JP2018193261A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】アイオノマー樹脂を含有し、強度と透明性に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供する。【解決手段】一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂とを含む共アイオノマー樹脂を含有する合わせガラス用中間膜。一価の陽イオンがナトリウムイオン、二価の非遷移金属陽イオンがマグネシウムイオンであり、共アイオノマー樹脂中の一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂の比率が50〜90重量%である、合わせガラス用中間膜。更に好ましくはシランカップリング剤、特にアミノ基を有するシランカップリング剤を含有することが望ましい、合わせガラス用中間膜。【選択図】なし
Description
本発明は、アイオノマー樹脂を含有し、強度と透明性に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラスや、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。
合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜としては、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタールを用い、液状可塑剤や接着力調整剤を配合して、耐貫通性やガラスに対する接着性を調整するものが一般的である。
合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜としては、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタールを用い、液状可塑剤や接着力調整剤を配合して、耐貫通性やガラスに対する接着性を調整するものが一般的である。
近年、熱可塑性樹脂としてアイオノマー樹脂を用いた合わせガラス用中間膜が提案されている(例えば、特許文献1)。アイオノマー樹脂は、金属イオンによる凝集力を利用して高分子を凝集体とした合成樹脂であり、透明性が高く、弾力性、柔軟性、耐クラック性にも優れているとされる。
しかしながら、アイオノマー樹脂を含有する合わせガラス用中間膜は、強度と透明性の点で合わせガラス用中間膜に要求される水準には達しておらず、実用に供されてはいないのが現状であった。
しかしながら、アイオノマー樹脂を含有する合わせガラス用中間膜は、強度と透明性の点で合わせガラス用中間膜に要求される水準には達しておらず、実用に供されてはいないのが現状であった。
本発明は、アイオノマー樹脂を含有し、強度と透明性に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂とを含む共アイオノマー樹脂を含有する合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂とを含む共アイオノマー樹脂を用いることにより、合わせガラス用中間膜に要求される充分な強度と透明性とを発揮できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の合わせガラス用中間膜は、一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂とを含む共アイオノマー樹脂を含有する。このような共アイオノマー樹脂を含有することにより、本発明の合わせガラス用中間膜は充分な強度と透明性とを発揮することができる。これは、一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂との相溶性を維持しつつ、それぞれの樹脂に含まれる金属イオンの存在により優れた強度を発揮する共アイオノマー樹脂となるためと考えられる。
本明細書においてアイオノマー樹脂は、金属イオンによる凝集力を利用して高分子を凝集体とした合成樹脂を意味する。
上記アイオノマー樹脂を構成する高分子としては、マイナスイオンを有する陰イオン系高分子であれば特に限定されず、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸とエチレンとの共重合体等のエチレン系陰イオン高分子、ウレタン系陰イオン高分子、スチレン系陰イオン高分子や、フッ素陰イオン高分子等を用いることができる。これらの陰イオン系高分子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に高い強度と透明性とを発揮することができ、入手が容易で安価でもあることから、エチレン系陰イオン高分子が好適である。
上記アイオノマー樹脂を構成する高分子としては、マイナスイオンを有する陰イオン系高分子であれば特に限定されず、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸とエチレンとの共重合体等のエチレン系陰イオン高分子、ウレタン系陰イオン高分子、スチレン系陰イオン高分子や、フッ素陰イオン高分子等を用いることができる。これらの陰イオン系高分子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に高い強度と透明性とを発揮することができ、入手が容易で安価でもあることから、エチレン系陰イオン高分子が好適である。
上記アイオノマー樹脂を構成する一価の金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等が挙げられる。これらの一価の金属イオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アイオノマー樹脂を構成する二価の非遷移金属陽イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、カドミウムイオン等が挙げられる。これらの二価の非遷移金属陽イオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、特に高い強度と透明性とを発揮することができることから、上記一価の陽イオンがナトリウムイオンであり、上記二価の非遷移金属陽イオンがマグネシウムイオンであることが好ましい。
上記アイオノマー樹脂を構成する二価の非遷移金属陽イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、カドミウムイオン等が挙げられる。これらの二価の非遷移金属陽イオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、特に高い強度と透明性とを発揮することができることから、上記一価の陽イオンがナトリウムイオンであり、上記二価の非遷移金属陽イオンがマグネシウムイオンであることが好ましい。
上記一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル社製の「ハイミラン(Himilan)(登録商標)」、具体的には例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1707(Na)や、デュポン社製の「サーリン(Surlyn)(登録商標)」、具体的には例えば、サーリン8945(Na)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)や、エクソンモービル化学社製の「アイオテック(Iotek)(登録商標)」、具体的には例えば、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)等の市販品を用いることもできる。
なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Li等は、これらの中和金属イオンの金属種を示す。
なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Li等は、これらの中和金属イオンの金属種を示す。
上記二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂としては、例えば、三井・デュポンポリケミカル社製の「ハイミラン(Himilan)(登録商標)」、具体的には例えば、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランAM7329(Zn)や、デュポン社製の「サーリン(Surlyn)(登録商標)」、具体的には例えば、サーリン9945(Zn)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)や、エクソンモービル化学社製の「アイオテック(Iotek)(登録商標)」、具体的には例えば、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)等の市販品を用いることもできる。
なお、商品名の後の括弧内に記載したZn、Mg等は、これらの中和金属イオンの金属種を示す。
なお、商品名の後の括弧内に記載したZn、Mg等は、これらの中和金属イオンの金属種を示す。
上記共アイオノマー樹脂中の上記一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂の比率は特に限定されないが、好ましい下限は50重量%、好ましい上限は90重量%である。上記一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂の比率がこの範囲内であると、特に高い強度と透明性とを発揮できる合わせガラス用中間膜を得ることができる。上記一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂の比率のより好ましい下限は60重量%、より好ましい上限は80重量%である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記共アイオノマー樹脂にシランカップリング剤を併用することにより、合わせガラス用中間膜のガラスに対する接着力を向上させることができる。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、従来公知のシランカップリング剤を用いることができる。なかでも、高温高湿試験後においてもガラスに対する高い接着力を発揮させることができることから、アミノ基を有するシランカップリング剤が好適である。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、具体的には例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプピルトリメトキシシラン、および3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜中の上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、上記共アイオノマー樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲内であると、得られる合わせガラス用中間膜のガラスに対する接着力を適度な範囲に調整することができる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、染料、顔料、可塑剤、帯電防止剤、無機粒子、蛍光剤、熱線吸収剤、熱線反射剤、接着力調整剤として変性シリコーンオイル、耐湿剤、アンチブロッキング剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は100μm、好ましい上限は1000μmであり、より好ましい下限は200μm、より好ましい上限は900μm、更に好ましい上限は800μmである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上記共アイオノマー樹脂を含有する層(以下、「アイオノマー樹脂層」ともいう)のみからなる単層構造であってもよいし、上記アイオノマー樹脂層と他の層(1層又は2層以上)を積層した多層構造であってもよい。上記合わせガラス用中間膜が多層構造である場合、上記アイオノマー樹脂層に積層する他の層の構成成分を調整することにより、得られる合わせガラス用中間膜に種々の機能を付与することも可能である。
上記他の層としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の、アイオノマー樹脂以外の熱可塑性樹脂を含有する層が挙げられる。なかでも、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮し、種々の添加剤を配合することにより様々な機能を発揮できる合わせガラス用中間膜が得られることから、ポリビニルアセタール樹脂を含有する層が好適である。
上記他の層がポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記他の層は可塑剤を含有することが好ましい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記他の層における上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が100重量部である。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は80重量部、更に好ましい下限は45重量部、更に好ましい上限は70重量部、特に好ましい下限は50重量部、特に好ましい上限は63重量部である。
例えば、本発明の合わせガラス用中間膜に遮熱性能を付与するために、上記他の層に熱線吸収剤を含有させることができる。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)粒子、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)粒子、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子、6ホウ化ランタン粒子及び6ホウ化セリウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)粒子、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)粒子、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子、6ホウ化ランタン粒子及び6ホウ化セリウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、断面形状が楔形であってもよい。合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形であれば、合わせガラスの取り付け角度に応じて、楔形の楔角θを調整することにより、運転者が視線を下げることなく前方視野と計器表示とを同時に視認することができるヘッドアップディスプレイに用いたときに二重像やゴースト像の発生を防止することができる。二重像をより一層抑制する観点から、上記楔角θの好ましい下限は0.1mrad、より好ましい下限は0.2mrad、更に好ましい下限は0.3mradであり、好ましい上限は1mrad、より好ましい上限は0.9mradである。
なお、例えば押出機を用いて樹脂組成物を押出し成型する方法により断面形状が楔形の合わせガラス用中間膜を製造した場合、薄い側の一方の端部からわずかに内側の領域に最小厚みを有し、厚い側の一方の端部からわずかに内側の領域に最大厚みを有する形状となることがある。具体的には、合わせガラス用中間膜の一端と他端との間の距離をXとしたときに、薄い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最小厚みを有し、厚い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最大厚みを有する形状となることがある。本明細書においては、このような形状も楔形に含まれる。なお、上記合わせガラス用中間膜の一端と他端との距離Xは、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下であり、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上である。
なお、例えば押出機を用いて樹脂組成物を押出し成型する方法により断面形状が楔形の合わせガラス用中間膜を製造した場合、薄い側の一方の端部からわずかに内側の領域に最小厚みを有し、厚い側の一方の端部からわずかに内側の領域に最大厚みを有する形状となることがある。具体的には、合わせガラス用中間膜の一端と他端との間の距離をXとしたときに、薄い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最小厚みを有し、厚い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最大厚みを有する形状となることがある。本明細書においては、このような形状も楔形に含まれる。なお、上記合わせガラス用中間膜の一端と他端との距離Xは、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下であり、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上である。
本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である場合、例えば、上記アイオノマー樹脂層の厚みを一定範囲とする一方、上記他の層の形状を調整することにより、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状が一定の楔角である楔形となるように調整することができる。
本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。例えば、上記一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂、二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂、シランカップリング剤と必要に応じて配合される他の成分とを混練し、合わせガラス用中間膜を成形する製造方法等が挙げられる。連続的な生産に適しているため、押出成形する製造方法が好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
本発明によれば、アイオノマー樹脂を含有し、強度と透明性に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂として三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン(Himilan)(登録商標)1707(表1中では単に「1707」と表記する。)90重量部、二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂として三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン(Himilan)(登録商標)AM7311(表1中では単に「AM7311」と表記する。)10重量部、シランカップリング剤としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(表1中では「A」と表記する。)0.2重量部を混合し、ミキシングロールで充分に混練して組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、厚み800μmの単層の合わせガラス用中間膜を得た。
一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂として三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン(Himilan)(登録商標)1707(表1中では単に「1707」と表記する。)90重量部、二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂として三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン(Himilan)(登録商標)AM7311(表1中では単に「AM7311」と表記する。)10重量部、シランカップリング剤としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(表1中では「A」と表記する。)0.2重量部を混合し、ミキシングロールで充分に混練して組成物を得た。得られた組成物を押出機により押出して、厚み800μmの単層の合わせガラス用中間膜を得た。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂、二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂及びシランカップリング剤の種類及び配合量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を得た。
なお、表1中「1706」は、ハイミラン(Himilan)(登録商標)1706(三井・デュポンポリケミカル社製)を示す。
一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂、二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂及びシランカップリング剤の種類及び配合量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして合わせガラス用中間膜を得た。
なお、表1中「1706」は、ハイミラン(Himilan)(登録商標)1706(三井・デュポンポリケミカル社製)を示す。
(評価)
実施例及び比較例で得た合わせガラス用中間膜について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得た合わせガラス用中間膜について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)引張強度及び引張伸度の測定
JIS K6251に準じた方法により、得られた合わせガラス用中間膜をダンベル状に打ち抜いたものをサンプルとして、23℃、50%RHの条件下にてテンシロンUCE500(オリエンテック社製)を用いて速度200mm/分、標線間距離40mmにて引張強度及び引張伸度を測定した。各々についてn=10で測定を行い、その平均値を引張強度及び引張伸度とした。
JIS K6251に準じた方法により、得られた合わせガラス用中間膜をダンベル状に打ち抜いたものをサンプルとして、23℃、50%RHの条件下にてテンシロンUCE500(オリエンテック社製)を用いて速度200mm/分、標線間距離40mmにて引張強度及び引張伸度を測定した。各々についてn=10で測定を行い、その平均値を引張強度及び引張伸度とした。
(2)ヘイズ値の測定
得られた合わせガラス用中間膜を縦5cm×横5cmのサイズに切断し、厚み1.7mmのクリアガラス2枚で挟み込み積層した。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、80kPaで50秒保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、13MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラス用中間膜を縦5cm×横5cmのサイズに切断し、厚み1.7mmのクリアガラス2枚で挟み込み積層した。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、80kPaで50秒保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、13MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスについて、積分式濁度計(東京電色社製)を用い、23℃、50%RHの条件下にてヘイズ値を測定した。得られた合わせガラスから無作為に選んだ10点のヘイズ値を測定し、その平均値をヘイズ値とした。
(3)接着力の測定
表面を中性洗剤と蒸留水で洗浄し十分に乾燥させたクリアガラスを用意した。
得られた合わせガラス用中間膜を、一方にクリアガラスを配置し他方に内側にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを挟み込んだクリアガラスを配置して挟み込み、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させ積層体を得た。この際、ピール試験においてPETフィルムをつかむことができる程度にPETフィルムをずらして挟み込み、引張試験機に取り付ける際のつかみしろを設けておいた。
表面を中性洗剤と蒸留水で洗浄し十分に乾燥させたクリアガラスを用意した。
得られた合わせガラス用中間膜を、一方にクリアガラスを配置し他方に内側にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを挟み込んだクリアガラスを配置して挟み込み、230℃の加熱ロールを用いて仮圧着させ積層体を得た。この際、ピール試験においてPETフィルムをつかむことができる程度にPETフィルムをずらして挟み込み、引張試験機に取り付ける際のつかみしろを設けておいた。
仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて圧着後、PETフィルムに接するクリアガラスを分離して、クリアガラスと中間膜とPETフィルムとがこの順で積層されたサンプルを得た。
得られたサンプルについて、23℃、50%RHの条件下にてJIS K6251に準じた方法により、引張試験機(テンシロンUCE500、オリエンテック社製)を用いて速度200mm/分、標線間距離40mmにて90°ピール強度(kg/cm)を測定した。各々についてn=10で測定を行い、その平均値を初期接着力とした。
また、得られたサンプルを85℃、90%RHの環境下に3000時間置いた後、同様の測定を行い、高温高湿試験後接着力とした。
得られたサンプルについて、23℃、50%RHの条件下にてJIS K6251に準じた方法により、引張試験機(テンシロンUCE500、オリエンテック社製)を用いて速度200mm/分、標線間距離40mmにて90°ピール強度(kg/cm)を測定した。各々についてn=10で測定を行い、その平均値を初期接着力とした。
また、得られたサンプルを85℃、90%RHの環境下に3000時間置いた後、同様の測定を行い、高温高湿試験後接着力とした。
本発明によれば、アイオノマー樹脂を含有し、強度と透明性に優れる合わせガラス用中間膜、及び、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することができる。
Claims (6)
- 一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂と二価の非遷移金属陽イオンを含むアイオノマー樹脂とを含む共アイオノマー樹脂を含有することを特徴とする合わせガラス用中間膜。
- 一価の陽イオンがナトリウムイオンであり、二価の非遷移金属陽イオンがマグネシウムイオンであることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。
- 共アイオノマー樹脂中の一価の陽イオンを含むアイオノマー樹脂の比率が50〜90重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。
- シランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。
- シランカップリング剤は、アミノ基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項4記載の合わせガラス用中間膜。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されていることを特徴とする合わせガラス。
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Cited By (1)
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WO2020262482A1 (ja) | 2019-06-24 | 2020-12-30 | 日本ポリエチレン株式会社 | フィルム状成形体用樹脂及びそれからなる成形品 |
Citations (5)
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