JP2018189093A - 圧力制限型コンプレッサ - Google Patents

Abstract

【課題】コンプレッサの効率を制限せずに、シール剤逆流が回避されると同時に圧縮室内の最高圧力の制限が保証され、系の高圧側から急に流出する流れが回避され、そして構造が簡単で、コンプレッサの使用期間と信頼性が高められる、往復ピストン式コンプレッサを備えたコンプレッサユニットを提供する。【解決手段】電動機によって駆動される往復ピストン式コンプレッサ３を備え、この往復ピストン式コンプレッサ３がスライダクランク機構４を介してシリンダ５内で往復運動させられるピストン６を有し、シリンダ５の出口側が排出弁８を有するシリンダヘッド７によって閉鎖され、コンプレッサユニット１が圧縮室内の圧力に接続された電気式圧力スイッチを備え、この圧力スイッチ９を介して電動機２を始動および停止することができる、持ち運び可能な圧縮空気源のコンプレッサユニット１。【選択図】図１

Description

本発明は、電動機によって駆動される往復ピストン式コンプレッサを備え、この往復ピストン式コンプレッサがスライダクランク機構を介してシリンダ内で往復運動させられるピストンを有し、それによってシリンダとピストンが圧縮室を画成し、シリンダの出口側が排出弁を有するシリンダヘッドによって閉鎖されている、持ち運び可能な圧縮空気源のコンプレッサユニットに関する。

このようなコンプレッサユニットは例えば、膨らまし可能な物体を封止および空気充填するため、特に自動車タイヤを封止および空気充填するための装置と共にあるいはこの装置の一部として必要とされる（パンク修理セット）。

持ち運び可能で軽量のこの装置は圧縮ガス源としてコンプレッサユニットを有し、さらに膨らまし可能な物体に充填可能な自動シール剤のためのシール剤容器と、シール剤と圧縮ガスのための弁兼分配器ユニットと、圧縮ガス源に接続可能な流入管および膨らまし可能な物体に接続可能な排出管とを備えている。

このような装置の場合、系内の最高圧力は、コンプレッサの達成可能な最高圧力によって決まるかまたは圧力制限弁によって決定される。前者の場合、最高圧力は構造に起因して実質的に、シリンダのいわゆる「死容積」に依存する。

タイヤのパンクの修理中に上記の空気コンプレッサによって、シール剤もタイヤ内に圧入されるため、圧力逃がし弁によって圧力を制限する場合には、少なからぬ運転状態で、この弁の開放によって高圧下のシール剤が流出および／またはコンプレッサのシリンダ内に達するので不所望である。このケースは例えば、タイヤバルブが空気充填中にシール剤によって閉塞し、許容されないほど高い圧力が空気コンプレッサ内に発生するときに起きる。その際、従来用いられた制限弁は高圧側が開放し、系の高圧側から或る流量の空気を流出する。シール剤がコンプレッサとそれに接続する管内に少しだけ達するときには、この逆流によってマノメータ機能またはコンプレッサの排出弁の機能が悪影響を受ける。

この解決策は特許文献１に示されている。
この特許文献１には、従来技術において一般的である排出弁を備えたコンプレッサユニットまたはピストン式コンプレッサが開示されている。この排出弁は同時に、コンプレッサの内室のための唯一の「圧力逃がし弁」である。このような排出弁はばねで付勢されたディスクを備え、このディスクはシリンダ内の圧縮室の排出穴を覆い、圧力室内が適当な圧力になったときにばねに抗して持ち上げられる。このような排出弁がきわめて高い開放周波数、すなわち短いストロークできわめて迅速に動くピストン式コンプレッサには条件付きでのみ適しているということは別として、圧縮室／圧力室へのシール剤の逆流を防止するために、シール剤容器または所属の分配器ユニットに対する所定の管長間隔を維持することが必要である。これは全体として、膨らまし可能な物体を封止および空気充填するための装置の寸法を大きくすることになる。

シール剤逆流を防止するために、損傷したタイヤに至る流入管内に、付加的な逆止弁が組み込まれると、この逆止弁は修理すべきタイヤの正確な圧力測定を阻止するので不利である。

すべての往復ピストン式コンプレッサにおいて死容積が存在する。というのは、上死点においてピストン底がシリンダヘッドの内側表面に対してゼロとは異なる或る程度の間隔を有していなければならないからである。適当な大きさに設計された死空気容積によって、すなわちピストン底とシリンダヘッドの内側表面との間の大きな間隔によって「圧力を制限する」場合には、シール剤が流出する危険はない。なぜなら、空気または空気とシール剤の混合物が周囲に吹き出されないからである。しかしながら、コンプレッサ内の適当に設計された死空気容積はその効率を低下させ、設定された仕様を達成するためには余計な大きさのまたは高価なコンプレッサを必要とする。

タイヤに空気を充填することができる小型コンプレッサを有する、タイヤを封止するための市販のパンク修理セットは、最高圧力を制限するために一般的に、圧縮室内の排出弁あるいは流れ方向において圧縮室の後に配置された管内の弁、例えば排出弁とタイヤバルブの間またはコンプレッサとマノメータの間に配置された後続の分配ユニット内の弁を使用する。

独国特許出願公開第４４２９０９７Ａ１号明細書

そこで、本発明の課題は、コンプレッサの効率を制限せずに、シール剤逆流が回避されると同時に圧縮室内の最高圧力の制限が保証され、系の高圧側から急に流出する流れが回避され、そして構造が簡単で、コンプレッサの使用期間と信頼性が高められる、往復ピストン式コンプレッサを備えたコンプレッサユニットを提供することである。

この課題は請求項１の特徴によって解決される。他の有利な実施形は従属請求項に開示されている。

コンプレッサユニットは圧縮室内の圧力に接続された電気式圧力スイッチを備え、この圧力スイッチを介して電動機を始動および停止することができる。従って、空気コンプレッサのための確実な電気／電子式最高圧力制限が達成される。この最高圧力制限の場合、いかなる時点でも空気流がコンプレッサの周囲へ排出されることがなく、コンプレッサの効率はコンプレッサの作動範囲内で低下することはない。それによって、シリンダの死容積を縮小し、それにもかかわらず高すぎる圧力の際にそれ以上の圧力上昇を確実に排除することができる。

有利な発展形態では、圧力スイッチがダイアフラムを介して圧縮室に接続されている。それによって、圧力スイッチのきわめて直接的な応答が達成される。

他の有利な実施形では、圧力スイッチが往復ピストン式コンプレッサの排出管内の圧力に接続されている。これは往復ピストン式コンプレッサの構造を簡単にする。というのは、排出管に通じる小さな穴を設けるだけでよいからである。

他の有利な実施形では、圧力スイッチがシリンダヘッド内に配置され、好ましくはシリンダヘッド内に鋳込まれている。これは、部品を統合する意味で、往復ピストン式コンプレッサの構造を簡単にする。これと同じことが、圧力スイッチがコンプレッサユニットのマノメータ内に配置されている他の有利な実施形についても当てはまる。

他の有利な実施形では、電動機が圧力スイッチによって電気的に操作されるアクチュエータを介して、好ましくはリレーを介して始動および停止可能である。これは例えば始動押しボタンと関連して、圧力スイッチが戻し切り換えされるや否や、この押しボタンまたはスイッチを介してコンプレッサの手動のまたは同様にリレー制御の再始動を可能にする。

他の有利な実施形では、圧力スイッチが圧力センサと電子切換え装置を備え、この電子切換え装置によって、切換え時点または切り換え圧力が調節可能または予め選択可能である。それによって、切り換え圧力の高さを予め決めることができ、かつ特別な実施またはモデルシリーズに適合させることができる。

このようなコンプレッサユニットは、膨らまし可能な物体の封止および空気充填、特に自動車タイヤの封止および空気充填のための装置と共に使用するのに非常に適している。この場合、自動車タイヤを修理するためのパンク修理セットがこのようなコンプレッサユニットを備えていると有利である。

実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。

持ち運び可能な圧縮空気源のコンプレッサユニットを示す図である。

図１は持ち運び可能な圧縮空気源のコンプレッサユニット１を示す。このコンプレッサユニットは電動機２によって駆動される往復ピストン式コンプレッサ３を備えている。この往復ピストン式コンプレッサはスライダクランク機構４を介してシリンダ５内で往復運動させられるピストン６を備えている。従って、シリンダ５とピストン６は圧縮室を画成している。シリンダ５は出口側が排出弁８を備えたシリンダヘッド７によって閉鎖されている。コンプレッサユニットは圧縮室内の圧力に接続された電気機械式圧力スイッチ９を備えている。この圧力スイッチは、圧縮室内の圧力が所定の圧力ヘッドに達すると、すなわち設定された最高値Ｐ０のときに、導電線１０を介して電動機２のスイッチを切り、この圧力ヘッドよりも圧力が下がった後で、電動機のスイッチを再び入れる。

駆動電動機のスイッチが切れると、コンプレッサの圧力はそれ以上上昇せず、そして系から周囲に空気は逃げない。なぜなら、排出弁が閉じているからである。圧力が再び最高値Ｐ０よも下がると、電動機２のスイッチが再び入れられる。

１ コンプレッサユニット
２ 電動機
３ 往復ピストン式コンプレッサ
４ スライダクランク機構
５ シリンダ
６ ピストン
７ シリンダヘッド
８ 排出弁
９ 圧力スイッチ
１０ 導電線
１１ 排出管（圧力）
１２ マノメータ

Claims (9)

1. 電動機（２）によって駆動される往復ピストン式コンプレッサ（３）を備え、この往復ピストン式コンプレッサがスライダクランク機構（４）を介してシリンダ（５）内で往復運動させられるピストン（６）を有し、それによって前記シリンダと前記ピストンが圧縮室を画成し、前記シリンダ（５）の出口側が排出弁（８）を有するシリンダヘッド（７）によって閉鎖されている、持ち運び可能な圧縮空気源のコンプレッサユニット（１）において、
   前記コンプレッサユニット（１）が圧縮室内の圧力に接続された電気式圧力スイッチ（９）を備え、この圧力スイッチ（９）を介して前記電動機（２）を始動および停止することができることを特徴とするコンプレッサユニット（１）。
2. 前記圧力スイッチ（９）がダイアフラムを介して前記圧縮室に接続されている、請求項１に記載のコンプレッサユニット。
3. 前記圧力スイッチ（９）が前記往復ピストン式コンプレッサの排出管（１１）内の圧力に接続されている、請求項１または２に記載のコンプレッサユニット。
4. 前記圧力スイッチ（９）が前記シリンダヘッッド（７）内に配置され、好ましくはシリンダヘッド内に鋳込まれている、請求項１〜３のいずれか一項に記載のコンプレッサユニット。
5. 前記圧力スイッチ（９）が前記コンプレッサユニットのマノメータ（１２）内に配置されている、請求項１〜３のいずれか一項に記載のコンプレッサユニット。
6. 前記電動機（２）が前記圧力スイッチによって電気的に操作されるアクチュエータを介して、好ましくはリレーを介して始動および停止可能である、請求項１〜５のいずれか一項に記載のコンプレッサユニット。
7. 前記圧力スイッチが圧力センサと電子切換え装置を備え、この電子切換え装置によって、切換え時点または切り換え圧力ヘッドが調節可能である、請求項１〜６のいずれか一項に記載のコンプレッサユニット。
8. 自動車タイヤの封止および空気充填のための、請求項１〜７のいずれか一項に記載のコンプレッサユニットの使用。
9. 請求項１〜７のいずれか一項に記載のコンプレッサユニットを備えた自動車タイヤを修理するためのパンク修理セット。

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