次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例1に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図3参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20には、表示演出を行う演出実行手段としての演出表示装置(図柄表示部、表示手段)17が配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例1では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前枠13には、図1に示す如く、前記中枠12に配設された球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が下球受け皿15の右側方に設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20の前面側に形成された後述する遊技領域21(図3参照)のうち、第1流下経路21a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち」と、第2流下経路21b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち」とを打ち分けできるようになっている。また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ19から適宜の音声を出力することで、演出表示装置17での表示演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、ランプ装置18およびスピーカ19は、演出表示装置17での表示演出に合わせた演出を実行可能な演出実行手段として機能している。
パチンコ機10における中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、遊技を統括的に制御する主制御基板60(図2参照)が配設されている。そして、主制御基板60は、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)SE1〜SE7からの検出信号に基づいて、当該主制御基板60に備えられる主制御CPU60aが各種処理を実行し、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力するように構成されている。また、中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、主制御基板60からの制御信号に基づいて演出(表示演出や発光演出、音声演出)を統括的に制御する演出制御基板65(図2参照)と、演出制御基板65からの制御信号に基づいて、記憶手段に記憶する各種の画像データ(図柄、背景画像、文字、キャラクタ等の画像データ)をもとに演出表示装置17での表示内容を更新する表示制御基板70(図2参照)とが配設されている。すなわち、演出表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19等の演出実行手段の動作は、主制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいた演出制御基板65の制御によってコントロールされるようになっている。
図2に示すように、主制御基板60は、遊技に関する制御処理を実行する主制御CPU60a、該主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60b、当該主制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM60c等を備えている。また、演出制御基板65は、演出に関する制御処理を実行する演出制御CPU65a、該演出制御CPU65aが実行する制御プログラムを記憶する演出制御ROM65b、当該演出制御CPU65aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な演出制御RAM65c等を備えている。更に、表示制御基板70は、演出に関する制御処理を実行する表示制御CPU70a、該表示制御CPU70aが実行する制御プログラムを記憶する表示制御ROM70b、当該表示制御CPU70aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な表示制御RAM70c等を備え、表示制御ROM70bには演出表示装置17での表示に関する画像データが記憶されている。
また図示しないが、前記中枠12の後面側には、球払出装置を駆動制御する払出制御基板、前記球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は前記主制御基板60に配線接続されており、該主制御基板60の主制御CPU60aからの賞球払出指令コマンド(制御信号)に基づいて前記球払出装置を制御することで、該賞球払出指令コマンドにより特定される賞球数に対応するパチンコ球を払い出すよう構成される。なお、主制御CPU60aは、賞球払い出しの契機(入賞)を検出した検出センサSE1〜SE7の種類と、払い出される賞球数とを特定し得る制御信号を、演出制御CPU65aに対して出力するよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材であって、該遊技盤20の前面には、図3に示す如く、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されている。そして、球発射装置から発射されたパチンコ球が案内レール22により画成される遊技領域21を流下して、後述する入賞口31,32,41,51に入賞し得るようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口25が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。なお、遊技盤20は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
図3に示すように、遊技盤20には、遊技領域21内に多数の遊技釘23が設けられている。すなわち、遊技領域21は、パチンコ球の流下方向を遊技釘23との接触により不規則に変化させるよう構成されている。この遊技領域21の略中央で開口する装着口には中央入賞装置50(後述)が取り付けられ、該中央入賞装置50を前後に貫通する表示窓口50aを介して前記演出表示装置17の表示画面17aが遊技盤20の前面側に臨んでいる。この中央入賞装置50は、遊技盤20の前面より前方に突出して表示装置17における表示画面17aの前方空間と遊技領域21とを区切る庇状部50bを備えている。庇状部50bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部50b上で滞ることなく中央入賞装置50の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。これにより遊技領域21は、中央入賞装置50の左側を流下するパチンコ球の流路である第1流下経路21aと、中央入賞装置50の右側を流下するパチンコ球の流路である第2流下経路21bとに分かれており、前記球発射装置により遊技領域21内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1流下経路21aか或いは第2流下経路21bを流下するようになっている。また、遊技盤20の中央下部に開設された装着口には始動入賞装置30(後述)が取り付けられており、該始動入賞装置30が中央入賞装置50の下方に位置している。更に、遊技盤20の右下部に開設された装着口には特別入賞装置40(後述)が取り付けられており、該特別入賞装置40が中央入賞装置50の右下方に位置している。更にまた、遊技盤20の左右側端部に開設された装着口には球通過ゲート47が取り付けられており、該球通過ゲート47が中央入賞装置50の左右側方に位置している。
(始動入賞装置30について)
前記始動入賞装置30の上部(第1始動入賞部)には、常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口である第1始動入賞口31が設けられている。始動入賞装置30には、第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1(図2参照)を備えている。第1始動入賞検出センサSE1は主制御基板60と電気的に接続されており、該第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出(第1の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例1では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出を契機として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、第1始動入賞検出センサSE1による検出(始動入賞)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出(演出用の図柄としての飾図の変動表示を含む表示演出)が行われるようになっている。
また、前記始動入賞装置30の下部(第2始動入賞部)には、該始動入賞装置30に開閉可能に設けられた始動開閉部材33によって開口寸法が拡大・縮小される可変タイプの入賞口である第2始動入賞口32が設けられている。始動入賞装置30には、前記主制御基板60と電気的に接続された駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図2参照)が配設されており、この始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴って始動開閉部材33が、第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、第2始動入賞口32が開放位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも容易となり、第2始動入賞口32が閉成位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも困難または不可能となる。また、始動入賞装置30は、第2始動入賞口32に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサSE2(図2参照)を備えている。第2始動入賞検出センサSE2は、前記主制御基板60と電気的に接続されており、該第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(第2の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例1では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(始動入賞)を契機として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、始動入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出が行われるようになっている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(第1特別入賞部)40には、該特別入賞装置40に開閉可能に設けられた下特別開閉部材43によって開口寸法が拡大・縮小される可変タイプの入賞口である下特別入賞口41が設けられている。特別入賞装置40には、前記主制御基板60と電気的に接続された駆動手段としての下特別入賞ソレノイドSL2(図2参照)が配設されており、この下特別入賞ソレノイドSL2の駆動に伴って下特別開閉部材43が、下特別入賞口41を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。また特別入賞装置40には、前記下特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての下特別入賞検出センサSE3(図2参照)が配設されている。下特別入賞検出センサSE3は、前記主制御基板60と電気的に接続されており、下特別入賞検出センサSE3がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力し、該主制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例1では9個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、特別入賞装置40は、下特別開閉部材43によって下特別入賞口41が常には閉鎖され(入賞不能とされ)、大当り遊技状態の発生に伴って下特別入賞口41が開放される(入賞可能状態とされる)。
(中央入賞装置50の可変入賞手段について)
中央入賞装置(第2特別入賞部)50の右側部には、該中央入賞装置50に開閉可能に設けられた上特別開閉部材(入賞規制手段)53によって開口寸法が拡大・縮小される可変タイプの入賞口である上特別入賞口(特別入賞口)51が設けられている。中央入賞装置50には、前記主制御基板60と電気的に接続された駆動手段としての上特別入賞ソレノイドSL3(図2参照)が配設されており、この上特別入賞ソレノイドSL3の駆動に伴って上特別開閉部材53が、上特別入賞口51を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、中央入賞装置50に設けられた上特別入賞口51、上特別開閉部材53および上特別入賞ソレノイドSL3が、該中央入賞装置50内へのパチンコ球の入賞し易さを可変する可変入賞手段を構成している。この中央入賞装置50には、前記上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての上特別入賞検出センサSE4(図2参照)が配設されている。上特別入賞検出センサSE4は、前記主制御基板60と電気的に接続されており、上特別入賞検出センサSE4がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力し、該主制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例1では9個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、中央入賞装置50は、上特別開閉部材53によって上特別入賞口51が常には閉鎖され(入賞不能とされ)、小当り遊技状態の発生に伴って上特別入賞口51が開放される(入賞可能状態とされる)。
(中央入賞装置50の入賞球処理構造について)
中央入賞装置50は、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を後述する中央通口91aおよび外周通口92aに振り分ける振分装置80(図4および図5参照)を備えており、上特別入賞口51および振分装置80を接続する通路部81,82,83,84(図3参照)によってパチンコ球を上特別入賞口51から振分装置80に誘導するよう構成されている。すなわち、中央入賞装置50に設けられた振分装置80および通路部81,82,83,84は、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を処理する入賞球処理構造を構成している。この入賞球処理構造において通路部81,82,83,84から振分装置80に導かれたパチンコ球は、中央通口91a(図5および図6参照)を通過して特定領域(後述)を通過した後に機外へと排出されるか、外周通口92a(図5および図6参照)を通過して排出領域(後述)を通過した後に機外へと排出されるようになっている。
図3に示すように、中央入賞装置50は、通路部81,82,83,84として、上特別入賞口51に連通する第1通路部81と、この第1通路部81の球出口に連通する第2通路部82と、この第2通路部82の球出口に連通する第3通路部83と、この第3通路部83の球出口に連通する第4通路部84とを備え、第4通路部84の球出口が前記振分装置80の球入口(図4に示す第1連通口99aおよび第2連通口99b)と連通し得るよう構成されている。ここで、実施例1では、第2通路部(振分部)82に設けられる後述のストッパ部材82aと、第3通路部(振分部)83に設けられる後述の球打ち部材83aと、第4通路部(振分部)84と、振分装置(振分部)80に設けられる後述の回転体91,92,93とが、夫々、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を後述する特定領域および排出領域に振り分ける振分部材(振分手段、分岐手段、分岐部)として機能している。
第1通路部81は、前記上特別入賞口51に入賞したパチンコ球が通過可能な球通路を内側に形成するものであって、中央入賞装置50の右側部において上下方向に垂直移動可能に設けられている。中央入賞装置50には、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続された駆動手段(モータ)としての第1駆動源101(図2参照)が配設されており、この第1駆動源101の駆動に伴って第1通路部81が、第2通路部82へ向けたパチンコ球の移動を規制する移動規制位置と、該パチンコ球の第2通路部82へ向けた移動を許容する移動許容位置とに変位するよう構成されている。第1駆動源101を駆動制御する主制御CPU60aは、パチンコ機10の電源が投入されてから該電源が遮断されるまで継続的に第1駆動源101を駆動(駆動軸を正回転)して、移動規制位置および移動許容位置を往復する一定の動作を第1通路部81に繰り返し行わせる。このように、第1通路部81は、予め定められた動作開始契機(パチンコ機10の電源投入に応じたタイミング)を起点として一定の動作(振り分け動作)を行い、該動作により第2通路部82へ向けたパチンコ球の移動タイミングに変化を与えるよう構成されている。
前記第2通路部82は、前記第1通路部81の球出口から導かれたパチンコ球が1列で直線的に通過可能な球通路を内側に形成するものであって、中央入賞装置50の右側部から左側へ向けて下方傾斜するよう表示画面17a(演出表示装置17)の前方に固定的に設けられている。この第2通路部82の傾斜下端側には、前後方向に変位可能なストッパ部材82aが設けられている(図3参照)。中央入賞装置50には、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続された駆動手段(ソレノイド)としての第2駆動源102(図2参照)が配設されており、この第2駆動源102の駆動に伴ってストッパ部材82aが、第2通路部82内部の球通路に進出してパチンコ球の通過を規制する球止め位置と、第2通路部82の後方へ退避してパチンコ球の通過を許容する通過許容位置とに変位するよう構成されている。第2駆動源102を駆動制御する主制御CPU60aは、小当り遊技状態における予め定められたタイミングで第2駆動源102を駆動して、ストッパ部材82aに一定の動作を行わせる。このように、第2通路部82に設けられたストッパ部材82aは、予め定められた動作開始契機を起点として一定の動作を行い、該動作により第3通路部83へ向けたパチンコ球の移動タイミングに変化を与えるよう構成されている。なお、第2通路部82の後壁には、ストッパ部材82aよりもやや上流側に図示しない球排出口が形成されている。そして、ストッパ部材82aが球止め位置にある状態では該ストッパ部材82aの上流側に所定数(実施例1では1個)のパチンコ球のみが停留可能であり、それ以上のパチンコ球を停留させないよう排出口から図示しない排出球通路へと導く構成となっている。なお、排出球通路を通過したパチンコ球は後述する第2裏通路(図示せず)へと導かれ、後述する排出領域通過検出センサSE6(図2参照)により検出された後に機外へ排出されるようになっている。
前記第3通路部83は、前記第2通路部82の球出口から導かれたパチンコ球が1列で通過可能な球通路を形成するものであって、第2通路部82の傾斜下端部に対し前側に重なって近接する位置に固定的に設けられ、後壁に球入口が開口すると共に球出口が右側壁に開口している。この第3通路部83には、左右方向に変位可能な球打ち部材83aが設けられている。中央入賞装置50には、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続された駆動手段(モータ)としての第3駆動源103(図2参照)が配設されており、この第3駆動源103の駆動に伴って球打ち部材83aが、第3通路部83内部の球通路に対し左側へ退避して第2通路部82からのパチンコ球を受け入れる受け入れ位置と、該球通路に左側から進出してパチンコ球を第4通路部84へ向けて打ち出す打ち出し位置とに変位するよう構成されている。第3駆動源103を駆動制御する主制御CPU60aは、小当り遊技状態における予め定められたタイミングで第3駆動源103を駆動(駆動軸を正回転および逆回転)して、受け入れ位置および打ち出し位置を往復する一定の動作を球打ち部材83aに行わせる。このように、第3通路部83に設けられた球打ち部材83aは、予め定められた動作開始契機を起点として一定の動作を行い、該動作により第4通路部84へ向けたパチンコ球の移動タイミングに変化を与えるよう構成されている。なお、第3通路部83の底壁には、図示しない球排出口が形成されている。そして、球打ち部材83aが受け入れ位置にある状態では球打ち部材83aが球排出口を塞いで所定数までのパチンコ球を受け入れると共に、打ち出し位置に移動することでパチンコ球を第4通路部84へと移動させ、この打ち出し位置にある状態では球打ち部材83aが第2通路部82からのパチンコ球を排出口から図示しない排出球通路へと導く構成となっている。なお、排出球通路を通過したパチンコ球は後述する第2裏通路(図示せず)へと導かれ、後述する排出領域通過検出センサSE6(図2参照)により検出された後に機外へ排出されるようになっている。
第4通路部84は、前記第3通路部83から導かれたパチンコ球が1列で直線的に通過可能な球通路を内側に形成するものであって、左端側に位置する揺動軸84aを中心として右端側(傾斜下端側)が上下方向に揺動し得る可動通路部として第3通路部83の右側に近接配置されている。中央入賞装置50には、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続された駆動手段(モータ)としての第4駆動源104(図2参照)が配設されており、この第4駆動源104の駆動に伴って第4通路部84が上下に揺動変位する。これにより第4通路部84は、振分装置80の球入口の1つを構成する第1連通口99a(後述)に傾斜下端部(球出口)を対向させる揺動上端位置と、振分装置80の球入口の1つを構成する第2連通口99b(後述)の下端部に傾斜下端部(球出口)を対向させる揺動下端位置との間で変位するよう構成されている。第4駆動源104を駆動制御する主制御CPU60aは、小当り遊技状態における予め定められたタイミングで第4駆動源104を駆動(駆動軸を正回転および逆回転)して、揺動上端位置および揺動下端位置を往復する一定の動作を第4通路部84に行わせる。このように、第4通路部84は、予め定められた動作開始契機を起点として一定の動作を行い、該動作により振分装置80に対するパチンコ球の受け渡し位置(第1連通口99aおよび第2連通口99b)が変化するよう構成されている。
前記振分装置80は、共通の回転中心(回転軸線)80aを基準として回転する複数の回転体91,92,93(図5参照)を備えると共に、これらの回転体91,92,93の前面側を所定の間隔をあけて覆うカバー99(図4参照)を備えている。カバー99は、回転体91,92,93の前面との間に振分空間80bを形成すると共に、振分装置80の球入口を構成する第1連通口99aおよび第2連通口99bが前後に貫通形成されている。ここで、第1連通口99aおよび第2連通口99bは、前記第4通路部84の傾斜下端部(球出口)が移動する円弧状の軌跡に沿って上下に近接するようにカバー99に形成されている。そして、第4通路部84が揺動上端位置にある場合に、該第4通路部84の傾斜下端部の後壁に設けられた球出口が、カバー99の第1連通口99aと連通する。これにより、第4通路部84を通過したパチンコ球が第1連通口99aを通じて振分空間80bに移動し得るようになる。また、第4通路部84が揺動上端位置よりも下側(揺動下端位置側)に移動した状態では、該第4通路部84の球出口が第2連通口99bと連通する。これにより、第4通路部84を通過したパチンコ球が第2連通口99bを通じて振分空間80bに移動し得るようになる。ここで、第1連通口99aは、振分空間80bのうち後述する特定誘導部91bの内側と連通しており、第2連通口99bは、振分空間80bのうち特定誘導部91bの外側と連通している。
図5および図6に示すように、振分装置80は、複数の回転体91,92,93として、中央に位置する中央回転体91と、外周に位置する外周回転体92と、中央回転体91の外周側であって外周回転体92の内周側に位置する介在回転体93とを備えている。各回転体91,92,93は前面の位置が揃うように配設され、中央回転体91の外周縁と介在回転体93の内周縁とが略同形状で近接すると共に、介在回転体93の外周縁と外周回転体92の内周縁とが略同形状で近接している。そして、各回転体91,92,93は、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続された1つのモータからなる振分駆動源100に対して図示しないギアにより夫々連繋接続され、該振分駆動源100の駆動に伴って回転するようになっている。なお、振分装置80は、振分駆動源100の正回転(左回転)に応じて中央回転体91および外周回転体92が第1方向(右回転方向)に回転し、介在回転体93が第2方向(左回転方向)に回転するよう構成されている。また、振分駆動源100の逆回転(右回転)に応じて中央回転体91および外周回転体92が第2方向(右回転方向)に回転し、かつ介在回転体93が第1方向(左回転方向)に回転するよう構成されている。
ここで、振分駆動源100を駆動制御する主制御CPU60aは、パチンコ機10の電源が投入されてから該電源が遮断されるまでの期間に亘り振分駆動源100を駆動(駆動軸を正回転および逆回転)して、振分装置80(中央回転体91、介在回転体93および外周回転体92)に一定の動作を繰り返し行わせる。具体的には、外周回転体92が第1の回転角度(実施例1では1800度)だけ右回転した後に第2の回転角度(実施例1では180度)だけ左回転する一定の動作を繰り返し、これに連動して中央回転体91および介在回転体93も一定の動作を繰り返すよう、主制御CPU60aが振分駆動源100を駆動制御する。このように、振分装置80は、予め定められた動作開始契機(パチンコ機10の電源投入に応じたタイミング)を起点として一定の動作(振り分け動作)を行い、該動作によりパチンコ球を振り分けるよう構成されている。なお、外周回転体92が360度回転する(1周分回転する)のに応じて中央回転体91が同方向へ1260度回転する(3.5周分回転する)よう調整してある。
前記中央回転体91には、前後に貫通する中央通口91aが形成されている。また、中央回転体91には、振分空間80bの中央側に位置するパチンコ球を中央通口91aに誘導する特定誘導部(第1誘導部)91bが設けられている。特定誘導部91bは、中央回転体91の前面から前方へ向けて略U字状に突出し、中央回転体91の径方向(図5および図6に示す状態では上方)および前方に開口している。また、特定誘導部91bの両端部には、互いに離間する側へ緩やかに上方傾斜するよう延出する一対の受板91cが設けられている。そして、特定誘導部91bは、中央回転体91の回転によって上方(または斜め上方)に開口する状態(図6および図7(a)参照)になると、前記カバー99の第1連通口99aから振分空間80bに流入するパチンコ球を受ける他、振分空間80bにおける上方または斜め上方(後述する保持部92c)から流下してくるパチンコ球を受け、受けたパチンコ球を後方の中央通口91aへ向けて転動させる。この場合に、受板91cによって振分空間80bにおける上方位置または斜め上方位置からのパチンコ球を比較的広い範囲で受け止めて中央通口91aに誘導し得るよう構成されている。一方、特定誘導部91bが中央回転体91の回転により下方または斜め下方に開口する状態(図7(b)および図8参照)になると、中央通口91aの前方領域を上から庇状に覆う状態となってパチンコ球を中央通口91aに誘導し得なくなり、特定誘導部91bに接触したパチンコ球は振分空間80bを下方へ流下する。
図示しないが、中央回転体91の後面側には、中央通口91aに連通する第1裏通路が設けられており、該第1裏通路を通過したパチンコ球が機外へ向けて排出されるよう構成されている。この第1裏通路の途中位置には、主制御基板60と電気的に接続された特定領域通過検出センサSE5(図2参照)が配設され、この特定領域通過検出センサSE5によって該第1裏通路を通過するパチンコ球を検出するよう構成されている。なお、以下の説明では、当該第1裏通路における特定領域通過検出センサSE5の検出位置を、パチンコ球が通過可能な「特定領域」と称する。すなわち、中央回転体91に設けられた特定誘導部91bは、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を特定領域に誘導するよう機能しており、中央通口91aに連通する前記第1裏通路に設けた特定領域通過検出センサSE5は、特定領域を通過するパチンコ球を検出するよう機能している。なお、詳しくは後述するが、主制御CPU60aは、特定領域通過検出センサSE5による検出(特定領域への通過)を契機として、実行中の小当り遊技状態を大当り遊技状態へと発展させる制御を行う。
図5および図6に示すように、前記介在回転体93には、該介在回転体93の前面から前方(カバー99側)へ突出する突部93aが設けられている。突部93aは、介在回転体93の前面において回転方向に等間隔で並ぶように複数設けられており、各突部93aの間をパチンコ球が通過し得るようになっている。各突部93aは、介在回転体93の外周縁に沿って延在する外周面と、介在回転体93の内周縁に沿って延在する内周面と、外周面および内周面の各端部を繋ぐ2つの側面とにより、略扇状に構成されている。ここで、突部93aは、中央回転体91および外周回転体92の間で前記回転中心80aを基準として回転することで、振分空間80bにおいて外周回転体92の前面側から中央回転体91の前面側へ向けて移動しようとするパチンコ球の移動方向に変化を与え得るものである。なお、前記第4通路部84が揺動上端位置よりも下側に位置する状態で該第4通路部84からカバー99の第2連通口99bに受け渡されるパチンコ球は、隣接する2つの突部93a間から振分空間80bに流入するか、または、前記中央回転体91の特定誘導部91bと突部93aとの間から振分空間80bに流入する。
図5および図6に示すように、前記外周回転体92の前面には、外周縁から前方へ突出して振分空間80bを囲繞する環状の環状壁部95と、この環状壁部95の内周面から回転中心80a側に延在する複数の区画壁96,97とが設けられている。区画壁96,97には、環状壁部95から回転中心80a側へ向けた延在寸法が相違する第1区画壁96および第2区画壁97がある(図5および図6参照)。延在寸法が大きな第1区画壁96は、前記介在回転体93の前面に設けられた前記突部93aの移動領域との間隔がパチンコ球の直径以下とされ、突部93aと第1区画壁96との間をパチンコ球が通過し得ないよう構成されている。一方、第1区画壁96よりも延在寸法が小さい第2区画壁97は、突部93aの移動領域との間隔がパチンコ球の直径以上とされ、突部93aと第2区画壁97との間をパチンコ球が通過し得るよう構成されている。外周回転体92の前面において第1区画壁96および第2区画壁97は、回転方向に2つずつ交互に位置するよう前記回転中心80aを基準とする放射状に夫々延在している。
図5および図6に示すように、外周回転体92の前面には、前後に貫通する複数の外周通口92aが形成されている。外周通口92aは、回転方向に隣接して並ぶ2つの第2区画壁97の間と、回転方向に隣接して並ぶ第2区画壁97および第1区画壁96の間とに、夫々形成されている。そして、各外周通口92aを回転方向に挟む両区画壁96,97と環状壁部95とにより形成される凹状の壁面が、振分空間80bの外周側に位置するパチンコ球を外周通口92aに誘導する排出誘導部(第2誘導部)92bとして機能している。図示しないが、外周回転体92の後面側には、外周通口92aに連通する第2裏通路が設けられており、該第2裏通路を通過したパチンコ球が機外へ向けて排出されるよう構成されている。この第2裏通路の途中位置には、主制御基板60と電気的に接続された排出領域通過検出センサSE6(図2参照)が配設され、この排出領域通過検出センサSE6によって該第2裏通路を通過するパチンコ球を検出するよう構成されている。なお、以下の説明では、当該第2裏通路における排出領域通過検出センサSE6の検出位置を、パチンコ球が通過可能な「排出領域(非特定領域)」と称する。すなわち、外周回転体92に設けられた排出誘導部92bは、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を排出領域に誘導するよう機能しており、外周通口92aに連通する前記第2裏通路に設けた排出領域通過検出センサSE6は、排出領域を通過するパチンコ球を検出するよう機能している。このように、実施例1における振分装置80は、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を、前記特定誘導部91bに連通する前記特定領域と、前記排出誘導部92bに連通する前記排出領域とに振り分ける振分部(振分手段、分岐手段)として機能している。
ここで、図5および図6に示すように、外周回転体92の前面には、回転方向に隣接して並ぶ2つの第1区画壁96の間に外周通口92aが設けられておらず、これら2つの第1区画壁96と環状壁部95とからなる凹状の壁面(以下、「保持部92c」という)の内側にパチンコ球を1個保持し得るよう構成されている。実施例1では、外周回転体92の前面側に、3つの保持部92cと、9つの排出誘導部92bとが回転方向に並ぶように設けられ、各保持部92cは、回転方向において排出誘導部92bを3つずつ挟んで等間隔で位置している。
保持部92cは、前記回転中心80aの高さより下側に位置する場合(図6〜図8にH1で示している)に上方または斜め上方に開口する状態となり、この状態で、振分空間80bにおける上方位置または斜め上方位置から導かれるパチンコ球を受け入れて保持する。また、保持部92cが外周回転体92の回転によって回転中心80aの高さより上側に位置する(図6〜図8にH2で示している)と、下方または斜め下方に開口する状態となり、保持しているパチンコ球を放出するようになっている。そして、保持部92cから放出されたパチンコ球は、中央回転体91、外周回転体92および介在回転体93の回転位置の関係により、振分空間80bにおいて図6に示すように流下して特定誘導部91bに受け止められ、中央通口91aへの入球により特定領域(特定領域通過検出センサSE5による検出位置)を通過するか、図7(a)および図7(b)に示すように流下して排出誘導部92bに受け止められ、外周通口92aへの入球により排出領域(排出領域通過検出センサSE6による検出位置)を通過するか、または、図8に示すように流下して保持部92cに受け止められた後、再び放出されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
前記球通過ゲート47は、該球通過ゲート47のゲート口を通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサSE7が設けられている。この球通過検出センサSE7は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図2参照)、該球通過検出センサSE7から主制御基板60(主制御CPU60a)への球検出信号の入力(すなわち球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて始動開閉部材33が開閉動作するようになっている。
ここで、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器Mおよび演出表示装置17)について説明する。
(遊技情報表示器Mについて)
図2および図3に示すように、遊技盤20には、各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示器Mが配設されている。遊技情報表示器Mは、複数の表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgを備えると共に、主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。遊技情報表示器Mは、遊技盤20の前面における遊技領域21外の位置(実施例1では、遊技領域21の左下方)に配設されることで、前記演出表示装置17で実行される演出に注目している遊技者にとって妨げにならないように構成されている。また、遊技情報表示器Mは、1つの表示ユニットとして演出表示装置17よりも表示領域が小さく構成されており、各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgに表示される情報(遊技情報)をまとめて確認することが容易となっている。なお、実施例1の遊技情報表示器Mは、各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgが個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成されているが、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(特図表示部Ma,Mbについて)
遊技情報表示器Mには、始動入賞(始動入賞口31,32への入賞)を契機として行われる特図当り判定(大当り判定、小当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(図柄表示部)Ma,Mbが設けられている(図3参照)。特図表示部Ma,Mbとしては、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示(図柄変動)を開始した後に最終的に複数種類の図柄(特別図柄)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例1では8個)から構成された発光表示部としての第1特図表示部Maと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示(図柄変動)を開始した後に最終的に複数種類の特別図柄(以下、「特図」という)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例1では8個)から構成された発光表示部としての第2特図表示部Mbとの2種類が設けられている。なお、第1および第2特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図としては、大当り遊技状態が付与されることを認識し得る大当り図柄(当り図柄)としての複数種類の特図と、小当り遊技状態が付与されることを認識し得る小当り図柄(当り図柄)としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ図柄としての1種類の特図とが、各特図表示部Ma,Mbに対応して夫々設定されている。なお、以下の説明では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示(図柄変動)を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに停止表示(確定表示)される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示(図柄変動)を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに停止表示(確定表示)される特図を特図2と称する場合がある。
特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の変動時間および停止表示する特図の種類は、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として主制御CPU60aに取得される始動入賞情報(取得した乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技状態や小当り遊技状態を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、特図(特図1や特図2)のうち当り図柄(大当り図柄や小当り図柄)の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動表示の変動時間の決定や図柄変動演出における演出種類の決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60の主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定(大当り判定および小当り判定)を行う。この特図当り判定において主制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果となった場合に、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄としての特図を決定する。また、特図当り判定では、大当り判定がはずれの判定結果となり、小当り判定が当りの判定結果となった場合に、特図決定用乱数の値に応じて小当り図柄としての特図を決定する。一方、大当り判定および小当り判定の各判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する特図としてはずれを示す1種類の特図を決定する。
ここで、主制御ROM60bには、特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図の決定に関する複数種類の判定値が記憶されている。具体的に、主制御ROM60bには、大当り判定で用いる判定値として、前記特図当り判定用乱数の値のうち大当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例1では205個)の判定値が定められている。すなわち、特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図が大当り図柄となる確率(大当り確率)は、約1/319.69に設定されている。また、主制御ROM60bには、第1始動入賞口31に対する始動入賞を契機とした小当り判定で用いる判定値として、特図当り判定用乱数の値のうち小当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための第1の小当り判定値が記憶されている。第1の小当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例1では414個)の判定値が定められている。すなわち、第1特図表示部Maに停止表示される特図1が小当り図柄となる確率(特図1の小当り確率)は、約1/158.30に設定されている。更に、主制御ROM60bには、第2始動入賞口32に対する始動入賞を契機とした小当り判定で用いる判定値として、特図当り判定用乱数の値のうち小当り遊技状態を生起させることに対応する値を特定するための第2の小当り判定値が記憶されている。第2の小当り判定値は、特図当り判定用乱数の値が取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数(実施例1では7473個)の判定値が定められている。すなわち、第2特図表示部Mbに停止表示される特図2が小当り図柄となる確率(特図2の小当り確率)は、約1/8.77に設定されている。
また、主制御ROM60bには、特図としての大当り図柄や小当り図柄の種類を決定する特図決定処理で用いる判定値として大当り図柄用判定値および小当り図柄用判定値が記憶されている。大当り図柄用判定値は、特図決定用乱数の値が取り得る「0」〜「49」までの全50通りの整数に夫々対応する判定値が定められている。また、小当り図柄用判定値は、特図決定用乱数の値が取り得る「0」〜「199」までの全200通りの整数に夫々対応する判定値が定められている。ここで、実施例1では、図9(a)に示すように、第1特図表示部Maに停止表示可能な大当り図柄に対応する特図1として、図柄A,B,C,Dの4種類が設定され、図9(b)に示すように、第1特図表示部Maに停止表示可能な小当り図柄に対応する特図1として、図柄E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,Tの16種類が設定されている。また、第2特図表示部Mbに停止表示可能な大当り図柄に対応する特図2として、図柄aの1種類が設定され(図9(a)参照)、第2特図表示部Mbに停止表示可能な小当り図柄に対応する特図2として、図柄b,c,d,e,f,g,h,iの8種類が設定されている(図9(b)参照)。そして、主制御CPU60aが大当り図柄を決定する際の各図柄の決定確率のうち、特図1の決定確率は、図柄Aが10パーセント、図柄Bが6パーセント、図柄Cが48パーセント、図柄Dが36パーセントとなっており、特図2の決定確率は、図柄aが100パーセントとなっている。また、主制御CPU60aが小当り図柄を決定する際の各図柄の決定確率のうち、特図1の決定確率は、図柄E,Fが夫々4パーセント、図柄G,Hが夫々2パーセント、図柄I,Jが夫々24パーセント、図柄K,Lが夫々17パーセント、図柄M,N,Q,Rが夫々1パーセント、図柄O,P,S,Tが夫々0.5パーセントとなっており、特図2の決定確率は、図柄b,c,d,eが夫々23.5パーセント、図柄f,g,h,iが夫々1.5パーセントとなっている。
更に、主制御CPU60aは、特図表示部Ma,Mbで実行する特図変動表示の変動時間を特定するための特図変動パターンを、特図当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果と、該特図当り判定の結果に応じて決定された特図と、特図変動パターン振分用乱数の値とに応じて複数種類のうちから決定する。なお、特図変動パターンは、演出表示装置17で実行する図柄変動演出の変動時間および演出種類を特定する情報を含んでおり、主制御CPU60aは、決定した特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンド(制御信号)を演出制御CPU65aに対し適宜のタイミング(実施例1では図柄変動演出の開始タイミング)で出力する。これにより演出制御CPU65aは、特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示に対応して行う図柄変動演出の詳細な内容(演出パターン)を主制御CPU60aからの特図変動パターン指定コマンドに応じて決定し、該図柄変動演出やこれに合わせた発光・音声演出を行うべく各種演出実行手段17,18,19の制御を実行する。
(特図保留表示部Mc,Mdについて)
特図保留表示部Mc,Mdは、始動入賞が生じた際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には、主制御基板60に備えられた主制御RAM60c)に始動保留情報(特図保留情報)として記憶する場合に、当該始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記特図保留表示部Mc,Mdは、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第1始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第2始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個の発光表示部により構成されている。この第1始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から構成された発光表示部としての第1特図保留表示部Mcが設けられると共に、該第2始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から構成された発光表示部としての第2特図保留表示部Mdが設けられている。すなわち、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、第1特図保留表示部Mcで表示される第1始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdで表示される第2始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例1では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。
(普図表示部Meについて)
遊技情報表示器Mには、球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出(ゲート口(作動口)へのパチンコ球の通過)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(普通図柄)の内の1つを停止表示(確定表示)する複数のLED(実施例1では2個)から構成された発光表示部としての普図表示部Meが設けられている。なお、普図表示部Meに停止表示される普通図柄(以下、「普図」という)としては、普図当り遊技状態が付与されることを認識し得る当り図柄としての複数種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されている。
なお、主制御CPU60aは、作動入球情報としての複数種類の乱数の値を球通過検出センサSE7によるパチンコ球の検出を契機として取得すると共に、普図表示部Meでの普図変動表示の変動時間および停止表示する普図の種類を作動入球情報(取得した乱数の値)に基づいて決定するよう構成されている。具体的に、主制御CPU60aは、普図当り遊技状態を付与するか否かの決定(普図当り判定)に用いる普図当り判定用乱数の値と、普図としての当り図柄の決定に用いる普図決定用乱数の値と、普図変動表示の変動時間の決定に用いる普図変動パターン振分用乱数の値とを、球通過検出センサSE7によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した普図当り判定用乱数の値に応じて普図当り判定を行い、この普図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する普図としてはずれを示す1種類の普図を決定する。また、普図当り判定が当りの判定結果となった場合には、普図決定用乱数の値に応じて当り図柄としての普図を決定する。更に、普図変動パターン振分用乱数の値に応じて普図変動表示の変動時間を特定する普図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
(普図保留表示部Mfについて)
普図保留表示部Mfは、球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される作動入球情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には主制御RAM60c)に作動保留情報(普図保留情報)として記憶する場合に、当該作動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、普図保留表示部Mfは、図3に示すように、複数のLED(実施例1では2個)により構成された発光表示部であり、該普図保留表示部Mfの表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。普図保留表示部Mfで表示される作動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、作動保留記憶数には所定の上限数(実施例1では「4」)が設定されており、該上限数まで作動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(状態表示部Mgについて)
表示部Mgは、パチンコ機10における現在の遊技状態が複数種類のうち何れであるかを判別可能に表示する表示部であって、複数個(実施例1では2個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例1のパチンコ機10は、後述する複数種類の遊技状態を生起し得ることから、表示部MgのLEDが異なった点灯パターン(点灯位置、点灯数、点灯色等)で点灯することで、各遊技状態が生起されていることを夫々報知するようになっている。
(演出表示装置17について)
図2に示すように、演出表示装置17は、表示制御基板70と電気的に接続され、表示制御基板70の制御によって表示内容が更新されるようになっている。なお表示制御基板70は、演出制御基板65の演出制御CPU65aが決定した演出パターンに応じて出力する演出パターン指定コマンド等の制御信号に基づいて、演出表示装置17に表示される図柄変動演出等の表示演出の内容を制御するよう構成されている。演出表示装置17の表示画面17aには、演出用の図柄である飾図を変動表示する図柄列(図柄群表示領域)として複数(左図柄列26a、中図柄列26b、および右図柄列26cの3つ)が設定されており(図13(a)参照)、始動入賞(始動入賞口31,32への入賞)を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動表示されるようになっている。そして、各図柄列26a,26b,26cに定められた有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに停止表示(確定表示)される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。演出表示装置17では、飾図(図柄)の変動表示(図柄変動)が開始された後、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間の経過後に所定の飾図(図柄)が有効停止位置に停止表示(確定表示)される。また、飾図の変動表示に合わせて各種の表示演出が行われる。すなわち、演出表示装置17で行われる図柄変動演出(図柄変動)は、飾図の変動時間において演出表示装置17に表示される表示演出(飾図の変動表示を含む)である。
なお、図柄変動演出では、変動時間の経過目に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置で飾図が仮停止表示され、その後に変動時間が経過して各飾図が停止表示(確定表示)される。ここで、「仮停止表示」とは、飾図を有効停止位置で変動表示する状態であり、この場合の「変動表示」には、飾図が揺れるような表示態様や、飾図の色彩が変化するような表示態様が含まれる。一方、「停止表示(確定表示)」とは、飾図を有効停止位置で固定的に表示する状態をいう。ここで、第1特図表示部Maと演出表示装置17とでは、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図1と飾図とが同時に停止表示(確定表示)される。同様に、第2特図表示部Mbと演出表示装置17とでは、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に停止表示(確定表示)される。
また、前記図柄演出表示装置17には、第1特図表示部Maおよび第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示の結果として表示される特図(大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄)に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。なお、実施例1では、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一になっておらず、特図としての複数種類の大当り図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択され、特図としての複数種類の小当り図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択され、特図としての1種類のはずれ図柄に対し飾図の図柄組み合わせが共通する複数の中から選択されるようになっている。
ここで、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置に同じ飾図が停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当り遊技状態の発生を認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17において前述した特図表示部Ma,Mbに表示される大当り図柄に対応して表示される大当り表示(大当りの図柄組み合わせ)となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技状態が付与される。また、演出表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置の何れか(例えば中図柄列26bの有効停止位置)に特殊飾図が停止表示される(図13(b)参照)ことで、所定の小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この小当り遊技状態の発生を認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示装置17において前述した特図表示部Ma,Mbに表示される小当り図柄に対応して表示される小当り表示(小当りの図柄組み合わせ)となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な小当り遊技状態が付与される。一方で、大当り表示および小当り表示とは異なる飾図の図柄組み合わせが、図柄演出表示装置17のはずれ表示(はずれの図柄組み合わせ)となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列26a,26b,26cの内で、特定の図柄列(例えば、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(例えば、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が仮停止表示された後に、全ての図柄列26a,26b,26cの飾図が停止表示(確定表示)されるようになっている。
(パチンコ機10の遊技状態について)
実施例1のパチンコ機10は、主制御CPU60aによる制御に応じて複数種類の遊技状態を生起し得るよう構成されている。そこで以下、パチンコ機10が生起可能な遊技状態である有利遊技状態、大当り遊技状態および小当り遊技状態について説明する。なお、以下の説明において、有利遊技状態、大当り遊技状態および小当り遊技状態が何れも生起されていない遊技状態を「通常遊技状態」と称することがある。
(有利遊技状態について)
主制御CPU60aは、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態(特典遊技状態)を大当り遊技状態の終了後に生起し得るよう構成されている。ここで、有利遊技状態は、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が通常遊技状態と較べて増加する入賞率向上状態(始動入賞容易状態)である。具体的に、入賞率向上状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができ、上記(1)〜(3)のうち何れかを単独で採用するか、または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、始動開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。また、実施例1では、入賞率向上状態を、変短状態と称すると共に、上記(1)〜(3)の全てを採用することで第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加させる状態とする。この他、以下の記載では理解容易のため、通常遊技状態(すなわち、変短状態が付与されていない遊技状態のうち大当り遊技状態および小当り遊技状態を除く遊技状態)のことを「非変短状態」と称することがある。
主制御CPU60aは、当り図柄(大当り図柄および小当り図柄)の種類と、特図当り判定(大当り判定または小当り判定)が当りとなった時点での遊技状態とに応じて、変短状態を生起させる特図変動表示(図柄変動演出)の変動回数(以下、変短回数という)を決定するよう構成されている。すなわち、主制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果となった場合に、該大当り判定の判定結果に応じて決定された大当り図柄の種類と、該大当り判定が実行される時点での遊技状態とに基づいて、大当り遊技状態の終了後の変短回数を決定する。また主制御CPU60aは、小当り判定が当りの判定結果となったことに応じて小当り遊技状態を生起させ、かつこの小当り遊技状態において後述するように大当り遊技状態に発展する契機(具体的には、前記特定領域へのパチンコ球の通過)が生じた場合に、該小当り判定の判定結果に応じて決定された小当り図柄の種類と、該小当り判定が実行される時点での遊技状態とに基づいて、小当り遊技状態から発展した大当り遊技状態の終了後の変短回数を決定するよう構成されている。但し、実施例1では、主制御ROM60b(記憶手段)に変短回数が1種類(77回)のみ記憶されており、主制御CPU60aは、当り図柄(大当り図柄および小当り図柄)の種類が何れであるか、および特図当り判定(大当り判定または小当り判定)が当りとなった時点での遊技状態が何れであるかに関わらず、変短回数を同一(77回)に決定するようになっている。
ここで、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における特図変動表示の実行回数(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計変動回数)を計数するよう構成されている(特別図柄変動計数手段としての機能を有している)。そして、主制御CPU60aは、特図変動表示の合計変動回数に対応する計数値を主制御RAM60cに記憶すると共に、該計数値が所定回数(変短回数である77回)に達したことに応じて変短状態を終了させるように構成されている。また、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における特図変動表示の合計変動回数(計数値)が変短回数に達する前に大当り遊技状態を生起させる場合に、該合計変動回数の計数を中止して変短状態を終了させるように構成されている。すなわち、変短状態は、大当り遊技状態の終了後における最初の特図変動表示の開始タイミングで開始条件が成立すると共に、変短回数に対応する所定回数(77回)の特図変動表示(図柄変動)が終了するか、または該所定回数の特図変動表示が終了する前に大当り遊技状態が生起されることに応じて、終了条件が成立する。なお、主制御CPU60aは、変態状態の開始条件が成立した場合に、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「0」から「1」に変更すると共に、変短状態の終了条件が成立した場合に、変短フラグの値を「1」から「0」に変更することで、遊技状態が変短状態であるか否かを変短フラグの値により主制御RAM60cに記憶するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、変短フラグを「0」から「1」に変更する場合に、変短状態の開始を示す変短開始コマンドを演出制御CPU65aに出力すると共に、変短フラグを「1」から「0」に変更する場合に、変短状態の終了を示す変短終了コマンドを演出制御CPU65aに出力するよう構成されている。
なお、前記所定回数(変短回数)の特図変動表示が終了する前に新たに大当り遊技状態が生起された場合には、新たに生起された大当り遊技状態の終了後に再び変短状態が生起され、特図変動表示の合計変動回数の計数が新たに開始される。一方、前記所定回数の特図変動表示が終了する前に小当り遊技状態が生起されたとしても特図変動表示の合計変動回数の計数は継続される。すなわち、小当り遊技状態が生起されることのみを条件として該変短状態が終了されることはない。
(大当り遊技状態について)
主制御CPU60aは、始動入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出)を契機として、下特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が可能な大当り遊技状態(大当り)を生起可能に構成されている。大当り遊技状態は、始動入賞を契機とする特図変動表示の結果として大当り図柄に対応する特図が特図表示部Ma,Mbに停止表示された後に、主制御CPU60aにより生起される。この大当り遊技状態では、特別入賞装置40の下特別開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例1では9回または16回)だけ実行するようになっている。1回のラウンド遊技は、下特別入賞口41に規定入賞個数(実施例1では9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定のラウンド遊技時間(実施例1では25000ms)が経過することで終了する。また大当り遊技状態は、複数回のラウンド遊技の他に、最初のラウンド遊技の直前期間であって大当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が実行されるオープニング期間と、最後のラウンド遊技の終了後期間であって大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が実行されるエンディング期間と、下特別開閉部材43が閉鎖状態となる期間であって各ラウンド遊技の間や最終回目のラウンド遊技とエンディング期間との間に設定されるインターバル期間とを含んでいる。
ここで、主制御ROM60b(記憶手段)には、大当り遊技状態の各ラウンド遊技における下特別開閉部材43の開閉動作パターンとして1種類が記憶され、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の種類や何回目のラウンド遊技であるか等に関わらず、各ラウンド遊技において1種類の開閉動作パターンに応じて下特別入賞ソレノイドSL2を駆動状態(励磁状態)とすることで下特別開閉部材43を開放させるように構成されている(図10参照)。なお、実施例1において1種類の開閉動作パターンは、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において前記規定入賞個数(9個)のパチンコ球が入賞可能な時間(実施例1では、ラウンド遊技時間と同じ25000ms)に亘って開放を継続し得ることを示す時間情報により構成されている。
主制御CPU60aは、大当り判定が当りとなったことを契機として、遊技者に対する価値の異なる複数種類の大当り遊技状態の中から1つの大当り遊技状態を決定し、その決定した大当り遊技状態を生起させる。ここで、主制御CPU60aは、図10に示すように、ラウンド遊技の実行回数である規定ラウンド数(9回または16回)の相違により、複数種類(実施例1では2種類)の大当り遊技状態を生起可能とされている。すなわち、主制御CPU60aは、規定ラウンド数が9回の大当り遊技状態である9ラウンド大当りと、規定ラウンド数が16回である16ラウンド大当りとを生起可能に構成されている。そして、主制御CPU60aは、第1特図表示部Maに停止表示可能な特図1の大当り図柄を決定する場合において、図柄Aを決定した場合(10パーセント)に、大当り遊技状態として16ラウンド大当りを生起させると共に、図柄B,C,Dを決定した場合(90パーセント)に、大当り遊技状態として9ラウンド大当りを生起させる。また主制御CPU60aは、第2特図表示部Mbに停止表示可能な特図1の大当り図柄を決定する場合において、図柄aを決定した場合(100パーセント)に、大当り遊技状態として16ラウンド大当りを生起させるようになっている。
主制御ROM60bには、前述した2種類の大当り遊技状態(16ラウンド大当りおよび9ラウンド大当り)に関する時間情報が記憶されている。そして、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶された16ラウンド大当りの時間情報に基づいて、該16ラウンド大当りにおけるオープニング期間を12000msとし、1回目から16回目の各ラウンド遊技の規定ラウンド遊技時間を25000msとし、インターバル期間を2000msとし、エンディング期間を15000msとするよう制御を行う。また主制御CPU60aは、9ラウンド大当りの時間情報に基づいて、該9ラウンド大当りにおけるオープニング期間を8000msとし、1回目から9回目の各ラウンド遊技の規定ラウンド遊技時間を25000msとし、インターバル期間を2000msとし、エンディング期間を15000msとするよう制御を行う。
ここで、主制御CPU60aは、小当り判定が当りとなったことに応じて生起させた小当り遊技状態において上特別入賞口51に入賞したパチンコ球が前記特定領域を通過したこと(特定領域通過検出センサSE6により検出されたこと)を契機として、当該小当り遊技状態を大当り遊技状態に発展させるようになっている。この場合に、前記特定領域への通過を契機として発展した大当り遊技状態(16ラウンド大当りまたは9ラウンド大当り)は、前記特定領域へのパチンコ球の通過が生じた小当り遊技状態が1回目のラウンド遊技としてカウントされ、以降、ラウンド遊技の実行回数が2回目からカウントされる。このため、小当り遊技状態は、パチンコ球を上特別入賞口51に入賞させて該パチンコ球の前記特定領域へのパチンコ球の通過(大当り遊技状態に発展する契機の獲得)を狙うことが可能な「契機獲得遊技状態」と言い換えることができ、また、該小当り遊技状態での前記特定領域へのパチンコ球の通過を契機とする大当り遊技状態における2回目のラウンド遊技の開始以降の期間は、各ラウンド遊技において下特別入賞口41への規定入賞数のパチンコ球の入賞に伴う賞球払い出しによる利益の獲得を狙うことが可能な「利益獲得遊技状態」と言い換えることができる。なお、前記特定領域へのパチンコ球の通過を契機とする大当り遊技状態を16ラウンド大当りおよび9ラウンド大当りの何れとするかは、小当り判定が当りとなった場合に決定される小当り図柄の種類に応じて決定されるようになっている。
(小当り遊技状態について)
主制御CPU60aは、始動入賞(始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出)を契機として、上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が可能な小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)を生起可能に構成されている。主制御CPU60aは、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機とする特図変動表示の結果として小当り図柄に対応する特図が特図表示部Ma,Mbに停止表示された後に、小当り遊技状態(小当り)を生起させる。
小当り遊技状態は、上特別入賞口51の開放状態が生起されると共に小当り演出が実行される本期間と、この本期間の直前期間であって小当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が実行されるオープニング期間と、本期間の直後期間であって小当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が実行されるエンディング期間とに区分可能であり、主制御ROM60bには、オープニング期間、本期間およびエンディング期間に対応する時間情報が記憶されている。そして、主制御CPU60aが、主制御ROM60bに記憶された時間情報に基づいて小当り遊技状態を生起させるようになっている。
小当り遊技状態における本期間では、主制御CPU60aが上特別入賞ソレノイドSL3を所定の開放動作パターンに応じて駆動することで上特別開閉部材53が一時的に開放され、これにより上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が可能になる。そして、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球が、前述した振分装置80等によって振り分けられ、結果的に当該振分装置80に設けられる前記特定領域および前記排出領域の何れかを通過する。
ここで、主制御ROM60bには、小当り遊技状態の本期間における主制御CPU60aの駆動制御内容に関する時間情報が複数種類記憶されている。具体的には、前記第2通路部82のストッパ部材82aを動作させる前記第2駆動源102の駆動タイミングと、前記第3通路部83の球打ち部材83aを動作させる前記第3駆動源103の駆動タイミングと、前記第4通路部84を動作させる前記第4駆動源104の駆動タイミングとが、主制御ROM60bに記憶されている。すなわち、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶された時間情報に基づいて各駆動源102,103,104を制御することで、小当り遊技状態においてストッパ部材82a、球打ち部材83aおよび第4通路部84に一定の動作を行わせるよう構成されている(図12参照)。
また、主制御ROM60bには、主制御CPU60aがパチンコ機10の電源投入に応じたタイミングから該電源が遮断されるまでの期間に亘って継続的に実行する第1駆動源101および振分駆動源100の駆動制御内容として、第1駆動源101や振分駆動源100の駆動軸を所定角度回転させるタイミングを示す時間情報(実施例1では、1度回転させることに対応する「40ms」)が記憶されている。すなわち、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶された時間情報に基づいて第1駆動源101や振分駆動源100を制御することで、第1通路部81および回転体91,92,93に一定の動作を行わせるよう構成されている(図12参照)。なお、主制御CPU60aによる第1駆動源101の制御により、第1通路部81は1000ms毎に1往復する移動速度により動作を行い、主制御CPU60aによる振分駆動源100の制御により、振分装置80は外周回転体92が約6秒で1周する回転速度により動作を行うようになっている。
第2駆動源102について、主制御ROM60bには、本期間の開始時点からの経過時間を示す「24000ms」が駆動開始タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「38100ms」が駆動終了タイミングとして記憶されている。これにより、主制御CPU60aは、小当り遊技状態の本期間において「14100ms」の駆動継続時間に亘り第2駆動源102を励磁状態としてストッパ部材82aを通過許容位置に維持するようになっている。
第3駆動源103について、主制御ROM60bには、本期間の開始時点からの経過時間を示す「38000ms」が駆動開始(正回転開始)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「38316ms」が駆動中断(正回転終了)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「45000ms」が駆動再開(逆回転開始)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「46604ms」が駆動終了(逆回転終了)タイミングとして記憶されている。これにより、主制御CPU60aは、小当り遊技状態の本期間において「316ms」の駆動継続時間に亘り第3駆動源103の駆動軸を正回転させて球打ち部材83aを受け入れ位置から打ち出し位置に変位させると共に、「1604ms」の駆動継続時間に亘り第3駆動源103の駆動軸を逆回転させて球打ち部材83aを打ち出し位置から受け入れ位置に変位させるようになっている。
第4駆動源104について、主制御ROM60bには、本期間の開始時点からの経過時間を示す「24000ms」が駆動開始(正回転開始)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「26960ms」が駆動中断(正回転終了)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「42000ms」が駆動再開(逆回転開始)タイミングとして記憶され、本期間の開始時点からの経過時間を示す「43480ms」が駆動終了(逆回転終了)タイミングとして記憶されている。これにより、主制御CPU60aは、小当り遊技状態の本期間において「2960ms」の駆動継続時間に亘り第4駆動源104の駆動軸を正回転させて第4通路部84を揺動下端位置から揺動上端位置に変位させると共に、「1480ms」の駆動継続時間に亘り第4駆動源104を逆回転させて第4通路部84を揺動上端位置から揺動下端位置に変位させるようになっている。
また、主制御ROM60bには、小当り遊技状態における上特別開閉部材53の開放動作パターンが複数種類(実施例1では2種類)記憶されている。上特別開閉部材53の開放動作パターンとしては具体的に、上特別開閉部材53が開放動作を1回行う第1開放動作パターンと、上特別開閉部材53が開放動作を2回行う第2開放動作パターンとが設定されている。第1開放動作パターンは、本期間の開始時点から1448msに亘って上特別入賞ソレノイドSL3を駆動状態(励磁状態)とするものであり、第2開放動作パターンは、本期間の開始時点から40msに亘って上特別入賞ソレノイドSL3を駆動状態とした後に25000msの駆動停止状態(消磁状態)を挟んで再び1432msに亘って駆動状態とするものである。そして、上特別開閉部材53が第1開放動作パターンにより動作する場合と第2開放動作パターンにより動作する場合とでは、小当り遊技状態において前記特定領域をパチンコ球が通過する確率が異なるようになっている。
ここで、主制御CPU60aは、小当り遊技状態(本期間)中における上特別開閉部材53の開放動作パターン(第1条件)と、当該小当り遊技状態から発展する大当り遊技状態の種類(第2条件)との組み合わせの相違により、複数種類の小当り遊技状態を生起可能とされている。具体的に、主制御CPU60aは、第1条件が「第1開放動作パターン」であり、かつ第2条件が「9ラウンド大当り」である第1の小当り遊技状態と、第1条件が「第1開放動作パターン」であり、かつ第2条件が「16ラウンド大当り」である第2の小当り遊技状態と、第1条件が「第2開放動作パターン」であり、かつ第2条件が「9ラウンド大当り」である第3の小当り遊技状態と、第1条件が「第2開放動作パターン」であり、かつ第2条件が「16ラウンド大当り」である第4の小当り遊技状態とを生起可能に構成されている。すなわち、小当り遊技状態において前記特定領域をパチンコ球が通過する確率が、該小当り遊技状態に対応する小当り図柄の種類に応じて異なるよう構成されている。
主制御CPU60aは、図11に示すように、特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として複数種類の小当り図柄の何れかを決定することにより、この小当り図柄の種類に対応して小当り遊技状態の種類を決定するよう構成されている。具体的に、主制御CPU60aは、小当り図柄(特図)として図柄G,H,I,J,K,Lの何れかを決定した場合、当該図柄を特図表示部Ma,Mbに停止表示した後に、第1の小当り遊技状態を生起させるよう設定されている。また、主制御CPU60aは、小当り図柄(特図)として図柄E,F,b,c,d,e,h,iの何れかを決定した場合、当該図柄を特図表示部Ma,Mbに停止表示した後に、第2の小当り遊技状態を生起させるよう設定されている。また、主制御CPU60aは、小当り図柄(特図)として図柄O,P,Q,R,S,Tの何れかを決定した場合、当該図柄を特図表示部Ma,Mbに停止表示した後に、第3の小当り遊技状態を生起させるよう設定されている。また、主制御CPU60aは、小当り図柄(特図)として図柄M,N,f,gの何れかを決定した場合、当該図柄を特図表示部Ma,Mbに停止表示した後に、第4の小当り遊技状態を生起させるよう設定されている。
主制御ROM60bには、小当り遊技状態のエンディング期間に対応する時間情報として1種類(実施例1では5000ms)が記憶されている。そして主制御CPU60aは、小当り判定が当りとなることにより、小当り遊技状態の種類に関わらずエンディング期間を5000msに決定するよう構成されている。
また、主制御ROM60bには、通常遊技状態における始動入賞(始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として生起される小当り遊技状態について、オープニング期間に対応する時間情報が複数種類(実施例1では、6000ms、6900ms、7800msおよび8700msの4種類)記憶されていると共に、変短状態における始動入賞を契機として生起される小当り遊技状態について、オープニング期間に対応する時間情報が複数種類(実施例1では、100ms、1000ms、1900msおよび2800msの4種類)記憶されている。そして主制御CPU60aは、特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として複数種類の小当り図柄の何れかを決定することにより、該小当り図柄の種類と、該小当り図柄を決定した際の遊技状態(通常遊技状態であるか変短状態であるか)とに応じて、小当り遊技状態のオープニング期間に対応する時間情報を決定するよう構成されている。
なお、実施例1では、主制御CPU60aが小当り図柄として図柄E,G,I,K,M,O,Q,S,b,fの何れかを決定した場合におけるオープニング期間の実行に際して6000msおよび100msの2種類の時間情報を決定可能とされ、通常遊技状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では主制御CPU60aが6000msの時間情報を決定する一方、変短状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では100msを決定するようになっている。また、小当り図柄として図柄F,H,J,L,N,P,R,T,c,gの何れかを決定した場合におけるオープニング期間の実行に際して6900msおよび1000msの2種類の時間情報を決定可能とされ、通常遊技状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では主制御CPU60aが6900msの時間情報を決定する一方、変短状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では1000msを決定するようになっている。更に、小当り図柄として図柄d,hの何れかを決定した場合におけるオープニング期間の実行に際して7800msおよび1900msの2種類の時間情報を決定可能とされ、通常遊技状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では主制御CPU60aが7800msの時間情報を決定する一方、変短状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では1900msを決定するようになっている。更にまた、小当り図柄として図柄e,iの何れかを決定した場合におけるオープニング期間の実行に際して8700msおよび2800msの時間情報を決定可能とされ、通常遊技状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では主制御CPU60aが8700msの時間情報を決定する一方、変短状態中の始動入賞を契機とする小当り遊技状態では2800msを決定するようになっている。これにより、同一の遊技状態において第1〜第4の小当り遊技状態の夫々を生起させる場合の各オープニング期間の長さが一定にならないよう設定されている。
すなわち、実施例1の主制御CPU60aは、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として、上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が可能な小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)を特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に生起させる第1生起手段として機能している。また、実施例1の主制御CPU60aは、小当り遊技状態における特定領域(特定領域通過検出センサSE5の検出位置)へのパチンコ球の通過を契機として、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技(利益獲得遊技状態)を生起させる第2生起手段として機能している。更に、実施例1の主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了後における所定回数(変短回数)の特図変動表示(図柄変動演出)が行われる期間に亘って、通常遊技状態よりも有利な変短状態(有利遊技状態)を生起させる第3生起手段として機能している。
(演出制御について)
次に、パチンコ機10における演出制御について説明する。前記演出制御基板65に備えられる演出制御CPU65aは、主制御CPU60aから出力される各種の制御信号(制御コマンド)に基づいて該主制御CPU60aの制御状態に関する情報を得ると共に、該主制御CPU60aの制御状態に合わせて演出を決定・実行するよう構成されている。ここで、演出制御CPU65aは、特図変動表示の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドを入力することにより、図柄変動演出の大まかな種類(変動時間等)と、該図柄変動演出の開始タイミングと、該図柄変動演出の結果に対応する特図の種類とを特定する。そして、図柄変動演出の具体的な演出内容(演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での図柄変動演出を開始させる。また、特図変動表示の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される確定コマンドを入力することにより、実行中の図柄変動演出の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の図柄変動演出の終了を指示する制御信号を表示制御基板70に出力する。
小当り遊技状態に関して演出制御CPU65aは、小当り遊技状態におけるオープニング期間の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される小当り開始コマンドを入力することにより、小当り遊技状態の開始タイミングを特定すると共に、特図(小当り図柄)に応じて小当り演出(オープニング演出、本演出およびエンディング演出)の演出内容(小当り演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した小当り演出に対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での小当り演出を開始させる。また、小当り遊技状態におけるエンディング期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される小当り終了コマンドを入力することにより、実行中の小当り演出(エンディング演出)の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の小当り演出(エンディング演出)の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更に、演出制御CPU65aは、小当り遊技状態における本期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される本期間終了コマンドを入力することにより、実行中の本演出の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の本演出の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更にまた、演出制御CPU65aは、小当り遊技状態中(本期間中)における特定領域通過検出センサSE5による検出(前記特定領域へのパチンコ球の通過)が発生した場合に主制御CPU60aから出力される特定領域通過コマンドを入力することにより、当該小当り遊技状態が大当り遊技状態に発展すること(小当り遊技状態を1回目のラウンド遊技として2回目以降のラウンド遊技に継続すること)を特定する。
大当り遊技状態に関して演出制御CPU65aは、大当り遊技状態におけるオープニング期間の開始タイミングで主制御CPU60aから出力される大当り開始コマンドを入力することにより、大当り遊技状態の開始タイミングを特定すると共に、特図(大当り図柄)に応じて大当り演出(オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出およびエンディング演出)の演出内容(大当り演出パターン)を演出制御ROM65bに記憶される複数種類のうちから決定し、決定した大当り演出に対応する大当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力して演出表示装置17での大当り演出を開始させる。また、大当り遊技状態におけるエンディング期間の終了タイミングで主制御CPU60aから出力される大当り終了コマンドを入力することにより、実行中の大当り演出(エンディング演出)の終了タイミングを特定すると共に、該実行中の図柄変動演出の終了を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。更に、演出制御CPU65aは、下特別入賞口41の開放タイミングで主制御CPU60aから出力される開放コマンドを入力することによりラウンド遊技の開始タイミングを特定してラウンド演出の開始を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力すると共に、該開放コマンドの種類に応じて何回目のラウンド遊技であるかを特定する。更にまた、下特別入賞口41の閉鎖タイミングで主制御CPU60aから出力される閉鎖コマンドを入力することにより、ラウンド遊技の終了およびインターバル期間の開始を特定すると共に、対応するインターバル演出の開始を指示する制御信号を表示制御CPU70aに出力する。
また、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの変短開始コマンドを入力した場合に、演出制御RAM65cに記憶されるサブ変短フラグの値を「0」から「1」に変更すると共に、主制御CPU60aからの変短終了コマンドを入力した場合に、サブ変短フラグの値を「1」から「0」に変更することで、遊技状態が変短状態であるか否かをサブ変短フラグの値により記憶するよう構成されている。これに加え、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後、サブ変短フラグの値を「1」とする状態における特図変動パターン指定コマンド(主制御CPU60aからの特定の制御信号)の入力回数に応じて、変短状態における図柄変動演出(特図変動表示)の合計変動回数を計数するよう構成されている(飾図変動計数手段としての機能を有している)。そして、演出制御CPU65aは、前記合計変動回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶するようになっている。
ここで、演出制御CPU65aは、サブ変短フラグの値が「0」の状態で主制御CPU60aからの大当り開始コマンドを入力した場合に、演出制御RAM65cに記憶される連荘モードフラグの値を「0」から「1」に変更するよう構成されている。一方で、演出制御CPU65aは、サブ変短フラグの値が「1」の状態で主制御CPU60aからの変短終了コマンドを飾図がはずれの図柄組み合わせで停止表示される図柄変動演出の終了時点に入力した場合(第1のモード終了条件の成立時)と、サブ変短フラグの値が「1」の状態で主制御CPU60aからの変短終了コマンドを飾図が小当りの図柄組み合わせで停止表示される図柄変動演出の終了時点に入力し、かつ主制御CPU60aからの本期間終了コマンドを入力するまでに主制御CPU60aからの特定領域通過コマンドを入力しなかった場合(第2のモード終了条件の成立時)とに、連荘モードフラグの値を「1」から「0」に変更するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、通常遊技状態での始動入賞を契機として大当り遊技状態が生起されてから再び通常遊技状態に移行するまでの期間を、演出制御RAM65cに記憶された連荘モードフラグの値が「0」から「1」に変化して再び「0」に戻るまでの期間として特定し得るように構成されている。演出制御CPU65aは当該期間を「連荘モード」として、後述する特有の演出(小当り遊技状態の生起回数に応じた特殊エンディング演出や、連荘モードの終了を事前に報知するための連荘モード終了表示や、この連荘モード終了表示を表示しない場合に実行される特殊演出表示等)を演出表示装置17に実行させるよう構成されている。
また、演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cに記憶される連荘モードフラグの値が「1」とされている状態での主制御CPU60aからの大当り開始コマンドの入力回数に応じて、連荘モード中における大当り遊技状態の合計生起回数を計数するよう構成されている(大当り計数手段としての機能を有している)。また、演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cに記憶される連荘モードフラグの値が「1」とされている状態での主制御CPU60aからの小当り開始コマンドの入力回数に応じて、連荘モード中における小当り遊技状態の合計生起回数を計数するよう構成されている(小当り計数手段としての機能を有している)。そして、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態および小当り遊技状態の各合計生起回数に対応する計数値を演出制御RAM65cに記憶するようになっている。
(連荘モード終了表示について)
演出制御CPU65aは、変短状態における図柄変動演出(特図変動表示)の合計変動回数に対応する計数値が所定回数(変短回数である77回)に達したことに応じて、変短回数により特定される変短状態の最後(77回目)の図柄変動演出(最後の特図変動表示)が開始されることを把握し得るよう構成されている。そして、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の開始後に、演出表示装置17において通常遊技状態に移行すること(連荘モードを終了すること)を示す連荘モード終了表示(特定表示)を演出表示装置17に実行させるよう構成されている(図13(c)および図13(e)参照)。演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出に対応する特図変動パターン指定コマンドにより特定される特図がはずれ図柄である場合に、該最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)中における所定のタイミングで、連荘モード終了表示を演出表示装置17に開始させるための終了表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、演出制御CPU65aは、変動時間が経過した時点で、連荘モード終了表示を終了させるためのコマンド(制御信号)を表示制御CPU70aに出力するようになっている。ここで、実施例1では、前記所定のタイミングとして、各図柄列26a,26b,26cの飾図が仮停止表示となる時点(図13(b)および図13(c)参照)が設定されている。なお、終了表示指定コマンドには、後述する連荘回数や合計獲得賞球数に関する情報が含まれている。これに対し、表示制御ROM70bには、連荘モード終了表示の各表示情報に対応する画像データが記憶され、表示制御CPU70aが前記終了表示指定コマンドの入力に応じて演出表示装置17における連荘モード終了表示の画像制御を実行するよう構成されている。
図13(c)に示すように、連荘モード終了表示は、連荘モード中における連荘回数(大当り遊技状態の合計生起回数)を含んでいる。ここで、演出制御CPU65aは、前述した如く連荘モード中の連荘回数を計数し、演出制御RAM65cに記憶するよう構成されている。そして、演出制御CPU65aは、連荘モード終了表示の開始時点で演出制御RAM65cに記憶されている連荘モード中の連荘回数を、該連荘モード終了表示における表示情報の1つとして演出表示装置17に表示させる。なお、実施例1では、連荘モード中における小当り遊技状態の合計生起回数を表示しないが、この小当り遊技状態の合計生起回数を連荘モード終了表示における表示情報の1つとして表示するようにしてもよい。
また、連荘モード終了表示は、図13(c)に示すように、連荘モード中における大当り遊技状態および小当り遊技状態による合計賞球獲得数を含んでいる。演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cに記憶される連荘モードフラグの値が「1」とされている状態で入力される主制御CPU60aからの賞球払出指令コマンドに基づいて、連荘モード中における下特別入賞検出センサSE3によるパチンコ球の検出(連荘モード中の大当り遊技状態での下特別入賞口41への入賞)を契機として払い出された賞球数を計数すると共に、連荘モード中における上特別入賞検出センサSE4によるパチンコ球の検出(連荘モード中の小当り遊技状態での上特別入賞口51への入賞)を契機として払い出された賞球数を計数するよう構成されている(賞球計数手段としての機能を有している)。そして、演出制御CPU65aは、連荘モード中における下特別入賞検出センサSE3および上特別入賞検出センサSE4によるパチンコ球の検出を契機とする各賞球数を連荘モード終了表示の開始時点において合計し、これにより算出された合計獲得賞球数を、演出制御RAM65cに記憶すると共に、連荘モード終了表示における表示情報の1つとして演出表示装置17に表示させる。なお、演出制御CPU65aは、連荘モードフラグの値が「1」から「0」に変更される場合(または、連荘モードフラグの値が「0」から「1」に変更される場合)に、演出制御RAM65cに記憶する合計獲得賞球数をクリアするよう構成されている。
ここで、変短状態における最後の図柄変動演出において飾図が小当りの図柄組み合わせにより終了する場合には、該最後の図柄変動演出の終了に伴って小当り遊技状態が生起される。そして、小当り遊技状態においてパチンコ球が前記特定領域通過検出センサSE5により検出されること(前記特定領域をパチンコ球が通過すること)を契機として当該小当り遊技状態が大当り遊技状態に発展すると、モード終了条件が成立せず、連荘モードが継続される。このため、最後の図柄変動演出の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合に連荘モード終了表示を演出表示装置17に表示させると、連荘モードが継続されるにも関わらず演出表示装置17が連荘モードの終了時の表示内容となり、遊技者の混乱を招くことが考えられる。一方で、小当り遊技状態が生起されても前記特定領域通過検出センサSE5による検出が生じない(前記特定領域をパチンコ球が通過しない)ことで前記第2のモード終了条件が成立して連荘モードが終了するケースも想定され、この場合に連荘モード終了表示を行わなければ、連荘モードが終了することを明確に遊技者に知らせることができず、結果的に遊技者の混乱を招く可能性がある。
そこで、実施例1の演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出に対応する特図変動パターン指定コマンドにより特定される特図が小当り図柄である場合に、最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)中の連荘モード終了表示の実行をキャンセルする(表示制御基板70に対して連荘モードを実行させるための指示を行わない)。そして、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの本期間終了コマンドの入力までに主制御CPU60aからの特定領域通過コマンドを入力しないことで、小当り遊技状態における前記本期間が終了するまでに特定領域通過検出センサSE5による検出(特定領域へのパチンコ球の通過)が生じなかったと判断した場合に限り、連荘モード終了表示を演出表示装置17に開始させるための前記終了表示指定コマンドを、該小当り遊技状態のエンディング期間中(エンディング演出の実行期間中)における所定のタイミング(例えば、エンディング期間の開始時点)で表示制御CPU70aに出力するよう構成されている。
ここで、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出に対応する特図変動パターン指定コマンドにより特定される特図が小当り図柄である場合に、該最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)中における所定のタイミングで、連荘モード終了表示とは異なる特殊演出表示を演出表示装置17に開始させるための特殊演出表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力する。これに対し、表示制御ROM70bには、特殊演出表示に対応する画像データが記憶され、表示制御CPU70aが前記特殊演出表示指定コマンドの入力に応じて演出表示装置17における特殊演出表示の画像制御を実行するよう構成されている。なお、実施例1では、前記所定のタイミングとして、各図柄列26a,26b,26cの飾図が仮停止表示となる時点(図13(b)および図13(d)参照)が設定されている。また、実施例1では、特殊演出表示として、図13(d)に示すように小当り遊技状態への移行を示唆する予告演出表示を表示するが、キャラクタ表示等の他の表示内容を示す特殊演出表示を表示するようにしてもよい。
(特殊エンディング演出について)
演出制御CPU65aは、連荘モードに特有の演出として特殊エンディング演出を演出表示装置17に実行させるよう構成されている。特殊エンディング演出は、連荘モード中(具体的には変短状態中)の始動入賞を契機として生起される小当り遊技状態のうち、変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の終了に伴って生起される小当り遊技状態(すなわち、変短状態中に生じ得る最後の小当り遊技状態)においてのみ実行可能な演出であり、該最後の小当り遊技状態のエンディング期間に対応して行われるエンディング演出である。ここで、演出制御ROM65bには、小当り演出パターンとして、第1特殊エンディング演出を含む小当り演出パターンと、第2特殊エンディング演出を含む小当り演出パターンと、それ以外のエンディング演出を含む小当り演出パターンとが設定されている。特殊エンディング演出は、変短状態における所定回数(変短回数)の図柄変動演出(特図変動表示)のうち最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合にのみ実行可能であり、該最後の図柄変動演出以外の図柄変動演出(1回目から76回目までの図柄変動演出の何れか)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合とは異なる演出とされている。
また、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の契機となった始動入賞を契機として、連荘モード中において計数される小当り遊技状態の合計生起回数が奇数となる小当り遊技状態が生起される場合に、該小当り遊技状態のエンディング期間に対応して演出表示装置17に第1特殊エンディング演出を実行させる小当り演出パターンに対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力する。また演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の契機となった始動入賞を契機として、連荘モード中における小当り遊技状態の合計生起回数が偶数となる小当り遊技状態が生起される場合に、該小当り遊技状態のエンディング期間に対応して演出表示装置17に第2特殊エンディング演出を実行させる小当り演出パターンに対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力するようになっている。これに対し、表示制御基板70が有する記憶手段としての表示制御ROM70bには、小当り遊技状態のエンディング演出について、各特殊エンディング演出の画像データと、特殊エンディング演出以外のエンディング演出の画像データとが記憶されている。
すなわち、遊技者に有利な有利遊技状態である変短状態(連荘モードの一部)では、当該変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の終了に伴って小当り遊技状態が生起されると、この小当り遊技状態(変短状態中に生じ得る最後の小当り遊技状態)が連荘モード中において何回目に生起されるかに応じて異なる特殊エンディング演出が行われるよう構成されている。
すなわち、実施例1の演出制御CPU65aは、通常遊技状態に移行することを示す連荘モード終了表示(特定表示)を、変短状態(有利遊技状態)における最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起されない場合と、該最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起されかつ該小当り遊技状態において特定領域(特定領域通過検出センサSE5)をパチンコ球が通過しなかった場合とに、演出表示装置17に実行させる特定表示制御手段として機能し、該最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、該契機獲得遊技状態において特定領域をパチンコ球が通過した場合に、連荘モード終了表示を実行しないようにする。また、演出制御CPU65a(特定表示制御手段)は、変短状態における最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起されない場合には、該最後の特図変動表示(図柄変動演出)が行われる期間に連荘モード終了表示の実行を開始する一方、該最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、該小当り遊技状態において特定領域をパチンコ球が通過しなかった場合には、該小当り遊技状態が終了することを示すエンディング演出の実行期間(エンディング期間)に連荘モード終了表示を開始させる。更に、実施例1の演出制御CPU65aは、変短状態における最後の特図変動表示(図柄変動演出)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合には、該最後の特図変動表示(図柄変動演出)が行われる期間中に、連荘モード終了表示とは異なる表示である特殊演出表示を演出表示装置17に行わせる異表示制御手段として機能している。なお、実施例1の演出表示装置17は、特定表示(連荘モード終了表示)を実行する特定表示実行手段として機能すると共に、特定表示とは異なる表示である特殊演出表示を実行する異表示実行手段として機能している。
(実施例1の作用)
次に、前述した実施例1に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例1のパチンコ機10は、遊技領域21に設けられてパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31,32および上特別入賞口51と、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として特図変動表示(図柄変動演出)を行う特図表示部Ma,Mb(演出表示装置17)とを備えており、主制御CPU60aが、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞を契機として特図当り判定として小当り判定を実行し、この小当り判定が当りの判定結果となった場合に、上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が可能な小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)を特図変動表示(図柄変動演出)の終了後(小当り図柄の停止表示後)に生起させる(第1生起手段として機能する)。また、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を特定領域(特定領域通過検出センサSE5による検出位置)および排出領域(非特定領域、排出領域通過検出センサSE6による検出位置)に振り分ける振分装置(振分部)80を備えており、主制御CPU60aが、小当り遊技状態における特定領域へのパチンコ球の通過を契機として、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技(利益獲得遊技状態)を生起させる(第2生起手段として機能する)。すなわち、パチンコ機10では、特図変動表示の結果として、小当り遊技状態が生起されることを示す小当り図柄が表示された場合(図柄変動演出の結果として、飾図が小当りの図柄組み合わせで表示された場合)に、該小当り遊技状態を生起させる。
主制御CPU60aは、小当り判定が当りの判定結果となった場合に小当り図柄を決定すると共に、決定した小当り図柄の種類に応じて上特別開閉部材53の開放動作パターン(第1開放動作パターンまたは第2開放動作パターン)を決定する。そして、主制御CPU60aは、決定した開閉動作パターンに応じて上特別入賞ソレノイドSL3を小当り遊技状態における本期間に駆動することで、本期間における所定のタイミングで上特別開閉部材53を開放する。主制御CPU60aは、小当り遊技状態の本期間において第1開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合に、図12に示すように本期間の開始時点から1448msが経過するまでの1448msの期間に、上特別入賞ソレノイドSL3を駆動状態(励磁状態)とする。一方で、小当り遊技状態の本期間において第2開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合に、図12に示すように本期間の開始時点から40msが経過するまでの40msの期間と、本期間の開始から25040msが経過する時点から26432msが経過する時点までの1432msの期間とに、上特別入賞ソレノイドSL3を駆動状態(励磁状態)とする。すなわち、主制御CPU60aは、決定した小当り図柄の種類に応じて、上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞を許容するタイミングを異ならせる。
一方で、主制御CPU60aは、中央入賞装置50の入賞球処理構造を構成する各可動部分(第1通路部81と、第2通路部82のストッパ部材82aと、第3通路部83の球打ち部材83aと、第4通路部84と、振分装置80の回転体91,92,93)について、予め定めた動作開始契機を起点として一定の動作を行わせるよう各駆動源100,101,102,103,104を駆動制御する。主制御CPU60aは、パチンコ機10の電源投入に応じて第1駆動源101および振分駆動源100を駆動する。また、主制御CPU60aは、小当り遊技状態における本期間の所定のタイミングで、第2駆動源102、第3駆動源103および第4駆動源104を駆動する。
小当り遊技状態の本期間において24000msが経過するまでの期間では、第2通路部82のストッパ部材82aが球止め位置にあって下流側へのパチンコ球の移動が規制されている。この状態では、第2通路部82におけるストッパ部材82aの上流側にパチンコ球が1個のみ停留可能となり、それ以上のパチンコ球は図示しない排出口から排出される。本期間の開始から24000msが経過すると、ストッパ部材82aが球止め位置から通過許容位置へと変位し、ストッパ部材82aにより移動規制されたパチンコ球の他、該ストッパ部材82aの変位後に移動してきたパチンコ球が、第2通路部82を通過して第3通路部83へと進入し得るようにする。このとき第3通路部83の球打ち部材83aは受け入れ位置にあり、第2通路部82から移動したパチンコ球は球打ち部材83aによる打ち出し方向に導かれる。そして、本期間の開始から38000msが経過すると、球打ち部材83aが受け入れ位置から打ち出し位置へと変位することで、第3通路部83にあるパチンコ球が第4通路部84へと移動する。この時点ではストッパ部材82aが未だ通過許容位置にあるが、第2通路部82から第3通路部83に移動したパチンコ球は打ち出し位置にある球打ち部材83aにより第4通路部84への移動が規制されて図示しない排出口から排出される。そして、第4通路部84に到達したパチンコ球は、第1連通口99aまたは第2連通口99bを通じて振分装置80の内部(振分空間80b)に流入する。ストッパ部材82aは、球打ち部材83aが受け入れ位置に復帰するタイミング(本期間の開始から45000msが経過する時点)より前のタイミング(本期間の開始から38100msが経過する時点)で球止め位置に復帰する。なお、ストッパ部材82aが球止め位置に復帰する時点では、上特別入賞口51の開放状態が終了してから少なくとも1668msが経過しており、その後にパチンコ球が第2通路部82に導かれる可能性は少ない。
ここで、小当り遊技状態の本期間において主制御CPU60aが第2開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合には、ストッパ部材82aが通過許容位置に変位している状態で上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が許容されることから、複数個のパチンコ球が振分装置80に到達する可能性がある。これに対し、小当り遊技状態の本期間において主制御CPU60aが第1開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合には、ストッパ部材82aが通過許容位置に変位するタイミングよりもかなり早いタイミングに限って上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞が許容されることから、振分装置80に複数個のパチンコ球が到達する可能性は極めて小さい。すなわち、主制御CPU60aが第2開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合は、第1開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合よりも振分装置80にパチンコ球が到達する確率が高く、遊技者にとって有利になる。
第4通路部84は、本期間の開始から24000msが経過した時点から上昇を開始し、移動下端位置から移動上端位置に向けて変位する。パチンコ球が第3通路部83から第4通路部84に移動した時点では第4通路部84が移動上端位置にあり、早い段階(本期間の開始から42000msが経過する時点まで)で第4通路部84の球出口を通過したパチンコ球は、振分装置80における第1連通口99aから該振分装置80の内部(振分空間80b)に流入し、中央回転体91に設けられた特定誘導部(第1誘導部)91bにより中央通口91aに誘導されて、結果的に特定領域(特定領域通過検出センサSE5による検出位置)を通過する。一方で、遅れて(本期間の開始から42000msが経過した後)第4通路部84の球出口を通過したパチンコ球は、振分装置80における第2連通口99bから振分空間80bに流入する。ここで、第2連通口99bから振分空間80bに流入したパチンコ球は、振分空間80bにおける特定誘導部91bの外側に導かれた後、外周回転体92に設けられた排出誘導部(第2誘導部)92bにより外周通口92aに導かれて排出領域(排出領域通過検出センサSE6による検出位置)を通過するか、または、外周回転体92に設けられた複数の保持部92cの何れかに保持される。
保持部92cに保持されたパチンコ球は、外周回転体92の回転に伴って再び振分空間80bに放出され、介在回転体93に設けられた突部93aの側面を転動した後に特定誘導部91bの受板91cにより受け止められて特定誘導部91bから中央通口91aに導かれて結果的に特定領域を通過したり(図6参照)、特定誘導部91bよりも下側で突部93aと接触して排出誘導部92bから外周通口92aに導かれて結果的に排出領域を通過したり(図7(a)参照)、突部93aの側面を転動するが特定誘導部91bに受け入れられず落下して排出誘導部92bに導かれて結果的に排出領域を通過したり(図7(b)参照)する。また、外周回転体92の前面には3つの保持部92cが回転方向に等間隔で設けられていることから、外周回転体92がどのような回転位置にあっても保持部92cの何れかが回転中心80aの高さより上側に位置し、また保持部92cの何れかが回転中心80aの高さより下側に位置する。このため、回転中心80aの高さより上側に位置する保持部92c(図参照)から放出されたパチンコ球は、回転中心80aの高さよりも下側に位置する別の保持部92cに受け入れられて保持されることがある。例えば、図8に示すように、保持部92cから放出されたパチンコ球は、突部93aの側面を転動するが特定誘導部91bに受け入れられず落下して、別の保持部92cに保持される。そして、保持部92cから放出され別の保持部92cにより受け入れられたパチンコ球は、この別の保持部92cが外周回転体92の回転に伴い変位することで再び放出され、振分空間80bにおいて特定誘導部91b、排出誘導部92bおよび保持部92cの何れかに導かれる。すなわち、振分装置80の振分空間80bに導かれたパチンコ球の振り分け回数(前記特定領域へのパチンコ球の通過を期待できる機会)が1個のパチンコ球につき3回以上発生し得る。
すなわち、実施例1のパチンコ機10は、小当り遊技状態において振分装置80が、予め定められた動作開始契機(電源投入に応じたタイミング)を起点として、小当り図柄の種類に関わらず一定の動作を開始するよう構成される一方で、上特別入賞口51を開閉する上特別開閉部材53が、主制御CPU60aの制御により、小当り図柄の種類に応じて上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞を許容するタイミングを異ならせる入賞規制手段として機能する。すなわち、上特別開閉部材53が上特別入賞口51へのパチンコ球の入賞を許容するタイミングを小当り図柄に応じて定めることで、小当り遊技状態における上特別開閉部材53の態様が単調になるのを防いで、パチンコ球が上特別入賞口51に入賞するか否かに対する興味を高めることができる。一方で、振分装置80には小当り図柄に関わらず一定動作を行わせて該振分装置80の動作態様の複雑化を防ぐことで、上特別入賞口51に入賞した後のパチンコ球の挙動をある程度予測可能として、該振分装置80でのパチンコ球の振り分け態様への興味を継続させ得る。
また、振分装置80が、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を特定領域に誘導する特定誘導部(第1誘導部)91bと、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を排出領域(非特定領域)に誘導する排出誘導部(第2誘導部)と、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を保持する保持部92cとを備え、保持部92cに保持されたパチンコ球が、振分装置80における回転体91,92,93の動作に応じて放出されて、特定誘導部91b、排出誘導部92bおよび保持部92cの何れかに移動し得るよう構成されている。すなわち、振分装置80に保持部92cを備えることで、振分装置80の回転体91,92,93によるパチンコ球の振り分け態様に面白味を付与することができる。ここで、保持部92cから放出されたパチンコ球が再び保持部92cにより保持され得る構成とすることで、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球の挙動に対して期待するタイミングを増加させることができるから、遊技の興趣を向上させ得る。
ここで、実施例1のパチンコ機10は、主制御CPU60aが第2開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合に、第1開放動作パターンに応じて上特別開閉部材53を開放する場合よりも振分装置80にパチンコ球が到達する確率が高いことで、小当り遊技状態においてパチンコ球が振分装置80に到達して特定領域を通過する確率が、該小当り遊技状態に対応する小当り図柄の種類に応じて異なる。これにより、小当り図柄との関係で小当り遊技状態に対する興味を高めることができる。
また、実施例1のパチンコ機10は、上特別入賞口51に入賞したパチンコ球を振分装置80に誘導すると共に該振分装置80に対して変位可能な可動通路部としての第4通路部84を備えている。この第4通路部84と振分装置80との関係で、振分装置80は、電源投入に応じたタイミング(予め定められた動作開始契機)を起点として一定の動作を開始して、この一定の動作を電源が遮断されるまで継続するのに対し、第4通路部84は、振分装置80が一定の動作を開始する動作開始契機とは別の動作開始契機(小当り遊技状態の本期間における所定のタイミング)を起点として一定の動作を開始する。このように、動作開始契機が相違する振分装置80および第4通路部84を備えることで、振分装置80の構造を過度に複雑化することなく、該振分装置80でのパチンコ球の振り分け態様に面白味を付与することができる。
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの変短開始コマンドの入力に応じて変短状態の開始を特定し、演出制御RAM65cに記憶されるサブ変短フラグの値を「0」から「1」に変更すると共に、主制御CPU60aからの変短終了コマンドの入力に応じて変短状態の終了を特定し、サブ変短フラグの値を「1」から「0」に変更する。ここで、演出制御CPU65aは、サブ変短フラグの値が「0」の状態で主制御CPU60aからの大当り開始コマンドを入力した場合(通常遊技状態での始動入賞を契機とする大当り遊技状態の開始時)に、演出制御RAM65cに記憶される連荘モードフラグの値を「0」から「1」に変更する。一方で、演出制御CPU65aは、第1のモード終了条件の成立として、サブ変短フラグの値が「1」の状態で特図としてはずれ図柄を特定する特図変動パターン指定コマンドによる変動時間の終了時点に主制御CPU60aからの変短終了コマンドを入力した場合(すなわち、変短状態における最後の図柄変動演出の終了に伴って大当り遊技状態および小当り遊技状態が生起されない場合)に、連荘モードフラグの値を「1」から「0」に変更する。また、第2のモード終了条件の成立として、サブ変短フラグの値が「1」の状態で特図としてはずれ図柄を特定する特図変動パターン指定コマンドによる変動時間の終了時点に主制御CPU60aからの変短終了コマンドを入力し、かつ主制御CPU60aからの本期間終了コマンドを入力するまでに主制御CPU60aからの特定領域通過コマンドを入力しなかった場合(すなわち、変短状態における最後の図柄変動演出の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつ該小当り遊技状態において特定領域通過検出センサSE5による検出が発生しなかった場合)にも、連荘モードフラグの値を「1」から「0」に変更する。これにより、演出制御CPU65aは、通常遊技状態での始動入賞を契機として大当り遊技状態が生起されてから再び通常遊技状態に移行するまでの期間を、演出制御RAM65cに記憶された連荘モードフラグの値が「0」から「1」に変化して再び「0」に戻るまでの期間(連荘モードの期間)として特定する。なお、変短状態は大当り遊技状態の終了後に生起されることから、必ず連荘モード中(連荘モードフラグの値が「1」となっている時)に変短状態が生起される。
連荘モードフラグの値が「1」とされている状態では、演出制御CPU65aが、主制御CPU60aからの大当り開始コマンドの入力回数に応じて連荘モード中における大当り遊技状態の合計生起回数を計数して計数値を演出制御RAM65cに記憶すると共に、主制御CPU60aからの小当り開始コマンドの入力回数に応じて連荘モード中における小当り遊技状態の合計生起回数を計数して計数値を演出制御RAM65cに記憶する。また、演出制御CPU65aは、大当り遊技状態の終了後、サブ変短フラグの値を「1」とする状態における特図変動パターン指定コマンドの入力回数に応じて、変短状態における図柄変動演出(特図変動表示)の合計変動回数を計数する。そして、演出制御CPU65aは、合計変動回数の計数値が「77(回)」に達したことに応じて最後の図柄変動演出の開始を特定し、この最後の図柄変動演出の開始後であって条件を満たす場合に限り、終了表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力して、連荘モードが終了すること(通常遊技状態に移行すること)を示す連荘モード終了表示を演出表示装置17に表示させる。
演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出に対応する特図変動パターン指定コマンドにより特定される特図がはずれ図柄である場合に、該最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)中における各図柄列26a,26b,26cの飾図が仮停止表示となる時点(所定のタイミング)で終了表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力し、該最後の図柄変動演出中に連荘モード終了表示を演出表示装置17に開始させる。一方で、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出に対応する特図変動パターン指定コマンドにより特定される特図が小当り図柄である場合には、該最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)中に終了表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力しないようにする。その代わりに、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出における所定のタイミングで特殊演出表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力し、連荘モード終了表示とは異なる特殊演出表示としての予告演出表示を演出表示装置17に表示させ、小当り遊技状態が生起されることを遊技者に対し示唆するようにする。
ここで、演出制御CPU65aは、変短状態における最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合(最後の図柄変動演出中に特出演出表示を行った場合)のうち、主制御CPU60aからの本期間終了コマンドの入力までに主制御CPU60aからの特定領域通過コマンドを入力しないことで、小当り遊技状態における本期間が終了するまでに特定領域通過検出センサSE5による検出(特定領域へのパチンコ球の通過)が生じなかったと判断した場合に限り、小当り遊技状態のエンディング期間中(エンディング演出の実行期間中)に終了表示指定コマンドを表示制御CPU70aに出力し、該小当り遊技状態におけるエンディング演出の実行期間中に連荘モード終了表示を開始させる。
また、演出制御CPU65aは、変短状態における所定回数(変短回数)の図柄変動演出のうち1回目から76回目までの図柄変動演出の何れかの終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合には、該小当り遊技状態のエンディング演出として特殊エンディング演出以外のエンディング演出を含む小当り演出パターンを決定し、対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力する。一方、演出制御CPU65aは、変短状態における所定回数(変短回数)の図柄変動演出のうち77回目(最後)の図柄変動演出の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合には、該小当り遊技状態のエンディング演出として特殊エンディング演出を含む小当り演出パターンを決定し、対応する小当り演出パターンコマンドを表示制御CPU70aに出力する。すなわち、変短状態における最後の図柄変動演出の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合に限り、特殊なエンディング演出を演出表示装置17において表示させる。
以上のように、実施例1のパチンコ機10は、通常遊技状態への移行(連荘モードの終了)を示す連荘モード終了表示を、変短状態(有利遊技状態)における最後の特図変動表示(最後の図柄変動)の終了に伴って小当り遊技状態(契機獲得遊技状態)が生起されない場合と、該最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつこの小当り遊技状態において特定領域通過検出センサSE5による検出が生じなかった場合(パチンコ球が特定領域を通過しなかった場合)とに実行する。ここで、変短状態における最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつこの小当り遊技状態においてパチンコ球が特定領域を通過しなかった場合には、変短状態が終了(かつ連荘モードが終了)して通常遊技状態へと復帰する。このため、連荘モード終了表示を実行することにより、変短状態から小当り遊技状態を介して通常遊技状態に移行することを遊技者に認識させることができる。
一方で、変短状態における最後の特図変動表示の終了に伴って生起される小当り遊技状態においてパチンコ球が特定領域を通過した場合には、大当り遊技状態における2回目以降のラウンド遊技(利益獲得遊技状態)が生起される。この場合には、大当り遊技状態の終了後に再び変短状態が生起され、連荘モードが終了しない。このため、実施例1のパチンコ機10は、最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつこの小当り遊技状態において特定領域通過検出センサSE5による検出が生じた場合(パチンコ球が特定領域を通過した場合)には、連荘モード終了表示を実行しないことにより、小当り遊技状態の後に通常遊技状態に移行しないことを遊技者に認識させることができる。
ここで、実施例1のパチンコ機10は、変短状態における最後の特図変動表示の開始後において連荘モード終了表示を実行する場合であっても、該最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起されない場合には、変動時間中に連荘モード終了表示を開始させる一方、該最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつこの小当り遊技状態において特定領域通過検出センサSE5による検出が生じなかった場合(パチンコ球が特定領域を通過しなかった場合)には、該小当り遊技状態のエンディング期間(エンディング演出の実行期間)に連荘モード終了表示を開始させる。すなわち、変短状態における最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起されない場合に連荘モード終了表示を開始するタイミング(変動時間中)と、該最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起され、かつこの小当り遊技状態においてパチンコ球が特定領域を通過しなかった場合に連荘モード終了表示を開始するタイミング(エンディング演出の実行期間)とを異ならせる。これにより、連荘モード終了表示に応じて通常遊技状態への移行を示しつつ、小当り遊技状態が生起されるか否かを最後の特図変動表示の終了までに判別できるようにして興趣を向上させることができる。
また、実施例1のパチンコ機10は、変短状態における最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合に、該最後の特図変動表示が行われる期間中に連荘モード終了表示とは異なる表示(特殊演出表示)を行う。すなわち、変短状態における最後の特図変動が行われる期間において、単に連荘モード終了表示を表示しない点を異ならせるだけではなく、連荘モード終了表示の代わりに特殊演出表示を表示する点を異ならせるから、変短状態における最後の特図変動表示の終了に伴って小当り遊技状態が生起されない場合との違いを明確にすることができる。
また、実施例1のパチンコ機10は、変短状態における所定回数(変短回数)の図柄変動演出(特図変動表示)のうち最後の図柄変動演出(最後の特図変動表示)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合に、該最後の図柄変動演出以外の図柄変動演出(1回目から76回目までの図柄変動演出の何れか)の終了に伴って小当り遊技状態が生起される場合とは異なる演出としての特殊エンディング演出を演出表示装置17に表示させることで、変短状態における最後の図柄変動演出(すなわち、連荘モードの最後となり得る図柄変動演出)に伴って小当り遊技状態が生起された場合の小当り演出に対する遊技者の興味が高められ、連荘モードに面白味を付与することができる。