JP2018179367A - 熱交換器および車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のチューブに対する流体の分配性を向上可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】蒸発器1は、複数のチューブ11と、第1タンク部31と、第2タンク部とを有する。複数のチューブ11は、所定の並び方向に並んで配置されている。第1タンク部31は、複数のチューブ11の一端に連通する。第2タンク部は、複数のチューブ11の他端に連通する。第1タンク部31および第2タンク部は並び方向に延びる細長状の外形である。第1タンク部31は、流入部31cとパイプ部31aとを有する。流入部31cは、第1タンク部31に対して冷媒を導入する。パイプ部31aは、第1タンク部31の内部において流入部31cと連通して並び方向に延びるように設けられている。パイプ部31aには、流入部31cからパイプ部31aの内部に流入した冷媒が第1タンク部31の内部に流出する際に通過する複数の連通穴31bが形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】蒸発器1は、複数のチューブ11と、第1タンク部31と、第2タンク部とを有する。複数のチューブ11は、所定の並び方向に並んで配置されている。第1タンク部31は、複数のチューブ11の一端に連通する。第2タンク部は、複数のチューブ11の他端に連通する。第1タンク部31および第2タンク部は並び方向に延びる細長状の外形である。第1タンク部31は、流入部31cとパイプ部31aとを有する。流入部31cは、第1タンク部31に対して冷媒を導入する。パイプ部31aは、第1タンク部31の内部において流入部31cと連通して並び方向に延びるように設けられている。パイプ部31aには、流入部31cからパイプ部31aの内部に流入した冷媒が第1タンク部31の内部に流出する際に通過する複数の連通穴31bが形成されている。
【選択図】図4
Description
この明細書における開示は、熱交換器および熱交換器を蒸発器として有する車両用空調装置に関する。
特許文献1には、冷媒が内部を流通する冷媒蒸発器が開示されている。この冷媒蒸発器は、複数のチューブと、複数のチューブの両端部に接続される一対のタンクとを有する。冷媒の流れの上流側のタンクには、内部を長手方向に直交する方向に2つの空間に仕切る仕切部材が設けられている。仕切部材には、2つの空間を連通する連通穴が設けられている。冷媒蒸発器は、この仕切部材によって複数のチューブに対する冷媒の分配性を向上させている。
特許文献1の技術では、冷媒導入部からタンクに流入した流体は、タンクの内部において長手方向に交差する方向に拡散する。これにより、タンク内部において、冷媒導入部から長手方向に遠ざかる方向へ進む流体の慣性力が小さくなり、冷媒導入部から長手方向に遠ざかるにつれて到達する冷媒の量が小さくなる。したがって、タンクの冷媒導入部からより遠いチューブほど流入する冷媒の量が小さくなる。この点において、特許文献1の技術には複数のチューブに対する流体の分配性に向上の余地がある。
開示される目的は、複数のチューブに対する流体の分配性を向上可能な熱交換器を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された熱交換器のひとつは、所定の並び方向に並んで配置され、内部に流体が流通する複数のチューブ(11)と、並び方向に延びて複数のチューブの一端に連通し、流体を複数のチューブに対して分配する分配タンク(31)と、分配タンクに設けられ、分配タンクに対して流体を導入する流入部(31c)と、分配タンクの内部に設けられ、流入部と連通して並び方向に延びるパイプ部(31a)と、パイプ部に設けられ、パイプ部の内部から分配タンクの内部に流出する流体が通過するパイプ開口部(31b、231b、331b、431b)と、を備える。
この開示によれば、熱交換器に流入した流体は、複数のチューブの並ぶ方向に延びるパイプ部を介してタンクの内部に流出する。すなわち流体は、パイプ部の内部を流通することでタンクの長手方向に交差する方向への拡散を抑制される。これにより、流入部からパイプ部の内部に流入した流体は慣性力の低下が抑制されて流速が大きくなるため、パイプ部の内部で流入部から遠ざかるにつれて到達する流体の量が低下することを抑制できる。したがって、パイプ部の内部を流通する流体は、流入部から比較的遠い位置にも届き、パイプ開口部を通過して分配タンクの内部に流出する際の流速も大きくなる。このため、流入部からより遠いチューブに流入する流体の量が小さくなることを抑制できる。以上により、複数のチューブに対する流体の分配性を向上可能な熱交換器を提供することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態では、熱交換器を冷凍サイクル70の蒸発器1に適用した場合について、図1〜図5を参照して説明する。冷凍サイクル70は、例えば車両用空調装置100において車室内に吹き出す送風空気を冷却するための熱源として適用される。車両用空調装置100は、送風空気を蒸発器1およびヒータコア等の加熱用熱交換器によって温度調節して空調風として車室内に吹き出す。冷凍サイクル70は、冷媒を圧送する圧縮機2と、圧送された高温高圧の冷媒が流通する凝縮器3と、凝縮器3を通過した低温高圧の冷媒を減圧する減圧装置である膨張弁4と、膨張弁4を通過した低温低圧の冷媒が通過する蒸発器1とを少なくとも有する。冷凍サイクル70は、蒸発器1、圧縮機2、凝縮器3、膨張弁4が配管によって環状に接続され、冷媒が循環可能になっている。
第1実施形態では、熱交換器を冷凍サイクル70の蒸発器1に適用した場合について、図1〜図5を参照して説明する。冷凍サイクル70は、例えば車両用空調装置100において車室内に吹き出す送風空気を冷却するための熱源として適用される。車両用空調装置100は、送風空気を蒸発器1およびヒータコア等の加熱用熱交換器によって温度調節して空調風として車室内に吹き出す。冷凍サイクル70は、冷媒を圧送する圧縮機2と、圧送された高温高圧の冷媒が流通する凝縮器3と、凝縮器3を通過した低温高圧の冷媒を減圧する減圧装置である膨張弁4と、膨張弁4を通過した低温低圧の冷媒が通過する蒸発器1とを少なくとも有する。冷凍サイクル70は、蒸発器1、圧縮機2、凝縮器3、膨張弁4が配管によって環状に接続され、冷媒が循環可能になっている。
車両用空調装置100は、制御装置50を有する。制御装置50は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置50が提供する手段および/または機能は、記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置50がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
制御装置50は、例えば車両用空調装置100を制御するエアコンECU(Electronic Control Unit)によって提供される。制御装置50は、エアミックスドア8の開度、ブロワ7の送風量、圧縮機2の吐出量等を制御する。制御装置50は、複数のセンサと接続され、各センサからの検出信号を受け取ることが可能となっている。複数のセンサとは、例えば、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、吐出温度センサ、吐出圧力センサ、蒸発器の温度を検出するサーミスタ61等である。制御装置50は、これら検出信号と記憶された空調制御プログラムとを用いて各種演算、処理を行い、車室内空調に寄与する各種の空調機能部品を制御する制御信号を出力する。空調機能部品には、圧縮機2、ブロワ7、内外気切替ドア6、エアミックスドア8、吹出モードドア等が含まれる。
制御装置50は、圧縮機2の吐出量を制御することで蒸発器1に流入する冷媒の流量を調整する。例えば制御装置50は、サーミスタ61の温度が所定温度を上回るか否かを判定し、上回ると判定されると、吐出量を大きくするように圧縮機2を制御する。これにより制御装置50は、蒸発器1に流入する冷媒の流量を大きくし、蒸発器1の温度を低下させる。制御装置50は、圧縮機2の吐出容量を変化させる、圧縮機2の回転数を変化させる等の制御を実行することで、圧縮機2の吐出量を調整する。
蒸発器1は、車両用空調装置100の空調ケース80の内部に設けられる。蒸発器1は、ブロワ7によって送風された送風空気と内部を流通する冷媒との間の熱交換を提供する熱交換器である。換言すれば、蒸発器1は、送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。蒸発器1は、タンクから冷媒を複数のチューブに対して分配して流通させる所謂パラレルフロー型の熱交換器である。
一般的に蒸発器は、タンクから各チューブに分配される冷媒の量が均一に近いことが望ましい。換言すれば、コア部の温度分布が均一に近いことが望ましい。各チューブに分配される冷媒の量のばらつきが大きいと、コア部の温度分布がより不均一となる。例えば、冷凍サイクルを流れる冷媒の量が比較的小さい低流量時を考えると、冷媒の流速が小さくなる。この点で、タンクに流入する冷媒は、重力の影響を受けやすくなる。したがって、タンクの流入部に近いチューブと流入部から遠いチューブとでは、流入部に近いチューブの方が冷媒の流入量が大きくなる。
また、低流量時には、タンクに流入した冷媒はタンクの流入部から遠い側の端部に到達するまでに揮発してしまう。これにより、タンクにおける流入部から遠い側の端部へと向かう冷媒の慣性力が小さくなり、流入部からより遠いチューブに到達する冷媒の量が小さくなる。この点でも、タンクの流入部に近いチューブと流入部から遠いチューブとでは、流入部に近いチューブの方が冷媒の流入量が大きくなる。この場合、コア部の幅方向において流入部に近い部分よりも流入部から遠い部分の温度が相対的に高い状態となる。すなわち、コア部の温度分布が不均一となる。コア部の温度分布が不均一であると、以下のような問題が発生する。
すなわち、蒸発器に流入する冷媒の流量は、コア部の所定の位置に設けられたサーミスタが検出する温度が目標温度まで低下するように調整される。このとき、コア部の温度分布が不均一であると、サーミスタが設けられた部分よりも流入部に近いコア部の部分の温度が過度に低下する。これにより、過度に温度が低下したコア部の部分にフロストが発生してしまう。蒸発器にフロストが発生すると、車両用空調装置の冷房能力が低下する等の問題が発生する。第1実施形態の蒸発器1は、流入部からより遠いチューブまでコア部の温度分布を均一に近づける構成を提供する。以下に蒸発器1の各構成要素について説明する。
蒸発器1は、第1コア部10と第2コア部20の2つのコア部を有する熱交換器である。第1コア部10と第2コア部20は、送風空気の風流れ方向に並んで構成されている。蒸発器1は、第1コア部10の上端に接続された第1タンク部31と下端に接続された第2タンク部32とを有する。蒸発器1は、第2コア部20の上端に接続された第4タンク部34と下端に接続された第3タンク部33とを有する。蒸発器1は、第2タンク部32および第3タンク部33と連通する中間タンク部40を有する。
なお図2においては、第1タンク部31、第1コア部10、第2タンク部32は、それぞれ第4タンク部34、第2コア部20、第3タンク部33の紙面奥側に位置している。蒸発器1は、第2コア部20において冷媒の流れ方向の一端に接続された第3タンク部33と他端に接続された第4タンク部34とを有する。ここで第3タンク部33は冷媒の流れの上流側のタンク部であり、第4タンク部34は下流側のタンク部である。各タンク部の外形は細長状である。
以下において、複数のチューブ11の並び方向を蒸発器1の幅方向と表現することがある。蒸発器1において、複数のチューブ11の並び方向、蒸発器1の幅方向、各タンク部の長手方向は一致している。これらの方向は蒸発器1を通過する送風空気の風流れ方向と直交する方向である。
第1タンク部31は、複数のチューブ11の並び方向に延びる形状に形成されている。第1タンク部31は、水平方向に延びている。第1タンク部31は、複数のチューブ11と連結されている。第1タンク部31の内部は、複数のチューブ11の内部と連通している。第1タンク部31は、蒸発器1に流入した冷媒を第1コア部10の複数のチューブ11に対して分配する部分である。第1タンク部31は、特許請求の範囲における分配タンクに相当する。第1タンク部31の詳細な構成については後述する。
第1コア部10は、所定の並び方向に並ぶ複数のチューブ11と、複数のチューブ11間に設けられた複数のフィンと、幅方向の両端で第1コア部10を補強するサイドプレート13とを有する。チューブ11は、例えば蒸発器1の幅方向に扁平な筒形状に形成されている。チューブ11は例えばアルミニウムや銅、ステンレス等の金属製である。複数のチューブ11は、第1タンク部31および第2タンク部32の長手方向に一致した並び方向に略等間隔で並んでいる。複数のチューブ11の並び方向は、送風空気の流通する方向に交差する方向である。なお図2において、複数のチューブ11は第2コア部20の複数のチューブ12の紙面奥側に位置しており、図示されていない。
複数のチューブ11は、上端が第1タンク部31の下部に接続されている。複数のチューブ11は、下端が第2タンク部32の上部に接続されている。複数のチューブ11は、例えばろう付け接合によって第1タンク部31および第2タンク部32に対して固定されている。複数のチューブ11の内部には冷媒が上方から下方へと流下する。
フィンは、チューブ11と熱的に接合されて隣り合うチューブ11の間に設けられた金属製の薄板である。なお図2において、第1コア部10のフィンは第2コア部20のフィン22の紙面奥側に位置しており、図示されていない。フィンは、例えば薄板を交互に屈曲させて形成された所謂コルゲートフィンである。チューブ11およびフィンは、チューブ11を流通する冷媒と第1コア部10を通過する送風空気との間の熱交換を提供する。
第2タンク部32は、第1タンク部31と平行に延びるタンク部である。第2タンク部32の内部は、複数のチューブ11の内部と連通している。第2タンク部32は、複数のチューブ11を流通した冷媒が流入する冷媒の集合部分である。第2タンク部32は、特許請求の範囲における合流タンクに相当する。第2タンク部32の内部は中間タンク部40の内部と連通している。第2タンク部32には、第2タンク部32の内部を長手方向に半分に仕切る仕切部32cが設けられている。ここで、第2タンク部32の仕切部32cによって仕切られた空間の一方と他方のうち、図2における紙面右側の空間を右側空間32a、左側の空間を左側空間32bとする。
中間タンク部40は、第2タンク部32と第3タンク部33との間に設けられている。中間タンク部40は、例えば第1コア部10から第2コア部20へと向かう方向において、第2タンク部32と第3タンク部33の間で、第2タンク部32および第3タンク部33と部分的に重なる位置に位置している。中間タンク部40は、例えば図3に示すように上部が上下方向において第2タンク部32および第3タンク部33の下部と重なる位置で、下部が上下方向において第2タンク部32および第3タンク部33よりも下方に位置している。
図5は、中間タンク部40、第2タンク部32および第3タンク部33の連通状態を模式的に示している。中間タンク部40の内部は、第2タンク部32の内部および第3タンク部33の内部に連通している。中間タンク部40は、第2タンク部32に流入した冷媒が第3タンク部33に流入する際に通過するタンク部分である。中間タンク部40の内部は、第2タンク部32の右側空間32aと連通する第1内部空間40aと、第2タンク部32の左側空間32bと連通する第2内部空間40bとに区画されている。第1内部空間40aは、第2タンク部32の右側空間32aおよび第3タンク部33の左側空間33bと連通している。第2内部空間40bは、第2タンク部32の左側空間32bおよび第3タンク部33の右側空間33aと連通している。
第3タンク部33は、中間タンク部40および第2タンク部32と隣接している。第3タンク部33の内部は、中間タンク部40の内部と連通している。第3タンク部33は、複数のチューブ21の並び方向に延びるように形成されている。第3タンク部33の内部は、第2コア部20における複数のチューブ21の内部と連通している。第3タンク部33は、中間タンク部40から流入した冷媒を複数のチューブ21のそれぞれに分配する分配部分である。
第3タンク部33は、第2タンク部32と同様に、第3タンク部33の内部を長手方向に半分に仕切る仕切部33cが設けられている。ここで第3タンク部33の仕切部33cによって仕切られた空間の一方と他方のうち、図2における紙面右側の空間を右側空間33a、左側の空間を左側空間33bとする。
第2タンク部32の右側空間32aに流入した冷媒は、中間タンク部40の第1内部空間40aを介して第3タンク部33の左側空間33bに流入する。一方、第2タンク部32の左側空間32bに流入した冷媒は、中間タンク部40の第2内部空間40bを介して第3タンク部33の右側空間33aに流入する。換言すれば、第2タンク部32に流入した冷媒は、中間タンク部40を介して第3タンク部33に流入する際に、幅方向に入れ替わって流入する。換言すれば、第1コア部10を流通する冷媒と、第2コア部20を流通する冷媒は、幅方向において入れ替わる。
第2コア部20は、第1コア部10と同様に、複数のチューブ21と各チューブ21の間に設けられた複数のフィン22と、幅方向の両端で第2コア部20を補強するサイドプレート23とを有する。複数のチューブ21は、第1コア部10における複数のチューブ11と同じ方向に並んでいる。複数のチューブ21およびフィン22は、第1コア部10の複数のチューブ11およびフィンと同様の構成を有するため、説明を省略する。複数のチューブ21は、上端が第4タンク部34の下部に接続されている。複数のチューブ21は、下端が第3タンク部33の上部に接続されている。複数のチューブ21の内部には、冷媒が下方から上方へと流通する。
第4タンク部34は、第1コア部10から第2コア部20へと向かう方向において第1タンク部31と隣接するタンク部である。第4タンク部34の内部は、複数のチューブ21の内部と連通している。第4タンク部34は、複数のチューブ21を流通した冷媒が流入する冷媒の集合部分である。第4タンク部34は、第4タンク部34の内部に流入した冷媒が蒸発器1の外部へと流出する際に通過する流出部52と連通している。
流出部52には、流出した冷媒をコンプレッサへと導くための配管またはボックス型膨張弁の低圧側流路が接続される。流出部52は、幅方向において導入部51と同じ側の端部に形成されている。流出部52は導入部51と隣接して蒸発器1に形成されている。
次に、第1タンク部31における複数のチューブ11に対して冷媒を分配するための構成について図4を参照して説明する。第1タンク部31は、流入部31cを有する。流入部31cは、第1タンク部31の長手方向における一方の端部に設けられている。流入部31cは、導入部51と連通している。流入部31cは、導入部51を通過した冷媒を第1タンク部31に対して導入するための流路部分である。第1タンク部31は、内部にパイプ部31aを有する。パイプ部31aの内部空間は、流入部31cに連通している。パイプ部31aの内部空間は、流入部31cを介して導入部51と連通している。すなわち、第1タンク部31の内部は、導入部51を通過した冷媒が流入部31cを通過してまずパイプ部31aに流入する構成になっている。流入部31cは、例えばパイプ部31a側の通路断面積が導入部51側の通路断面積よりも小さくなるように形成されている。すなわち、流入部31cを通過してパイプ部31aに流入する冷媒は、導入部51に流入する直前よりも流速が大きくなる。導入部51は、上下方向において第1タンク部31よりも下方で、第1コア部10から第2コア部20へと向かう方向において第1タンク部31と第4タンク部34との間に位置するように設けられている。
パイプ部31aは、複数のチューブ11の並び方向に延びる形状である。換言すれば、パイプ部31aは第1タンク部31と同じ方向に延びる形状である。パイプ部31aは、第1タンク部31の内径よりも小さい外径を有する筒状である。パイプ部31aは、流入部31cから第1タンク部31の流入部31c側の端部と反対側の端部に近接する位置まで延びている。パイプ部31aは、流入部31cから最も遠いチューブ11の位置まで延びている。換言すれば、パイプ部31aは並び方向において最も端に配置されたチューブ11の位置まで延びている。
パイプ部31aは、第1タンク部31の内部と連通する複数の連通穴31bを有する。複数の連通穴31bは、パイプ部31aを流通した冷媒が第1タンク部31の内部に流出する際に通過する開口部である。複数の連通穴31bは、特許請求の範囲におけるパイプ開口部に相当する。連通穴31bは、チューブ11と対向するように開口する。複数の連通穴31bは、複数のチューブ11のそれぞれと並び方向において同じ位置に形成されている。連通穴31bは、例えば第1コア部10におけるチューブ11の本数と同数だけ形成されている。複数の連通穴31bのうち、流入部31cから最も遠い連通穴31bは、流入部31cから最も遠いチューブ11と並び方向において同じ位置に形成されている。全ての連通穴31bのそれぞれは、全てのチューブ11のそれぞれと並び方向において同じ位置に形成されている。すなわち、全ての連通穴31bは、それぞれから流出する冷媒が、全てのチューブ11のそれぞれに直接流入することができるように形成されている。
または、複数の連通穴31bは、並び方向においてチューブ11とずれた位置に形成されていてもよい。複数の連通穴31bは、それぞれのチューブ11の付近に対して冷媒を供給することができれば、複数のチューブ11のそれぞれの開口に対して直接冷媒を流入させる構成でなくてもよい。
次に、第1実施形態の蒸発器1に流通する冷媒の流れについて説明する。配管を流通して蒸発器1に対して流れてきた冷媒は、まず導入部51を通過し、流入部31cからパイプ部31aの内部へと流入する。パイプ部31aの内部へと流入した冷媒は、パイプ部31aによって第1タンク部31の内部で拡散することを抑制される。さらに冷媒は、拡散を抑制されることで第1タンク部31の内部で揮発することが抑制される。また、第1タンク部31よりも通過断面積の小さいパイプ部31aを流通することにより、冷媒は流速が大きくなる。以上により冷媒は、パイプ部31aの流入部31cから流入部31c反対側の端部に向かう流れを維持しつつ各連通穴31bへと向かい、各連通穴31bから第1タンク部31の内部に流出する。第1タンク部31の内部に流出した冷媒は、各チューブ11に流入する。
各連通穴31bは、複数のチューブ11のそれぞれに対して冷媒を供給する。したがって、流入部31cからより遠いチューブ11ほど分配される冷媒の量が少なくなることが抑制される。このため、複数のチューブ11のそれぞれに分配される冷媒の量がより均一に近づく。すなわち、複数のチューブ11に対する冷媒の分配性が向上する。
特に第1実施形態における蒸発器1では、複数の連通穴31bが複数のチューブ11のそれぞれと並び方向において同じ位置に形成されているため、各連通穴31bから流出した冷媒は、直接各チューブ11へと流入する。したがって、各連通穴31bから流出した冷媒がより確実に各チューブ11へと分配される。
各チューブ11へと分配された冷媒は、第1コア部10を流下して第2タンク部32へと向かう。このとき、各チューブ11を流通する冷媒の量は比較的均一に近い状態であるため、第1コア部10における温度分布もより均一に近づく。第2タンク部32へと流入した冷媒は、中間タンク部40を流通し、第3タンク部33へと流入する。
このとき、中間タンク部40によって、第2タンク部32の右側空間32aを通過した冷媒は第3タンク部33の左側空間33bに流入し、第2タンク部32の左側空間32bを通過した冷媒は、第3タンク部33の右側空間33aに流入する。
第2タンク部32の右側空間32aに流入する冷媒の量と、左側空間32bに流入する冷媒の量は、パイプ部31aによって各チューブ11への分配性が向上されたことにより、より均一に近い状態となっている。このため、第3タンク部33の左側空間33bに流入する冷媒の量と、右側空間33aに流入する冷媒の量も、より均一に近い状態となっている。したがって、第1コア部10だけでなく、第2コア部20の各チューブ21に対する分配性も向上され、ひいては第2コア部20の温度分布もより均一に近づく。
蒸発器1は、中間タンク部40によって第1コア部10を流通する冷媒と第2コア部20を流通する冷媒とを幅方向において入れ替える構成となっているため、コア部全体の温度分布を均一に近づけることが可能である。これに加えて、パイプ部31aによって第1コア部10の各チューブ11に対する分配性を向上しているため、コア部全体の温度分布をさらに均一に近づけることが可能となっている。これは、パイプ部31aによる各チューブ11に対する分配性の向上に加えて、冷媒を幅方向に入れ替えて流す構成によってコア部全体の温度分布をより均一に近づけていると言うこともできる。
第2コア部20の各チューブ21に分配されて流通した冷媒は、第4タンク部34に流入して第4タンク部34の内部にて合流し、流出部52から蒸発器1の外部へと流出する。
次に第1実施形態の蒸発器1がもたらす作用効果について説明する。蒸発器1は、並び方向に並んで配置され、内部に流体である冷媒が流通する複数のチューブ11と、複数のチューブ11と連通し、流体が流入する第1タンク部31とを備える。蒸発器1は、第1タンク部31に設けられ、第1タンク部31に対して流体を導入する流入部31cを備える。蒸発器1は、流入部31cと連通して第1タンク部31の内部に設けられ、第1タンク部31の内部で並び方向に延びるパイプ部31aと、パイプ部31aに設けられ、パイプ部31aから第1タンク部31の内部に流出する冷媒が通過する複数の連通穴31bとを備える。
これによれば、蒸発器1に流入した流体は、複数のチューブ11の並ぶ方向に延びるパイプ部31aを介して第1タンク部31の内部に流出する。すなわち流体は、パイプ部31aの内部を流通することで第1タンク部31の長手方向に交差する方向への拡散を抑制される。これにより、流入部31cからパイプ部31aの内部に流入した流体は慣性力の低下を抑制されて流速が大きくなるため、パイプ部31aの内部で流入部31cから遠ざかるにつれて到達する流体の量が低下することを抑制できる。したがって、パイプ部31aの内部を流通する流体は、流入部31cから比較的遠い位置にも届き、複数の連通穴31bを通過して第1タンク部31の内部に流出する際の流速も大きくなる。このため、流入部31cからより遠いチューブ11に流入する流体の量が小さくなることが抑制される。以上により、複数のチューブ11に対する流体の分配性を向上可能な熱交換器を提供することができる。第1実施形態では、熱交換器として内部に冷凍サイクル70の冷媒が流通する蒸発器1を説明したが、冷媒に限らず内部に流体が流通する熱交換器であれば、同様の作用効果を奏することができる。
複数の連通穴31bは、複数のチューブ11のそれぞれと並び方向において同じ位置に形成される。これによれば、各連通穴31bから第1タンク部31の内部に流出した冷媒は、各チューブ11に対して直接流入する。したがって、より確実に各チューブ11に対して冷媒を分配することができる。
パイプ部31aは、複数のチューブ11のうち並び方向における端部のチューブ11と同じ位置まで延びるように形成され、複数の連通穴31bは、複数のチューブ11のうち並び方向における端部のチューブ11と同じ位置まで形成されている。これによれば、複数のチューブ11が並ぶ範囲の全部にわたって第1タンク部31の内部に冷媒を流出させることができる。したがって、複数のチューブ11に対する冷媒の分配性をより向上させることができる。
第1実施形態の熱交換器を冷凍サイクル70における蒸発器1に適用することによれば、蒸発器1のコア部10、20における温度分布をより均一に近づけることができる。したがって、蒸発器1にフロストが発生することを抑制できる。
第1実施形態の蒸発器1を有する車両用空調装置100によれば、蒸発器1にフロストが発生することを抑制できるため、蒸発器1における送風空気の冷却能力が低下することを抑制できる。したがって、車両用空調装置100において空調性能が低下することを抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図6において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図6において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態の蒸発器1におけるパイプ部31aにおいて、複数の連通穴231bは長手方向、すなわちチューブ11の並び方向におけるチューブ11が設けられている範囲に間隔を設けて複数形成されている。複数の連通穴231bは、例えば複数のチューブ11の本数よりも少ない数だけ形成されている。複数の連通穴231bのひとつひとつは、例えば複数のチューブ11のうちの少なくとも1つ以上のチューブ11と長手方向で対応する位置に設けられている。複数の連通穴231bは、必ずしも全てのチューブ11と対応する位置に設けられていなくてよい。第2実施形態の蒸発器1においても、複数の連通穴231bは、第1タンク部31の内部に、長手方向において複数のチューブ11が設けられている範囲に間隔を設けて冷媒を流出させることができる。したがって、複数のチューブ11に対する冷媒の分配性を向上することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図7において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図7において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態の蒸発器1におけるパイプ部31aにおいて、第1タンク部31の内部と連通するパイプ開口部として、複数の連通穴の代わりに1つのスリット331bが設けられている。スリット331bは、パイプ部31aの長手方向に延びるように形成されている。スリット331bは、複数のチューブ11が設けられている並び方向の範囲に対応するパイプ部31aの範囲に設けられている。スリット331bは、例えば全てのチューブ11の並び方向における範囲に対応するパイプ部31aの範囲に設けられている。または、スリット331bは、必ずしも全てのチューブ11の並び方向に対応するパイプ部31aの範囲に設けられていなくてもよい。スリット331bは、例えば複数のチューブ11のうち並び方向において流入部31cから遠い側の半分の範囲に配置されたチューブ11まで延びていればよい。スリット331bは、流入部31cから流入した冷媒がパイプ部31aの内部を流通するにつれて徐々に流出するようにその幅の大きさが決定されている。すなわち、流入部31cからより遠い側のチューブ11に対しても十分に冷媒を供給できるようにスリット331bの幅の大きさが決定されている。ここでスリット331bの幅とは、スリット331bの延びる方向である長手方向に直交する方向のスリット331bの寸法である。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図8において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第4実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図8において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第4実施形態の蒸発器1におけるパイプ部31aにおいて、開口面積の異なる複数の連通穴431bが形成されている。複数の連通穴431bは、例えば開口面積の異なる2種類の連通穴である。複数の連通穴431bは、並び方向において流入部31c側に位置する連通穴431bよりも流入部31cと反対側に位置する連通穴431bの開口面積が大きくなるように形成されている。ここで並び方向において流入部31c側に位置するとは、並び方向における複数のチューブ11が設けられた範囲のうち、流入部31c側の半分の範囲に位置することを意味する。並び方向において流入部31cと反対側に位置するとは、並び方向における複数のチューブ11が設けられた範囲のうち、流入部31cと反対側の半分の範囲に位置することを意味する。複数の連通穴431bは、複数のチューブ11が設けられた範囲のうち、長手方向において半分から流入部31cと反対側の連通穴31bが、半分から流入部31c側の連通穴31bよりも開口面積が大きい。換言すれば、複数の連通穴31bは、流入部31cから遠い側の連通穴31bの開口面積が大きくなるように形成されている。
すなわち、流入部31cから遠い側の連通穴31bは、流入部31cに近い側の連通穴31bよりも通過する冷媒の流量が大きくなるように形成されている。これにより、流入部31cに近い側の連通穴31bよりも流入部31cから遠い側の連通穴31bの方が冷媒が流出しやすくなる。したがって、この構成によって流入部31cからより遠いチューブに流入する流体の量が小さくなることをさらに抑制することができる。開口面積の異なる複数の連通穴431bのそれぞれの大きさは、例えば複数のチューブ11のそれぞれに流入する冷媒の量が略均一になるように適宜決定すればよい。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図9および図10において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第5実施形態では、第1実施形態における蒸発器1の変形例について説明する。図9および図10において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第5実施形態の蒸発器1は、下部タンク231と上部タンク232とを有する。蒸発器1は、導入部51と下部タンク231とを連絡する連絡通路53を有する。連絡通路53は、導入部51を通過した冷媒を下部タンク231へと導く。下部タンク231は、複数のチューブ11、21に対して冷媒を分配するタンクである。下部タンク231は、特許請求の範囲における分配タンクに相当する。連絡通路53は、例えばサイドプレート23の外側に設けられる。連絡通路53を有するため、第2実施形態の蒸発器1は、導入部51から上部のタンクに冷媒が流入する蒸発器と同様に、上部に導入部51を有する構成である。したがって、第5実施形態の蒸発器1は、蒸発器の上部に導入部を有することを前提としている車両用空調装置に対しても適用することができる。
下部タンク231は、内部にパイプ部31aを有する。パイプ部31aは、連絡通路53を介して導入部51と連通している。パイプ部31aは、例えば並び方向において複数のチューブ11、21のうち導入部51から最も遠いチューブまで延びている。パイプ部31aは、内部に流入した冷媒が流出するための複数の連通穴31bを有する。複数の連通穴31bは、上方に向かって開口している。すなわち、複数の連通穴31bは、下部タンク231の内部においてチューブ11、21が連結している側に向かって開口している。
第1コア部10と第2コア部20はそれぞれの下端が下部タンク231と連通し、それぞれの上端が上部タンク232と連通している。第1コア部10と第2コア部20は下端において下部タンク231の仕切られていない共通の空間に連通する。第1コア部10と第2コア部20は、上端において上部タンク232の仕切られていない共通の空間に連通する。すなわち第5実施形態の蒸発器1においては、第1コア部10と第2コア部20はそれぞれ別々に冷媒が流通するコア部である。換言すれば、第1コア部10と第2コア部20は冷媒の流れについて並列に接続されている。上部タンク232は、複数のチューブ11、21を流通した冷媒が合流するタンクである。上部タンク232は、特許請求の範囲における合流タンクに相当する。
次に、第5実施形態の蒸発器1における冷媒の流れについて説明する。導入部51から蒸発器1に流入した冷媒は、連絡通路53を通って下部タンク231に向かって流下する。連絡通路53を流通した冷媒は、パイプ部31aに流入する。パイプ部31aに流入した冷媒は、複数の連通穴31bのそれぞれから下部タンク231の内部に流出する。すなわち、冷媒は各連通穴31bから上方に向かって吹き出す。下部タンク231の内部に流出した冷媒は、第1コア部10のチューブ11および第2コア部20のチューブ21のそれぞれに対して流入し、各コア部10、20を流通して上部タンク232で流入して合流する。その後冷媒は、流出部52から蒸発器1の外部に流出する。
第5実施形態の蒸発器1によれば、パイプ部31aは複数のチューブ11、21の下端と連通する下部タンク231の内部に設けられており、複数の連通穴31bは上方に向かって開口している。したがって、重力によってパイプ部31a内部の冷媒がパイプ部31a内部の下方に溜まり、流入部31cにより近い側の連通穴31bから流出することが抑制されてパイプ部31aの長手方向の全体により行き渡りやすくなる。このため、流入部31cからより遠いチューブ11、21に対して分配される冷媒の量が少なくなることをさらに抑制することができる。すなわち、分配性をより向上することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、第1実施形態における蒸発器1および車両用空調装置100の変形例について説明する。図11において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第6実施形態では、第1実施形態における蒸発器1および車両用空調装置100の変形例について説明する。図11において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第6実施形態において、蒸発器1はコア部10、20の温度を検出する温度センサを2つ有する。温度センサは、第2コア部20において幅方向に異なる位置に2つ設けられている。換言すれば、温度センサはチューブの並び方向において異なる位置に2つ設けられている。2つの温度センサのうちの1つの第1サーミスタ61は、例えば第2コア部20の幅方向における中央に設けられる。第1サーミスタ61は、特許請求の範囲の第1温度センサに相当する。
2つの温度センサのうちのもう1つの第2サーミスタ62は、例えば並び方向において第1サーミスタ61よりも流入部31cに近い側に設けられる。換言すれば、第2サーミスタ62は、第1コア部10において流入部31cから遠い側を流通した冷媒が流通する第2コア部20の部分に設けられる。さらに換言すれば、第2サーミスタ62は、第1サーミスタ61が設けられた位置よりもより冷媒の流量が小さくなりうる位置に設けられる。第2サーミスタ62は、特許請求の範囲における第2温度センサに相当する。
第1サーミスタ61および第2サーミスタ62は、例えば第2コア部20のフィン22にそれぞれ取り付けられる。第1サーミスタ61および第2サーミスタ62は、検出した温度情報を制御装置50に出力するように制御装置50と接続されている。
制御装置50は、第1サーミスタ61および第2サーミスタ62からの温度情報をもとに、蒸発器1に流入する冷媒の流量制御を実行する。制御装置50が実行する流量制御の一例について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。制御装置50は、車両用空調装置100が運転中の場合に図12の制御を実行する。
制御装置50は、まずステップS10で、第1サーミスタ61および第2サーミスタ62から温度情報を取得する。第2サーミスタ62の検出した温度T2が第1サーミスタ61の検出した温度T1に対して所定値以上高いか否かを判定する。換言すれば、ステップS10では、温度T2と温度T1の温度差が所定温度差以上であるか否かを判定する。
ステップS10で、第2サーミスタ62の検出した温度T2が第1サーミスタ61の検出した温度T1に対して所定値以上高いと判定されると、ステップS20へと進む。ステップS20では、蒸発器1に流入する冷媒の流量を大きくするように圧縮機2を制御する。換言すれば、冷凍サイクル70をより高負荷で運転する状態に制御する。
温度T2が温度T1に対して所定値以上高い場合、第2コア部20において第2サーミスタ62が取り付けられた付近のチューブを流通する冷媒の流量が、第1サーミスタ61が取り付けられた付近のチューブを流通する冷媒の流量よりも少ない状態である。換言すれば、流入部31cからより遠い側のチューブに対して冷媒が十分に分配されていない状態である。したがって、ステップS20で蒸発器1に流入する冷媒の流量を大きくすることで、流入部31cからより遠い側のチューブまで十分に冷媒が行き渡る状態に制御する。
所定値は、例えばあらかじめ設定されて制御装置50に記憶された値である。所定値は、例えば第1コア部10の温度分布が、蒸発器1の機能を十分に発揮できない程度に不均一であるとみなせる値が設定されている。ステップS20における冷媒の流量の増分は、あらかじめ設定された値である。
ステップS20で冷媒の流量を大きくする制御を実行すると、所定時間経過後に、ステップS10へと戻る。ここでの所定時間は、冷媒の流量を大きくする制御によるコア部の温度変化が、第1サーミスタ61および第2サーミスタ62によって検出される温度情報に反映されたとみなせる時間である。
次に第3実施形態の車両用空調装置100がもたらす作用効果について説明する。車両用空調装置100は、蒸発器1に対して流体を圧送する圧縮機2と、圧縮機2の流体吐出量を制御する制御装置50と、蒸発器1に設置された第1サーミスタ61と、第1サーミスタ61と並び方向において離間して設置された第2サーミスタ62とを有する。制御装置50は、第1サーミスタ61が検出した温度T1と第2サーミスタ62が検出した温度T2の温度差が所定値以上である場合に流体の吐出量を所定量増加させるように圧縮機2を制御する。
これによれば、コア部10、20の温度が不均一である場合に、蒸発器1に流入する冷媒の流量を大きくすることができる。したがって、流入部31cからより遠いチューブ11に対する冷媒の流量が小さい場合に、流入する冷媒の流量を大きくすることで流入部31cからより遠いチューブ11まで冷媒が行き渡らせることができ、複数のチューブ11に対する冷媒の分配性をより向上させることができる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、蒸発器1は、2つのコア部10、20を有する構成である。これに代えて、1つのコア部を有する構成であってもよい。
上述の実施形態において、流入部31cは第1タンク部31の長手方向における端部に設けられる。これに代えて、第1タンク部31の長手方向における端部以外の部分、例えば中央部分に流入部が設けられていてもよい。この構成の場合、パイプ部は、流入部から第1タンク部31の長手方向における両端に対して延びる形状となる。
上述の実施形態において、パイプ開口部はパイプ部31aにおいて複数のチューブ11に対向する位置に設けられるとしたが、パイプ開口部のパイプ部31aにおける周方向の位置はこれに限定されない。例えば、パイプ開口部は、パイプ部31aにおける複数のチューブ11側と反対側に形成されていてもよい。パイプ開口部は、流入部31cからより遠い側のチューブ11の付近で第1タンク部31の内部に冷媒を流出させることができれば、直接チューブ11に向けて冷媒を流出させる構成でなくてもよい。 上述の実施形態において、熱交換器は車両用空調装置100における蒸発器1に適用される。これに代えて、蒸発器以外の熱交換器に適用されてもよい。例えば、蒸発器1は車両用空調装置における凝縮器に適用されてもよい。または、車両用空調装置におけるヒータコアに適用されてもよい。または、車両用空調装置以外の車載用熱交換器、例えばラジエータ、インタークーラ等に適用されてもよい。さらに、蒸発器1は、パラレルフロー型の熱交換器として車載用に限らず種々の熱交換器に適用することができる。熱交換器は、複数のチューブに対する分配性が向上されているため、コア部を効率的に使用することができる。したがって、熱交換器を小型化することができる。
1 蒸発器(熱交換器) 11 チューブ、 2 圧縮機、 31 第1タンク部(分配タンク)、231 下部タンク(分配タンク)、 31a パイプ部、 31b、231b、431b 複数の連通穴(パイプ開口部)、 331b スリット(パイプ開口部)、 31c 流入部、 32 第2タンク部(合流タンク)、 232 上部タンク(合流タンク)、 50 制御装置、 61 第1サーミスタ(第1温度センサ)、 62 第2サーミスタ(第2温度センサ)、 70 冷凍サイクル。
Claims (13)
- 所定の並び方向に並んで配置され、内部に流体が流通する複数のチューブ(11)と、
前記並び方向に延びて前記複数のチューブの一端に連通し、前記流体を前記複数のチューブに対して分配する分配タンク(31)と、
前記分配タンクに設けられ、前記分配タンクに対して前記流体を導入する流入部(31c)と、
前記分配タンクの内部に設けられ、前記流入部と連通して前記並び方向に延びるパイプ部(31a)と、
前記パイプ部に設けられ、前記パイプ部の内部から前記分配タンクの内部に流出する前記流体が通過するパイプ開口部(31b、231b、331b、431b)と、
を備える熱交換器。 - 前記パイプ開口部は、前記並び方向において前記複数のチューブが配置された範囲に間隔を設けて形成された複数の連通穴(31b、231b、431b)である請求項1に記載の熱交換器。
- 前記並び方向において前記流入部側に位置する前記連通穴(431b)よりも前記流入部と反対側に位置する前記連通穴(431b)の開口面積が大きい請求項2に記載の熱交換器。
- 前記複数の連通穴(31b)は、前記複数のチューブのそれぞれと前記並び方向において同じ位置に形成されている請求項2または請求項3に記載の熱交換器。
- 前記パイプ開口部は、前記並び方向において前記複数のチューブに対応するように設けられた前記並び方向に延びる1つのスリット(331b)である請求項1に記載の熱交換器。
- 前記複数のチューブは、上下方向に延びて形成され、水平方向に並んで配置されるチューブであって、
前記分配タンクと平行に延びて前記複数のチューブの他端に連通し、前記複数のチューブを流通した冷媒が合流する合流タンク(32)を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記分配タンクは、前記複数のチューブの上端に連通し、前記合流タンクは前記複数のチューブの下端に連通する請求項6に記載の熱交換器。
- 前記分配タンクは、前記複数のチューブの下端に連通し、前記合流タンクは前記複数のチューブの上端に連通し、
前記パイプ開口部は上方に向かって開口している請求項6に記載の熱交換器。 - 前記パイプ部は、前記複数のチューブのうち前記並び方向における端部に位置する前記チューブと同じ位置まで延びるように形成され、
前記パイプ開口部は、前記複数のチューブのうち前記並び方向における端部の前記チューブと同じ位置まで形成されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 冷凍サイクル(70)における蒸発器である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 車両用空調装置における凝縮器である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱交換器。
- 請求項10に記載の熱交換器を備える車両用空調装置。
- 前記蒸発器に対して前記流体を圧送する圧縮機(2)と、
前記圧縮機の流体吐出量を制御する制御装置(50)と、
前記蒸発器に設置された第1温度センサ(61)と、
前記第1温度センサと前記並び方向において離間して設置された第2温度センサ(62)と、
を有し、
前記制御装置は、
前記第1温度センサが検出した温度と前記第2温度センサが検出した温度の温度差が所定値以上である場合に前記流体の吐出量を増加させるように前記圧縮機を制御する請求項12に記載の車両用空調装置。
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JP2020173045A (ja) * | 2019-04-09 | 2020-10-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 空気調和機 |
-
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