JP2018189381A - 電磁誘導式電気伝導率計 - Google Patents

電磁誘導式電気伝導率計 Download PDF

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Abstract

【課題】被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合であっても、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することができる、非接液タイプの電磁誘導式電気伝導率計を提供する。【解決手段】被測定液体の電気伝導率を検出する検出部14を備え、その検出部14が検出した電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率計10であって、当該電磁誘導式電気伝導率計10が何番目の電気伝導率計であるかを示す局番アドレスを取得する局番アドレス取得部11と、局番アドレス取得部11が取得した局番アドレスに対応する周波数を、電磁誘導式電気伝導率計10自身が使用する周波数として決定する周波数決定部12と、検出部14に対して、周波数決定部12により決定された周波数の信号を印加するよう指示を行う制御部13とを備える。【選択図】図2

Description

この発明は、被測定液体の電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率計に関するものである。
従来より、被測定液体の電気伝導率に応じた信号を出力する電気伝導率計が知られており、液体の純度の測定や液中の電解質の濃度の測定に広く使用されている。この電気伝導率計には、大きく分けて、電極式と電磁誘導式の2種類がある。電極式は、金属(電極)を2本、被測定液体の中に入れて電気を流すことにより、一方の電極からもう一方の電極にどれくらいの電気が流れたかを測定、すなわち、測定液に電極を浸して溶液抵抗を測定し、電気伝導率を求めるものである。
一方、電磁誘導式は、コイルを平行に2つ配置して、その間に液体が通る配管を通すと、コイルに流れた電気によって電磁誘導が発生して、配管の中に誘導電流が発生する。そして、一方のコイル(励磁コイル)からもう一方のコイル(検出コイル)に流れた誘導電流の量により、配管の中を流れている液体の電気の流れやすさを測定することができるものである。すなわち、測定液に電磁誘導によって交流電流を発生させ、その電流から発生する誘導電流を検出して、溶液の電気伝導率を求めるものである。
この電磁誘導式の電気伝導率計では、接液部に電極のような金属部分がないため耐食性に優れていることや、電極式に見られる分極現象が起きにくいため高電気伝導率の液の測定が可能であること、構造が複雑でないためメンテナンス性がよいこと、などのメリットがあるが、例えば、人工透析装置等の医療機器で使用する場合や食品分野で使用する場合には、衛生面や安全面の観点から、測定用のコイルが接液しない非接触タイプ(非接液タイプ)の電気伝導率計が望ましい。
そこで、例えば特許文献1,2等には、電磁誘導式の電気伝導率計で使用されるコイルを被測定液体が流れる配管の外側に設置した非接触タイプ(非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率計が開示されている。ここで、例えば特許文献1の図7に示すように、コイルを平行に2つ配置して、その間に液体が流れる配管を通すと、一方のコイル(励磁コイル)からもう一方のコイル(検出コイル)に流れた電気の量から電気伝導率が測定できるので、測定用のコイルが接液しない状態で測定することができる。
特開平9−329633号公報 特開2001−153844号公報
しかしながら、例えば特許文献1,2等に記載されているような従来の電磁誘導式電気伝導率計を、内部に被測定液体が流れている1つの配管に複数の電気伝導率計を設置して、安全性を高めるために制御と監視を分ける必要があるような人工透析装置や、1つの被測定液体に対して複数の電気伝導率計を設置して、より正確な測定や、制御と監視を分けることを求められる装置などで使用する場合には、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値同士の干渉が発生することがあり、正確に電気伝導率を測定することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することができる、検出部が非接液タイプの電磁誘導式電気伝導率計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明は、被測定液体の電気伝導率を検出する検出部を備え、前記検出部が検出した電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率計であって、前記被測定液体に対して複数の前記電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合に、それぞれの前記電磁誘導式電気伝導率計が前記複数のうちの何番目の電気伝導率計であるかを示す局番アドレスを取得する局番アドレス取得部と、前記局番アドレス取得部が取得した局番アドレスに対応する周波数を、前記電磁誘導式電気伝導率計が使用する周波数として決定する周波数決定部と、前記検出部に対して、前記周波数決定部により決定された周波数の信号を印加するよう指示を行う制御部と、を備えることを特徴とする。
この発明の電磁誘導式電気伝導率計によれば、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計ごとに平行に配置された2つのコイル間に流れる電気の周波数を異なる値にしているので、被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、測定精度を改善し、安定した測定を実現することができ、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
内部に被測定液体が流れている1つの配管に一般的な従来の電磁誘導式電気伝導率計を3つ設置した場合の、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計における測定データの一例を示す図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計の周波数決定部が保持している、局番アドレスと使用周波数との対応テーブルの例を示す図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計を設置する場合の概略構成の一例を示す模式説明図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計を3つ設置した場合の、それぞれ電磁誘導式電気伝導率計における測定データの一例を示す図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計の外観および構造の別の一例を示す説明図である。 図6に示す電磁誘導式電気伝導率計が3つ、被測定液体が入っている測定槽の中に設置される場合の概略構成を示す模式説明図である。 この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計において、3つのディップスイッチによって局番アドレスを設定可能な場合のスイッチパターンの一例を示す図である。
この発明は、被測定液体の電気伝導率を検出する検出部を備え、その検出部が検出した電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率計に関するものである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
例えば人工透析装置などの医療分野や、食品分野において、配管の中を流れる被測定液体(人工透析装置の場合であれば、透析液)の電気伝導率を測定する場合には、衛生面や安全面の観点から、測定用の電極やコイルが被測定液体に接液しない非接触タイプ(非接液タイプ)の電気伝導率計が望ましい。そのような要望に対処するものとして、被測定液体が流れる配管の外側に設置する非接触タイプ(非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率計が知られている。
しかしながら、一般的な従来の電磁誘導式電気伝導率計は、検出器に対して特定の周波数の矩形波信号を固定で印加している。これは、検出器の特性や蓄積された技術やデータに基づいた特定の矩形波信号である。そして、そのような電磁誘導式電気伝導率計を用いて、内部に被測定液体が流れている1つの配管に複数の電気伝導率計を設置して、安全性を高めるために制御と監視を分ける必要があるような人工透析装置や、1つの被測定液体に対して複数の電気伝導率計を設置して、より正確な測定や、制御と監視を分けることを求められる装置などで使用する場合には、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値同士の干渉が発生することがあり、お互いの測定値に影響を与えて測定精度が低下してしまうため、正確に電気伝導率を測定することができないという問題があった。
図1は、内部に被測定液体が流れている1つの配管に一般的な従来の電磁誘導式電気伝導率計を3つ設置した場合の、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計における測定データの一例を示す図である。通常、電磁誘導式電気伝導率計では、一方のコイル(励磁コイル)にあらかじめ決まった周波数の電圧(矩形波信号)を印加して、被測定液体に発生した誘導電流をもう一方のコイル(検出コイル)に発生した電圧で検出することにより、被測定液体の電気伝導率を測定する。このとき、1つの配管にこの電磁誘導式電気伝導率計が1つしか設置されていない場合には、問題なく測定することができる。
しかしながら、従来の電磁誘導式電気伝導率計を例えば3つ、同じ1つの配管に設置した場合には、お互いの電気伝導率計の測定値が干渉し合ってしまい、正しく電気伝導率を測定することができない場合がある。図1において、横軸は時間(単位[sec])、縦軸は電気伝導率(単位[S/m])を表しており、破線で示すグラフは1台目の電磁誘導式電気伝導率計で測定された電気伝導率、実線で示すグラフは2台目の電磁誘導式電気伝導率計で測定された電気伝導率、一点鎖線で示すグラフは3台目の電磁誘導式電気伝導率計で測定された電気伝導率を示している。そして、図1に示すとおり、3台の電磁誘導式電気伝導率計それぞれで測定された電気伝導率の値は大きく揺れ動いており、正確な電気伝導率が測定できていないことがわかる。
これについて、本願発明の出願人は、様々な条件により実験を繰り返し、複数の電磁誘導式電気伝導率計の測定値がお互いに干渉してしまうのは、コイル(励磁コイル)に印加している矩形波信号が特定の同じ周波数の信号であることが原因であることを発見した。
そこで、この発明の実施の形態では、被測定液体に対して複数の非接液タイプ(検出部が非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率計を配置(設置)した場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、正確な電気伝導率を測定することができるようにするものである。
実施の形態.
図2は、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計10は、局番アドレス取得部11、周波数決定部12、制御部13、検出部14、演算情報取得部15、演算部16、および、出力部17を備えている。
また、内部に被測定液体Fが流れている1つの配管1(後述する図4参照)に、同じタイプの電磁誘導式電気伝導率計が複数設置されることを前提としており、この実施の形態では、3台の非接液タイプ(検出部が非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率計10,20,30が設置されているものとして説明する。
局番アドレス取得部11は、1つの同じ配管1に設置された電磁誘導式電気伝導率計10,20,30のうち、電磁誘導式電気伝導率計10自身が何番目の電気伝導率計であるかを示す局番アドレスを取得する。これは、ユーザにより設定入力された局番アドレスを取得するものであってもよいし、コンピュータ等の他の電子機器から自動的に割り振られて設定された局番アドレスを取得するものであってもよい。
周波数決定部12は、局番アドレス取得部11が取得した局番アドレスに対応する周波数を、電磁誘導式電気伝導率計10自身が使用する周波数として決定する。この際、周波数決定部12には、基準となる周波数(基準周波数)Aと、この基準周波数Aとは異なる周波数に決定するための偏差周波数αが設定されて保持されている。ここでは、あらかじめ設定されている基準周波数Aは4kHz(4000Hz)、偏差周波数αは60Hzとして説明する。なお、この4kHz(4000Hz)や60Hzという値は、経験上決められた値であるが、用途や条件などに応じて別の値としてもよいことは言うまでもない。
そして、周波数決定部12は、その電磁誘導式電気伝導率計(例えば電磁誘導式電気伝導率計10)の局番アドレスが1であれば、使用する周波数をA(4000Hz)に、局番アドレスが2であれば、周波数をA+α(すなわち、4060Hz)に、局番アドレスが3であれば、周波数をA−α(すなわち、3940Hz)に決定する。なお、1つの同じ配管1に設置される電磁誘導式電気伝導率計が4台以上存在する場合には、局番アドレスが4であれば、周波数をA+2α(すなわち、4120Hz)に、局番アドレスが5であれば、周波数をA−2α(すなわち、3880Hz)に決定する。そして、以降は、局番アドレスを5で割った余りを、上記5つの局番アドレスに当てはめて決定すればよい。
このように、局番アドレスが1〜5に対して、周波数をA、A+α、A−α、A+2α、A−2αとし、以降は同じ順番で繰り返しても、電気伝導率に影響がないような値をαとする必要があるが、これらは実験などにより検証して決定すればよい。また、理論的には1つの同じ配管1に設置される電磁誘導式電気伝導率計の台数に制限はないが、ソフトウェアの制限により、設定可能な局番アドレスを、例えば1〜256のように制限することも考えられる。なお、実際に1つの配管1に設置される電磁誘導式電気伝導率計は、通常は数台であると想定される。
図3は、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計10の周波数決定部12が保持している、局番アドレスと使用周波数との対応テーブルの例である。図3(a)に示すように、周波数決定部12が、基準周波数Aと偏差周波数αを保持していて、それらにより局番アドレスに対応する周波数を決定する代わりに、図3(b)に示すように、あらかじめ、局番アドレスと周波数との対応テーブルを保持しているようにしてもよい。
図3に示したものは一例であり、他の形式の対応テーブルであっても構わないが、テーブルの形式がどのようなものであっても、周波数決定部12は、局番アドレスとそれに対応する周波数とを対応づけたテーブルを保持しており、当該テーブルに基づいて使用する周波数を決定するものである。
図4は、この発明の実施の形態における3台の電磁誘導式電気伝導率計10,20,30が1つの配管1に設置される場合の概略構成を示す模式説明図である。図4に示すように、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計10は、内部に被測定液体Fが流れている配管1の周囲に設置され、検出部14の励磁コイル141と検出コイル142の中に配管1が通っている状態で設置される。すなわち、この電磁誘導式電気伝導率計10の検出部14(検出部14を構成するコイルや電極)が配管1の内部を流れる被測定液体Fに触れることはなく、検出部14が非接液タイプの電気伝導率計である。電磁誘導式電気伝導率計20,30についても同様である。
制御部13は、検出部14に対して、周波数決定部12により決定された周波数で、検出部14に接続された励磁コイル141に電圧を印加するよう、すなわち、周波数決定部12により決定された周波数の信号を印加するよう、指示を行う。また、演算部16に対して、検出部14に接続された検出コイル142から検出された電圧をどれくらい増幅するかを示す増幅率の指示を行う。
検出部14は、内部に被測定液体Fが流れている配管1が、励磁コイル141と検出コイル142の中を通るように、平行に配置された2つのコイル(励磁コイル141と検出コイル142)を備え、その配管1の内部を流れる被測定液体Fの電気伝導率を測定する。なお、電磁誘導式電気伝導率計が被測定液体の電気伝導率を測定する方法については、周知の技術であるためここでは説明を省略する。また、励磁コイル141に印加する電気信号としては、矩形波の信号である方が急激な変化が得られるため、より精度の高い電気伝導率を測定することができるので、この実施の形態では矩形波信号として説明しているが、正弦波信号などであっても構わない。
演算情報取得部15は、電気伝導率の演算に必要な情報(電気伝導率の基準データやセル定数等の情報)を取得する。これは、ユーザが設定入力した情報を取得するものであってもよいし、コンピュータ等の他の電子機器からデータベース等による情報を取得するものであってもよい。
演算部16は、検出部14の検出コイル142から検出した電圧を、制御部13から指示された増幅率で増幅するとともに、演算情報取得部15から取得した演算に必要な情報に基づいて、配管1の内部を流れる被測定液体Fの電気伝導率を計算する。なお、この演算方法については周知の技術であるため、ここでは説明を省略する。
出力部17は、演算部16から受け取った計算結果や、他の情報(例えば、局番アドレスや、決定された周波数、電気伝導率の演算に使用した情報など)を、この電磁誘導式電気伝導率計10に一体で設けられた表示部(図示せず)や、別体で接続された表示装置やコンピュータ等の外部の表示装置(図示せず)などに出力する。
図5は、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計を3つ設置した場合の、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計10,20,30における測定データの一例を示す図である。図5においても、図1と同様に、横軸は時間(単位[sec])、縦軸は電気伝導率(単位[S/m])を表しており、そのスケールは、図1および図5すべて同じである。
図5(a)において、破線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計10を1台目の電気伝導率計(局番アドレス=1、周波数=4000Hz)として測定された電気伝導率、実線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計20を2台目の電気伝導率計(局番アドレス=2、周波数=4060Hz)として測定された電気伝導率、一点鎖線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計30を3台目の電気伝導率計(局番アドレス=3、周波数=3940Hz)として測定された電磁誘導式電気伝導率を示している。
また、図5(b)において、破線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計10を2台目の電気伝導率計(局番アドレス=2、周波数=4060Hz)として測定された電気伝導率、実線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計20を3台目の電気伝導率計(局番アドレス=3、周波数=3940Hz)として測定された電気伝導率、一点鎖線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計30を1台目の電気伝導率計(局番アドレス=1、周波数=4000Hz)として測定された電磁誘導式電気伝導率を示している。
また、図5(c)において、破線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計10を3台目の電気伝導率計(局番アドレス=3、周波数=3940Hz)として測定された電気伝導率、実線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計20を1台目の電気伝導率計(局番アドレス=1、周波数=4000Hz)として測定された電気伝導率、一点鎖線で示すグラフは電磁誘導式電気伝導率計30を2台目の電気伝導率計(局番アドレス=2、周波数=4060Hz)として測定された電磁誘導式電気伝導率を示している。
図5(a)〜(c)に示すように、図4に示す3台の電磁誘導式電気伝導率計10,20,30の局番アドレスを1,2,3いずれに割り振った場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計で使用する周波数を異なる値に設定したことにより、測定された電気伝導率の測定値が干渉することなく、電磁誘導式電気伝導率計10,20,30のそれぞれにおいて正確な電気伝導率を測定することができるのである。
このように、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計は、周波数決定部を備えていることにより、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計ごとに平行に配置された2つのコイル間に流れる電気の周波数を異なる値にしているので、内部に被測定液体Fが流れている1つの配管1に複数の電磁誘導式電気伝導率計を設置する場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、測定精度を改善し、安定した測定を実現することができ、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態では、内部に被測定液体Fが流れている1つの配管1に複数の電磁誘導式電気伝導率計を設置する場合を例に説明したが、例えば、被測定液体が入っている測定槽の中に、複数の電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合であっても、同様に適用することができるものである。
図6は、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計の外観および構造の別の一例を示す説明図である。また、図7は、図6に示す電磁誘導式電気伝導率計が3つ、被測定液体Fが入っている測定槽100の中に設置される場合の概略構成を示す模式説明図である。
図6に示すとおり、この電磁誘導式電気伝導率計40は、従来よりよく知られている電磁誘導式電気伝導率計と同じ外観であり、全体に樹脂などの絶縁物Gで覆われているが、その内部に、前述の電磁誘導式電気伝導率計10,20,30の検出部14,24,34と同様の検出部44を備えている。図6は、外壁である樹脂などの絶縁物Gを一部取り除いて、内部の励磁コイル441および検出コイル442の一部を開示している。
すなわち、この図6に示す電磁誘導式電気伝導率計40を図7に示すように被測定液体Fが入っている測定槽100の中に設置する場合であっても、測定用の電極やコイルといった検出部44が非接液であることは同じである。
また、図6に示す電磁誘導式電気伝導率計40の機能構成を示すブロック図は、図2に示す電磁誘導式電気伝導率計10のブロック図と同じであるため、図示および説明を省略する。なお、図7に示す電磁誘導式電気伝導率計50,60についても同様である。
そして、図7に示すように、被測定液体Fが入った測定槽100の中に、この3つの電磁誘導式電気伝導率計40,50,60が設置された場合であっても同様に、この電磁誘導式電気伝導率計が、周波数決定部を備えていることにより、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計ごとに平行に配置された2つのコイル間に流れる電気の周波数を異なる値にしているので、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、測定精度を改善し、安定した測定を実現することができ、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
なお、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の局番アドレスをユーザが手動で設定する場合の設定例を、図8に示す。図8は、この発明の実施の形態における電磁誘導式電気伝導率計10,20,30(または40,50,60)において、3つのディップスイッチによって局番アドレスを設定可能な場合のスイッチパターンの一例を示す図である。
図8に示すように、例えば3つのディップスイッチ(SW1,SW2,SW3)によって、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計10,20,30(または40,50,60)の局番アドレスを設定するようにすれば、電磁誘導式電気伝導率計10,20,30(または40,50,60)のそれぞれにおいて、現在設定されている局番アドレスがいくつであるかをユーザが視認可能とすることができる。図8に示す例では、スイッチパターンとしてはパターン1〜パターン8までの8パターンあり、パターン1〜パターン7により、局番アドレスは1〜7まで設定することが可能である。
また、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の局番アドレスを、コンピュータ等の他の電子機器から自動的に割り振られるようにする場合には、図8のパターン8に示すように、すべてのスイッチ(SW1,SW2,SW3)をONに設定すればよい。なお、他の電子機器から自動的に割り振られた場合であっても、その電磁誘導式電気伝導率計の局番アドレスがいくつに設定されているかがわかるように、その数値を表示する表示部を設けるようにしてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態の電磁誘導式電気伝導率計によれば、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計ごとに平行に配置された2つのコイル間に流れる電気の周波数を異なる値にしているので、被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率計を設置する場合であっても、それぞれの電磁誘導式電気伝導率計の測定値が干渉することなく、測定精度を改善し、安定した測定を実現することができ、すべての電磁誘導式電気伝導率計において正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 被測定液体Fが内部を流れる配管
10,20,30,40,50,60 電磁誘導式電気伝導率計
11 局番アドレス取得部
12 周波数決定部
13 制御部
14,24,34,44 検出部
15 演算情報取得部
16 演算部
17 出力部
100 被測定液体Fが入っている測定槽
141,241,341,441 検出部14,24,34,44の励磁コイル
142,242,342,442 検出部14,24,34,44の検出コイル

Claims (2)

  1. 被測定液体の電気伝導率を検出する検出部を備え、前記検出部が検出した電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率計であって、
    前記被測定液体に対して複数の前記電磁誘導式電気伝導率計が設置される場合に、
    それぞれの前記電磁誘導式電気伝導率計が前記複数のうちの何番目の電気伝導率計であるかを示す局番アドレスを取得する局番アドレス取得部と、
    前記局番アドレス取得部が取得した局番アドレスに対応する周波数を、前記電磁誘導式電気伝導率計が使用する周波数として決定する周波数決定部と、
    前記検出部に対して、前記周波数決定部により決定された周波数の信号を印加するよう指示を行う制御部と、
    を備えることを特徴とする電磁誘導式電気伝導率計。
  2. 前記周波数決定部は、前記局番アドレスとそれに対応する周波数とを対応づけたテーブルを保持しており、当該テーブルに基づいて前記使用する周波数を決定する
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁誘導式電気伝導率計。
JP2017089281A 2017-04-28 2017-04-28 電磁誘導式電気伝導率計 Active JP6864843B2 (ja)

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