コンプレッサを作動した場合の吸気の流れを示す図である。 HPL−EGR機構が作動状態で電動コンプレッサを作動した場合の吸気圧力、排気圧力、EGR率、及びコンプレッサ回転数の推移例を示す図である。 第1実施形態に係るEGR制御装置の制御部による制御を行った場合の吸気圧力、排気圧力、EGR率、コンプレッサ回転数及びEGRバルブ開度の推移例を示す図である。 第1実施形態に係るEGR制御装置の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るEGR制御装置の制御部による制御を行った場合(tLPL>tpr>t)の吸気圧力、排気圧力、EGR率、コンプレッサ回転数、及びEGRバルブ開度の推移例を示す図である。 第2実施形態に係るEGR制御装置の制御部による制御を行った場合(tpr>tLPL>t)の吸気圧力、排気圧力、EGR率、コンプレッサ回転数、及びEGRバルブ開度の推移例を示す図である。 第2実施形態に係るEGR制御装置の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るEGR制御装置の制御部による制御を行った場合(tLPL>t)の吸気圧力、排気圧力、EGR率、コンプレッサ回転数、及びEGRバルブ開度の推移例を示す図である。 第3実施形態に係るEGR制御装置の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 (A)はターボ過給機を省略した構成例を示す図であり、(B)はターボ過給機とインタークーラの間に電動コンプレッサを配置した構成例を示す図であり、(C)は電動コンプレッサの配置を、LPL−EGR機構の出口とターボ過給機との間に配置した構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るEGR制御装置の制御対象となる内燃機関周辺の構成を示す図である。
図1に示すように、内燃機関38には、圧縮機としての電動コンプレッサ32、インタークーラ36、ターボ過給機34、第1排気再循環部としてのHPL−EGR機構40、及び第2排気再循環部としてのLPL−EGR機構42が設けられている。
本実施形態では、内燃機関38の吸気経路に沿って、ターボ過給機34のターボ圧縮機33、インタークーラ36、電動コンプレッサ32の圧縮機31が順に配置されている。
本実施形態では、内燃機関38に吸入される空気は、ターボ圧縮機33によって圧縮されて、インタークーラ36により冷却される。また、インタークーラ36により冷却された空気は、電動コンプレッサ32の圧縮機31を通過せずに内燃機関38に流入する経路、又は、圧縮機31によって圧縮されて内燃機関38に流入する経路を通って内燃機関38に流入する。
電動コンプレッサ32の圧縮機31を通過せずに内燃機関38に流入する経路には、開閉制御可能な第1バルブ26が設けられ、圧縮機31によって圧縮されて内燃機関38に流入する経路には、開閉制御可能な第2バルブ28が設けられている。なお、第1バルブ26と第2バルブ28は、一方が開放された場合に他方が閉鎖され、排他的に開放される。具体的には、電動コンプレッサ32を作動する場合は第1バルブ26を閉じて第2バルブ28を開放し、電動コンプレッサ32を作動しない場合は第2バルブ28を閉じて第1バルブ26を開放する。
一方、内燃機関38から排出された排気ガスは、ターボ過給機34のタービン35を介して排出され、排気ガスによってタービン35が駆動されることにより、ターボ圧縮機33によって吸入空気が圧縮される。
また、HPL−EGR機構40及びLPL−EGR機構42の各々は、内燃機関38から排出された排気ガスを取り出して、内燃機関38の吸気経路にEGRガスを還流する。
具体的には、HPL−EGR機構40は、内燃機関38の排気マニホールド等の排気経路に排気ガスの取り出し口が設けられ、吸気マニホールド等の吸気経路に排気ガスの還流口が設けられている。HPL−EGR機構40の取り出し口から還流口の間には、第1弁としてのHPL−EGRバルブ24が設けられている。HPL−EGRバルブ24は、開閉制御可能とされ、開放することにより、HPL−EGR機構40によってEGRガスが吸気経路に還流される。
一方、LPL−EGR機構42は、HPL−EGR機構40の排気ガスの取り出し口より排気下流側に、排気ガスの取り出し口が設けられ、ターボ圧縮機33より吸気経路の上流側に排気ガスの還流口が設けられている。LPL−EGR機構42の取り出し口から還流口の間には、第2弁としてのLPL−EGRバルブ22が設けられている。LPL−EGRバルブ22は、開閉制御可能とされ、開放することにより、LPL−EGR機構42によってEGRガスが吸気経路に還流される。
続いて、本実施形態に係るEGR制御装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るEGR制御装置10の概略構成を示すブロック図である。
EGR制御装置10は、内燃機関38のEGRを制御する制御部12を備えている。制御部12は、例えば、図2に示すように、CPU12A、ROM12B、RAM12C、及びI/O(入出力インターフェース)12Dがバス12Eに接続されたコンピュータで構成される。
ROM12Bには、EGRを制御するためのプログラムや、各種データ等が記憶されている。ROM12Bに記憶されたプログラムをRAM12Cに展開してCPU12Aが実行することにより、EGRの制御が行われる。
I/O12Dには、吸気圧センサ14、排気圧センサ16、吸気温センサ18、エアフロセンサ20、LPL−EGRバルブ22、HPL−EGRバルブ24、第1バルブ26、第2バルブ28、及び電動コンプレッサモータ30が接続されている。
吸気圧センサ14は、例えば、内燃機関38の吸気マニホールド等の吸気管に設けられ、吸気圧力を検出して検出結果を制御部12に出力する。
排気圧センサ16は、例えば、内燃機関38の排気マニホールド等の排気管に設けられ、排気圧力を検出して検出結果を制御部12に出力する。
吸気温センサ18は、例えば、内燃機関38の吸気マニホールド等の吸気管に設けられ、吸気温度を検出して検出結果を制御部12に出力する。
エアフロセンサ20は、内燃機関38に流入する空気流量を検出して検出結果を制御部12に出力する。
LPL−EGRバルブ22、HPL−EGRバルブ24、第1バルブ26、及び第2バルブ28は、それぞれ制御部12の制御によってバルブの開閉が行われる。
電動コンプレッサモータ30は、制御部12の制御によって回転が駆動され、圧縮機31によって吸入空気が圧縮される。
制御部12は、各センサの検出結果に基づいて、各バルブ及び電動コンプレッサモータ30の駆動を制御することにより、HPL−EGR機構及びLPL−EGR機構42の作動を制御する。具体的には、HPL−EGR機構40及びLPL−EGR機構42の作動は、予め定めたマップに従って各バルブを制御部12が制御してEGRガスの還流を行う。
ここで、本実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12によるEGR制御について詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態のように、LPL−EGR機構42、HPL−EGR機構40、及び電動コンプレッサ32を少なくとも含む内燃機関38では、HPL−EGR機構40を作動している状態で、電動コンプレッサ32を作動させると、EGRガスが逆流することがある。すなわち、HPL−EGR機構40は、排気圧力が吸気圧力より高いことを利用して排気ガスを吸気経路に還流するが、電動コンプレッサ32の作動により、排気圧力より吸気圧力の方が高くなることによりEGRガスの逆流が発生する。
例えば、本実施形態では、第1バルブ26を閉じて第2バルブ28を開放して電動コンプレッサ32を作動すると、図3の実線矢印で示すように、内燃機関38に吸入される空気は、ターボ圧縮機33によって圧縮してインタークーラ36で冷却される。また、冷却された空気は、電動コンプレッサ32の圧縮機31で圧縮されて内燃機関38に流入される。ここで、HPL−EGRバルブ24が開放した状態でHPL−EGR機構40を作動すると、図4に示すように、電動コンプレッサ32の回転の上昇と共に、吸気圧力が徐々に増加して、排気圧力を超えた圧力となる。吸気圧力が排気圧力を超えると、EGRガスが吸気経路に還流されずに逆流が発生する。EGRガスが逆流すると、EGR率が低下し、NOx排出量が増加するだけでなく、吸気量が低下するためスモーク排出量も増加する。
そこで、本実施形態では、HPL−EGR機構40が作動している状態で電動コンプレッサモータ30を作動する場合に、吸気圧力が排気圧力より高くなると推定されるときに、EGRガスの逆流を防ぐために、制御部12がHPL−EGRバルブ24を閉じる。また、制御部12が、EGRガスを還流するために、LPL−EGRバルブ22を開放して、図3の点線矢印で示すようにLPL−EGR機構42によりEGRガスを還流する。これにより図5に示すようにEGR率の低下を抑制できる。
ここで、吸気圧力が排気圧力より高くなるかの判定は、電動コンプレッサ32の始動前の吸気圧センサ14、吸気温センサ18、排気圧センサ16、及びエアフロセンサ20の各検出結果に基づいて推定する。なお、本実施形態では、吸気圧力、排気圧力、及び吸気温はそれぞれセンサによって検出する形態として説明するが、これに限るものではない。例えば、内燃機関38の回転数と内燃機関38の負荷とから予め推定したマップを参照してそれぞれを推定する形態としてもよい。
具体的には、吸気温センサ18によって検出された吸気温度、及びエアフロセンサ20によって検出された吸気流量に基づいて、電動コンプレッサ32の圧力比を推定する。圧力比の推定は、以下の式を用いて推定してもよいが、吸気圧力、内燃機関38の回転数、及び内燃機関38の負荷から予め推定したマップを参照して推定してもよい。
なお、rは電動コンプレッサ32の入口と出口の圧力比、kは比熱比、Rは空気の気体定数、Gaは吸気流量、Tは電動コンプレッサ32の入り口温度、Wecompは電動コンプレッサ32の動力、ηecompは電動コンプレッサ32の効率をそれぞれ示す。
そして、推定した電動コンプレッサ32の圧力比と、電動コンプレッサ32の始動前の圧力とから、以下の式で示すように、電動コンプレッサ32の動作後の吸気圧力が求まるので、これを用いて吸気圧力が排気圧力より高くなるかを推定する。
なお、Pinaは電動コンプレッサ32の始動前の圧力を示し、Pinbは電動コンプレッサ32の始動後の圧力を示す。
本実施形態では、図5に示すように、電動コンプレッサ32の始動直後にEGR率が低下するが、これは吸気経路中におけるLPL−EGR機構42の出口からHPL−EGR機構40の出口までにEGRガスが還流していない新気が存在するために低下する。すなわち、HPL−EGRバルブ24が閉じられた後に、LPL−EGRバルブ22が開放してLPL−EGR機構42からのEGRガスが到達するまでの吸気はEGR率が減少したガスが導入されることになる。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる具体的な処理について説明する。図6は、本実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、例えば、内燃機関を制御するECU(Electronic Control Unit)等から電動コンプレッサ32の始動要求が行われた場合に開始するものとする。
ステップ100では、CPU12Aが、第1バルブ26を閉じて第2バルブ28を開放して電動コンプレッサモータ30を駆動することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を開始してステップ102へ移行する。
ステップ102では、CPU12Aが、HPL−EGR機構40を使用しているか否かを判定する。例えば、該判定は、HPL−EGRバルブ24が開放しているか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ104へ移行し、否定された場合にはステップ110へ移行する。
ステップ104では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32の始動後の吸気圧力が排気圧力より高いか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ108へ移行する。
ステップ106では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24の開度調整を行ってステップ110へ移行する。すなわち、電動コンプレッサ32が作動してもHPL−EGR機構40においてEGRガスの逆流が発生しないので、HPL−EGR機構40を作動したまま、HPL−EGRバルブ24の調整制御を行う。なお、HPL−EGRバルブ24の調整制御は、予め定めたマップに従って内燃機関38の負荷に応じて調整する。
一方、ステップ108では、CPU12Aが、LPL−EGRバルブ22を開放して、HPL−EGRバルブ24を閉鎖してステップ110へ移行する。すなわち、電動コンプレッサ32による過給によって吸気圧力が排気圧力より高くなり、EGRガスが逆流するため、HPL−EGR機構40の作動を停止してLPL−EGR機構42を作動することにより、EGR率の低下を抑制することができる。
ステップ110では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32が停止したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ112へ移行する。
ステップ112では、CPU12Aが、第2バルブ28を閉じて第1バルブ26を開放して電動コンプレッサモータ30を停止することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を停止して一連の処理を終了する。なお、図6の処理を終了後は、予め定めたマップに従ってHPL−EGR機構40及びLPL−EGR機構42の作動を制御するものとする。
このように制御することで、HPL−EGR機構40が作動中に電動コンプレッサ32が作動することによるHPL−EGR機構40のEGRガスの逆流を防止することができる。そして、HPL−EGR機構40の代わりに、LPL−EGR機構42を作動することで、EGR率の低下を抑制できる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12によるEGR制御について説明する。
一般的に、電動コンプレッサ32を動作させていない運転状態においては、排気圧力が吸気圧力よりも高くなる。そのため、排気圧と吸気圧の差圧を利用し、HPL−EGR機構40により排気の一部を還流する。
一方で、第1実施形態で説明したように、電動コンプレッサ32が動作することで吸気圧力が排気圧力よりも高くなる運転条件が存在する。電動コンプレッサ32を動作させて吸気圧力が排気圧力よりも高くなると、HPL−EGR機構40の通路を吸気が排気に向かって逆流するため、第1実施形態でのように、HPL−EGRバルブ24を閉じ、LPL−EGRバルブ22を開く制御が必要となる。
また、吸気経路中におけるLPL−EGR機構42の出口からHPL−EGR機構40の出口までにEGRガスが導入されていない新気が存在する。そのため、LPL−EGRバルブ22が開いた後でもLPL−EGR機構42からのEGRガスが到達するまでの吸気は、図5に示すように、EGR率が減少したガスが導入される。
そこで、本実施形態では、吸気圧力が排気圧力よりも低い状態から高い状態に遷移する期間において、HPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくしてからHPL−EGRバルブ24を閉じることで、EGR率の低下を抑制するようになっている。
具体的には、電動コンプレッサ32の圧力比を推定して電動コンプレッサ32の動作後の吸気圧力を求める点までは、第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧が排気圧より高くなるまでの時間tpr、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPL、及びHPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tを推定する。そして、推定した各時間に応じて各バルブ(LPL−EGRバルブ22及びHPL−EGRバルブ24)を制御する。
電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧が排気圧より高くなるまでの時間tprの推定は、以下に示す式から推定してもよいし、内燃機関38の回転数及び内燃機関38の負荷から予め推定されたマップを参照してもよい。
以下の式から時間tprを推定する場合は、電動コンプレッサ32の動作前後の圧力Pinb、Pina、排気圧Pex、電動コンプレッサ32の回転速度ω、及び電動コンプレッサ32の目標回転数Necmpから以下のように求めることができる。
また、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLの推定は、内燃機関38の回転数、内燃機関38の負荷、吸気流量、及びEGR率から予め推定したマップを参照する。
さらに、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tの推定は、以下の式により推定する。
なお、θHPはHPL−EGRバルブ24の開度を示し、VHPはHPL−EGRバルブ24の開閉速度を示す。
そして、本実施形態では、電動コンプレッサ32の始動後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達する前に、吸気圧力が排気圧力より高くなる場合(tLPL>tpr>t)は、以下のように制御する。すなわち、図7に示すように、電動コンプレッサ32の始動後、LPL−EGRバルブ22を開き、また吸気圧力と排気圧力の差圧が小さくなるため、HPL−EGRバルブ24も一旦開いていく。この時、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度のまま維持する。そして、電動コンプレッサ32の始動後、(tpr−t) 経過したらHPL−EGR機構40から吸気が排気に流出しないよう、HPL−EGRバルブ24を閉じる。
また、電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧力が排気圧力よりも高くなる前に、LPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達する場合(tpr>tLPL>t)は、以下のように制御する。すなわち、図8に示すように、電動コンプレッサ32の始動後にLPL−EGRバルブ22を開き、また吸気圧力と排気圧力の差圧が小さくなるためHPL−EGRバルブ24も一旦開いていく。この時、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度のまま維持する。そして、電動コンプレッサ32の始動後、(tLPL−t)経過したらLPL−EGR機構42のEGRガスが到達するため、EGRガス量が過剰にならいようにHPL−EGRバルブ24を閉じる。
さらに、電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧力が排気圧力よりも高くなる時間、またはLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達する時間よりもHPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間が長い場合(t>tprまたはt>tLPL)は、以下のように制御する。すなわち、電動コンプレッサ32の始動後、直ぐにHPL−EGRバルブ24を閉じる。これにより、吸気の排気への流出を防ぐ、もしくはEGRガス量が過剰になることを防ぐことができる。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる具体的な処理について説明する。図9は、第2実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、例えば、内燃機関を制御するECU等から電動コンプレッサ32の始動要求が行われた場合に開始するものとする。
ステップ200では、CPU12Aが、CPU12Aが、第1バルブ26を閉じて第2バルブ28を開放して電動コンプレッサモータ30を駆動することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を開始してステップ202へ移行する。
ステップ202では、CPU12Aが、HPL−EGR機構40を使用しているか否かを判定する。例えば、該判定は、HPL−EGRバルブ24が開放しているか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはステップ232へ移行する。
ステップ204では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32の始動後の吸気圧力が排気圧力より高いか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、肯定された場合にはステップ208へ移行する。
ステップ206では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24の開度調整を行ってステップ232へ移行する。すなわち、電動コンプレッサ32が作動してもHPL−EGR機構40においてEGRガスの逆流が発生しないので、HPL−EGR機構40を作動したまま、HPL−EGRバルブ24の調整制御を行う。なお、HPL−EGRバルブ24の調整制御は、予め定めたマップに従って内燃機関38の負荷に応じて調整する。
一方、ステップ208では、CPU12Aが、LPL−EGRバルブ22を開放してステップ210へ移行する。
ステップ210では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧力Pinが排気圧力Pex以上になるまでの時間tprを推定してステップ212へ移行する。
ステップ212では、CPU12Aが、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLを推定してステップ214へ移行する。
ステップ214では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間Tを推定してステップ216へ移行する。
ステップ216では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧が排気圧より高くなるまでの時間tprよりLPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLの方が長い(tpr<tLPL)か否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ218へ移行し、肯定された場合にはステップ224へ移行する。
ステップ218では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tよりLPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLの方が長い(tLPL>t)か否かを判定する。すなわち、該判定は、tpr>tLPL>tであるか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ220へ移行し、否定された場合にはステップ230へ移行する。
ステップ220では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を一旦開放してステップ222へ移行する。すなわち、HPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくする。また、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度を維持する。
ステップ222では、CPU12Aが、(tLPL−t)経過したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ220に戻って処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ230へ移行する。
一方、ステップ224では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tより電動コンプレッサ32の始動後に吸気圧が排気圧より高くなるまでの時間tprの方が長い(tpr>t)か否かを判定する。すなわち、該判定は、tLPL>tpr>tであるか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ226へ移行し、否定された場合にはステップ230へ移行する。
ステップ226では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を一旦開放してステップ228へ移行する。すなわち、HPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくする。また、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度を維持する。
ステップ228では、CPU12Aが、(tpr−t) 経過したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ226に戻って処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ230へ移行する。
ステップ230では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じてステップ232へ移行する。
ステップ232では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32が停止したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ234へ移行する。
ステップ234では、CPU12Aが、第2バルブ28を閉じて第1バルブ26を開放して電動コンプレッサモータ30を停止することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を停止して一連の処理を終了する。なお、本実施形態においても、図9の処理を終了後は、予め定めたマップに従ってHPL−EGR機構40及びLPL−EGR機構42の作動を制御するものとする。
このように制御することで、HPL−EGRバルブ24を閉じる前に開度を大きくするので、第1実施形態よりもEGR率の低下を抑制できる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12によるEGR制御について説明する。
第2実施形態では、LPL−EGRバルブ22を開いてから、HPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくしてから閉じることで、EGR率の低下を抑制したが、本実施形態では、更に電動コンプレッサ32を制御するようにしたものである。
本実施形態では、LPL−EGR機構42のEGRガスが到達するまで、吸気圧力が排気圧力を超えないように電動コンプレッサ32の回転数を更に制御し、かつHPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくしてから閉じることで、EGR率の低下を抑制する。
具体的には、電動コンプレッサ32の圧力比を推定して電動コンプレッサ32の動作後の吸気圧力を求める点までは、第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
本実施形態では、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPL、及びHPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tを推定する。そして、推定した各時間に応じて各バルブ(LPL−EGRバルブ22及びHPL−EGRバルブ24)及び電動コンプレッサモータ30の回転数を制御する。なお、時間tLPL、及び時間tの推定は第2実施形態で説明したように推定する。
そして、本実施形態では、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLよりHPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tの方が短い場合(tLPL>t)は、以下のように制御する。すなわち、図10に示すように、電動コンプレッサ32の始動後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまで電動コンプレッサ32の回転数を吸気圧力が排気圧力を超えないように制御し、同時にHPL−EGRバルブ24の開度を大きくする。電動コンプレッサ32の仕事をなるべく大きくするために、HPL−EGRバルブ24の開度は極力を大きくし、HPL−EGR機構40のEGRガスを還流するための吸気圧力と排気圧力との差圧を小さくする。この時、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度を維持する。そして、電動コンプレッサ32の始動後、(tLPL−t)経過したらLPL−EGR機構42のEGRガスが到達するため、電動コンプレッサ32の回転数を目標回転数まで高くしてEGRガス量が過剰にならいようにHPL−EGRバルブ24を閉じる。
また、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tよりLPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLの方が短い場合(t>tLPL)は、以下のように制御する。すなわち、LPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達する時間よりもHPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間が長い場合には、電動コンプレッサ32の始動直後にHPL−EGRバルブ24を閉じる。これにより、EGRガス量が過剰になることを抑制することができる。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる具体的な処理について説明する。図11は、第3実施形態に係るEGR制御装置10の制御部12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、例えば、内燃機関を制御するECU等から電動コンプレッサ32の始動要求が行われた場合に開始するものとする。また、第2実施形態と同一処理については同一符号を伏して説明する。
ステップ200では、CPU12Aが、第1バルブ26を閉じて第2バルブ28を開放して電動コンプレッサモータ30を駆動することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を開始してステップ202へ移行する。
ステップ202では、CPU12Aが、HPL−EGR機構40を使用しているか否かを判定する。例えば、該判定は、HPL−EGRバルブ24が開放しているか否かを判定し、判定が肯定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはステップ232へ移行する。
ステップ204では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32の始動後の吸気圧力が排気圧力より高いか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、肯定された場合にはステップ208へ移行する。
ステップ206では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24の開度調整を行ってステップ232へ移行する。すなわち、電動コンプレッサ32が作動してもHPL−EGR機構40においてEGRガスの逆流が発生しないので、HPL−EGR機構40を作動したまま、HPL−EGRバルブ24の調整制御を行う。なお、HPL−EGRバルブ24の調整制御は、予め定めたマップに従って内燃機関38の負荷に応じて調整する。
一方、ステップ208では、CPU12Aが、LPL−EGRバルブ22を開放してステップ212へ移行する。
ステップ212では、CPU12Aが、LPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLを推定してステップ214へ移行する。
ステップ214では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間Tを推定してステップ218へ移行する。
ステップ218では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じるために必要な時間tよりLPL−EGRバルブ22が開いた後にLPL−EGR機構42のEGRガスがHPL−EGR機構40の出口に到達するまでの時間tLPLの方が長い(tLPL>t)か否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ220へ移行し、否定された場合にはステップ230へ移行する。
ステップ220では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を一旦開放してステップ221へ移行する。すなわち、HPL−EGRバルブ24の開度を一旦大きくする。また、HPL−EGRバルブ24が最大開度になった場合は最大開度を維持する。
ステップ221では、CPU12Aが、HPL−EGR機構40によるEGRガスの還流を確保できる電動コンプレッサ32の回転数になるように電動コンプレッサモータ30を制御してステップ222へ移行する。
ステップ222では、CPU12Aが、(tLPL−t)経過したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ221に戻って処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ230へ移行する。
ステップ230では、CPU12Aが、HPL−EGRバルブ24を閉じてステップ232へ移行する。
ステップ232では、CPU12Aが、電動コンプレッサ32が停止したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ234へ移行する。
ステップ234では、CPU12Aが、第2バルブ28を閉じて第1バルブ26を開放して電動コンプレッサモータ30を停止することにより、電動コンプレッサ32の圧縮機による過給を停止して一連の処理を終了する。なお、本実施形態においても、図11の処理を終了後は、予め定めたマップに従ってHPL−EGR機構40及びLPL−EGR機構42の作動を制御するものとする。
このように制御することでも、第2実施形態と同様に、第1実施形態よりもEGR率の低下を抑制できる。また、第2実施形態に対して電動コンプレッサ32も更に制御するので、第2実施形態よりも更にEGR率の低下を抑制できる。
なお、上記の各実施形態では、内燃機関周辺の構成例として、図1に示す構成を一例として説明したが、これに限るものではない。例えば、図12(A)に示すように、上記の実施形態に対してターボ過給機34を省略した構成を適用してもよい。或いは、図12(B)に示すように、上記の実施形態のインタークーラ36の配置と電動コンプレッサ32の配置を逆にして、ターボ過給機34とインタークーラ36の間に電動コンプレッサ32を配置する構成を適用してもよい。或いは、図12(C)に示すように、電動コンプレッサ32の配置を、LPL−EGR機構42の出口とターボ過給機34との間に配置する構成を適用してもよい。
また、上記の各実施形態では、吸入空気の圧縮と非圧縮を切り替え可能な圧縮機の一例として電動コンプレッサ32を適用した例を説明したが、これに限るものではない。例えば、電磁クラッチ等によって内燃機関の駆動力の伝達の有無を切り替えて圧縮機31を機械的に駆動する所謂スーパーチャージャーを圧縮機として適用してもよい。
また、上記の実施形態における制御部12で行われる図6、9、11の処理は、コンピュータがプログラムを実行することにより行われるソフトウエア処理として説明したが、ハードウエアで行う処理としてもよい。或いは、ソフトウエア及びハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。また、ソフトウエアで行う処理とする場合のプログラムは、各種記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、図6、9、11の処理を行うプログラムを予めROM12Bに記憶した形態として説明したが、これに限るものではない。例えば、プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 EGR制御装置
12 制御部
22 LPL−EGRバルブ
24 HPL−EGRバルブ
26 第1バルブ
28 第2バルブ
30 電動コンプレッサモータ
32 電動コンプレッサ
34 ターボ過給機
40 HPL−EGR機構
42 LPL−EGR機構

Claims (10)

  1. 排気経路から取り出したEGRガスを、吸入空気の圧縮と非圧縮とを切り替え可能な圧縮機より吸気下流側の吸気経路に還流する第1排気再循環部に設けられた第1弁と、
    前記第1排気再循環部より排気下流側の排気経路から取り出したEGRガスを、前記圧縮機より吸気上流側の吸気経路に還流する第2排気再循環部に設けられた第2弁と、
    前記第1弁を開放している状態で、前記圧縮機を作動して吸気圧力が排気圧力より高くなる場合に、前記第1弁を閉鎖して前記第2弁を開放するように前記第1弁及び前記第2弁の各々を制御する制御部と、
    を含むEGR制御装置。
  2. 前記第1排気再循環部が、前記圧縮機より吸気上流側に配置されて排気圧力を利用して吸入空気を圧縮するターボ過給機の排気上流側の排気経路から取り出したEGRガスを前記ターボ過給機の吸気下流側の吸気経路に還流し、
    前記第2排気再循環部が、前記ターボ過給機の排気下流側の排気経路から取り出したEGRガスを前記ターボ過給機より吸気上流側の吸気経路に還流する、
    請求項1に記載のEGR制御装置。
  3. 前記制御部は、前記第1弁を開放している状態で前記圧縮機を作動して吸気圧力が排気圧力より高くなる場合に、前記第1弁を閉鎖する前に、第1弁の開度を一旦大きくしてから前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を更に制御する請求項1又は請求項2に記載のEGR制御装置。
  4. 前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第2時間>前記第1時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第1時間から前記第3時間を差分した時間が経過するまで前記第1弁の開度を一旦大きくするように前記第1弁を制御する請求項3に記載のEGR制御装置。
  5. 前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第1時間>前記第2時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第2時間から前記第3時間を差分した時間が経過するまで前記第1弁の開度を一旦大きくするように前記第1弁を制御する請求項3又は請求項4に記載のEGR制御装置。
  6. 前記制御部は、前記圧縮機の作動後に吸気圧力が排気圧力より高くなるまでの第1時間、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間のそれぞれの関係が、前記第3時間>前記第1時間、または前記第3時間>前記第2時間の場合は、前記第1弁の開度を一旦大きくすることなく前記圧縮機の作動直後に前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を制御する請求項3〜5の何れか1項に記載のEGR制御装置。
  7. 前記制御部は、前記第1弁を開放して前記第1弁の開度を一旦大きくする際に、前記第1排気再循環部によるEGRガスの還流が維持される駆動力で駆動するよう前記圧縮機を更に制御する請求項3に記載のEGR制御装置。
  8. 前記制御部は、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間の関係が、前記第2時間>前記第3時間の場合は、前記圧縮機が作動してから前記第2時間から前記第3時間を差分した時間が経過したところで予め定めた目標駆動力になるように前記圧縮機を制御する請求項7に記載のEGR制御装置。
  9. 前記制御部は、前記第2弁を開放した後に前記第2排気再循環部によるEGRガスが前記第1排気再循環部の出口に到達するまでの第2時間、及び前記第1弁を閉じるために必要な第3時間の関係が、前記第3時間>前記第2時間の場合は、前記第1弁の開度を一旦大きくすることなく前記圧縮機の作動直後に前記第1弁を閉鎖するように前記第1弁を制御する請求項7又は請求項8に記載のEGR制御装置。
  10. コンピュータを、請求項1〜9の何れか1項に記載のEGR制御装置における制御部として機能させるためのEGR制御プログラム。
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