JP2018190830A - 半導体発光装置 - Google Patents

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直棋 荒添
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Abstract

【課題】波長変換部を有する半導体発光装置において、半導体発光素子からの1次光と波長変換部からの2次光をより効率的に用いることができる半導体発光装置を提供する。【解決手段】半導体発光装置は、第1の波長を有する1次光を放射する発光層と、発光層の光取出し側に設けられ、発光層から放射される1次光を吸収して第1の波長とは異なる第2の波長を有する2次光を放射する波長変換部と、発光層からみて光取出し側と反対の側に設けられ、1次光を反射する第1の光反射部と、発光層と波長変換部との間に設けられ、1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い第2の光反射部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光装置に関する。
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子を用いた発光装置が広く用いられるようになっている。そのような発光装置の中には、LED素子の光取出し側に、蛍光体を利用した波長変換部を配置したものがある。波長変換部の蛍光体が、LED素子からの発光光である1次光により励起されて1次光と波長の異なる蛍光(すなわち波長変換光)を2次光として発し、1次光と2次光との合成色光、あるいは2次光主体の光が外部に取り出される。そのような発光装置の例が特許文献1(特開平11−145519号公報)に記載されている。
特許文献1に記載の発明の第4の実施形態として、発光層(20)からみて光取出し側と反対側、つまり基板側に、光反射部(RE2)が設けられる発光装置が記載されている(特許文献1の段落[0059]−[0063]、図4)。この光反射部は、発光層から放射された1次光を反射して波長変換部(FL)に入射させる機能を有し、発光層から基板側に放射される1次光を有効に利用することを意図したものである。
また、特許文献1に記載の発明の第6の実施形態として、発光層と波長変換部の間に光反射部(RE4)が設けられる発光装置が記載されている(特許文献1の段落[0068]−[0075]、図6)。この光反射部は、発光層から放射される1次光を透過し、波長変換部において変換され放射される2次光を反射するような波長選択性を有する。すなわち、1次光の波長の光に対する反射率は低く、2次光の波長の光に対する反射率が高くなるように構成されている。波長変換部から放射された2次光のうち発光層の方向に出射した光成分は、この光反射部により反射され、波長変換部を透過して外部に取り出されるようにすることが意図されている。
特開平11−145519号公報 特開2009−164423号公報 特開2015−82657号公報 再表2012−014439号公報
特許文献1の段落[0076]には、第6の実施形態に対して第4の実施形態の光反射部(RE2)を組み合わせてもよい旨の記載がある。しかしながら、それらを組み合わせた構成の具体的な開示はない。また、そのような組み合わせにおいて1次光と2次光をより効率的に用いるための各光反射部の特性については具体的な言及がない。
なお、類似の技術として、特許文献2(特開2009−164423号公報)には、半導体構造(11)と電極(3)との間に誘電体多層膜(4)を有する反射構造(20)を備える発光素子(10)が記載されている(特許文献2の段落[0018]−[0019]、図2)。特許文献3(特開2015−82657号公報)には、発光ダイオードチップを覆うパッケージ材と波長変換構造との間に配置され、第1ビームが発光ダイオードチップから波長変換構造まで通過することを許容しながら、波長変換構造からの第2ビームを波長変換構造に反射し戻させることができるフィルタ素子を備える発光ダイオードパッケージが記載され、フィルタ素子が複数の第1誘電層及び複数の第2誘電層が交互に積み重ねられた分布ブラッグ反射器であることが記載されている(特許文献3の段落[0015]、[0017]、図1)。特許文献4(再表2012−014439号公報)には、板状の蛍光体層(44)の表面のうち、LEDチップ(42)と対向する面上に形成され、LEDチップから出射した光を透過させるとともに蛍光体層で波長変換された光を反射するフィルタ層(46)を備える発光モジュールが記載されている(特許文献4の段落[0031]、図3)。
本発明は上記課題に鑑み、波長変換部を有する半導体発光装置において、半導体発光素子からの1次光と波長変換部からの2次光をより効率的に用いることができる半導体発光装置を提供することをその目的の一つとする。
本発明の発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のように本発明の各局面に想到した。
すなわち、本発明の第1の局面に係る半導体発光装置は、第1の波長を有する1次光を放射する発光層と、発光層の光取出し側に設けられ、発光層から放射される1次光を吸収して第1の波長とは異なる第2の波長を有する2次光を放射する波長変換部と、発光層からみて光取出し側と反対の側に設けられ、1次光を反射する第1の光反射部と、発光層と波長変換部との間に設けられ、1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い第2の光反射部と、を備える半導体発光装置である。
上記の半導体発光装置は、発光層からみて光取出し側と反対の側に設けられ、1次光を反射する第1の光反射部と、発光層と波長変換部との間に設けられ、1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い第2の光反射部の両方を備える。そのため、発光層から放射される1次光を第1の光反射部により効率良く波長変換部に導いて波長変換することができるとともに、波長変換部から発光層の方向に放射される2次光を第2の光反射部により反射して、外部に効率良く取り出すことができる。
また、本発明の第2の局面によれば、上記半導体発光装置において、第2の光反射部は誘電体多層膜ミラーからなる。また、本発明の第3の局面によれば、上記半導体発光装置において、第1の光反射部は誘電体多層膜ミラーからなる。これらによれば、誘電体多層膜ミラーの有する、所定の波長を選択的に反射する特性により、上記した本願発明の第1の局面の効果を好適に奏することができる。
また、本発明の第4の局面によれば、上記半導体発光装置において、1次光の出力スペクトルのピーク値に対する相対放射強度が50%以上となる1次光の成分の波長域を第1の波長域とし、第1の波長域の上限の波長から、2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域を第2の波長域とし、第2の波長域の上限の波長以上の波長域を第3の波長域とし、第2の光反射部の2次光に対する反射率特性が短波長側から立ち上がり、波長λ1において反射率が50%を超え、波長λ1よりも長波長側の波長λ2において反射率が50%を下回るとしたとき、垂直入射の場合の第1の波長域における第1の光反射部の反射率の平均値が80%以上であり、垂直入射の場合の第1の波長域における第2の光反射部の透過率が80%以上であり、入射角が45度の場合の波長λ1が第2の波長域に属し、垂直入射の場合の波長λ2が第3の波長域に属し、垂直入射の場合の波長λ1から波長λ2までの第2の光反射部の反射率の平均値が80%以上であり、波長λ1から波長λ2までの波長域に属する少なくとも一つの波長において、第1の光反射部の反射率よりも第2の光反射部の反射率の方が大きい。
このような構成とすることで、上記した本願発明の第1の局面の効果を好適に奏することができる。
また、本発明の第5の局面によれば、上記半導体発光装置において、1次光の出力スペクトルと2次光の出力スペクトルの境界における波長から、2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域を第4の波長域としたとき、入射角が45度の場合の波長λ1は第4の波長域に属する。
このような構成とすることで、上記した本願発明の第1の局面の効果をより好適に奏することができる。
また、本発明の第6の局面によれば、上記半導体発光装置において、第1の光反射部の発光層側の面および第2の光反射部の波長変換部側の面の算術平均粗さRaは0.05μm以下である。
このような構成とすることで、上記した本願発明の第1の局面の効果をより好適に奏することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置の概略の断面図である。 図2は第1実施形態に係る半導体発光装置から放射される光のスペクトルの一例を示す図である。 図3は第1実施形態に係る半導体発光装置の第2の光反射部の反射特性の例を概略的に示す図である。 図4は本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置の概略の断面図である。
上記において半導体発光装置には、発光層を含む半導体発光素子として、絶縁性の成長基板(下地基板)の上にP層及びN層を形成したIII族窒化物系化合物半導体発光素子を適用することができる。III族窒化物系化合物半導体素子とは、III族窒化物系化合物半導体からなる発光層を有する発光素子をいう。ここで、III族窒化物系化合物半導体とは、一般式としてAlGaIn1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)の四元系で表され、AlN、GaN及びInNのいわゆる2元系、AlGa1−xN、AlIn1−xN及びGaIn1−xN(以上において0<x<1)のいわゆる3元系を包含する。III族元素の少なくとも一部をボロン(B)、タリウム(Tl)等で置換しても良く、また、窒素(N)の少なくとも一部もリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等で置換できる。III族窒化物系化合物半導体層は任意のドーパントを含むものであっても良い。n型不純物として、Si、Ge、Se、Te、C等を用いることができる。p型不純物として、Mg、Zn、Be、Ca、Sr、Ba等を用いることができる。なお、結晶成長基板には、サファイア(Al)、ガリウムナイトライド(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン(Si)などを用いることができる。
III族窒化物系化合物半導体層は、周知の有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線結晶成長法(MBE法)、ハライド系気相成長法(HVPE法)、スパッタ法、イオンプレーティング法、電子シャワー法等によって形成することができる。なお、p型不純物をドープした後にIII族窒化物系化合物半導体を電子線照射、プラズマ照射若しくは炉による加熱にさらすことも可能であるが必須ではない。発光素子はかかるIII族窒化物系化合物半導体を積層して構成される。発光のための層構成として量子井戸構造(多重量子井戸構造若しくは単一量子井戸構造)を採用することができる。そのほか、シングルへテロ型、ダブルへテロ型、ホモ接合型を採用することもできる。
以下、この発明の実施形態について図例を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置であるフリップチップ型のLED発光装置1の概略の断面図であり、基板(以下、成長基板との区別のため「装置基板」と称する)に実装する前の状態を断面により示している。本実施形態のLED発光装置1は1次光として青色光または紫色光を発し、1次光の一部を波長変換部によって2次光としての黄色光に変換し、1次光と2次光の混色によって白色光を外部へ放射するように構成される。以下の説明において、図1における上方をLED発光装置1の光取出し側、下方を基板取付け側(装置基板へ取付ける側)とする。本実施形態に係るLED発光装置1はサファイア基板10上に積層された半導体の多層構造を含み、サファイア基板10上にAlNバッファ層20、n型GaN層30、発光層40、p型GaN層50がこの順に積層され、p型GaN層50の基板取付け側の面には更にp電極60が設けられる。本実施形態のp電極60としては、ITO、IZO等の透明導電性酸化物からなる透明電極が採用される。また、p型GaN層50からn型GaN層30にかかる一部分をエッチングにより除去して露出させたn型GaN層30上にはn電極70が設けられる。
本実施形態のLED発光装置1は更に、p電極60の基板取付け側に設けられる第1の光反射部80と、その更に基板取付け側に設けられる膜状の金属製反射部90とを有する。金属製反射部90は銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)等の金属からなる。金属製反射部90は蒸着法やスパッタリング法等により形成してもよい。
LED発光装置1は更に、SiO系材料等からなりLED発光装置1の基板取付け側を覆う絶縁層100を有する。ただし、絶縁層100は、n電極70を露出させるように設けられる開口と、金属製反射部90を露出させるように設けられる開口を有する。n側端子部110が絶縁層100の開口を介してn電極70と電気的に接続される。
LED発光装置1は更に、サファイア基板10の発光層40とは反対側の面、すなわち、サファイア基板10の光取出し面上に設けられる第2の光反射部120と、その更に光取出し側に設けられる波長変換部130を有する。
(波長変換部)
波長変換部130は、光取出し側に露出する光出射面を有し、ガラスまたは透明樹脂中に蛍光体が分散されてなる蛍光体板とすることができる。蛍光体として、発光層40からの放射光(青色光)を受けて励起されて波長変換光(黄色光)を放射するYAG、BOS等の黄色系蛍光体を用いることにより、LED発光装置1を、発光層40からの青色光と蛍光体による波長変換光の混色により白色光を発する発光装置として構成することができる。波長変換部130は第2の光反射部120上に直接一体的に形成してもよく、あるいは、別体として形成して、第2の光反射部120に対して接着材により接着してもよい。
(第1の光反射部)
第1の反射部80としては、例えば誘電体多層膜ミラーを用いることができる。誘電体多層膜ミラーは、屈折率の異なる2種以上の材料膜を交互に繰り返し積層した光学多層膜であり、例えば、2種以上の異なる誘電体膜を多数積層したものとすることができる。本実施形態においては、第1の反射部80として、SiO膜とTiO膜を交互に積層した誘電体多層膜ミラーを採用することができる。一例として、第1の光反射部80は合計11層のSiO膜とTiO膜を、両端がSiO膜となるように交互に積層したものとすることができる。第1の光反射部80はp電極60に対して接着材により接着するものとしてもよい。第1の光反射部80にはエッチング等によって貫通孔80aが設けられており、金属製反射部90が貫通孔80aを介してp電極60と導通している。第1の光反射部80は1次光に対する反射率が高い特性を有する。そのため、発光層40から装置基板側に向かう1次光の成分を波長変換部130側へ反射する機能を有する。金属製反射部90も同様に発光層40から装置基板側に向かう1次光の成分を波長変換部130側へ反射する機能を有する。
(第2の光反射部120)
第2の光反射部120としては、第1の光反射部と同様の誘電体多層膜ミラー等を用いることができる。一例として、第2の光反射部120は合計21層のSiO膜とTiO膜を、両端がSiO膜となるように交互に積層したものとすることができる。第2の光反射部120は1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い特性を有する。それにより、発光層40からの1次光を波長変換部130側へ透過させるとともに、波長変換部130から反光出射面へ向かう2次光の成分を光出射面側へと反射し、2次光の外部への取出し効率を向上させる機能を有する。第2の光反射部120はサファイア基板10に対して透光性の接着材により接着してもよい。
(LED発光装置1の動作)
LED発光装置1は、金属製反射部90およびn側端子部110が装置基板(図示せず)の電極に電気的に接続される。この電気的接続を介してLED発光装置1に対して指定電圧以上の電圧が印加されると、金属製反射部90およびn側端子部110を介してp電極60およびn電極70に順方向の電圧が印加され、そのことにより発光層40においてホールとエレクトロンのキャリア再結合が発生し、発光層40が青色に発光する。発光に基づいて生じた青色光すなわち1次光のうち、n型GaN層30側に放射される1次光の成分はサファイア基板10、第2の反射部120を透過して波長変換部130へ入射する。p型GaN層50側に放射される1次光の成分は第1の光反射部80および金属製反射部90で発光層40側に反射され、サファイア基板10、第2の反射部120を透過して波長変換部130へ入射する。波長変換部130へ入射した1次光の一部は波長変換され2次光となって外部放射され、別の一部は1次光のまま外部放射され、これら1次光と2次光とが混色され白色を呈することは上述のとおりである。
(LED発光装置1の効果)
上述のとおり、第1の光反射部80は1次光に対する反射率が高い特性を有するため、発光層40から装置基板側に向かう1次光の成分を波長変換部130側へ反射する。そのため、1次光の成分が装置基板に吸収されることを抑制でき、1次光を有効に利用できる。
また、第2の光反射部120は1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い特性を有するため、発光層40からの1次光を波長変換部130側へ透過させるとともに、波長変換部130から反光出射面へ向かう2次光の成分を光出射面側へと反射する。これにより、2次光の外部への取出し効率を向上させることができる。
以上の構成により、高光束のLED発光装置1を提供することができる。
次に、上記したような本実施形態に係るLED発光装置1の効果を好適に発揮するための第1の光反射部80および第2の光反射部120の望ましい特性について説明する。
図2は、本実施形態に係るLED発光装置1から放射される光の出力スペクトルの一例を示したものである。図2に示すスペクトルは2つの隆起部分を有しており、短波長側の隆起部分が1次光の成分に相当する部分(「1次光の出力スペクトル」と呼ぶ)であり、長波長側の隆起部分が2次光の成分に相当する部分(以下、「2次光の出力スペクトル」と呼ぶ)である。図2においては、横軸に光の波長、縦軸に光の成分の強度を取っている。
図3は、第2の光反射部120の光の反射率の特性の例の一部(特に、2次光に対する反射率特性)を概略的に示した図であり、横軸に光の波長、縦軸に反射率を取っている。図3は、2次光についての第2の光反射部120の反射率特性が短波長側から立ち上がり、波長λ1において反射率が50%を超え、長波長側で下り始め、波長λ2において反射率が50%を下回るものであることを示している。なお、誘電体多層膜ミラーは、光の入射角が大きくなると、反射特性曲線が短波長側へ移動する傾向がある。
ここで、図2に示す波長域(1)〜(4)を次のように定義する。

波長域(1):LED発光装置1からの1次光の出力スペクトルのピーク値に対する相対放射強度が50%以上となる1次光の成分の波長域。
波長域(2):波長域(1)の上限の波長から、LED発光装置1からの2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域。
波長域(3):波長域(2)の上限の波長以上の波長域。
波長域(4):1次光の出力スペクトルと2次光の出力スペクトルの境界における波長から、2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域。

以上のとき、次の条件1〜6の全てを満たすことが、上記した本実施形態に係るLED発光装置1の効果を奏する上で好ましい。

条件1:波長域(1)の光が第1の光反射部80に垂直に入射した場合の反射率の平均値が80%以上である。
条件2:波長域(1)の光が第2の光反射部120に垂直に入射した場合の透過率が80%以上である。
条件3:入射角が45度の場合の波長λ1が波長域(2)に属する。
条件4:垂直入射の場合の波長λ2が波長域(3)に属する。
条件5:垂直入射の場合の波長λ1から波長λ2までの第2の光反射部120の反射率の平均値が80%以上である。
条件6:波長λ1から波長λ2までの波長域に属する少なくとも一つの波長において、第1の光反射部80の反射率よりも第2の光反射部120の反射率の方が大きい。
条件1は、第1の光反射部80が1次光に対する高い反射率を有することに対応する。
条件2は、第2の光反射部120が1次光に対する高い透過率を有することに対応する。
条件3は、1次光が第2の光反射部120に0度〜45度の角度で入射した場合に反射されることを抑制可能であることに対応する。
条件4〜6は、第2の光反射部120が2次光に対する高い反射率を有することに対応する。
また、上記の条件3に代えて、次の条件3’を採用することで、上記した本実施形態に係るLED発光装置1の効果をより好適に奏することができる。

条件3’:入射角が45度の場合の波長λ1が波長域(4)に属する。

上述のとおり誘電体多層膜ミラーは光の入射角が大きくなると反射特性曲線が短波長側へ移動する傾向があるため、条件3に代えて条件3’を用いることで、0度〜45度の角度で第2の光反射部120に入射した1次光が第2の光反射部120によって反射されることをより効果的に抑制できる。
また、第1の光反射部80の発光層40側の面および第2の光反射部120の波長変換部130側の面の算術平均粗さRaを0.05μm以下とすることが、上記した本実施形態に係るLED発光装置1の効果を奏する上で好ましい。
(第2実施形態)
図4に本発明の第2実施形態に係るLED発光装置1Aの断面図を示す。本実施形態のLED発光装置1Aはフェイスアップ型であり、上記した第1実施形態に係るLED発光装置1の効果と同様の効果を奏し得るものである。本実施形態のLED発光装置1Aは1次光として青色光または紫色光を発し、1次光の一部を波長変換部によって2次光としての黄色光に変換し、1次光と2次光の混色によって白色光を外部へ放射するように構成される。以下では図4における上方をLED発光装置1Aの光取出し側、下方を基板取付け側と称する。本実施形態に係るLED発光装置1Aはサファイア基板10A上に積層された半導体の多層構造を含み、サファイア基板10A上にAlNバッファ層20A、n型GaN層30A、発光層40A、p型GaN層50Aがこの順に積層され、p型GaN層50Aの光取出し側には更にp電極60Aが設けられる。本実施形態のp電極60Aとしては、ITO、IZO等の透明導電性酸化物からなる透明電極が採用される。また、p型GaN層50Aからn型GaN層30Aにかかる一部分をエッチングにより除去して露出させたn型GaN層30A上にはn電極70Aが設けられる。
本実施形態のLED発光装置1Aは更に、p型電極60Aの光取出し側に設けられる第2の光反射部120Aと、更にその光取出し側に設けられる波長変換部130Aを有する。p電極60Aには更にp側端子部140が接続されている。
LED発光装置1Aは更に、サファイア基板10Aの基板取付け側に設けられる第1の光反射部80Aを有する。LED発光装置1Aは更に、LED発光装置1Aの電極形成側を覆う絶縁層100Aを有する。絶縁層100Aは、n電極70Aを露出させるように設けられる開口と、波長変換部130Aおよびp側端子部140を露出させるように設けられる開口を有する。n側端子部110Aが絶縁層100Aの開口を介してn電極70Aと電気的に接続される。本実施形態の第1の光反射部80A、第2の光反射部120A、波長変換部130Aの特性および効果は、第1実施形態の第1の光反射部80、第2の光反射部120、波長変換部130の特性および効果とそれぞれ同じである。
(LED発光装置1Aの動作)
LED発光装置1Aは、p側端子部140およびn側端子部110Aがワイヤ(図示せず)を介して基板等の電極(図示せず)に電気的に接続される。この電気的接続を介してLED発光装置1Aに対して指定電圧以上の電圧が印加されると、p側端子部140およびn側端子部110Aを介してp電極60Aおよびn電極70Aに順方向の電圧が印加され、そのことにより発光層40Aにおいてホールとエレクトロンのキャリア再結合が発生し、発光層40Aが青色に発光する。発光に基づいて生じた青色光すなわち1次光のうち、p型GaN層50A側に放射される1次光の成分はp電極60A、第2の反射部120Aを透過して波長変換部130Aへ入射する。n型GaN層30A側に放射される1次光の成分はサファイア基板10Aを透過して第1の光反射部80Aで発光層40A側に反射され、p型GaN層50A、p電極60A、第2の反射部120Aを透過して波長変換部130Aへ入射する。波長変換部130Aへ入射した1次光の一部は波長変換され2次光となって外部放射され、別の一部は1次光のまま外部放射され、これら1次光と2次光とが混色され白色を呈することは上述のとおりである。
(LED発光装置1Aの効果)
上述のとおり、第1の光反射部80Aは1次光に対する反射率が高い特性を有するため、発光層40Aから装置基板側に向かう1次光の成分を波長変換部130A側へ反射する。そのため、1次光が基板に吸収されることを抑制でき、1次光を有効に利用できる。
また、第2の光反射部120Aは1次光に対する反射率が低く、2次光に対する反射率が高い特性を有するため、発光層40Aからの1次光を波長変換部130A側へ透過させるとともに、波長変換部130Aから反光出射面へ向かう2次光を光出射面側へと反射する。これにより、2次光の取出し効率を向上させることができる。
以上の構成により、高光束のLED発光装置1Aを提供することができる。
本実施形態の効果を好適に奏するための諸条件は、第1実施形態の説明において述べた諸条件と同じである。
(変形例)
第1実施形態のLED発光装置1において、金属製反射部90を省略してもよい。
上記各実施形態の波長変換部130、130Aの光出射面側に透明部材が設けられていてもよい。透明部材は波長変換部130、130Aより低い屈折率を有することが好ましい。また、透明部材の表面には光の取出し効率を向上させるための凹凸が形成されていてもよい。
以上において説明した本発明の異なる実施形態の要素を、実現不可能な場合を除き、互いに組み合わせて実施してもよく、そのような実施の態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明は上記発明の各局面や実施形態やその変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
1、1A LED発光装置(半導体発光装置)
10、10A サファイア基板
20、20A AlNバッファ層
30、30A n型GaN層
40、40A 発光層
50、50A p型GaN層
60、60A p電極
70、70A n電極
80、80A 第1の光反射部
90 金属製反射部
100、100A 絶縁層
110、110A n側端子部
120、120A 第2の光反射部
130、130A 波長変換部
140 p側端子部


Claims (6)

  1. 第1の波長を有する1次光を放射する発光層と、
    前記発光層の光取出し側に設けられ、前記発光層から放射される前記1次光を吸収して前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する2次光を放射する波長変換部と、
    前記発光層からみて前記光取出し側と反対の側に設けられ、前記1次光を反射する第1の光反射部と、
    前記発光層と前記波長変換部との間に設けられ、前記1次光に対する反射率が低く、前記2次光に対する反射率が高い第2の光反射部と、
    を備える半導体発光装置。
  2. 前記第2の光反射部は誘電体多層膜ミラーからなる、請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記第1の光反射部は誘電体多層膜ミラーからなる、請求項1または請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記1次光の出力スペクトルのピーク値に対する相対放射強度が50%以上となる前記1次光の成分の波長域を第1の波長域とし、
    前記第1の波長域の上限の波長から、前記2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域を第2の波長域とし、
    前記第2の波長域の上限の波長以上の波長域を第3の波長域とし、
    前記第2の光反射部の2次光に対する反射率特性が短波長側から立ち上がり、波長λ1において反射率が50%を超え、波長λ1よりも長波長側の波長λ2において反射率が50%を下回るとしたとき、
    垂直入射の場合の前記第1の波長域における前記第1の光反射部の反射率の平均値が80%以上であり、
    垂直入射の場合の前記第1の波長域における前記第2の光反射部の透過率が80%以上であり、
    入射角が45度の場合の前記波長λ1が前記第2の波長域に属し、
    垂直入射の場合の前記波長λ2が前記第3の波長域に属し、
    垂直入射の場合の前記波長λ1から前記波長λ2までの前記第2の光反射部の反射率の平均値が80%以上であり、
    前記波長λ1から前記波長λ2までの波長域に属する少なくとも一つの波長において、前記第1の光反射部の反射率よりも前記第2の光反射部の反射率の方が大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  5. 前記1次光の出力スペクトルと前記2次光の出力スペクトルの境界における波長から、前記2次光の出力スペクトルのピーク値における波長までの波長域を第4の波長域としたとき、入射角が45度の場合の前記波長λ1が前記第4の波長域に属する、請求項4に記載の半導体発光装置。
  6. 前記第1の光反射部の前記発光層側の面および前記第2の光反射部の前記波長変換部側の面の算術平均粗さRaは0.05μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。

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