JP2018186232A - 量子ドット蛍光体を用いてなる光半導体装置 - Google Patents

量子ドット蛍光体を用いてなる光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通電時の高い輝度維持率、高い熱衝撃耐性を両立した量子ドット蛍光体を用いる光半導体装置を提供する。
【解決手段】凹部を有する樹脂容器2と、樹脂容器の凹部の内側に露出した状態で配置された導体部3と、凹部の内側に設けられ、導体部と電気的に接続された発光素子1とからなるパッケージを有し、パッケージの凹部において、発光素子は封止樹脂6により封止されており、封止樹脂は、少なくとも量子ドット蛍光体5を含む1種類以上の蛍光体を含み、封止樹脂上面に、ガラス転移点が40℃以下かつ酸素透過率が700cm/m・24h・atm以下の樹脂で形成された保護層7を有する光半導体装置によって解決する。
【選択図】図1

Description

量子ドット蛍光体を用いてなる光半導体装置に関する。
発光ダイオード(LED)を用いた発光装置は、長寿命、低消費電力、耐衝撃性、高速応答性、軽薄短小化の実現などの特徴を有しており、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末などのバックライト、車載照明、屋内外広告、屋内外照明など、多方面への展開が飛躍的に進んでいる。また、用途の多様化と共により一層の高効率化が求められており、特にディスプレイ用途においては色再現性の向上に向けた研究開発が盛んに行われている。
LEDでは、一般的に、一種または複数種の蛍光体を硬化性樹脂に分散された蛍光体含有組成物で、発光素子を封止するなどの方法によって、発光素子から発せられる青色光や紫外光と、それらを吸収して発する光とを足し合わせることで、白色光をはじめとする任意の発色光を得ている。従来から用いられている典型的な白色LEDは、青色発光素子とイットリウム・アルミニウム・ガーネットなどの黄色蛍光体との組み合わせによって、白色光を得ている。しかし、青色光と黄色光の組み合わせでは、色成分の不足によって色再現性の低さが問題視されている。
高演色白色LEDを得るために、これまでに赤色や緑色を発する蛍光体を組み合わせてきており、それらの中でも、高い量子効率、粒子径を変化させることで幅広い発光波長を得ることができる、スペクトルの半値幅が狭いなどの利点を有している量子ドットを蛍光体として用いることが注目されている。
しかしながら、量子ドット蛍光体は光酸化によって劣化することが知られており、ガスバリア性の高い封止樹脂や酸素遮断を目的とした保護層の使用などの構成が提案されている(特許文献1〜3)。
国際公開番号2013/001687 特開2017−33967 特許第5905648号
上記先行技術文献で用いられている樹脂は硬度が高く、熱衝撃によって剥離や亀裂、断線などを引き起こす可能性が高いため、高い通電信頼性と熱衝撃耐性を両立した量子ドット蛍光体を用いる光半導体装置を提供するのが困難であった。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、量子ドット蛍光体を含む封止樹脂上部をガラス転移点が40℃以下の柔軟な樹脂を覆うことで、光酸化による量子ドット蛍光体の劣化を抑制でき、通電信頼性の向上と熱衝撃耐性の付与を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
1)凹部を有する樹脂容器と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に露出した状態で配置された導体部と、
前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続された発光素子とからなるパッケージを有し、
前記パッケージの凹部において、発光素子は封止樹脂により封止されており、
前記封止樹脂は、少なくとも量子ドット蛍光体を含む1種類以上の蛍光体を含み、
前記封止剤上面に、ガラス転移点が40℃以下かつ酸素透過率が700cm/m・24h・atm以下の樹脂で形成された保護層を有する光半導体装置。
2)前記保護層の酸素透過率が200cm/m・24h・atm以下である樹脂で構成されることを特徴とする1)に記載の光半導体装置。
3)前記量子ドット蛍光体を含む封止樹脂が発光素子と接していることを特徴とする1)に記載の光半導体装置。
本発明によれば、量子ドット蛍光体を含む封止樹脂上部をガラス転移点が40℃以下の柔軟な樹脂で覆うことで、通電時の輝度維持率及び熱衝撃耐性の向上した光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体装置の一例である、表面実装型の発光ダイオード(LED)の概略断面図である。 本発明の光半導体装置の一例である、表面実装型の発光ダイオード(LED)の概略俯瞰図である。 本発明の光半導体装置の一例である、表面実装型の発光ダイオード(LED)の概略俯瞰図である。 本発明の光半導体装置の一例である、表面実装型の発光ダイオード(LED)の概略断面図である。 本発明の対象とならない光半導体装置の一例である、表面実装型の発光ダイオード(LED)の概略断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
<光半導体装置>
本発明の光半導体装置は、凹部を有する樹脂容器と、
前記樹脂容器の前記凹部の内側に露出した状態で配置された導体部と、
前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続された発光素子とからなるパッケージを有し、
前記パッケージの凹部において、発光素子は封止樹脂により封止されており、
前記封止樹脂は、少なくとも量子ドット蛍光体を含む1種類以上の蛍光体を含み、
前記封止樹脂上面に、ガラス転移点が40℃以下かつ酸素透過率が700cm/m・24h・atm以下の樹脂で形成された保護層を有する光半導体装置であることを特徴とする。
本発明の光半導体装置としては、特に限定されないが、例えば図1に示す構造が挙げられる。図1は、光半導体装置の概略断面図である。
本発明の図1中の発光素子1は、特に限定されず、光半導体装置として汎用されているものなどを用いることができる。例えば、放射した光によって蛍光体を励起して可視光を発光させるものであり、可視光発光タイプの発光素子や、紫外発光タイプの発光素子などが挙げられる。本発明の発光素子1は、1つの光半導体装置あたりに1つ実装しても良く、同一または異なる種類を複数個実装しても良い。
本発明の図1中の樹脂容器2は、発光素子1からの放射光を効率よく反射させることを目的とするものである。材質としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化樹脂を用いることができるが、特に限定するものではない。具体的には、熱可塑性樹脂としてはポリフタル酸アミド、ポリシクロへキシレンテレフタレートなどが挙げられ、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。あえて言うならば、耐熱性の観点から熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂が好ましく、ガスバリア性の観点からエポキシ樹脂を用いるのがさらに好ましい。
本発明の図1中の導体部3は、LED実装時の導電性確保とLEDの反射効率を高めるためのものである。特に、可視光領域での反射率が高いことから、金属表面に銀メッキをしたものが用いられることが多いが、銀メッキに限定されるものではない。
本発明の図1中のワイヤ4は、発光素子1と導体部3を電気的に接続するものである。材質としては導電性のあるものであれば限定しないが、金や金合金や銅などが挙げられる。また、ワイヤ4を用いる代わりに、導電性接着剤や共晶ハンダを用いて電気的接続を行ってもよい。
本発明の図1中の量子ドット蛍光体5は、発光素子1から放射された光を吸収し、異なる波長の光を発光するものである。量子ドットは粒径が数nmから数十nmであり、粒径に応じて任意の発光波長を得ることが可能である。
本発明の図1中の封止樹脂6は、発光素子1からの放射光を効率よく外部に取り出す、外力や埃などから発光素子やワイヤなどを保護する、腐食性ガスの装置内への侵入を防ぐ、などの作用を有する。
本発明の図1中の保護層7は酸素透過率の低い樹脂からなり、封止樹脂6を覆っている。これにより、光半導体装置外部から侵入した酸素や水分によって、量子ドット蛍光体5が劣化することを防ぐためのものである。ここでいう酸素透過率とはJIS K 7126−1に準拠した気体透過率測定で求められるものである。
<蛍光体>
本発明の光半導体装置は蛍光体として少なくとも量子ドット蛍光体を用いることを特徴としている。本発明で使用している量子ドット蛍光体とは、数個から数十個ほどの半導体原子から構成される直径数nmの半導体である。従来から用いられてきた無機蛍光体に比べて、高い量子効率、半値幅が非常に狭い発光を有するなどの利点を有し、量子ドット蛍光体の直径に応じた幅広い発光スペクトルを得ることが可能である。量子ドットの組成は特に限定はされないが、例えば、InP、InN、InAs、InSb、InBi、ZnO、In、Ga、ZrO、In、Ga、InSe、GaSe、InTe、GaTe、CdSe、CdTe、Cdなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、使用する量子ドット蛍光体は、単一の組成のものでも良く、また上記の成分などから2つ以上を使用したコア・シェル型でも、コア部からシェル部まで組成比が段階的に変わるコア・多層シェル型でも良く、コア部からシェル部まで組成比がグラジエント様に変わるコア・グラジエントシェル型でも良いが、量子効率や化学的安定性の観点からコア・シェル型、コア・多層シェル型、コア・グラジエントシェル型が望ましい。必要とする発色光を得るために、単一若しくは複数種の量子ドットと他の蛍光体を任意の比率及び組み合わせで用いても良い。量子ドット蛍光体以外の蛍光体としては、有機蛍光体、無機蛍光体が挙げられる。特に限定するものではないが、耐熱性、耐光性の観点から無機蛍光体であることが望ましい。無機蛍光体として公知のものとしては、例えば、YAG系蛍光体、フッ化物蛍光体、α―サイアロン系蛍光体、β―サイアロン系蛍光体などが挙げられる。
本発明における量子ドット蛍光体の使用量には特に制限はなく、光半導体装置が必要とする発光色を得るために任意の量を使用することができる。具体的には、実質的に量子ドット蛍光体を含む封止樹脂中に0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、0.5重量%以上15重量%以下がより好ましく、1重量%以上10重量%以下がさらに好ましい。量子ドット蛍光体の使用量が少ないと、量子ドット蛍光体の波長変換効率が不十分となり、目的の発光色が得られなくなる。一方で、量子ドット蛍光体の使用量が多いと、組成物の増粘によるハンドリング性低下や、光学的な干渉作用による利用効率低下が生じる可能性がある。
<封止樹脂>
本発明の光半導体装置に用いられる硬化性の封止樹脂は、発光素子からの出射される光及び蛍光体によって変換された光に対して高い透過性、例えば波長450nmの光において、透過率50%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは80%以上であれば良い。具体的にはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂が挙げられるが、エポキシ樹脂の場合、通電時に封止樹脂自体の着色、変色によって光半導体装置の性能が低下する恐れがあるため、シリコーン樹脂が好ましい。またシリコーン樹脂には硬化様式の違いで縮合型シリコーン樹脂と付加型シリコーン樹脂に分けられるが、縮合型シリコーン樹脂の場合、発生した副生成物が量子ドット蛍光体を侵す可能性があるため、付加型シリコーン樹脂が好ましい。付加型シリコーン樹脂とは、1分子中に2個以上のSiH基を有する化合物(A)と1分子中に2個以上のアルケニル基を有する化合物(B)とのヒドロシリル化反応物のことを意味し、前記(A)成分または前記(B)成分の少なくともどちらかにシロキサン構造を有する。
前記(A)成分としてはシルフェニレン化合物やヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサン、ヒドロシリル基を有する分岐鎖状ポリシロキサン、ヒドロシリル基を有する環状ポリシロキサンやヒドロシリル基を含有する篭状シロキサン等を例示することができる。また(A)成分は単一組成のものでも良く、複数成分でもよい。
前記(B)成分としては、アルケニル基を2個以上有する直鎖状ポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン、アルケニル基を2個以上有する環状シロキサン等の1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンや、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する有機化合物等を例示することができる。また(B)成分は単一組成のものでも良く、複数成分でもよい。
付加型シリコーン樹脂の具体例として国際公開番号第2016/136245、国際公開番号2016/103654、国際公開番号2015/186324、公開番号2017−31141、国際公開番号2011/148896、公開番号2016−14156内に記載の樹脂が挙げられるが、これらに限定するものではない。
また、量子ドット蛍光体を含有する封止樹脂は、図4に示すように保護層との間に実質的に量子ドット蛍光体を含まない封止樹脂を含んでも良いが、少なくとも発光素子とは接している。図5に示すように発光素子と量子ドット蛍光体を含有する封止樹脂との間に、実質的に量子ドット蛍光体を含有しない封止樹脂が存在すると、発光素子から出射される光の減衰、拡散などにより、量子ドット蛍光体の波長変換効率低下が生じる恐れがあるためである。
<保護層>
本発明における保護層は光半導体装置外部からの酸素の浸入によって、量子ドット蛍光体が劣化することを防ぐためのものである。保護層の形態としては、光半導体装置の開口部を上としたときに、少なくとも封止樹脂上面を覆うようにする。図2に示すように封止面上部全体を覆うものが良く、図3に示すように光半導体装置全体を覆うものがさらに良い。
保護層は、液状の樹脂もしくは固体状の樹脂からなることが想定されるが、光半導体装置自体のハンドリングの観点から固体状の樹脂からなることが望ましい。保護層となる樹脂は塗布した後に硬化させてもよく、塗布する前に硬化させたものでもよい。硬化の様式としては、特に限定するものではないが、熱硬化、光硬化などが挙げられる。具体的に記載すると、付加反応、縮合反応などが挙げられるが、縮合反応では生じた副生成物によって保護層や封止樹脂が侵される可能性があるため、付加反応であることが望ましい。
量子ドット蛍光体を光半導体装置外部の酸素から保護する目的のため、使用する樹脂の酸素透過率は700cm/m・24h・atm以下であり、200cm/m・24h・atm以下が好ましく、150cm/m・24h・atm以下がより好ましく、100cm/m・24h・atm以下がさらに好ましい。また、保護層が硬い樹脂からなる場合、熱衝撃が加わった際、膨収縮時の応力によって保護層が封止樹脂や樹脂容器から剥離したり、保護層自体に亀裂が生じたりする可能性があるため、ガラス転移点が低いことが望ましい。具体的には、−200℃以上40℃以下の樹脂が好ましく、−100℃以上10℃以下の樹脂がより好ましく、−70℃以上−10℃以下の樹脂がさらに好ましい。ガラス転移点は、例えば、動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
上記を満たす樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂やビニル系モノマーからなるポリマーなどが挙げられる。さらに具体的には、例えば、シリコーン樹脂としてはフェニルシリコーンやポリシロキサン変性体が上げられる。ビニル系モノマーからなるポリマーとしては、エチレンモノマー、プロピレンモノマー、イソプレンモノマー、ブタジエンモノマー、イソブチレンモノマーなどの鎖式炭化水素モノマーからなるポリマーやポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。また、保護層の樹脂は上記に記載の共重合体や変性体を用いても良く、複数種類の組み合わせでも良い。上記の樹脂の中では、イソブチレンモノマーからなるポリマーの様に、枝分かれ構造を有する炭化水素からなる樹脂が、水蒸気透過率の低さによる通電信頼性向上の観点からより好ましい。
また、粘度の低減のために反応性希釈剤を加えても良く、例えば、鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、環状脂肪族炭化水素系化合物類、芳香族炭化水素系化合物類、アリルエーテル類、脂肪族系化合物類、芳香族系化合物類、置換イソシアヌレート類、シランカップリング剤類等が挙げられるが、この限りではない。具体的には、鎖状脂肪族炭化水素系化合物類の例としてプロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられ、環状脂肪族炭化水素系化合物類の例としてはシクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン等が挙げられ、芳香族炭化水素系化合物類の例としてはスチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン等が挙げられ、脂肪族系化合物類の例としてはアルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等が挙げられ、芳香族系化合物類の例としては1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等が挙げられ、置換イソシアヌレート類の例としてはモノアリルシベンジルイソシアレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等が挙げられ、シランカップリング剤類の例としてはビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これら反応性希釈剤は1種または2種類以上を任意の比率及び組み合わせで用いても構わないが、過剰に添加すると封止樹脂や樹脂容器を侵食する恐れがある。具体的には、保護層となる樹脂中に0.1重量%以上50重量%以下が好ましく、1重量%以上25重量%以下がより好ましく、5重量%以上20重量%以下がさらにより好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
(合成例1)
48%コリン水溶液(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)1803gにテトラエトキシシラン1459gを加え、室温で2時間激しく攪拌した。反応系内で発熱し、均一溶液になった段階で、攪拌を緩め、さらに12時間反応させた。次に、反応系内に生成した固形物に、メタノール1400mLを加え、均一溶液とした。
ジメチルビニルクロロシラン1149g、トリメチルシリクロリド830gおよびヘキサン1400mLの溶液を激しく攪拌しながら、メタノール溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、1時間反応させた後、有機層を抽出、濃縮することにより、固形物を得た。次に、生成した固形物をメタノール中で激しく攪拌することによって洗浄し、ろ別することによって、Si原子16個と、ビニル基を4個有するアルケニル機を含有する多面体構造ポリシロキサンであるテトラキス(ビニルジメチルシロキサン)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン(Fw=1175.8)を白色固体(反応物I)として760g得た。
(合成例2)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗と、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mLの混合液を50分かけて滴下した、得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧除去した。H−NMRによってこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応したもの(反応物II)であることが分かった。また、1,2−ジブロモメタンを内部標準に用いてH−NMRによってSiH基の含有量を求めたところ、8.08mmol/gのSiH基を含有していることが分かった。
(製造例1)
合成例1で得たアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサンであるテトラキス(ビニルジメチルシロキサン)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン(反応物I)30.0gをトルエン123.0gに溶解させ、ビニルフェニルメチルシラン31.5g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)1.46μLを加えた。このようにして得られた溶液を、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン24.6g、トルエン24.6gの溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間反応させた。反応終了後、エチニルシクロヘキサノール2.8μL、マレイン酸ジメチル0.65μLを加え、トルエンと未反応成分を除去することによって、液状のポリシロキサン変性体を80.8g得た。
上記で得られたポリシロキサン変性体10.00gに、1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン3.18g白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)1.40μL、エチニルシクロヘキサノール2.67μL、マレイン酸ジメチル0.62μLを加えて均一に攪拌混合し、一液を作製した。得られた上記一液2.0gに、量子ドットのトルエン分散液(NN−マテリアル社製CZ520、量子ドットを3wt%含有するトルエン分散液)を1.58mL加え、Thinky社製あわとり練太郎AR−250を用いて、攪拌3分、脱泡3分、攪拌3分を順に行うことで、ポリシロキサンと量子ドット蛍光体を含有する硬化性の封止樹脂を作製した。
別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を実装したSDI Electronic社製リフレクター(品番:SDI4G65)を20個準備した。ここに、得られた硬化性組成物を、上記の攪拌と脱泡から15分以内に、サンエイテック社製ディスペンサー 1500シリーズ、サネイテック社製チップ(品番:SH23−B)を用いて注入し、注入後30分以内に、対流式オーブンで80℃30分、120℃120分、150℃180分の順に昇温して硬化した。
(製造例2)
東レ・ダウコーニング社製OE6630A/Bの、A剤1.00g、B剤4.00g、量子ドットのトルエン分散液(NN−マテリアル社製CZ520、量子ドットを3wt%含有するトルエン分散液)3.95mLを、Thinky社製あわとり練太郎AR−250を用いて、攪拌3分、脱泡3分、攪拌3分を順に行うことで、ポリシロキサンと量子ドット蛍光体を含有する硬化性の封止樹脂を作製した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を実装したSDI Electronic社製リフレクター(品番:SDI4G65)を20個準備した。ここに、得られた硬化性組成物を、上記の攪拌と脱泡から15分以内に、サンエイテック社製ディスペンサー 1500シリーズ、サネイテック社製チップ(品番:SH23−B)を用いて注入し、注入後30分以内に、対流式オーブンで80℃30分、120℃120分、150℃180分の順に昇温して硬化した。
(配合例1)
ポリイソブチレンであるカネカ社製EP200A 2.88gに対し、合成例2で得た反応物II0.12g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として0.03wt%含有)0.35mLを均一に攪拌混合し、一液を作製した。
(配合例2)
フェニルシリコーンである東レ・ダウコーニング社製OE6630A/Bの、A剤1.00g、B剤4.00gを均一に攪拌混合し、一液を作製した。
(配合例3)
メチルシリコーンである東レ・ダウコーニング社製JCR6140A/Bの、A剤3.00g、B剤3.00gを均一に攪拌混合し、一液を作製した。
(配合例4)
オルガノポリシロキサンである信越化学社SCR1012A/Bの、A剤3.00g、B剤3.00gを均一に攪拌混合し、一液を作製した。
(酸素透過率の測定方法)
23℃における酸素透過率は、GTRテック社製GTR−30XAD、G6800T・F(s)を用いて、JIS K 7126−1に準拠して測定した。対流式オーブンで80℃30分、120℃120分、150℃180分の順に昇温して硬化した1mm厚の樹脂板を15.2×10−4の円状に打ち抜いてサンプルとした。
(ガラス転移点の測定方法)
ガラス転移点は動的粘弾性測定におけるtanδの極大点から算出した。UBM社製Rheogel−E4000を用いた引張の振動荷重を与え、−200℃から毎分5℃ずつ昇温した際の温度依存性を測定した。対流式オーブンで80℃30分、120℃120分、150℃180分の順に昇温して硬化した2mm厚の樹脂板を5mm×25mmの短冊状に打ち抜いてサンプルとした。
(実施例1)
製造例1にて作製した光半導体装置の封止面上部に、配合例1にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。得られた光半導体装置を、テクノローグ社製LEDテスタ(品番:LX4652C)を用いて、温度25℃、電流50mA、の条件で通電して発光させ、通電試験前の全光束を測定し、10個の平均値を算出した。その後、25℃、70mAの条件で10時間通電、発光させ、テクノローグ社製LEDテスタ(品番:LX4652C)を用いて、温度25℃、電流50mA、の条件で通電して発光させ、通電試験後の全光束を測定し、10個の平均値を算出した。通電試験前後での全光束維持率(%)を、以下の式から算出した。全光束維持率(%)={(通電試験後全光束の平均値)−(通電試験前全光束の平均値)}/(通電試験前全光束の平均値)×100。
さらに上記の光半導体装置10個を、ダイセン電子工業製ガラスエポキシ基板(品番:D00)の0.95mmピッチ面に、藤倉化成製導電性ペースト(FA−705BN)を用いて150℃30分加熱して接着し、日立アプライアンス株式会社製、冷熱衝撃試験機を用いて、低温側温度−40℃に30分と高温側100℃に30分の2つの温度域を、30分毎に切り替えることで、冷熱衝撃試験を実施した。試験回数は1000サイクルで実施した。
試験後の光半導体装置の外観を、光学顕微鏡を用いて、保護層の封止樹脂、樹脂容器からの剥離の有無、保護樹脂自体のクラックの有無を確認した。剥離もしくはクラックの少なくともいずれか一方が発生したサンプルが0個を〇、1〜2個を△、3個〜10個を×とした。
(実施例2)
製造例1にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例2にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(実施例3)
製造例2にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例1にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(実施例4)
製造例2にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例2にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例1)
製造例1にて作製した光半導体装置を用いて、実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例2)
製造例1にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例3にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例3)
製造例1にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例4にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例4)
製造例2にて作製した光半導体装置。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例5)
製造例2にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例3にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
(比較例6)
製造例2にて作製した光半導体装置の封止面に、配合例4にて作製した一液を図2に示すように塗布し、対流式オーブン150℃30分で硬化した。実施例1と同様の通電試験、熱衝撃試験を実施した。
実施例及び比較例の、保護層の酸素透過率・ガラス転移点・得られた光半導体装置の全光束維持率・熱衝撃試験、熱衝撃試験の結果を表1にまとめて記載した。
表1に示すように、本発明の保護層を使用した光半導体装置においては、比較例に対し、同等以上の高い全光束維持率を示しており、なおかつ、比較例よりも高い熱衝撃耐性を示した。
1 発光素子
2 樹脂容器
3 導体部
4 ワイヤ
5 量子ドット蛍光体
6 封止樹脂
7 保護層

Claims (3)

  1. 凹部を有する樹脂容器と、
    前記樹脂容器の前記凹部の内側に露出した状態で配置された導体部と、
    前記凹部の内側に設けられ、前記導体部と電気的に接続された発光素子とからなるパッケージを有し、
    前記パッケージの凹部において、発光素子は封止樹脂により封止されており、
    前記封止樹脂は、少なくとも量子ドット蛍光体を含む1種類以上の蛍光体を含み、
    前記封止樹脂上面に、ガラス転移点が40℃以下かつ酸素透過率が700cm/m・24h・atm以下の樹脂で形成された保護層を有する光半導体装置。
  2. 前記保護層の酸素透過率が200cm/m・24h・atm以下である樹脂で構成されることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記量子ドット蛍光体を含む封止樹脂が発光素子と接していることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
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