以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る集積装置100について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態の集積装置100の構成について説明する。図1は、集積装置100の正面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚み等を適宜誇張して表現する。
本実施形態の集積装置100は、供給集積手段110と、押さえ手段120と、搬送路140と、移送手段150と、各種センサー(図示省略)と、制御ユニット(図示省略)等を有し、供給集積手段110から供給される物品XA1を起立状態で所定個数に集積し、物品群YA1として下流工程に移送する装置である。
集積装置100の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。すなわち、集積装置100の各部は、制御ユニットの制御下において動作して、その動作状況が制御ユニットによって管理されている。制御ユニットは、各種センサーで取得したデータに基づいて集積装置100の各部の動作を制御して調整する。
制御ユニットは、CPU、RAM、及びROM等から構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
物品XA1は、一例として箱体や包装体(例えば、薄型であったり、不安定な形状や柔らかい外表面を有するなどによって自立しにくいものや、変形しやすい箱体(包装体)など)であり、供給集積手段110からその下流側に設けられた搬送路140上に1個ずつ供給され、搬送路140において起立状態で複数に纏められる。
より詳細には、物品XA1は搬送方向Lの前方(図1では右方)から後方(図1では左方)に順次、起立状態で並ぶように纏められ、1組の物品群YA1として複数纏めた状態で下流工程に移送される。
搬送路140のうち上流側の領域は物品XA1を所定数集積(集合)させて物品群YA1とする集積領域140Aであり、下流側の領域は物品群YA1を一括して次工程(下流工程)に移送する移送領域140Bとなっている。
また搬送路140は、後述する移送手段150の一部が搬送路140上に突出して移動可能となるように搬送幅方向Wの中央付近が離間している。
供給集積手段110は、横倒しされた物品XA1を個々に回転し、起立させながら順次搬送路140の上流端に送り出す(供給する)ことで物品XA1を起立状態に集積する手段であり、例えば回転ドラムである。回転ドラム110は、供給された物品XA1を支持する段部111と、段部111に連続する湾曲部112とがその外周に設けられている。段部111は横倒しされた物品XA1を支持し、搬送路140への供給方向の前方となる物品XA1の端部が下端となるようにドラムを回転(同図では時計回りの方向に回転)することで物品XA1を起立状態とし、湾曲部112によって支持している物品XA1を回転方向前方(回転ドラム110の下流側)に設けた搬送路140上に押し出すように構成されている。
押さえ手段(押さえユニット)120は、物品XA1が集積されるに伴って搬送路140上を下流側へ移動する先頭(搬送方向前方の先頭)の物品XA1を支持する。押さえユニット120は、搬送路140上を移動しながら先頭の物品XA1を支持可能な押さえ部121を複数有し、搬送路140の集積領域140A上を移動する起立状態の物品XA1(1つ物品XA1または複数集積された物品群YA1)の転倒を防止する。押さえ部121は、この例では所定距離で離間された一対(2個)の押さえ部121が設けられる場合について説明するが、押さえ部121は2個以上であってもよい。2個の押さえ部121(121A、121B)の構成は同様であり、いずれも、集積領域140A上を搬送方向Lの前後方向に交互に移動しながら、所定個数が集積される物品群YA1のうち搬送方向Lの最も前方に配置された物品XA1の前方側に当接してこれを保持する。
詳細は後述するが、押さえ部121A,121Bは、搬送路140の集積領域140A上において集積する起立状態の物品XA1の数(例えば、5個、10個・・・など)に対応する距離で離間するように、支持フレーム123(123A、123B)を介して無端状のベルト122(またはチェーン)122に取り付けられる。つまり、一方の押さえ部121Aが搬送方向Lの後方側端部(押さえ部121の移動する範囲の最上流端部)に位置する場合、他方の押さえ部121Bが搬送方向Lの前方(押さえ部の移動する範囲の最下流端部)側端部に位置するように構成されている。なお、後述するが、本実施形態の押さえ部121は最上流端部および最下流端部で回動するため、以下の説明において、押さえ部121の移動する範囲の最上流端部の位置(第一の位置P1)および最下流端部の位置(第二の位置P2)は、支持フレーム123の移動する範囲の最上流端部の位置および最下流端部の位置とする。
そして、ベルト122の回転に伴って、一方の押さえ部121Aが搬送方向L前方(下流側)に移動するとこれに同期して他方の押さえ部121Bが搬送方向L後方(上流側)に移動し、一方の押さえ部121Aが搬送方向L後方(上流側)に移動するとこれに同期して他方の押さえ部121Bが搬送方向L前方(下流側)に移動する。
つまり、一方の押さえ部121A(または121B)が物品XA1を保持して搬送方向L前方に移動している間に、他方の押さえ部121B(または121A)が搬送方向L後方に移動するように構成されている。
移送手段(移送ユニット)150は、搬送路140の下方に配置され、搬送路140の集積領域140Aで集積された物品XA1(物品群YA1)を纏めて搬送路140の下流側の移送領域140B上に抜き出して下流工程に移送する。
移送ユニット150は、前方保持部151と、後方保持部152と、前方保持部151および後方保持部152が取り付けられる移動テーブル153と、移動テーブル153が係合して摺動するレール154と、移動テーブル153の駆動手段(不図示のモーターなど)を有している。
前方保持部151と後方保持部152とは所定間隔で離間して一つの移動テーブル153に一体的に取り付けられており、両者は搬送方向Lにおける前後関係を維持した状態で、レール154上を搬送方向Lの前後方向に同時に往復移動する。
<押さえユニット>
図2から図4を参照して押さえユニット120について更に説明する。図2(A)は押さえユニット120の正面図であり、同図(B)は同図(A)の押さえユニット120を下流側から見た側面図である。また、図3は押さえユニット120の上面図であり、図4は、押さえ部121A、121Bの動作の概要を示す正面図である。
図2および図3に示すように押さえユニット120は、搬送路140の集積領域140Aの上方に配置される。
押さえユニット120は、搬送路140の集積領域140A下方において配置されたプーリ(ローラ)124a〜124fを回転自在に支持させ、そのプーリ124a〜124fに環状のベルト122が掛け渡されている。
ベルト122は、上流と下流の間を往復するように走行する第1走行面122aと、第2走行面122bとが無端で連結される。第1走行面122aと第2走行面122bは、搬送路140を挟むようにその搬送幅方向W(搬送路140の搬送方向Lに直交する方向)の両側に配置される。
プーリの一つ(例えば、プーリ124a)は例えば、不図示の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力がベルト122に伝わり、ベルト122が回転走行する。ベルト122は、プーリ124aの回転方向の切替によって、走行方向の切替が可能となっており、第1走行面122aが上流から下流に走行する場合には第2走行面122bが下流から上流に走行し、第1走行面122aが下流から上流に走行する場合には第2走行面122bが上流から下流に走行するように往復走行する。
ベルト122の搬送幅方向Wの両側には左右一対で所定間隔を置いて支持フレーム123(第1支持フレーム123A、第2支持フレーム123B)が取り付けられる。詳細には、第1支持フレーム123Aは、ベルト122の例えば第1走行面122aの外側に位置するように取り付けられ、他方の第2支持フレーム123Bは、ベルト122の第2走行面122bの外側に位置するように取り付けられる。また、第1支持フレーム123Aが上流側端部(第一の位置P1)に位置する場合に第2支持フレーム123Bは下流側端部(第二の位置P2)に位置し、第2支持フレーム123Bが上流側端部(第一の位置P1に位置する場合に第1支持フレーム123Aは下流側端部(第二の位置P2)に位置するように取り付けられる。
ベルト122は、例えばプーリ124aを駆動する駆動手段(例えば駆動モータなど)によって上流から下流に向かう方向、および下流から上流に向かう方向に交互に走行する。
これにより、第1支持フレーム123Aは第1走行面122aに沿って、押さえユニット120の上流側端部と下流側端部の間を往復移動し、第2支持フレーム123Bは第2走行面122bに沿って、押さえユニット120の上流側端部と下流側端部の間を、第1支持フレーム123Aと同期して逆方向に(第1支持フレーム123Aと交互に)往復移動する。
第1支持フレーム123Aの上方先端には、第1回動支持部125Aを介して一方の押さえ部121A(第1押さえ部121A)が取り付けられている。第1回動支持部125Aは、第1支持フレーム123Aに設けられた回転軸126Aを中心に水平方向に回動自在となっている。
第1回動支持部125Aは、第1支持フレーム123Aが上流側端部(第一の位置P1)に位置している場合に搬送路140の集積領域140Aの上方に進出し、第1フレーム123Aが下流側端部(第二の位置P2)に位置している場合に搬送路140の上方から水平に回動して搬送路140の側方の上方に退出する。
第2支持フレーム123Bの上方先端には、第2回動支持部125Bを介して一方の押さえ部121B(第2押さえ部121B)が取り付けられている。第2回動支持部125Bは、第2支持フレーム123Bに設けられた回転軸126Bを中心に水平方向に回動自在となっている。
第2回動支持部125Bは、第2フレーム123Bが上流側端部(第一の位置P1)に位置している場合に搬送路140の集積領域140Aの上方に進出し、第2フレーム123Bが下流側端部(第二の位置P2)に位置している場合に搬送路140の上方から水平に回動して搬送路140の側方の上方に退出する。
第1回動支持部125Aと第2回動支持部125Bは、例えば、第1支持フレーム123Aと第2支持フレーム123Bの下方にそれぞれ設けたシリンダ127A、127B(例えば、エアシリンダ)などによって回動する。
第1回動支持部125Aおよび第2回動支持部125Bは、例えば、押さえユニット120の上流側端部に設けられた不図示のセンサなどによって、第1フレーム123Aまたは第2フレーム123Bが上流側端部に位置していることを検出することによって回動する。
このような構成によって、第1押さえ部121Aと第2押さえ部121Bが搬送方向に交互に移動するとともに、搬送路140の上方と側方上方の間で進退可能となる。
具体的には、図4を参照して、押さえユニット120の上流側端部に設けられた不図示のセンサなどによって第1フレーム123Aが上流側端部(第一の位置P1)に位置していることが検出されると、第1回動支持部125Aが回動し、第1押さえ部121Aが搬送路140の側方上方から搬送路140の集積領域140A上方に進出する(同図(A))。
また、本実施形態では第1フレーム123Aが上流側端部(第一の位置P1)に位置している場合、第2フレーム123Bは下流側端部(第二の位置P2)に位置するように構成されている。そして上記のセンサなどによって第1フレーム123Aが上流側端部に位置していることが検出されると、第2回動支持部125Bが回動し、第2押さえ部121Bが搬送路140の集積領域140Aの上方から搬送路140の側方上方に退出する(同図(B))。
起立する物品XA1の数が増えることによって第1フレーム123Aが上流側端部から下流側端部に移動する間、第1押さえ部121Aは搬送路140の集積領域140Aの上方に位置して上流から下流に移動する。この第1フレーム123Aの移動に同期して、第2フレーム123Bは第2押さえ部121Bを搬送路140の側方上方に待避させた状態で、下流側から上流側に移動する(同図(B)〜(D))。
また、上記のセンサなどによって第2フレーム123Bが上流側端部に位置していることが検出され、且つ、移動テーブル153の下流への移動が開始し、押さえユニット120と移送ユニット150とが干渉しない状態になると、第2回動支持部125Bが回動し、第2押さえ部121Bが搬送路140の側方上方から搬送路140の集積領域140A上方に進出する。
第2フレーム123Bが上流側端部に位置している場合は第1フレーム123Aが下流側端部に位置するように構成されているため、第2回動支持部125Bの回動と同期して第1回動支持部125Aが回動し、第1押さえ部121Aが搬送路140の集積領域140A上方から搬送路140の側方上方に退出する(同図(E))。
同様に、第2フレーム123Bが上流側端部(第一の位置P1)から下流側端部(第二の位置P2)に移動する間、第2押さえ部121Bは搬送路140の上方に位置して上流から下流に移動する。この第2フレーム123Bの移動に同期して、第1フレーム123Aは第1押さえ部121Aを搬送路140の側方上方に待避させた状態で、下流側から上流側に移動する。
なお、プーリ124a、124c、124d、及び124fは、取付位置が固定され、プーリ124b、及び124eは、互いの間隔を保ちつつ、取付位置を搬送方向に調整可能に構成されている。図3(B)におけるプーリ124bとプーリ124eは、ベルト122の長さ調整のために設けられており、両プーリ124b、124eを上流側に移動させると、押さえ部121の移動距離を長くすることができる。
これとは逆に、両プーリ124b、124eを下流側に移動させることによって、押さえ部121の移動距離(搬送距離)を短くすることができる。
このようにして、集積(集合)する物品XA1の量や、物品XA1の形状の変化による物品群YA1としての搬送方向長さの変化に適宜対応することができる。
<移送ユニット>
図5および図6を参照して移送ユニット150について説明する。図5(A)、(B)は移送ユニット150の部分を抜き出して示す正面図であり、同図(C)は同図(B)の上面図であり、搬送路140の図示を省略している。また、図6は移送ユニット150の動作を示す図である。
図5に示すように、移送ユニット150は、搬送方向Lに延びる2本のガイド156とこれらの間に配置されるレール154を有しており、レール154には移動テーブル153が摺動可能に取り付けられている。2本のガイド156は、移動テーブル153が安定して移動するように移動テーブル153の搬送幅方向Wの両端を支持する。
移動テーブル153は、不図示の駆動手段(例えば駆動モータなど)によって、搬送路140の下方において、その集積領域140Aと移送領域140Bの両領域に渡って、搬送方向の前後に往復移動可能に構成されている。
前方保持部151と後方保持部152とは、集積領域140Aの搬送方向L長さに対応して離間して配置される。すなわち、前方保持部151と後方保持部152の間の距離は、集積領域140Aで集積化(集合)された所定個数の物品XA1(1組の物品群YA1)を保持可能な距離(第1押さえ部121Aと第2押さえ部121B間の距離と略同等)に設定される。前方保持部151は、1組の物品群YA1の最も前方(下流側)に位置する物品XA1の前面を前方から保持可能に構成されており、後方保持部152は1組の物品群YA1の最も後方(上流側)に位置する物品XA1の背面を後方から保持可能に構成されている。前方保持部151と後方保持部152で保持されることにより一組の物品群YA1は、転倒を防いで集積領域140Aから移送領域140Bに纏めて抜き出される。
なお、後方保持部152の位置は、集積する物品XA1の集積数や形状に応じて任意に調整可能である。
移動テーブル153は、搬送路140の集積領域140Aから移送領域140Bまでの下方を連続して移動しながら、押さえユニット120によって集積領域140Aに集積化された一組の物品群YA1を纏めて移送領域140Bに抜き出す。その後は再び集積領域140Aの下方に戻る。
前方保持部151と後方保持部152は、移動テーブル153に取り付けられて一体的に搬送方向Lの前後に往復移動する。前方保持部151は、移動テーブル153の前方に移動不可に固定れているが、後方保持部152は、搬送路140に対して進退可能となるように移動テーブル153の後方に取り付けられている。
具体的には、移動テーブル153の後方端部には搬送幅方向Wに延びる回転軸155が設けられ、後方保持部152は回転軸155を中心に所定角度で回動(揺動)自在に取り付けられている。
図6を参照して、移送ユニット150の動作の一例を説明する。例えば、移動テーブル153(またはレール154)には不図示のセンサ等が設けられ、移動テーブル153がレール154の最も上流側に移動したことを当該センサ等が検知すると(同図(A))、後方保持部152はその一部(先端部)が搬送路140上に突出するように(図示では時計回りに)回動する。この状態で、後方保持部152と前方保持部151の間に一組の物品群YA1が保持された状態となる(同図(B))。
そして、移動テーブル153が下流側(搬送路140の移送領域140Bの下方)に移動すると、後方保持部152と前方保持部151に保持された一組の物品群YA1が一体的に移動し、移送領域140B上に排出される(同図(C))。
また、移動テーブル153(または、レール154)に設けられた上記のセンサ等が、移動テーブル153がレール154の最も下流側に移動したこと(物品群YA1が排出されたこと)を検知すると(同図(D))、後方保持部152は搬送路140から離間・待避するように(図示では反時計回りに)回動する。後方保持部152は搬送路140と干渉しない位置まで回動すると移動テーブル153は再び上流側に移動し、次の物品群YA1の抜き出しに備える(同図(E))。
<集積装置の動作>
次に、図7〜図10を参照して、本実施形態の集積装置100の動作について説明する。図7〜図10は集積装置100による集積動作の一例を示す正面図概要図である。ここでは、物品XA1が箱体である場合を例に説明する。
図7(A)に示す初期状態では、移送ユニット150の移動テーブル153は、レール154の最も上流側(図示の左側)に位置し、後方保持部152は搬送路140から待避するように(図示では反時計回りに)回動した状態で待機する。
また、押さえユニット120は、例えば、一方の押さえ部121(例えば、第1押さえ部121A)は、不図示の第1支持フレーム123Aが第一の位置P1に位置して、第1押さえ部121Aが搬送路140(集積領域140A)の上流側端部の上方に進出した状態で待機する。このとき、他方の押さえ部121(例えば、第2押さえ部121B)は、不図示の第2支持フレーム123Bが第二の位置P2に位置し、搬送路140の集積領域140Aの下流側端部の上方から搬送路140の側方上方に待避している。
図1に示したように、物品XA1は1個ずつ、上流工程から横倒しの状態で回転ドラム110に供給される。回転ドラム110の段部111は、横倒しされた物品XA1を支持し、搬送路140への供給方向の前方となる物品XA1の端部が下端となるようにドラムを回転することで物品XA1を起立状態とする。また、物品XA1を受け入れた段部111の後方に連続する湾曲部112は起立状態として物品XA1を回転方向前方(回転ドラム110の下流側)に押出す。これにより、物品XA1が起立状態で搬送路140(集積領域140A)の上流端部に供給される。
物品XA1の搬送方向Lの前面は、第1押さえ部121Aによって支持され、後面は回転ドラム110(または後続の物品XA1)によって支持される。物品XA1は搬送方向Lの前後を保持されるため、自立しにくい形状や不安定な形状であっても転倒を防止して起立姿勢で保持される。
同図(B)に示すように、後続の物品XA1は、回転ドラム110によって同様に搬送路140上に供給される。後続の物品XA1が供給される際、押さえユニット120は例えば不図示の駆動モータなどによって第1押さえ部121A(第1支持フレーム123A)を、1個の物品XA1の搬送方向Lにおける厚み分だけ下流側に移動させる。これと略同時に回転ドラム110の湾曲部112が後続の物品XA1を搬送路140の上流端部に押出す。これにより、後続の物品XA1は、先行する物品XA1の搬送方向Lにおける後方に供給される。なお、第1押さえ部121Aの移動に同期して、第2押さえ部121B(第2支持フレーム123B)を、搬送路140(集積領域140A)の側方上方において第1押さえ部121Aの移動分、上流側に移動させる。なお、第2押さえ部121Bの移動も駆動モータなどによる駆動である。
本実施形態では、押さえ部121は、供給される物品XA1によって押し出すように移動するのではなく、駆動モータなどによって自身が移動するため、物品XA1が変形し易い場合であっても、物品XA1に係る負担を軽減でき、物品XA1の変形や破損を防止できる。
同図(C)に示すように、1個の物品XA1が搬送路140に供給される毎に、第1押さえ部121Aを、1個の物品XA1の搬送方向Lにおける厚み分だけ下流側に移動させ、これに同期させて、第2押さえ部121Bを、搬送路140(集積領域140A)の側方上方において第1押さえ部121Aの移動分、上流側に移動させる。
これを所定個数の物品XA1が供給されるまで繰り返すことにより、図8(A)に示すように、搬送路140の集積領域140A上に所定個数分の物品XA1が搬送方向Lの前方から後方に順次、起立状態で並べられ、1組の一組の物品群YA1として集積(集合)される。このとき、移送ユニット150の後方保持部152は、同図(A)の初期状態の位置にあるが、不図示の第1支持フレームは第二の位置P2まで移動し、押さえユニット120の第1押さえ部121Bは、集積領域140Aの下流側端部の上方に移動している。また、不図示の第2支持フレームは第一の位置P1まで移動し、第2押さえ部121Bは、搬送路140(集積領域140A)の側方上方において集積領域140Aの上流側端部に移動している。
同図(B)に示すように、集積領域140Aに所定数の物品XA1が集積され、第2押さえ部121Bが搬送路140(集積領域140A)の側方上方において集積領域140Aの上流側端部まで移動したこと(第2支持フレームが集積領域140Aの上流側端部(第一の位置P1)まで移動したこと)が例えば、押さえユニット120の上流側端部に設けられた不図示のセンサ等によって検知され、且つ、移動テーブル153の下流への移動が開始し、押さえユニット120と移送ユニット150とが干渉しない状態になると、第1回動支持部125Aが水平方向に回動し、第1押さえ部121Aが搬送路140(集積領域140A)の下流端部上方から搬送路140の側方上方に待避する。
第1押さえ部121Aが搬送路140(集積領域140A)の上方から側方上方に待避した場合であっても、物品群YA1の最前列(最下流側)に位置する物品XA1は、移送ユニット150の前方保持部151によって保持される。従って、物品XA1の転倒を防止できる。
また、搬送路140の下方に待避していた移送ユニット150の後方保持部152の一部が搬送路140から突出する。
これにより、集積領域140Aの物品群YA1は、移送ユニット150の前方保持部151と後方保持部152によって保持される。
同図(C)に示すように、移送ユニット150は、集積領域140Aに所定数の物品XA1が集積されると、移動テーブル153を搬送路140の集積領域140A下方から移送領域140Bの下方まで移動させる。これにより、前方保持部151と後方保持部152で保持された一組の物品群YA1が纏めて移送領域140Bに抜き出される。
また、上記のセンサなどによって第2フレーム123Bが上流側端部に位置していることが検出され、且つ、移動テーブル153の下流への移動が開始し、押さえユニット120と移送ユニット150とが干渉しない状態となると、押さえユニット120では、第2回動支持部125Bが水平方向に回動し、第2押さえ部121Bが搬送路140の側方上方から集積領域140Aの上流端部上方に進出し、次の物品群YA1を構成する最初の物品XA1を受け入れる。
図9(A)に示すように、移送ユニット150による物品群YA1の移送が行われている期間も、集積領域140Aにおいて物品XA1の集積を行うことができる。
そして、同図(B)に示すように、移送領域140Bに移送された物品群YA1は、例えば集積装置100の下流に設けられた不図示の搬送手段などに受け渡され、下流工程に搬送され、例えば、側方が開口した箱などに押送などによって収容される。つまり、物品XA1は搬送方向Lの前方から後方に順次、起立状態で並ぶように纏められ、1組の物品群YA1として複数纏めた状態で下流工程に移送される。
移送ユニット150はその下流の搬送手段等に物品群YA1を受け渡すと、後方保持部152を搬送路140から離間・待避するように(図示では反時計回りに)回動する。
図10(A)に示すように、後方保持部152が搬送路140と干渉しない位置まで回動すると移動テーブル153は再び上流側に移動し、次の物品群YA1の抜き出しに備える。そして、集積領域140Aに所定個数の物品XA1が集積されると、再び後方保持部152を回動してその一部を搬送路140から突出させ、移送領域140Bに物品群YA1を移送する(同図(B))。
以上説明したように、本実施形態では、押さえユニット120において、ベルト122の回転に伴って、一方の押さえ部121Aが搬送方向後方へ移動するとこれに同期して他方の押さえ部121Bが搬送方向前方に移動し、一方の押さえ部121Aが搬送方向前方へ移動するとこれに同期して他方の押さえ部121Bが搬送方向後方に移動するように構成されている。つまり、一方の押さえ部121Aが物品XA1を保持して搬送方向L前方に移動している間に、他方の押さえ部121Bが搬送方向L後方に移動するように構成されている。従って、下流方向に移動した押さえ部121の復帰を待つことなく、すなわち、搬送路140の集積領域140Aに集積された物品群YA1の排出が開始された直後(移送ユニット150が下流側に移動を開始した直後)から、搬送路140の集積領域140Aに次の物品XA1を供給することができる(図8(C)参照)。
また、搬送路140の移送領域140Bにおいて物品群YA1を下流工程に受け渡した移送ユニット150は、集積領域140Aで物品XA1が集積されている間に、上流側端部に戻ることができる(図10(A))。
つまり、他の構成と干渉を回避するための待機時間を略無くすことができ、集積装置100の全体において連続運転が可能となる。
回転ドラム110は、高速で起立集積させることができるが、従来では回転ドラム以降(回転ドラムより下流)の処理によってはその能力を十分に発揮させることができない恐れがあった。
本実施形態によれば、形状が不安定であったり、自立しにくい物品XA1(軽い製品、柔らかい製品、薄い製品など)であっても、回転ドラムを用いて起立集積させることができる。従って、横倒しの物品XA1を起立状態で供給する回転ドラム110の処理能力を十分に生かした集積作業が可能となる。
<変形例>
図11を参照して、変形例について説明する。図11は、変形例の押さえユニット120の上面図(図3に対応する上面図)である。
押さえユニット120の押さえ部121A、121Bは、リンク機構(例えば、平行四辺形リンク機構)200によって搬送路140の上方と側方上方の間で、押さえ部121A、121Bの物品XA1と当接する当接面を上流側に向けたまま回動することによって進退可能に構成してもよい。このように押さえ部121A、121Bをリンク機構200で移動させることにより、進退時の押さえ部121A、121B先端の搬送方向の移動軌跡を短くできるため、図3に示すような回動によって進退する押さえ部121A、121Bに比べて、移送ユニット150が下流側に移動後、上流側に位置する押さえ部121A、121Bを搬送路140の上方に早く進出させることができる。
なお、上記の実施形態では、押さえ部121を駆動モータなどによって移動させる構成を例に説明したが、押さえ部121は、回転ドラム110から1個ずつ供給される物品XA1によって(回転ドラム110の回転力によって)搬送方向前方に押し出されるように移動するものでもよい。物品XA1が変形しにくい(回転ドラム110の押出しの力程度では変形しない)ものである場合、このような構成にすることで、駆動モータによる制御が不要となり、装置および制御の簡素化を図ることができる。
また、一対の押さえ部121(121A、121B)すなわち第1支持フレーム123Aと第2支持フレーム123Bは、環状のベルト122に取り付けられて、同期して移動する構成を例に説明したが、それぞれの押さえ部121A,121B(第1支持フレーム123Aと第2支持フレーム123B)を個別に移動可能なシリンダやモータを用いて、搬送方向Lの前後方向に交互に同期して移動させるようにしてもよい。
また、第1支持フレーム123Aと第2支持フレーム123Bの往復移動は、リニアモータ駆動などによって行っても良い。
また、物品XA1は、ピロー包装体であってもよい。
また、移送ユニット150によって下流工程に移送された物品群YA1は、別の搬送手段に受け渡されて下流方向に搬送され、上方が開口した箱にロボット(例えば、パラレルロボット、または多関節ロボットなど)によって供給する構成であってもよい。
また、一対の押さえ部121は、第1支持フレーム123Aと第2支持フレーム123Bを、搬送路140の搬送幅方向W両側に配置する例を説明したが、一方の支持フレームを搬送路140の搬送幅方向Wの一方側(側方)に設け、他方を搬送路140の上方(または下方)に設けても良い。また、両方の支持フレームを搬送路140の上方(または下方)に設けても良い。
また、物品群YA1は、異なる種類の複数の物品によって形成してもよい。
また、押さえユニット120の押さえ部121は、3個以上設けても良い。また、同期して移動する押さえ部121を2対以上設けてもよい。
以上、本発明は、上記の実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。