本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施形態では、本発明が遊技機のうちのスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの全体構造]
まず、本実施形態に用いたスロットマシン1の全体構造について、図1を用いて説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)と、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55(図4参照)と、が設けられている。リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。表示領域51aには、遊技の進行に応じた演出、スロットマシン1での異常、スロットマシン1の前面扉1bが開いていること
などの所定の情報が表示される。つまり、表示領域51aは、遊技者に所定の情報を報知するための報知手段として機能する。
液晶表示器51の前面には、役物200が設けられている。役物200は、初期位置と、駆動位置とで変位可能である。初期位置は、図1に示すように、液晶表示器51の表示領域51aと重複していない位置である。駆動位置は、役物200の一部が液晶表示器51の表示領域51aと重複する位置である。本実施形態の役物200は左右に開閉可能なシャッターをモチーフにしたものである。サブ制御部91は役物駆動装置99を制御することにより、役物200を駆動させることができる。役物駆動装置99は例えば、ステッピングモータなどを含む。なお、図1では、役物200のみを記載し、役物駆動装置99の記載は省略している。
前面扉1bには、図1に示すように、遊技者が操作可能な操作手段として、メダル投入部4、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、演出用スイッチ56が設けられている。これらの操作手段のうち、メダル投入部4、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7、およびストップスイッチ8L,8C,8Rは、遊技を進行させるための操作に用いられる遊技用操作手段である。一方、演出用スイッチ56は、遊技の進行には用いられない操作手段であって、遊技の演出に用いられる演出用操作手段である。
具体的には、メダル投入部4はメダルをスロットマシン1に投入するために操作される。MAXBETスイッチ6は、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作される。精算スイッチ10は、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される。スタートスイッチ7は、ゲームを開始する際に操作される。ストップスイッチ8L,8C,8Rは、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作される。
なお、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、各操作手段の内部には、操作手段の態様を変化させるための点灯手段としてLEDが設けられている。具体的には、MAXBETスイッチ6の内部にはBETスイッチ有効LED21(図4参照)が、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)が、演出用スイッチ56の内部には演出用スイッチ有効LED56a(図4参照)が設けられている。
LEDが点灯すると、操作手段の内部から光が照射され、あたかもその操作手段が点灯しているかのように遊技者に見せることができる。つまり、LEDを点灯、消灯または点滅させたりすることで、操作手段の態様を変化させることができる。また、LEDの色を変えることで操作手段の態様を変化させてもよい。
本実施形態においては、LEDを点灯させて操作手段が点灯しているかのように見せることを、「操作手段の態様を点灯態様にする」あるいは「操作手段を点灯態様にする」ともいう。また、LEDを消灯させることを「操作手段の態様を消灯態様にする」あるいは「操作手段を消灯態様にする」ともいう。なお、操作手段を操作しても、その操作が受け
付けられないような場合は、操作手段の態様は消灯態様となる。また、操作手段の態様が点灯態様であることは、その操作手段への操作を受け付けることを意味する。つまり、遊技者は、操作手段の態様が点灯態様であるか消灯態様であるかによって、その操作手段への操作が受け付けられるか否かを判断することができる。
ここで、操作が受け付けられるとは、その操作に基づいた制御が行われることを意味する。例えば、スタートスイッチ7への操作が受け付けられるとは、スタートスイッチ7を操作することにより、リールが回転し始めること、または、メイン制御部41が内部抽選処理を開始することを意味する。つまり、操作が受け付けられるということには、その操作に基づいてスロットマシン1に設けられた電気部品が動くことと、その操作手段が操作されたことに基づいてメイン制御部41またはサブ制御部91が処理を行うこととが含まれる。
前面扉1bには、図1に示すように、遊技者に所定の情報を報知するための報知手段として、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20並びに、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が設けられている。
クレジット表示器11には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示される。遊技補助表示器12には、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー状態中にその内容を示すエラーコード、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報などが表示される。投入要求LED17を点灯させることで、メダルの投入が可能な状態を報知する。スタート有効LED18を点灯させることで、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を報知する。ウェイト中LED19を点灯させることでウェイト中である旨を報知する。ここで、ウェイトとは、前回のゲーム開始から一定期間(本実施形態では4.1秒)経過していないためにリールの回転開始を待機している状態である。リプレイ中LED20を点灯させることで、リプレイゲーム中である旨を報知する。1BETLED14を点灯させることで、賭数が1設定されている旨を報知する。2BETLED15を点灯させることで、賭数が2設定されている旨を報知する。3BETLED16を点灯させることで、賭数が3設定されている旨を報知する。
[スロットマシンの内部構造]
図2はスロットマシンの内部構造を示す斜視図である。前面扉1bの内側には、リセットスイッチ23(図4参照)、設定値表示器24、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、メダルセレクタ29、演出制御基板90、およびドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
リセットスイッチ23は、エラー状態および打止状態を解除するためのリセット操作を検出する。リセット操作とは、具体的には、所定のキー操作である。ここで、エラー状態とは、エラーが検出されたあとの所定の契機からエラーが解除されるまでの状態である。また、エラー状態においては遊技の進行を不能化される。打止状態とは、リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態である。
設定値表示器24は、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される。ここで、設定値とは、内部抽選における小役などの当選確率の高低に対応する値である。打止スイッチ36aは、所定の契機に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するためのスイッチである。自動精算スイッチ36bは、所定の契機に自動精算処理に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するためのスイッチである。ここで、自動精算処理とは、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)
する処理である。
メダルセレクタ29は、流路切替ソレノイド30、投入メダルセンサ31および投入口センサ26を有する。流路切替ソレノイド30は、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたメダルを貯留するホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替える。投入メダルセンサ31は、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する。投入口センサ26は、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する。
演出制御基板は、遊技状態に応じた演出を制御する。ドア開放検出スイッチ25は、前面扉1bの開放状態を検出する。
筐体1aの内部には、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、ホッパーユニット34、および電源ボックス100が設けられている。リールユニット2は、リール2L,2C,2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなる。
ホッパーユニット34は、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなる。ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
リセット/設定スイッチ38は、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては設定値を変更するための設定スイッチとして機能する。
なお、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成である。そのため、電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員のみが操作可能であって、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
[ゲームの流れ]
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジット
に加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル‐ベル‐ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくする。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出される。また、入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
本実施形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
なお、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよい。2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
本実施形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L,2C,2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L,8C,8Rに対応するリールの
回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作から対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L,2C,2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L,8C,8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L,2C,2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
[遊技制御基板の構成]
次に、スロットマシン1に設けられた遊技制御基板40について説明する。遊技制御基板40には、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示されたMAXBETスイッチ6など)などが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示された遊技補助表示器12など)などの表示機器類や流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rなどが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されている。これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41と、制御用クロックを生成する制御用クロック生成回路42と、乱数用クロックを生成する乱数用クロック生成回路43と、スイッチ検出回路44と、モータ駆動回路45と、ソレノイド駆動回路46と、LED駆動回路4
7と、電断検出回路48と、リセット回路49とが搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する回路である。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する回路である。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する回路である。LED駆動回路47は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する回路である。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時のような電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える回路である。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU(Central
Processing Unit)41a、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、I/Oポート41dなどを備える。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データなどが記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアなどを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート(図示省略)を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。なお、本実施形態では、コマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、コマンドをシリアル信号にて送信する構成としてもよい。
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
[演出制御基板の構成]
次に、スロットマシン1に設けられた演出制御基板90について説明する。演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、演出用スイッチ56の検出信号が入
力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、役物200などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載してもよい。この場合は、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよい。このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施形態では、例示した演出装置は一例であって、演出装置は、これらに限られない。
演出制御基板90は、演出の制御を行うサブ制御部91と、液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52などのLEDの駆動制御を行うLED駆動回路と、音声出力制御を行う音声出力回路94と、リセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、電断検出回路98などが搭載されている。
リセット回路95は、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与える。電断検出回路98は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する。
サブ制御部91は、マイクロコンピュータであり、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備える。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、ROM91bに記憶されている演出制御用のプログラムなどに従って演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するたび、すなわち一定時間間隔(約2ms)ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
ここで、設定値について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる。詳しくは、内部抽選などの遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる
ようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく。なお、設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る。設定変更状態において、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定変更状態において、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。メイン制御部41は、設定変更状態に移行することに伴いRAM41cを初期化する。そのため、設定値を変更する操作は、メイン制御部41の制御状態を初期化する操作としても機能する。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とする。ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示され、設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能である。設定確認状態中に設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
[タイマ割込処理について]
メイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)およびサブ制御部91が実行するタイマ割込処理(サブ)について詳細に説明する。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行う。メイン制御部41は、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
メイン制御部41は、その復帰時にRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させる。メイン制御部41は、復帰時にRAM41cのデータが正常でない場合は、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させる。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、設定変更状態に移行した後新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含む。RAM異常エラー状態は特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。また、メイン制御部41は、エラー状態中に検出されたエラーの内容をエラーコードとして遊技補助表示器12に示すエラー報知(メイン)を行う。一方、サブ制御部91は、エラー状態中に検出されたエラーの内容を液晶表示器51に示すエラー報知(サブ)を行う。
また、タイマ割込処理(メイン)においては、各種スイッチ類の検出状態を判定するスイッチ検出処理を実行する。スイッチ検出処理においては、メイン制御部41に接続されたスイッチ類の検出信号を取り込み、検出信号に基づいて各種スイッチ類の検出状態を判定する。例えば、ドア開放検出スイッチ25からの信号が検出された場合は、ドア開放検出スイッチ25の検出状態はon状態であるとメイン制御部41は判定する。前面扉1b(ドア)が開くことでスロットマシン1の前面が開放状態となった場合、ドア開放検出スイッチ25からメイン制御部41に信号が出力される。つまり、メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25からの信号の検出状態がon状態であると判定したときに、スロットマシン1の前面が開放状態であると判定する。一方、前面扉1b(ドア)が閉まることでスロットマシン1の前面が閉鎖状態となった場合、ドア開放検出スイッチ25の検出状態はoff状態であるとメイン制御部41は判定する。つまり、メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25からの信号の検出状態がoff状態であると判定したときに、スロットマシン1の前面が閉鎖状態であると判定する。
メイン制御部41は、スイッチ検出処理(メイン)において、満タンセンサ35a、投入口センサ26などの異常を検知するセンサからの信号を検出したときに、異常を検出したと判定する。また、メイン制御部41は、スイッチ検出処理(メイン)において、複数回連続して所定のセンサ(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)から信号を検出した場合にも、異常が発生したと判定する。ここで、スイッチ検出処理(メイン)において、メイン制御部41は、信号を検出していなかった状態から、複数回(例えば、2回)連続して信号を検出したときに、はじめて信号を検出したと判定する。これにより、過って信号を検出してしまうことを防止することができる。また、遊技がされている状況において、通常は信号が検出されないようなスイッチからの信号については、1回検出したことに基づいて、信号を検出したと判定する。例えば、遊技がされている状況においては、前面扉1bが閉まっている状態が通常の状態であるため、ドア開放検出スイッチ25からの信号については、一回目に検出した段階で、検出状態がon状態であると判定して前面扉1bが開放していると判定する。これにより、不正の意図をもって前面扉1bを開放した後、すぐにドア開放検出スイッチ25の信号が検出されないようにした場合であっても、前面扉1bが開放されたことを検出することができる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する。サブ制御部91は、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、その復帰時にRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させる。サブ制御部91は、復帰時にRAM91cのデータが正常でない場合は、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化する。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その復帰時にRAM91cのデータが正常であると判定した場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す設定コマンドを受信した場合と、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドも設定コマンドも受信しなかった場合にも、RAM91cを初期化する。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、タイマ割込処理(サブ)においては、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出処理(サブ)を実行する。スイッチ検出処理(サブ)においては、サブ制御部91に接続されたスイッチ類の検出信号を取り込み
、検出信号に基づいて各種スイッチ類の検出状態を判定する。また、タイマ割込処理(サブ)においては、演出制御基板90に接続された電気部品(例えば、役物200)に異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。なお、タイマ割込処理(サブ)において、異常判定処理を実施しなくともよい。例えば、演出制御用のプログラムの実行中に異常を検出してもよい。例えば、役物200を駆動させるためのプラグラムの実行中に、当該プログラムによって起こる駆動とは異なる駆動が起きた場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
[入賞役について]
次に、入賞となる役について詳細に説明する。スロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよく、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められている。大きく分けて、入賞となる役の種類は、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。一方、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに次のゲームへ持ち越される。
図5〜図7は、本実施形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項について説明するための図である。
図5に示すように、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1(以下、ビッグボーナスをBB1と称する)、ビッグボーナス2(以下、ビッグボーナスをBB2と称する)、ビッグボーナス3(以下、ビッグボーナスをBB3と称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の4種類のボーナスが含まれる。BB1〜3に入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。例えば、入賞ラインLN上に「青7−青7−青7」が停止したときにBB1に入賞してビッグボーナスに遊技状態が移行する。ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。RBは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。なお、BBの入賞により制御されるRBも、RBの入賞により制御されるRBも、小役の当選確率が通常遊技状態よりも高まる遊技状態である。BB1におけるRB、BB2におけるRB、BB3におけるRB、またはRBが入賞して移行したRBであるかによって小役などが当選する確率が異なる。
図6に示すように、入賞役のうち小役には、上段ベル1〜8、中段ベルなどが含まれる。なお、以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
小役に入賞したときは、役ごとに予め定められた枚数のメダルが払い出される。例えば、上段ベル1〜8、中段ベル、右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。
図7に示すように、入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ1、転落リプレイ2が含まれる。これら再遊技役が入賞したときにはリプレイゲーム(再遊技)が付与される。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(例えば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能となる遊技のことをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となる遊技を意味する。本実施形態では、再遊技役が当選すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず入賞する。なお、変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)としてもよい。
[遊技状態について]
図8〜10を用いて、メイン制御部41により制御される遊技状態について説明する。図8は、移行出目の図柄組合せ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。図9は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図10は、遊技状態の概要を示す図である。
図9に示すように、RT0、RT2において図8に示す移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。移行出目は、内部抽選における抽選対象役である左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のうちのいずれかに当選したときに、小役に入賞しない操作手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したときに入賞ラインLNに揃う。
RT0,RT1,またはRT2において、特別役に当選したゲームで当選した特別役に入賞しなかった場合はRT3に移行する。特別役に当選したゲームで当選した特別役に入賞した場合は、RT3に移行することなく、BB1〜3またはRBに移行する。BB1〜3またはRBが終了するとRT2に移行する。
図10に示すように、RT0〜3のうち、RT0およびRT3は再遊技役に当選する確率が高い有利な状態である。また、RT0〜3、RB、BB1〜3のうち、RBおよびBB1〜3が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。
[内部抽選について]
次に、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、図5〜7に示した各役への入賞を許容するか否かを決定する。内部抽選は、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前であるスタートスイッチ7の検出時に行われる。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。次に、取得した乱数値に判定値数を、順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定する。判定値数とは、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた値である。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。メイン制御部41は、内部抽
選の結果を示す当選番号をRAM41cに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L,2C,2Rの停止制御などに用いられる。
また、メイン制御部41は、図9に示した遊技状態の他に、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作態様を報知可能なアシストタイム(AT)に制御可能である。内部抽選では、ATに制御されていない状態(以下、非AT中ともいう)においてATに制御するか否かが決定される。ATに制御されている状態においては当該ATの残りゲーム数を上乗せするか否かが決定される。内部抽選でATが当選した場合には、その後ATに制御され、ATの残りゲーム数の上乗せが当選した場合は、当選したゲーム数がATの残りゲーム数に加算される。
内部抽選において、抽選対象となる役は、図16および図17に示す抽選対象役である。図16および図17に示すように、内部抽選においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。
図11〜図17を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役(AT含む)として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施形態では、特別役については、遊技状態が、特別役が持ち越されていないRT0〜2(以下、まとめて通常遊技状態ともいう)か、特別役が持ち越されているRT3(以下、持越中ともいう)か、RB(BB1〜3中のRB含む)かによって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。小役については、遊技状態が、通常遊技状態か、持越中か、BB1中のRB(図中BB1)か、BB2中のRB(図中BB2)か、BB3中のRB(図中BB3)か、RB入賞によるRB(図中RB)かによって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。再遊技役については、RT0か、RT1か、RT2か、持越中かによって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。
図11〜図15においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。○印の下に示す数値は、所定の設定値における判定値数を示す。設定差の欄に「無」と記載されている抽選対象役の判定値数は、設定値に関わらず共通の判定値数が用いられること、すなわち当選確率に設定差がないことを示す。設定差の欄に「有」と記載されている抽選対象役の判定値数は、少なくともいずれか一の設定値の判定値数として他の設定値の判定値数とは異なる判定値数が用いられること、すなわち当選確率に設定差があることを示す。判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
図11は、非ATにおいて遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示す。図12は、AT中において遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示す。図13は、非ATにおいて遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示す。図14は、AT中において遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される小役の組合せを示す。図15は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
図11および図12において特別役と抽選対象役との間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に当選することを示す。図11および図13においては、“+AT”と表記することにより、ATに制御することを示している。ここで、ボーナス状態においては、ATに制御されず、特別役とATとに同時に当選したときは、ボーナス状態が終了した後の通常状態中にATに制御される。図12および図14においては、“+上乗
せ○○G”と表記することにより、ATの残りゲーム数が加算されることを示している。図16および図17においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図11および図12に示すように、特別役には通常状態中にしか当選せず、持越中やRB(BB1〜3中のRB含む)では、特別役には当選しない。
図13に示すように、ATには通常状態中にしか小役と同時当選し得ない。一方、図14に示すように、ATに当選しているときは、ボーナスのうちBB1またはRB中であれば、ATゲーム数の加算に関する抽選は小役と同時当選し得る。
図15に示すように、リプレイGR11〜GR13にはRT0中にしか当選し得ない。リプレイGR1〜GR6にはRT1中にしか当選し得ない。通常リプレイにはRT0〜RT3中のいずれの状態に制御されているときも当選し得る。RT2およびRT3では、内部抽選の対象となる再遊技役が共通であるが、RT2であるか、RT3であるかによって再遊技役の当選確率が異なる。また、判定値から、再遊技役に当選する確率は、「RT0>RT3>RT1=RT2」という関係で設定されている。RT0〜3のうちRT0、3は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、2に比較して高い点において、RT1、2よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、3のうちRT0は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT3に比較して高い点において、RT3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
図16に、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、共通ベル、強チェリー、弱チェリー、またはスイカに当選したときに入賞を許容される入賞役を示す。例えば、左ベル1に当選すると、「中段ベル、上段ベル1、上段ベル8」への入賞が許容される。なお、以下、特に区別する必要のない場合には、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルと呼び、右ベル1〜4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
図17に、通常リプレイ、リプレイGR1〜6、およびリプレイGR11〜13のいずれかに当選したときに入賞を許容される入賞役を示す。なお、以下、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順リプレイと呼ぶ場合がある。
[停止制御について]
次に、リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。停止制御はメイン制御部41によって行われる。メイン制御部41は、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われる。一方、当選していない役は揃わないような制御が行われる。特別役と一般役とが同時に当選している場合は、一般役を入賞ライン上に揃える制御が優先される。一般役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。一般役のうち再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されている。そのため、特別役と再遊技役とが同時に当選している場合は、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。なお、特別役と一般役とが同時に当
選している場合に、一般役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、一般役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
なお、停止制御は、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いた制御でも、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる制御であってもよい。
図18〜図20を用いて、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明する。なお、小役のうち、中段ベルを構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されている(図3および図6参照)。そのため、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず入賞し得る。
図18に示すように、押し順ベルが当選している場合には、押し順ベルの種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1が当選したときに、左リール2Lを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止する。一方、中リール2Cを第1停止とする停止順または右リール2Rを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、上段ベル1、上段ベル8の組合せまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても、同様である。
このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。
図19に示すように、リプレイGR1〜6が当選している場合には、その種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1においてリプレイGR1〜6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞する。しかし、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。
図20に示すように、リプレイGR11〜13が当選している場合には、その種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT0においてリプレイGR11〜13が当選したときには、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、操作された停止順によっては、転落リプレイ1または転落リプレイ2(以下では、転落リプレイ1、転落リプレイ2をまとめて転落リプレイと呼ぶ)が入賞してRT1へ移行してしまう。
また、ストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作は有効化条件が成立した後に受け付けられる。有効化条件とは、リールが正常に回転され、回転中の全てのリールの基準位置がリールセンサによって検出され、かつ、リールが定速回転したことである。メイン制御部41は、有効化条件が成立したときにストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。
[ATについて]
次に、ATについて詳細に説明する。ATとは、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作態様を報知可能な期間である。具体的には、AT中は、遊技状態がRT0またはRT1であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じ
て遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知が行われる。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行する。また、このとき、サブ制御部91は、メイン制御部41から送られたコマンドに基づいて、ナビ演出を実行する。報知対象役は、図18〜図20に示した押し順ベルおよび押し順リプレイである。ナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。また、本実施形態において、非AT中の通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
ナビ報知およびナビ演出では、遊技者にとって有利な状態であるRT0に制御されるように、押し順が報知される。具体的には、押し順リプレイに当選したときは、昇格リプレイに入賞するための押し順または、転落リプレイに入賞しないような押し順が報知される。押し順リプレイに当選したときは、移行出目が導出されないような押し順である中段ベルに入賞するための押し順が報知される。
メイン制御部41は、内部抽選でATに制御するか否かを決定する。メイン制御部41は、内部抽選でATに当選した場合には、前兆期間を経てATに制御する。ATの制御を開始した後、RT0へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。準備状態かつRT1においては、リプレイGR1〜6の当選時と、押し順ベルの当選時とがナビ報知の対象となる。
メイン制御部41は、RT1において昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで準備状態を終了する。これに伴いメイン制御部41は、所定ゲーム数を、RAM91cに割り当てられたATの残りゲーム数として設定し、ATの残りゲーム数の計数を開始する。ATの残りゲーム数の計数が開始されてから、1ゲーム消化するごとに残りゲーム数が1減算される。ATの残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、RT1に移行されやすくなる。RT1に移行することで一連のATの制御が終了する。また、ATの開始後、残りゲーム数が0となる前に内部抽選にてATの残りゲーム数の上乗せが当選した場合には、当選したゲーム数をATの残りゲーム数に加算する。
また、ATの開始後、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT0の終了によりATを中断し、これに伴いATのゲーム数の計数も中断する。AT中に特別役が当選し、ATが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT2において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT0に再度移行することでATの残りゲーム数の計数を再開する。
[設定差について]
図11〜15に示すように、ATに関連する役の当選確率に設定差を設けず、ATに関連しない役の当選確率に設定差を設けるように設定されており、設定値の違いによってATに関連する有利度に差がでないようになっている。
具体的には、押し順ベルのようにATにおいて小役の入賞確率を変化させるために報知の対象となる抽選対象役、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、押し順ベルのようにATにおいて遊技状態を移行させるため、または遊技状態の移行を回避するために報知の対象となる抽選対象役については、当選確率に設定差を設けないようにしている。
また、BB1、BB2、BB3、RB、強チェリー、弱チェリー、スイカのうち、内部抽選においてATまたは上乗せと同時に当選し得る抽選対象役についても、当選確率に設定差を設けないようにしている。
一方、BB2+強チェリー、BB2+弱チェリー、BB2+スイカ、BB2+共通ベル、BB3+強チェリー、BB3+弱チェリー、BB3+スイカ、BB3+共通ベル、共通ベルのように、ATにおいて報知の対象とならない抽選対象役、内部抽選においてATまたは上乗せと同時に当選することのない抽選対象役について設定差を設けることで、払出率を変化させるようになっている。
また、持越中やRB(BB1〜3中のRB含む)中、さらにはAT中において、ATは抽選の対象外となっている。また、RBのうち設定差のないBB1の入賞に伴うBB1中のRB、RBの入賞に伴うRB中のみ、上乗せが抽選の対象となるが、持越中や、RBのうち設定差のあるBB2の入賞に伴うBB2中のRB、BB3の入賞に伴うBB3中のRB中においては、上乗せも抽選の対象外となっている。
[コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、BET操作有効コマンド、BET操作時コマンド、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンド、押し順コマンド、リール加速情報コマンド、加速完了コマンド、停止操作有効コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BET操作有効コマンドは、MAXBETスイッチ6への操作が有効であることを特定可能なコマンドである。BET操作有効コマンドは、MAXBETスイッチ6への操作が受け付けられないBET操作無効状態から、MAXBETスイッチ6への操作が受け付けられるBET操作有効状態に変化したときに送信される。
例えば、リール回転中であるBET操作無効状態において、当該リールが停止して入賞判定などの処理を行った後に、BET操作有効状態に制御するときにBET操作有効コマンドが送信される。そして、BET操作有効状態においてBET操作されることで、次のゲームのための賭数が設定される。なお、入賞判定の処理において、再遊技役に入賞してリプレイゲームが付与された場合には、BET操作有効状態には制御されず、BET操作無効状態が維持される。入賞判定の処理の結果が再遊技役の入賞以外の結果となる場合は、メイン制御部41はBET操作有効状態に制御する。
また、BET操作有効状態において、電断処理(メイン)が行われてBET操作無効状態になった後、電断から復帰してエラー状態にもならず、電断前の状態であるBET操作有効状態に復帰されたときにBET操作有効コマンドは送信される。また、BET操作有効状態において、エラー状態に移行してBET操作無効状態になった後、エラー状態が解除されてBET操作有効状態になったときにBET操作有効コマンドは送信される。また、ゲームを実行するための1単位の制御が完了したときに、リプレイゲームが付与されていない場合に、BET操作有効コマンドが送られる。
BET操作時コマンドは、MAXBETスイッチ6が操作されたことを特定可能なコマンドである。BET操作時コマンドは、MAXBETスイッチ6が操作され賭数の設定がされたときに送信される。メイン制御部41は、予め定められた最大の賭数が設定されているときは、MAXBETスイッチ6への操作を受け付けない。そのため、サブ制御部91は、BET操作時コマンドを受信したことに基づいて、BET操作無効状態であることを判定できる。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドである。投入枚数コマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
AT状態コマンドは、AT中か否か、ATの残りゲーム数などを特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、AT状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、特別役が当選しているか否かを特定可能な第1の内部当選コマンドと、一般役が当選しているか否かを特定可能な第2の内部当選コマンドと、を含む。第2の内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドが送信された後に送信される。
押し順コマンドは、停止順を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときであって、内部当選コマンドが送信された後に送信される。また、押し順コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送られる停止コマンドが送信された後にも送信される。なお、遊技者にとって有利となる停止順が報知されるナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲーム開始時から遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信される。一方、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定するまでは遊技者にとって有利な停止順を特定不能な押し順コマンドが送信され、有利な停止順が確定したときから遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
加速完了コマンドは、遊技の開始に伴うリールの加速が完了した旨を特定可能なコマン
ドであり、遊技が開始された際にリール2L,2C,2Rの回転が開始させた後、最初に全てのリール2L,2C,2Rが定速回転となったときに送信される。
停止操作有効コマンドは、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が有効であることを特定可能なコマンドである。停止操作有効コマンドは、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が受け付けられない停止操作無効状態から、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が受け付けられる停止操作有効状態に変化したときに送信される。より具体的には、ストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作が受け付けられる有効化条件が成立したときに送信される。
例えば、リール停止中である停止操作無効状態において、スタートスイッチ7が操作されてリール2L,2C,2Rが正常に回転され、回転中の全てのリールの基準位置がリールセンサによって検出され、かつ、リールが定速回転したことにより、有効化条件が成立して、停止操作有効状態に制御するときに停止操作有効コマンドが送信される。
また、リール2L,2C,2Rが停止している停止操作無効状態において、リール2L,2C,2Rが回転している状態で電断処理(メイン)が行われて停止操作無効状態になった後、電断から復帰して、電断前に回転していた全てのリール2L,2C,2Rが定速回転をして有効化条件が成立し、停止操作有効状態になったときに停止操作有効コマンドは送信される。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、停止操作時コマンドを受信したことに基づいて、そのリールを停止させるためのストップスイッチについて停止操作無効状態になったことを判定できる。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたことおよび停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したとき
であり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施形態では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止コマンドは、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。サブ制御部91は、打止状態の発生に基づく打止コマンドを受信した場合は、遊技の進行が規制されていると判定し、各操作手段への操作が無効状態であると判定することができる。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーコマンドは、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。サブ制御部91は、エラーの発生に基づくエラーコマンドを受信した場合は、遊技の進行が不能化されていると判定し、各操作手段への操作が無効状態であると判定することができる。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドである。設定コマンドは、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドにより、サブ制御部91はメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認コマンドは、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉鎖状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、およびドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)したときに送信される。
これらコマンドは、メイン処理またはタイマ割込処理(メイン)において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
[サブ制御部が実行する演出の制御について]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定する。サブ制御部91は、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51などの各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51などの演出装置の制御パターンが登録されている。サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。例えば、サブ制御部91は、第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドに基づいてナビ演出を実行する。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
[内部当選コマンド設定処理]
メイン制御部41が行う内部抽選の後に実行される内部当選コマンド設定処理について、図21〜図23に基づいて説明する。
本実施形態では、抽選対象役の種類ごとに当選番号が予め割り当てられており、持ち越されることがある特別役の種類ごとの当選番号が設定された特別役当選番号テーブルと、持ち越されることがない一般役の種類ごとの当選番号が設定された一般役当選番号テーブルとがROM41bの所定領域に格納されている。
図21に示すように、特別役当選番号テーブルでは、いずれの特別役も当選していない場合、すなわちはずれの当選番号は、「0」が、BB1〜3、RBの当選番号として「1」〜「4」が割り当てられている。また、図22に示すように、一般役当選番号テーブルでは、いずれの一般役も当選していない場合、すなわちはずれの場合の当選番号として「0」が、再遊技役の当選番号として「1」〜「10」が、小役の当選番号として「20」〜「35」が割り当てられている。このように、特別役当選番号テーブルおよび一般役当選番号テーブルでは、内部抽選の抽選対象役と当選番号とが対応して設定されている。
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選処理において当選番号を設定した後、内部当選コマンド設定処理を実行して、RAM41cの所定領域に設定されている内部当選番号に基づいて第1の内部当選コマンドおよび第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定し、その後のタイマ割込処理(メイン)により、第1の内部当選コマンドおよび第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
具体的には、図23に示すように、内部当選コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を取得する(Sf1)。その後、取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf2)。設定した送信用当選番号に基づいて第1の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する。
第1の内部当選コマンドを格納した後に、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号を取得する(Sf4)。取得した当選番号が、2未満であるか否か(Sf5)、11未満であるか否か(Sf6)、23未満であるか否か(Sf7)、35未満であるか否か(Sf8)、を順次判定して、取得した当選番号が予め定められた複数の所定範囲のいずれの範囲にあるかを判定する。
当選番号が2未満であると判定した場合、すなわち当選番号が0または1である場合には、当該取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf9)。当選番号が2〜10のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に2を設定する(Sf10)。当選番号が20〜22のいずれかである場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf9)。当選番号が23〜34のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に23を設定する(Sf10)。当選番号が35である場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf9)。
Sf9、Sf10、Sf11のステップにおいて一般役の送信用当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用当選番号に基づいて第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する。第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納した後は、内部当選コマンド設定処理を終了してメイン処理(メイン)に戻る。
このように、本実施形態の内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第1の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号が第1の所定範囲(0〜1、11〜22、35)内にある場合には、当該当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第1の所定範囲(0〜1、11〜22、35)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて内部抽選による当選番号を特定できるようになっている。
一方、当選番号が第2の所定範囲(2〜10)内にある場合には、第2の所定範囲に含まれる一の当選番号(2)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第2の所定範囲(2〜10)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号
が第2の所定範囲(2〜10)の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第2の所定範囲(2〜10)内にあることを特定できるようになっている。
また、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)内にある場合には、第3の所定範囲に含まれる一の当選番号(23)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第3の所定範囲(23〜34)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)内にあることを特定できるようになっている。
本実施形態の内部当選コマンド設定処理において設定された第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
なお、本実施形態では、特別役および一般役の当選番号を別々に分けて割り当てる構成だが、特別役と一般役とに分けずに当選番号を割り当てる構成、例えば、「BB1」、「小役」、「BB1+同時に当選する小役(例えば、図11に示すBB1+強チェリーなど)」を夫々一の抽選対象役として当選番号を割り当てる構成であってもよい。このような構成では、メイン制御部41は、内部抽選の結果に応じて一の当選番号をRAM41cの所定領域に設定することで、当該一の当選番号のみに基づいて特別役および小役が当選しているか否かを判定して、所定制御(内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L,2C,2Rの停止制御など)を行うことができる。
[押し順コマンド送信処理]
次に、メイン制御部41が行う押し順コマンド送信処理について、図21、図22、図24および図25に基づいて説明する。
本実施形態では、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能なナビ番号(0〜9)、およびナビ報知により示唆する所定の図柄を識別可能なナビ番号(10〜13)が予め割り当てられている。抽選対象役のうち報知対象役は、その種類ごとにナビ番号が予め割り当てられており、抽選対象役の種類ごとのナビ番号が設定されたナビ番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。
図24に示すように、ナビ番号として、標準押し順(本実施形態では、左リール2Lを第1停止とする停止順)を示す0、リールの停止順のうち、左リール2Lを第1停止とする停止順以外を示す1〜9、入賞ラインLN上に停止する図柄を示す10〜13が設定されている。
なお、本実施形態では、ナビ番号0により特定される標準押し順として、左リール2Lを第1停止とする停止順を適用しているが、標準押し順は、遊技者にとって不利にも有利にもならない標準的な押し順であれば、他の停止順であってもよい。
図21に示すように、特別役の種類ごとにナビ番号10〜13のうちのいずれかが設定されており、特別役が当選していないはずれの場合には、0が設定されている。図22に示すように、ナビ番号テーブルでは、抽選対象役のうち報知対象役について、その種類ごとにナビ番号が設定されており、報知対象役ではない抽選対象役については、ナビ番号が設定されていない。
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたとき、および各リール2L,2C,2Rの停止操作が行われたときに、RAM41cの所定領域に設定されている一般役の当選番号に応じた押し順コマンドをコマンドキューに設定する押し順コマンド設定処理を実行し、その後のタイマ割込処理(メイン)により、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
具体的には、図25に示すように、押し順コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役および一般役の当選番号を取得する(Sg1)。その後、ナビ報知が行われる状態であるか否かを判定する(Sg2)。ナビ報知が行われる状態でないと判定した場合は、リール2L,2C,2Rの停止状況および内部抽選の結果に基づいて、入賞ラインLNに停止する役が確定しているか否かを判定し(Sg5)する。入賞ラインLNに停止する役が確定していない場合は、標準ナビ番号(本実施形態では、0)を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sg6)。
一方、Sg2のステップにおいてナビ報知が行われる状態であると判定した場合、またはSg5のステップで入賞ラインLNに停止する役が確定していると判定した場合は、ROM41bの所定領域に記憶されているナビ番号テーブル(図21、図22参照)を参照して、Sg1のステップで取得した特別役および一般役の当選番号に対応するナビ番号を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する。
Sg3のステップまたはSg6のステップにおいて送信用ナビ番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用ナビ番号に基づいて押し順コマンドをコマンドキューに格納する(Sg4)。Sg4のステップにおいて押し順コマンドをコマンドキューに格納した後は、押し順コマンド設定処理を終了してメイン処理(メイン)に戻る。
このように、メイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、押し順コマンド設定処理を実行することで、ナビ報知の実行中である場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。一方、ナビ報知の実行中でない場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定不可能であり、遊技者にとって不利にも有利にも標準的な押し順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。
また、メイン制御部41は、停止操作が行われるごとに、押し順コマンド設定処理を実行することで、ナビ報知の実行中でない場合であっても、入賞ラインLNに停止する役が確定している場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。押し順コマンド設定処理において設定された押し順コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
[入賞判定コマンド設定処理]
次に、メイン制御部41が行う入賞判定コマンド設定処理について、図5〜図7および図26に基づいて説明する。
本実施形態では、図5〜図7に示すように、特別役および一般役について入賞役の種類ごとに入賞番号(0〜49、64〜67)が予め割り当てられており、入賞役の種類ごとに入賞番号が設定された入賞番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。
メイン制御部41は、スタート操作が行われた後、全てのリール2L,2C,2Rが停止したときに、各リール2L,2C,2Rに停止された図柄の組合せに応じて入賞が発生
したか否かを判定する入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していると判定した場合には、入賞番号テーブルを参照して停止している入賞役を構成する図柄の組合せに対応する入賞番号をRAM41cの所定領域に設定する。一方、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していないと判定した場合には、はずれを示す「0」を入賞番号としてRAM41cの所定領域に設定して、入賞判定処理を終了する。
メイン制御部41は、入賞判定処理を実行した後、入賞番号を特定可能な入賞判定コマンドをコマンドキューに設定する入賞判定コマンド設定処理を実行する。図26に示すように、入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理における入賞判定結果に基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得する(Sh1)。取得した入賞番号に基づいて入賞判定コマンドをコマンドキューに格納して(Sh2)、入賞判定コマンド設定処理を終了する。入賞判定コマンド設定処理において設定された入賞判定コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信される。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、全てのリール2L,2C,2Rが停止されたときに、入賞判定コマンド設定処理を実行して、入賞番号を含む入賞判定コマンドを設定し、入賞判定コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
また、本実施形態の入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理においてRAM41cに設定された入賞番号を、そのまま含む入賞判定コマンドをコマンドキューに設定するので、入賞番号を特定可能な特殊なコマンドなどに変換する処理を行うことなく、処理負荷を削減することができる。
また、本実施形態では、入賞役の種類ごとに入賞番号が割り当てられてROM41bの所定領域に格納されている。そのため、入賞番号を含む入賞判定コマンドを受信したサブ制御部91では、入賞番号に基づいて各リール2L,2C,2Rに停止している図柄の組合せを特定して、演出を実行することができる。
従来のスロットマシンは、ATに制御しているか否かに関わらず、遊技制御部が内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドを演出制御部に対して送信し、演出制御部が内部当選コマンドに基づいて内部抽選結果を特定し、遊技制御部においてATに制御されている場合には、特定した内部抽選結果に基づいて遊技者にとって有利な操作手順を報知するナビ演出を実行する構成である。
このような構成では、演出制御部側に不正がなされることで、遊技制御部においてATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作手順が特定され、当該操作手順が演出制御部により報知されてしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御されているか否かに関わらず、報知対象役に当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように第2の内部当選コマンドを設定する。そのため、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できる。また、第2の内部当選コマンドからは内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることない。これにより、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、内部当選により当選した報知対象役に応じて遊技者にとって有利なリール2L,2C,2Rの停止順をナビ報知により報知する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知により、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様を報知する構成であってもよい。
本実施形態では、報知対象役が押し順リプレイであるか押し順ベルであるかを特定できるように第2の内部当選コマンドを設定するため、サブ制御部91側で報知対象役が押し順リプレイであるか押し順ベルであるかを特定することができる。これにより、サブ制御部91は、報知対象役の種類に応じて異なる演出を行うことができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ナビ報知が実行される状態においては、遊技者にとって有利な停止順を特定できる押し順コマンドを設定する押し順コマンド設定処理を実行するため、ナビ報知が実行される状態においてサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順を報知するナビ演出を行うことができる。
また、本実施形態では、ナビ報知が実行される状態において内部抽選にて当選した報知対象役が異なる種類であっても、遊技者にとって有利な停止順が共通の場合に、共通のナビ番号を含む押し順コマンドを設定する。そのため、押し順コマンドの種類を削減することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、押し順コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらずナビ番号を設定する。そのため、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、ナビ番号を含む押し順コマンドを設定する処理を共通化することができる。
また、ナビ報知が実行されない状態において、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役となったときに、第1停止、第2停止の操作が行われたとき以降に、遊技者にとって有利な停止順を特定できるナビ番号を含む押し順コマンドを設定して送信する。そのため、遊技者にとって有利な停止順が特定されることを防止しつつ、内部抽選結果が報知対象役となったときにサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順で操作されたか否かに応じた演出を行うことができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知が実行されない状態で報知対象役に当選した場合、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なナビ番号を含む押し順コマンドを設定して送信する構成である。しかし、停止する役が確定した後に送信される遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドは、押し順コマンドとは別のコマンドでもあってもよい。例えば、内部抽選にて当選した報知対象役の当選番号を含む別のコマンドを送信する構成であってもよい。また、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なナビ番号を含む別途コマンドを設ける構成であってもよい。このような構成においては、メイン制御部41は、内部抽選が行われたときにのみ、押し順コマンド設定処理を実行し、その後、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドを設定する処理を行う構成とすることで、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知を行う状態である場合に、内部抽選が行われたときにのみ、押し順コマンド設定処理を実行する構成であってもよい。このような構成とすることで、ナビ報知を行う状態である場合に、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
本実施形態では、図22に示すように、報知対象役に設定される当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられている。また、図23に示すように、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できる。これにより、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
また、本実施形態では、押し順リプレイに設定される当選番号として、第1の数値範囲(2〜10)の連続する数値が割り当てられている。一方、押し順ベルに設定される当選番号として、第2の数値範囲(23〜34)の連続する数値が割り当てられている。そのため、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選番号が第1の数値範囲であるか、第2の数値範囲であるかに応じて、内部抽選結果が押し順リプレイであるか、押し順ベルであるかを判定できる。これにより、内部当選コマンド設定処理において第2の内部当選コマンドを設定する処理を簡素化できる。
また、本実施形態において、遊技状態に関わらず、押し順リプレイに設定される当選番号は、いずれも第1の数値範囲(2〜10)である。そのため、内部当選コマンド設定処理において、遊技状態に関わらず、内部抽選結果が押し順リプレイであるか否かを判定するための処理を共通化できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ATに制御していない状態において、内部抽選結果が、報知対象役であっても報知対象役以外の役またははずれであっても、内部抽選結果に対応する当選番号を含む第2の内部当選コマンドを送信する。そのため、内部抽選結果が報知対象役であるか否かかかわらず、第2の内部当選コマンドを作成して送信する処理を共通化することができる。
なお、本実施形態のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御されている状態か否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する構成である。しかし、ATに制御されている状態であるときには、当選した報知対象役の種類を特定可能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であってもよい。このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できる。そのため、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができる。また、このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から内部抽選における抽選対象役の当選番号を特定できる。そのため、内部当選した抽選対象役に含まれる入賞役の種類に応じた演出、例えば、リプレイGR11が当選している場合に、リプレイGR11に含まれる中段プレイが入賞する可能性を示唆する演出を行うことができる。また、このような構成では、メイン制御部41は、押し順コマンド設定処理を実行せず、押し順コマンドを送信しない構成としてもよい。このような構成とすることで、ATに制御されている状態においては、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施形態で示した当選番号は一例であって、押し順リプレイの当選番号と押し順ベルの当選番号とは、それぞれが連続する数値範囲に設定されていればよい。また、非報知対象役の当選番号について、全ての非報知対象役の当選番号が連続して設定される構成であってもよい。このような構成とすることで、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できる。これにより、第2の内部当選コマンドを送
信する際の処理を簡素化できるとともに、非報知対象役に対して割り当てられた当選番号が所定の数値範囲にあるか否かを判定する処理を簡素化することができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、遊技状態に関わらず、同じ種類の報知対象役のグループ(本実施形態では、押し順リプレイのグループ、押し順ベルのグループ)ごとに一律に同じ送信用当選番号(本実施形態では、押し順リプレイのグループに対して「2」、押し順ベルのグループに対して一律に「23」)を設定して送信する構成である。しかし、内部当選コマンド設定処理において、同じ送信用当選番号が設定される報知対象役のグループは、少なくとも、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないようにすればよい。例えば、一の遊技状態において抽選対象となる同じ種類の報知対象役のグループについては、一のグループごとに遊技者にとって有利な役が一ずつ含まれるように複数のグループに分けて、分けられたグループごとに異なる送信用当選番号を設定する構成としてもよい。これにより、サブ制御部91側で複数のグループのうちいずれかのグループに属する報知対象役が当選したかを特定し、特定したグループに応じた演出を実行することが可能となる。
[遊技補助表示器を用いて行う各種の報知に関する制御について]
次に、本実施形態のメイン制御部41が遊技補助表示器12を用いて行う各種の報知に関する制御について、図27〜図29に基づいて説明する。
図27に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L、12Rからなる。各セグメントは赤色に点灯させることが可能である。遊技補助表示器12の各セグメントは、遊技制御基板40上に設けられた所定の出力バッファに格納されている点灯態様データに基づいて、LED駆動回路47により駆動されることで、所定の点灯態様での点灯状態または消灯状態に制御されるようになっている。なお、遊技補助表示器12として、それぞれのセグメントを白色、桃色、黄色、橙色、赤色、緑色、青色などのいずれかの色または複数色に点灯させることが可能な表示器や液晶表示器などを用いてもよい。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに点灯態様データとしてナビ報知表示データを設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させ、ナビ報知を行うことが可能である。また、出力バッファに点灯態様データとして払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に入賞の発生により付与されるメダルの枚数を表示させる払出枚数報知を行うことが可能である。さらに、出力バッファに点灯態様データとしてエラー表示データを設定することで、遊技補助表示器12にエラー状態中にその内容を示すエラーコードを表示させるエラー報知(メイン)を実行できる。
メイン制御部41は、内部抽選の結果を参照し、特別役(BB1〜3、RB)のいずれかが当選しており、かつ特別役の当選後、所定数(例えば、5ゲーム)が行われることで成立する所定の特別役のナビ報知の実施条件が成立しているか否かを判定する。特別役のナビ報知の実施条件が成立している場合には、特別役のナビ報知の実施条件が成立したことに伴いナビ報知を行う旨を示すフラグをRAM41cの所定領域に設定し、押し順コマンド設定処理を行う。押し順コマンド設定処理にて当該フラグが参照されることで、当選している特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(10〜13)が送信用ナビ番号として設定されることとなる。
押し順コマンド設定処理が終了した後に、遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理を行う。遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理では、特別役を構成する図
柄を示唆するナビ報知を実行しない場合には、押し順コマンド送信処理によりRAM41cの所定領域に設定されたリールの停止順を識別可能な送信用ナビ番号(「0」〜「9」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを出力バッファに設定する。一方、特別役を構成する図柄を示唆するナビ報知を実行する場合には、押し順コマンド送信処理により設定された所定の図柄を識別可能な送信用ナビ番号(「10」〜「13」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを選択して出力バッファに設定する。
図28(a)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知表示データを設定する際に、ナビ番号が標準押し順の番号「0」であり、ナビ報知を行わないときには、ナビ報知表示データとして出力バッファの初期値を設定する。すなわち、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、各表示器12L、12Rの第1〜第8セグメントを全て消灯状態に設定することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する。また、ナビ番号が標準押し順以外のナビ番号「1」〜「9」のいずれかであり、ナビ報知を行うときには、ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合に、特別役に応じた図柄を示唆するナビ番号を含むナビ報知表示データを選択した場合には、当該ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。
報知される停止順ごとに、点灯するセグメントの組合せが異なるため、点灯中のセグメントの組合せからナビ番号を識別可能に表示することができる。これにより、ナビ報知として、内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利となる停止順を、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合には、当選している特別役に応じた図柄(青7、赤7、白7、BAR)が示唆されるナビ番号(「10」〜「13」)を認識可能に表示することで、遊技者にとって有利な停止操作のタイミングとして所定の図柄を示唆するになっている。これにより、ナビ報知として、特別役を入賞させることが可能な停止操作のタイミングを、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、メイン制御部41は、ナビ報知を行うときには、ナビ番号とともに表示器12Rの第8セグメインを点灯状態に制御する一方で、ナビ報知を行わないときには、表示器12Rの第8セグメインを消灯状態に制御する。これにより、ナビ報知が実行されているか否かが遊技補助表示器12の点灯態様により認識できるようになっている。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームが進行されて、全てのリール2L,2C,2Rが停止されたときに、いずれかの役の入賞が発生しているか否かを判定し、払い出しを伴ういずれかの役(小役)の入賞が発生している場合には、当該入賞の発生により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして出力バッファに設定して、遊技補助表示器12に払い出されるメダル枚数を表示させる。
図28(b)に示すように、払出枚数表示データを出力バッファに設定する際には、メダルの払出枚数を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするし、第8セグメントを含む他のセグメントを消灯状態とする払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示するように制御する。遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる際には、表示器12Rの第8セグメントを消灯状態に制御する。そのため、ナビ報知での点灯態様と払い出し
メダル枚数の報知での点灯態様とが異なる点灯態様となり、遊技補助表示器12でナビ報知が行われているか、払い出されるメダルの枚数の報知が行われているかが誤認されることのないようになっている。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの進行中にエラーを検出したときには、当該エラーの種類に応じて予め定められているエラーコード(E1〜E8、図29参照)をRAM41cの所定領域に設定する。設定した後、所定のエラー表示条件が成立したときに、RAM41cに設定されているエラーコードを含むエラー表示データを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。所定のエラー表示条件とは、リールの回転制御中にエラーを検出した場合には、全てのリールが停止されることであり、リールの回転制御中以外のときにエラーを検出したことである。
図29に示すように、メイン制御部41は、エラー表示データを設定する際には、エラーコードの英字および数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするエラー表示データを出力バッファに設定する。これにより、遊技補助表示器12に検出されたエラーの種類を特定可能なエラーコードを表示させるように制御する。予め定められている所定のエラー解除条件(図29参照)が成立したときに、出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12でのエラーコードの表示を終了させる。エラー表示データでは、表示器12Lの第1、2、4、5、7セグメントを点灯させることで、「E」の文字を表示するとともに、表示器12Rのセグメントのうちエラーコードの数字に対応するセグメントを点灯させる。遊技補助表示器12にエラーコードを表示させる際には、ナビ報知や払出枚数表示では、表示されることがない英字「E」を表示器12Lに表示させるように点灯態様を制御する。そのため、エラーコードを報知する際の点灯態様は、ナビ報知での点灯態様、払い出しメダル枚数の報知での点灯態様と異なる点灯態様となり、遊技補助表示器12によりエラーコードの報知が行われているか、ナビ報知、払い出されるメダルの枚数の報知が行われているかが誤認されることのないようになっている。
本実施形態のメイン制御部41は、メイン制御部41が制御する遊技補助表示器12に、所定内容として、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数と、発生しているエラーの内容を示すエラーコードとを表示させることが可能である。また、遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として、遊技者にとって有利な有利操作態様を識別可能なナビ番号を表示させることが可能である。そのため、メイン制御部41側が直接制御する遊技補助表示器12でナビ番号を表示させる場合に、所定内容を表示させる表示手段を利用してナビ番号を表示させることができる。これにより、新たな表示手段を設けることなく、所定内容もナビ番号も表示することができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様として、操作タイミングに係る操作態様、または、操作順に係る操作態様をナビ報知により報知する構成であるが、これらの組合せによる操作態様などを報知する構成であってもよい。
[遊技補助表示器の点灯態様を切替えるタイミングについて]
次に、メイン制御部41がゲームの進行状況などに応じて遊技補助表示器12の点灯態様を切り替えるタイミングについて、図30および図31に基づいて説明する。
図30(a)を用いて、ナビ報知が行われない場合について説明する。図30(a)に示すように、メイン制御部41は、ゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されるときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の全てのセグメントを消灯させて非表示に制御する。規定数の賭数が設定された状態でスタート操
作が行われることで、リール2L,2C,2Rの回転制御を開始させる。この際、RAM41cの所定領域を参照して標準押し順のナビ番号「0」が設定されており、ナビ報知を行わない場合には、遊技補助表示器12の全てのセグメントを消灯させた状態で維持する。そして、第3停止の操作が行われた後、全てリール2L,2C,2Rが停止されたときに、いずれかの小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。その後、次のゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されることで、遊技補助表示器12の出力バッファを再び初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御する。これにより、ナビ報知を行わないゲームにおいては、1以上の賭数が設定されるときから、入賞によりメダルの払い出しが開始されるときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12が非表示に制御される。その後、全てのリール2L,2C,2Rが停止されてメダルの払い出しが開始されたときから、1以上の賭数が設定されるか、または待機条件(一定時間操作がないこと、精算操作がされること)が成立して待機状態に移行するまでの期間にわたり、遊技補助表示器12に払出枚数表示としてメダルの枚数を表示させるように制御される。なお、第3停止の操作が行われて、全てリール2L,2C,2Rが停止されたときに、再遊技役が入賞している場合および、いずれの入賞も発生していない場合には、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定しないことで、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示で維持する。すなわち、再遊技役が入賞している場合および、いずれの入賞も発生していない場合には、一のゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されるときから、次のゲームを開始させるために賭数が設定されるときまでの期間である一のゲーム中の全ての期間にわたって、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御する。
図30(b)を用いて、ナビ報知を行う場合について説明する。図30(b)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知を行う場合には、規定数の賭数が設定された状態でスタート操作が行われた後に、ゲームに関するリール2L,2C,2Rの回転制御を開始させるときに、RAM41cの所定領域を参照して該当するナビ番号を表示させるナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させる。その後、第3停止のストップスイッチの操作が行われ、当該ストップスイッチが離されたときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御し、その後、所定の待機期間にわたり待機する。所定の待機期間が経過した後に、いずれかの小役の入賞が発生しているか否かを判定し、小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。これにより、ナビ報知を行うゲームにおいては、ゲームの開始に伴ってリールの回転が開始されたときから、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知としてナビ番号が継続して表示されるように制御される。その後、出力バッファが初期化されることで、遊技補助表示器12の点灯態様が一旦非表示に制御された後、全てのリール2L,2C,2Rが停止されてメダルの払い出しが開始されたときから、1以上の賭数が設定されるときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12に払出枚数表示としてメダルの枚数が表示させるように制御される。
また、本実施形態のメイン制御部41は、少なくともいずれか1つのリールについて定速回転に制御しており、停止操作の受け付けを有効化している状態において、回転中のリールに回転状態に異常が生じていると判定した場合には、全てのリールについて停止操作の受け付けを無効とする。そして、メイン制御部41はリール回転異常が生じていると判定したリールについて、回転を再始動させるために再始動制御を行う。その後、回転中の全てのリールが正常に回転される場合に、停止操作の受け付けを再び有効化するようになっている。また、図30(b)に示すように、ナビ報知を行う場合には、リール2L,2
C,2Rの回転制御を開始させるときから、第3停止のストップスイッが離されたときまでの期間において、停止操作の受け付けが有効化されているか無効化されているかにかかわらず、遊技補助表示器12でのナビ番号の表示を継続させるようになっている。ここで、再始動制御を行ったものの、そのリールが正常に回転しなかった場合は、回転している全てのリールを停止させて、エラー状態にする。なお、再始動制御を実行する回数は1回以上であればよい。また、再始動制御を複数回実行してもリールが正常に回転しなかった場合に限り、全てのリールを停止させるようにしてもよい。このようにすることで、回転異常と判定される度に、遊技の進行が不能化されることがなく、遊技を円滑に進行させることができる。また、回転異常と判定されてから、再始動制御を行った後に停止操作の有効化条件が成立するまでの期間においては停止操作の受け付けを無効化するので、リールの回転が正常でない状況でリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、図30(b)に示すように、メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われた際には、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、押し順コマンドに基づきナビ番号を特定し、当該ナビ番号に基づいてナビ報知が行われることが特定される場合には、当該ナビ番号に基づいてナビ演出を実行する。
本実施形態のメイン制御部41のRAM41cは、スロットマシン1への電力供給が停止された場合であっても、バックアップ電源により電力が供給されることで記憶内容を保持することが可能である。具体的には、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断検出回路48の出力に基づいて電断が検出される場合には、RAM41cに設定されているメイン制御部41での制御状態を電断から復帰する際に復帰させることができるように電断処理を行う。その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、電断が検出されたときの制御状態で制御を開始することができるようになっている。
図31に示すように、メイン制御部41は、ゲームの進行に伴い少なくとも1つ以上のリールを回転制御しており、かつ遊技補助表示器12にナビ報知を行っている場合に、電断が検出されたときには、電断に関連する制御を行って、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御するとともに、回転制御を行っているリールのリールモータの励磁パターン、励磁制御のステップ数やナビ番号などを含む制御状態をスロットマシン1への電力供給が再開された際に、電断が検出されたときの内容で復帰させることができるように電断処理を行う。
その後、スロットマシン1への電力供給が再開されることで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させる。一方、制御状態のうち全てのストップスイッチによる停止操作の受け付け状態については、無効に変更して設定する。これにより、メイン制御部41は、全てのストップスイッチによる停止操作の受け付けが無効化されている状態で復帰する。
また、メイン制御部41は、制御状態を電断前の状態に復帰させる際に、ナビ番号、各リールのリールモータの励磁パターンおよびステップ数については、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていたままの内容で復帰させる。復帰した際には、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンド、およびナビ番号を特定可能な押し順コマンドを含むメイン制御部41側での制御状態を特定可能な各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後は、ゲーム開始時と共通の制御を実行して、RAM41cに設定されているナビ番号に基づいてナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させるように制御する。その後、RAM41cに設定されているリールモータの励磁パターンすなわち定速パターンに基づいて、電断前に回転制御していたリールのリールモータを電断
が検出されたときの励磁パターンのステップ数から励磁して、該当するリールを再び定速回転で回転させるように制御する。当該リールが定速回転となった場合に、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する制御を行う。
この際、該当するリールを再び定速回転で回転させる制御においては、電断が検出された時点で設定されている励磁パターンとして定速パターンに基づいて、該当するリールモータの回転制御を開始させることとなる。このような場合には、該当するリールの状態(回転状態または停止状態)によって、該当するリールが正常に回転される場合もあれば、正常に回転されない場合もある。正常に回転されない場合には、該当するリールについて正常に回転させるために再始動制御が行われる。
リールが正常に回転されて、当該リールが定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。その後、受け付けが有効化されたストップスイッチが操作されるまで待機し、ストップスイッチの操作が行われるときに、該当するリールを停止させる制御を行う。
これに対して、サブ制御部91は、電断から復帰した後、復帰コマンドを受信した後、押し順コマンドを受信する。サブ制御部91は、押し順コマンドにより特定されるナビ番号に基づいて、メイン制御部41側においてナビ報知が行われることが特定される場合にはナビ演出を再開させる。その後、ゲームの進行に応じて受信される各種コマンドに基づいて演出の制御を行う。
これにより、メイン制御部41では、電断から復帰し、押し順コマンドなどを送信した後、リールの回転制御を再開して、該当するリールが定速回転となることで、ストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。これに対して、サブ制御部91では、電断からの復帰後、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を再開させる。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41側において停止操作が有効化されるときには、既にナビ演出を行っている状態とすることができる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御する。そのため、電断が検出されたときから、スロットマシン1への電力供給が完全に停止するまでの期間において、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。また、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化し、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、出力バッファにナビ報知表示データを再設定するように制御する。そのため、電力供給が再開されたときからメイン制御部41が復帰するときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがない。
また、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定する。その後、電断が検出されたときに回転制御を行っていたリールを再び定速回転で回転させる制御を行う。該当するリールが定速回転となった場合に、当該リールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するように制御する。そのため、スロットマシン1への電力供給が再開された際には、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号の表示を開始させた後に、ストップスイッチによる停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。これにより、ナビ番号の表示が既に行われている状態で、停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。
例えば、遊技補助表示器12にてナビ報知を行っている状態で、電断が発生した場合に
、電断復帰後もナビ報知が行われることとなるが、電断復帰後に、ナビ報知が復帰する前に停止操作を有効化する構成とすると、報知される有利な操作態様とは異なる操作態様にて停止操作がされてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、有効化条件が成立した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。そのため、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況においてリール2L,2C,2Rが停止されてしまうことを防止できる。また、有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が再開されることとなる。そのため、ナビ報知が行われることで遊技者が有利操作態様が報知されることを知らずに、誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、電力供給が再開された後には、リールの停止状態に関わらず、電力供給が停止されたときと共通の表示態様にて遊技補助表示器12にナビ番号を表示させて、有利操作態様を報知するので、ナビ報知により有利操作態様を報知させる制御の再開に係る制御を簡素化することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。そのため、ゲームの開始後、有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることとなり、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
なお、ゲームの開始後、有効化条件が成立するまでに、ナビ報知を開始する構成であればよい。例えば、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに、ナビ報知を開始する構成であってもよい。また、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときから、有効化条件が成立するときまでの期間内のいずれかのタイミングでナビ報知を開始する構成であってもよい。
本実施形態のメイン制御部41は、有効化条件が成立した後、リールの回転状態に異常が検出されたときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを無効化し、再び有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを有効化する。その一方で、ナビ報知を開始した後は、リールの回転状態に異常が検出されたときでも、ナビ報知による有利操作態様の報知を継続する。そのため、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であるの。それに対して、サブ制御部91は、押し順コマンドに基づいて、メイン制御部41側にてナビ報知が行われる場合に、サブ制御部91側にて制御する液晶表示器51を用いて有利操作態様を報知することが可能である。そのため、有利操作態様を報知する際の演出効果を高めることができる。
本実施形態のメイン制御部41は、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開させるとともに、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後、リールの回転制御を開始して、有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを有効化する。そのため、有
効化条件が成立するよりも早いタイミングで有利操作態様を特定可能な押し順コマンドがサブ制御部91に対して送信されることとなる。これにより、サブ制御部91側において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときにストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作が有効となる前にナビ演出を開始させることが可能となる。その結果、遊技者が有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
[遊技補助表示器を用いてエラーを報知するタイミングについて]
次にエラーを検出したときに、遊技補助表示器12を用いてエラーを報知するタイミングについて、図32を用いて説明する。
本実施形態のメイン制御部41は、メイン処理やタイマ割込処理(メイン)において、メダルの払い出しに関するエラーやメダルの投入に関するエラー、リールの回転に関するエラーなどゲームに関する各種エラーの発生を検出可能になっている。各種エラーを検出した後に所定のエラー表示条件が成立したときに、エラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる。所定のエラー表示条件は、ゲームに伴いリールが回転制御されていない状態で各種エラーを検出した場合は、当該エラーを検出したときである。リールが回転制御されている状態で各種エラーを検出した場合は、所定のエラー表示条件は、全てのリールが停止されたときである。
図32に示すように、本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始時に遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を行う。その後、第3停止の操作が行われたストップスイッチが離されたときから所定の待機期間が経過したときに、入賞状況に応じて払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、メダルの払い出し枚数を表示させる構成である。このような構成において、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を開始したときから所定の待機期間が経過するまでの制限期間において、ゲームに関する各種エラーを検出しても、ゲームに関する制御を継続して行う。検出されたエラーは、制限期間が経過したときに報知する。具体的には、制限期間が経過したときに、検出されたエラーの内容を示すエラーコードをエラー表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させる制御を開始した後、エラー状態に制御する。制限期間中に検出されるエラーとしては、例えば、メダルの投入に関するエラー、リールの回転に関するエラーがある。
エラー状態に制御された後、検出された異常の種類に応じた解除条件(例えば、リセットスイッチ23の所定手順での操作など)が成立することで、ゲームの制御をエラー状態の制御を開始する前の時点から再開する。ゲームの制御を再開することで、第3停止の操作が行われて所定の定期期間が経過した後の制御が行われる。具体的には、いずれかの小役の入賞が発生しているか否かを判定し、小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を行っている状態で、各種エラーが検出された場合には、ナビ報知が終了されて所定の待機期間が経過したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定する。これにより、ナビ報知が開始されてから終了されるまでの期間においてエラー報知(メイン)が行われることを制限するようになっている。
従来のスロットマシンは、メイン制御部ではなく、サブ制御部が液晶表示器などを用い
て遊技者にとって有利な操作態様を報知していた。このような構成では、サブ制御部や液晶表示器に不具合が生じることで有利な操作態様が特定できず、遊技者に不利益が生じる虞があった。
また、メイン制御部41側で有利な操作態様を表示させる制御を行うとともに、遊技者に払い出されるメダル数が表示される遊技補助表示器12を利用して有利な操作態様を表示させるような遊技機であっても、一の表示器において遊技者に払い出されるメダル数と、遊技者にとって有利な操作態様と、がいずれも表示されることとなる。そのため、その際の表示が切り替わったときに表示内容を誤認させてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、所定内容として遊技者に払い出されるメダルの払出枚数や、遊技に関するエラーの発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能な遊技補助表示器12を備える。また、遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順および停止タイミング)を識別可能なナビ番号を表示させることが可能である。遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから所定内容を表示させる。そのため、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるかが誤認されてしまうことを防止できる。
なお、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから所定内容を表示させる構成であればよい。遊技補助表示器12が非表示の状態をされる期間は、少なくとも消灯したことを遊技者などが認識可能な期間であればよい。本実施形態では、メイン制御部41が遊技補助表示器12の出力バッファを初期化した後に待機する所定の待機期間を設けており、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、確実に遊技補助表示器12が非表示に制御するようになっている。
しかし、例えば、タイマ割込処理(メイン)が少なくとも1回行われるまで待機するようにしてもよい。タイマ割込処理(メイン)が行われて遊技補助表示器12の表示態様が切り替えられることとなるため、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間に、遊技補助表示器12を一旦消灯状態に制御することができる。また、例えば、第3停止のストップスイッチの操作が行われ、ストップスイッチが離されたときに、タイマを作動させて、タイマにより所定の待機時間の経過するまで待機するようにしてもよい。
また、本実施形態のメイン制御部41は、待機期間中は遊技補助表示器12を非表示の状態にすることとしたが、ゲームに関連しない表示を表示させてもよい。例えば、「‐」や「_」など表示させてもよい。
また、本実施形態のメイン制御部41は、払出枚数表示データを設定する際に、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの総枚数を表示させるデータを設定することで、メダルの払い出しが開始されてから完了するまでの期間にわたり、払い出されるメダルの総枚数が表示される構成である。しかし、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データとして0枚を表示させるデータを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出されるごとに、当該払出枚数表示データを、払い出されたメダルの枚数の合計数に更新する構成であってもよい。この場合、払い出しが完了したメダルの枚数の合計数を順次表示させることで、最終的に、小役の入賞に伴い払い出されたメダルの総枚数を表示させることができる。このような構成においても、本実施形態の構成と同様に、遊技補助表示器12にナビ番号を表示さ
せた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化する。そのため、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
このような構成において、払出枚数表示データの初期データとして0枚を示すとともに遊技補助表示器12での表示を非表示とするデータを設定してもよい。その後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出されるごとに払出枚数表示データを1ずつ加算するように更新してもよい。このような構成とすることで、払い出されたメダルの枚数が0枚である期間は、遊技補助表示器12が非表示に制御され、その後、1枚目のメダルの払い出しが検出された時点から、遊技補助表示器12が表示され、払い出しが完了したメダルの枚数の合計数が順次表示されることとなる。すなわち、1枚目のメダルの払い出しが検出されるまでは、遊技補助表示器12が非表示に制御される。
また、払出枚数表示データの初期データとして0枚を示すとともに遊技補助表示器12での表示を非表示とするデータを設定するタイミングを、ナビ報知が終了して所定の待機期間が経過したときとしてもよい。このような構成とすることで、ナビ報知が終了してから1枚目のメダルの払い出しが検出されるまで、遊技補助表示器12の表示を非表示の状態とすることができる。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始後、リール2L,2C,2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるときにから、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順および停止タイミング)を識別可能なナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させる。そのため、ゲームの開始から終了までの期間にわたり継続して遊技者にとって有利な有利操作態様を遊技者に対して認識させることができる。
なお、本実施形態では、ナビ番号の表示の開始タイミングをリール2L,2C,2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させたときとし、ナビ番号の表示の終了タイミングを第3停止操作のストップスイッチが離されたときとした。しかし、開始タイミングはゲームの進行に伴いストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効となるまでの一の開始タイミングであればよい。また、終了タイミングはストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された以降の一の終了タイミングであればよい。例えば、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7が操作されたとき、リール2L,2C,2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効となったときのいずれかの一のタイミングを開始タイミングとしてもよい。また、例えば、第3停止操作のストップスイッチが押下されたとき、全てのリール2L,2C,2Rが停止されたとき、入賞に伴いメダルの払出が開始または終了されたとき、次のゲームのために賭数の設定操作が行われたときのいずれか一のタイミングを終了タイミングとしてもよい。
終了タイミングを、第3停止操作のストップスイッチが押下されたときとしてもよい。この場合、第3停止操作のストップスイッチが押下されたときから、その後、全てのリール2L,2C,2Rが停止して入賞判定が行われるまでの期間において、遊技補助表示器12での表示内容を非表示とすることができる。そのため、入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数を表示させる場合に、ナビ番号と払出枚数とが誤認されてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様をゲーム中に表示させるのに対して、所定内容としての払出枚数をゲームの終了後に表示させる。そのため、遊技補助表示器12においてナビ番号の表示期間と、払出枚数の表示期間とが重複せずに済む。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に表示させるナビ番号の表示態様と、メダルの払出枚数の表示態様とは、共通の態様を含まない。そのため、ナビ番号が表示されているのか、所定内容として払出枚数が表示されているのか、が誤認されることを防止できる。
ここで、遊技補助表示器12に表示させる各種情報の表示態様とは、遊技補助表示器12の2つの表示器12L、12Rでの表示を一体の表示としたときの表示態様である。つまり、ナビ番号の表示態様が、払出枚数の表示態様の一部を含む構成やその逆の関係を含む構成であってもよい。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知での遊技補助表示器12の表示態様では、表示器12Lの第8セグメントを点灯させる一方で、払い出されるメダル枚数を報知する表示態様では、当該表示器12の第8セグメントを消灯させる。これにより、2つの表示器12L、12Rのうちの1つの表示器の表示態様により、ナビ報知での表示態様であるか払い出されるメダル枚数を報知する表示態様であるかを識別可能な構成である。しかし、少なくとも2つの表示器12L、12Rの表示態様を一体としてみたときに、ナビ報知による表示態様と払い出されるメダル枚数の報知による表示態様とを識別可能な構成としてもよい。このような構成として、例えば、ナビ報知においてナビ番号「8」を報知する際には、表示器12Lに「8」、表示器12Rに「‐」を表示さることで一体表示として「‐8」を表示させてもよい。その一方で、払い出されるメダル枚数の報知では、表示器12Lに「 」(表示無し)、表示器12Rに「8」を表示させることで一体表示として「 8」を表示させてもよい。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に、遊技者にとって有利な有利操作態様としてナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示にする。そのため、スロットマシン1への電力供給が停止されて、メイン制御部41などの作動が不安定となる電断時において、遊技補助表示器12で意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させている状態で、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の表示態様を非表示に制御する構成である。しかし、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であればよい。例えば、出力バッファに設定されているデータに基づいて、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47に対して制御信号を出力する出力ポートをクリアすることで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であってもよい。また、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47から遊技補助表示器12に対して出力される駆動信号の出力を制限することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であってもよい。
本実施形態のメイン制御部41は、ナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、スロットマシン1への電力供給が再開されて、電断前の状態に復帰する場合に、遊技補助表示器12にナビ番号を再表示させた後、電断前に回転制御されていたリールが定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチの操作受付を有効化するように制御する。これにより、電断復帰時に、ストップスイッチの操作受付が有効となる前に、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させる。そのため、誤ってナビ番号により示唆される有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチが操作されてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、リールが回転しているときに、所定内容としてエラーコードを表示することとなるエラーが検出された場合には、ゲームが終了するときに、遊技補助表示器12におけるエラーコードの表示を開始させる。そのため、ゲーム中においてエラーが検出されたときから、ゲームが終了するまので期間において、遊技補助表示器12に所定内容としてエラーコードを表示させることを制限する。これにより、遊技補助表示器12に表示された表示内容が有利操作態様を示すナビ番号であるか、所定内容としてのエラーコードであるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
なお、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させている状態で、ナビ番号以外の表示内容を表示させない構成であればよい。例えば、所定内容としてエラーコード以外の表示内容を適用する構成であってもよい。
[遊技補助表示器の出力バッファの設定に関する制御について]
次に、メイン制御部41が行う遊技補助表示器12の出力バッファの設定に関する制御について、図33に基づいて説明する。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、第1の表示内容として小役の入賞により付与されるメダルの払出枚数を表示させることが可能である。メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号を表示させることが可能である。さらに、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定することで、特別表示内容としてエラー発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能である。
メイン制御部41が、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データが設定されており、払出枚数を表示させている期間中にエラーを検出した場合について、図33(a)を用いて説明する。メイン制御部41は、遊技補助表示器12の表示内容を特別表示内容に切り替える所定の表示切替条件としてエラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御する。このとき、メイン制御部41は、出力バッファのデータをRAM41cの所定領域に退避させる退避処理を行って、出力バッファに設定されている払出枚数表示データをRAM41cの所定領域に退避させる。そして、出力バッファを一旦初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示に制御する。その後、メイン制御部41は、特別表示内容を表示させるためのデータとしてエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12に特別表示内容としてエラーコードを表示させる。
その後、リセットスイッチ23が所定の操作手順で操作さることで、エラー状態が解除される。これにより復帰条件が成立し、RAM41cに退避されているデータを出力バッファに復帰させる復帰処理が行なわれる。復帰処理においては、RAM41cの所定領域に退避させた第1の表示内容としての払出枚数を表示させるための払出枚数表示データを出力バッファに復帰させる。これにより、遊技補助表示器12に第1の表示内容として払出枚数が表示される。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、エラーを検出した後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定する。そのため、エラーを検出したときからエラー表示条件が成立するまでの期間において、遊技補助表示器12の表示内容が変更されることを制限して、当該期間の経過したときに、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させることができる。
なお、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出されるごとに、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するような構成において、払出枚数表示データを更新している途中で、例えば、ホッパーユニット34内のメダルが不足して払出エラー(E1)が検出された場合について考える。このような場合に、エラー表示条件が成立したならば、払出センサ34cにより最後に検出されたメダルの枚数(例えば、4枚目など)を表示させるための払出枚数表示データを退避領域に退避させる。その後、出力バッファを一旦初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示に制御し、払出エラーを示すエラー表示データを出力バッファに設定して、エラーコードを表示させる。復帰条件が成立したときには、払出枚数表示データとして、払出センサ34cにより最後に検出されたメダルの枚数(例えば、4枚目など)を表示させるための払出枚数表示データに基づいて、遊技補助表示器12での払出枚数の表示を、エラーが検出されたときの表示内容に復帰させる。
メイン制御部41は、第2の表示内容としてナビ番号を表示させている期間中にエラーを検出した場合について、図33(b)を用いて説明する。メイン制御部41は、エラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御するとともに、第1の表示内容を特別表示内容に切り替える際と共通の退避処理を行う。これにより、出力バッファに設定されているナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることができる。
そして、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定して、特別表示内容としてエラーコードを表示させる。その後、復帰条件が成立したときに、RAM41cに退避されている第1の表示内容のデータを出力バッファに復帰させる際と共通の復帰処理を行うことで、遊技補助表示器12にエラー検出前と同様のナビ番号を表示させることができる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに、払出枚数表示データが設定されている場合にも、ナビ報知表示データが設定されている場合にも、共通の退避処理を行うことで、払出枚数表示データ、ナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることができるようになっている。また、メイン制御部41は、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに復帰させる場合にも、RAM41cの所定領域に退避されているナビ報知表示データを当該出力バッファに復帰させる場合にも、共通の復帰処理を行うことで、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データ、ナビ報知表示データを出力バッファに復帰させることができるようになっている。
本実施形態のように、一の表示器において遊技者に払い出されるメダル数と、遊技者にとって有利な有利操作態様と、がいずれも表示される構成では、払い出されるメダル数を表示させるための表示処理と、有利操作態様を表示させるための表示処理とが互いに干渉して、遊技補助表示器に意図しない表示が行われる虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41が備える遊技補助表示器12は、出力バッファに所定のデータが設定されることで、当該所定のデータに基づく表示内容を表示させることが可能な構成であり、一のデータしか入らないようになっている。また、他の種類のデータを表示させる際には、出力バッファのデータを初期化するか、あるいは、RAM41cの所定領域に退避させる。そのため、異なる種類の情報をそれぞれ正しく表示させることができる。
また、共通の退避処理を実行することで、出力バッファに設定されている払出枚数表示データをRAM41cの所定領域に退避させること、出力バッファに設定されているナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることが可能である。そのため、こ
れらの表示内容を退避する退避処理の容量を軽減することができる。また、復帰処理についても同様に、共通の復帰処理を実行することで、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データを出力バッファに復帰させること、RAM41cの所定領域に退避されているナビ報知表示データを出力バッファに復帰させることが可能である。そのため、これらの表示内容を復帰させる復帰処理の容量を軽減することができる。
また、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の表示内容が非表示の状態であっても、特別表示内容を表示させる切り替え条件が成立したときに、共通の退避処理を実行することで、出力バッファに設定されている非表示のデータを、RAM41cの所定領域に退避させる構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技補助表示器12に表示されている表示内容に関わらず、特別表示内容を表示させる切り替え条件が成立したときの処理を共通化できるため、特別表示内容の表示させる切り替え条件が成立したときに行う処理の容量を軽減することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されることで、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示とする構成である。しかし、遊技補助表示器12に表示させている表示内容に関わらず、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化する構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技補助表示器12における表示状態に関わらず、電断時において、遊技補助表示器12に意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
[操作手段の態様について]
サブ制御部91は、操作手段を操作しても、その操作が受け付けられないような場合は、操作手段の態様を消灯態様にする。また、サブ制御部91は、操作手段への操作が受け付けられる状態であって、かつ、消灯条件が成立していないときに、操作手段の態様を点灯態様にする。ここで、操作が受け付けられるとは、その操作に基づいた制御が行われることを意味する。例えば、スタートスイッチ7への操作が受け付けられるとは、スタートスイッチ7を操作することにより、リールが回転し始めること、または、メイン制御部41が内部抽選処理を開始することを意味する。
消灯条件は、前面扉1bが開いていることを報知するドア開放報知が行われていること、または、エラー報知(サブ)が行われていることである。
つまり、サブ制御部91は、操作手段への操作を受け付ける状態であっても、消灯条件が成立している期間においては、その操作手段の態様を消灯態様にする。例えば、エラー報知(サブ)中にBET操作有効コマンドを受信して、BET操作有効状態であると判定した場合であっても、エラー報知(サブ)中はMAXBETスイッチ6の態様を消灯態様のままにする。
なお、操作手段には、メイン制御部41が制御するMAXBETスイッチ6やスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rなどの遊技を進行させるための操作に用いられる遊技用操作手段と、サブ制御部91が制御する演出用スイッチ56のような遊技の進行には用いられない操作手段であって、遊技の演出に用いられる演出用操作手段とが含まれる。
[エラー報知(サブ)]
サブ制御部91は、エラー状態中に液晶表示器51に検出されたエラーの内容を示すエラー報知(サブ)を行う。サブ制御部91は、エラーコマンドを受信したことで、エラー
状態であるか否かを判定することができる。サブ制御部91は、エラー状態中にエラー報知(サブ)を行う。エラー報知(サブ)としては、例えば、液晶表示器51に「エラー発生 店員を呼んでください」といった文字画像が表示される報知が行われる。なお、エラー報知(サブ)は、液晶表示器51を用いた報知に限らずスピーカ53,54を用いた報知や、スロットマシン1の前面扉1bの外周などに設けられた演出効果LED52を特定の色(例えば、赤色)に点灯させるような報知であってもよい。サブ制御部91は、エラーの発生に基づくエラーコマンドを受信してから、エラーの解除に基づくエラーコマンドを受信した後の所定期間(例えば、5秒間など)が経過したときまで、エラー報知(サブ)を実行する。つまり、エラー状態が解除された後の所定期間、エラーが報知される。
エラー状態が解除されて、遊技の進行が可能となった場合、操作手段への操作が受け付けられる有効状態となることがある。しかし、エラー報知(サブ)が行われているときは、操作手段の態様を消灯態様とする。つまり、エラー状態が解除されてからエラー報知(サブ)が終了するまでの所定期間においては、操作手段への操作が受け付けられるものの、操作手段の態様が消灯態様となる。また、操作手段が無効状態であるときに消灯態様となるため、遊技者は操作手段の態様が消灯態様のときは、その操作手段への操作が受け付けられないものと判断できる。そのため、操作手段への操作が受け付けられるような状況であっても、エラー報知(サブ)が実行されているような操作手段への操作が望まれないような場合に、操作手段の態様を消灯態様とするため、その操作手段が操作されることを防止することができる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)における異常判定処理において、異常を検出してから、その異常が解除されるまで、エラー報知(サブ)を行う。サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはないため、タイマ割込処理(サブ)における異常判定処理において、異常を検出した場合であっても、遊技の進行は不能化されない。そのため、操作手段への操作が受け付けられるような有効状態中に、サブ制御部91が異常を検出した場合であっても、無効状態にはならず、有効状態のままとなる。つまり、サブ制御部91が、異常を検出してから、その異常が解除されるまでは、エラー報知(サブ)されるものの、操作手段への操作が受け付けられる有効状態となり得る。このような場合であっても、エラー報知(サブ)中は、操作手段の態様を消灯態様とする。これにより、サブ制御部91が異常を検出したものの、その操作の進行を不能化できないような場合であっても、操作手段の態様を消灯態様とすることで、その操作手段が操作されて、遊技が進行してしまうことを防止することができる。
[ドア開放報知]
サブ制御部91は、前面扉1bが開いていることを報知するドア開放報知を行う。サブ制御部91は、ドアコマンドを受信したことで、前面扉1bが開いているか否かを判定することができる。サブ制御部91は、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がoffからonに変化したときにドア開放報知を行う。ドア開放報知としては、例えば、液晶表示器51に「ドア開放中」といった文字画像が表示される報知が行われる。なお、ドア開放報知は、液晶表示器51を用いた報知に限らずスピーカ53,54を用いた報知や、スロットマシン1の前面扉1bの外周などに設けられた演出効果LED52を特定の色(例えば、赤色)に点灯させるような報知であってもよい。
サブ制御部91は、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がoffからonに変化したときから、検出状態がonからoffに変化した後の所定期間(例えば、10秒間など)が経過したときまで、ドア開放報知を実行する。つまり、前面扉1bが閉まった後の所定期間、ドア開放報知が実行される。前面扉1bが開いているか、閉まっているかは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態によって判定される。そのため、前面扉1bが開いている状況であっても、ドア開放検出スイッチ25の信号が検出されなければ、メイン制御部
41は前面扉1bが閉まっていると判定する。例えば、検出状態がonからoffに変化した後すぐにドア開放報知を止めてしまうように構成した場合、不正の意図をもって前面扉1bを開けた後、すぐにドア開放検出スイッチ25の信号が検出されないような状態にされてしまうと、ドア開放報知が行われる期間が短くなり、スロットマシン1を管理する店員などが気づけない虞がある。検出状態がonからoffに変化した後の所定期間においてドア開放報知が行われることで、スロットマシン1を管理する店員などに前面扉1bが開いたことを知らせやすくすることができ、不正を防止できる。
メイン制御部41は、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がonであっても、遊技の進行を不能化させない。つまり、前面扉1bが開いている状況であっても、操作手段への操作は受け付けられる。これは、スロットマシン1を管理する店員などが、そのスロットマシン1が正常に動作するか否かを、前面扉1bを開けた状態で確認する場合があるためである。具体的には、リール回転異常が生じて、リールが停止してエラー状態になった場合に、店員などは前面扉1bを開けて、リール回転異常が生じた原因を特定する。店員などは、その原因を取り除いたうえで、エラー状態を解除させるが、エラー状態を解除した後に、リール回転異常が生じた原因が取り除かれたかを確認するため、スタートスイッチ7を操作してリールを回転させることがある。このように、エラーの発生原因が取り除かれたか否かを確認するために、前面扉1bを開けた状態で操作手段を操作することがある。
前面扉1bを開けた状態で行う操作があるものの、このような操作は遊技者ではなく、店員などのスロットマシン1を管理する管理者に求められる操作であって、遊技者による操作は求められない。サブ制御部91は、ドア開放報知中は、操作手段の操作態様を消灯態様にする。そのため、前面扉1bが開いているような、遊技者に操作手段への操作を求めていない状況において、操作手段が操作されてしまうことを防止できる。
なお、このように、エラー解除後に異常の原因が取り除かれたことを、店員などに行わせるために、操作を要求するような報知をしてもよい。このような場合に、メイン制御部41は、エラー解除後に操作要求状態に移行し、要求した操作が検出されたことに基づいて操作要求状態を解除するようにしてもよい。操作要求状態のまま、前面扉1bを閉めても、エラー報知(サブ)を所定期間経過しても維持するようにしてもよい。また、このとき、要求した操作に関する操作手段についてのみ操作を受け付けるようにしてもよい。
[ドア開放中の報知態様の一例]
図34を用いて、前面扉1bが開いているときの各種報知手段の報知態様を具体的に説明する。図34は、ドア開放中の報知態様を説明するためのタイミングチャートである。図34には、前面扉1b(ドア)が開いている(開放)か、閉まっている(閉鎖)かと、ドア開放報知が行われているか、ストップスイッチ8L,8C,8Rの有効無効、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rの点灯状態、遊技補助表示器12の表示態様を示す。図34においては、ナビ報知が行われる条件が成立しているものとする。タイミングt1においてリール2L,2C,2Rが回転して、遊技補助表示器12にナビ番号が表示されナビ報知が行われる。その後、リール2L,2C,2Rが定速回転をしてストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効となる有効化条件が成立したタイミングt2において、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が有効となる。また、タイミングt2において、メイン制御部41が停止操作有効コマンドをサブ制御部91に送信することで、サブ制御部91は、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを点灯する(onにする)。
タイミングt3において前面扉1bが開き、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がoffからonに変化すると、サブ制御部91にドアコマンドが送信され、サブ制御部91
は、ドア開放報知をするとともに、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを消灯する(offにする)。
タイミングt4において前面扉1bが閉まり、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がonからoffに変化すると、サブ制御部91にドアコマンドが送信される。サブ制御部91は、ドアコマンドを受信したt4から所定期間が経過したタイミングt5でドア開放報知を止めるとともに、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを点灯する(onにする)。
ここで、遊技補助表示器12の表示は、前面扉1bの開閉に関わらず変わらない。そのため、遊技者は、遊技補助表示器12の表示が切替わったことにより、ナビ報知の内容が変わったかもしれないと感じることなく、遊技を進めることができる。
本実施形態においては、ナビ報知がされているときに前面扉1bが開いたときを例に説明したが、払出枚数が表示されている場合に前面扉1bが開いたときも、ナビ番号が表示されているときと同様に、払出枚数の表示を前面扉1bの開閉に関わらず変わらないようにしてもよい。このようにすることで、遊技補助表示器12に表示された情報に関わらず処理を共通化することができ、メイン制御部41が実行する処理の負担を軽減できる。なお、前面扉1bを一旦開いたあとは、非表示に切り替え、前面扉1bを閉めたときも非表示を維持するようにしてもよい。また、前面扉1bを一旦開いたあとは、非表示に切り替え、再度前面扉1bを閉めたときに払出枚数を表示させるようにしてもよい。
また、図35においては小役に入賞したときを例にしたが、再遊技役に入賞したときは、再遊技役に入賞したことに基づいて、自動で賭数が設定される前にエラー状態に移行する。なお、再遊技役に入賞したことの報知を行った後にエラー状態に移行するようにすれば、遊技者はゲームの結果を知ったあとで、エラーが報知されるため、ゲームの結果が分からないままエラーが報知されるという不都合を解消できる。エラー状態が解除された後、自動で賭数が設定され、リプレイ中LEDが点灯する。
また、図34においては、遊技用操作手段であるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様について説明したが、演出用操作手段である演出用スイッチ56についても、演出用スイッチ56への操作を受け付けている状況で、前面扉1bが開いた場合は、演出用スイッチ有効LED56aは点灯態様から消灯態様にされる。また、前面扉1bが開いた場合であっても、演出用スイッチ56への操作は有効のままとなる。
[エラー報知中の報知態様の一例]
図35および図36を用いて、エラー報知中の各種報知手段の報知態様を具体的に説明する。図35はメイン制御部41がエラーを検出したときの報知態様を説明するためのタイミングチャートである。図36はメイン制御部41がエラーを検出したときの報知態様を説明するためのタイミングチャートである。図中の、状態(メイン)は、メイン制御部41がエラー状態に制御しているか否かを示す。エラー報知(サブ)は、サブ制御部91がエラー報知(サブ)を実行しているか否かを示す。MAXBETスイッチは、MAXBETスイッチ6への操作が受け付けられる(有効)か、受け付けられない(無効)かを示す。BETスイッチ有効LEDは、BETスイッチ有効LED6aが点灯(on)しているか、消灯(off)しているかを示す。状態(サブ)は、サブ制御部91がエラー状態に制御しているか否かを示す。
図35に示すように、リール2L,2C,2Rが回転しており、ナビ報知がされているタイミングt1において、メイン制御部41がエラーを検出したものとする。このとき、リール2L,2C,2Rが回転しており、賭数を設定することができないため、MAXB
ETスイッチ6への操作は無効となり、BETスイッチ有効LED6aも消灯している。その後、第3停止操作がされて、全てのリール2L,2C,2Rが停止したタイミングt2においてエラー状態に移行する。タイミングt2においてエラー状態に移行するため、メイン制御部41は、エラーコマンドをサブ制御部91に送信し、サブ制御部91はエラー報知(サブ)を開始する。また、メイン制御部41は、第3停止操作がされてから所定待機期間が経過したタイミングt3において、遊技補助表示器12にエラーコードを表示するエラー報知(メイン)を行う。その後、エラー解除操作が行われて、遊技の進行が可能となる。図35においては、小役に入賞したものとする。そのため、エラーの解除操作がされたタイミングt4において、遊技補助表示器12の表示がエラーコードの表示から、払出枚数の表示に切替わる。また、小役に入賞している場合は、次の遊技を開始するためには、賭数の設定が必要であるから、MAXBETスイッチ6への操作が有効となる。
エラー解除操作がされたタイミングt4において、メイン制御部41は、サブ制御部91に、エラー状態が解除された旨を示すエラーコマンドを送信する。サブ制御部91は、エラーコマンドを受信したタイミングt4から所定期間経過したタイミングt5において、エラー報知(サブ)を止めるとともに、MAXBETスイッチ6への操作が有効であるため、BETスイッチ有効LED6aを点灯する。その後、MAXBETスイッチ6が操作されたタイミングt6においてMAXBETスイッチ6への操作が無効となるとともに、BETスイッチ有効LED6aが消灯され、遊技補助表示器12の表示は初期化(非表示)される。
また、本実施形態においては、リール回転中にメイン制御部41がエラーを検出したときを例に説明したが、リールが停止しているときにエラーが検出された場合は、エラーが検出されたタイミングでエラー状態に移行する点が異なるのみで、その他の点は同様である。具体的には、MAXBETスイッチ6への操作が有効であって、払出枚数が表示されている、図35のタイミングt5からt6の間でエラーが検出された場合は、検出したタイミングでエラー状態に移行され、遊技の進行が不能化される。そのため、MAXBETスイッチ6への操作が受け付けられなくなるとともに、遊技補助表示器12の表示がエラーコードに切替わりエラー報知(メイン)が行われ、エラー報知(サブ)が行われ、BETスイッチ有効LED6aが消灯される。なお、払出枚数が報知されているときにエラーコードの表示に切り替える場合も、ナビ番号の表示からエラーコードの表示に切り替えるときと同様に、遊技補助表示器12の表示を一旦初期化してから切り替えてもよい。
その後、エラーの解除操作が行われると、エラー状態が解除されるとともにMAXBETスイッチ6の操作が受け付けられるようになるとともに、遊技補助表示器12の表示が払出枚数の表示に戻る。また、エラ状態が解除された段階ではエラー報知(サブ)は維持されたままとなり、BETスイッチ有効LED6aも消灯されたままとなる。なお、この場合に、払出枚数の表示ではなく、遊技補助表示器12の表示を初期表示に切り替えるようにしてもよい。エラー状態が解除されてから所定期間が経過したタイミングで、サブ制御部91はエラー報知(サブ)を止め、BETスイッチ有効LED6aを点灯する。
なお、図35において、サブ制御部91が実行するエラー報知(サブ)はエラーコマンドを受信したタイミングt2から開始される。しかし、エラー報知(サブ)を開始するタイミングをエラー報知(メイン)を開始するタイミングと合わせてもよい。この場合は、エラー報知(メイン)を開始したときにエラーコマンドを送信するようにしてもよい。これにより、メイン制御部41が実行するエラー報知(メイン)のタイミングとサブ制御部91が実行するエラー報知(サブ)のタイミングとを揃えることができる。また、メイン制御部41がエラー状態に移行するタイミングをナビ報知がされた後の所定待機期間が経過したときにしてもよい。また、非表示にすることなく、エラー報知(メイン)が行われるようにしてもよい。
次に図36を用いて、サブ制御部91がエラーを検出したときについて説明する。図36に示すように、リール2L,2C,2Rが回転しており、ナビ報知がされているタイミングt1において、サブ制御部91がエラーを検出したものとする。サブ制御部91がエラーを検出すると、サブ制御部91は、エラー状態に制御するとともに、エラー報知(サブ)を行い、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを消灯する。このとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作は有効のままである。また、遊技補助表示器12の表示も変わらない。
その後、タイミングt2において、サブ制御部91側で検出したエラーが解除されると、サブ制御部91はエラー状態を解除して、エラー報知を止めるとともに、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを点灯する。
その後、第3停止操作がされたタイミングt3においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が完了するとストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が無効となるとともに、サブ制御部91はストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを消灯する。また、メイン制御部41はタイミングt3において、第3停止操作がされて操作が離されたときに遊技補助表示器12の表示を初期化(非表示)する。
なお、図34から図36は一例であって、操作手段はMAXBETスイッチ6およびストップスイッチ8L,8C,8Rに限られない。たとえば、スタートスイッチ7、演出用スイッチ56であってもよい。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態のその他の変形例を説明する。
[エラー報知タイミング]
また、本実施形態のメイン制御部41は、リールが回転しているときに、エラーを検出した場合には、全てのリールが停止して、当該ゲームが終了したときに、当該エラーを報知する構成である。しかし、ゲームが開始されリールを回転制御している場合に、エラーを検出した場合には、エラーを検出したときに当該エラーを報知する構成としてもよい。その場合の具体的な各種報知手段の報知態様について、図37を用いて説明する。
ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が有効なときに、メイン制御部41がエラーを検出したものとする(タイミングt1)。このとき、メイン制御部41はすぐにエラー状態に制御し、遊技の進行を不能化する(ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作を無効にする)とともに、エラーコマンドをサブ制御部91に送信し、遊技補助表示器12の表示をエラーコードに切り替えエラー報知(メイン)を行う。サブ制御部91はタイミングt1において、エラーコマンドを受信し、エラー報知(サブ)を行い、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを消灯する。
その後、エラー解除操作がされたタイミングt2において、メイン制御部41はエラー状態を解除し、遊技の進行を可能にする(ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作を有効にする)とともに、エラーコマンドをサブ制御部91に送信し、遊技補助表示器12の表示をナビ番号に切り替えナビ報知を行う。サブ制御部91は、エラーコマンドを受信したt2から所定期間経過したt3において、エラー報知(サブ)を止めストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを点灯する。
また、エラーを報知するタイミングと、遊技の進行を不能化させるエラー状態に移行す
るタイミングとを変えるようにしてもよい。その場合の具体的な各種報知手段の報知態様について、図38を用いて説明する。
図38において、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が有効な状態でエラーを検出したタイミングt1において、メイン制御部41がサブ制御部91にエラーが検出された旨を特定可能なコマンドを送信してもよい。サブ制御部91は、エラーコマンドに基づいてエラーが検出されたと判定し、エラー報知(サブ)をするとともに、ストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rを消灯する。このタイミングt1において、メイン制御部41は遊技を不能化にするエラー状態に制御せず、リール2L,2C,2Rは回転したままであって、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作も有効である。その後、第3停止操作がされたタイミングt2において、メイン制御部41はエラー状態に移行する。タイミングt2において、小役に入賞したものとする。また、タイミングt2において、メイン制御部41は、第3停止操作が行われ、遊技者が1ゲーム中に実行する操作は完了しているものの、エラー状態に移行するため、MAXBETスイッチ6の操作は無効のままである。
その後、タイミングt3において、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の表示をエラーコードに切り替えエラー報知(メイン)を行う。その後、タイミングt4においてエラーの解除操作がされると、メイン制御部41はエラー状態を解除するとともに、サブ制御部91にエラーコマンドを送信し、遊技補助表示器12の表示をエラーコードから払出枚数に切り替え、MAXBETスイッチ6の操作を有効にする。
タイミングt4において、サブ制御部91は、エラーコマンドを受信し、エラーが解除されたと判定するものの、所定期間に亘ってエラー報知(サブ)を継続する。エラーが解除された後の所定期間経過したタイミングt5において、サブ制御部91はエラー報知を止めるとともに、BET有効LED6aを点灯する。
[エラー状態の移行タイミング]
本実施例において、エラー状態に移行するタイミングをリールが回転中のときは全てのリールが停止したときとしたが、リール回転中にエラー状態に移行するようにしてもよい。たとえば、エラーを検出したときにエラー状態に移行するようにしてもよい。また、ゲームを実行するための1単位の制御を完了した後にエラー状態に移行するようにしてもよい。例えば、エラー状態に移行するタイミングを入賞判定に関する処理を実行する前に行ってもいいし、払出しに関する処理を完了した後に実行するようにしてもよく、次の遊技に関する制御が開始する前であればよい。
また、エラーの種類によって、エラー状態の移行タイミングを変えるようにしてもよい。たとえば、RAM異常のような遊技結果に影響を及ぼすエラーが発生した場合は、発生したときにエラー状態に移行させ、満タンエラーのように遊技結果に影響を及ぼさないようなエラーについては、ゲームを実行するための1単位の制御を完了した後にエラー状態に移行させるようにしてもよい。また、不正の意図を持たずに遊技を進めている状況では起こり得ないRAM異常や投入エラーが発生したときのように、不正行為が行われている可能性が高い場合は、エラーを検出したときにエラー状態に移行して遊技の進行を不能化させるようにしてもよい。一方、満タンエラーが発生したときのように、不正行為が行われている可能性が低い場合は、ゲームを実行するための1単位の制御を完了した後にエラー状態に移行させるようにしてもよい。
また、不正行為により発生した可能性の低いエラーや、遊技結果に影響を及ぼさないようなエラーが発生した場合は、エラー報知はするものの、遊技の進行を不能化しないようにしてもよい。この場合であっても、エラーを解除した方がよく、遊技の進行を停止した
方がいいため、操作手段の態様は無効状態中の態様にする。これにより、遊技者が遊技を進めてしまうことを防止できる。その一方、遊技を早く進めたいような遊技者は、遊技を進めることができる。
[エラーの種類]
本実施形態において、エラーとして、遊技機の一つであるスロットマシン1において発生したエラーを説明したが、遊技機に接続された周辺機器にエラーが発生して、その遊技の進行を不能化させる場合や、遊技の進行を止めてもらった方がいい場合においても、メイン制御部41やサブ制御部91は、エラーを検出したと判定するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1の前面側が開放していることは異常と判定しないものとしたが、異常と判定するようにしてもよい。この場合は、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がoff状態となったときに、そのエラーが解除されたものと判定される。この場合は、図34に記載のドア開放報知に代わってエラー報知をするようにしてもよく、エラー報知中は操作手段への操作を受け付けられるようにしてもよい。また、図35に示すように、エラーが検出されてからエラー状態に移行するとともにエラー報知をし、エラー状態中は操作手段への操作は受け付けられないようにしてもよい。ただし、スロットマシン1の前面側が開放した状態で、店員などのスロットマシンの管理者が操作手段の操作を行うこともあるため、操作手段への操作は受け付けることができるようにしておいた方がよい。なお、スロットマシンの前面側を開放した状態で所定の操作を行うことで操作手段への操作を受け付けることができるようなモードに切り替えるようにしてもよい。この場合であっても、操作手段の態様は消灯態様のままとしておく。これにより、遊技者が誤って操作してしまうことを防止できる。なお、報知する異常としては、前面側が開放しているという異常が検出されている際に他の異常も検出されている場合は、他の異常の報知が優先される。
[操作手段の態様]
本実施形態において、操作手段の態様を点灯態様と消灯態様としたが、態様が異なればよく、たとえば、第1色(たとえば、青色)で点灯する状態と、第1色とは異なる第2色(たとえば、赤色)で点灯する状態を設けてもよい。また、点滅している態様と、点灯している態様とを設けてもよい。また、遊技者がその操作手段への操作が受け付けられない状況であると判断できる第1態様よりも、遊技者がその操作手段への操作が受け付けられる状況であると判断できる第2態様の方が目立つ態様であってもよい。目立つ態様とは、たとえば、消灯態様に対して点灯態様であるとか、目立つ色で点灯していることなどが挙げられる。遊技者がその操作手段への操作が受け付けられる状況であると判断できる状況においては、遊技者にその操作手段への操作を要求している状況であることもある。そのような状況において、操作手段を目立たせるために態様を目立つ第2態様とすることで、遊技者にその操作手段への操作を促すことができる。
[操作手段の態様の制御について]
本実施例においては、操作手段の態様をサブ制御部91が制御するものとした。しかし、メイン制御部41が制御するようにしてもよい。メイン制御部41が制御する場合にあっては、たとえば、エラー状態を解除した後、所定期間が経過したタイミングで操作手段の態様を制御するようにしてもよい。また、遊技補助表示器12にエラーコードが表示されている間は、操作手段を操作できるか否かに関わらず、操作手段の態様を、無効状態中の態様と同じようにしてもよい。
[前面扉1bの開閉検出方法]
本実施例においては、ドア開放検出スイッチ25からの信号が検出されたか否かに基づいて、前面扉1b(ドア)が開いたか否かをメイン制御部41が判定するとした。しかし
、前面扉1bを開放するための鍵が、スロットマシン1の鍵穴に入っているか否かによって、前面扉1bが開いたか否かを判定してもよい。
[遊技機について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
また、上記実施形態においては、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
また、上記実施形態においては、遊技機としてスロットマシン1を用いた場合について説明したが、これに限らず、遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、例えば、いわゆるパチンコ遊技機に適用することもできる。例えば、所定の遊技領域に遊技媒体(パチンコ玉)を打込んで遊技を行うパチンコ遊技機において、打込んだパチンコ玉が遊技領域に設けられた始動領域を通過することにより抽出した乱数に基づいて、大当りを発生させるか否か、大当りを発生させるときには当該大当り終了後において、大当りとなる確率が通常時よりも向上する確変状態に変動表示が所定回数(いわゆるST回数)行なわれるまで制御するか否かなどについて決定するものであってもよい。
このようなパチンコ遊技機における操作手段としては、遊技中に操作が要求されるプッシュボタンやスティックコントローラ、レバースイッチ、ジョグタイヤルが挙げられる。また、エラーとしては、本実施形態と同様に遊技の進行を管理する遊技制御部が検出するエラーと、演出の制御を行う演出制御部が検出するエラーとがある。
例えば、プッシュボタンを操作することで大当りが報知されるようなパチンコ遊技機について、具体的に説明する。プッシュボタンの操作が有効となったときにそのプッシュボタンの態様を消灯態様から有効である旨を示す点灯態様に切り換え、そのプッシュボタンへの操作を要求しているときに、パチンコ遊技機に備えられた可動式の部材にエラーが発生したときを考える。この場合に、エラーが発生したことが報知されるとともに、プッシュボタンの態様が消灯態様に切替わる。このときに、プッシュボタンの操作を無効にする。その後、エラーが解除され、プッシュボタンへの操作が有効になった後、所定期間に亘ってエラーの報知は維持され、プッシュボタンの態様も消灯態様のまま維持される。所定期間経過後、プッシュボタンの態様が点灯態様に切替わる。なお、プッシュボタンの操作を無効にするとしたが、有効のままにしてもよい。
このようにすることで、プッシュボタンへの操作が有効であっても、その操作が求めら
れていないエラー報知中にプッシュボタンへの操作が行われることを防止できる。
また、プッシュボタンの操作が有効となったときにそのプッシュボタンの態様を消灯態様から有効である旨を示す点灯態様に切り換え、そのプッシュボタンへの操作を要求しているときに、パチンコ遊技機の前面側が開放された場合について具体的に説明する。パチンコ遊技機は前面側が開放された場合であっても、プッシュボタンの操作は無効にならないものとする。この場合に、前面側が開放されている旨が報知されるとともに、プッシュボタンの態様は点灯態様から消灯態様に切替わる。その後、前面側が閉鎖されると、前面側が開放されている旨の報知は終了し、プッシュボタンの態様は消灯態様から点灯態様に切替わる。
このようにすることで、プッシュボタンへの操作が有効であっても、その操作が求められていないパチンコ遊技機の前面側が開放されている旨の報知中にプッシュボタンへの操作が行われることを防止できる。
パチンコ遊技機の前面側が開放されている旨の報知は、前面側が閉鎖された後も所定期間に亘って維持されるようにしてもよく、維持された場合も、報知中は操作手段の態様を消灯態様にする。解放されている旨の報知が所定期間に亘って維持されることで、パチンコ遊技機を管理する者にその旨を気づかせることができ、不正などを防止できる。
[ナビ報知の報知態様]
本実施形態のナビ報知では、遊技補助表示器12の表示態様がナビ番号となるように、ナビ番号に応じたセグメントの組合せを点灯させる構成である。しかし、ナビ報知として遊技補助表示器12の表示態様は、停止順を直接的に示すような表示態様(例えば、図39の変形例1)であってもよい。また、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表などがなければ容易に識別できない表示態様(例えば、図39の変形例2)であってもよい。
具体的には、図39において変形例1として示すように、例えば、左リール2Lのリール番号を「1」、中リール2Cのリール番号を「2」、右リール2Rのリール番号を「3」として、2つの遊技補助表示器12のうちの一方の表示器12Lに第1停止のリール番号を表示し、他方の表示器12Rに第2停止のリール番号を表示することでナビ報知として停止順を直接的に示唆してもよい。より具体的には、遊技補助表示器12に、「21」を表示させることで、中左右の停止順であることを示してもよい。また、青7の図柄を「b7」、赤7の図柄を「r7」、白7の図柄を「S7」、BARの図柄を「br」として、遊技補助表示器12に表示して青7、赤7、白7、BARの図柄を示唆することで、停止タイミングを直接的に示唆してもよい。
本実施例においては、遊技補助表示器12を用いてナビ報知、エラー報知(メイン)、払出枚数の報知を行うものとした。しかし、遊技補助表示器12とは別にナビ報知を行うためのナビ表示手段を設けてもよい。この場合に、ナビ報知が行われているときに前面扉1bが開いた場合に、ナビ報知を継続したまま、遊技補助表示器12にドアが開放していることを示す報知をしてもよい。また、エラーの報知中もナビ報知を維持するようにしてもよい。このように、ナビ表示手段を設けることで、ドアの開放に関する報知やエラーの報知を行っている間にナビ報知を維持することができる。その結果、ナビ報知によって報知された操作態様が変わってしまったのではないかという疑念を遊技者に与えることを防止できる。
[ナビ演出とナビ報知を実行するタイミング]
本実施形態では、サブ制御部91は、ナビ演出を行う場合には、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を開始させる構成である。しかし、ナビ演出が開始されるタイミングは、メイン制御部41側にてストップスイッチの停止操作が有効化される以前であればよい。例えば、リール加速情報コマンドを受信したタイミング、押し順コマンド受信した以降から遊技の開始に伴いリールを定速回転まで加速させる制御が完了した旨を示す加速完了コマンドを受信する以前までの期間内のタイミングなどであってもよい。
また、停止操作が有効化されるときに、ナビ報知とナビ演出とを開始する構成としてもよい。このようにすることで、ナビ報知が行われる状態であっても、スタート操作を行ったときから停止操作が有効化されるときまでの期間において、ナビ報知およびナビ演出により報知対象役の当選が示唆されることがない。そのため、スタート操作を行ったときから停止操作が有効化されるときまでの期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持できる。
また、ゲームに関するリールの回転を開始したとき以降に、ナビ報知とナビ演出とを開始する構成としてもよい。このような構成において、例えば、メイン制御部41が、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間において、遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御し、フリーズ状態においてリールを用いたリール演出を実行してもよい。このようにすることで、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間、すなわちフリーズ状態に制御されている期間において、ナビ報知およびナビ演出により報知対象役の当選が示唆されることがない。そのため、当該期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ナビ報知を開始した後、第3停止操作のストップスイッチが離され際に、当該ナビ報知を終了させ、遊技終了コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。そのため、サブ制御部91は、遊技終了コマンドを受信したことに基づいて、メイン制御部41側でのナビ報知が終了される際に、ナビ演出を終了させることが可能である。しかし、ナビ演出は、少なくとも停止順によってゲームの結果が変化する場合に行われる構成であれば良く、例えば、ナビ報知およびナビ演出により示唆される停止順以外の停止順でのストップスイッチが操作されることで報知対象役が入賞しないことが確定した場合、第1停止操作または第2停止操作が行われることで一の役のみが入賞することが確定した場合などにおいては、メイン制御部41側にてナビ報知が終了されるより前に、ナビ演出が終了される構成としてもよい。このような構成とすることで、ゲームの結果が確定した以降にもナビ演出が継続されないようにできる。
[電断の復帰について]
本実施形態では、スロットマシン1への電力供給が再び開始されたことで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させる構成である。特に、電断前に回転制御を行っていたリールについては、電断時点でのリールモータの励磁パターンおよびステップ数が設定されている状態で復帰させるようになっている。また、電断からの復帰時には、電断時点での励磁パターンすなわち定速パターンおよびステップ数からリールモータの励磁状態を変化させて、リールの回転を再開させるように制御した後、リールが正常に回転されない場合に、該当するリールの励磁パターンを始動パターンに再設定して回転を再始動させる再始動制御を行う構成である。しかし、メイン制御部41は、電断前にいずれかのリールを回転制御している状態で、電力供給が停止され、電力供給が再開された際に、電断前の制御状態に復帰させる場合には、該当するリールについてリールモータの励磁パターンを始動パターンに設定する構成であってもよい。
[遊技補助表示器の出力バッファの設定に関する制御の変形例]
本実施形態のメイン制御部41は、表示内容を切り替える際には、出力バッファに設定されているデータをRAM41cに退避させて、新たなデータを設定することで、遊技補助表示器12の表示内容を新たなデータに基づく表示内容に切り替えることが可能な構成である。しかし、第1の出力バッファと第2の出力バッファとを切り替え可能に設けてもよい。このような構成にあっては、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファが設定されているときには、第1の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容が遊技補助表示器12に表示される。その一方で、遊技補助表示器12の出力バッファとして第2の出力バッファが設定されているときには、第2の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容が遊技補助表示器12に表示される。つまり、出力バッファを第1の出力バッファと第2の出力バッファとで切り替えることで、遊技補助表示器12の表示内容を切り替え可能な構成としてもよい。
具体的には、図40に示すように、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファと第2の出力バッファとが設けられている構成において、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファとして設定されている第1の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に払出枚数を表示させている場合に、エラーを検出したときには、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを含むエラー表示データを第2の出力バッファに設定する一方で、第1の出力バッファに設定されている払出枚数表示データをそのまま保持させる。その後、エラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御するとともに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファから第2の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12に第2の出力バッファに設定されているエラー表示データに基づいてエラーコードを表示させるように制御しつつ、エラー状態に制御して待機する。
そして、リセットスイッチ23が所定の操作手順で操作さることで、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファから第1の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12に第1の出力バッファに保持されている払出枚数表示データに基づいて払出枚数を表示させる。また、復帰条件が成立したときに遊技補助表示器12の出力バッファを切り替える際には、エラー状態が解除されたことに基づいて、第2の出力バッファを初期化する。
また、図示しないが、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファとして、当該第1の出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させているときに、エラーを検出し、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる場合には、エラーを検出したときに、第2の出力バッファにエラー表示データを設定し、その後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させることができ、その後、復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12の表示内容をナビ番号に復帰させることができる。
このような構成とすることで、本実施形態の構成と同様に、第1の表示内容として小役の入賞により付与されるメダルの払出枚数、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号、特別表示内容としてエラー発生時にその内容を示すエラーコードを、共通の遊技補助表示器12に表示させることが可能である。
また、メイン制御部41は、エラーを検出したときに、発生しているエラーの内容示すエラーコードを含むエラー表示データを第2の出力バッファに設定し、エラー状態が解除されて復帰条件が成立するときに、第2の出力バッファを初期化してエラー表示データを
消去するので、エラーを検出したときから復帰条件が成立するまでの期間、すなわちエラーが発生している期間にわたり、第2の出力バッファにエラー表示データが保持されるので、当該第2の出力バッファに設定されているデータを利用して所定の判定処理、例えば、エラーの発生状況の判定などを行うことができるようになっている。
また、メイン制御部41は、エラーを検出したときにエラー表示データを第2の出力バッファに設定する一方で、第1の出力バッファに設定されているデータをそのまま保持させるので、当該第1の出力バッファに設定されているデータを利用して所定の判定処理、例えば、ナビ報知中であるか、払い出し中であるかなどの制御状況の判定などを行うことができるようになっている。
また、メイン制御部41は、エラー表示データを第2の出力バッファに設定した後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファに切り替えるので、出力バッファを第2の出力バッファに切り替えた後に遅延なく、遊技補助表示器12に第2の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容を表示させることができるようになっている。
また、このような構成においても、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出されるたびに、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成としても良く、このような構成においても、払出枚数表示データが更新されている途中でエラーが発生し、エラー表示条件が成立した場合に、第2の出力バッファに基づいて遊技補助表示器12においてエラーコードを表示させている期間においては、更新の途中である払出枚数表示データが第1の出力バッファに保持されるので、復帰条件が成立したときに、第1の出力バッファに基づいて遊技補助表示器12の表示を行わせることで、遊技補助表示器12での払出枚数の表示を、エラーが検出されたときの表示内容に復帰させることができる。
このように、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファおよび第2の出力バッファを備える構成において、メイン制御部41は、通常表示内容として遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号および特別表示内容として発生しているエラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させることが可能な構成であり、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファを設定し、当該第1の出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、通常表示内容としてナビ番号を表示させることが可能であり、通常表示内容を表示させている状態で、特別表示内容を表示させる切り替え条件としてエラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファから第2の出力バッファに切り替えることにより、第2の出力バッファに設定されているデータに基づいて、遊技補助表示器12に特別表示内容を表示させ、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファから第1の出力バッファに切り替えることにより、再び、遊技補助表示器12に第1の表示内容としてナビ番号を表示させる構成とすることでも、本実施形態の構成と同様に、遊技補助表示器12において異なる種類の情報をそれぞれ正しく表示させることができる。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファおよび第2の出力バッファを備える構成では、メイン制御部41は、特別表示内容としてエラーコードを表示させる切り替え条件としてエラー表示条件が成立する前であって、エラーが検出されたとき以降に、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを含むエラ
ー表示データを設定する構成とすることで、エラー表示条件が成立するタイミングを意識することなく、特別表示内容としてエラーコードを表示させるためのエラー表示データを第2の出力バッファに設定するタイミングを比較的自由に設計できる。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファおよび第2の出力バッファを備える構成では、所定の判定処理(例えば、エラー判定)において、第1の出力バッファまたは第2の出力バッファに設定されているデータを参照することが可能な構成とすることで、第1の出力バッファまたは第2の出力バッファに設定されているデータ(例えば、エラー判定の場合は、第2の出力バッファに設定されているデータ)を利用して所定の判定処理が行えるため、所定の判定処理に用いるデータを表示内容のデータと別個に持たずに済む。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファおよび第2の出力バッファを備える構成において、通常表示内容として、入賞に伴い遊技者に払い出されるメダルの払出枚数(第1の表示内容)、および第1の表示内容と表示期間が重複しない、遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号(第2の表示内容)を含み、メイン制御部41は、第1の表示内容も第2の表示内容も第1の出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数およびナビ番号を表示させる構成とすることで、表示期間の重複しない異なる表示内容についてはともに、第1の出力バッファに設定することで遊技補助表示器12に表示させることができ、余分に出力バッファを備える必要がない。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファおよび第2の出力バッファを備える構成において、遊技補助表示器12にいずれの表示を行っている状態であるかに関わらず、電断が検出されたときに、第1の出力バッファおよび第2の出力バッファに設定されているデータを初期化する構成とすることで、電断時において、遊技補助表示器12に意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され
、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施の形態および変形例のまとめ]
上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備える。
[第1の構成]
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1、パチンコ遊技機)であって、
遊技機の前面を開放状態または閉鎖状態にすることが可能な開閉部材(前面扉1b)と、
遊技者が操作可能な操作手段(ストップスイッチ8L,8C,8R、プッシュボタン)と、
前記操作手段の態様を制御する態様制御手段(BETスイッチ有効LED6aやストップスイッチ有効LED57L,57C,57Rなどの点灯態様を制御するサブ制御部91)とを備え、
前記操作手段への操作を受け付ける有効状態(停止操作有効状態)と前記操作手段への操作を受け付けない無効状態(停止操作無効状態)とがあり、
前記態様制御手段は、
前記無効状態であるときに、前記操作手段の態様を第1態様(消灯態様)にし、
前記有効状態でありかつ前記閉鎖状態であるときに、前記操作手段の態様を第2態様(点灯態様)にし、
前記有効状態でありかつ前記開放状態であるときに、前記操作手段の態様を前記第1態様にする(図34のタイミングt3からタイミングt4において、前面扉1bが開放しているときに、停止操作有効状態であるものの、ストップスイッチ有効LEDは消灯している)。
このような構成によれば、開放状態のような遊技者に操作手段への操作を望むような状況にない場合に、操作手段への操作が受け付けられる有効状態であっても、操作手段の態様を無効状態であるときと同じ第1態様とすることで、遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(2) 上記(1)に記載の遊技機において、
前記開放状態中に、前記遊技機の管理者による前記操作手段への操作を必要とする操作要求状態(エラー解除後に異常の原因が取り除かれたことを、店員などに必ず行わせるために、操作を要求する状態)に制御可能であって、当該操作要求状態中は前記有効状態となる(操作を要求する状態においては、操作手段への操作を受け付ける)。
このような構成によれば、操作要求状態中は操作手段の態様を無効状態であるときと同じ第1態様にすることができる。操作要求状態中は、管理者による操作手段への操作を必要とするものの、遊技者による操作手段への操作は望まれないため、操作要求状態中に遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(3) 上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記開放状態であることを報知する開放報知手段(ドア開放報知を行うサブ制御部91)をさらに備え、
前記開放報知手段は、前記開放状態から前記閉鎖状態になった後も、所定期間に亘って報知を継続し(図34のタイミングt4からt5において、前面扉1bが閉まったあとも所定期間に亘ってドア開放報知が行われる)、
前記態様制御手段は、前記開放状態から前記閉鎖状態になった後も、前記所定期間に亘
って、前記操作手段の態様を前記第1態様で維持する(図34のタイミングt4からt5において、ドア開放報知が行われ、その期間においてはストップスイッチ有効LEDを消灯させたままにする)。
このような構成によれば、閉鎖状態になった後の所定期間に亘って報知が継続されるため、開放状態になったことを管理者に報知できる。これにより、不正などの対策をすることができる。また、閉鎖状態になった後の所定期間に亘って、開放状態であることの報知が継続される。これに伴い、閉鎖状態になった後の所定期間に亘って、操作手段の態様を第1態様で維持することで、開放状態であることの報知がされている間に、遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記操作手段は、
遊技を進行させるための操作に用いられる遊技用操作手段(MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
遊技の演出に用いられる演出用操作手段(演出用スイッチ56)とを含み、
前記態様制御手段は、前記有効状態でありかつ前記開放状態であるときに、前記遊技用操作手段および前記演出用操作手段のいずれの態様も前記第1態様にする(前面扉1bが開いているときはストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様も、演出用スイッチ56の操作態様も消灯態様にする)。
このような構成によれば、遊技用操作手段および遊技用操作手段のいずれの操作手段についても、開放状態のような遊技者に操作手段への操作を望むような状況にない場合に遊技者が操作してしまうことを防止できる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の遊技機において、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)であって、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
前記導出操作手段の操作態様を特定可能な特定情報を含む情報を表示する情報表示手段(遊技補助表示器12)とをさらに備え、
前記情報表示手段は、前記開放状態および前記閉鎖状態のいずれであるかに関わらず一定である(図34のタイミングt2からt5において、前面扉1bが開いているか否かに関わらず、遊技補助表示器12は、ナビ報知をしているときは表示を変更しない)。
このような構成によれば、開放状態であるか前記閉鎖状態であるかに関わらず情報表示手段の表示が一定であるため、情報表示手段に特定情報が表示されているときに表示が変わることで導出操作手段の操作態様が変わってしまったかもしれないと見えることを防止できる。
(6) 上記(1)〜(5)のうちのいずれかに記載の遊技機において、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L,2C,2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L,2C,2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報(コマンド)に基づいて演出を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
報知を行うことが可能な報知手段(遊技補助表示器12)と、
を備え、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
前記可変表示部(リール2L,2C,2R)の変動表示が開始した後、有効化条件が成立したときに前記導出操作手段の操作(停止操作)を有効化する導出操作有効化手段と、
前記報知手段(遊技補助表示器12)にて前記導出操作手段(ストップスイッチ8L,8C,8R)の操作態様を識別可能な操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を行うことが可能な報知制御手段と、
を含み、
前記導出操作有効化手段は、前記導出操作手段の操作(停止操作)が有効化された状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給の再開後に改めて有効化条件が成立するまで前記導出操作手段の操作(停止操作)を有効化せず、
前記報知制御手段は、前記導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、前記導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を再開する。
このような構成によれば、導出操作手段の操作が有効化された状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給の再開後に改めて有効化条件が成立するまでの期間において導出操作手段の操作を有効化しないので、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況において表示結果が導出されてしまうことを防止できる。
また、導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を再開させるので、遊技者が操作態様情報が報知されていることを知らずに誤って操作態様情報により識別される操作態様以外の操作態様にて導出操作手段を操作してしまうことを防止できる。
なお、(6)に記載のスロットマシンにおいて導出操作手段の操作態様は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様などが該当する。
また、(6)に記載のスロットマシンにおいて前記可変表示部の変動表示が開始した後、前記導出操作手段の操作が有効化される有効化条件と、電力供給の再開後に前記導出操作手段の操作が有効化される有効化条件と、は同一の条件であってもよく、異なる条件であってもよい。
(7) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記報知制御手段は、ゲームの開始後、前記導出操作手段の操作(停止操作)が有効化されるよりも早いタイミングで前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を開始する。
このような構成によれば、ゲームの開始後、導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を開始させるので、遊技者が操作態様情報が報知されていることを知らずに誤って操作態様情報により識別される操作態様以外の操作態様にて導出操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(8) 上記(6)または(7)に記載のスロットマシンにおいて、
前記導出操作有効化手段は、前記導出操作手段の操作が有効化された後、変動異常(リール回転異常)が検出されたときに前記導出操作手段の操作(停止操作)を有効化せず、
前記報知制御手段は、前記導出操作手段の操作が有効化された後、変動異常(リール回転異常)が検出されたときでも前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を継続する。
このような構成によれば、導出操作手段の操作が有効化された後、変動異常が検出されたときには導出操作手段の操作を有効化しない一方で、報知手段にて操作態様情報を報知させる制御は継続させるので、遊技者が操作態様情報が報知されていることを知らずに誤って操作態様情報により識別される操作態様以外の操作態様にて導出操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(9) 上記(6)〜(8)のいずれかに記載のスロットマシンにおいて、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、操作態様情報(ナビ番号)を特定可能な制御情報(押し順コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信可能であり、
前記演出制御手段(サブ制御部91)は、操作態様情報(ナビ番号)を特定可能な制御情報(押し順コマンド)に基づいて操作態様情報により識別される操作態様を特定可能な報知演出(ナビ演出)を実行可能である。
このような構成によれば、演出制御手段が制御する演出装置にて操作態様情報により識別される操作態様を報知することが可能であり、操作態様情報を報知する際の演出効果を高めることができる。
(10) 上記(9)に記載のスロットマシンにおいて、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、前記導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ前記報知手段(遊技補助表示器12)にて操作態様情報(ナビ番号)を報知させる制御(ナビ報知)を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、前記導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで操作態様情報(ナビ番号)を特定可能な制御情報(押し順コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信することを特徴としている。
このような構成によれば、導出操作手段の操作が有効化された状態、かつ報知手段にて操作態様情報を報知させる制御を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、導出操作手段の操作が有効化されるよりも早いタイミングで操作態様情報を特定可能な制御情報を演出制御手段に対して送信させるので、電力供給が再開されたときに導出操作手段の操作が有効化される前に報知演出を開始させることが可能となり、遊技者が操作態様情報が報知されていることを知らずに誤って操作態様情報により識別される操作態様以外の操作態様にて導出操作手段を操作してしまうことを防止できる。
なお、[第1の構成]欄に記載された各遊技機は、[第2の構成]に記載された各遊技機が備える構成を備えていてもよい。
[第2の構成]
また、上記実施の形態および変形例に記載した遊技機は、以下のような構成を備えるものでもある。
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1、パチンコ遊技機)であって、
遊技者が操作可能な操作手段(MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L,8C,8R、プッシュボタン)と、
前記操作手段の態様を制御する態様制御手段(BETスイッチ有効LED6aやストップスイッチ有効LED57L,57C,57R等の点灯態様を制御するサブ制御部91)と、
異常を報知可能な異常報知手段(液晶表示器51)とを備え、
前記操作手段への操作を受け付ける有効状態(BET操作有効状態、停止操作有効状態)と前記操作手段への操作を受け付けない無効状態(BET操作無効状態、停止操作無効状態)とがあり、
前記態様制御手段は、
前記無効状態であるときに、前記操作手段の態様を第1態様(消灯態様)にし、
前記有効状態でありかつ異常が報知されていないときに、前記操作手段の態様を第2態様(点灯態様)にし、
前記有効状態でありかつ異常が報知されているときに、前記操作手段の態様を前記第1態様にする(図35のタイミングt4からタイミングt5において、エラー報知(サブ)がされているときに、BET操作有効状態であるものの、BETスイッチ有効LED6aは消灯している)。
このような構成によれば、異常が報知されている状況のような遊技者に操作手段への操作を望むような状況にない場合に、有効状態であっても、操作手段の態様を無効状態であるときと同じ第1態様とすることで、遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(2) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
異常の発生に基づいて異常状態に制御する異常状態制御手段(異常状態に制御するメイン制御部41)をさらに備え、
前記異常報知手段は、異常の発生に基づいて前記異常状態に制御されてから当該異常が解消された後の所定期間が経過するまで当該異常を報知し(図35のエラー状態に移行したt2からエラー状態が解除された後所定期間が経過したタイミングt5まで、エラー報知(サブ)が行われる)、
異常の発生に基づいて前記異常状態に制御されてから当該異常が解消されるまで前記無効状態となり、当該異常が解除された後前記有効状態となる(図35のエラー状態に制御されたタイミングt2から、エラーの解除操作が行われてエラー状態が解除されたタイミングt4まで、MAXBETスイッチ6の操作は受け付けられず、エラー状態が解除されたタイミングt4以降にその操作が受け付けられるようになる)。
このような構成によれば、異常が解消された後の所定期間に亘って異常が報知され、この期間においては有効状態となり、かつ、操作手段の態様は第1態様となる。そのため、異常が報知されている状況のような遊技者に操作手段への操作を望むような状況にない場合に、有効状態であっても、操作手段の態様を無効状態であるときと同じ第1態様とすることで、遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
(3) 上記(1)に記載のスロットマシンにおいて、
前記異常報知手段は、異常が発生した以降に当該異常を報知し(図36においてエラーを検出したタイミングt1以降にエラー報知(サブ)が行われる)、
異常が発生している間は前記有効状態となる(図36のタイミングt1からt2において、エラー報知(サブ)が行われている期間において、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作は受け付けられる)。
このような構成によれば、異常が報知されている状況のような遊技者に操作手段への操作を望むような状況にない場合に、有効状態であっても、操作手段の態様を無効状態であるときと同じ第1態様とすることで、遊技者が操作手段を操作してしまうことを防止できる。
なお、[第2の構成]欄に記載された各遊技機は、[第1の構成]に記載された各遊技機が備える構成を備えていてもよい。