最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力変換装置は、電力変換装置であって、太陽光発電部から受けた直流電力を交流電力に変換し、変換した前記交流電力を電力系統または負荷へ出力する電力変換部を備え、蓄電池、または太陽光のエネルギーと異なるエネルギーを用いて発電する発電部が、前記電力系統または前記負荷に前記電力変換部を介して接続され、前記電力変換装置は、さらに、前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続する正側線および負側線のいずれか一方において、前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続するか否かを切り替えるスイッチを備える。
たとえば、電力系統または負荷が接地されている状況において太陽光発電部が発電を行わない場合、正側線および負側線には、電力系統から電力変換部を介して正および負の対地電圧がそれぞれ供給される。一方、上記構成により、太陽光発電部が発電を行わない夜間等において正側線または負側線に設けられたスイッチを開けることで、それぞれ、太陽光発電部の電位をグランドに対して負または正にすることができる。これにより、たとえば接地された金属フレームに対して正または負の電位を有する場合に劣化の進行する太陽電池モジュールに対して、劣化の進行を抑制することができる。したがって、簡易な構成で、太陽光発電装置の劣化を抑制することができる。
(2)好ましくは、前記電力変換装置は、さらに、前記太陽光発電部および前記電力変換部の間に接続され、前記太陽光発電部から受けた前記直流電力の電圧を変換する直流電圧変換部を備え、前記スイッチは、前記太陽光発電部および前記直流電圧変換部の間に接続されている。
たとえば、太陽光発電部および直流電圧変換部の間に発電電力測定用の計測器を設ける場合に、直流電圧変換部および電力変換部の間にスイッチが設けられる構成では、太陽光発電部の電位が計測器の電位の影響を受けることがあるため、計測器の絶縁が求められる。これに対して、上記構成により、太陽光発電部および計測器の間にスイッチを設けることができるので、計測器を絶縁することなく、太陽光発電部の電位が計測器の電位に影響されることを防ぐことができる。
(3)好ましくは、前記太陽光発電部は複数設けられ、前記電力変換装置は、さらに、前記太陽光発電部に対応して設けられ、かつ対応の前記太陽光発電部および前記電力変換部の間に接続され、前記対応の太陽光発電部から受けた前記直流電力の電圧を変換する複数の直流電圧変換部を備え、前記スイッチは、前記複数の直流電圧変換部および前記電力変換部の間に接続されている。
このような構成により、複数の直流電圧変換部および電力変換部の電気的な接続および切断を一括して行うことができるので、電力変換装置の構成を簡素化することができる。
(4)好ましくは、前記電力変換部は、前記太陽光発電部から前記スイッチを経由して供給される前記直流電力から生成された動作用電力によって動作可能であり、前記スイッチは、前記動作用電力によって動作可能であり、前記スイッチは、前記動作用電力が供給されていない状態において、前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続する。
このように、たとえば夜間において太陽光発電部から直流電力が供給されないために動作用電力を生成できない場合に、太陽光発電部および電力変換部が電気的に接続される構成により、夜が明けて太陽光発電部が発電を開始すると、電力変換部は、太陽光発電部において発電され、スイッチを経由して供給される直流電力から生成された動作用電力によって動作を開始することができる。すなわち、電力変換装置が起動不能になる状況を防ぐことができる。
(5)好ましくは、前記電力変換部は、前記太陽光発電部から前記スイッチを経由せずに供給される前記直流電力から生成された動作用電力によって動作可能であり、前記スイッチは、前記動作用電力によって動作可能である。
このような構成により、夜が明けて太陽光発電部が発電を開始すると、スイッチは、太陽光発電部において発電され、スイッチを経由せずに供給される直流電力から生成された動作用電力によって動作を開始することができるので、太陽光発電部および電力変換部を電気的に接続することができる。これにより、電力変換部は、動作用電力によって、太陽光発電部からスイッチ経由で受ける直流電力の変換を行うことができる。すなわち、変換装置が起動不能になる状況を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る系統連系システムの構成を示す図である。
図1を参照して、系統連系システム201は、家屋内または事業所等に構築され、1つの太陽光発電部1と、電力変換装置101とを備える。
電力変換装置101は、たとえば、太陽光発電部1および蓄電装置6を併設する系統連系システム201において用いられるハイブリッド型PCS(Power Conditioning System)である。
より詳細には、電力変換装置101は、太陽光発電部1から受けた電力を変換し、変換した電力を電力系統および負荷7へ出力することが可能である。
また、電力変換装置101は、1または複数の蓄電池を含む蓄電装置6から受けた電力を変換し、変換した電力を電力系統および負荷7へ出力することが可能である。なお、電力変換装置101は、変換した電力を電力系統および負荷7のいずれか一方へ出力することが可能な構成であってもよい。
また、電力変換装置101は、電力系統からの電力および太陽光発電部1の発電電力を用いて蓄電装置6を充電することが可能である。
太陽光発電部1は、ここでは、太陽電池モジュール4と、接続箱5とを含む。太陽電池モジュール4は、たとえば複数組の太陽電池パネルにより構成される。たとえば、太陽電池モジュール4のフレームは、接地されている。
各組の太陽電池パネルは、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を接続箱5へ出力する。
接続箱5は、太陽電池モジュール4から受けた直流電力を電力線PLp1,PLm1を介して電力変換装置101へ出力する。電力線PLp1およびPLm1は、それぞれ正側の電力線および負側の電力線である。
接続箱5は、太陽電池モジュール4の太陽電池パネルから直流電力を組ごとに受ける。また、接続箱5は、太陽電池パネルの組間で電流が逆流してしまうことを防止する。
より詳細には、各組の太陽電池パネルの配置方向、各組に含まれる太陽電池パネルの枚数および日照条件等に応じて、各組の太陽電池パネルから出力される電圧は一般に異なる。接続箱5は、高い電圧を発生する組の太陽電池パネルから低い電圧を発生する組の太陽電池パネルへ電流が逆流してしまうことを、たとえばダイオードを用いて防止する。
なお、接続箱5は、昇圧回路を用いて、低い電圧を発生する組の太陽電池パネルの出力電圧を昇圧することにより、太陽電池パネルの組間で電流が逆流してしまうことを防止してもよい。
また、接続箱5は、たとえば断路機を含む。これにより、太陽電池モジュール4と接続箱5とを電気的に切り離すことができるので、接続箱5および電力変換装置101のメンテナンス時における感電の発生を防ぐことができる。
蓄電装置6は、電力系統および負荷7に電力変換装置101を介して接続される。蓄電装置6は、直流電力を電力線PLp3および電力線PLm3を介して電力変換装置101へ出力することが可能である。また、蓄電装置6は、電力線PLp3および電力線PLm3を介して電力変換装置101から受ける電力により充電される。電力線PLp3およびPLm3は、それぞれ正側の電力線および負側の電力線である。
電力変換装置101は、接続箱5から受けた直流電力を電力系統へ供給可能な電力、具体的には電圧202ボルトおよび周波数60ヘルツの交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統および負荷7へ出力する。
なお、電力変換装置101は、たとえば東日本地域に設置する場合、電圧202ボルトおよび周波数50ヘルツの交流電力に変換してもよい。
[電力変換装置の基本構成]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
図2を参照して、電力変換装置101は、端子台12,13と、連系リレー22と、サージ対策回路44と、電源60と、制御部61と、PV側回路群70と、電圧計Mv4,Mv5とを備える。端子台12は、端子12A,12B,12Cを含む。端子台13は、端子13A,13B,13Cを含む。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置におけるPV側回路群の構成を示す図である。
図3を参照して、PV側回路群70は、端子台11,15と、電力変換部51と、昇圧部52,55とを含む。端子台11は、端子11A,11Bを含む。端子台15は、端子15A,15Bを含む。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における昇圧部の構成を示す図である。
図4を参照して、昇圧部52は、スイッチ21Aと、開閉器41と、ノイズフィルタ42と、コンバータ(直流電圧変換部)31と、キャパシタ35と、電圧計Mv1と、電流計Mi1とを含む。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における昇圧部の構成を示す図である。
図5を参照して、昇圧部55は、開閉器46と、ノイズフィルタ47と、コンバータ34と、キャパシタ36と、電圧計Mv2と、電流計Mi2とを含む。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における電力変換部の構成を示す図である。
図6を参照して、電力変換部51は、キャパシタ32と、インバータ33と、ノイズフィルタ43と、電圧計Mv3と、電流計Mi3とを含む。
図2を参照して、電源60は、たとえば、太陽光発電部1からスイッチ21A(図3、図4および図6参照)を経由して供給される直流電力から動作用電力P60を生成する。
より詳細には、電源60は、太陽光発電部1および蓄電装置6からスイッチ21Aを経由して供給される直流電力、ならびに電力系統から供給される交流電力から動作用電力P60を生成する。
電源60は、生成した動作用電力P60を直流電圧として出力する。電源60は、共通のノードNpに接続された正側端子と、正側端子に対して負の電位を有し、かつ共通のノードNmに接続された負側端子とを有する。電源60の詳細については、後述する。
端子台12は、端子12A,12B,12Cを有する。端子12Aは、電力系統からの電力線PLu2と、u相線Wu2とを接続して固定する。端子12Bは、電力系統からの電力線PLn2と、n相線Wn2とを接続して固定する。端子12Cは、電力系統からの電力線PLw2と、w相線Ww2とを接続して固定する。
トランスT1は、たとえば柱上トランスであり、1次側コイルL1および2次側コイルL2を有する。トランスT1は、1次側コイルL1において交流電源PSから受けた電圧6.6キロボルトの交流電圧を2次側コイルL2において電圧202ボルトの交流電圧に変換する。
また、トランスT1は、電力変換装置101が逆潮流を行う場合、電力変換装置101から2次側コイルL2において受けた電圧202ボルトの交流電力すなわち交流電圧を1次側コイルL1において電圧6.6キロボルトの交流電圧に変換する。
より詳細には、トランスT1における2次側コイルL2は、電力線PLu2を介して端子12Aに接続された第1端と、電力線PLn2を介して端子12Bに接続され、かつ接地された中間点と、電力線PLw2を介して端子12Cに接続された第2端とを有する。
2次側コイルL2と相互インダクタンスにより結合する1次側コイルL1は、交流電源PSに接続された第3端および第4端を有する。
端子台13は、u相線Wu4を介して端子台12における端子12Aに接続された端子13Aと、n相線Wn4を介して端子台12における端子12Bに接続された端子13Bと、w相線Ww4を介して端子台12における端子12Cに接続された端子13Cとを有する。
電力線PLu4は、端子台13における端子13Aに接続された第1端と、負荷7に接続された第2端とを有する。電力線PLn4は、接地され、端子台13における端子13Bに接続された第1端と、負荷7に接続された第2端とを有する。電力線PLw4は、端子台13における端子13Cに接続された第1端と、負荷7に接続された第2端とを有する。なお、端子台13と負荷7との間において、配電盤が設けられてもよい。
u相線Wu2、n相線Wn2およびw相線Ww2は、連系リレー22およびサージ対策回路44を介して、PV側回路群70における電力変換部51と端子台12とを電気的に接続する。
サージ対策回路44は、第1端と、第2端と、第3端と、u相線Wu2を介して端子台12における端子12Aに接続された第4端と、n相線Wn2を介して端子台12における端子12Bに接続された第5端と、w相線Ww2を介して端子台12における端子12Cに接続された第6端とを有する。
電圧計Mv4,Mv5は、連系リレー22および端子台12間における電圧を測定する。より詳細には、電圧計Mv4は、端子台12における端子12Aおよび端子12B間の電圧V4を測定し、測定した電圧V4の測定値を制御部61へ出力する。
電圧計Mv5は、端子台12における端子12Aおよび端子12C間の電圧V5を測定し、測定した電圧V5の測定値を制御部61へ出力する。
図2〜図6を参照して、制御部61は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、PV側回路群70におけるスイッチ21Aを制御するための制御信号S1をスイッチ21Aへ出力することにより、スイッチ21Aのオンおよびオフを切り替える。
制御部61は、PV側回路群70を制御する。より詳細には、制御部61は、PV側回路群70における半導体スイッチ素子を制御するための制御信号S2、S3〜S8およびS9,S10を、それぞれ、昇圧部52、電力変換部51および昇圧部55へ出力することにより、昇圧部52におけるコンバータ31、電力変換部51におけるインバータ33および昇圧部55におけるコンバータ34を制御する。
図3を参照して、端子台11における端子11Aは、太陽光発電部1からの電力線PLp1と、正側線Wp1とを接続して固定する。端子11Bは、太陽光発電部1からの電力線PLm1と、負側線Wm1とを接続して固定する。
端子台15における端子15Aは、蓄電装置6からの電力線PLp3と、正側線Wp3とを接続して固定する。端子15Bは、蓄電装置6からの電力線PLm3と、負側線Wm3とを接続して固定する。
正側線Wp1および負側線Wm1は、昇圧部52を介して端子台11および電力変換部51を電気的に接続する。正側線Wp3および負側線Wm3は、昇圧部55を介して端子台15および電力変換部51を電気的に接続する。
昇圧部52は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、太陽光発電部1と電力変換部51との間に接続されている。
より詳細には、昇圧部52は、正側線Wp1を介して端子台11における端子11Aに接続された第1端と、負側線Wm1を介して端子台11における端子11Bに接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
昇圧部55は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、蓄電装置6と電力変換部51との間に接続されている。
より詳細には、昇圧部55は、正側線Wp3を介して端子台15における端子15Aに接続された第1端と、負側線Wm3を介して端子台15における端子15Bに接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
電力変換部51は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、昇圧部52の第3端および昇圧部55の第3端に接続された第1端と、昇圧部52の第4端および昇圧部55の第4端に接続された第2端と、第3端と、第4端と、第5端とを有する。
図4を参照して、昇圧部52におけるコンバータ31は、太陽光発電部1および電力変換部51の間に接続され、太陽光発電部1から受けた直流電力の電圧を変換する。ここでは、コンバータ31は、当該直流電力の電圧を昇圧する。
より詳細には、開閉器41は、正側線Wp1を介して端子台11における端子11Aに接続された第1端と、負側線Wm1を介して端子台11における端子11Bに接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
この例では、開閉器41の第1端および第2端が、それぞれ昇圧部52の第1端および第2端に相当する。
開閉器41は、たとえば、手動の両切りスイッチであり、第1端と第3端との電気的な接続、および第2端と第4端との電気的な接続をオンおよびオフする。
ノイズフィルタ42は、開閉器41の第3端に接続された第1端と、開閉器41の第4端に接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
スイッチ21Aは、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する負側線Wm1において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続するか否かを切り替える。
詳細には、スイッチ21Aは、たとえば、電源60によって生成された動作用電力P60により動作可能であり、太陽光発電部1およびコンバータ31の間に接続されている。言い換えると、スイッチ21Aは、太陽光発電部1とコンバータ31とを電気的に接続する負側線Wm1に設けられる。
より詳細には、スイッチ21Aは、たとえばノーマリーオープンのA接点のスイッチであり、負側線Wm1を介してノイズフィルタ42の第4端に接続された第1端と、第2端とを有する。
キャパシタ35は、太陽光発電部1から受ける直流電力の変動を抑制するために設けられ、正側線Wp1を介してノイズフィルタ42の第3端に接続された第1端と、スイッチ21Aの第2端に接続された第2端とを有する。
コンバータ31は、キャパシタ35の第1端に接続された第1端と、キャパシタ32の第2端に接続された第2端と、電力変換部51の第1端に接続された第3端と、電力変換部51の第2端に接続された第4端とを有する。
この例では、コンバータ31の第3端および第4端が、それぞれ昇圧部52の第3端および第4端に相当する。
電圧計Mv1は、太陽光発電部1およびコンバータ31間における電圧を測定する。より詳細には、電圧計Mv1は、スイッチ21Aとキャパシタ35との間に設けられ、キャパシタ35における第1端および第2端間の電圧V1を測定し、測定した電圧V1の測定値を制御部61へ出力する。
電流計Mi1は、太陽光発電部1およびコンバータ31間における電流を測定する。より詳細には、電流計Mi1は、キャパシタ35およびコンバータ31間における負側線Wm1を通して流れる電流I1を測定し、測定した電流I1の測定値を制御部61へ出力する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るPV側回路群におけるコンバータの回路の一例を示す図である。
図7を参照して、コンバータ31は、インダクタL31と、半導体スイッチ素子TS2と、ダイオードD1,D2とを含む。
コンバータ31は、太陽光発電部1から受ける直流電圧を半導体スイッチ素子TS2のスイッチングによって昇圧する。
より詳細には、インダクタL31は、キャパシタ35の第1端に接続された第1端と、第2端とを有する。
半導体スイッチ素子TS2は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。半導体スイッチ素子TS2は、ダイオードD2のカソードに接続され、かつノードN12を介してインダクタL31の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD2のアノード、キャパシタ35の第2端および電力変換部51の第2端に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。
ダイオードD1は、逆流防止のために設けられ、ノードN12を介してインダクタL31の第2端に接続されたアノードと、電力変換部51の第1端に接続されたカソードとを有する。
この例では、インダクタL31の第1端、および半導体スイッチ素子TS2のエミッタが、それぞれコンバータ31の第1端および第2端に相当する。ダイオードD1のカソード、および半導体スイッチ素子TS2のエミッタが、それぞれコンバータ31の第3端および第4端に相当する。
半導体スイッチ素子TS2は、たとえば、論理ハイレベルの制御信号S2を制御部61から受けるとオンする。また、半導体スイッチ素子TS2は、たとえば、論理ローレベルの制御信号S2を制御部61から受けるとオフする。
ダイオードD2は、半導体スイッチ素子TS2に逆電圧が印加されたときに、半導体スイッチ素子TS2のエミッタ側からコレクタ側へ電流を流す。これにより、半導体スイッチ素子TS2が逆電圧によって破壊されることを防ぐことができる。
制御部61は、電圧V1の測定値および電流I1の測定値に基づいて半導体スイッチ素子TS2のオン状態およびオフ状態を切替えることにより、太陽光発電部1から受ける電圧を昇圧する。
より詳細には、制御部61は、ノードN12および半導体スイッチ素子TS2におけるエミッタ間を流れる電流を制御し、インダクタL31の第1端および第2端間に起電力を発生させることにより、インダクタL31の第2端および半導体スイッチ素子TS2のエミッタ間において、電圧V1より大きい電圧を発生させる。
再び図5を参照して、昇圧部55における開閉器46は、正側線Wp3を介して端子台15における端子15Aに接続された第1端と、負側線Wm3を介して端子台15における端子15Bに接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
この例では、開閉器46の第1端および第2端が、それぞれ昇圧部55の第1端および第2端に相当する。
開閉器46は、たとえば、手動の両切りスイッチであり、第1端と第3端との電気的な接続、および第2端と第4端との電気的な接続をオンおよびオフする。
ノイズフィルタ47は、開閉器46の第3端に接続された第1端と、開閉器46の第4端に接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
コンバータ34は、正側線Wp3を介してノイズフィルタ47の第3端に接続された第1端と、負側線Wm3を介してノイズフィルタ47の第4端に接続された第2端と、電力変換部51の第1端に接続された第3端と、電力変換部51の第2端に接続された第4端とを有する。
この例では、コンバータ34の第3端および第4端が、それぞれ昇圧部55の第3端および第4端に相当する。
キャパシタ36は、蓄電装置6から受ける直流電力の変動を抑制するために設けられ、ノイズフィルタ47の第3端に接続された第1端と、ノイズフィルタ47の第4端に接続された第2端とを有する。
電圧計Mv2は、蓄電装置6およびコンバータ34間における電圧を測定する。より詳細には、電圧計Mv2は、ノイズフィルタ47とキャパシタ36との間に設けられ、キャパシタ36における第1端および第2端間の電圧V2を測定し、測定した電圧V2の測定値を制御部61へ出力する。
電流計Mi2は、蓄電装置6およびコンバータ34間における電流を測定する。より詳細には、電流計Mi2は、キャパシタ36およびコンバータ34間における負側線Wm3を通して流れる電流I2を測定し、測定した電流I2の測定値を制御部61へ出力する。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係るPV側回路群におけるコンバータの回路の一例を示す図である。
図8を参照して、コンバータ34は、インダクタL34と、半導体スイッチ素子TS9,TS10と、ダイオードD9,D10とを含む。
コンバータ34は、蓄電装置6から受ける直流電圧を半導体スイッチ素子TS9,TS10のスイッチングによって昇圧する。
より詳細には、インダクタL34は、キャパシタ36の第1端に接続された第1端と、第2端とを有する。
半導体スイッチ素子TS9,TS10は、たとえばIGBTである。半導体スイッチ素子TS9は、ダイオードD9のカソードに接続され、かつノードN910を介してインダクタL34の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD9のアノード、キャパシタ36の第2端および電力変換部51の第2端に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。
半導体スイッチ素子TS10は、ダイオードD10のカソードおよび電力変換部51の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD10のアノードに接続され、かつノードN910を介してインダクタL34の第2端に接続されたコレクタと、ゲートとを有する。
この例では、インダクタL34の第1端、および半導体スイッチ素子TS9のエミッタが、それぞれコンバータ34の第1端および第2端に相当する。ダイオードD10のカソード、および半導体スイッチ素子TS2のエミッタが、それぞれコンバータ34の第3端および第4端に相当する。
半導体スイッチ素子TS9,TS10は、たとえば、論理ハイレベルの制御信号S9,S10を制御部61からそれぞれ受けるとオンする。また、半導体スイッチ素子TS9,TS10は、たとえば、論理ローレベルの制御信号S9,S10を制御部61からそれぞれ受けるとオフする。
ダイオードD9,D10は、図7に示すダイオードD2と同様に、それぞれ半導体スイッチ素子TS9,TS10の破壊防止のために設けられる。
制御部61は、電圧V2の測定値および電流I2の測定値に基づいて半導体スイッチ素子TS9,TS10のオン状態およびオフ状態を切替えることにより、蓄電装置6から受ける電圧を昇圧する。
再び図6を参照して、電力変換部51におけるインバータ33は、太陽光発電部1から受けた直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統および負荷7へ出力する。
より詳細には、キャパシタ32は、昇圧部52,55から受ける直流電力の変動を抑制するために設けられ、昇圧部52の第3端および昇圧部55の第3端に接続された第1端と、昇圧部52の第4端および昇圧部55の第4端に接続された第2端とを有する。
この例では、キャパシタ32の第1端および第2端が、それぞれ電力変換部51の第1端および第2端に相当する。
電圧計Mv3は、昇圧部52,昇圧部55とインバータ33との間における電圧を測定する。より詳細には、電圧計Mv3は、昇圧部52,55とキャパシタ32との間に設けられ、キャパシタ32における第1端および第2端間の電圧V3を測定し、測定した電圧V3の測定値を制御部61へ出力する。
インバータ33は、電源60によって生成された動作用電力P60により動作可能である。インバータ33は、正側線Wp1を介してキャパシタ32の第1端に接続された第1端と、負側線Wm1を介してキャパシタ32の第2端に接続された第2端と、第3端と、第4端と、第5端とを有する。
ノイズフィルタ43は、u相線Wu2を介してインバータ33の第3端に接続された第1端と、n相線Wn2を介してインバータ33の第4端に接続された第2端と、w相線Ww2を介してインバータ33の第5端に接続された第3端と、第4端と、第5端と、第6端とを有する。
この例では、ノイズフィルタ43の第4端、第5端および第6端が、それぞれ電力変換部51の第3端、第4端および第5端に相当する。
電流計Mi3は、インバータ33および連系リレー22間における電流を測定する。より詳細には、電流計Mi3は、インバータ33およびノイズフィルタ43間におけるw相線Ww2を通して流れる電流I3を測定し、測定した電流I3の測定値を制御部61へ出力する。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係るPV側回路群におけるインバータの回路の一例を示す図である。
図9を参照して、インバータ33は、インダクタLu,Ln,Lwと、半導体スイッチ素子TS3,TS4,TS5,TS6,TS7,TS8と、ダイオードD3,D4,D5,D6,D7,D8とを含む。
インバータ33は、昇圧部52,55からキャパシタ32を介して直流電力を受けて、6つの半導体スイッチ素子のスイッチングを用いて、受けた直流電力から単相の交流電流を生成する。
より詳細には、半導体スイッチ素子TS3〜TS8は、たとえばIGBTである。半導体スイッチ素子TS3は、ダイオードD3のカソードおよびキャパシタ32の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD3のアノードに接続され、かつノードN34を介して半導体スイッチ素子TS4に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。半導体スイッチ素子TS4は、ダイオードD4のカソードに接続され、かつノードN34を介して半導体スイッチ素子TS3に接続されたコレクタと、ダイオードD4のアノードおよびキャパシタ32の第2端に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。
半導体スイッチ素子TS5は、ダイオードD5のカソードおよびキャパシタ32の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD5のアノードに接続され、かつノードN56を介して半導体スイッチ素子TS6に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。半導体スイッチ素子TS6は、ダイオードD6のカソードに接続され、かつノードN56を介して半導体スイッチ素子TS5に接続されたコレクタと、ダイオードD6のアノードおよびキャパシタ32の第2端に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。
半導体スイッチ素子TS7は、ダイオードD7のカソードおよびキャパシタ32の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD7のアノードに接続され、かつノードN78を介して半導体スイッチ素子TS8に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。半導体スイッチ素子TS8は、ダイオードD8のカソードに接続され、かつノードN78を介して半導体スイッチ素子TS7に接続されたコレクタと、ダイオードD8のアノードおよびキャパシタ32の第2端に接続されたエミッタと、ゲートとを有する。
この例では、半導体スイッチ素子TS3,TS5,TS7のコレクタ、および半導体スイッチ素子TS4,TS6,TS8のエミッタが、それぞれインバータ33の第1端および第2端に相当する。
半導体スイッチ素子TS3〜TS8は、たとえば、論理ハイレベルの制御信号S3〜S8を制御部1からそれぞれ受けるとオンする。また、半導体スイッチ素子TS3〜TS8は、たとえば、論理ローレベルの制御信号S3〜S8を制御部1からそれぞれ受けるとオフする。
ダイオードD3〜D8は、図7に示すダイオードD2と同様に、それぞれ半導体スイッチ素子TS3〜TS8の破壊防止のために設けられる。
制御部61は、電圧V3の測定値、電流I3の測定値、電圧V4の測定値、および電圧V5の測定値に基づいて、半導体スイッチ素子TS3〜TS8のオン状態およびオフ状態を切替えることにより、昇圧部52,55からキャパシタ32を介して受ける直流電力から単相の交流電流を生成する。
より詳細には、制御部61は、インバータ33をたとえばPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
制御部61は、たとえば電力系統における交流電圧の周波数である60ヘルツより大きいキャリア周波数Fcおよびデューティ比を設定する。そして、制御部61は、キャリア周波数Fcの逆数であるキャリア周期Tc毎に、キャリア周期Tcに当該デューティ比を乗じたオン期間、論理ハイレベルの信号を出力し、当該オン期間以外のオフ期間、論理ローレベルの信号を出力する。
制御部61は、デューティ比を調整することにより、論理ハイレベルの制御信号を出力する時間すなわち制御信号のパルス幅を制御する。
制御部61は、周波数60ヘルツの交流電流がインバータ33におけるノードN34,N56,N78を介して連系リレー22へ出力されるように、制御信号S3〜S8を、半導体スイッチ素子TS3〜TS8のゲートへそれぞれ出力する。
そして、半導体スイッチ素子TS3〜TS8は、制御部61から制御信号S3〜S8をそれぞれ受けると、デューティ比に応じてキャリア周期Tc毎にオンする。従って、半導体スイッチ素子TS3〜TS8におけるスイッチングの周波数は、キャリア周波数Fcと一致する。
インダクタLu,Ln,Lwは、半導体スイッチ素子TS3〜TS8および連系リレー22の間に接続されている。インダクタLu,Ln,Lwは、半導体スイッチ素子TS3〜TS8から受けた交流電流を平滑化し、平滑化した交流電流を連系リレー22へ出力する。
より詳細には、インダクタLuは、u相線Wu2を介してノードN34に接続された第1端と、第2端とを有する。インダクタLnは、n相線Wn2を介してノードN56に接続された第1端と、第2端とを有する。インダクタLwは、w相線Ww2を介してノードN78に接続された第1端と、第2端とを有する。
この例では、インダクタLuの第2端、インダクタLnの第2端およびインダクタLwの第2端が、それぞれインバータ33の第3端、第4端および第5端に相当する。
再び図2を参照して、連系リレー22は、電力変換部51の第3端に接続された第1端と、電力変換部51の第4端に接続された第2端と、電力変換部51の第5端に接続された第3端と、サージ対策回路44の第1端に接続された第4端と、サージ対策回路44の第2端に接続された第5端と、サージ対策回路44の第3端に接続された第6端とを有する。
連系リレー22は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、制御部61から受ける制御信号S11に基づいて、電力変換部51と電力系統および負荷7とを電気的に接続するか否かを切替える。
連系リレー22は、たとえば、通常運転時では、電力変換部51と電力系統および負荷7とを電気的に接続する。
より詳細には、太陽光発電部1が発電を行う昼間において、たとえば、太陽光発電部1の発電電力を電力系統および負荷7へ供給するために、連系リレー22は、電力変換部51と電力系統および負荷7とを電気的に接続する。
また、太陽光発電部1が発電を行わない夜間においても、たとえば、電力系統からの電力を用いて蓄電装置6を充電したり、蓄電装置6の電力を負荷7へ供給したりするために、連系リレー22は、電力変換部51と電力系統および負荷7とを電気的に接続する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における電源の構成を示す図である。
図10を参照して、電源60は、整流部81と、絶縁部82と、ダイオードD11とを含む。
図2、図6および図10を参照して、ダイオードD11は、逆流防止のために設けられ、正側線Wp6を介してPV側回路群70におけるキャパシタ32の第1端に接続された第1端と、第2端とを有する。
絶縁部82は、ダイオードD11の第2端に接続された第1端と、負側線Wm6を介してキャパシタ32の第2端に接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
整流部81は、u相線Wu7を介して端子台12における端子12Aに接続された第1端と、w相線Ww7を介して端子台12における端子12Cに接続された第2端と、絶縁部82の第1端に接続された第3端と、絶縁部82の第2端に接続された第4端とを有する。
整流部81は、逆流を防止するとともに、端子台12から受ける電圧202ボルトの交流電力を整流することにより直流電力を生成し、生成した直流電力を絶縁部82へ出力する。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電源における絶縁部の回路の一例を示す図である。
図11を参照して、絶縁部82は、変調部83と、整流部84と、トランス85とを含む。トランス85は、1次側コイルL3と、2次側コイルL4とを有する。
絶縁部82は、制御部61と正側線Wp6および負側線Wm6とを絶縁するとともに、PV側回路群70および整流部81から受ける直流電力の電圧を変換し、電圧を変換した直流電力を連系リレー22、PV側回路群70および制御部61へ出力する。
より詳細には、絶縁部82における変調部83は、PV側回路群70におけるキャパシタ32および整流部81から受ける直流電力を用いて動作し、ダイオードD11の第2端および整流部81の第3端に接続された第1端と、PV側回路群70におけるキャパシタ32の第2端および整流部81の第4端に接続された第2端と、第3端と、第4端とを有する。
この例では、変調部83の第1端および第2端が、それぞれ絶縁部82の第1端および第2端に相当する。
1次側コイルL3は、正側線Wp6を介して変調部83の第3端に接続された第1端と、負側線Wm6を介して変調部83の第4端に接続された第2端とを有する。
1次側コイルL3と相互インダクタンスにより結合する2次側コイルL4は、第1端と、第2端とを有する。
整流部84は、2次側コイルL4の第1端に接続された第1端と、2次側コイルL4の第2端に接続された第2端と、ノードNpを介して制御部61に接続された第3端と、ノードNmを介して制御部61に接続された第4端とを有する。
この例では、整流部84の第3端および第4端が、それぞれ絶縁部82の第3端および第4端に相当する。
変調部83は、PV側回路群70におけるキャパシタ32および整流部81から受ける直流電力の電圧をスイッチング制御することにより電圧パルスを生成し、生成した電圧パルスをトランス85へ出力する。
トランス85は、変調部83と整流部84とを絶縁するとともに、変調部83から受ける電圧パルスの電圧を変圧し、変圧後の電圧パルスを整流部84へ出力する。
整流部84は、トランス85から受ける電圧パルスを整流することにより直流電力である動作用電力P60を生成し、生成した動作用電力P60の正側の電圧を、ノードNpを介して連系リレー22、PV側回路群70および制御部61へ出力するとともに、生成した動作用電力P60の負側の電圧を、ノードNmを介して連系リレー22、PV側回路群70および制御部61へ出力する。
このように、制御部61と、PV側回路群70およびu相線Wu2,w相線Ww2との間は絶縁されている。また、制御部61と電圧計Mv1〜Mv5および電流計Mi1〜Mi3との間は、図示しないが信号線で接続されており、制御部61とPV側回路群70およびu相線Wu2,w相線Ww2との間と同様に絶縁されている。
[スイッチの変形例1]
再び図3を参照して、PV側回路群70は、図4に示す昇圧部52の代わりに、昇圧部53を含む。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における昇圧部の変形例の構成を示す図である。
図12を参照して、昇圧部53は、図4に示す昇圧部52と比べて、スイッチ21Aの代わりに、スイッチ21Bを含む。
昇圧部53における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1の動作は、図4に示す昇圧部52における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1とそれぞれ同様である。
スイッチ21Bは、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する正側線Wp1において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続するか否かを切り替える。
詳細には、スイッチ21Bは、たとえば、電源60によって生成された動作用電力P60により動作可能であり、太陽光発電部1およびコンバータ31の間に接続されている。言い換えると、スイッチ21Bは、太陽光発電部1とコンバータ31とを電気的に接続する正側線Wp1に設けられる。
より詳細には、スイッチ21Bは、たとえばノーマリーオープンのA接点のスイッチであり、正側線Wp1を介してノイズフィルタ42の第3端に接続された第1端と、第2端とを有する。
キャパシタ35は、スイッチ21Bの第2端に接続された第1端と、負側線Wm1を介してノイズフィルタ42の第4端に接続された第2端とを有する。
[スイッチの変形例2]
再び図2を参照して、電力変換装置101は、PV側回路群70の代わりに、PV側回路群71を含む。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置におけるPV側回路群の変形例の構成を示す図である。
図13を参照して、PV側回路群71は、図3に示すPV側回路群70と比べて、昇圧部52の代わりに、昇圧部54およびスイッチ21Cを含む。
PV側回路群71における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55の動作は、図3に示すPV側回路群70における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55とそれぞれ同様である。
昇圧部54は、正側線Wp1を介して端子台11における端子11Aに接続された第1端と、負側線Wm1を介して端子台11における端子11Bに接続された第2端と、電力変換部51の第1端に接続された第3端と、第4端とを有する。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における昇圧部の変形例の構成を示す図である。
図14を参照して、昇圧部54は、図4に示す昇圧部52と比べて、スイッチ21Aを含まない。
昇圧部54における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1の動作は、図4に示す昇圧部52における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1とそれぞれ同様である。
キャパシタ35は、正側線Wp1を介してノイズフィルタ42の第3端に接続された第1端と、負側線Wm1を介してノイズフィルタ42の第4端に接続された第2端とを有する。
再び図13を参照して、スイッチ21Cは、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する負側線Wm1において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続するか否かを切り替える。
詳細には、スイッチ21Cは、たとえば、電源60によって生成された動作用電力P60により動作可能であり、コンバータ31および電力変換部51の間に接続されている。言い換えると、スイッチ21Cは、コンバータ31と電力変換部51とを電気的に接続する負側線Wm1に設けられる。
より詳細には、スイッチ21Cは、たとえばノーマリーオープンのA接点のスイッチであり、昇圧部54の第4端に接続された第1端と、電力変換部51の第2端に接続された第2端とを有する。
なお、スイッチ21Cは、昇圧部54と電力変換部51とを電気的に接続する負側線Wm1に設けられる構成に限らず、昇圧部54と電力変換部51とを電気的に接続する正側線Wp1に設けられる構成であってもよい。
[動作の流れ]
電力変換装置101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が電力変換を開始する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図15には、スイッチ21Aを含む電力変換装置101の動作の流れが示される。なお、スイッチ21Bを含む電力変換装置101の動作の流れも同様である。
図15を参照して、まず、電力変換装置101における制御部61は、所定のオンタイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNO)。ここで、所定のオンタイミングは、たとえば日出前後の時間帯に設定される。
そして、制御部61は、所定のオンタイミングが到来すると(ステップS102でYES)、制御信号S1によりスイッチ21Aをオンし、スイッチ21Aにおける第1端および第2端間を電気的に接続する(ステップS104)。
次に、制御部61は、発電電圧すなわち電圧V1の測定値が所定のしきい値Th1以上になるまで待機する(ステップS106でNO)。
そして、制御部61は、電圧V1の測定値が所定のしきい値Th1以上になると(ステップS106でYES)、昇圧部52および電力変換部51における半導体スイッチ素子を制御することにより、太陽光発電部1から受ける直流電力の交流電力への変換を開始する(ステップS108)。
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が電力変換を開始する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図16には、スイッチ21Cを含む電力変換装置101の動作の流れが示される。
図16を参照して、まず、電力変換装置101における制御部61は、発電電圧すなわち電圧V1の測定値が所定のしきい値Th1以上になるまで待機する(ステップS202でNO)。
そして、制御部61は、電圧V1の測定値が所定のしきい値Th1以上になると(ステップS202でYES)、制御信号S1によりスイッチ21Cをオンし、スイッチ21Cにおける第1端および第2端間を電気的に接続する(ステップS204)。
次に、制御部61は、昇圧部54および電力変換部51における半導体スイッチ素子を制御することにより、太陽光発電部1から受ける直流電力の交流電力への変換を開始する(ステップS206)。
このように、電圧計Mv1と電力変換部51との間にスイッチ21Cが接続されている構成により、発電電圧を確認した後、スイッチ21Cをオンすることができる。これにより、日出より前にスイッチ21Cをオンしてしまうことを防ぐことができる、すなわち夜間にスイッチ21Cを誤ってオンしてしまうことを防ぐことができる。
なお、スイッチ21Cは、図13および図14に示すようにコンバータ31と電力変換部51との間に設けられる構成に限らず、電圧計Mv1とキャパシタ35との間、およびキャパシタ35とコンバータ31との間に設けられる構成であってもよい。この構成においても、上記動作の流れを行うことが可能である。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置が電力変換を終了する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図17には、スイッチ21Aを含む電力変換装置101の動作の流れが示される。なお、スイッチ21B,21Cのいずれか一方を含む電力変換装置101の動作の流れも同様である。
図17を参照して、まず、電力変換装置101における制御部61は、所定のオフタイミングが到来するまで待機する(ステップS302でNO)。ここで、所定のオフタイミングは、たとえば日没前後の時間帯に設定される。
そして、制御部61は、所定のオフタイミングが到来すると(ステップS302でYES)、電圧V1の測定値および電流I1の測定値に基づいて発電電力P1を算出するすなわち取得する(ステップS304)。
次に、制御部61は、取得した発電電力P1が所定のしきい値Th2以下である場合(ステップS306でYES)、発電電流がゼロアンペアになるように制御する(ステップS308)。より詳細には、制御部61は、電流I1の測定値がゼロになるようにコンバータ31における半導体スイッチ素子を制御する。
次に、制御部61は、制御信号S1によりスイッチ21Aをオフし、スイッチ21Aにおける第1端および第2端間を電気的に絶縁する(ステップS310)。
一方、制御部61は、取得した発電電力P1がしきい値Th2より大きい場合(ステップS306でNO)、発電電力P1を新たに取得する(ステップS304)。
なお、制御部61は、上記ステップS308において発電電流がゼロアンペアになるように制御する構成に限らず、発電電力P1が所定のしきい値Th2以下である場合に(ステップS306でYES)、スイッチ21Aをオフする(ステップS310)構成であってもよい。
しかしながら、発電電流が存在する場合にスイッチ21Aをオフすると、スイッチ21Aにアーク放電が発生する可能性があるため、発電電流がゼロアンペアになるように制御してから(ステップS308)、スイッチ21Aをオフする(ステップS310)構成が好ましい。
[スイッチの変形例3]
スイッチ21A(図4参照)を用いる構成では、たとえば、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合、電力系統および蓄電装置6から電源60へ電力が供給されない。
このような場合においてスイッチ21Aがオフされていると、太陽光発電部1が発電を行ってもスイッチ21Aがオフ状態であるため太陽光発電部1の発電電力が電源60に供給されない。
したがって、電源60が動作用電力P60をPV側回路群70および制御部61へ出力しないので、スイッチ21Aをオンすることができず、また、PV側回路群70における各半導体スイッチ素子を動作させることができない。すなわち、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合において、スイッチ21Aがオフ状態であると、電力変換装置101の起動が困難となる。
また、スイッチ21B(図12参照)およびスイッチ21C(図13参照)を用いる構成においても、同様に起動が困難となる。
図18は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置における昇圧部の変形例の構成を示す図である。
図18を参照して、昇圧部52の変形例は、図4に示す昇圧部52と比べて、A接点のスイッチ21Aの代わりに、スイッチ21Fを含む。
昇圧部52の変形例における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1の動作は、図4に示す昇圧部52における開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1とそれぞれ同様である。
スイッチ21Fは、たとえば、電源60によって生成された動作用電力P60によって動作可能である。また、スイッチ21Fは、たとえば、動作用電力P60が供給されていない状態において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する。具体的には、スイッチ21Bは、ノーマリークローズのB接点のスイッチである。
スイッチ21Aと同様に、スイッチ21B(図12参照)およびスイッチ21C(図13参照)が、B接点のスイッチであってもよい。
このように、B接点のスイッチ21Fを用いる構成により、電源60が動作用電力P60をPV側回路群70および制御部61へ出力しない場合、スイッチ21Fはオフされる、すなわちスイッチ21Fにおける第1端および第2端間が電気的に接続される。
これにより、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合においても、太陽光発電部1が発電した直流電力を電源60に供給することができるので、電源60は、動作用電力P60をPV側回路群70および制御部61へ出力することができる。すなわち、太陽光発電部1が発電している場合、太陽光発電部1によって発電された直流電力から生成された動作用電力P60を用いてPV側回路群70における各半導体スイッチ素子を動作させることができるので、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合において、電力変換装置101が起動困難となることを防ぐことができる。
[電力変換装置101の変形例]
電力変換装置101の変形例では、B接点のスイッチを用いずにA接点のスイッチを用いて、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合に起動困難となることを防ぐことが可能である。
図19は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の変形例の構成を示す図である。
図19を参照して、電力変換装置101の変形例は、図2に示す電力変換装置101と比べて、電源60およびPV側回路群70の代わりに、電源62およびPV側回路群71を備える。
電力変換装置101の変形例における端子台12,13、連系リレー22、サージ対策回路44、制御部61および電圧計Mv4,Mv5の動作は、図2に示す電力変換装置101における端子台12,13、連系リレー22、サージ対策回路44、制御部61および電圧計Mv4,Mv5とそれぞれ同様である。
電源62は、たとえば、太陽光発電部1からスイッチ21Aを経由せずに供給される直流電力から生成された動作用電力P62を生成する。
より詳細には、電源62は、太陽光発電部1からスイッチ21Aを経由せずに供給される直流電力、太陽光発電部1および蓄電装置6からスイッチ21Aを経由して供給される直流電力、ならびに電力系統から供給される交流電力から動作用電力P62を生成する。
電源62は、生成した動作用電力P62を直流電圧として出力する。電源62は、ノードNpに接続された正側端子と、正側端子に対して負の電位を有し、かつノードNmに接続された負側端子とを有する。電源62の詳細については、後述する。
図20は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の変形例におけるPV側回路群の構成を示す図である。
図20を参照して、PV側回路群71は、図3に示すPV側回路群70と比べて、昇圧部52の代わりに、昇圧部56を含む。
PV側回路群71における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55の動作は、図3に示すPV側回路群70における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55とそれぞれ同様である。
電力変換部51は、たとえば、太陽光発電部1からスイッチ21Aを経由せずに供給される直流電力から生成された動作用電力P62によって動作可能である。
図21は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の変形例における昇圧部の構成を示す図である。
図21を参照して、昇圧部56は、スイッチ21Aと、開閉器41と、ノイズフィルタ42と、コンバータ31と、キャパシタ35と、電圧計Mv1と、電流計Mi1とを含む。
昇圧部56におけるスイッチ21A、開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1の動作は、図4に示す昇圧部52におけるスイッチ21A、開閉器41、ノイズフィルタ42、コンバータ31、キャパシタ35、電圧計Mv1および電流計Mi1とそれぞれ同様である。
正側線Wp8は、キャパシタ35の第1端に接続された第1端と、第2端とを有する。負側線Wm8は、スイッチ21Aの第1端に接続された第1端と、第2端とを有する。
スイッチ21Aは、たとえば、電源62によって生成された動作用電力P62により動作可能である。
図22は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の変形例における電源の構成を示す図である。
図22を参照して、電源62は、図10に示す電源60と比べて、絶縁部82の代わりに、絶縁部82である絶縁部82A,82Bを含み、さらに、ダイオードD12,D13を含む。
電源62におけるダイオードD11、整流部81および絶縁部82Aの動作は、図10に示すダイオードD11、整流部81および絶縁部82とそれぞれ同様である。
ダイオードD12は、逆流防止のために設けられ、絶縁部82Aの第3端に接続された第1端と、ノードNpに接続された第2端とを有する。
絶縁部82Bは、正側線Wp8の第2端に接続された第1端と、負側線Wm8の第2端に接続された第2端と、第3端と、ノードNmに接続された第4端とを有する。
ダイオードD13は、逆流防止のために設けられ、絶縁部82Bの第3端に接続された第1端と、ノードNpに接続された第2端とを有する。
なお、正側線Wp8の第1端および負側線Wm8の第1端は、昇圧部56におけるキャパシタ35の第1端およびスイッチ21Aの第1端にそれぞれ接続される構成であるとしたが、これに限定するものではない。
正側線Wp8の第1端および負側線Wm8の第1端は、図12に示す昇圧部53におけるスイッチ21Bの第1端およびキャパシタ35の第2端にそれぞれ接続される構成であってもよい。
また、正側線Wp8の第1端および負側線Wm8の第1端は、図14に示す昇圧部54Aにおけるキャパシタ35の第1端およびキャパシタ35の第2端にそれぞれ接続される構成であってもよい。
このような構成により、停電時に蓄電装置6の蓄電残量が十分でない場合においても、スイッチの接続状態に関わらず太陽光発電部1が発電した直流電力を電源62に供給することができるので、電源62は、動作用電力P62をPV側回路群70および制御部61へ出力することができる。
[電源62の変形例]
図23は、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置の変形例における電源の変形例の構成を示す図である。
図23を参照して、電源62の変形例は、図22に示す電源62と比べて、さらに、スイッチ86を含む。
電源62の変形例におけるダイオードD11,D12,D13、整流部81および絶縁部82A,82Bの動作は、図22に示す電源62におけるダイオードD11,D12,D13、整流部81および絶縁部82A,82Bとそれぞれ同様である。
スイッチ86は、たとえば手動のスイッチであり、ダイオードD13の第2端に接続された第1端と、ノードNpに接続された第2端とを有する。
このように、絶縁部82BとノードNp,Nmとの間にスイッチ86が接続される構成により、たとえば、電力変換装置101のメンテナンス時においてスイッチ86をオフすることで、太陽光発電部1が発電する場合に電力変換装置101が起動することを防ぐことができる。これにより、電力変換装置101のメンテナンスをより容易に行うことができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、蓄電装置6が、電力系統および負荷7に電力変換装置101を介して接続される構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、風力発電等の太陽光のエネルギーと異なるエネルギーを用いて発電する発電部が、蓄電装置6の代わりに、電力系統および負荷7に電力変換装置101を介して接続される構成であってもよいし、蓄電装置6および当該発電部が、電力系統および負荷7に電力変換装置101を介して接続される構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力変換部51には、電力系統および負荷7が接続される構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力変換部51には、電力系統または負荷7が接続される構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、コンバータ31を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、太陽光発電部1からの発電電力の電圧が十分大きい場合、電力変換装置101は、コンバータ31を備えない構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、コンバータ31は、太陽光発電部1から受けた直流電力の電圧を昇圧する構成であるとしたが、これに限定するものではない。コンバータ31は、太陽光発電部1から受けた直流電力の電圧を降圧する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、スイッチ21A,21B,21C,21Fは、動作用電力P60またはP62により動作する構成であるとしたが、これに限定するものではない。スイッチ21A,21B,21C,21Fは、たとえばユーザの操作により手動で動作する構成であってもよい。
ところで、たとえば、特許文献1に記載の太陽電池ストリングがグランドに対して電位を有する場合、太陽光発電装置におけるセルが劣化し、太陽光発電装置の出力が低下することがある。
具体的には、たとえば、非特許文献1に記載されているように、金属フレームとのより大きな電位差が発生する陰極に近い太陽電池モジュールにおいてPIDが発生し、太陽光発電装置の出力が低下する。このようなPID等の太陽光発電装置の劣化を抑制するための技術が求められる。
また、特許文献2(特開2010−225776号公報)には、分極による発電性能の低下を防止する太陽光発電システムが記載されている。
すなわち、太陽光発電システムは、太陽光発電を行う太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールによる直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を商用の配電系統へ出力するパワーコンディショナと、太陽電池モジュールによる太陽光発電が行われていない場合に太陽電池モジュールの高電位側を接地するための接地スイッチとを備える。
たとえば、接地スイッチを閉じて太陽電池モジュールの高電位側を接地すると、太陽電池モジュールの表面に蓄積した電荷を除去することができるので、分極による発電性能の低下を抑止することができる。
しかしながら、接地スイッチを閉じると商用系統から接地スイッチへ地絡電流が流れてしまうため、パワーコンディショナおよび接地スイッチ間において、配電系統および接地スイッチの電気的な接続を遮断するための両切りの太陽光発電用スイッチが設けられる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力変換部51は、太陽光発電部1から受けた直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統または負荷7へ出力する。蓄電装置6、または太陽光のエネルギーと異なるエネルギーを用いて発電する発電部が、電力系統または負荷7に電力変換部51を介して接続される。そして、スイッチ21A,21C,21Fは、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する負側線Wm1において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続するか否かを切り替える。
たとえば、電力系統または負荷7が接地されている状況において太陽光発電部1が発電を行わない場合、正側線Wp1および負側線Wm1には、電力系統から電力変換部51を介して正および負の対地電圧がそれぞれ供給される。一方、上記構成により、太陽光発電部1が発電を行わない夜間等において負側線Wm1に設けられたスイッチ21A,21C,21Fを開けることで、それぞれ、太陽光発電部1の電位をグランドに対して正にすることができる。これにより、たとえば接地された金属フレームに対して負の電位を有する場合に劣化の進行する太陽電池モジュール4に対して、劣化の進行を抑制することができる。したがって、簡易な構成で、太陽光発電装置の劣化を抑制することができる。
具体的には、図4に示すように、太陽光発電部1が発電を行わない場合、電力系統からの交流電力はインバータ33における半導体スイッチ素子により整流されるので、キャパシタ35の第1端および第2端は、それぞれグランドに対して略+180Vおよび略−180Vの電位を有する。スイッチ21Aが開いている場合、スイッチ21Aの第1端および第2端は、それぞれグランドに対して略+180Vおよび略−180Vの電位を有する。すなわち、太陽光発電部1は、グランドに対して略+180Vの電位を有するので、上記太陽電池モジュール4の劣化の進行を抑制することができる。また、特許文献2に記載の太陽光発電システムのように接地スイッチおよび太陽光発電用スイッチを設けることなく、太陽電池モジュール4の劣化の進行を抑制することができるので、システムの大型化およびコストの増大を防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力変換部51は、太陽光発電部1から受けた直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統または負荷7へ出力する。蓄電装置6、または太陽光のエネルギーと異なるエネルギーを用いて発電する発電部が、電力系統または負荷7に電力変換部51を介して接続される。そして、スイッチ21Bは、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する正側線Wp1において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続するか否かを切り替える。
たとえば、電力系統または負荷7が接地されている状況において太陽光発電部1が発電を行わない場合、正側線Wp1および負側線Wm1には、電力系統から電力変換部51を介して正および負の対地電圧がそれぞれ供給される。一方、上記構成により、太陽光発電部1が発電を行わない夜間等において正側線Wp1に設けられたスイッチ21Bを開けることで、太陽光発電部1の電位をグランドに対して負にすることができる。これにより、たとえば接地された金属フレームに対して正の電位を有する場合に劣化の進行する太陽電池モジュール4に対して、劣化の進行を抑制することができる。したがって、簡易な構成で、太陽光発電装置の劣化を抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置は、さらに、太陽光発電部1および電力変換部51の間に接続され、太陽光発電部1から受けた直流電力の電圧を変換するコンバータ31を備える。そして、スイッチ21A,21B,21Fは、太陽光発電部1およびコンバータ31の間に接続されている。
たとえば、太陽光発電部1およびコンバータ31の間に発電電力測定用の計測器、たとえば電圧計Mv1,電流計Mi1を設ける場合に、コンバータ31および電力変換部51の間にスイッチが設けられる構成では、太陽光発電部1の電位が計測器の電位の影響を受けることがあるため、計測器の絶縁が求められる。これに対して、上記構成により、太陽光発電部1および計測器の間にスイッチ21A,21B,21Fを設けることができるので、計測器を絶縁することなく、太陽光発電部1の電位が計測器の電位に影響されることを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力変換部51は、太陽光発電部1からスイッチ21Fを経由して供給される直流電力から生成された動作用電力P60によって動作可能である。スイッチ21Fは、動作用電力P60によって動作可能である。そして、スイッチ21Fは、動作用電力P60が供給されていない状態において、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続する。
このように、たとえば夜間において太陽光発電部1から直流電力が供給されないために動作用電力P60を生成できない場合に、太陽光発電部1および電力変換部51が電気的に接続される構成により、夜が明けて太陽光発電部1が発電を開始すると、電力変換部51は、太陽光発電部1において発電され、スイッチ21Fを経由して供給される直流電力から生成された動作用電力P60によって動作を開始することができる。すなわち、電力変換装置101が起動不能になる状況を防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電力変換装置では、電力変換部51は、太陽光発電部1からスイッチ21A,21B,21Cを経由せずに供給される直流電力から生成された動作用電力P62によって動作可能である。そして、スイッチ21A,21B,21Cは、動作用電力P62によって動作可能である。
このような構成により、夜が明けて太陽光発電部1が発電を開始すると、スイッチ21A,21B,21Cは、太陽光発電部1において発電され、スイッチ21A,21B,21Cを経由せずに供給される直流電力から生成された動作用電力P62によって動作を開始することができるので、太陽光発電部1および電力変換部51を電気的に接続することができる。これにより、電力変換部51は、動作用電力P62によって、太陽光発電部1からスイッチ21A,21B,21C経由で受ける直流電力の変換を行うことができる。すなわち、変換装置101が起動不能になる状況を防ぐことができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る系統連系システムと比べて、複数の太陽光発電部を備える系統連系システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る系統連系システムと同様である。
[構成および基本動作]
図24は、本発明の第2の実施の形態に係る系統連系システムの構成を示す図である。
図24を参照して、系統連系システム202は、太陽光発電部1である太陽光発電部1A,1Bと、電力変換装置102とを備える。
なお、系統連系システム202は、2つの太陽光発電部1を備える構成に限らず、3つ以上の太陽光発電部1を備える構成であってもよい。
系統連系システム202における太陽光発電部1および接続箱5の動作は、図1に示す系統連系システム201における太陽光発電部1および接続箱5とそれぞれ同様である。
太陽光発電部1Aにおける接続箱5は、対応の太陽電池モジュール4から受けた直流電力を電力線PLp1,PLm1を介して電力変換装置102へ出力する。
太陽光発電部1Bにおける接続箱5は、対応の太陽電池モジュール4から受けた直流電力を電力線PLp5,PLm5を介して電力変換装置102へ出力する。電力線PLp5およびPLm5は、それぞれ正側の電力線および負側の電力線である。
[電力変換装置の基本構成]
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
図25を参照して、電力変換装置102は、端子台12,13と、連系リレー22と、サージ対策回路44と、電源60と、制御部61と、PV側回路群72と、電圧計Mv4,Mv5とを備える。
電力変換装置102における端子台12,13、連系リレー22、サージ対策回路44、電源60、制御部61および電圧計Mv4,Mv5の動作は、図2に示す電力変換装置101における端子台12,13、連系リレー22、サージ対策回路44、電源60、制御部61および電圧計Mv4,Mv5とそれぞれ同様である。
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置におけるPV側回路群の構成を示す図である。
図26を参照して、PV側回路群72は、スイッチ21Dと、端子台11,14,15と、電力変換部51と、昇圧部54である昇圧部54A,54Bと、昇圧部55とを含む。端子台14は、端子14A,14Bを含む。
PV側回路群72における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55の動作は、図3に示すPV側回路群70における端子台11,15、電力変換部51および昇圧部55とそれぞれ同様である。
PV側回路群72における昇圧部54の動作は、図13に示すPV側回路群71における昇圧部54と同様である。
図25および図26を参照して、制御部61は、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、PV側回路群72を制御する。より詳細には、制御部61は、PV側回路群72における半導体スイッチ素子を制御するための制御信号S2、S3〜S8、S9,S10およびS12を昇圧部54A、電力変換部51、昇圧部55および昇圧部54Bへそれぞれ出力することにより、昇圧部54Aにおけるコンバータ31、電力変換部51におけるインバータ33、昇圧部55におけるコンバータ34および昇圧部54Bにおけるコンバータ31を制御する。
制御部61は、PV側回路群72におけるスイッチ21Dを制御するための制御信号S1をスイッチ21Dへ出力することにより、スイッチ21Dのオンおよびオフを切り替える。
端子台11における端子11Aは、太陽光発電部1Aからの電力線PLp1と、正側線Wp1とを接続して固定する。端子11Bは、太陽光発電部1Aからの電力線PLm1と、負側線Wm1とを接続して固定する。
端子台14における端子14Aは、太陽光発電部1Bからの電力線PLp5と、正側線Wp5とを接続して固定する。端子14Bは、太陽光発電部1Bからの電力線PLm5と、負側線Wm5とを接続して固定する。
正側線Wp1および負側線Wm1は、昇圧部54Aを介して端子台11および電力変換部51を電気的に接続する。正側線Wp5および負側線Wm5は、昇圧部54Bを介して端子台14および電力変換部51を電気的に接続する。
昇圧部54Aは、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、太陽光発電部1Aと電力変換部51との間に接続されている。
より詳細には、昇圧部54Aは、正側線Wp1を介して端子台11における端子11Aに接続された第1端と、負側線Wm1を介して端子台11における端子11Bに接続された第2端と、電力変換部51の第1端に接続された第3端と、第4端とを有する。
昇圧部54Aにおけるコンバータ31は、太陽光発電部1Aに対応して設けられ、かつ対応の太陽光発電部1Aおよび電力変換部51の間に接続され、対応の太陽光発電部1Aから受けた直流電力の電圧を変換する。
昇圧部54Bは、ノードNpおよびNmを介して電源60から供給される動作用電力P60を用いて動作し、太陽光発電部1Bと電力変換部51との間に接続されている。
より詳細には、昇圧部54Bは、正側線Wp5を介して端子台14における端子14Aに接続された第1端と、負側線Wm5を介して端子台14における端子14Bに接続された第2端と、電力変換部51の第1端に接続された第3端と、第4端とを有する。
昇圧部54Bにおけるコンバータ31は、太陽光発電部1Bに対応して設けられ、かつ対応の太陽光発電部1Bおよび電力変換部51の間に接続され、対応の太陽光発電部1Bから受けた直流電力の電圧を変換する。
スイッチ21Dは、たとえば、昇圧部54Aにおけるコンバータ31および昇圧部54Bにおけるコンバータ31と電力変換部51との間に接続されている。
より詳細には、スイッチ21Dは、昇圧部54Aの第4端および昇圧部54Bの第4端に接続された第1端と、電力変換部51の第2端に接続された第2端とを有する。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、スイッチ21Dは、昇圧部54A,54Bと電力変換部51とを電気的に接続する負側線Wm1に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。スイッチ21Dは、昇圧部54A,54Bと電力変換部51とを電気的に接続する正側線Wp1に設けられる構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、PV側回路群72は、スイッチ21Dおよび昇圧部54A,54Bを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。PV側回路群72は、スイッチ21Dおよび昇圧部54A,54Bの代わりに、2つの昇圧部52または2つの昇圧部53を含む構成であってもよい。
このように、太陽光発電部1に対応してスイッチを設ける構成により、スイッチ21A,21Bの容量を小さくすることができるので、スイッチ21A,21Bを小型化することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、昇圧部54Aにおけるコンバータ31および昇圧部54Bにおけるコンバータ31と電力変換部51との間において、1つのスイッチ21Dが設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。複数のコンバータ31と電力変換部51との間において、複数のスイッチ21Dがそれぞれ設けられる構成であってもよい。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置は、複数のコンバータ31を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、太陽光発電部1からの発電電力の電圧が十分大きい場合、電力変換装置101は、コンバータ31を備えない構成であってもよい。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電力変換装置では、太陽光発電部1は複数設けられる。複数のコンバータ31は、太陽光発電部1に対応して設けられ、かつ対応の太陽光発電部1および電力変換部51の間に接続され、対応の太陽光発電部1から受けた直流電力の電圧を変換する。そして、スイッチ21Aは、複数のコンバータ31および電力変換部51の間に接続されている。
このような構成により、複数のコンバータ31および電力変換部51の電気的な接続および切断を一括して行うことができるので、電力変換装置101の構成を簡素化することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る系統連系システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力変換装置であって、
太陽光発電部から受けた直流電力を交流電力に変換し、変換した前記交流電力を電力系統または負荷へ出力する電力変換部を備え、
蓄電池、または太陽光のエネルギーと異なるエネルギーを用いて発電する発電部が、前記電力系統または前記負荷に前記電力変換部を介して接続され、
前記電力変換装置は、さらに、
前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続する正側線および負側線のいずれか一方において、前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続するか否かを切り替えるスイッチを備え、
前記電力変換装置は、前記電力系統からの電力を用いて前記蓄電池を充電することが可能なハイブリッド型PCS(Power Conditioning System)であり、
前記発電部は、風力発電であり、
前記スイッチは、ノーマリーオープンのA接点のスイッチ、またはノーマリークローズのB接点のスイッチである、電力変換装置。
[付記2]
前記電力変換部は、前記太陽光発電部から前記スイッチを経由して供給される前記直流電力と、前記蓄電池もしくは前記発電部から供給される直流電力、または前記電力系統から供給される交流電力とから生成された動作用電力によって動作可能であり、
前記スイッチは、前記動作用電力によって動作可能であり、
前記スイッチは、前記動作用電力が供給されていない状態において、前記太陽光発電部および前記電力変換部を電気的に接続する、付記1に記載の電力変換装置。
[付記3]
前記電力変換部は、前記太陽光発電部から前記スイッチを経由せずに供給される前記直流電力と、前記蓄電池もしくは前記発電部から供給される直流電力、または前記電力系統から供給される交流電力とから生成された動作用電力によって動作可能であり、
前記スイッチは、前記動作用電力によって動作可能である、付記1に記載の電力変換装置。