以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る照明器具1の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る照明器具1の設置例を模式的に示す図である。図2は、同照明器具1の回路構成を示す図である。図3は、同照明器具1における発光モジュール100の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態における照明器具1は、下方(床等)に照明光を照射するダウンライトであり、建物の天井2に設置される。例えば、照明器具1は、天井2に埋め込み配設される。
図1に示すように、照明器具1は、発光モジュール100を有する灯具ユニット10と、電源回路200を有する電源ユニット20とを備える。例えば、灯具ユニット10は、天井2の開口部2aに埋め込み配設され、電源ユニット20は、天井2の裏面(天井裏)に配置される。なお、天井2の開口部2aは、灯具ユニット10を天井2に取り付けるための取付用孔であり、例えば、天井2を貫通する円形開口の貫通孔である。
灯具ユニット10は、例えば、基台11と、基台11の前方に固定された枠体12とを有する。発光モジュール100は、基台11に取り付けられる。基台11は、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成されており、発光モジュール100の取り付け部として機能するだけではなく、発光モジュール100で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。枠体12は、板バネ等によって天井2の開口部2aに取り付けられる。
発光モジュール100は、所定の色の照明光を発する。例えば、発光モジュール100は、照明光として白色光を発する。図2に示すように、発光モジュール100は、所定の色の光を発する複数の発光部110を備える。なお、本実施の形態において、発光モジュール100は、LEDモジュールであり、光源である発光部110は、LEDによって構成されている。
発光モジュール100は、発する光色が互いに異なる複数の発光部110を有する。複数の発光部110は、3つ以上である。本実施の形態において、発光モジュール100は、第1の色温度の光を発する第1の発光部111と、第1の発光部111で発する光の色温度(第1の色温度)よりも低い色温度である第2の色温度の光を発する第2の発光部112と、赤色光を発する第3の発光部113との3つの発光部110によって構成されている。一例として、第1の発光部111は、色温度が6200K(第1の色温度)の白色光を発し、第2の発光部112は、色温度が2200K(第2の色温度)の白色光を発し、第3の発光部113は、ピーク波長が620nm〜700nmの範囲にある赤色単色光を発し、その色温度(第3の色温度)は1800K程度である。
第1の発光部111は、直列接続された複数のLED素子111a(第1のLED素子)によって構成されている。具体的には、第1の発光部111は、6個のLED素子111aが直列接続された直列接続体である。6個のLED素子111a同士は、構成及び特性(IF−VF特性等)が全て同じである。したがって、6個のLED素子111aの光の色温度は6200Kである。なお、第1の発光部111を構成するLED素子111aの数は、6個に限らず、1個であってもよいし6個以外の複数個であってもよい。
第2の発光部112は、直列接続された複数のLED素子112a(第2のLED素子)によって構成されている。具体的には、第2の発光部112は、5個のLED素子112aが直列接続された直列接続体である。5個のLED素子112a同士は、構成及び特性(IF−VF特性等)が全て同じである。したがって、5個のLED素子112aの光の色温度は2200Kである。なお、第2の発光部112を構成するLED素子112aの数は、5個に限らず、1個であってもよいし5個以外の複数個であってもよい。
第3の発光部113は、直列接続された複数のLED素子113a(第3のLED素子)によって構成されている。具体的には、第3の発光部113は、2個のLED素子113aが直列接続された直列接続体である。2個のLED素子113a同士は、構成及び特性(IF−VF特性等)が全て同じである。したがって、2個のLED素子113aの光の光色は、赤色である。なお、第3の発光部113を構成するLED素子113aの数は、2個に限らず、1個であってもよいし2個以外の複数個であってもよい。
第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113は、異なる電流経路上に設けられている。つまり、第1の発光部111を構成するLED素子111aと、第2の発光部112を構成するLED素子112aと、第3の発光部113を構成するLED素子113aとは、直列接続されていない。本実施の形態において、第2の発光部112を構成するLED素子112aと第3の発光部113を構成するLED素子113aとは並列接続となっている。
また、各発光部110において直列接続された複数のLED素子の順方向電圧の総量をトータルVf(Vf合計)とすると、本実施の形態では、各発光部110の素子列のトータルVfの値は、各発光部110のLED素子の個数に依存する。したがって、6個のLED素子111aからなる第1の発光部111のトータルVfをTVf1とし、5個のLED素子112aからなる第2の発光部112のトータルVfをTVf2とし、2個のLED素子113aからなる第3の発光部113のトータルVfをTVf3とすると、TVf1>TVf2>TVf3となる。
発光モジュール100は、発光部110(第1の発光部111、第2の発光部112、第3の発光部113)に加えて、さらに、電流制御回路120を有する。
電流制御回路120は、電源回路200から電流制御回路120に供給される電流量に応じた電流出力比に基づいて、発光モジュール100における複数の発光部110のうち電流制御回路120に接続された複数の発光部110に電流を供給する。電流制御回路120は、電源回路200から電流制御回路120に供給される電流量を検出する電流検出回路を含む。
本実施の形態において、電流制御回路120は、第2の発光部112及び第3の発光部113に接続されており、電流制御回路120に供給される入力電流を第2の発光部112及び第3の発光部113に分配して供給している。この場合、電流制御回路120は、電源回路200から電流制御回路120に入力される入力電流の電流量(電流値)を検出する。そして、検出した電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113に分配するための入力電流の電流出力比(分配比)が決定され、電流制御回路120は、この電流出力比に基づいた電流量で第2の発光部112と第3の発光部113とに電流を分流する。
また、電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110に電流を分流する際、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が小さい発光部110に優先して電流を流す。したがって、電流制御回路120は、順方向電圧の総量が小さい発光部110から電流を流し始めて、電源回路200から電流制御回路120に供給される電流量が大きくなっていくと、他の発光部110にも電流を分流させていく。
本実施の形態では、電流制御回路120には第2の発光部112と第3の発光部113とが接続されており、順方向電圧の総量は第2の発光部112よりも第3の発光部113の方が小さい。したがって、電流制御回路120は、まず、第2の発光部112よりも順方向電圧の総量が小さい第3の発光部113のみに電流を流し始めて、電源回路200から電流制御回路120に供給される電流量が大きくなるにつれて第3の発光部113に分流する電流量を大きくする。そして、電源回路200から電流制御回路120に供給される電流量がさらに大きくなって第3の発光部113に流れる電流が最大になると、電流制御回路120は、第2の発光部112にも電流を流し始めていき、第2の発光部112に分流する電流量を大きくしていく。
このように構成される発光モジュール100は、例えば、図3に示される構造を有する。具体的には、発光モジュール100は、基板130を有しており、複数の発光部110(第1の発光部111、第2の発光部112、第3の発光部113)と電流制御回路120とは、基板130に設けられている。
本実施の形態において、第3の発光部113は、基板130の中央部に配置されている。具体的には、第3の発光部113を構成する2個のLED113aが基板130の中央部に並んで配置されている。
また、第2の発光部112は、複数に分けられており、第3の発光部113は、複数の第2の発光部112の一方と他方との間に配置されている。具体的には、第2の発光部112を構成するLED素子112aが第3の発光部(LED素子113a)を介して2つの領域に分けられて配置されており、第3の発光部113を構成するLED素子113aは、一方の領域に配置されたLED素子112aと他方の領域に配置されたLED素子112aとの間に配置されている。
また、第1の発光部111は、第2の発光部112と第3の発光部113との間に配置されている。具体的には、第1の発光部111を構成するLED素子111aは、第2の発光部112を構成するLED素子112aと、第3の発光部113を構成するLED素子113aとの間に配置されている。
第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113をこのように配置することで、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の各々から発する光を均一に混色することができる。特に、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113を後述するようにシンクロ調色制御する場合、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113は、これらの1つ又は複数が発光することになるが、いずれの明るさの場合にも均一に混色することができる。
本実施の形態において、第1の発光部111を構成するLED素子111a、第2の発光部112を構成するLED素子112a及び第3の発光部113を構成するLED素子113aは、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子である。
具体的には、LED素子111a、112a及び113aの各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装された1つ以上のLEDチップ(ベアチップ)と、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。封止部材は、例えばシリコーン樹脂等の透光性樹脂材料で構成されている。
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。この場合、LED素子111a及び112aにおけるLEDチップは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップであり、例えば440nm〜470nmの範囲にピーク波長を有する。そして、LED素子111a及び112aでは、白色光を得るために、封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有される。LED素子111a及び112aでは、青色LEDチップの青色光の一部が黄色蛍光体に吸収されて黄色蛍光体が励起して黄色蛍光体から黄色光が放出され、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光が生成される。
ただし、第1の発光部111は、第2の発光部112が発する光の色温度よりも高い色温度の光を発する。このため、第1の発光部111が発する光の色温度を第2の発光部112が発する光の色温度よりも高くするために、封止部材に含まれる蛍光体の種類(例えば、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体)や量を調整して、第1の発光部111及び第2の発光部112の色度調整が行われている。
一方、LED素子113aにおけるLEDチップは、通電されれば赤色光を発する赤色LEDチップであり、例えば620nm〜700nmの範囲にピーク波長を有する。LED素子113aでは、赤色LEDチップの赤色光をそのまま取り出すので、封止部材には、蛍光体が含まれていない。
このように構成されるLED素子111a、112a及び113aは、例えば、半田接続によって基板130に実装される。
また、電流制御回路120は、複数のリード端子を有するICパッケージとして構成されており、例えば半田接続によって基板130に実装される。
基板130は、金属配線(不図示)が形成されたプリント配線基板であり、基板130の表面には所定のパターンの金属配線が形成されている。LED素子111a、112a及び113aと電流制御回路120は、基板130に形成された金属配線に半田接続されている。LED素子111a、112a及び113aと電流制御回路120は、この金属配線によって、図2に示される回路構成で電気的に接続されている。
基板130としては、例えば、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、表面が樹脂被膜された金属材料からなるメタルベース基板、セラミック材料の焼結体であるセラミック基板、又は、ガラス材料からなるガラス基板等を用いることができる。また、LED素子111a、112a及び113aと電流制御回路120の配線経路が複雑になる場合は、基板130として多層基板を用いることで、これらの電気的な接続を容易に行うことができる。
なお、基板130は、リジッド基板に限るものではなく、フレキシブル基板であってもよい。また、基板130の表面には、金属配線を覆うように絶縁被膜としてレジスト膜が形成されていてもよい。
また、基板130には、電源回路200から導出される電線30と電気的に接続される複数の入力端子131が設けられている。本実施の形態において、複数の入力端子131は、第1の入力端子131aと第2の入力端子131bと第3の入力端子131cとによって構成されている。
第1の入力端子131a及び第2の入力端子131bの2つには、電源回路200から発光モジュール100に入力される電流(入力電流)が通過する。一方、第3の入力端子131cには、発光モジュール100から電源回路200に出力される電流(出力電流)が通過する。
図1に戻り、電源ユニット20は、筐体21と、筐体21に収納された回路基板22と、回路基板22に実装された複数の回路素子23と、交流電源3(例えば商用電源)のからの交流電力を受ける端子台24とを備える。筐体21は、金属製又は絶縁樹脂製のケースである。回路基板22は、金属配線が形成されたプリント配線基板である。端子台24は、例えば入力電圧としてAC100Vの交流電圧を受電する。端子台24で受電した交流電圧は、電源回路200に供給される。
電源回路200は、複数の回路素子23によって構成される。複数の回路素子23は、例えば、容量素子(電解コンデンサ、セラミックコンデンサ等)、抵抗素子(抵抗器等)、整流回路素子、コイル素子、トランス、ノイズフィルタ、ダイオード、集積回路素子(IC)、又は、半導体素子(FET等)等である。
電源回路200は、外部電源からの入力電圧をもとに発光モジュール100を発光させるための電力を生成し、生成した電力を発光モジュール100に出力する。また、電源回路200は、発光モジュール100を発光させるための電力を生成する電源機能を有するとともに、発光モジュール100の照明態様を制御する照明制御機能を有する。具体的には、電源回路200は、照明制御機能として、発光モジュール100の照明光の明るさを変化させる調光機能及び発光モジュール100の照明光の光色を変化させる調色機能を有する。
本実施の形態において、電源回路200は、発光モジュール100の明るさと光色とを連動して変化させるシンクロ調色機能を有する。例えば、発光モジュール100の明るさを大きくすると色温度が高い光に変化し、発光モジュール100の明るさを絞って小さくすると色温度が低い光に変化する。これにより、人にとって心地よい明るさ及び光色に変化する照明光を実現できる。
この場合、発光モジュール100のシンクロ調色は、調光スイッチ4によって制御することができる。調光スイッチ4は、例えば壁等に設置され、交流電源3と電源回路200(端子台24)との間の配線経路上に設けられる。調光スイッチ4は、例えば、交流電圧を位相制御する位相制御式の調光器(二線式調光器)である。この場合、調光スイッチ4によって交流電源3から供給される交流電圧の位相角(導通角)が制御されることで、発光モジュール100への入力電流が変化する。具体的には、電源回路200によって、調光スイッチ4で調光制御された交流電圧に応じた入力電流が生成される。このように、調光スイッチ4によって発光モジュール100の明るさを調整することで、発光モジュール100の光色も調整することができる。なお、調光スイッチ4は、例えば、ユーザが操作可能なスライダ又はツマミなどの操作部を備えており、ユーザによる操作部の操作に応じて位相角(導通角)が制御される。
本実施の形態において、電源回路200は、2回路制御電源であり、発光モジュール100の発光部110を発光させるため電力として、2つの入力電力を発光モジュール100に出力する。具体的には、電源回路200は、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の3つの発光部110を有する発光モジュール100に対して、2つの入力電力を出力している。このように、電源回路200から発光モジュール100に供給する電力の出力数は、発光部110の数(本実施の形態では3つ)よりも少なくなっている。つまり、電源回路200における電源回路数は、発光部110の発光色の数(つまり光源色数)よりも少なくなっている。
電源回路200から発光モジュール100に出力される2つの入力電力は、電源回路200によって独立して制御することができる。具体的には、電源回路200から発光モジュール100には、発光モジュール100の発光部110を発光させるための駆動電流として独立して制御された2つの直流電力が入力電流として供給される。本実施の形態において、電源回路200から発光モジュール100に出力される2つの入力電流は、一方が第1の発光部111に供給され、他方が電流制御回路120に供給される。
電源ユニット20と灯具ユニット10とは電線30によって接続されている。したがって、電源ユニット20の電源回路200で生成された直流電力は、電線30を介して灯具ユニット10の発光モジュール100に供給される。具体的には、調光スイッチ4による調光制御に応じた電流が電源回路200で生成されて、生成された電流は、発光モジュール100への入力電流として電線30を介して電源回路200から発光モジュール100に供給される。なお、電線30は、電源ケーブル等の電力線である。
本実施の形態において、電源回路200は、第1の発光部111と電流制御回路120とに直流電力を出力するので、電線30は、電源回路200から発光モジュール100に入力される入力電流が流れる2本の電力線と、発光モジュール100から電源回路200に出力される出力電流が流れる1本の電力線との合計3本である。
次に、図4〜図6Dを用いて、実施の形態1に係る照明器具1の調色制御について、比較例1の照明器具1Xの調色制御と比較して説明する。図4は、比較例1の照明器具1Xの回路構成を示す図である。図5は、実施の形態1に係る照明器具1と比較例1の照明器具1Xとの調色制御による照明光の光色の変化を示すxy色度図である。図6A〜図6Dは、実施の形態1に係る照明器具1の調色制御を行うときの電流の流れを示す図である。
図4に示すように、比較例1の照明器具1Xは、色温度が6200Kの光を発する第1の発光部111及び色温度が2200Kの光を発する第2の発光部112を有する発光モジュール100Xと、電源回路200とを備えている。比較例1の照明器具1Xでは、第1の発光部111及び第2の発光部112の光出力比を電源回路200で制御することで照明器具1Xの照明光の調色を行うことができる。
しかしながら、比較例1の照明器具1Xでは、図5の破線で示すように、6200Kに対応する色度点P1と2200Kに対応する色度点PX5との2点を結ぶ直線上でしか調色を行うことができない。つまり、色度点P1と色度点PX5との2点を結ぶ直線上のみの色度でしか照明光の色温度を変化させることができない。
このため、比較例1の照明器具1では、図5の曲線で示される黒体軌跡との間に色ずれが生じ、黒体軌跡をなぞるように照明光の色温度を変化させることができず、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することが難しい。
これに対して、本実施の形態における照明器具1の発光モジュール100には、色温度が6200Kの光を発する第1の発光部111及び色温度が2200Kの光を発する第2の発光部112に加えて、赤色光を発する第3の発光部113が設けられている。そして、電源回路200から発光モジュール100には2つの入力電流が供給され、その一方が第1の発光部111に供給され、他方が電流制御回路120に供給される。さらに、電流制御回路120は、その他方の入力電流の電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113にその入力電流を分配して供給している。
具体的には、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113には、図5における色度点P1、P2、P3、P4、P5の各点を結ぶ直線に対応して以下の表1に示すような光出力比となるように電流が供給されて、発光モジュール100の照明光の色温度及び明るさが変化する。なお、色度点P1、P2、P3、P4、P5は、図5のxy色度図における色度座標を示している。
より具体的には、色度点がP1のときは、図6Aに示すように、電源回路200から発光モジュール100には、第1入力電流IIN1のみが出力される。発光モジュール100に供給された第1入力電流IIN1は、駆動電流IL1として第1の発光部111のみに供給される。これにより、発光モジュール100では第1の発光部111のみが発光し、発光モジュール100は、色温度が6200Kの照明光を発する。
また、色度点がP1からP3までの間は、図6B及び図6Cに示すように、電源回路200から発光モジュール100には、第1入力電流IIN1及び第2入力電流IIN2の2つの入力電流が出力される。
このうち、第1入力電流IIN1は、駆動電流IL1として第1の発光部111のみに供給され、第1の発光部111が発光する。一方、第2入力電流IIN2は、電流制御回路120に供給される。
このとき、電流制御回路120では、第2入力電流IIN2の電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113に第2入力電流IIN2を分配して供給するが、本実施の形態では、電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が小さい発光部110に優先して電流を流す。
したがって、色度点がP1〜P2のときには、図6Bに示すように、電流制御回路120は、第2の発光部112よりも順方向電圧の総量が小さい第3の発光部113のみに第2入力電流IIN2を流し始める。つまり、第2入力電流IIN2は、第3の発光部113のみにそのまま駆動電流IL3として供給されて、第2の発光部112には電流が供給されない。これにより、第3の発光部113が発光し、第2の発光部112は発光しない。
その後、第1入力電流IIN1よりも第2入力電流IIN2の割合が大きくなっていくと、第3の発光部113に流れる駆動電流IL3も大きくなっていき、第2入力電流IIN2が、第3の発光部113に流すことができる最大電流に達すると(色度点P3)、図6Cに示すように、電流制御回路120は、第2入力電流IIN2を第2の発光部112にも分流する。つまり、第2入力電流IIN2は、第2の発光部112への駆動電流IL2と第3の発光部113への駆動電流IL3に分流される。
その後、第1入力電流IIN1に対する第2入力電流IIN2の割合が大きくなっていくと、第2入力電流IIN2の電流増加分は、そのまま第2の発光部112の駆動電流IL2の増加分となる。つまり、第3の発光部113に流れる駆動電流IL3は一定のままで、第2の発光部112に流れる駆動電流IL2の割合が増加していく。
このように、色度点がP1〜P3のときには、第1の発光部111と第2の発光部112及び第3の発光部113とがそれぞれ、第1入力電流IIN1及び第2入力電流IIN2によって独立して制御されて発光し、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の光出力比に応じて、色度点P1と色度点P3との2点を結ぶ直線に沿って調色制御される。つまり、発光モジュール100は、色温度が6200K〜2700Kの照明光を発する。なお、本実施の形態では、シンクロ調色を行っているので、色温度が低くなるにつれて発光モジュール100の明るさも徐々に小さくなる。
また、色度点がP3からP4までの間のときは、図6Cに示すように、電源回路200から発光モジュール100には、第1入力電流IIN1及び第2入力電流IIN2の2つの入力電流が出力される。
このうち、第1入力電流IIN1は、駆動電流IL1として第1の発光部111のみに供給され、第1の発光部111が発光する。一方、第2入力電流IIN2は、電流制御回路120に供給される。電流制御回路120では、第2入力電流IIN2の電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113に第2入力電流IIN2を分配して供給するが、本実施の形態では、電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が小さい発光部110に優先して電流を流す。
したがって、色度点がP3からP4のときには、上記同様、図6Cに示すように、電流制御回路120は、第2の発光部112に駆動電流IL2を供給しつつ第3の発光部113にも駆動電流IL3を供給する。そして、本実施の形態では、色度点がP3からP5にかけては、第1の発光部111に供給される駆動電流IL1が小さくなるにつれて、第2の発光部112に供給される駆動電流IL2が大きくなる。そして、色度点P4のときは、第1の発光部111に供給される駆動電流IL1がゼロとなる。
このように、色度点がP3〜P4のときについても、第1の発光部111と第2の発光部112及び第3の発光部113とがそれぞれ、第1入力電流IIN1及び第2入力電流IIN2によって独立して制御されて発光し、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の光出力比に応じて、色度点P3と色度点P4との2点を結ぶ直線上に沿って調色制御される。つまり、発光モジュール100は、色温度が2700K〜2200Kの照明光を発する。なお、本実施の形態では、シンクロ調色を行っているので、色温度が低くなるにつれて発光モジュール100の明るさも徐々に小さくなる。
また、色度点がP4からP5までの間は、図6Dに示すように、電源回路200から発光モジュール100には、第2入力電流IIN2のみが出力される。発光モジュール100に供給された第2入力電流IIN2は、電流制御回路120に供給される。
このとき、電流制御回路120では、第2入力電流IIN2の電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113に第2入力電流IIN2を分配して供給するが、本実施の形態では、電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が小さい発光部110に優先して電流を流す。
したがって、色度点がP4からP5のときには、図6Dに示すように、電流制御回路120は、上記同様に、第2の発光部112に駆動電流IL2を供給しつつ第3の発光部113にも駆動電流IL3を供給するが、順方向電圧の総量が第2の発光部112よりも第3の発光部113の方が小さいので、第3の発光部113に供給する駆動電流IL3の方が第2の発光部112に供給する駆動電流IL2のよりも常に大きい。
本実施の形態では、色度点がP4からP5にかけては、第2の発光部112に供給される駆動電流IL2が徐々に小さくなるように制御される。そして、色度点P5のときは、第2の発光部112に供給される駆動電流IL2がゼロとなり、第3の発光部113のみに駆動電流IL3が供給される。
このように、色度点がP4〜P5のときには、第1の発光部111は発光せずに、第2の発光部112及び第3の発光部113のみが第2入力電流IIN2によって独立して制御されて発光し、第2の発光部112及び第3の発光部113の光出力比に応じて、色度点P4と色度点P5との2点を結ぶ直線に沿って調色制御される。つまり、発光モジュール100は、色温度が2200K〜1800Kの照明光を発する。なお、本実施の形態では、シンクロ調色を行っているので、色温度が低くなるにつれて発光モジュール100の明るさも徐々に小さくなる。
以上のように、本実施の形態における照明器具1では、図5の実線に示すように、高色温度から低色温度にかけて調色制御する場合、色度点P3からP5にかけては相対的に第3の発光部113に流れる電流量を徐々に多くしている。これにより、比較例1の照明器具1Xでは、色温度が2200Kの色度点はPX5であったが、本実施の形態における照明器具1では、色温度が2200Kの色度点をP4にすることができ、色温度が2200Kの色度点をPX5からP4に移動させることができる。したがって、照明器具1の照明光の色度を黒体軌跡に近い狙いの色度にすることができる。つまり、第3の発光部113によって、低色温度側の照明器具1(発光モジュール100)の照明光の色偏差(Duv)をマイナス側にシフトさせることができる。これにより、低色温度側の照明光の色温度を黒体軌跡に近づけることができる。この結果、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することができる。
しかも、本実施の形態における照明器具1では、発光モジュール100に設けられた電流制御回路120によって、電源回路200から電流制御回路120に供給される第2入力電流IIN2の電流量に応じた電流出力比で第2の発光部112及び第3の発光部113に第2入力電流IIN2を分配して供給している。これにより、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の3つの発光部110を用いつつも、電源回路200によって独立して制御可能な入力電流の数(出力数)が発光部110の数よりも少ない2つであっても、黒体軌跡をなぞるように照明光の色温度を変化させることが可能となる。つまり、電源回路200として、低コストで簡便な構成の既存の2回路制御電源を用いて、光色が互いに異なる3つ発光部110を有する発光モジュール100の調色制御を行うことができる。
したがって、本実施の形態における照明器具1によれば、低コストの電源回路200を用いて黒体軌跡に近い光色で色再現を行うことができる。
なお、本実施の形態における照明器具1の調色制御では、赤色光を発する第3の発光部113には色度点がP3からP4の間のみに電流を流している。また、第3の発光部113は、発光モジュール100の明るさが低い領域の場合に発光させているので、第3の発光部113を構成するLED素子113aの個数を少量(本実施の形態では2つ)にすることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明器具1Aについて、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態2に係る照明器具1Aの回路構成を示す図である。
本実施の形態に係る照明器具1Aと上記実施の形態1に係る照明器具1とは、第3の発光部と電流制御回路120の機能のみが異なり、それ以外は同じである。
具体的には、図7に示すように、本実施の形態における照明器具1Aにおける発光モジュール100Aの発光部110Aは、第1の色温度の光を発する第1の発光部111と、第1の色温度よりも低い色温度である第2の色温度の光を発する第2の発光部112と、第1の色温度及び第2の色温度よりも高い色温度である第3の色温度の光を発する第3の発光部113Aとの3つによって構成される。
本実施の形態において、第1の発光部111及び第2の発光部112は、上記実施の形態1と同じである。したがって、第1の発光部111は、色温度が6200K(第1の色温度)の白色光を発するLED素子111aによって構成され、第2の発光部112は、色温度が2200K(第2の色温度)の白色光を発するLED素子112aによって構成されている。
一方、第3の発光部113Aの構成は、上記実施の形態1と異なり、第3の発光部113Aは、色温度が8000K(第3の色温度)の白色光を発する。また、第3の発光部113Aは、直列接続された3個のLED素子113aA(第3のLED素子)によって構成されている。3個のLED素子113aA同士は、構成及び特性(IF−VF特性等)が全て同じである。したがって、3個のLED素子113aAの光の色温度は8000Kである。なお、第3の発光部113Aを構成するLED素子113aAの数は、3個に限らず、1個であってもよいし3個以外の複数個であってもよい。
また、上記実施の形態1における電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110に電流を分流する際、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が小さい発光部110に優先して電流を流したが、本実施の形態における電流制御回路120は、電流制御回路120に接続された複数の発光部110に電流を分流する際、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が大きい発光部110に優先して電流を流す。
次に、図8を用いて、本実施の形態に係る照明器具1Aの調色制御について、比較例2の照明器具の調色制御と比較して説明する。図8は、実施の形態2に係る照明器具1Aと比較例2の照明器具との調色制御による照明光の光色の変化を示すxy色度図である。
比較例2の照明器具は、図8の破線で示すように、色度点P1Yと色度点P4(狙いの色度)との2点を結ぶ直線上でしか調色を行うことができない。このため、比較例2の照明器具では、図8の曲線で示される黒体軌跡との間に色ずれが生じ、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することが難しい。
これに対して、本実施の形態における照明器具1Aの発光モジュール100Aには、色温度が6200Kの光を発する第1の発光部111及び色温度が2200Kの光を発する第2の発光部112に加えて、色温度が8000Kの光を発する第3の発光部113Aが設けられている。そして、電源回路200から発光モジュール100Aには2つの入力電流が供給され、その一方の電流(第1入力電流)が第1の発光部111に供給され、他方の電流(第2入力電流)が電流制御回路120に供給される。さらに、電流制御回路120は、その他方の電流(第2入力電流)の電流量に応じて第2の発光部112及び第3の発光部113Aにその電流(第2入力電流)を分配して供給している。
具体的には、図8の実線に示すように、色度点がP1の高色温度から色度点がP4の低色温度にかけて調色制御する場合に、その途中で、電流制御回路120によって第3の発光部113Aに流れる電流量を徐々に多くしている。
これにより、比較例2の照明器具では、色度点PY1と色度点P4との2点を結ぶ直線上の色度点PY3に対応する色温度を、本実施の形態における照明器具1では、色度点P3に移動させることができる。つまり、第3の発光部113Aによって、2200Kと6200Kとの間の中間の色温度に対応する照明器具1A(発光モジュール100A)の照明光の色偏差(Duv)をプラス側にシフトさせることができる。これにより、照明器具1A(発光モジュール100A)の照明光の色温度を黒体軌跡に近づけることができる。この結果、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することができる。このように、本実施の形態では、図8における色度点P1、P2、P3、P4の各点を結ぶ直線に対応して、照明器具1A(発光モジュール100A)の照明光の光色が変化する。
しかも、本実施の形態における照明器具1Aでも、上記実施の形態1と同様に、発光モジュール100Aに設けられた電流制御回路120によって、電源回路200から電流制御回路120に供給される第2入力電流の電流量に応じた電流出力比で第2の発光部112及び第3の発光部113Aに第2入力電流を分配して供給している。これにより、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113Aの3つの発光部110Aを用いつつも、電源回路200によって独立して制御可能な入力電流の数(出力数)が発光部110Aの数よりも少ない2つであっても、黒体軌跡をなぞるように照明光の色温度を変化させることが可能となる。つまり、電源回路200として、低コストで簡便な構成の既存の2回路制御電源を用いて、光色が互いに異なる3つ発光部110Aを有する発光モジュール100Aの調色制御を行うことができる。
したがって、本実施の形態における照明器具1Aによれば、低コストの電源回路200を用いて黒体軌跡に近い光色で色再現を行うことができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る照明器具1Bについて、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態3に係る照明器具1Bの回路構成を示す図である。
本実施の形態に係る照明器具1Bと上記実施の形態1に係る照明器具1とは、電流制御回路のみが異なり、それ以外は基本的には同じである。
具体的には、図9に示すように、本実施の形態における照明器具1Bにおける発光モジュール100Bの発光部110は、実施の形態1と同様に、第1の色温度の光を発する第1の発光部111と、第1の色温度よりも低い色温度である第2の色温度の光を発する第2の発光部112と、赤色光を発する第3の発光部113との3つによって構成される。なお、第3の発光部113を構成するLED素子113aの数は、3個としているが、3個に限らず、1個であってもよいし3個以外の複数個であってもよい。
また、実施の形態1では、電流制御回路120は、第2の発光部112及び第3の発光部113に入力電流を分配して供給していたが、本実施の形態では、電流制御回路120Bは、第1の発光部111及び第3の発光部113に入力電流を分配している。この場合、電流制御回路120Bは、電源回路200から電流制御回路120Bに入力される入力電流の電流量(電流値)を検出する。そして、検出した電流量に応じて第1の発光部111及び第3の発光部113に分配するための入力電流の電流出力比(分配比)が決定され、電流制御回路120Bは、この電流出力比に基づいた電流量で第1の発光部111と第3の発光部113とに電流を供給する。
さらに、本実施の形態における電流制御回路120Bは、上記実施の形態1における電流制御回路120と異なり、電流制御回路120Bに接続された複数の発光部110に電流を分流する際、電流制御回路120に接続された複数の発光部110のうち順方向電圧の総量が大きい発光部110に優先して電流を流す。
次に、図10を用いて、本実施の形態に係る照明器具1Bの調色制御について、比較例3の照明器具の調色制御と比較して説明する。図8は、実施の形態3に係る照明器具1Bと比較例3の照明器具との調色制御による照明光の光色の変化を示すxy色度図である。
比較例3の照明器具は、図10の破線で示すように、色度点PZ1と色度点P3(狙いの色度)との2点を結ぶ直線上でしか調色を行うことができない。このため、比較例3の照明器具では、図10の曲線で示される黒体軌跡との間に色ずれが生じ、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することが難しい。
これに対して、本実施の形態における照明器具1Bでは、電源回路200から発光モジュール100Bには2つの入力電流が供給され、その一方の電流(第1入力電流)が第2の発光部112に供給され、他方の電流(第2入力電流)が電流制御回路120Bに供給される。さらに、電流制御回路120Bは、その他方の電流(第2入力電流)の電流量に応じて第1の発光部111及び第3の発光部113にその電流(第2入力電流)を分配して供給している。
具体的には、図10の実線に示すように、色度点がP3の低色温度から色度点がP1の高色温度にかけて調色制御する場合に、その途中で、電流制御回路120Bによって第3の発光部113に流れる電流量を徐々に多くしている。
これにより、比較例3の照明器具では、色温度が6200Kの色度点はPZ1であったが、本実施の形態における照明器具1Bでは、色温度が6200Kの色度点をP1にすることができ、色温度が6200Kの色度点をPZ1からP1に移動させることができる。したがって、照明器具1Bの照明光の色度を黒体軌跡に近い狙いの色度にすることができる。つまり、第3の発光部113によって、高色温度側の照明器具1B(発光モジュール100B)の照明光の色偏差(Duv)をマイナス側にシフトさせることができる。これにより、高色温度側の照明光の色温度を黒体軌跡に近づけることができる。この結果、黒体軌跡の全域を満足する白色光を再現することができる。このように、本実施の形態では、図10における色度点P1、P2、P3の各点を結ぶ直線に対応して、照明器具1B(発光モジュール100B)の照明光の光色が変化する。
しかも、本実施の形態における照明器具1Bでも、実施の形態1と同様に、発光モジュール100Bに設けられた電流制御回路120Bによって、電源回路200から電流制御回路120Bに供給される入力電流の電流量に応じた電流出力比で第1の発光部111及び第3の発光部113にその入力電流を分配して供給している。これにより、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113の3つの発光部110を用いつつも、電源回路200によって独立して制御可能な入力電流の数(出力数)が発光部110の数よりも少ない2つであっても、黒体軌跡をなぞるように照明光の色温度を変化させることが可能となる。つまり、電源回路200として、低コストで簡便な構成の既存の2回路制御電源を用いて、光色が互いに異なる3つ発光部110を有する発光モジュール100の調色制御を行うことができる。
したがって、本実施の形態における照明器具1Bによれば、低コストの電源回路200を用いて黒体軌跡に近い光色で色再現を行うことができる。
(変形例)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1〜3では、複数の発光部の調光制御は、位相調光(二線式)によって行ったが、調光制御方式は、これに限るものではなく、PWM調光(四線式)又は0−10VDC調光等によって複数の発光部の調光制御を行ってもよい。
また、上記実施の形態1では、発光部110を構成するLED素子をSMD型とし、発光モジュール100をSMDタイプとしたが、これに限らない。例えば、LEDチップ(ベアチップ)が基板上に直接実装されたCOB(Chip On Board)タイプの発光モジュールを用いてもよい。例えば、図11に示される発光モジュール101のように、第1の発光部111、第2の発光部112及び第3の発光部113を、基板130に実装された複数のLEDチップとこのLEDチップを封止する封止部材とによって構成にしてもよい。この場合、第1の発光部111及び第2の発光部112では、LEDチップとして青色LEDチップを用い、封止部材として黄色蛍光体等の1種又は複数種の蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂を用いる。一方、第3の発光部113では、LEDチップとして赤色LEDチップを用い、封止部材として蛍光体を含まない透明樹脂を用いる。なお、実施の形態2、3においても、COBタイプの発光モジュールを適用してもよい。
また、上記実施の形態1〜3では、発光モジュールに設けられた発光部の数は3つとしたが、これに限らない。例えば、発光モジュールには、3つ以上の発光部が設けられていてもよい。この場合も、電源回路から発光モジュールに供給する電力の出力数を発光部の数よりも少なくすることで、発光部の数と同数の電力の出力数の電源回路を用いる場合よりも、電源回路のコストを抑えることができる。
また、上記実施の形態1〜3では、電線を介して電源ユニットに接続された調光スイッチ4を用いて発光モジュールの調色制御を行ったが、これに限らない。例えば、電源ユニットに無線モジュールを内蔵しておくことで、無線端末から調光/調色信号を無線モジュールに送信することで発光モジュールの調色制御を行ってもよい。
また、上記実施の形態1〜3では、調色制御をするにあたり、調色と調光とを連動させたシンクロ調色を行ったが、これに限らない。例えば、明るさを変化させずに光色のみを変化させるような調色制御を行ってもよい。
また、上記実施の形態1〜3では、ダウンライトを例示したが、本発明は、スポットライト又はベースライト等の他の照明器具にも適用することができる。
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。