JP2018180973A - 人事管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】部署や従業員が、達成が困難であると考えられる業務であっても、参画者が積極的に集まり、達成された暁には成果が客観的に評価される人事管理システムを提供する。【解決手段】管理サーバ10は、部署の部署口座、及び部署に紐付けされた部署に所属する従業員の個人口座を記憶する口座記憶手段14と、口座記憶手段に記憶された各口座のポイントの残高を管理するコントロール手段12と、コントロール手段と接続され情報を入力する端末手段とを備える。コントロール手段は、祭り業務の対象となる業務を設定し記録する祭り業務設定部と、祭り業務の業務内容を掲示して参画者を募集する参画者募集部と、祭り業務に参画する参画者を登録する参画者登録部と、祭り業務が完了した際、参画者または参画者が所属する部署の口座から所定のポイントを拠出することで、企業から参画者に対し打ち上げに用いる現金の支給を実行する現金支給管理部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、企業等において従業員の業務遂行を管理しながら、部署及び従業員の成果が客観的に評価される人事管理システムに関する。
企業等の組織では、従業員等の能力を活かして生産性を高め、利益を最大化することが重要であり、この目的を達成するためには、部署や従業員の成果や能力、あるいは企業に対する貢献が正当に評価される必要がある。これを実現すべく、部署や従業員を管理する上司がこれらに対する評価を実施するのが一般的である(例えば、特許文献1を参照。)。
一方、中間管理職や管理部門のように、直接的に成果を生みにくい役職や部署も存在し、そのような役職や、そのような部署の評価は、当該役職や部署を管理する役職(役員、所属長等)が実施するものの、評価者の主観に基づいて評価されることが多く、評価者と被評価者(部署)の認識のギャップが大きくなることが問題となっている。
また、従業員の評価が正当に行われない状況で、上司が逐一業務を指示したり、残業を管理したりする場合、上司の管理が行き過ぎると従業員の開発能力、処理能力、自己管理能力、モチベーション等の低下に繋がり、企業の発展を阻害する虞がある。
出願人は、これらの問題を解決すべく、企業内において従業員が依頼し、あるいは請け負う業務に対し、該業務に応じたポイント(仮想通貨)を設定し、発注者及び受注者となる従業員の口座同士で該業務に応じたポイントを交換することで、その業務量や価値を定量化し、そのポイントを管理する口座の増加量を用いて所定期間における人事評価に活用することを提案している(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2006−185080号公報 特開2016−126586号公報
上記特許文献2に記載された提案によれば、ある程度従業員の業務を定量化でき、従業員が所属する部署自体の評価、あるいは外部組織との業務を含めた評価を客観的に実施することが可能となり、部署に所属する従業員のやる気を引き出し、業務の活発化に繋がるものと考えられる。
しかし、各部署、或いは従業員がなした成果を定量化したポイントの数値に基づいて評価するだけでは、ポイントを獲得しやすい得意な業務や、定常業務に偏って実行しがちになり、実行が困難と考えられる新たな業務、重要な業務であるのにも関わらず大きなポイントの獲得が困難と考えられる業務、あるいは、所属する部署が異なる複数の従業員との協力が必要で、遂行が困難と推測される業務等については、従業員が積極的に取り組なまい虞がある。また、上記した特許文献2にて提案された従来の人事管理システムにおいては、従業員が業務を遂行することによって獲得し蓄積したポイントは、あくまでも人事評価を行う際に利用されるに留まっており、様々な業務に積極的に取り組み、該ポイントをできるだけ沢山蓄積しようとする動機づけに欠ける側面がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、部署や従業員が、遂行が困難であると考えられる業務であっても、参画者が積極的に集まり、達成された暁には達成された充実感を共有し、成果が客観的に評価される人事管理システムを提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、コンピュータによって構成される人事管理システムであって、部署の部署口座、および該部署に紐付けされた該部署に所属する従業員の個人口座を記憶する口座記憶手段と、該口座記憶手段に記憶された各口座のポイントの残高を管理するコントロール手段と、該コントロール手段と接続され情報を入力する端末手段と、を少なくとも備え、該コントロール手段は、祭り業務の対象となる業務を設定し記録する祭り業務設定部と、該祭り業務の業務内容を掲示して参画者を募集する参画者募集部と、該祭り業務に参画する参画者を登録する参画者登録部と、該祭り業務が完了した際、参画者または参画者が所属する部署の口座から所定のポイントを拠出することで、企業から該参画者に対し打ち上げに用いる現金の支給を実行する現金支給管理部とから少なくとも構成される人事管理システムが提供される。
該部署口座と、該部署口座に紐付けされ該部署に所属する従業員の個人口座とは、該部署口座、又は該個人口座から、他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、該ポイントが振り込まれた従業員の個人口座が紐付けされた部署の部署口座にも該ポイントが加算され、該部署に所属する従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込んだ個人口座が紐付けされた部署の部署口座からも該ポイントが減算され、同じ部署に所属する従業員の個人口座の間、あるいは当該部署に所属する従業員の個人口座と紐付けされた部署口座との間においてポイントの交換があった場合は、当該部署の部署口座は変動しないように構成されることが好ましい。
なお、本発明でいう「祭り業務」とは、複数人数によって実行される業務であり、業務が完了した際に打ち上げ会が催され、従業員または従業員が所属する部署から拠出されるポイントと引き換えに該打ち上げ会の費用として現金の支給が実施される業務をいう。
本発明に基づき構成される人事管理システムは、部署の部署口座、および該部署に紐付けされた該部署に所属する従業員の個人口座を記憶する口座記憶手段と、該口座記憶手段に記憶された各口座のポイントの残高を管理するコントロール手段と、該コントロール手段と接続され情報を入力する端末手段と、を少なくとも備え、該コントロール手段は、祭り業務の対象となる業務を設定し記録する祭り業務設定部と、該祭り業務の業務内容を掲示して参画者を募集する参画者募集部と、該祭り業務に参画する参画者を登録する参画者登録部と、該祭り業務が完了した際、参画者または参画者が所属する部署の口座から所定のポイントを拠出することで、企業から該参画者に対し打ち上げに用いる現金の支給を実行する現金支給管理部とから少なくとも構成されるので、従業員の意思に基づいて祭り業務に参画するモチベーションが向上すると共に達成感を参画者で共有することができ、従業員間の助け合いの文化が醸成され、延いては企業の利益拡大に繋げることができる。また、祭り業務は参画者を募集する際にその内容や目的が情報として公開されるため、企業内において祭り業務の対象となった達成することが困難な業務についての認知度が向上し、組織の活性化が図られる。
本発明に基づき構成される人事管理システムの実施形態の全体構成を示す模式図である。 図1に示す人事管理システムを構成する管理サーバ及び端末手段とのネットワーク構成を説明するためのイメージ図である。 図1に示す人事管理システムを利用した業務の流れを説明するためのイメージ図である。 図1に示す人事管理システムにより集計された口座の残高の表と、部署評価を示す評価図である。 図2に示す管理サーバの祭り業務管理部の作用を示すイメージ図である。
以下、本発明に基づき構成される人事管理システムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本発明に基づき構成された人事管理システムの一例を模式的に示している。本実施形態の人事管理システム1は、部署(部署A〜部署C)毎に割り当てられている端末手段Y1〜Y3と端末手段Y1〜Y3が接続される管理サーバ10と、評価部署端末20と、端末手段Y1〜Y3、評価部署端末20と、管理サーバ10とを接続する接続手段としての通信ネットワーク2とを含んでいる。なお、図1では、一点鎖線を境に、左側に企業内を、右側に当該企業とは会計を異にする企業外の外部組織を示す。なお、説明の都合上、部署A〜Cしか示していないが、他の部署、例えば部署D、Eも存在しているものとする。
管理サーバ10は、コンピュータから構成され、高速な中央演算処理装置(CPU)、大規模な記憶手段(RAM、ROM等の主記憶装置、磁気ディスク等の補助記憶装置等)を備えたものであることが好ましいが、これに限定されるものではない。管理サーバ10には、コントロール手段、口座記憶手段等が備えられており、詳細については後述する。
本実施形態では、説明の便宜上端末手段Y1〜Y3を部署毎に1台ずつ配置した例を示すが、必ずしも部署毎に1台である必要はなく各部署に所属する従業員1人に1台ずつ割り当てるようにしてもよい。端末手段Y1〜Y3としては、パーソナルコンピュータを使用することができるが、これに限らず携帯型のタブレット型端末を使用する等、後述する業務情報を入力し、管理サーバ10に情報を送信すると共に必要な公開情報を閲覧できる機能を備えるものであれば、どのような端末を使用することもできる。
通信ネットワーク2は、一般的に知られたインターネット回線を利用することができる。インターネット回線を利用することを想定して通信ネットワーク2を構成することで、端末手段Y1〜Y3が当該企業の外部にある状態でも管理サーバ10にアクセスして必要な情報の入力が可能になる。なお、本発明はこれに限定されず、企業内のみに限定したLAN(Local Area Netwaork)回線のみで通信ネットワーク2を構成すること、或いはインターネット回線と企業内のLANを組み合わせて構成することも可能であり、有線、無線を含め端末手段Y1〜Y3と管理サーバ10とを接続することが可能なあらゆるネットワーク手段を採用することができる。
図に示すように、各部署A〜Cには、各部署A〜Cに所属する従業員(a1〜a12、b1〜b8、c1〜c10)が紐付けされており、被評価対象となる各部署A〜Cと従業員がグループ化されている。なお、本発明における「部署」は、複数の従業員が所属する集合体を指すものであればよく、形式や名称により限定されず、部門、部、課、係、グループ等、いかなる集合体をも含む。
管理サーバ10は、金銭の授受が発生することが想定される外部組織G(サプライヤー、官公庁、輸送会社、ユーザー、ライセンサー、ライセンシー等)と通信ネットワーク2を介して接続されており、外部組織Gと当該企業との業務の請負情報、及び該業務に対する支払い金額の情報が管理サーバ10で管理されるように構成されている。
本実施形態における人事管理システム1の管理サーバ10について、図2を用いてさらに詳細に説明する。管理サーバ10には、少なくとも、コントロール手段12と、口座記憶手段14が備えられている。該コントロール手段12は、ポイント設定部12a、ポイント交換部12b、外部支出入管理部12c、人事評価部12d、祭り業務管理部12eを含んで構成される。
外部支出入管理部12cは、外部支出管理部121と、外部収入管理部122とから構成され、人事評価部12dは、部署評価部123と、個人評価部124とから構成されている。該コントロール手段12を構成するポイント設定部12a、ポイント交換部12b、外部支出入管理部12c、人事評価部12d、祭り業務管理部12eは、コンピュータプログラムから構成される。該コンピュータプログラムは管理サーバ10のメモリに登録され、端末手段Y1〜Y3から入力された情報に基づき、割り当てられた処理を適宜実行する。また、口座記憶手段14は、磁気ディスク等の補助記憶装置により構成され、ポイント交換部12bにより管理される。
人事評価部12dは、口座記憶手段14に記憶された各口座の残高の情報を参照しながら部署評価、個人評価を実行するものであり、人事評価部12dによって実行され得られる人事評価の情報は、管理サーバ10にアクセスする端末手段の内、人事評価を担う評価部署(例えば人事部等)の担当者がアクセスしていることが識別された評価部署端末20からのみ閲覧することができるように設定される。
祭り業務管理部12eは、祭り業務を管理するプログラムによって構成される。本実施形態において祭り業務管理部12eによる管理対象と成り得る祭り業務は、所定の承認権限を有する承認権者、例えば、社長、取締役等によって「祭り業務」として相応しいものであるか否かが審査され、許可された場合にのみ、業務管理部12eに設定し得るものとする。祭り業務管理部12eは、例えば、祭り業務設定部125、参画者募集部126、参画者登録部127、現金支給部128を含んでいる。なお、上記した承認権者による審査は必ずしも必須の要件ではなく、一定の形式的な要件を課すだけでもよい。祭り業務管理部12eの作用については、おって詳述する。
本発明の人事管理システム1は、概ね以上のように構成されており、人事管理システム1で流通するポイントがどのようにして各口座に蓄積されるのかについて、業務及びポイントの流れの例を図3に、部署口座及び個人口座の具体的な構成例を図4に示しながら説明する。なお、図3、4に基づいてなされる説明では、部署A〜C、及び部署A〜Cに所属する従業員個人に関連した業務、及びポイントの流れを説明する。
本発明において扱われる部署、及び部署に所属する従業員の個人口座の一例が図4(a)に示されている。部署Aの口座は、部署Aのポイントを管理する部署口座XAと、部署Aに紐付けされた従業員(全12名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座a1〜a12と、から構成されている。
部署Bの口座は、上記した部署Aと同様に、部署Bのポイントを管理する部署口座XBと、部署Bに紐付けされた従業員(全8名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座b1〜b8とから構成され、部署Cの口座も上記と同様に、部署Cのポイントを管理する部署口座XCと、部署Cに紐付けされた従業員(全10名)に割り当てられ個人の業務遂行により発生するポイントを管理するための個人口座c1〜c10とから構成されている。ここで、「部署口座」とは、部署、及び所属する従業員に部署外から振り込まれたポイント、及び部署、及び所属する従業員が外部の部署、又は個人口座に振り込んだポイントを管理するための口座であり、「個人口座」とは、従業員個人が業務を依頼し、或いは請け負った業務に関連して交換されたポイントを管理するためのものである。より具体的に言えば、部署口座、又は従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込まれた従業員の個人口座にポイントが加算されると共に、該ポイントが振り込まれた従業員の個人口座が紐付けされた部署の部署口座にも同額のポイントが加算される。また、部署に所属する従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込んだ従業員の個人口座からポイントが減算されると共に、振り込んだ個人口座が紐付けされた部署の部署口座からも該ポイントが減算される。そして、部署に所属する従業員の個人口座の間、あるいは部署に所属する従業員の個人口座と部署口座との間においてポイントの交換があった場合は、当該部署の部署口座は変動しない。
上述した各口座の残高の情報は、管理サーバ10に備えられた口座記憶手段14に記憶されるものであり、人事評価の対象となる所定の期間の期初、例えば年度の初めにおける各部署の部署口座XA、XB、XC、及び各個人口座a1〜a12、b1〜b8、c1〜c10のポイント残高はすべて0に設定される。そして、各部署A〜Cに割り当てられた端末手段Y1〜Y3によって、各部署、各従業員によって遂行される業務、該業務に応じて設定されるポイント、及び各業務が完了した旨の情報等が入力されることにより、各口座のポイント残高が変化する。実際に業務が発生してから各口座のポイント残高が増減する過程を、より具体的に説明する。
先ず、外部組織Gに分類されるユーザーUが、当該企業の製品P(1,000万円)を購入すべく営業を担当する部署Cに発注したものとする(図3中(ア))。本業務は、外部組織Gからの収入となる業務であるため、本件業務を割り当てられた部署Cに所属する従業員c1が、端末手段Y3から、管理サーバ10内に構成されたコントロール手段12の外部支出入管理部12cの外部収入管理部122にアクセスし、部署Cが1,000万円で製品Pを受注したこと、従業員c1に1,000,000ポイントで当該業務が割り当てられたことを入力する。
上記製品Pは、ベースとなる製品に対してユーザーUの要求仕様に合わせたカスタマイズが必要であるため、従業員c1は、ユーザーUの要求仕様に基づくカスタマイズを、設計担当の部署Bの従業員b1に依頼する(図3中(イ))。この際、従業員c1と、従業員b1との間で、業務に必要な負荷、時間を考慮し、当該設計に係る業務に応じたポイントが設定される。本実施形態では、当該設計業務に応じたポイントを1,000,000ポイントと設定し、請け負った従業員b1は、所属する部署の端末手段Y2から、管理サーバ10のコントロール手段12にアクセスし、ポイント設定部12aに、依頼元の部署情報、当該業務内容、それに応じたポイントを入力する。
従業員b1は要求仕様に従いカスタマイズ設計を行い、受注した上記設計業務を完了させる。製品Pの設計図面が完成した旨を従業員c1に報告し(図3中(ウ))、正式に受領されれば、従業員b1が遂行した業務が完了した旨の情報を、端末手段Y2からコントロール手段12にアクセスして入力する。本件業務は、部署Cから請け負った業務であるため、コントロール手段12のポイント交換部12bは、部署Cの部署口座XCから従業員b1の個人口座b1に対して1,000,000ポイントを振り込むポイント交換を実施する。なお、本実施形態では、部署口座XCから直接個人口座b1にポイントを振り込むようにしたが、これに限定されず、形式的に部署口座Cから担当している従業員である個人口座c1に1,000,000ポイントを振り込み、個人口座c1を経由して部署Bの個人口座b1に振り込むようにしてもよい。この時点では、部署B、部署Cの部署口座XB、XC、従業員b1の個人口座b1は、以下のように変化する。
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−1,000,000ポイント
補足すると、本発明の「ポイント交換部12b」の作用により、部署口座、又は従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込まれた従業員の個人口座にポイントが加算されると共に、該従業員が所属する部署の部署口座にも同ポイントが加算されるようになっている。よって、上記したケースでは部署Cの部署口座XCから他の部署Bの従業員b1の個人口座b1に1,000,000ポイントが振り込まれているため、部署口座XBにも同ポイントが加算されている。
完成した設計図面に基づき従業員c1は、製造を担当する部署Aに製品Pの製造を依頼する。従業員b1によって作成された該設計図面は、製造を担当する部署Aに送られ、部署Aが請け負う製品Pの製造業務の負荷、製造に必要な部品代等の製造コストを考慮して8,000,000ポイントが設定され発注される(図3中(エ))。製品Pの製造は、部署Aに所属する複数の従業員によってなされるものであり、従業員個人ではなく部署Aに発注される。部署Aでは、当該製品Pの製造を担当する担当者として従業員a1〜a4の4名を割り当て、当該製造業務に応じ1人につき500,000ポイントが設定される。そして、該担当者は、部署Aが部署Cから製品Pの製造を8,000,000ポイントで受注したこと、該製造業務を部署A内の従業員a1〜a4に割り当て、従業員a1〜a4が製造に係る業務を500,000ポイントで請け負ったことを、部署Aの端末手段Y1から管理サーバ10にアクセスし、ポイント設定部12aに入力する。なお、本実施形態では、部署Cから部署Aに対して製品Pの製造を依頼したが、例えば、設計を担当する部署Bに対して製造を含めた業務を依頼し、部署Bから部署Aに対して製品Pの製造が依頼されるようにしてもよい。
部署Aでは、製品Pを製造するに当たり、部品p1、p2を外部のサプライヤーから購入する必要があるため、外部組織GのサプライヤーSに必要部品p1、p2を600万円で発注する(図3中(オ))。この業務は、外部組織Gに対する支出を伴うものであるため、コントロール手段12の外部支出管理部12cの外部支出管理部121に業務内容、及び実際の支出予定の金額が登録される。なお、説明の都合上、発注する部品をp1、p2のみで記載したが、実際は複数のサプライヤーに対してより多数の部品が発注されることが想定される。
サプライヤーSに発注していた部品p1、p2が部署Aに納品されると(図3中(カ))、部署Aからは、部品p1、p2に応じた金額600万円がサプライヤーSに支払われる。端末手段Y1から、部品p1、p2が納品され部品p1、p2の代金が支払われた旨の情報がコントロール手段12に入力されると、外部支出管理部121が実行されることにより、口座記憶手段14のポイントを管理するポイント交換部12bに該情報が伝達され、部署Aの部署口座XAから当該代金に相当するポイント=6,000,000ポイントが差し引かれる。この時点では、部署A〜Cの部署口座XA、XB、XC、及び従業員の個人口座b1の残高は、以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=−6,000,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−1,000,000ポイント
部署Aにおいて製品Pの製造を担当する従業員a1〜a4は、割り当てられた当該業務を遂行し、製品Pを組み立てて完成させ、ユーザーUとの窓口となる部署Cに納品する(図3中(キ))。なお、部署A、部署Cは同じ企業内の部署であることから、当該「納品」は、必ずしも製品Pを物理的に部署Cに移動させることを意味せず、製品Pを部署A内に、或いは、当該企業内の所定の完成品置場に保管し、製品Pが完成した旨の報告が部署Cになされることでもよい。そして、製品Pが部署Cに納品された後、製造を担当した部署Aの端末手段Y1から、製品Pの製造業務が完了した旨をコントロール手段12に入力する。これにより、ポイント設定部12aに設定されていたポイントに基づいて、部署Cの部署口座XCから部署Aの部署口座XAに8,000,000ポイントが振り込まれ、それと同時に部署口座XAから部署Aに所属する製造を担当した従業員a1〜a4の個人口座a1〜a4のそれぞれに500,000ポイントが振り込まれる。ここで、本発明に基づき構成されたコントロール手段12は、部署口座から当該部署に所属する従業員にポイントを振り込んだ場合は、部署口座XAの口座を変動させないようにしている。これにより、各口座の残高は以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=2,000,000ポイント
個人口座a1=500,000ポイント
個人口座a2=500,000ポイント
個人口座a3=500,000ポイント
個人口座a4=500,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=−9,000,000ポイント
個人口座c1=−9,000,000ポイント
上記の口座残高の変化について補足すると、部署Cの部署口座XCから部署Aに振り込まれた8,000,000ポイントは、部署Aの部署口座XAに振り込まれ、該部署口座XAの残高が−6,000,000ポイントから2,000,000ポイントとなる。そして、部署口座XAから、製品Pの製造を担当した従業員a1〜a4の各個人口座a1〜a4に500,000ポイントが振り込まれる。ここで、上述したように、同じ部署内におけるポイントの交換では部署口座を変動させないようにしているので、部署Aの部署口座XAは2,000,000ポイントのままで変化はしない。
部署Cは、製品Pの完成を受け、当該製品Pを外部のユーザーUに納品する(図3中(ク))。製品Pを受領したユーザーUは、製品Pの代金として1,000万円を当該企業に支払う。この、納品完了、支払完了情報を従業員c1が端末手段Y3から入力する。ユーザーUから支払われた代金1,000万円は、外部組織Gから支払われる現実の金銭であり、図3に示す外部収入管理部122が介在していることにより、ユーザーUから1,000万円の収入があった旨の情報がポイント交換部12bに送られ、代金1,000万円に相当する10,000,000ポイントが部署Cの部署口座XCに振り込まれる。それと同時に当該業務が完了したことにより、部署口座XCから、部署Cにおいて当該業務を担当した従業員c1の個人口座c1に1,000,000ポイント振り込まれる。以上で、製品PがユーザーUから発注され、企業内にて各部署が連携して最終的に製品PがユーザーUに納入されるまでの業務が遂行されたことになる。これにより、各口座の残高は以下のようになる。
部署A:
部署口座XA=2,000,000ポイント
個人口座a1=500,000ポイント
個人口座a2=500,000ポイント
個人口座a3=500,000ポイント
個人口座a4=500,000ポイント
部署B:
部署口座XB=1,000,000ポイント
個人口座b1=1,000,000ポイント
部署C:
部署口座XC=1,000,000ポイント
個人口座c1=1,000,000ポイント
なお、上述したポイントの交換等は、単なる一例にすぎず、業務に伴ってポイントが振り込まれる際の振り込み先、ポイント額等、ポイント交換の時期は適宜部署、従業員間において調整される。例えば、上述した実施例では、製品Pのカスタマイズ設計を、部署Bの従業員b1に直接依頼したが、従業員b1個人ではなく、部署Bに対して業務を依頼し、適宜部署B内にて必要業務を適任者に振り分けてもらうようにしてもよく、その場合はカスタマイズ設計の対価となるポイントは部署Cの部署口座XCから部署Bの部署口座XBに一旦振り込まれ、部署口座XBから個人口座b1へ業務に応じたポイントが振り込まれることとなる。
上述した実施形態においては、業務完了までの過程で、各口座の残高が負の値(マイナス)になることがある。よって、この途中の段階で評価を行う場合、各従業員が業務を問題なく遂行しているにも係わらず、口座の残高に基づいて人事評価を実施すると、評価の結果において不公平が生じる場合が想定される。これを防止すべく、業務発生から完了までの間のポイントを一時的に立て替えて振り込む、仮想の「銀行(バンク)」のような役割を担う構成をポイント交換部に備えることもできる。本実施形態でいえば、部署Cの部署口座XCから部署Bの従業員b1の個人口座b1への振り込み、製品Pを製造した部署Aの部署口座XAへのポイント振り込み、或いは、部署Aから外部組織GのサプライヤーSに対する金銭の支払いに伴うポイントの支出を、当該「銀行(バンク)」が立て替えて実施し、各業務の完了に伴いポイントが各口座に振り込まれた時点で、立て替えられていたポイント分を、当該「銀行(バンク)」に返済するようにしてもよい。そのようにすることで、順調に遅滞もなく遂行されている業務であるにも関わらず、評価のタイミングによって不当に低い評価を付けられることが防止される。
上述したように、各部署、従業員が請け負った業務が遂行されることにより、部署口座、個人口座のポイントの残高が増減する。図4(a)には、所定期間、例えば6ケ月間の業務を遂行することにより蓄積された口座のポイント残高が示されている。なお、図4(a)では、全ての個人口座についての残高を示しておらず、一部省略されている。ここで、図4(a)に示すように、部署Aの部署口座XAの残高は12,000,000ポイントであり、部署A内の各個人口座の内、最も残高が高い個人口座は個人口座a3の1,250,000ポイント、最も残高が低い個人口座は、個人口座a4の500,000ポイントであったことが理解される。
同様に、部署Bの部署口座XBの残高は12,000,000ポイントであり、部署B内で個人口座の残高が最も高いのは、個人口座b8の1,600,000ポイント、最も低いのは個人口座b2の900,000ポイントであること、さらに、部署Cの部署口座XCの残高は13,000,000ポイントであり、部署C内の個人口座の残高が最も高いのは個人口座c2の2,500,000ポイント、最も低いのは個人口座c10の900,000ポイントであることが理解される。なお、上述したように、各口座の残高は業務を遂行するに伴い単純に増加するものではなく、業務の発注、受注を互いにし合うことで増減するものである。また、部署口座は、各部署に所属する従業員の個人口座のポイントの他に、部署口座に直接振り込まれたポイントも含んでおり、必ずしも個人口座のポイントの合算とならないことは上述した説明から明らかである。
人事評価部12dの作用について説明する。部署評価部123は、所定の期間の部署の評価を実行すべく、所定の期間の期末日における各部署A〜Cの部署口座XA〜XCの残高を当該部署の所属人数(部署A:12名、部署B:8名、部署C:10名)で除算する。これにより、図4(b)に示されているように、各部署の一人当たりのポイントが算出される。この数値に基づいて部署A〜Cの評価を実施する。図4(b)の例では、最も高い評価を得るのは、部署Bであり、最も低い評価となるのは、部署Aとなる。このように、単純に部署の部署口座の残高が大きくても必ずしもその部署が高評価とはならず、一人当たりの残高が高い部署が、効率よく企業の業績に貢献したとして評価されるのである。
これに対し、個人の評価は、個人評価部124を実行することで、個人口座のポイントの残高に基づいて実施される。図4(a)から明らかなように、最も残高が高かった従業員は部署Cに所属する従業員c2であり、最も低かった従業員は部署Aに所属する従業員a4であった。このように、部署の評価、及び当該個人口座のポイントの残高に基づいて部署、個人の評価が実施され、各個人の昇給、昇格については、所属する部署の評価、個人の評価を総合した総合評価によって決定される。
本発明を具現化すべく管理サーバ10内のコントロール手段12に構成された祭り業務管理部12eの作用について、図2、5を参照しながら説明する。祭り業務管理部12eは、上述したように、祭り業務設定部125、参画者募集部126、参画者登録部127、現金支給部128を含んでいる。なお、図5(a)は、従業員a1が祭り業務を設定し、他の従業員a2、b2、b3、c1が該祭り業務に参画したケースを想定したイメージ図である。また、図5(b)は、祭り業務完了後、各従業員が所定のポイントを拠出し、企業側が打ち上げ用費用として現金に交換して支給する流れを示すイメージ図である。
本実施形態において、祭り業務設定部125に祭り業務が登録されるためには、まず祭り業務の推進を図る幹事となる従業員a1が、社長、あるいは取締役等の承認者に対し該祭り業務の内容を説明して審査を受け承認を得る。なお、本実施形態において設定される祭り業務は、全く新しい商品のコンセプトを部署横断的なメンバーによって策定することを目的とするものとし、アウトプットとして出された成果は、長期の商品開発計画を策定する部署(例えば部署Eとする。)に納品することを目標とする。
上記した承認者からの承認が得られなければ、祭り業務の候補から外されるが、承認が得られたならば、幹事である従業員a1は、端末手段Y1から祭り業務設定部125に対して該祭り業務に関する情報を入力し設定する。ここで入力される項目としては、祭り業務名、達成目標イメージ、業務期間、日数、該祭り業務に必要とされる従業員の要件、募集人数等が想定される。
祭り業務設定部125に対して祭り業務に関する情報が全て入力されると、参画者募集部126の作用により、参画者を募集している祭り業務として各従業員が使用する端末手段Y1〜Y3に祭り業務の内容と共に、募集情報が表示される。
各端末手段に祭り業務の候補となる業務が参画者を募っていることが表示されると、各従業員はこれを確認し、この祭り業務に参画したいと考える従業員は、端末手段Y1〜Y3によって、参画を表明する(図5(a)のイメージ図を参照。)。
該祭り業務に参画を希望する従業員が所定の募集人員に達したら、募集は締め切られ、参画者登録部127の作用により、該祭り業務の参画者として登録される。なお、実際の参画者を決める際は、上記したように先着順で決定してもよいし、所定の募集期間を経た後、参画を希望する従業員が募集人員を超えていれば、幹事である従業員a1が面接等を実施して人選を行ってもよい。
図5(a)に示したように、本実施形態では、従業員a1(幹事)、従業員a2、従業員b1、従業員b2、従業員c1(全5名)が当該祭り業務の参画者となり、5人が協力しながら業務を計画されたスケジュールに沿って遂行する。そして、該祭り業務、すなわち全く新しい商品のコンセプトの策定が纏まったならば、該祭り業務の開始前に承認を行った承認の権限を有する承認者に向けて業務成果についての発表を行い、当初の目標が達成されたと承認されれば、当該祭り業務は完了されたこととなる。なお、祭り業務が完了したならば、上述したような通常の業務に伴って発生するポイント交換も行われる。より具体的には、上記した成果が部署Eに納品されたならば、該祭り業務に予め設定された所定のポイントが部署Eの部署口座から差し引かれ、祭り業務を遂行した参画者の個人口座に対して、各従業員が請け負った業務負荷に応じてポイントが振り込まれる。
該祭り業務が完了になると、現金支給管理部128の作用により、祭り業務完了後に催される打ち上げ会に係る費用(現金)の支給が、ポイントの拠出と引き換えに実施される。より具体的に説明すると、図5(b)に示すように、参画者である従業員の各個人口座a1、a2、b1、b2、c1から、支給される現金に相当する所定のポイント(本実施形態では、一人当たり5000ポイント)を拠出する旨、端末手段から入力する。企業側は該拠出されたポイントに相当する現金(本実施形態では、一人当たり5000円)を打ち上げ会の費用を補助する形で支給する。つまり、人事評価用に蓄積されたポイントと現金とを交換するのである。上述したように、通常の人事管理システム1の運用においては、従業員の個人口座、部署口座の間におけるポイント交換によって蓄積されるポイントは、本来人事評価に利用されるためのものであり、原則として現金と交換することを前提としない。しかし、本発明のように祭り管理部12eを配設することにより、複数の従業員によってなされる実行が困難な業務、すなわち祭り業務を遂行する場合は、打ち上げ会を開催することを前提として、例外措置として、該打ち上げ会用の費用に補助する形で人事管理システム1上を流通するポイントと現金との交換を認めるのである。
上記のような祭り業務管理部12eを配設することにより、複数の従業員が協力する必要があり、かつ遂行が困難な業務を実行することで、人事管理システム1上で蓄積したポイントを現金として使用する機会が与えられ、困難な業務を遂行するモチベーションを高めることができる。
上述した実施形態では、該祭り業務が完了した後、打ち上げ会への補助を現金で受けるために、参画者の個人口座から相当するポイントを差し引き、該ポイントに相当する現金を支給するようにしていた。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、ご褒美的な意味を持たせるために、該祭り業務に参画した従業員が所属する部署が打ち上げ費用として支給される現金に相当するポイントを負担するようにしてもよい。その際は、参画者の個人口座ではなく、参画者が所属する部署の部署口座から所定のポイントが差し引かれる。
打ち上げ費用として支給される現金の金額については、祭り業務毎の打ち上げ会に不公平が生じないように、所定の制限を設けることにしてもよい。また、ポイントと交換され支給される現金の目的外の使用を制限すべく、実際の打ち上げ会の開催がなされたこと条件として、例えば打ち上げ会の費用の領収書の提示を条件としてポイントと現金の交換を実施するようにしてもよい。
1:人事管理システム
2:通信ネットワーク
10:管理サーバ
12:コントロール手段
12a:ポイント設定部
12b:ポイント交換部
12c:外部支出入管理部
12d:人事評価部
12e:祭り業務管理部
123:部署評価部
124:個人評価部
125:祭り業務設定部
126:参画者募集部
127:参画者登録部
128:現金支給部
14:口座記憶手段
20:評価部署端末
Y1〜Y3:端末手段

Claims (2)

  1. コンピュータによって構成される人事管理システムであって、
    部署の部署口座、および該部署に紐付けされた該部署に所属する従業員の個人口座を記憶する口座記憶手段と、該口座記憶手段に記憶された各口座のポイントの残高を管理するコントロール手段と、該コントロール手段と接続され情報を入力する端末手段と、を少なくとも備え、
    該コントロール手段は、
    祭り業務の対象となる業務を設定し記録する祭り業務設定部と、
    該祭り業務の業務内容を掲示して参画者を募集する参画者募集部と、
    該祭り業務に参画する参画者を登録する参画者登録部と、
    該祭り業務が完了した際、参画者または参画者が所属する部署の口座から所定のポイントを拠出することで、企業から該参画者に対し打ち上げに用いる現金の支給を実行する現金支給管理部とから少なくとも構成される人事管理システム。
  2. 該部署口座と、該部署口座に紐付けされ該部署に所属する従業員の個人口座とは、
    該部署口座、又は該個人口座から、他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、該ポイントが振り込まれた従業員の個人口座が紐付けされた部署の部署口座にも該ポイントが加算され、
    該部署に所属する従業員の個人口座から他の部署に所属する従業員の個人口座にポイントが振り込まれた場合は、振り込んだ個人口座が紐付けされた部署の部署口座からも該ポイントが減算され、
    同じ部署に所属する従業員の個人口座の間、あるいは当該部署に所属する従業員の個人口座と紐付けされた部署口座との間においてポイントの交換があった場合は、当該部署の部署口座は変動しない請求項1に記載の人事管理システム。
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