JP2018179425A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で凝縮器の腐食を抑制することができ、安価で耐食性に優れた吸収式冷凍機を提供する。【解決手段】蒸発器2と、吸収器3と、再生器4と、凝縮器5と、吸収液ポンプ18と、を備え、冷媒が水系であり、吸収液がリチウム化合物を第一成分とする系を作動媒体とする吸収式冷凍機1において、冷媒には、水との間で共沸現象を示し腐食性を有する有機物と、腐食抑制剤とが添加され、蒸発器2内の腐食抑制剤を含む冷媒の一部を、凝縮器5に供給する、蒸発器2と凝縮器5とを接続する冷媒配管13と、冷媒配管13に設けられ冷媒を蒸発器2から凝縮器5に導く冷媒ポンプ17を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、凝縮器の腐食を抑制する吸収式冷凍機に関する。
従来の吸収式冷凍機では、腐食による水素ガスの発生を水素ガス検出手段により検出し、当該検出に基づいて制御手段により腐食抑制剤を補充タンクから系内に補充している(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1の吸収式冷凍機の構成では、凝縮器内の混合冷媒は、常に蒸発器に送られ、再生器から送られてくる蒸気には腐食抑制剤が含まれない腐食性の高い混合冷媒であるために、常に凝縮器内に腐食抑制剤が補充されることになる。このため、冷媒液量が増加し続けることになる。このために液面検知器の設置や冷媒を取り除くためのラインの設置とその液面制御等が必要になり、装置が煩雑になる。
そこで、本発明は、簡易な構成で凝縮器の腐食を抑制することができ、安価で耐食性に優れた吸収式冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係る吸収式冷凍機は、蒸発器と、吸収器と、再生器と、凝縮器と、吸収液ポンプと、を備え、冷媒が水系であり、吸収液がリチウム化合物を第一成分とする系を作動媒体とする吸収式冷凍機において、前記冷媒には、水との間で共沸現象を示し腐食性を有する有機物と、腐食抑制剤とが添加され、前記蒸発器内の前記腐食抑制剤を含む前記冷媒の一部を、前記凝縮器に供給する冷媒供給手段を備える。
本発明によれば、簡易な構成で凝縮器の腐食を抑制することができ、安価で耐食性に優れた吸収式冷凍機を提供することができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る吸収式冷凍機1について図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る吸収式冷凍機1のサイクル系統図を示している。
図1に示すように、吸収式冷凍機1は、蒸発器2、吸収器3、再生器4、凝縮器5および溶液熱交換器6を備える。蒸発器2、吸収器3および凝縮器5は数mmHg程度の真空に保たれている。
蒸発器2内の冷媒には、0℃以下の冷熱を発生させるために、水−1,4−ジオキサンの混合冷媒Aが使用されており、水のモル分率は封入時で0.85である。この混合冷媒Aには、水−1,4−ジオキサンの混合冷媒の高い腐食性を緩和するために、不揮発性の腐食抑制剤(インヒビタ)として0.3%LiOHが添加されている。吸収機3の吸収液としては、水蒸気圧が極めて小さい濃厚LiBr溶液を使用している。吸収液には、腐食抑制剤(インヒビタ)として、水酸化リチウムおよびモリブデン酸リチウムが添加されている。このように、本実施形態では、冷媒が水系であり、吸収液がリチウム化合物を第一成分とする系を作動媒体として使用し、有機物である1,4−ジオキサンは水との間で共沸現象を示す。
蒸発器2、吸収器3、再生器4、および凝縮器5を構成する筐体(構造材)は炭素鋼または銅合金により構成される。蒸発器2、吸収器3、再生器4、および凝縮器5には、それぞれ散布手段2A、3A、4A、5Aが設けられている。
また、吸収式冷凍機1は、冷水配管10と、冷却水配管11と、熱源温水配管12と、冷媒配管13、14と、吸収液配管15、16とを備える。
冷水が流れる冷水配管10が蒸発器2内を通過しており、当該冷却配管10は、蒸発器2内において熱交換器として機能する。冷却水が流れる冷却水配管11が吸収器3および凝縮器5を通過しており、当該冷却水配管11は、吸収器3および凝縮器5においてそれぞれ熱交換器として機能する。熱源温水が流れる熱源温水配管12は、再生器4内を通過しており、再生器4内において熱交換器として機能する。
冷媒配管13は、蒸発器2の底部に接続され、蒸発器2の底部から蒸発器2の上部まで延び蒸発器2内に混合冷媒を散布するための第1配管13Aと、第1配管13Aから分岐して凝縮器5へ延び凝縮器5内に混合冷媒を散布するための第2配管13Bとを備える。また、冷媒配管14は、凝縮器5の底部に接続され、蒸発器2まで延びている。吸収液配管15は、吸収器3の底部から再生器4の上部まで延びている。吸収液配管16は、再生器4の底部に接続され、吸収器3まで延びている。
また、冷媒配管13には、蒸発器2の底部に滞留する混合溶媒Aを凝縮器5に導く冷媒ポンプ17が設けられている。吸収液配管15には、吸収器3の底部に滞留する吸収液を再生器4に導く吸収液ポンプ18が設けられている。冷媒配管13および冷媒ポンプ17により、冷媒供給手段が構成される。
低温媒体の供給時には、冷媒配管13を介して凝縮器5で生成した混合冷媒Dを、および、冷媒ポンプ17により蒸発器2内の底に滞留する混合冷媒Aを、蒸発器2の上部に導き、散布手段2Aにより蒸発器2上部から散布し、蒸発器2内に設置した冷水配管10の外面で混合冷媒の一部を真空蒸発させる。その気化熱により冷水配管内の冷媒(冷水)を冷却し低温媒体を得る。なお、腐食抑制剤は不揮発性であるため蒸発せず、蒸発器2内に留まる。
しかし、真空蒸発を継続すると発生する混合冷媒蒸気により、蒸発器2内の真空度が低下し冷却効率が低下する。そこで、真空蒸発を効率良く継続させるために、蒸発器2で発生する混合冷媒蒸気を取り除き、真空を維持する必要が生じる。このために、蒸発器2で発生した混合冷媒蒸気は、吸収器3で吸収液(濃厚LiBr溶液)に吸収させている。
吸収器3では、再生器4で濃縮された吸収液が、散布手段3Aから冷却水配管11に散布される。散布された吸収液は、蒸発器2からの混合冷媒蒸気を吸収し濃度が薄くなった後、吸収器3の底部に吸収液Bとして滞留し、吸収液ポンプ18により吸収液配管15に導かれ、溶液熱交換器6で加熱され、再生器4に導かれる。
再生器4では、吸収器9で濃度の薄くなった吸収液が、散布手段4Aから熱源温水配管12に散布される。散布された吸収液は、熱源温水配管12内を流れる熱源媒体で加熱され、濃縮した吸収液と混合冷媒蒸気に分離される。濃縮した吸収液は、再生器4の底部に吸収液Cとして滞留する。混合冷媒蒸気は、再生器4から凝縮器5へ移動する。
凝縮器5では、再生器4からの混合冷媒蒸気が、冷却水配管11を流れる冷却水により冷却され、凝縮液化する。また、散布手段5Aから、冷媒ポンプ17により、冷媒配管13の第2配管13Bを介して供給される腐食抑制剤を含む混合冷媒が散布される。凝縮液化した混合冷媒は、凝縮器5の底部に混合冷媒Dとして滞留し、冷媒配管14を介して蒸発器2に導かれる。また、暖められた冷却水は、クーリングタワー等で大気中への放熱により冷却される。
上記のように、本実施形態に係る吸収式冷凍機1によれば、冷媒供給手段である、蒸発器2と凝縮器5とを接続する冷媒配管13および冷媒配管13に設けられ混合冷媒を蒸発器2から凝縮器5に導く冷媒ポンプ17により、蒸発器2内の腐食抑制剤を含む混合冷媒Aの一部を、凝縮器5に供給する。
かかる構成により、凝縮器5内に腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布させることができるので、簡易な構成により、凝縮器5内を防食することが可能となる。その結果、安価で耐食性に優れた吸収式冷凍機1を提供することができる。
また、冷媒配管13は、蒸発器2の底部から蒸発器13の上部まで延び蒸発器13内に混合冷媒を散布するための第1配管13Aと、第1配管13Aから分岐し凝縮器5へ延び凝縮器5内に混合冷媒を散布するための第2配管13とを備える。
かかる構成により、既存の冷媒配管13の第1配管13Aに対して、第2配管13Bを追加することにより、凝縮器5に対して腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布することができるため、凝縮器5に混合冷媒を散布可能な構成にしたことによるコストの増加を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る吸収式冷凍機101について図2を参照して説明する。第1の実施形態に係る吸収式冷凍機1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分について説明を行う。
図2は、第2の実施形態に係る吸収式冷凍機101のサイクル系統図を示している。
図2に示すように、冷媒配管13の第2配管13Bは、凝縮器5の上段から混合冷媒を散布するための上段冷媒配管13Cと、凝縮器5の上段より下側の中段から混合冷媒を散布するための中段冷媒配管13Dとにより構成されている。
かかる構成により、上段冷媒配管13Cによる上段からの腐食抑制剤を含む混合冷媒の散布に加えて、中段冷媒配管13Dによる中段からの腐食抑制剤を含む混合冷媒の散布を行うことができるので、凝縮器5内にまんべんなく腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布させることができ、凝縮器5内の腐食を抑制することができる。その結果、耐食性に優れた吸収式冷凍機101を提供することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る吸収式冷凍機201について図3を参照して説明する。第1の実施形態に係る吸収式冷凍機1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分について説明を行う。
図3は、第3の実施形態に係る吸収式冷凍機201のサイクル系統図を示している。
図3に示すように、吸収式冷凍機201には、蒸発器2の底部から蒸発器2の上部へ延び、蒸発器2内に混合冷媒を散布するための、冷媒配管13とは別の冷媒配管19と、冷媒配管19に設けられ、蒸発器2の底部から上部に混合冷媒を導くための、冷媒ポンプ17とは別の冷媒ポンプ20とが設けられている。
かかる構成により、蒸発器2に混合冷媒を散布するための冷媒配管および冷媒ポンプと、凝縮器5に混合冷媒を散布するための冷媒配管および冷媒ポンプとが設けられるので、蒸発器2および凝縮器5に対する混合冷媒の吐出圧力をバルブ等を使用せず容易に独自に制御することができ、効率よく防食を行うことができる。
次に、凝縮器5内に腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する具体的な方法について図4〜図11を参照して説明する。
図4、5に基づき、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第1の方法について説明する。
図4、5は、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第1の方法の説明図であって、凝縮器5内に配置されている配管群の断面の一部を示している。
図4、5に示すように、冷却水配管11の各列の上方に、冷媒配管13が設けられている。各冷媒配管13に対し、数mmの孔が形成されており、当該孔から腐食抑制剤を含む混合冷媒が冷却水配管11に向かって矢印で示すように滴下される。当該孔は、散布手段に相当する。また、図4に示すように、凝縮器5の壁に最も近い冷媒配管13には、凝縮器5の壁に混合冷媒が向かうように、斜め方向に吐出するための孔が形成され、壁に沿って混合冷媒が流れるように構成されている。
また、図5に示すように、凝縮器5を箱型ではなく、上部に張り出す張出部5Bを設け、当該張出部5Bに冷媒配管13を通し、その孔から混合冷媒を滴下させて、壁に沿って混合冷媒が流れる構成にしてもよい。図4、5に示した方法により、効率よく防食を行うことができる。
図6〜8に基づき、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第2〜4の方法について説明する。第2〜4の方法では、散布手段としてノズルを使用して混合冷媒を液体微粒化して散布する。
図6〜8は、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第2〜4の方法の説明図である。
図6に示すように、第2の方法では、ファンスプレーノズル21により、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する。
図7(a)、(b)に示すように、第3の方法では、渦巻き噴射弁22により、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する。
図8(a)、(b)に示すように、衝突型噴射弁23を用いて、衝突型噴射弁23から吐出される混合冷媒同士を衝突させて散布し、および、衝突型噴射弁23から吐出される混合冷媒を凝縮器5の壁に衝突させて散布する。
なお、液体微粒化する方法としては一般的には、気流のエネルギーを利用する方法および液体の圧力を利用する方法がある。吸収式冷凍機は、基本的には真空系であるために気流のエネルギーによる方法は使用することはできない。そこで、本実施形態では上記のような方法で、液体の圧力を利用して混合冷媒を液体微粒化している。液体の圧力による微粒化の条件としては、通常大気への噴射の場合の圧力は、衝突型噴射弁の場合は5MPa以下、ファンンスプレーノズルの場合は0.2−1.5MPa、渦巻き噴射弁の場合は0.2−5MPaとされている。しかし、吸収式冷凍機の場合は、凝縮器5内は数mmHg程度の負圧になっているために、前記の圧力ほどは必要でなく、凝縮器内の圧力よりもやや高い圧力数十mmHgが適している。
そして、各ノズル21、22、23を冷媒配管13に接続する方法としては、図9に示すように、凝縮器5内に設けた冷媒配管13に直接ノズル21、22、23を接続させてもよいし、図10に示すように、凝縮器5の上側に冷媒配管13を配置し、ノズル21、22、23を凝縮器5の上壁の下面に取り付け、連結管24により、冷媒配管13とノズル21、22、23とを接続するようにしてもよい。
ノズルの取り付け方法としては、ネジ式とフランジ式がある。図9に示した凝縮器5の上部に蒸発器2からの冷媒配管13を使用する場合はネジ式が適しているのに対し、図10に示した凝縮器5の上壁に取り付ける場合は、フランジ式が適している。なお、スプレーパターンはスプレーノズルによりいろいろな種類(断面が点状、充円形状、楕円形状、扁平状、円環状、膜状、渦巻き状等)があるが、均一に濡らす必要性があることを考慮して、本実施形態ではスプレー断面が四角形状、楕円形状または充円形状の物を使用している。
図11に基づき、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第5の方法について説明する。第5の方法では、ミスト発生器を使用して混合冷媒を散布する。
図11は、腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布する第5の方法の説明図である。
図11に示すように、第5の方法では、凝縮器5の底部に滞留している混合冷媒Dに投入型の超音波を利用したミスト発生器25を複数設置している。図11では、凝縮器5の下部のみを示しており、上部の構造は図示していないが、図4、5と同じ構造である。腐食抑制剤を含む混合冷媒Dにミスト発生器25を設置して、腐食抑制剤を含む混合冷媒のミストMを発生させることにより、凝縮器5内に、腐食抑制剤を含む混合冷媒を充満させることができ、腐食をさらに抑制することができる。なお、超音波振動によるミスト発生方法としては、ホーン型でもよい。
本実施形態の効果を確認するために、凝縮器5の構造材である炭素鋼(SS400)および銅合金(無酸素銅)の腐食試験を実施し、腐食量を測定した。
具体的には、凝縮器5内の上部、中部および下部に、炭素鋼(SS400)および銅合金(無酸素銅)の試験片を設置し、蒸発器2からの腐食抑制剤を含む混合冷媒を散布させた場合と散布させない場合の腐食量の違いを測定した。散布方法は、図4に示す方法で実施した。腐食時間は、100hとした。腐食量測定は以下の方法による。重量は全て単位面積当たりの重量である。
炭素鋼:腐食試験後重量‐W1、腐食試験後に酸化皮膜を除去した重量‐W2
全腐食量WT=W1−W2
酸化皮膜除去方法 10%HCl+1%ヘキサメチレンテトラミン溶液 50℃ 1分浸漬
銅合金:腐食試験後重量‐W1、腐食試験後重量‐W2
全腐食量WT=W1−W2
炭素鋼:腐食試験後重量‐W1、腐食試験後に酸化皮膜を除去した重量‐W2
全腐食量WT=W1−W2
酸化皮膜除去方法 10%HCl+1%ヘキサメチレンテトラミン溶液 50℃ 1分浸漬
銅合金:腐食試験後重量‐W1、腐食試験後重量‐W2
全腐食量WT=W1−W2
試験片は、それぞれの部位に各3枚設置し、腐食量はその平均値で示した。
表1は、腐食抑制剤として、0.3%LiOH(水酸化リチウム)を添加した場合を、表2には1000ppmのLi2MoO4(モリブデン酸リチウム)を添加した場合を示す。
表1は、腐食抑制剤として、0.3%LiOH(水酸化リチウム)を添加した場合を、表2には1000ppmのLi2MoO4(モリブデン酸リチウム)を添加した場合を示す。
いずれの場合も、蒸発器2からの混合冷媒を凝縮器5内に散布した場合、散布しない場合と比較して、炭素鋼では腐食量を約1/2000〜1/10000に、銅では1/50以下に低減可能なことが確認できた。
また、腐食抑制剤としては、水酸化アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属または酸素酸塩を使用し、水酸化アルカリ金属または水酸化アルカリ土類金属と、酸素酸塩とを併用してもよい。
アルカリ金属の水酸化物としては、LiOH、NaOH、KOH、RbOH及びCsOHがあり、いずれも腐食抑制効果を示す。そのうち、LiOH、NaOH及びKOHが溶解性や腐食抑制効果の観点から好ましい。特に吸収液としてLiBrを使用することから、同じアルカリ金属であるLiの水酸化物を使用することが特に好ましい。アルカリ金属の水酸化物の濃度は、0.1M添加されていれば防食効果が得られるが、それよりも薄い0.02Mでも十分な腐食抑制効果が得られる。0.1M以上添加しても効果は得られるが、効果の向上は少ない。また、0.005M以下になると、アルカリ金属の水酸化物腐食抑制作用が小さくなるとともに、消耗することにより腐食抑制作用がなくなるおそれが生じる。これらのことから、最適濃度範囲は0.02〜0.15Mである。
また、アルカリ金属土類金属の水酸化物としては、Be(OH)2、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2及びBa(OH)2があり、いずれも腐食抑制効果を示す。そのうち、Ca(OH)2が溶解性や腐食抑制効果の観点から好ましい。アルカリ土類金属の水酸化物は、0.1Mの濃度で添加されていれば防食効果が得られるが、それよりも薄い0.02Mでも十分な腐食抑制効果が得られる。0.1M以上添加しても効果は得られるが、効果の向上は少ない。また、0.005M以下になると、アルカリ土類金属の水酸化物腐食抑制作用が小さくなるとともに、消耗することにより腐食抑制作用がなくなる恐れが生じる。これらのことから、最適濃度範囲は0.02〜0.15Mである。Ca(OH)2は、溶解度が低い(25℃で約0.02M)。そのため、飽和溶液を用いてもよい。
アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加すると、溶液のpHは上昇し、アルカリ性を呈する。しかし、同じアルカリ性を呈するNH3やNa2CO3を添加しても、腐食抑制作用は示さない。一般には、溶液をアルカリ性にすることにより、鉄鋼等の金属の表面に鉄水酸化物が生成し、腐食が抑制される。しかし、水−ジオキサン系では、アルカリでもNH3やNa2CO3を添加しても腐食抑制作用は示さない。これは、腐食抑制機構が鉄水酸化物の生成によるものでなく、1,4−ジオキサンの環構造の開環を防止する機構に基づくものであるからである。すなわち、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物には、1,4−ジオキサンの環構造の開環を防止する作用を有するが、NH3やNa2CO3にはそのような作用を有しない。
アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の水酸化物以外に、1,4−ジオキサンの環構造の開環を防止する作用を示す化学物質としては、酸素酸塩がある。
酸素酸塩としては、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、過塩素酸塩、スルホン酸塩等がある。具体的には、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、バナジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、ピロリン酸水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム等がある。上記の酸素酸塩であれば、特に限定はなく腐食抑制作用を示す。
酸素酸塩は、0.01Mの濃度で添加されていれば防食効果が得られる。それよりも薄い0.002Mでも十分な腐食抑制効果が得られるが、腐食抑制作用は濃度の低下とともに小さくなる。また、0.002M以下になると、腐食抑制作用が小さくなるとともに、消耗することにより腐食抑制作用がなくなる恐れが生じる。これらのことから、最適濃度範囲は、0.002〜0.01Mである。一般的な冷却水中において酸化剤は、金属表面に薄い不動態化皮膜を生成することにより腐食抑制作用を示す。しかし、水−ジオキサン系においては、酸化剤であっても、酸素酸塩では腐食抑制作用を示すものの、過酸化水素、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウムなどでは腐食抑制効果を示さない。これは、腐食抑制機構が酸化剤による不動態皮膜生成によるものではなく、1,4−ジオキサンの環構造の開環を防止する作用に基づくためである。
同様の理由により、一般的な冷却水中で腐食抑制作用を示す、吸着型の腐食抑制剤であるヘキサメチレンテトラミン、チオ尿素、ヘキサンチオール、ジメチルヘキサベンジルアミンなども腐食抑制作用を示さない。また、沈殿型の腐食抑制剤である8−キノリノールやオクチルプロピオン酸ナトリウムでも腐食抑制作用を示さない。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
1、101、201:吸収式冷凍機、2:蒸発器、3:吸収器、4:再生器、5:凝縮器、13、19:冷媒配管、13A:第1配管、13B:第2配管、13C:上段冷媒配管 13D:中段冷媒配管、17、20:冷媒ポンプ、18:吸収液ポンプ
Claims (8)
- 蒸発器と、吸収器と、再生器と、凝縮器と、吸収液ポンプと、を備え、冷媒が水系であり、吸収液がリチウム化合物を第一成分とする系を作動媒体とする吸収式冷凍機において、
前記冷媒には、水との間で共沸現象を示し腐食性を有する有機物と、腐食抑制剤とが添加され、
前記蒸発器内の前記腐食抑制剤を含む前記冷媒の一部を、前記凝縮器に供給する冷媒供給手段を備える、吸収式冷凍機。 - 前記冷媒供給手段は、前記蒸発器と前記凝縮器とを接続する冷媒配管と、前記冷媒配管に設けられ前記冷媒を前記蒸発器から前記凝縮器に導く冷媒ポンプにより構成される、請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記冷媒配管は、
前記蒸発器の底部から前記蒸発器の上部まで延び前記蒸発器内に前記冷媒を散布するための第1配管と、
前記第1配管から分岐して前記凝縮器へ延び前記凝縮器内に前記冷媒を散布するための第2配管と、を備える、請求項2に記載の吸収式冷凍機。 - 前記蒸発器の底部から前記蒸発器の上部へ延び、前記蒸発器内に前記冷媒を散布するための、前記冷媒配管とは別の冷媒配管と、
前記別の冷媒配管に設けられ、前記底部から前記上部に前記冷媒を導くための、前記冷媒ポンプとは別の冷媒ポンプと、を備える、請求項2に記載の吸収式冷凍機。 - 前記冷媒配管は、
前記凝縮器の上段から前記冷媒を散布するための上段冷媒配管と、
前記凝縮器の前記上段より下側の中段から前記冷媒を散布するための中段冷媒配管と、を備える、請求項2に記載の吸収式冷凍機。 - 前記有機物は、1,4−ジオキサンである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機。
- 前記腐食抑制剤は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物または酸素酸塩を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機。
- 前記酸素酸塩は、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、過塩素酸塩、またはスルホン酸塩である、請求項7に記載の吸収式冷凍機。
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ID=64275028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017080908A Pending JP2018179425A (ja) | 2017-04-14 | 2017-04-14 | 吸収式冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018179425A (ja) |
-
2017
- 2017-04-14 JP JP2017080908A patent/JP2018179425A/ja active Pending
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