JP2018183084A - プロテアーゼ変異体 - Google Patents

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Masanori Yoshimizu
正則 吉水
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Yuriko Nishimura
由里子 西村
俊吉 宮嶋
Shunkichi Miyajima
俊吉 宮嶋
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隆雄 日▲び▼
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Takafumi Ito
貴文 伊藤
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Abstract

【課題】ペプチド結合の加水分解活性自体(最大活性)がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高いプロテアーゼを提供すること。
【解決手段】プロテアーゼが変異してなるプロテアーゼ変異体であって、前記プロテアーゼが細菌が有するプロテアーゼであり、且つ前記プロテアーゼの1又は複数個のヒンジアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、プロテアーゼ変異体。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロテアーゼ変異体、その使用方法などに関する。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素の総称で、プロテイナーゼとペプチダーゼに分けられる。プロテアーゼは動物、植物、微生物などに広く分布している。
プロテアーゼはペプチドや調味料の製造、食肉軟化剤等の食品加工や、洗剤、医薬品等、様々な分野で利用されている重要な酵素である。例えば、高齢者向けの咀嚼・嚥下機能のリハビリ用の食品を調製する際の食肉軟化剤として、プロテアーゼは用いられている。このような用途においては、衛生面の観点及び風味の低下を抑えるという観点から、プロテアーゼは比較的低温で使用される。しかしながら、低温下ではプロテアーゼの活性が低下してしまうという問題がある。
’ Psychrophilic enzymes: hot topics in cold adaptation’, G. Feller & C. Gerday (2003) Nature Rev., 1, 200-208.
ペプチド結合の加水分解活性自体(すなわち最大活性)がより高い、或いは低温下における活性がより高いプロテアーゼであれば、より低温下で使用しても、より高い活性を発揮できる。
そこで、本発明は、ペプチド結合の加水分解活性自体(最大活性)がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高いプロテアーゼを提供することを課題とする。
酵素分子が触媒活性を持つ上で一定の揺らぎが必要であることが知られている。特に、好冷性酵素と呼ばれる室温より低温条件下で高い活性を有する酵素では、酵素分子の柔軟性が重要であることが示唆されてきた(非特許文献1)。タンパク質の2次構造のうち、周期構造を持たないループ構造やターン構造は分子表面近傍に存在することが多く、酵素分子の柔軟性に関わると考えられる。したがって、これらのループ構造やターン構造に柔軟性を与えることができれば、一定温度下での酵素活性向上が期待される。しかし、一方で、熱安定性の低下や構造の歪みなどの影響による活性低下の恐れがあるとともに、その構造の不規則性のため、有効な変異導入のための設計原理については明らかとなっていなかった。
本発明者は、鋭意研究を進める中で、αヘリックスやβストランドなどに代表される周期的なタンパク質2次構造はタンパク質の立体構造の土台を構成しているのに対し、表面ループ構造がそれらをつないでいることに着目した。そして、タンパク質2次構造と表面ループ構造との接続部分(ループヒンジ)は、分子本体との接点が多く、動きを制限されることでループ形状を支配することから、その改変はループ構造の柔軟性に与える影響が大きいという着想を得た。
そして、本発明者は、研究を進めた結果、プロテアーゼの1又は複数個のヒンジアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することにより、プロテアーゼの最大活性をより高められることを見出した。ヒンジアミノ酸残基の変異は低温下における活性に影響を与えると考えていたところ、最大活性の向上は、予想外の結果であった。また、ヒンジアミノ酸残基の置換により、低温下における活性をより高め得ることも見出した。これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明が完成した。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する:
項1.
プロテアーゼが変異してなるプロテアーゼ変異体であって、
前記プロテアーゼが細菌が有するプロテアーゼであり、且つ
前記プロテアーゼの1又は複数個のヒンジアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、
プロテアーゼ変異体。
項2.
前記プロテアーゼが中性プロテアーゼである、項1に記載のプロテアーゼ変異体。
項3.
前記細菌がバチルス属細菌、ゲオバチルス属細菌、ブレビバチルス属細菌、スタフィロコッカス属細菌、クロストリジウム属細菌、パニエバチルス属細菌、シュードモナス属細菌、セラチア属細菌、ハロバチルス属細菌、ポンチバチルス属細菌、クルチア属細菌、ビルギバチルス属細菌、アノキシバチルス属細菌、又はリステリア属細菌である、項1又は2に記載のプロテアーゼ変異体。
項4.
前記ヒンジアミノ酸残基が、Thr残基、Asp残基、Val残基、Asn残基、Ile残基、Glu残基、Leu残基、Gln残基、His残基、Met残基、Phe残基、Lys残基、Tyr残基、Arg残基、及びTrp残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基である、項1〜3のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体。
項5.
前記プロテアーゼが下記(a)又は(b)に記載のタンパク質である、項1〜4のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体:
(a)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は
(b)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つプロテアーゼ活性を有するタンパク質。
項6.
前記ヒンジアミノ酸残基が下記(c)、(d)、(e)又は(f)に記載のアミノ酸残基である、項5に記載のプロテアーゼ変異体:
(c)配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
(d)配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
(e)配列番号11に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基、又は
(f)配列番号12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基。
項7.
変異前の前記プロテアーゼよりも、プロテアーゼ活性の最大活性がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高い、項1〜6のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体。
項8.
項1〜7のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体のコード配列を含む、ポリヌクレオチド。
項9.
項8に記載のポリヌクレオチドを含む、形質転換体。
項10.
項1〜7のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体を含有する、タンパク質分解剤。
項11.
食肉軟化剤、食品加工剤、洗剤、試験試薬、又は医薬品である、項10に記載のタンパク質分解剤。
本発明によれば、ペプチド結合の加水分解活性自体(最大活性)がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高い、プロテアーゼ変異体を提供することができる。本発明のプロテアーゼ変異体を用いることにより、衛生面の観点、風味の低下を抑えるという観点等からより低温下における使用が求められる用途においても、より高い活性を発揮することができる。
「ループ」を定義する(実施例1)のに用いた二次構造判定結果の具体例を図1に示す。図1中、左から1列目のオレンジ色の部分が構造モチーフであることを示し、左から2列目の黒線で囲んだところがループ(3残基以上)を示し、左から3列目が残基番号を示し、左から4列目が残基の種類を示し、左から5列目がDSSP出力による二次構造の判定結果を示す。二次構造の判定結果における各一文字表記の意味は次のとおりである。H:helix, B:beta-bridge, E:extended strand, G:3/10-helix, I:pi helix, T:hydrogen bonded turn, S:bend。 クローニングプラスミドpC−nprEの構造およびプラスミド上のアミノ酸残基に置換変異を導入する説明用の図。a〜cと矢印は増幅断片を示す。白抜き太矢印で示すnprEは中性プロテアーゼ遺伝子を示す。網かけ太矢印で示すCmRはクロラムフェニコール耐性遺伝子を示す。黒線部分はpC194を示す。各矢印の大きさ、縮尺は任意のものとする。 実施例3の結果の一部を示す。「オリジナル」は、変異前の中性プロテアーゼを示す。縦軸は、それぞれの変異体について最大活性を100%とした場合の活性値である。横軸は測定温度を示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本明細書においては、アミノ酸又はアミノ酸残基を3文字表記で示すこともある。また、「Aaa(アミノ酸3文字表記)X(数字)」なる表記は、あるアミノ酸配列のN末端からX番目のアミノ酸残基(Aaa)を示し、「Aaa(アミノ酸3文字表記)X(数字)Bbb(アミノ酸3文字表記)」なる表記は、あるアミノ酸配列のN末端からX番目のアミノ酸残基(Aaa)が他のアミノ酸残基(Bbb)に置換していることを示す。
1.プロテアーゼ変異体
本発明は、その一態様において、プロテアーゼが変異してなるプロテアーゼ変異体であって、前記プロテアーゼが細菌が有するプロテアーゼであり、且つ
前記プロテアーゼの1又は複数個のヒンジアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、プロテアーゼ変異体(本明細書において、「本発明のプロテアーゼ変異体」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
変異前の「プロテアーゼ」は、細菌が有する、すなわち細菌が内在的に有するプロテアーゼである限り、特に制限されない。
細菌としては、プロテアーゼを有する細菌であれば特に制限されないが、例えばバチルス属細菌、ゲオバチルス属細菌、ブレビバチルス属細菌、スタフィロコッカス属細菌、クロストリジウム属細菌、パニエバチルス属細菌、シュードモナス属細菌、セラチア属細菌、ハロバチルス属細菌、ポンチバチルス属細菌、クルチア属細菌、ビルギバチルス属細菌、アノキシバチルス属細菌、リステリア属細菌等が挙げられる。
バチルス属細菌としては、特に制限されないが、例えばバチルス・サブチルス、バチルス・セレウス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・パミルス、バチルス・クラウシィ、バチルス・ハロデュランス、バチルス・チューリンゲンシス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・アルカロフィルス、バチルス・コアグランス等が挙げられる。これらの中でも、バチルス・サブチルスが好ましい。
ゲオバチルス属細菌としては、特に制限されないが、例えばゲオバチルス・ステアロサーモフィルス、ゲオバチルス・カウストフィルス、ゲオバチルス・サーモカテヌラタス、ゲオバチルス・ジュラシカス等が挙げられる。
ブレビバチルス属細菌としては、特に制限されないが、例えばブレビバチルス・ブレビス、ブレビバチルス・チョウシネンシス、ブレビバチルス・ラテロスポルス、ブレビバチルス・パラブレビス、ブレビバチルス・フォルモサス、ブレビバチルス・ボルステレンシス等が挙げられる。
スタフィロコッカス属細菌としては、特に制限されないが、例えばスタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、スタフィロコッカス・サプロフィティイカス、スタフィロコッカス・ニューモニエ、スタフィロコッカス・サーモフィルス、スタフィロコッカス・ミュータンス等が挙げられる。
クロストリジウム属細菌としては、特に制限されないが、例えばクロストリジウム・サーモセラム、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・ブチリカム、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・パーフリンゲンス等が挙げられる。
パニエバチルス属細菌としては、特に制限されないが、例えばパエニバチルス・ポリミキサ、パニエバチルス・パブリ、パニエバチルス・キシランエクセデンス、パニエバチルス・アミロリティカス等が挙げられる。
シュードモナス属細菌としては特に制限されないが、例えばシュードモナス・コルガタ、シュードモナス・フルオレスセンス等があげられる。
セラチア属細菌としては特に制限はないが、セラチア・プロテアマンカス等が挙げられる。
ハロバチルス属細菌としては特に制限されないが、例えばハロバチルス・クロシメンシス、ハロバチルス・ハロフィルス、ハロバチルス・アルカリフィルス等があげられる。
ポンチバチルス属細菌としては特に制限されないが、例えばポンチバチルス・ハロフィルス、ポンチバチルス・シュングウェンシス等が挙げられる。
クルチア属細菌としては特に制限されないが、例えばクルチア・セネガレンシス、クルチア・マスシリエンシス等が挙げられる。
ビルギバチルス属細菌としては特に制限されないが、例えばビルギバチルス・パントテンティカス、ビルギバチルス・シグエンシス等が挙げられる。
アノキシバチルス属細菌としては特に制限されないが、アノキシバチルス・テピダマンス等が挙げられる。
リステリア属細菌としては特に制限されないが、リステリア・モノシトゲンシス等が挙げられる。
変異前の「プロテアーゼ」の至適pHは特に制限されない。該プロテアーゼは、中性プロテアーゼ、酸性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼ等であることができる。これらの中でも、中性プロテアーゼが好ましい。
変異前の「プロテアーゼ」の遺伝子は、特に制限されない。該遺伝子としては、例えばnprE遺伝子、npr遺伝子、nprB遺伝子、nprM遺伝子、nprT遺伝子、npr1遺伝子、npr2遺伝子、npr3遺伝子、npr4遺伝子、nprA遺伝子、nprF遺伝子、nprR遺伝子、nprS遺伝子、prtS遺伝子等が挙げられる。これらの中でも、nprE遺伝子が好ましい。
変異前の「プロテアーゼ」としては、より具体的には、下記(a)又は(b)に記載のタンパク質が挙げられる:
(a)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は
(b)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つプロテアーゼ活性を有するタンパク質。
配列番号11は、バチルス・サブチルスが有する中性プロテアーゼnprEの成熟型のアミノ酸配列を示し、配列番号12はその成熟前のアミノ酸配列を示す。
本明細書において、アミノ酸配列の「同一性」とは、2以上の対比可能なアミノ酸配列の、お互いに対するアミノ酸配列の一致の程度をいう。従って、ある2つのアミノ酸配列の一致性が高いほど、それらの配列の同一性又は類似性は高い。アミノ酸配列の同一性のレベルは、例えば、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて決定される。若しくは、Karlin及びAltschulによるアルゴリズムBLAST(Karlin S, Altschul SF.“Methods for assessing the statistical significance of molecular sequence features by using general scoringschemes”Proc Natl Acad Sci USA.87:2264−2268(1990)、KarlinS,Altschul SF.“Applications and statistics for multiple high−scoring segments in molecular sequences.”Proc Natl Acad Sci USA.90:5873−7(1993))を用いて決定できる。このようなBLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている。これらの解析方法の具体的な手法は公知であり、National Center of Biotechnology Information(NCBI)のウェブサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を参照すればよい。また、塩基配列の「同一性」も上記に準じて定義される。
本明細書において、アミノ酸配列の同一性の程度は、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、よりさらに好ましくは80%以上、よりさらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、よりさらに好ましくは98%以上、よりさらに好ましくは99%以上である。
プロテアーゼ活性の有無は、公知の方法に従って又は準じて判定することができる。例えば、後述の実施例3の測定1又は測定2の方法に従って又は準じて判定することができる。
ヒンジアミノ酸残基は、タンパク質2次構造と表面ループ構造との接続部分のアミノ酸残基である。細菌のプロテアーゼにおけるヒンジアミノ酸残基は、タンパク質の立体構造(予測される立体構造でもよい)に基づいて、タンパク質2次構造と表面ループ構造を同定し、これらの接続部分のアミノ酸残基を同定することにより、容易に決定することができる。好ましい態様においては、ヒンジアミノ酸残基は、以下のようにして決定することができる。
まず、「ループ」を次のように定める。二次構造予測プログラムDSSP(参考文献2:’ Dictionary of protein secondary structure: pattern recognition of hydrogen‐bonded and geometrical features’, W. Kabsch & C. Sander (1983) Biopolymers. 22, 2577-2637.)を用い、対象とする酵素分子の立体構造情報を含むPDBファイルを入力して、2次構造を形成するアミノ酸残基を判定する。このプログラムを用いると、二次構造を残基ごとに判定できる。各残基の2次構造の判定が同一で3つ以上連続した領域を構造モチーフと判断する。例えば、αヘリックスの判定はHなので、4残基のαヘリックスならHHHHと判定される。ある構造モチーフのカルボキシ末端のアミノ酸残基から、連なる次の構造モチーフのアミノ末端のアミノ残基までの領域のうち、3残基以上のアミノ酸残基が繋がった領域を「ループ」と定義する。
次に、以下の1)及び2)の両方を満たすアミノ酸残基を、「ループ」中にあるヒンジアミノ酸残基として決定する。
1) プログラムAreaimol(参考文献3:’ The mathematical intelligencer’, E.B.Saff & A.B.J.Kuijlaars (1997) The Mathematical Intelligencer, 19, 5-11.)を用いて求めた溶媒露出面積が10〜50%であること。
2) 結晶構造のPDBファイルに示された温度因子の値が全体の温度因子の平均値に比べて、有意に高くないこと。
本発明のプロテアーゼ変異体においては、変異前のプロテアーゼが有するヒンジアミノ酸残基の一部又は全部が他のアミノ酸残基に置換されている。好ましい態様においては、置換対象のアミノ酸残基は、「ループ」により柔軟性を与える等の観点から、下記A)〜D)からなる群より選択される少なくとも1つを基準にして、選択することができる。
A)触媒活性に直接関わるアミノ酸残基は除外する。
B)「ループ」の残基について温度因子の平均値を求めた時、分子全体について求めた平均値より有意に低い「ループ」内部の残基は除外する。
C)分子本体との相互作用が密になる「ループ」の両末端に近い残基であること。
D)アミノ酸残基側鎖の体積がThr残基以上であること。すなわち、変異対象アミノ酸残基は、Thr残基、Asp残基、Val残基、Asn残基、Ile残基、Glu残基、Leu残基、Gln残基、His残基、Met残基、Phe残基、Lys残基、Tyr残基、Arg残基、Trp残基のいずれかである。複数存在する場合は、できるだけ大きな体積の側鎖を持つ残基を優先すること。
置換対象のアミノ酸残基は、下記(c)、(d)、(e)又は(f)に記載のアミノ酸残基を含むことが好ましい。
(c)配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
(d)配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
(e)配列番号11に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基、又は
(f)配列番号12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基。
本明細書において、「対応するアミノ酸残基」とは、2つのタンパク質のアミノ酸配列を、上記「同一性」の解析と同様に比較した場合に、対応するアミノ酸残基を意味する。
置換対象のアミノ酸残基の数は、特に制限されず、ヒンジアミノ酸残基の数に応じて、その数以下の数から適宜選択される。置換対象アミノ酸残基の数は、例えば1〜20個、1〜10個、1〜5個、1〜2個、1個である。
置換後のアミノ酸残基は、置換前のアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基である限り、特に制限されない。置換後のアミノ酸残基は、側鎖の体積(RSA値:Tien, M. Z.; Meyer, A. G.; Sydykova, D. K.; Spielman, S. J.; Wilke, C. O. (2013). "Maximum allowed solvent accessibilites of residues in proteins". PLoS ONE. 8(11): e80635. doi:10.1371/journal.pone.0080635.)が、置換対象のアミノ酸残基よりも小さいアミノ酸残基であることが好ましい。
置換対象のアミノ酸残基が上記(c)、(d)、(e)又は(f)に記載のアミノ酸残基である場合の、置換後のアミノ酸残基の1つの好ましい態様は以下のとおりである。なお、この好ましい態様においては、類似の側鎖を有するグループ(リジン、アルギニン、ヒスチジンといった塩基性側鎖を有するグループ; アスパラギン酸、グルタミン酸といった酸性側鎖を有するグループ; グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、システインといった非帯電性極性側鎖を有するグループ; アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニンといった非極性側鎖を有するグループ; チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンといった芳香族側鎖を有するグループ)のアミノ酸残基を「類似アミノ酸残基」と示す。
Leu10残基、Leu231残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくはAla残基、Cys残基、Gly残基、Phe残基、Ser残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Lys33残基、Lys254残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Arg残基、Trp残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Gln38残基、Gln259残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Ala残基、Arg残基、Asp残基、Gly残基、His残基、Leu残基、Ser残基、Thr残基、Tyr残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Phe89残基、Phe310残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Cys残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Tyr94残基、Tyr315残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Ile残基、Leu残基、Met残基、Thr残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Thr153残基、Thr374残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Ala残基、Asn残基、Gln残基、Gly残基、Leu残基、Ser残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Glu159残基、Glu380残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Ala残基、Arg残基、Gly残基、Lys残基、Ser残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基であり、より好ましくはLys残基、この類似アミノ酸残基であり、さらに好ましくはLys残基である。
Asn177残基、Asn398残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Arg残基、His残基、Leu残基、Ser残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基であり、より好ましくは、Leu残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基であり、さらに好ましくはLeu残基、Val残基である。
Leu195残基、Leu416残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Cys残基、Ile残基、Leu残基、Phe残基、Tyr残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Tyr204残基、Tyr425残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Phe残基、Trp残基、これらの類似アミノ酸残基である。
Tyr210残基、Tyr431残基、及びこれらに対応するアミノ酸残基の置換後のアミノ酸残基は、好ましくは、Ala残基、Ile残基、Leu残基、Lys残基、Met残基、Ser残基、Val残基、これらの類似アミノ酸残基である。
本発明のプロテアーゼ変異体は、プロテアーゼ活性が大きく阻害されない限りにおいて、ヒンジアミノ酸残基以外のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されていてもよい。該置換は、保存的置換であることが好ましい。「保存的置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されることを意味する。例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジンといった塩基性側鎖を有するアミノ酸残基同士で置換されることが、保存的な置換にあたる。その他、アスパラギン酸、グルタミン酸といった酸性側鎖を有するアミノ酸残基;グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システインといった非帯電性極性側鎖を有するアミノ酸残基;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンといった非極性側鎖を有するアミノ酸残基;スレオニン、バリン、イソロイシンといったβ−分枝側鎖を有するアミノ酸残基;チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンといった芳香族側鎖を有するアミノ酸残基同士での置換も同様に、保存的な置換にあたる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、プロテアーゼ活性が大きく阻害されない限りにおいて、その他の配列を含んでいてもよい。その他の配列は、アクセプター蛍光ドメインよりも末端側又はドナー蛍光ドメインよりも末端側に配置されていることが好ましい。その他の配列としては、例えば各種シグナル配列(例えば核移行シグナル、核外移行シグナル、葉緑体移行シグナル等)、タンパク質タグ(例えばビオチン、Hisタグ、FLAGタグ、Haloタグ、MBPタグ、HAタグ、Mycタグ、V5タグ、PAタグ等)が挙げられる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、プロテアーゼ活性が大きく阻害されない限りにおいて、化学修飾されたものであってもよい。
本発明のプロテアーゼ変異体は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどのC1−6アルキル基;例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基;例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基;例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基;α−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基;ピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、C末端以外のカルボキシル基(またはカルボキシレート)が、アミド化またはエステル化されていてもよい。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のプロテアーゼ変異体には、N末端のアミノ酸残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイルなどのC1−6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成し得るN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども包含される。
本発明のプロテアーゼ変異体は、酸または塩基との薬学的に許容される塩の形態であってもよい。塩は、薬学的に許容される塩である限り特に限定されず、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用することができる。例えば酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩; 酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩; アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩等が挙げられる。また、塩基性塩の例として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩; カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、溶媒和物の形態であってもよい。溶媒は、薬学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等が挙げられる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、公知の遺伝子工学的手法に従って容易に作製することができる。例えば、PCR、制限酵素切断、DNA連結技術、in vitro転写・翻訳技術、リコンビナントタンパク質作製技術等を利用して作製することができる。
本発明のプロテアーゼ変異体は、変異前のプロテアーゼよりも、プロテアーゼ活性の最大活性がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高いという利点を有する。ここで、プロテアーゼの最大活性とは、最適温度における活性を示す。また、低温下における活性がより高いとは、例えば変異前のプロテアーゼの至適温度よりも低い(例えば5℃、10℃、20℃)温度におけるプロテアーゼ変異体の活性値が、該温度における変異前プロテアーゼの活性値よりも高いことを示す。
本発明のプロテアーゼ変異体は、タンパク質の分解、特に変異前のプロテアーゼの至適温度よりも低温下でのタンパク質の分解に用いることができる。より具体的には、そのプロテアーゼ活性の発揮が必要とされる各種用途(例えば、食肉軟化剤、食品加工剤、洗剤、試験試薬、医薬品等)において使用することができる。
2.ポリヌクレオチド
本発明は、その一態様において、本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列を含む、ポリヌクレオチド(本明細書において、「本発明のポリヌクレオチド」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列は、本発明のプロテアーゼ変異体をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドである限り、特に制限されない。
本発明のポリヌクレオチドは、一態様において、本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列の上流に、プロモーターが配置されていることが好ましい。プロモーターは、通常、本発明のプロテアーゼ変異体をコードするmRNAが発現可能なように、配置されている。具体的な配置の態様としては、例えばプロモーターの3´側直下に本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列が配置されている態様(例えば、プロモーター3´末端の塩基から本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列の5´末端の塩基までの間の塩基対数(bp)が、例えば100 bp以下、好ましくは50 bp以下である態様)が挙げられる。プロモーターとしては、特に制限されず、例えばT7プロモーター、CMVプロモーター、EF1プロモーター、SV40プロモーター、MSCVプロモーター、hTERTプロモーター、βアクチンプロモーター、CAGプロモーター等のpol II系プロモーター等が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、一態様において、本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列の下流に、該コード配列からの転写の終結シグナルを含むことが好ましい。終結シグナルは、本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列からの転写を終結させることができる塩基配列である限り特に制限されない。「本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列の下流に」とは、特に制限されないが、例えば本発明のプロテアーゼ変異体のコード配列の3´末端の塩基から終結シグナルの5´末端の塩基までの間の塩基対数(bp)が、例えば500 bp以下、好ましくは200 bp以下である態様が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、上記以外の他の配列を、或いは上記の配列に加えて更に他の配列を含むものであってもよい。他の配列としては、特に制限されず、サブクローニング用ベクターや発現ベクターが含み得る公知の配列を各種採用することができる。このような配列の一例としては、例えば複製起点、薬剤耐性遺伝子等が挙げられる。薬剤耐性遺伝子としては、例えばクロラムフェニコール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ゲンタマイシン耐性遺伝子、ホスフィノトリシン耐性遺伝子、クロルスルフロン耐性遺伝子、メトトレキサート耐性遺伝子、イミダゾリノン耐性遺伝子、グリホサート耐性遺伝子等が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドはベクターの形態であってもよい。ベクターの種類は、特に制限されず、例えば発現プラスミド等のプラスミドベクター; レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、センダイウイルス等のウイルスベクター; アグロバクテリウムベクター; サブクローニング用ベクター等が挙げられる。より具体的には、例えばpBR322、pUC12、pUC119、pBluescript、pUB110、pC194、Yip5、Yep24、AcNPV等、これらのベクターの改変体等が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、次に例示するように、公知の化学修飾が施されていてもよい。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、各ヌクレオチドのリン酸残基(ホスフェート)を、例えば、ホスホロチオエート(PS)、メチルホスホネート、ホスホロジチオネート等の化学修飾リン酸残基に置換することができる。また、各リボヌクレオチドの糖(リボース)の2位の水酸基を、-OR(Rは、例えばCH3(2´-O-Me)、CH2CH2OCH3(2´-O-MOE)、CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2CONHCH3、CH2CH2CN等を示す)に置換してもよい。さらに、塩基部分(ピリミジン、プリン)に化学修飾を施してもよく、例えば、ピリミジン塩基の5位へのメチル基やカチオン性官能基の導入、あるいは2位のカルボニル基のチオカルボニルへの置換などが挙げられる。さらには、リン酸部分やヒドロキシル部分が、例えば、ビオチン、アミノ基、低級アルキルアミン基、アセチル基等で修飾されたものなどを挙げることができるが、これに限定されない。また、ヌクレオチドの糖部の2´酸素と4´炭素を架橋することにより、糖部のコンフォーメーションをN型に固定したものであるBNA(LNA)等もまた、好ましく用いられ得る。
本発明のポリヌクレオチドは、公知の遺伝子工学的手法に従って容易に作製することができる。例えば、PCR、制限酵素切断、DNA連結技術、in vitro転写技術等を利用して作製することができる。
3.形質転換体
本発明は、その一態様において、本発明のポリヌクレオチドを含む、形質転換体(本明細書において、「本発明の形質転換体」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
本発明の形質転換体は、本発明のポリヌクレオチドを、全細胞又は少なくとも一部の細胞のゲノム外及び/又はゲノム内に含む限りにおいて、特に制限されない。
本発明の形質転換体の宿主としては、特に制限されず、例えば、本発明のプロテアーゼ変異体の発現に適した宿主が挙げられる。このような宿主としては、例えば大腸菌(例えばK12)、バチルス属細菌(例えば枯草菌)等の細菌、酵母(例えばAH22)、昆虫細胞(例えばSf細胞)、動物細胞(例えばVero細胞、Hela細胞、CV1細胞、COS1細胞、CHO細胞等)等が挙げられる。
本発明の形質転換体は、宿主に、本発明のポリヌクレオチドを導入することにより作製することができる。導入方法は、特に制限されず、導入対象に応じて、適宜選択することができる。導入方法としては、例えばプロトプラスト法、コンピテントセル法、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、DEAE-デキストラン処理、リポフェクション、ナノ粒子媒介性トランスフェクション、ウイルス媒介性核酸送達等が挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
特に断りの無い限り、以下の試験に共通する事項は次のとおりである。枯草菌(バチルス・サブチルス)168株は実験室株として代表的な株であり、全ゲノム塩基配列情報も公開されているモデル細菌である。枯草菌の形質転換はコンピテントセル法(参考文献1:’ Transformation and transduction in recombination-defective mutants of Bacillus subtilis’, J. A. Hoch, M. Barat, and C. Anagnostopoulos (1967) J.Bacteriol., 93, 1925-1937 )に従って行った。中性プロテアーゼ遺伝子のクローニングおよび変異導入においては、DNA断片の連結を、原則、制限酵素Xba I認識サイト及び制限酵素Pst I認識サイトを利用して行ったが、これに限定されていない。
参考例1.中性プロテアーゼ遺伝子のクローニング
枯草菌168株より抽出した染色体DNAを鋳型として、配列番号1で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号2で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、中性プロテアーゼ遺伝子をPCRにより増幅した。また、プラスミドpC194を鋳型として、配列番号3で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号4で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、プラスミドpC194を増幅した。増幅して得られた各DNA断片を制限酵素Xba I及びPst Iで消化後、T4 DNAリガーゼを用いて連結し、プロテアーゼを欠失した枯草菌168株を宿主菌株として形質転換してpC−nprEを構築し、中性プロテアーゼ遺伝子をクローニングした。
実地例1.ヒンジ部分の同定
参考例1でクローニングした中性プロテアーゼ(配列番号11で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質)について、変異標的となるヒンジ位置のアミノ酸残基を以下の様にして選抜した。
まず、「ループ」を次のように定めた。二次構造予測プログラムDSSP(参考文献2:’ Dictionary of protein secondary structure: pattern recognition of hydrogen‐bonded and geometrical features’, W. Kabsch & C. Sander (1983) Biopolymers. 22, 2577-2637.)を用い、対象とする酵素分子の立体構造情報を含むPDBファイルを入力して、2次構造を形成するアミノ酸残基を判定した。このプログラムを用いると、二次構造を残基ごとに判定できる。各残基の2次構造の判定が同一で3つ以上連続した領域を構造モチーフと判断した。例えば、αヘリックスの判定はHなので、4残基のαヘリックスならHHHHと判定される。ある構造モチーフのカルボキシ末端のアミノ酸残基から、連なる次の構造モチーフのアミノ末端のアミノ残基までの領域のうち、3残基以上のアミノ酸残基が繋がった領域を「ループ」と定義した。
この「ループ」を定義する(実施例1)のに用いた二次構造判定結果の具体例を図1に示す。図1中、左から1列目のオレンジ色の部分が構造モチーフであることを示し、左から2列目の黒線で囲んだところがループ(3残基以上)を示し、左から3列目が残基番号を示し、左から4列目が残基の種類を示し、左から5列目がDSSP出力による二次構造の判定結果を示す。二次構造の判定結果における各一文字表記の意味は次のとおりである。H:helix, B:beta-bridge, E:extended strand, G:3/10-helix, I:pi helix, T:hydrogen bonded turn, S:bend。
次に、以下の1)及び2)の両方を満たすアミノ酸残基を、「ループ」中にあるヒンジアミノ酸残基として決定した。
1) プログラムAreaimol(参考文献3:’ The mathematical intelligencer’, E.B.Saff & A.B.J.Kuijlaars (1997) The Mathematical Intelligencer, 19, 5-11.)を用いて求めた溶媒露出面積が10〜50%であること。
2) 結晶構造のPDBファイルに示された温度因子の値が全体の温度因子の平均値に比べて、有意に高くないこと。
実施例2.ヒンジアミノ酸残基の置換変異の導入
参考例1で決定したヒンジアミノ酸残基は、「ループ」中に複数存在することがあった。「ループ」により柔軟性を与える等の観点から、それらの残基の中から置換変異を導入する対象アミノ酸残基を、次のA)〜D)の基準に基づいて、1「ループ」当たり1〜2残基に絞った。
A)触媒活性に直接関わるアミノ酸残基は除外する。
B)「ループ」の残基について温度因子の平均値を求めた時、分子全体について求めた平均値より有意に低い「ループ」内部の残基は除外する。
C)分子本体との相互作用が密になる「ループ」の両末端に近い残基であること。
D)アミノ酸残基側鎖の体積がThr残基以上であること。すなわち、変異対象アミノ酸残基は、Thr残基、Asp残基、Val残基、Asn残基、Ile残基、Glu残基、Leu残基、Gln残基、His残基、Met残基、Phe残基、Lys残基、Tyr残基、Arg残基、Trpのいずれかである。複数存在する場合は、できるだけ大きな体積の側鎖を持つ残基を優先すること。側鎖の体積(RSA:relative solvent accessibility、又はRelative accessible surface area)は既報の文献(Tien, M. Z.; Meyer, A. G.; Sydykova, D. K.; Spielman, S. J.; Wilke, C. O. (2013). "Maximum allowed solvent accessibilites of residues in proteins". PLoS ONE. 8 (11): e80635. doi:10.1371/journal.pone.0080635.)に記載されるものを採用した。以下に各アミノ酸側鎖のRSA値を示す。
その結果、置換変異の導入対象のアミノ酸残基として、配列番号11における、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基が選抜された。これらのいずれか1つのアミノ酸残基の置換変異体を作製した。一例として、Glu159残基の置換変異体の作製方法を以下に示す。
まず、pC−nprE(中性プロテアーゼ:配列番号11のコード配列を含むプラスミド)を鋳型として、Glu159残基をコードする3塩基対を、変異後のアミノ酸をコードするように変更した3塩基対を含む塩基配列(配列番号5)からなるオリゴヌクレオチドと配列番号6で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRによりDNA断片(図2のaで示す矢印部分)を増幅した。一方で、pC−nprE(中性プロテアーゼ:配列番号11のコード配列を含むプラスミド)を鋳型として、配列番号7で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号8で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRによりDNA断片(図2のbで示す矢印部分)を増幅した。次に、増幅したaとbの各DNA断片を混合して鋳型とし、配列番号9で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号10で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRによりDNA断片(図2のcで示す矢印部分)を増幅した。得られたDNA断片を精製後、制限酵素Pst Iで消化し、T4 DNAリガーゼを用いて環状に連結した。連結したDNA断片を中性プロテアーゼを欠損した枯草菌を宿主菌株として形質転換することでアミノ酸置換変異したpC-nprEを保持した変異株を取得した。
実施例3.置換変異体の活性評価
置換変異体の各温度における活性を2つの方法で測定した。
<測定1>
実施例2で得られた変異株を培養し、得られた培養液の活性測定を行った。なお、培養は5μg/mLのクロラムフェニコールを含むLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)で行った。活性はカゼインを基質として測定した。すなわち、5mLの0.6%のカゼイン基質溶液を正確に量り、測定温度で10分間加温した後、酵素試料液1mLを正確に加え、直ちに振り混ぜた。この液を測定温度で正確に10分間放置した後、0.11Mのトリクロロ酢酸試液5mLを正確に加えて振り混ぜ、再び測定温度で30分間放置した後、ろ過した。ろ液2mLを正確に量りとり炭酸ナトリウム試液(無水 58.29→1,000)5mLおよび薄めたフォリン試液(1→3)1mLをそれぞれ正確に加え、よく振り混ぜ37℃で30分間放置した。この液につき、水を対照とし、波長660nmにおける吸光度ATを測定した。別に、酵素試料液1mLを正確に量り、0.11Mのトリクロロ酢酸試液5mLを正確に加えて振り混ぜた後、5mLの基質溶液を正確に加え、直ちに振り混ぜた後、測定温度で30分間放置し、以下同様に操作し、吸光度ABを測定した。酵素活性の単位は、測定法の条件で試験するとき、1分間にチロシン1μgに相当するフォリン試液呈色物質の増加をもたらす酵素量を1酵素活性単位とした。
本酵素液中の活性測定の単位は次の式であらわされる。
単位/gまたはmL=(AT−AB)×(チロシン検量線から求めた吸光度が1.000のときのチロシン量(マイクログラム))×11/2×1/10×1/(試料液1mL中の試料の量(gまたはmL))。
<測定2>
プロテアーゼ活性の有無を1%カゼインを含む5μg/mLのクロラムフェニコールを添加したLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、1.5%寒天)に変異導入菌株を接種、培養して、プレート上のコロニー周囲のカゼイン分解ハローを確認した。ハローが大きい程、プロテアーゼ活性が高いことを示す。
<結果>
測定1で得られた最大活性及び測定2の結果の一部を表2及び表3に示す。表1及び表2中、「オリジナル」は、変異前の中性プロテアーゼを示し、「相対活性」は、変異前の中性プロテアーゼの最大活性を100%とした場合の、最大活性を示す。また、測定1で得られた各温度別の活性の結果の一部を表4及び図3に示す。表4中、パーセンテージの値は、それぞれの変異体について最大活性を100%とした場合の値である。

Claims (11)

  1. プロテアーゼが変異してなるプロテアーゼ変異体であって、
    前記プロテアーゼが細菌が有するプロテアーゼであり、且つ
    前記プロテアーゼの1又は複数個のヒンジアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されている、
    プロテアーゼ変異体。
  2. 前記プロテアーゼが中性プロテアーゼである、請求項1に記載のプロテアーゼ変異体。
  3. 前記細菌がバチルス属細菌、ゲオバチルス属細菌、ブレビバチルス属細菌、スタフィロコッカス属細菌、クロストリジウム属細菌、パニエバチルス属細菌、シュードモナス属細菌、セラチア属細菌、ハロバチルス属細菌、ポンチバチルス属細菌、クルチア属細菌、ビルギバチルス属細菌、アノキシバチルス属細菌、又はリステリア属細菌である、請求項1又は2に記載のプロテアーゼ変異体。
  4. 前記ヒンジアミノ酸残基が、Thr残基、Asp残基、Val残基、Asn残基、Ile残基、Glu残基、Leu残基、Gln残基、His残基、Met残基、Phe残基、Lys残基、Tyr残基、Arg残基、及びTrp残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基である、請求項1〜3のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体。
  5. 前記プロテアーゼが下記(a)又は(b)に記載のタンパク質である、請求項1〜4のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体:
    (a)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又は
    (b)配列番号11又は12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つプロテアーゼ活性を有するタンパク質。
  6. 前記ヒンジアミノ酸残基が下記(c)、(d)、(e)又は(f)に記載のアミノ酸残基である、請求項5に記載のプロテアーゼ変異体:
    (c)配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
    (d)配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基、
    (e)配列番号11に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号11に示されるアミノ酸配列の、Leu10残基、Lys33残基、Gln38残基、Gln68残基、Phe89残基、Tyr94残基、Asn125残基、Thr153残基、Glu159残基、Asn177残基、Glu186残基、Leu195残基、Tyr204残基、Tyr210残基、Leu245残基、Tyr261残基、及びTyr283残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基、又は
    (f)配列番号12に示されるアミノ酸配列と23%以上の同一性を有するアミノ酸配列において、配列番号12に示されるアミノ酸配列の、Leu231残基、Lys254残基、Gln259残基、Gln289残基、Phe310残基、Tyr315残基、Asn346残基、Thr374残基、Glu380残基、Asn398残基、Glu407残基、Leu416残基、Tyr425残基、Tyr431残基、Leu466残基、Tyr482残基、及びTyr504残基からなる群より選択される少なくとも1種のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基。
  7. 変異前の前記プロテアーゼよりも、プロテアーゼ活性の最大活性がより高く、且つ/或いは低温下における活性がより高い、請求項1〜6のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体のコード配列を含む、ポリヌクレオチド。
  9. 請求項8に記載のポリヌクレオチドを含む、形質転換体。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のプロテアーゼ変異体を含有する、タンパク質分解剤。
  11. 食肉軟化剤、食品加工剤、洗剤、試験試薬、又は医薬品である、請求項10に記載のタンパク質分解剤。
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