JP2018182427A - 通信システム、通信方法及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の通信手段を併用した場合であってもスループットが低下することがない通信システム、通信方法及び通信装置を提供する。【解決手段】親機(10)は、子機(20)から複数の通信手段のうちの一の通信手段(電力線通信部(21)と無線通信部(22)の一方)を介してネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、複数の通信手段のうちの他の通信手段(電力線通信部(21)と無線通信部(22)の他方)の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する。【選択図】図6

Description

本発明は、通信システム、通信方法及び通信装置に関する。
従来、有線通信と無線通信を組み合わせる(融合させる)ことにより、データ通信専用の通信線(専用線)の配線を不要とした通信システムが知られている。
特許文献1には、電力線搬送通信網と無線通信網で構成された通信システムが開示されている。電力線には複数の通信装置が接続されており、各通信装置は電力線通信と無線通信のインタフェースを有している。一の通信装置は、有線、無線の両方を用いて同じシーケンス番号が付与された通信パケットを送信する。他の通信装置は、有線により通信パケットを受信するとチェックサムにより通信パケットの正当性を判断し、正当性が認められた場合には、有線、無線の両方を用いて通信パケットを中継送信する。
特許文献2には、通信媒体として電灯線と無線の少なくとも一方を使用して他の通信装置と通信可能な通信装置が開示されている。この通信装置は、電灯線を用いてデータを送受信するための電灯線送受信部と、無線を用いてデータを送受信するための無線送受信部と、電灯線送受信部と無線送受信部を制御するための通信媒体決定部とを有している。通信媒体決定部は、要求される通信品質やデータの種類(例えば優先度)等の各種状況に応じて、通信媒体として電灯線と無線の両方を同時に用いてデータを送受信させるか、あるいは、通信媒体として電灯線と無線のいずれか一方のみを用いてデータを送受信させるかを使い分ける。
このような複数の通信手段(例えば有線通信と無線通信)を併用した従来の通信システムでは、各通信装置に、識別情報(例えばIPアドレスやMACアドレス等の固有アドレス)が通信手段の数だけ記憶されており、それらを組み合わせて管理することが要求される。
特開2010−28572号公報 特開2007−53671号公報
しかしながら、本発明者の鋭意研究によると、複数の通信手段を併用した従来の通信システムは、次のような技術課題を有している。
複数の通信装置は、親機とその制御下にある子機を含むネットワークを構成する。親機は通信手段毎にネットワークの管理を行い、子機は通信手段毎にネットワークへの参入を行う。従って、親機は、事前に、ネットワークに参入する子機の識別情報を通信手段毎に収集して、当該通信手段毎の複数の識別情報を互いに紐付けして登録する(子機の複数の識別情報を子機単位で親機に登録する)必要がある。ところが、親機にとって、各子機の通信手段毎に対応する識別情報を事前に収集・登録する処理は、煩雑で手間や時間が掛かり、負担が大きい。さらに、親機と子機の間のネットワーク環境によっては、子機の参入が阻まれる通信手段が存在する場合がある。例えば、無線通信によるネットワーク参入が確立されたが有線通信によるネットワーク参入が阻まれることがあり、この場合、親機と子機の間で有線通信によるデータ通信を行うことができない。以上より、複数の通信手段を併用した従来の通信システムは、スループットの低下を招くおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数の通信手段を併用した場合であってもスループットが低下することがない通信システム、通信方法及び通信装置を提供することを目的の1つとする。
本実施形態の通信システムは、その一態様では、各々が複数の通信手段を有する複数の通信装置を含み、且つ、前記複数の通信装置が親機と子機を含んだネットワークを構成可能な通信システムであって、前記親機は、前記子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する、ことを特徴としている。
本実施形態の通信方法は、その一態様では、各々が複数の通信手段を有する複数の通信装置を含み、且つ、前記複数の通信装置が親機と子機を含んだネットワークを構成可能な通信システムによる通信方法であって、前記親機は、前記子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する、ことを特徴としている。
本実施形態の通信装置は、その一態様では、複数の通信手段を有するとともに、他の通信装置と協働してネットワークを構成可能な通信装置であって、自身が親機として動作する場合において、子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶し、自身が子機として動作する場合において、親機に対して前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を送るとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を出力する、ことを特徴としている。
本実施形態の通信装置は、その一態様では、複数の通信手段を有するとともに、他の通信装置と協働してネットワークを構成可能な通信装置であって、前記複数の通信手段の固有識別情報と自身の機器識別情報を保持しており、上位機器からの指示に応じて前記ネットワークを構成する親機又は子機として動作する、ことを特徴としている。
本発明によれば、複数の通信手段を併用した場合であってもスループットが低下することがない通信システム、通信方法及び通信装置を提供することができる。
第1実施形態による通信システムのネットワーク構成の一例を示す図である。 親機と子機の内部構成を示す機能ブロック図である。 子機の通信制御部の内部構成を示す機能ブロック図である。 親機の通信制御部の内部構成を示す機能ブロック図である。 アドレス記憶テーブルが記憶したアドレスデータの一例を示す図である。 第1実施形態による通信システムの動作を示すフローチャートである。 第2実施形態による通信システムのネットワーク構成の一例を示す図である。 親機が記憶したアドレスデータの一例を示す図である。 代理親機が記憶したアドレスデータの一例を示す図である。 親機が記憶したアドレスデータと代理親機が記憶したアドレスデータを統合したアドレスデータの一例を示す図である。 第2実施形態による通信システムの動作を示すフローチャートである。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態による通信システム1のネットワーク構成の一例を示している。図1に示すように、通信システム1は、7つの通信装置10〜70が協働してネットワークを構成するように接続されている。7つの通信装置10〜70は、1つの親機10と6つの子機20、30、40、50、60、70に分けられている。図1に示すように、親機10と子機20〜70は、マルチホップ型のネットワークを構成しており、各子機20〜70は、親機10と他の子機との間でデータを中継する機能を持っている。親機10は、子機20、30との間で電力線通信と無線通信が可能である。子機20は、子機30、50との間で電力線通信と無線通信が可能である。子機30は、子機40との間で電力線通信と無線通信が可能である。子機50は、子機60、70との間で電力線通信と無線通信が可能である。子機60は、子機70との間で電力線通信と無線通信が可能である。なお、通信システム1は、複数の通信装置が親機と子機を含んだネットワークを構成可能な限りにおいて、種々の設計変更が可能である(マルチホップ型以外にもスター型等を採用することができる)。例えば、親機と子機を含んだ通信装置の数は7つに限られず、ネットワークを構成するための通信装置の接続態様にも自由度がある。
親機10は、電力線通信と無線通信のパーソナルエリアネットワーク(PAN:Personal Area Network)を管理して、子機20〜70のPAN参入を監視する。子機20〜70は、親機10が管理するPANにネットワーク参入要求を行う。新規参入する子機は、PANに参入済みの親機又は子機に対してネットワーク参入要求を行うので、親機に近い子機(上流側の子機)から順番にPANに参入することになる。
通信システム1は、例えば、数km程度の半径のエリア内のデータ通信を実現可能である。通信システム1は、例えば、工場内に設置されて、当該工場内に設置された各種機器への電力供給状況を表すデータを収集するための電力監視システムとして実現可能である。通信システム1の各通信装置10〜70は、例えば、工場内の異なる建屋ごとに設置することができる。
図2は、親機10と子機20の内部構成を示す機能ブロック図である。子機20〜70は同一の構成を有しているので、子機20を代表してとりあげて、親機10と子機20の内部構成にフォーカスして説明する。
親機10と子機20は、電力線80により接続された電力線通信部11と電力線通信部21を有している。親機10と子機20は、電力線通信部11と電力線通信部21によって、電力線80を介した電力線通信(例えばPLC通信)を実行することができる。電力線80は、例えば、工場内に設置された電動機等の各種機器に電力を供給するためのものである。なお、通信システム1に含まれる各装置は、電力線80からの電力供給を受けて動作してもよいし、電力線80とは別の電源(図示せず)から電力供給を受けて動作してもよい。
親機10と子機20は、無線通信部12と無線通信部22を有している。親機10と子機20は、無線通信部12と無線通信部22によって無線通信を実行することができる。
このように、親機10は、複数の通信手段として、電力線通信部11と無線通信部12を有しており、子機20は、複数の通信手段として、電力線通信部21と無線通信部22を有している。なお、複数の通信手段は、電力線通信部と無線通信部に限定されることはなく、これらに加えて/代えて、その他の通信手段を設けることも可能である。例えば、互いに異なる周波数帯域を使用する複数の無線通信部を設けて、当該複数の無線通信部を複数の通信手段としてもよい。
親機10は、電力線通信部11による電力線通信と無線通信部12による無線通信を統括制御する通信制御部13を有している。子機20は、電力線通信部21による電力線通信と無線通信部22による無線通信を統括制御する通信制御部23を有している。親機10の通信制御部13と子機20の通信制御部23の間では、後述するネットワーク参入要求やネットワーク参入処理に関するデータ、複数の通信手段の固有アドレス(固有識別情報)や機器アドレス(機器識別情報)などの各種データが伝送される(親機10の通信制御部13が子機20の通信制御部23を制御する)。例えば、親機10が子機20への通信を行う場合、子機20を機器アドレスで指定して、機器アドレスを固有アドレスに変換した上で、電力線通信または無線通信を実行することができる。通信制御部13と通信制御部23の詳細な構成については、後に詳細に説明する。
親機10は、通信制御部13に接続されるとともに、電力線通信部11による電力線通信と無線通信部12による無線通信に関する各種の設定・変更を行うためのI/F部14を有している。このI/F部14には、例えばパーソナルコンピュータ等からなる上位機器90が接続されている。子機20は、通信制御部23に接続されるとともに、電力線通信部21による電力線通信と無線通信部22による無線通信に関する各種の設定・変更を行うためのI/F部24を有している。このI/F部24には、例えば電力供給量等の計測機器100が接続されている。
上位機器90は、各種機器への電力の供給状況を表すデータを予め定められた周期で収集する。計測機器100は、各種機器に供給される電力を計測するセンサから構成されている。本実施形態では、上位機器90が計測機器100に対して、供給電力計測結果を示すデータの送信を要求する処理を予め定められた周期で繰り返し実行し、計測機器100が上位機器90からの要求に応じて、供給電力計測結果を示すデータを返信する。親機10と子機20は、例えば、ネットワークアダプタを有しており、子機30〜子機70の一部又は全部を介在させて又は介在させずに、上位機器90と計測機器100の間のデータ通信を中継する機能を持つ。
図3は、子機20の通信制御部23の内部構成を示す機能ブロック図である。通信制御部23は、固有アドレス保持部(固有識別情報保持部)23Aと、機器アドレス保持部(機器識別情報保持部)23Bと、ネットワーク参入要求部23Cと、を有している。
固有アドレス保持部23Aは、電力線通信部21の固有アドレス(固有識別情報)と、無線通信部22の固有アドレス(固有識別情報)とを保持している。後述する図5の例では、固有アドレス保持部23Aは、電力線通信部21の固有アドレスとして“PLC−ADR1”を保持しており、無線通信部22の固有アドレスとして“RF−ADR1”を保持している。
機器アドレス保持部23Bは、自身(自端末)の機器アドレス(機器識別情報)を保持している。機器アドレス保持部23Bが保持する機器アドレスは、例えば、製造番号等の機器固有のコード(英数文字)が該当する。また、機器アドレス保持部23Bが保持する機器アドレスは、固有アドレス保持部23Aが保持する電力線通信部21の固有アドレスと無線通信部22の固有アドレスに共通のものである。後述する図5の例では、機器アドレス保持部23Bは、機器アドレスとして“ADR1”を保持している。
ネットワーク参入要求部23Cは、電力線通信部21による電力線通信、及び/又は、無線通信部22による無線通信を介して、親機10に対するネットワーク参入要求を実行する(ネットワーク参入要求を送る)。
いま、ネットワーク参入要求部23Cが、電力線通信部21による電力線通信と無線通信部22による無線通信のいずれによっても、親機10に対するネットワーク参入要求を実行していない状況を想定する。
上記状況で、電力線通信部21による電力線通信を介して親機10に対するネットワーク参入要求を実行するとき、ネットワーク参入要求部23Cは、固有アドレス保持部23Aを参照して、電力線通信部21の固有アドレスとともに、無線通信部22の固有アドレスを抽出して、抽出した固有アドレスを親機10に向けて出力する。同時に、ネットワーク参入要求部23Cは、機器アドレス保持部23Bを参照して、自身(自端末)の機器アドレスを抽出して、抽出した機器アドレスを親機10に向けて出力する。
一方、上記状況で、無線通信部22による無線通信を介して親機10に対するネットワーク参入要求を実行するとき、ネットワーク参入要求部23Cは、固有アドレス保持部23Aを参照して、無線通信部22の固有アドレスとともに、電力線通信部21の固有アドレスを抽出して、抽出した固有アドレスを親機10に向けて出力する。同時に、ネットワーク参入要求部23Cは、機器アドレス保持部23Bを参照して、自身(自端末)の機器アドレスを抽出して、抽出した機器アドレスを親機10に向けて出力する。
このように、子機20は、いずれかの通信手段によって親機10に対する1回目のネットワーク参入要求を実行するだけで、全ての通信手段の固有アドレス(固有識別情報)と自身(自端末)の機器アドレス(機器識別情報)を親機10に対して出力することができる。
図4は、親機10の通信制御部13の内部構成を示す機能ブロック図である。通信制御部13は、固有アドレス保持部(固有識別情報保持部)13Aと、機器アドレス保持部(機器識別情報保持部)13Bと、ネットワーク参入処理部13Cと、アドレス記憶テーブル13Dとを有している。
固有アドレス保持部13Aは、電力線通信部11の固有アドレス(固有識別情報)と、無線通信部12の固有アドレス(固有識別情報)とを保持している。後述する図5の例では、固有アドレス保持部13Aは、電力線通信部11の固有アドレスとして“PLC−ADR0”を保持しており、無線通信部12の固有アドレスとして“RF−ADR0”を保持している。固有アドレス保持部13Aが保持する電力線通信部11と無線通信部12の固有アドレスは、アドレス記憶テーブル13Dに記憶されている。
機器アドレス保持部13Bは、自身(自端末)の機器アドレス(機器識別情報)を保持している。機器アドレス保持部13Bが保持する機器アドレスは、例えば、製造番号等の機器固有のコード(英数文字)が該当する。また、機器アドレス保持部13Bが保持する機器アドレスは、固有アドレス保持部13Aが保持する電力線通信部11の固有アドレスと無線通信部12の固有アドレスに共通のものである。後述する図5の例では、機器アドレス保持部13Bは、機器アドレスとして“ADR0”を保持している。機器アドレス保持部13Bが保持する機器アドレスは、アドレス記憶テーブル13Dに記憶されている。
ネットワーク参入処理部13Cは、電力線通信部11による電力線通信、及び/又は、無線通信部12による無線通信を介して、子機20から送られてきたネットワーク参入要求に応えて、ネットワーク参入処理を実行する。すなわち、ネットワーク参入処理部13Cは、子機20から送られてきたネットワーク参入要求が所定の参入条件を満足していれば、当該参入要求を受け入れて、子機20をネットワークに参入させる。一方、ネットワーク参入処理部13Cは、子機20から送られてきたネットワーク参入要求が所定の参入条件を満足していなければ、当該参入要求を拒絶して、子機20をネットワークに参入させない。
いま、ネットワーク参入処理部13Cが、電力線通信部11による電力線通信と無線通信部12による無線通信のいずれによっても、子機20からのネットワーク参入要求を受けていない状況を想定する。この状況では、親機10は、固有アドレス保持部23Aが保持する電力線通信部21の固有アドレスと無線通信部22の固有アドレス、及び、機器アドレス保持部23Bが保持する子機20の機器アドレスを把握していない。
上記状況で、電力線通信部11による電力線通信を介して子機20からのネットワーク参入要求を受けたとき、ネットワーク参入処理部13Cは、電力線通信部21の固有アドレスとともに、無線通信部22の固有アドレスを収集して、収集した固有アドレスをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。同時に、ネットワーク参入処理部13Cは、子機20の機器アドレスを収集して、抽出した機器アドレスをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。
一方、上記状況で、無線通信部12による無線通信を介して子機20からのネットワーク参入要求を受けたとき、ネットワーク参入処理部13Cは、無線通信部22の固有アドレスとともに、電力線通信部21の固有アドレスを収集して、収集した固有アドレスをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。同時に、ネットワーク参入処理部13Cは、子機20の機器アドレスを収集して、抽出した機器アドレスをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。
このように、親機10は、いずれかの通信手段によって子機20からの1回目のネットワーク参入要求を受けるだけで、全ての通信手段の固有アドレス(固有識別情報)と子機20の機器アドレス(機器識別情報)をアドレス記憶テーブル13Dに記憶させることができる。そして、親機10は、1回目のネットワーク参入要求の時と異なる他の通信手段を介して2回目以降のネットワーク参入要求を受けたときは、アドレス記憶テーブル13Dに記憶させた固有アドレスと機器アドレスを利用して、ネットワーク参入処理を実行することができる。
図5は、アドレス記憶テーブル13Dが記憶したアドレスデータの一例を示す図である。図5の例では、子機20〜40については、電力線通信部と無線通信部の双方によるネットワーク参入が完了しており、子機50〜70については、無線通信部によるネットワーク参入が完了しているが電力線通信部によるネットワーク参入が完了しておらず、子機80(図1に描いていない)については、電力線通信部と無線通信部のいずれでもネットワーク参入が完了していない。子機50〜70のアドレスデータに示すように、無線通信部によるネットワーク参入が完了したことにより、ネットワーク未参入状態の電力線通信部の固有アドレス(PLC−ADR4、PLC−ADR5、PLC−ADR6)及び機器アドレス(ADR4、ADR5、ADR6)がアドレス記憶テーブル13Dに記憶されている。
ここで、親機10と子機20は、同一の構成要素を搭載することによって、互換性が担保されている。図3では描いていないが、子機20の通信制御部23は「ネットワーク参入処理部」と「アドレス記憶テーブル」を有しており、図4では描いていないが、親機の通信制御部13は「ネットワーク参入要求部」を有している。すなわち、本実施形態の通信装置は、複数の通信手段(例えば電力線通信部と無線通信部)を有するとともに、複数の通信手段の固有識別情報と自身(自端末)の機器識別情報を保持しており、上位機器からの指示に応じてネットワークを構成する親機又は子機として動作する。
図6は、第1実施形態による通信システム1の動作を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、子機20から親機10に対してネットワーク参入要求が送られたという前提における通信システム1の動作を示している。
ステップST1では、親機10が、子機20からのネットワーク参入要求が電力線通信部21と無線通信部22のいずれによるものであるかを判定する。子機20からのネットワーク参入要求が無線通信部22によるものであれば、ステップST2に進む。子機20からのネットワーク参入要求が電力線通信部21によるものであれば、ステップST7に進む。
ステップST2では、親機10が、無線通信部22の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みであるか否かを判定する。無線通信部22の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みでない場合(ステップST2:No)は、子機20からのネットワーク参入要求が1回目である(いずれの通信手段でもネットワーク参入要求を受けていない)こととなり、ステップST3に進む。無線通信部22の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みである場合(ステップST2:Yes)は、子機20からのネットワーク参入要求が2回目以降である(電力線通信部21などの他の通信手段によって既にネットワーク参入が行われている)こととなり、ステップST6に進む。
ステップST3では、親機10が、無線通信部22の固有アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST4では、親機10が、電力線通信部21の固有アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST5では、親機10が、子機20の機器アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST3〜ステップST5の処理を実行する順序には自由度があり、これらを略同時に実行してもよいし、時間的に僅かにずらして実行してもよい。
ステップST6では、親機10が、子機20からの無線通信部22によるネットワーク参入要求を受け入れてネットワーク参入処理を実行するとともに、無線通信部22によるネットワーク参入状態に「完了」を記憶する。
ステップST7では、親機10が、電力線通信部21の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みであるか否かを判定する。電力線通信部21の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みでない場合(ステップST7:No)は、子機20からのネットワーク参入要求が1回目である(いずれの通信手段でもネットワーク参入要求を受けていない)こととなり、ステップST8に進む。電力線通信部21の固有アドレスがアドレス記憶テーブル13Dに登録済みである場合(ステップST7:Yes)は、子機20からのネットワーク参入要求が2回目以降である(無線通信部22などの他の通信手段によって既にネットワーク参入が行われている)こととなり、ステップST11に進む。
ステップST8では、親機10が、電力線通信部21の固有アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST9では、親機10が、無線通信部22の固有アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST10では、親機10が、子機20の機器アドレスを収集してこれをアドレス記憶テーブル13Dに記憶させる。ステップST8〜ステップST10の処理を実行する順序には自由度があり、これらを略同時に実行してもよいし、時間的に僅かにずらして実行してもよい。
ステップST11では、親機10が、子機20からの電力線通信部21によるネットワーク参入要求を受け入れてネットワーク参入処理を実行するとともに、電力線通信部21によるネットワーク参入状態に「完了」を記憶する。
このように、第1実施形態の通信システム1では、親機10が、子機20から複数の通信手段のうちの一の通信手段(電力線通信部21と無線通信部22の一方)を介してネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、複数の通信手段のうちの他の通信手段(電力線通信部21と無線通信部22の他方)の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する。すなわち、先行してネットワークに参入した通信手段により、異なる通信手段の固有識別情報を収集する。これにより、子機の複数の通信手段の固有識別情報を事前に親機に登録する作業を省略して、子機の複数の通信手段の固有識別情報を容易に管理することが可能になる。図6のフローチャートを例に挙げると、いずれかの通信手段を介して1回だけネットワーク参入処理を実行すれば、その後はステップST3〜ステップST5及びステップST8〜ステップST10の処理を省略することができる。以上より、複数の通信手段を併用した場合であってもスループットが低下することがない。
≪第2実施形態≫
図7〜図11を参照して、第2実施形態による通信システム1について説明する。第2実施形態による通信システム1は、複数の通信手段のうちの特定の通信手段が適用できない経路があるために、当該特定の通信手段を介してネットワークに参入することができない子機が存在する場合に対応するための構成を有している。
図7に示すように、第2実施形態では、子機20と子機50の間の電力線通信による通信経路が確立できない場合を例示して説明する。例えば、子機20と子機50の間では、工場内の電力系統が異なっており、電力線通信が不能で無線通信のみが可能な場合である。あるいは、子機20と子機50の間の電力線に何らかの通信障害が発生して電力線通信が不能となる場合である。
図7に示すように、第2実施形態では、子機20と子機50の間の電力線通信が不能となっていることにより、子機50、60、70が電力線通信によりネットワーク参入できない状態となっている。そこで、子機50、60、70のうちの最も上流側に位置する子機50が電力線通信の代理親機50Pに設定される。この代理親機50Pは、自身よりも下流側に位置する子機60、70から電力線通信部によるネットワーク参入要求を受けたとき、自身を起点とする電力線通信部のグループ識別情報(子機50、60、70のグループ識別情報)を設定した上で、電力線通信部の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する。なお、代理親機50Pの設定は、親機10または上位機器90によって実行される。
図8〜図10に示すように、第2実施形態では、グループ識別情報として、PAN−IDを使用している。上記の例では、無線通信部に関しては、親機10とその制御下にある子機20〜70に対して共通のPAN−IDである“RF−PAN1”が設定されている。一方、電力線通信部に関しては、親機10とその制御下にある子機20〜40に対して第1のPAN−IDである“PLC−PAN1”が設定され、代理親機50Pとその制御下にある子機60〜70に対して第2のPAN−IDである“PLC−PAN2”が設定されている。
図8は、親機10が記憶したアドレスデータの一例を示す図である。図8に示すように、子機50〜70については、電力線通信によるネットワーク参入が分断されているために、電力線通信部によるネットワーク参入状態とPAN−IDがブランクとなっている。つまり、親機10の側でこれらのブランク情報を直接的に入手することができない。
図9は、子機50が記憶したアドレスデータの一例を示す図である。図9に示すように、子機50が代理親機50Pに設定されることで子機60、70の電力線通信部によるネットワーク参入状態が「完了」になっている。また、代理親機50Pとその制御下にある子機60〜70に対して電力線通信部の“PLC−PAN2”が設定されている。
図10は、親機10が記憶したアドレスデータと代理親機50Pが記憶したアドレスデータを統合したアドレスデータの一例を示す図である。代理親機50Pが記憶したアドレスデータを親機10に送信して親機10の側でデータを統合することにより、図10に示すアドレスデータが得られる。このように、代理親機50Pを設定して親機10と協働させることにより、親機10は、子機20と子機50の間の電力線通信が不能な場合であっても、子機20と子機50の間の電力線通信が可能な場合と同様のアドレスデータを得ることができる。これにより、例えば、子機20と子機50の間の電力線通信が復旧した場合に、電力線通信部によるネットワーク参入を容易に行うことができる。
図11は、第2実施形態による通信システム1の動作を示すフローチャートである。第2実施形態の図11のフローチャートは、第1実施形態の図6のフローチャートと次の2点で異なっている。
(1)ステップST6の後に、無線通信部のグループ識別情報(PAN−ID)を収集・記憶するステップST6−2を有している点。
(2)ステップST11の後に、電力線通信部のグループ識別情報(PAN−ID)を収集・記憶するステップST11−2を有している点。
このように、第2実施形態の通信システム1では、複数の通信手段のうちの特定の通信手段が適用できない経路があるために、当該特定の通信手段を介してネットワークに参入することができない子機が存在する場合であっても、当該子機の中に代理親機を設定して親機と協働させる。これにより、代理親機を含む子機の間での複数の通信手段によるネットワーク参入とその後の通信が可能となる。また、通信システム1の中で複数の通信手段を使用できる通信装置の数を最大化することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成要素の大きさや形状、機能などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
上記実施の形態では、通信システム1を工場内に設置する場合を例示して説明した。しかし、通信システム1は、産業用の通信システムには限定されず、例えば、オフィス等に設置される社内情報通信用の通信システム、又は、家庭内に設置される通信システムであってもよい。通信システム1は、例えば、最大で数km程度の半径のエリアをカバーするとともに、データ通信専用の通信線(専用線)とは異なる通信媒体を介して通信する複数(複数種類)の通信手段を有する通信装置を複数含むものであればよい。
本発明は、複数の通信手段(例えば無線通信と電力線通信)を併用した通信システム、通信方法及び通信装置に適用して好適である。
1 通信システム
10 親機(通信装置)
11 電力線通信部(通信手段)
12 無線通信部(通信手段)
13 通信制御部
13A 固有アドレス保持部(固有識別情報保持部)
13B 機器アドレス保持部(機器識別情報保持部)
13C ネットワーク参入処理部
13D アドレス記憶テーブル
14 I/F部
20 子機(通信装置)
21 電力線通信部(通信手段)
22 無線通信部(通信手段)
23 通信制御部
23A 固有アドレス保持部(固有識別情報保持部)
23B 機器アドレス保持部(機器識別情報保持部)
23C ネットワーク参入要求部
24 I/F部
30 子機(通信装置)
40 子機(通信装置)
50 子機(通信装置)
50P 代理親機(通信装置)
60 子機(通信装置)
70 子機(通信装置)
80 電力線
90 上位機器
100 計測機器

Claims (9)

  1. 各々が複数の通信手段を有する複数の通信装置を含み、且つ、前記複数の通信装置が親機と子機を含んだネットワークを構成可能な通信システムであって、
    前記親機は、前記子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記親機は、前記子機から前記他の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、自身が記憶した前記他の通信手段の固有識別情報を利用して、ネットワーク参入処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記親機は、前記子機から前記一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、前記子機の機器識別情報を収集して、当該機器識別情報を記憶する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記複数の通信手段のうちの特定の通信手段が適用できない経路があるために、当該特定の通信手段を介して前記ネットワークに参入することができない子機が存在する場合、当該子機のうちの最も上流側に位置するものが代理親機に設定される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信システム。
  5. 前記代理親機は、自身よりも下流側に位置する子機から前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、自身を起点とするグループ識別情報を設定した上で、前記特定の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記複数の通信手段は、電力線通信部と無線通信部を含んでいる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の通信システム。
  7. 各々が複数の通信手段を有する複数の通信装置を含み、且つ、前記複数の通信装置が親機と子機を含んだネットワークを構成可能な通信システムによる通信方法であって、
    前記親機は、前記子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶する、
    ことを特徴とする通信方法。
  8. 複数の通信手段を有するとともに、他の通信装置と協働してネットワークを構成可能な通信装置であって、
    自身が親機として動作する場合において、子機から前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を受けたとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を収集して、当該固有識別情報を記憶し、
    自身が子機として動作する場合において、親機に対して前記複数の通信手段のうちの一の通信手段を介して前記ネットワークへの参入要求を送るとき、当該一の通信手段の固有識別情報とともに、前記複数の通信手段のうちの他の通信手段の固有識別情報を出力する、
    ことを特徴とする通信装置。
  9. 複数の通信手段を有するとともに、他の通信装置と協働してネットワークを構成可能な通信装置であって、
    前記複数の通信手段の固有識別情報と自身の機器識別情報を保持しており、
    上位機器からの指示に応じて前記ネットワークを構成する親機又は子機として動作する、
    ことを特徴とする通信装置。
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