JP2018179815A - ドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置 - Google Patents

ドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定することを目的とする。
【解決手段】 ドーパント濃度差測定方法は、光ファイバ用母材1のコア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光Lをコア部11に照射する照射ステップS1と、コア部11を透過する測定光Lのスペクトルに基づいてコア部11に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得ステップS2と、吸収スペクトルに基づいてコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定ステップS3と、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置に関し、特に、光ファイバ用母材のコアに添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を求める場合に好適なものである。
光ファイバの一つとして、コアにイッテルビウム(Yb)等の希土類元素が添加される増幅用光ファイバが知られている。イッテルビウムが添加される増幅用光ファイバでは、イッテルビウムの結晶化を抑制するため、アルミニウム(Al)を共添加することが行われている。しかし、アルミニウムは屈折率を上昇させる性質を有する。このため、リン(P)をアルミニウムと共添加することが行われている。リンは、アルミニウムと共添加されると、屈折率の上昇を抑える性質を有していることが知られている(下記非特許文献1参照)。従って、イッテルビウムに加えて、アルミニウムとリンとが共添加されることで、イッテルビウムの添加量を増加させることができ光の実効断面積(Aeff)を大きくすることができる。また、イッテルビウムに加えて、アルミニウムとリンとが共添加されることで、フォトダークニングを抑制することができることが知られている(下記特許文献1参照)。
屈折率を調整する等の理由からコアに添加されるドーパントの濃度を特定することは重要である。下記特許文献2には、光ファイバ用母材のコア部に添加されるドーパントの濃度を測定する測定方法が記載されている。具体的には、光ファイバ用母材のコア部に白色光を照射して、吸収される光のピーク波長と吸収量とから、コア部に添加されるドーパントの種類と濃度とを推定するというものである。
D.J. Digiovanni et al., "STRUCTURE AND PROPERTIES OF SILICA CONTAINING ALUMINUM AND PHOSPHORUS NER RHE AlPO4 JOIN", Journal of Non-Crystalline Solids 133, 58-64 (1989)
国際公開第2010/52907号 特開2004−150934号公報
ところで、上記のようにアルミニウムとリンとが共添加されることで屈折率の上昇を抑えることができ、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差に起因する屈折率の変化は、イッテルビウムの添加量に起因する屈折率の変化よりも大きい傾向にある。従って、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が重要な要素となる。しかし、上記特許文献2には、リンの濃度の測定についての考察が記載されておらず、従って、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差についての考察も記載されていない。
そこで、本発明は、光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定し得るドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のドーパント濃度差測定方法は、光ファイバ用母材のコア部に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光を前記コア部に照射する照射ステップと、前記コア部を透過する前記測定光のスペクトルに基づいて前記コア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得ステップと、前記吸収スペクトルに基づいて前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定ステップと、を備えることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するため、本発明のドーパント濃度差測定装置は、光ファイバ用母材のコア部に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光を前記コア部に照射する照射部と、前記コア部を透過する前記測定光のスペクトルに基づいて前記コア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得部と、前記吸収スペクトルに基づいて前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定部と、を備えることを特徴とするものである。
本発明者の鋭意検討の結果、希土類元素とアルミニウムとリンとが共添加されたコア部に光を透過させる場合に、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が変化することで、コア部に吸収される光のスペクトルが変化することが見出された。これはアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が変化すると、希土類元素の周りに存在するアルミニウム及びリンの状態が変化するため希土類元素の電子の状態が変化することに起因すると考えられる。そこで、上記ドーパント濃度差測定方法及びドーパント濃度差測定装置では、コア部を透過する測定光からコア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得して、当該吸収スペクトルに基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する。このため、本発明のドーパント濃度差測定方法及びドーパント濃度差測定装置によれば、推定された濃度の差を測定値として、光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定し得る。
また、前記吸収スペクトルにおけるピーク波長のシフト量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定されることが好ましい。
本発明者の鋭意検討の結果、アルミニウムが過剰に添加されると吸収スペクトルのピーク波長が長波長側にシフトし、リンが過剰に添加されると当該ピーク波長が短波長側にシフトすることが見出された。従って、このシフト量を測定することで、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定することができる。
或いは、前記吸収スペクトルにおけるピークの帯域幅の変化量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定されることが好ましい。
本発明者の鋭意検討の結果、アルミニウムが過剰に添加されると吸収スペクトルのピークを描く曲線が緩やかになり、リンが過剰に添加されると当該ピークを描く曲線が急峻になることが見出された。つまり、アルミニウムが過剰に添加されると吸収スペクトルのピークの帯域幅が大きくなり、リンが過剰に添加されると当該ピークの帯域幅が小さくなる。このピークの帯域幅は、例えば、吸収量がピークの90%とされる波長帯域の幅とされる。このピークの帯域幅の変化量は、上記のピーク波長のシフト量よりも大きい。従って、吸収スペクトルにおけるピークの帯域幅の変化量に基づくことで、より正確にアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定することができる。
また、前記測定光は前記光ファイバ用母材の一方の端面から入射されることが好ましい。
この場合、測定光は光ファイバ用母材の長手方向を伝搬して、その一部がコア部に吸収される。従って、コア部に吸収される測定光の量を多くすることができ、より明確な吸収スペクトルを取得することができ、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差をより正確に推定することができる。
或いは、前記測定光は前記光ファイバ用母材の側面から入射されることとしても良い。
測定光が光ファイバ用母材の側面から入射される、すなわち、コア部を横切るように測定光が透過するため、コア部に吸収される測定光の量を少なくすることができる。従って、パワーの小さな測定光を用いることができる。
上記のように、前記測定光が前記光ファイバ用母材の側面から入射される場合、前記測定光は前記光ファイバ用母材の長手方向に沿って移動しながら入射されることが好ましい。
この場合、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差の光ファイバ用母材の長手方向に沿った変化を測定することができる。
また、上記のように、前記測定光が前記光ファイバ用母材の側面から入射される場合、前記測定光の直径は前記コア部の直径よりも小さいことが好ましい。
この場合、測定光の直径がコア部の直径よりも大きい場合と比べて、吸収スペクトルの分解能を高くすることができる。
また、上記ドーパント濃度差測定方法において、濃度差推定ステップで推定された前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、前記希土類元素が吸収する前記測定光の吸収量に基づいて、前記コア部に添加される希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定ステップを更に備えることが好ましい。また、上記ドーパント濃度差測定装置において、濃度差推定部で推定された前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、前記希土類元素が吸収する前記測定光の吸収量に基づいて、前記コア部に添加される希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定部を更に備えることが好ましい。
一般的に、コア部で吸収される光の量によりコア部に添加される希土類元素の濃度を推定することが行われている。しかし、上記のように、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が変化すると、吸収スペクトルが変化する。このため、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が未知の状態で、コア部で吸収される光の量から希土類元素の濃度を推定しても、推定される希土類元素の濃度が不正確となる可能性が高い。しかし、上記のドーパント濃度差測定方法やドーパント濃度差測定装置によれば、コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、コア部で吸収される測定光の量とから、コア部に添加される希土類元素の濃度を推定するため、推定された濃度を測定値として、コア部に添加される希土類元素の濃度を高い精度で測定することができる。
以上のように、本発明によれば、光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定し得るドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置が提供される。
本発明の実施形態に係る光ファイバ用母材を示す断面図である。 図1の光ファイバ用母材のドーパントの濃度差を測定する測定装置を示す図である。 図1の光ファイバ用母材のドーパントの濃度差を測定する測定方法の手順を示すフローチャートである。 イッテルビウムの吸収スペクトルを示す図である。 図4に示す吸収スペクトルにおける波長975nm付近でのピークを拡大する図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長975nm近傍におけるピーク波長との関係を示す図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長915nm近傍におけるピークの帯域幅との関係を示す図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が−0.75から−0.25重量%の場合において、単位体積あたりのイッテルビウムのイオン数と波長915nm近傍におけるピークの値との関係とを示す図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が−0.25から0.25重量%の場合において、単位体積あたりのイッテルビウムのイオン数と波長915nm近傍におけるピークの値との関係とを示す図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が0.25から0.75重量%の場合において、単位体積あたりのイッテルビウムのイオン数と波長915nm近傍におけるピークの値との関係とを示す図である。 アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が0.75から1.25重量%の場合において、単位体積あたりのイッテルビウムのイオン数と波長915nm近傍におけるピークの値との関係とを示す図である。
以下、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法、及び、これを用いた光ファイバの製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光ファイバ用母材を示す断面図である。図1に示すように本実施形態の光ファイバ用母材1は、コア部11と、コア部11の外周面を隙間なく囲むクラッド部12とを備える。この光ファイバ用母材1が線引きされることで、コア部11は光ファイバのコアとされ、クラッド部12は光ファイバのクラッドとされる。製造される光ファイバがダブルクラッドファイバである場合には、クラッドの外周面を隙間なく囲む外部クラッドが形成され、必要に応じて、外部クラッドの外周面を隙間なく囲む被覆層が形成される。また、製造される光ファイバがシングルクラッドファイバである場合には、必要に応じて、クラッドの外周面を隙間なく囲む被覆層が形成される。
光ファイバ用母材1のコア部11は、希土類元素としてイッテルビウム(Yb)、アルミニウム(Al)、リン(P)が添加された石英から成り、必要に応じて屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等の元素が添加されている。なお、本実施形態とは異なるが、増幅する光の波長に合わせて、希土類元素としてイッテルビウム以外が添加されても良い。この様な希土類元素としては、ツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)等が挙げられる。また、光ファイバ用母材1のクラッド部12を構成する材料としては、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英が挙げられる。なお、クラッド部12には例えばフッ素等の屈折率を低下させる元素が添加されても良く、コア部11の屈折率よりも大きくならない範囲でゲルマニウムや塩素(Cl)等の屈折率を上昇させる元素が添加されても良い。
次に、光ファイバ用母材1のコア部11に添加されるドーパントの濃度差測定装置について説明する。具体的には、コア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度の差を測定する測定装置について説明する。
図2は、ドーパント濃度差測定装置に光ファイバ用母材1がセットされた図である。図2に示すように、ドーパント濃度差測定装置は、照射部21と、照射側レンズ22と、NDフィルタ23と、セル24と、受光側レンズ25と、分光器26と、計算部30と、メモリ35とを主な構成として備える。
照射部21は、光ファイバ用母材1のコア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の少なくとも一部を含む測定光Lを出射する。本実施形態のようにコア部11にイッテルビウムが添加される場合、照射部21は、例えば、850nmから1100nmの波長帯域を含む白色の測定光Lを出射する。このような照射部21としては、例えば、ハロゲンランプ、スーパールミネッセントダイオード、スーパーコンティニュアム光源等を挙げることができる。
照射側レンズ22は、照射部21から出射する測定光Lをコリメートするコリメートレンズとされる。照射側レンズ22は、本実施形態のようにコア部11にイッテルビウムが添加される場合、少なくとも上記波長帯域において色収差が低減されたレンズであることが好ましく、このようなレンズとしては、例えば、アクロマートレンズを挙げることができる。
NDフィルタ23は、入射する測定光Lの各波長で同様にパワーを下げるフィルタであり、本実施形態のようにコア部11にイッテルビウムが添加される場合、例えば、少なくとも上記波長帯域において機能するフィルタとされる。なお、照射部21から適切なパワーの光が出射する場合、NDフィルタ23が無くても良い。
セル24は、筐体24bと互いに対向する一対のウィンドウ24wを備え、当該筐体24bに光ファイバ用母材1が挿通される。なお、図2においては、一方のウィンドウ24wのみが記載されている。この状態で上記一対のウィンドウ24wは、光ファイバ用母材1の側面を挟むように位置する。これらウィンドウ24wは、クラッド部12の屈折率と同様の屈折率を有するガラスから成ることが好ましい。また、本実施形態では、筐体24b内は概ねクラッド部12の屈折率と同様の屈折率を有する不図示の媒質で満たされている。
受光側レンズ25は、セル24から出射する光を集光する集光レンズとされる。受光側レンズ25においても、本実施形態のようにコア部11にイッテルビウムが添加される場合、少なくとも上記波長帯域において色収差が低減されたレンズであることが好ましく、このようなレンズとして照射側レンズ22と同様のレンズを挙げることができる。
分光器26は、受光する光における波長ごと光のパワーにかかる情報を含む電気信号を出力する。本実施形態のようにコア部11にイッテルビウムが添加される場合、例えば、少なくとも上記波長帯域において分解能を有する。分光器26の分解能は0.25nm以下であることが好ましく、0.1nm以下であることがより好ましい。
計算部30には、分光器26からの電気信号が入力する。計算部30は、取得部31と、濃度差推定部32と、希土類元素濃度推定部33とを有し、メモリ35と電気的に接続されている。このような計算部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)から構成される。
取得部31は、コア部11を透過する測定光Lのスペクトルに基づいて、コア部11に吸収される光の吸収スペクトルを取得する。なお、説明を簡便にするため、以降、コア部11を透過する測定光Lを透過光と呼ぶ場合がある。本実施形態では、予めコア部にイッテルビウムが添加されていないこと以外は光ファイバ用母材1と同じ構成の標準母材をドーパント濃度差測定装置にセットして、照射部21から光を出射して、分光器26から出力される光の波長ごとのパワーにかかる情報がメモリ35に記憶されている。そこで、取得部31は、このメモリ35に記憶されている情報と、光ファイバ用母材1の計測時に分光器26から出力される光の波長ごとのパワーにかかる情報とを比較して、コア部11に添加されるイッテルビウムに吸収される光の吸収スペクトルにかかる信号を出力する。
濃度差推定部32は、取得部31で取得された吸収スペクトルに基づいてコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定し、推定した濃度とリンの濃度との差にかかる電気信号を出力する。具体的には、メモリ35に記憶された情報と取得部31で取得された吸収スペクトルにかかる情報とを比較して、その比較結果からアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する。この濃度差の推定の手順の詳細については後述する。
希土類元素濃度推定部33は、濃度差推定部32で推定されたコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、上記波長帯域の少なくとも一部における希土類元素が吸収する測定光Lの吸収量に基づいて、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定し、推定した希土類元素の濃度にかかる電気信号を出力する。この濃度の推定の手順の詳細については後述する。
次に、光ファイバ用母材1のコア部11に添加されるドーパントの濃度差測定方法について説明する。
図3は、図1の光ファイバ用母材のドーパントの濃度差を測定する測定方法の手順を示すフローチャートである。図3に示すように本実施形態のドーパント濃度差測定方法は、照射ステップS1と、取得ステップS2と、濃度差推定ステップS3と、希土類元素濃度推定ステップS4とを備える。
<照射ステップS1>
本ステップは、光ファイバ用母材1のコア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光Lをコア部11に照射するステップである。なお、測定光Lは、希土類元素が吸収する波長帯域の光であれば、希土類元素が吸収し得る光の全ての波長帯域のうち一部の波長帯域の光でも良く、希土類元素が吸収し得る光の全ての波長帯域を含む光でも良い。本ステップでは、照射部21から測定光Lを出射する。上記のように本実施形態では、コア部11にイッテルビウムが添加されるので、照射部21は、例えば、850nmから1100nmの波長帯域を含む測定光Lを出射する。出射する測定光Lは、照射側レンズ22でコリメートされて、NDフィルタ23で所定のパワーとされて、セル24にウィンドウ24wから入射する。このとき、セル24に入射する測定光Lの直径はコア部11の直径よりも小さいことが好ましい。セル24内にて測定光Lが光ファイバ用母材1に入射し、当該測定光Lは、コア部11を透過して、透過光として光ファイバ用母材1から出射する。このとき、測定光Lの一部はコア部11に添加されているイッテルビウムに吸収される。従って、光ファイバ用母材1から出射する透過光の波長スペクトルは、コア部11に入射する前の波長スペクトルと異なる。光ファイバ用母材1から出射する透過光は、セル24から出射する。セル24から出射した透過光は、受光側レンズ25で集光されて、分光器26に入射する。
<取得ステップS2>
本ステップは、コア部11を透過する測定光Lある透過光のスペクトルに基づいて、コア部11に吸収される光の吸収スペクトルを取得するステップである。透過光が分光器26に入射すると分光器26は、透過光のそれぞれの波長における光のパワーにかかる情報を含む電気信号を出力する。出力された電気信号は、計算部30に入力する。当該電気信号が計算部30に入力すると、取得部31では、透過光のスペクトルにかかる情報に基づいてコア部11に吸収される光の吸収スペクトルにかかる情報を計算する。本実施形態では、上記のように、標準母材をセットした場合の透過光のスペクトルにかかる情報がメモリ35に記憶されており、取得部31は、メモリ35に記憶された情報と分光器26から入力する情報とを比較して、コア部11における吸収スペクトルにかかる情報を計算する。具体的には、取得部31は、メモリ35に記憶された標準母材をセットした場合の透過光のパワーと、光ファイバ用母材1の測定時における分光器26から入力する透過光のパワーとの差分を波長ごとに計算する。こうして、コア部11に吸収される光の吸収スペクトルが取得部31により取得される。
<濃度差推定ステップS3>
本ステップは、吸収スペクトルに基づいてコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定するステップである。本ステップについて詳細に説明する。図4は、イッテルビウムの吸収スペクトルを示す図である。図4において、横軸は波長を示しており、縦軸はイッテルビウムの光の吸収量を波長915nm近傍におけるピーク値を基準に規格化して示すものである。また、図4において、実線はアルミニウムとリンとの添加量が同じ濃度の場合におけるイッテルビウムの光の吸収スペクトルを示しており、破線はアルミニウムの濃度がリンの濃度よりも高い場合におけるイッテルビウムの光の吸収スペクトルを示し、点線はリンの濃度がアルミニウムの濃度よりも高い場合におけるイッテルビウムの光の吸収スペクトルを示す。
まず、第1の濃度差推定方法について説明する。図5は、図4に示す吸収スペクトルにおける波長975nm付近でのピークを拡大する図である。図5に示すように、アルミニウムとリンとの添加量が同じ濃度の場合におけるイッテルビウムの光の吸収スペクトルのピーク波長を基準とする場合において、アルミニウムの濃度がリンの濃度よりも高い場合にピーク波長は長波長側にシフトし、リンの濃度がアルミニウムの濃度よりも高い場合にピーク波長は短波長側にシフトする。本実施形態では、リンの濃度からアルミニウムの濃度を引いた差分が、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差とされる。従って、アルミニウムとリンとが同じ濃度の場合を基準として、リンの濃度がアルミニウムの濃度よりも高い場合における濃度の差がプラスであり、アルミニウムの濃度がリンの濃度よりも高い場合における濃度の差がマイナスとされる。図6は、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長975nm近傍におけるピーク波長との関係を示す図である。図6において、横軸は、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差を示し、リンの濃度からアルミニウムの濃度を引いた差分とされる。また、図6では、縦軸は、波長975nm近傍におけるピーク波長を示す。本実施形態では、ピーク波長が長波長側にシフトする場合におけるシフト量がプラスであり、ピーク波長が短波長側にシフトする場合におけるシフト量がマイナスとされる。図6では、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長975nm近傍におけるピーク波長との関係が、実測によりプロットされている。このプロットから実線で示す検量線が得られる。例えば、アルミニウムとリンとの添加量が同じ濃度の場合における波長975.6nmにおけるピークを基準とする場合、ピーク波長のシフト量が+0.4nmである場合には濃度差が−1.0wt%であり、ピーク波長のシフト量が−0.4nmである場合には濃度差が+1.0wt%となる。そこで、本推定方法が用いられる場合には、メモリ35には、この検量線に基づくテーブルが記憶されている。つまり、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差とピーク波長のシフト量との関係を示すテーブル、及び、アルミニウムの濃度とリンの濃度が同じ場合における基準ピーク波長にかかる情報が記憶されている。例えば、テーブルには、シフト量が0.1nm毎に、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が記憶されている。
本濃度差推定方法では、取得部31が吸収スペクトルにかかる情報を出力すると、当該情報に基づいて、濃度差推定部32は、取得部31から出力される情報に含まれるピーク波長からメモリ35が記憶している上記基準ピーク波長を引いた差分を計算する。この取得部31から出力される情報に含まれるピーク波長は、基準ピーク波長の近傍におけるピーク波長である。従って、図5の例では、基準ピーク波長が975.6nmとされ、取得部31から出力される情報に含まれるピーク波長が975nm近傍におけるピークの波長とされる。濃度差推定部32は、その差分の結果と、メモリ35が記憶しているテーブルのシフト量とを比較し、差分の結果に最も近いシフト量に対応する濃度差を選定する。この選定された濃度差がコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差となる。こうして、コア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定され、この差がドーパント濃度差の測定結果とされる。推定された濃度差にかかる情報は濃度差推定部32から出力される。なお、本例では、波長975nm近傍におけるピークを用いたが、波長915nm近傍等の他の波長におけるピークを用いても良い。
次に、第2の濃度差推定方法について説明する。図7は、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長915nm近傍におけるピークの帯域幅との関係を示す図である。図7において、横軸は、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差を示し、第1の推定方法と同様にして、リンの濃度からアルミニウムの濃度を引いた差分とされる。また、図7では、縦軸は、波長915nm近傍におけるピークの帯域幅を示し、具体的には、波長915nm近傍におけるピーク値の90%の吸収量となる吸収スペクトルの帯域幅である。上記のように図4に示す吸収スペクトルはイッテルビウムの光の吸収量を波長915nm近傍におけるピーク値を基準に規格化したものであるため、図7の縦軸は図4において波長915nm近傍で吸収量が0.9となるピークの帯域幅である。図7では、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、波長915nm近傍におけるピークの帯域幅との関係が、実測によりプロットされている。このプロットから実線で示す検量線が得られる。従って、本濃度差推定方法を用いる場合、メモリ35には、この検量線に基づくテーブルが記憶されている。例えば、テーブルには、ピークの帯域幅が0.1nm毎に、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が記憶されている。
本濃度差推定方法では、取得部31が吸収スペクトルにかかる情報を出力すると、濃度差推定部32は、波長915nm近傍におけるピーク値を基準にして、吸収量が0.9となるピークの帯域幅を計算する。そして、濃度差推定部32は、メモリ35に記憶されているテーブルのピークの帯域幅と、計算で得られたピークの帯域幅とを比較し、メモリ35に記憶されているテーブルのうち計算で得られたピークの帯域幅に最も近いピークの帯域幅に対応する濃度差を選定する。この選定された濃度差がコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差となる。こうして、コア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定され、この差がドーパント濃度差の測定結果とされる。推定された濃度差にかかる情報は濃度差推定部32から出力される。なお、本例では、波長915nm近傍におけるピーク値の90%の吸収量となる吸収スペクトルの帯域幅を用いたが、ピークの半値幅を当該帯域幅としても良く、波長975nm近傍等の他の波長におけるピークの帯域幅を用いても良い。
<希土類元素濃度推定ステップS4>
本ステップは、濃度差推定ステップS3で推定されたコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、希土類元素が吸収する測定光Lの吸収量に基づいて、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定するステップである。希土類元素濃度推定部33は、取得部31が取得する吸収スペクトルから所定の波長における測定光Lの吸収量を抽出する。本実施形態では、波長915nm近傍にける吸収スペクトルのピークにおける吸収量を抽出する。そして、濃度差推定部32から出力される濃度差にかかる情報と、上記吸収量にかかる情報とに基づいて、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定する。以下、具体的に説明する。
図8から図11は、単位体積当たりのイッテルビウムのイオンの数と、波長915nm近傍における測定光Lの吸収量の最大値との関係を示す図である。具体的には、図8は、リンの濃度からアルミニウムの濃度を引いた差分が−0.75wt%以上で−0.25wt%より小さな場合の上記関係を示し、図9は、当該差分が−0.25wt%以上で0.25wt%より小さな場合の上記関係を示し、図10は、当該差分が0.25wt%以上で0.75wt%より小さな場合の上記関係を示し、図11は、当該差分が0.75wt%以上で1.25wt%より小さな場合の上記関係を示す。
図8から図11では、上記関係が実測によりプロットされている。このプロットから実線で示す検量線が得られる。ここで、アルミニウムの濃度とリンの濃度が同じ場合を含んでいる図9に示す検量線を基準とする。従って、この場合、メモリ35には、図9に示す検量線に基づくテーブルが記憶されている。このように図9に示す検量線を基準とすると、図8に示す検量線は図9に示す検量線よりも概ね30dB大きく、図10に示す検量線は図9に示す検量線よりも概ね30dB小さく、図11に示す検量線は図9に示す検量線よりも概ね60dB小さい。そこで、希土類元素濃度推定部33は、取得部31で取得された吸収スペクトルから波長915nm近傍でのピークにおける吸収量を抽出した後、濃度差推定部32から出力される濃度差に応じて、当該吸収量を基準となる検量線に対応させる。具体的には、濃度差が−0.75wt%以上で−0.25wt%より小さな場合は、図8の検量線を図9の検量線に対応させるため抽出した吸収量から30dB減じる計算をし、濃度差が−0.25wt%以上で0.25wt%より小さな場合は、図9に対応するため抽出した吸収量のままとし、濃度差が0.25wt%以上で0.75wt%より小さな場合は、図10の検量線を図9の検量線に対応させるため、抽出した吸収量に30dB加える計算をし、濃度差が0.75wt%以上で1.25wt%より小さな場合は、図11の検量線を図9の検量線に対応させるため、抽出した吸収量に60dB加える計算をする。このようにしてアルミニウムの濃度とリンの濃度に差がある場合であっても、濃度差が無い場合における吸収量に近づけることができる。そして、希土類元素濃度推定部33は、メモリ35に記憶されているテーブルの吸収量と、計算から得られた吸収量とを比較し、メモリ35に記憶されているテーブルのうち計算で得られた吸収量に最も近い吸収量に対応するイッテルビウムのイオン数を選定し、当該イオン数からイッテルビウムの濃度を推定する。こうして推定された濃度がイッテルビウムの濃度の測定結果とされる。このイッテルビウムの濃度にかかる情報は、希土類元素濃度推定部33から出力する。こうして、アルミニウムの濃度とリンの濃度に差がある場合であっても、イッテルビウムの濃度を測定することができる。なお、本例では、波長915nm近傍でのピークにおける吸収量を用いたが、他の波長における吸収量を用いても良い。
なお、特に図示しないが、計算部30にディスプレイ等の表示部が接続されて、濃度差推定部32で推定されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差や、希土類元素濃度推定部33で推定されたイッテルビウムの濃度が、測定結果として当該表示部で表示されても良い。
また、本実施形態では、コア部11に添加される希土類元素がイッテルビウムである場合について説明したが、希土類元素が上記したイッテルビウム以外の元素であっても良い。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバ用母材のドーパント濃度差測定方法は、光ファイバ用母材1のコア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光Lをコア部11に照射する照射ステップS1と、コア部11を透過する測定光Lのスペクトルに基づいてコア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得ステップS2と、吸収スペクトルに基づいてコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定ステップS3と、を備える。また、本実施形態のドーパント濃度差測定装置は、光ファイバ用母材1のコア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光Lをコア部11に照射する照射部21と、コア部11を透過する測定光Lのスペクトルに基づいてコア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得部31と、吸収スペクトルに基づいてコア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定部32と、を備える。
希土類元素とアルミニウムとリンとが共添加されたコア部11に光を透過させる場合に、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が変化することで、コア部11に吸収される光のスペクトルが変化する。従って、本実施形態のドーパント濃度差測定方法及びドーパント濃度差測定装置では、コア部11を透過する測定光Lからコア部11に吸収される光の吸収スペクトルを取得して、当該吸収スペクトルに基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する。このため、光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定し得る。さらに、本実施形態によれば、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差を光ファイバ用母材1を破壊することなく測定できる。
また、上記第1の推定方法のように、吸収スペクトルにおけるピーク波長のシフト量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定される場合、ピークを検出すれば良いため、簡易にアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定することができる。
或いは、上記第2の推定方法のように、吸収スペクトルにおけるピークの帯域幅の変化量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差が推定される場合、ピークの帯域幅の変化量が、上記のピーク波長のシフト量よりも大きいため、より正確にアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定することができる。
また、本実施形態では、測定光Lは光ファイバ用母材1の側面から入射され、コア部11を横切るように測定光Lが透過するため、コア部に吸収される測定光Lの量を少なくすることができる。従って、測定光Lが光ファイバ用母材1の端面からコア部11に入射される場合と比べて、照射部21から出射する測定光Lのパワーを小さくすることができる。
なお、光ファイバ用母材1とセル24とが、光ファイバ用母材1の長手方向に沿って相対的に移動して、測定光Lが光ファイバ用母材1の長手方向に沿って移動しながら入射されても良い。この場合、光ファイバ用母材1の長手方向における異なる位置で、取得ステップS2、濃度差推定ステップS3、希土類元素濃度推定ステップS4を行うことができ、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差の光ファイバ用母材1の長手方向に沿った変化を測定することができる。
また、上記のようにセル24に入射する測定光Lの直径はコア部11の直径よりも小さいことで、測定光Lの直径がコア部の直径よりも大きい場合と比べて、吸収スペクトルの分解能を高くすることができる。
また、本実施形態のドーパント濃度差測定方法は、濃度差推定ステップS3で推定されたコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、希土類元素が吸収する測定光Lの吸収量に基づいて、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定ステップS4を備える。また、本実施形態のドーパント濃度差測定装置は、濃度差推定部32で推定されたコア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、希土類元素が吸収する測定光Lの吸収量に基づいて、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定部33を備える。上記のように、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が変化すると吸収スペクトルが変化し、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差が未知の状態で、コア部11で吸収される光の量から希土類元素の濃度を推定しても、推定される希土類元素の濃度が不正確となる可能性が高い。しかし、上記のドーパント濃度差測定方法が希土類元素濃度推定ステップS4を備え、ドーパント濃度差測定装置が希土類元素濃度推定部33を備え、コア部11に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、コア部11で吸収される測定光Lの量とから、コア部11に添加される希土類元素の濃度を推定するため、コア部11に添加される希土類元素の濃度を高い精度で推定することができる。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、コア部11に添加される希土類元素の濃度を測定する必要が無い場合には、ドーパント濃度差測定方法において希土類元素濃度推定ステップS4が不要とされ、ドーパント濃度差測定装置において希土類元素濃度推定部33が不要とされる。
また、上記実施形態では測定光Lは光ファイバ用母材1の側面から入射されたが、測定光は光ファイバ用母材1の一方の端面からコア部11に入射されても良い。この場合、測定光は光ファイバ用母材1の長手方向を伝搬して、その一部がコア部11に吸収される。従って、コア部11に吸収される測定光の量を多くすることができ、より明確な吸収スペクトルを取得することができ、アルミニウムの濃度とリンの濃度との差をより正確に推定することができる。
また、上記実施形態では、標準母材をセットした場合の透過光のスペクトルにかかる情報がメモリ35に記憶されており、取得部31は、メモリ35に記憶された情報と分光器26から入力する情報とを比較して、コア部11における吸収スペクトルにかかる情報を計算するものとした。しかし、例えば、照射部21が、コア部11に添加される希土類元素が吸収する波長帯域において一定のパワーの測定光を出射し、取得部31が、それぞれの波長において、分光器26が受光する光のパワーが大きいことを示す電気信号ほどコア部11における光の吸収量が小さく、分光器26が受光する光のパワーが小さいことを示す電気信号ほどコア部11における光の吸収量が大きいこととして、吸収スペクトルを取得しても良い。
また、上記実施形態では、アルミニウム及びリンの濃度をそれぞれ重量パーセントで示したが、本発明はこれに限らず、例えば、モルパーセントでも良い。
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバ用母材のコア部に添加されたアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を測定し得るドーパント濃度差測定方法、及び、ドーパント濃度差測定装置が提供され、光ファイバの製造等の分野において利用することができる。
1・・・光ファイバ用母材
11・・・コア部
12・・・クラッド部
21・・・照射部
24・・・セル
26・・・分光器
30・・・計算部
31・・・取得部
32・・・濃度差推定部
33・・・希土類元素濃度推定部
35・・・メモリ
S1・・・照射ステップ
S2・・・取得ステップ
S3・・・濃度差推定ステップ
S4・・・希土類元素濃度推定ステップ

Claims (16)

  1. 光ファイバ用母材のコア部に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光を前記コア部に照射する照射ステップと、
    前記コア部を透過する前記測定光のスペクトルに基づいて前記コア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得ステップと、
    前記吸収スペクトルに基づいて前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定ステップと、
    を備える
    ことを特徴とするドーパント濃度差測定方法。
  2. 前記濃度差推定ステップにおいて、前記吸収スペクトルにおけるピーク波長のシフト量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のドーパント濃度差測定方法。
  3. 前記濃度差推定ステップにおいて、前記吸収スペクトルにおけるピークの帯域幅の変化量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のドーパント濃度差測定方法。
  4. 照射ステップにおいて、前記測定光は前記光ファイバ用母材の一方の端面から入射される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定方法。
  5. 照射ステップにおいて、前記測定光は前記光ファイバ用母材の側面から入射される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定方法。
  6. 照射ステップにおいて、前記測定光は前記光ファイバ用母材の長手方向に沿って移動しながら入射される
    ことを特徴とする請求項5に記載のドーパント濃度差測定方法。
  7. 前記測定光の直径は前記コア部の直径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のドーパント濃度差測定方法。
  8. 前記濃度差推定ステップで推定された前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、前記希土類元素が吸収する前記測定光の吸収量に基づいて、前記コア部に添加される前記希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定ステップを更に備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定方法。
  9. 光ファイバ用母材のコア部に添加される希土類元素が吸収する波長帯域の測定光を前記コア部に照射する照射部と、
    前記コア部を透過する前記測定光のスペクトルに基づいて前記コア部に吸収される光の吸収スペクトルを取得する取得部と、
    前記吸収スペクトルに基づいて前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する濃度差推定部と、
    を備える
    ことを特徴とするドーパント濃度差測定装置。
  10. 前記濃度差推定部は、前記吸収スペクトルにおけるピーク波長のシフト量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する
    ことを特徴とする請求項9に記載のドーパント濃度差測定装置。
  11. 前記濃度差推定部は、前記吸収スペクトルにおけるピークの帯域幅の変化量に基づいてアルミニウムの濃度とリンの濃度との差を推定する
    ことを特徴とする請求項9に記載のドーパント濃度差測定装置。
  12. 前記照射部は、前記測定光を前記光ファイバ用母材の一方の端面から入射する
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定装置。
  13. 前記照射部は、前記測定光を前記光ファイバ用母材の側面から入射する
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定装置。
  14. 前記照射部は、前記測定光を前記光ファイバ用母材の長手方向に沿って移動しながら入射する
    ことを特徴とする請求項13に記載のドーパント濃度差測定装置。
  15. 前記測定光の直径は前記コア部の直径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項13または14に記載のドーパント濃度差測定装置。
  16. 前記濃度差推定部で推定された前記コア部に添加されるアルミニウムの濃度とリンの濃度との差と、前記希土類元素が吸収する前記測定光の吸収量に基づいて、前記コア部に添加される前記希土類元素の濃度を推定する希土類元素濃度推定部を更に備える
    ことを特徴とする請求項9から15のいずれか1項に記載のドーパント濃度差測定装置。

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