JP2018178728A - エンジンシステム、エンジン運転方法 - Google Patents

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【課題】潤滑油の寿命を延長する。【解決手段】エンジン10と、バイオ燃料を貯留する燃料タンク20と、燃料タンク20からのバイオ燃料をエンジンの燃焼室に供給する燃料供給装置22と、燃料タンク20と、エンジンのオイルパン12に供給する潤滑油希釈装置36,38と、を有する。エンジン制御装置18は、エンジンの運転の経過に伴う、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、潤滑油希釈装置によりバイオ燃料をオイルパンに供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、オイルパンに貯留する潤滑油を使用しながら、バイオ燃料タンクから供給されるバイオ燃料を燃焼室で燃焼させて運転するエンジンについてのエンジンシステムおよびエンジンの運転方法に関する。
燃料を燃焼させて駆動力を得る内燃機関であるエンジンでは、シリンダー内におけるピストンの円滑な移動を確保するなどのためにエンジンオイルを潤滑油として使用する。通常のフォーストロークエンジンでは、クランクケースの下部に設けられるオイルパンに潤滑油を溜めている。
そして、オイルパン内の潤滑油は、エンジンの運転によって消費され、液体としての量が減少するとともに、劣化によって実質的な潤滑油量が減少する。従って、潤滑油量が減少した場合には、新しい潤滑油を補充したり、所定の期間毎に潤滑油を新しいものに交換している。
特許文献1には、エンジンのテスト運転時において、運転条件や油温などによって変化する潤滑油量(液面レベル)を、フロートセンサを用いて検出し、潤滑油を追加したり抜き取ったりして、液面レベルを維持することが示されている。
ここで、オイルパン内の潤滑油は、燃焼室内で燃焼されるが、一方燃焼室に供給される燃料もオイルパン内に混入する。燃料が混入することは、潤滑油の実質的な減少であり、潤滑油としての機能が阻害される。特許文献2には、バイオ燃料は分子内に酸素を有していることを利用して、使用する燃料の酸素濃度を測定しておくことで、潤滑油のバイオ燃料による希釈量を求めることが示されている。また、特許文献3には、潤滑油と燃料の分子サイズの違いを利用して、分離膜によってオイルに混入した燃料を分離することで、潤滑油中の燃料成分の混入を抑制することが示されている。
特開2003−214989号公報 特開2010−248927号公報 特開2008−280986号公報
ここで、エンジンをなるべく長期間運転したいという要望があり、エンジンを停止して潤滑油を補充する頻度などをなるべく少なくしたい。
特許文献1は、テスト用のシステムであり、補給用のタンクを設けて、必要な場合には潤滑を補給する。しかし、実際の運転時において、常に潤滑油を用意しておき、補給できるようにすることは現実的ではない。
また、特許文献2は、潤滑油への燃料の混入量を検出するものであり、潤滑油の良否は判定できるが、潤滑油の劣化を検出できるだけで、運転期間を延長する物ではない。
特許文献3では、燃料の混入を防ぐことで、潤滑油の劣化を抑制し、潤滑油の交換時期などを延長できる。しかし、潤滑油の減少には対応できない。
本発明に係るエンジンシステムは、エンジンと、バイオ燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンクからのバイオ燃料をエンジンの燃焼室に供給する燃料供給装置と、燃料タンクと、エンジンのオイルパンに供給する潤滑油希釈装置と、エンジンの運転の経過に伴う、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、潤滑油希釈装置によりバイオ燃料をオイルパンに供給する、エンジン制御装置と、を有することを特徴とする。
また、潤滑油希釈装置は、燃料タンクとオイルパンを接続する連通パイプと、連通パイプに設けられ、バイオ燃料の供給を制御する制御弁と、を含むとよい。
さらに、オイルパンにおける潤滑油の液位を検出するレベルセンサ、潤滑油の粘度を検出する粘度センサ、潤滑油への燃料混入量を検出する燃料量センサ、および潤滑油の循環系の油圧を検出する油圧センサのいずれか1つを含み、エンジン制御装置は、レベルセンサ、粘度センサ、燃料量センサおよび油圧センサのいずれか1つの検出値に基づいて潤滑油の不足を検出した場合にバイオ燃料をオイルパンに供給するとよい。
また、本発明は、オイルパンに貯留する潤滑油を使用しながら、燃料タンクから供給されるバイオ燃料を燃焼室で燃焼させて運転されるエンジンについてのエンジン運転方法であって、エンジンの運転の経過に伴い、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、燃料タンクのバイオ燃料をオイルパンに供給してオイルパンにおける潤滑油を補充することを特徴とする。
また、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、エンジンを低負荷運転とするとよい。
本実施形態によれば、潤滑油が不足した場合に、バイオ燃料を積極的に混合する。これによって、潤滑油量を維持して、エンジンの運転期間を延長することができる。
エンジンシステムの構成を示す図である。 バイオ燃料混入による動粘度変化を示す図である。 ブロック・オン・リング潤滑試験を説明する図である。 燃料混入による摩耗変化を示す図である。 エンジン使用油による摩耗変化を示す図である。 潤滑油の塩基価の変化を示す図である。 潤滑油の燃料混入量への負荷の影響を示す図である。 潤滑油の赤外スペクトルの変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
「システム全体構成」
図1は、実施形態に係るエンジンシステムの全体構成を示す模式図である。エンジン10は、燃料を燃焼室で燃焼させて駆動力を得る内燃機関であり、この例では発電施設に設置されている発電用のディーゼルエンジンである。
エンジン10は、複数のシリンダ、各シリンダ内に配置されたピストン、ピストンをロッドを上下動自在にする支持するクランク等を有する。シリンダはシリンダブロック内に形成され、シリンダブロックの上部に各種弁が設けられるシリンダヘッドが配置され、ピストンの上方が燃焼室になっている。また、シリンダブロックの下方にクランクケースが設けられ、ここにクランクが収容され、クランクシャフトがエンジンの出力軸として外部に伸びている。クランクケースの下方にはオイルパンが設けられ、ここにエンジンオイルが潤滑油として貯留される。エンジン10の駆動によって、クランクが移動し、潤滑油が掻き上げられ、ピストンとシリンダの摺動面であるシリンダ内壁に供給される。
図1においては、エンジン10を模式的に示しており、ピストン、クランクなどは図示を省略し、下部のオイルパン12およびそこに貯留される潤滑油14を示してある。
エンジン10の各シリンダの燃焼室上部には、吸気弁と排気弁が設けられるとともに、燃料を噴射するインジェクタ16が設けられている。そして、吸気弁を開きピストンが下方に移動することで空気を吸い込み(吸気工程)、吸気弁を閉じピストンが上昇することで空気を圧縮加熱し(圧縮工程)、圧縮加熱された空気にインジェクタ16から燃料を噴射して燃料が燃焼し、膨張した燃焼ガスがピストンを押し下げ(膨張工程)、排気弁を開きピストンが上昇することで燃焼ガスを排出する(排気工程)ことで、エンジンが駆動される。吸気弁、排気弁は、機械的機構によってクランクシャフトの回転と同期して開閉する。
ここで、本実施形態では、燃料タンク20に貯留されている燃料はバイオ燃料である。バイオ燃料は、生物体(バイオマス)の持つエネルギーを利用した燃料をいい、実用的にはパーム油、ナタネ油などの植物油あるいはそれらをエステル化した脂肪酸エステルなどをいう。
燃料タンク20内のバイオ燃料(燃料)は、燃料パイプ22によりインジェクタ16に接続されている。燃料ポンプなどにより燃料タンク20内のバイオ燃料が燃料パイプ22、インジェクタ16を介し、エンジン10の燃焼室に噴射される。なお、少なくとも燃料パイプ22を含み、バイオ燃料をエンジンの燃焼室に供給する装置が燃料供給装置を構成する。また、燃焼室への燃料の噴射のタイミングは、エンジン制御装置18が制御する。
オイルパン12には、オイルポンプ24が配置されたオイルパイプ26が接続されており、潤滑油14がシリンダヘッド内の吸気弁、排気弁の駆動機構(カムなど)や、動力伝達機構に供給され、その後オイルパン12に戻る。
また、オイルパン12には、潤滑油14の粘度を検出する粘度センサ28、バイオ燃料の混入量を検出する燃料量センサ30が配置され、またオイルポンプ24の吐出側(潤滑油14の循環系)には、油圧を計測する油圧センサ32が設けられている。なお、粘度センサ28には超音波式、燃料量センサ30に特許文献3に記載された酸素含有量を計測する形式のものや後述する赤外線吸光度を計測する形式のものなどが採用できる。これらセンサは、潤滑油についての性状を検出するものであり、この検出結果により潤滑油が使用可能か否かを判断することができる。これらの検出値はエンジン制御装置18に供給されており、エンジン制御装置18がこれらセンサの検出結果を用いて、潤滑油14へのバイオ燃料の混入などを制御する。
また、オイルパン12には、潤滑油14の液位レベルを検出するレベルセンサ34が設けられており、検出値がエンジンシステムおよびエンジン制御装置18に供給されている。
なお、潤滑油14の粘度は、潤滑油14の潤滑能力を示すものであり、所定値以下になるとその能力が十分でないとみなされる。潤滑油14中の燃料量は、燃料の混入率を示し、燃料の混入率が所定以上になると、潤滑油14としての能力が十分でないとみなされる。また、潤滑油14の油圧は、粘度と一定の関係にあり、油圧が低くなると粘度が低くなったとみなされる。また、オイルパン12内の液位が低くなると、十分な潤滑が行えなくなるため、液位が下限以下にならないように潤滑油14を補充する必要がある。
そして、燃料タンク20とオイルパン12を連通する連通パイプ36が設けられており、この連通パイプ36には制御弁38が設けられている。従って、制御弁38を開くことで燃料タンク20内のバイオ燃料がオイルパン12に供給され、オイルパン12内の潤滑油14がバイオ燃料で希釈され、潤滑油量が回復される。このバイオ燃料の供給には、通常ポンプを用いるが、重力によってもよい。重力による場合には、連通パイプ36に逆止弁を設け逆流を防止することが好適である。逆止弁を設けることで、ピストンの上下動に基づくオイルパン12上方空間の圧力変化を利用して潤滑油を導入することも可能になる。また、連通パイプ36に流量計を設け、バイオ燃料の流量を計測し、燃料供給量をフィードバック制御してもよい。いずれにしても、適切なタイミングで、適切な量の燃料がオイルパン12に供給される。なお、少なくとも連通パイプ36を含み、バイオ燃料をオイルパン12に供給するための装置が潤滑油希釈装置を構成する。
このようなシステムにおいて、燃料タンク20からのバイオ燃料をエンジン10に供給しながらエンジン10が運転される。このようなエンジン10の運転によって、潤滑油が徐々に消費される。潤滑油は、燃焼室における燃焼によって消費され、また熱による変質や酸化などによる潤滑油の劣化によっても消費され、実質的な循環油量が不足することになる。このように、エンジン10の運転の継続(経過)によって、潤滑油14の量が不足する。そして、潤滑油14の液量の減少により運転継続が不可能になるのは、潤滑油の変質などの劣化により運転継続が不可能になるよりも先に生じる。本実施形態では、このような潤滑油14の量の不足に対し、潤滑油14のバイオ燃料による希釈で対処する。これによって、エンジン10の運転継続時間を延長することが可能となる。
「バイオ燃料による希釈」
ここで、本実施形態では、バイオ燃料を燃料タンク20からオイルパン12に供給し、オイルパン12内の潤滑油14をバイオ燃料で希釈する。これについて説明する。
バイオ燃料は、潤滑油として使用するエンジンオイルと比較して粘度が低い。このため、潤滑油14へ混入すると、潤滑油の粘度が低下する。図2は各種の市販エンジンオイル(A,B,C油の3種類)にバイオ燃料として脂肪酸エステルを混合した場合の動粘度を示したものである。動粘度は、C油が最も大きく、A油が最も小さい。従って、バイオ燃料を混合した場合の粘度もC油が大きく、A油が小さいが、バイオ燃料の混入率が高くなるに従って、各油における動粘度は近づいてくる。すなわち、30%のバイオ燃料混入率の場合、A,B油において40mm/s程度、C油において25mm/s程度となっている。
また、図2には脂肪酸エステルを燃料としてエンジンを運転した場合の粘度変化を併記した。すなわち、潤滑油としてA油を用い、バイオ燃料にて実機を運転し、経時的に動粘度を計測した。運転の継続によって、動粘度が小さくなり、40mm/s程度まで低下した。この際に元素分析を行ったが、エンジンの異常摩耗が生じていないことが確認されている。これより、動粘度40mm/s程度に下限をおくことが望ましい。
従って、バイオ燃料を混合する場合には、比較的高粘度のエンジンオイルを採用することが好適である。例えば、B油、C油など新品の動粘度が100mm/s以上のエンジンオイルを採用することによって、バイオ燃料を30%混入しても動粘度は40mm/sに保たれる。なお、A油であっても15−20%程度のバイオ燃料の混入は許容され、A油にバイオ燃料を混入することも可能である。
一般に、燃料は境界域の潤滑性に劣り、エンジンオイルに一定濃度以上混入した場合にエンジンの不具合を生じる可能性がある。しかしながら、パーム油、ナタネ油などの植物油あるいはそれらをエステル化した脂肪酸エステルなどのバイオ燃料は、ガソリンや軽油などよりも潤滑性に優れており、上述のようにエンジンオイルにある程度混入しても問題ないことが分かった。
図3に、ブロック・オン・リングでの潤滑試験についての説明図を示す。このように、この試験では、リング試験片(SAE4620浸炭鋼)の下半分を試験用の供試油(50mL,80°C)に浸漬させ、リング試験片の上方からブロック試験片(SCM420浸炭鋼)を所定の荷重(290N(ヘルツ圧:300MPa))で押し付けた状態で回転させる(すべり速度0.3m/s)。
図4に示すように、エンジンオイルに脂肪酸エステルを20%まで混入しても、摩耗痕幅は大きくならず、境界潤滑域の摩耗防止性は維持される結果を得られた。また、この試験条件において、ディーゼルエンジンで6500km走行したエンジンから回収した潤滑油を試験すると、図5に示すように、摩耗量(摩耗痕幅)は1.5倍に増加した。これより、バイオ燃料を20%混入させた潤滑油は、6500km走行したディーゼルエンジンの潤滑油に比べ、新品のエンジンオイルに近いものといえる。
「潤滑油の劣化」
上述のように、潤滑油は使用により劣化する。この劣化の1つの目安は、潤滑油の塩基価である。すなわち、潤滑油の酸化によって発生する酸を中和する能力である塩基価が劣化の目安として採用されている。
図6に、ディーゼルエンジンの発電機で、運転を継続した場合の潤滑油の塩基価の変化を示す。黒丸は燃料として軽油、潤滑油としてA油を用いエンジンを運転した場合(A油/軽油)、白丸中に×は燃料は軽油、潤滑油はB油(B油/軽油)、灰色丸中に×は燃料はバイオ燃料(脂肪酸エステル)、潤滑油はB油(B油/脂肪酸エステル)である。なお、B油は、バイオ燃料を30%混入しても動粘度が40mm/s以上に維持できる潤滑油であり、さらに酸化防止性を高めた長寿命油である。
塩基価のオイル交換基準は一般に0.5mgKOH/gとされており、図6によればA油では1000h程度になる。一方、B油では2000hまで使用可能と推定され、約2倍の寿命となる。
しかしながら、B油で844h使用すると、潤滑油の液位レベルが下限に達し、試験終了となった。B油で脂肪酸エステルを燃料とした場合もB油で軽油を燃料とした場合と同様に塩基価が減少する。しかし、844hでの塩基価は、5mgKOH/g程度であり、十分な塩基価を保持している。例えば、エンジンオイルに対し、30%までバイオ燃料の混入が許容される場合、油量の下限に至るまでの期間を30%延長できる。すなわち、844hから1000hまでは使用可能となる。具体的には、潤滑油量が少なくなったら、オイル中の燃料希釈率が30%以下の範囲で燃料タンク20内のバイオ燃料をオイルパン12に供給し、燃料希釈によってオイル油量を増加させる。
「バイオ燃料混合制御」
本実施形態においては、オイルパン12内の潤滑油の液位レベルを計測するレベルセンサ34を有しており、その検出結果はエンジン制御装置18に供給される。オイルパン12における液体レベルの上限、下限は予め定まっている。そこで、オイルパン12における液体レベルが下限またはそれより上の所定の低レベルに至った場合に、エンジン制御装置18が制御弁38を開き、バイオ燃料をオイルパン12内に導入し、液体レベルを上限または所定の高レベルにする。潤滑油14の総量は予め分かっており、30%の液量も分かる。そこで、バイオ燃料の供給量を計測し、これが30%に至った場合に、それ以上のバイオ燃料の供給は停止し、その状態で液体レベルが下限に至ったことで、潤滑油を新しいエンジンオイルに交換する。なお、新品のエンジンオイルを追加して、追加量の30%をさらに供給できるバイオ燃料の液量として設定してもよい。
このようにして、潤滑油量の減少をバイオ燃料の供給で補い、潤滑油交換、エンジンオイルの追加までの期間(エンジン運転期間)を延長することが可能になる。
ここで、エンジン10の運転により燃料の一部が潤滑油中に混入する。そこで、バイオ燃料を積極的に追加しない場合にも潤滑油が燃料によって希釈される。
そこで、粘度センサ28、燃料量センサ30によって、潤滑油中のバイオ燃料の混入量を計測し、これによってバイオ燃料の混入を制御することも好適である。また、これらセンサの計測値をレベルセンサ34による制御と組み合わせることも好適である。
「エンジン負荷変更による希釈」
図7に、エンジンの負荷と、バイオ燃料の混入量の関係を示す。エンジン負荷25kWと、2.3kWの2つの条件の運転において、バイオ燃料(脂肪酸エステル)の混入量は大きく異なり、負荷2.3kWでは、25kWの場合の約2倍のバイオ燃料がエンジンの運転に伴い潤滑油に混入する。従って、潤滑油14へのバイオ燃料の混入量を制御する方法として、エンジン10の負荷を変更する手法が利用できると判断される。
すなわち、潤滑油量が不足する場合に、低負荷運転を適宜行い、潤滑油中にバイオ燃料の燃料を混入させることが可能である。
「バイオ燃料」
バイオ燃料として、植物油をエステル化した脂肪酸エステルが多く利用される。この脂肪酸エステルは、例えば下記の表1のようなもので、各種の脂肪酸メチルエステルを含む。主な成分としては、オレイン酸メチル(C18:1)、リノレン酸メチル(C18:2)、リノール酸メチル(C18:3)、パルミチン酸メチル(C16:0)が挙げられる。なお、()内は炭素数:不飽和数である。
「脂肪酸メチルエステルの定量」
潤滑油への脂肪酸メチルエステルの混入量は、エステル(C=O)結合に由来する赤外スペクトルの波数1730cm−1のピーク強度(吸光度:Absorbance)を基に求めることができる。まず、潤滑油へ既知量の脂肪酸メチルエステルを混合した際のそのピーク強度から、ピーク強度−脂肪酸メチルエステル量の検量線を作成する。そして、実際に運転して脂肪酸メチルエステルが混入した使用油の赤外スペクトル(図8)における同ピーク強度から、脂肪酸メチルエステルの混入量を算出する。従って、バイオ燃料として脂肪酸メチルエステルを用いた場合、燃料量センサ30として、赤外線吸光度計を利用することができる。
〔実施形態の効果〕
エンジン10の運転に伴い減少する潤滑油14の不足分をバイオ燃料の補給で賄うことで、潤滑油量下限で使用限界となるメンテナンス間隔を延長することができる。燃料の混入で粘度は低下するため、粘度の比較的高いエンジンオイルを採用し、初期粘度を高く設定することで、エンジンオイルにバイオ燃料を30%混入した時においても軸受などの油膜確保に十分な粘度とできる。
また、バイオ燃料は油中のすす量も軽油の1/10程度と少なく、この面でも長期間使用に適している。
10 エンジン、2 オイルパン、14 潤滑油、16 インジェクタ、18 エンジン制御装置、20 燃料タンク、22 燃料パイプ、24 オイルポンプ、26 オイルパイプ、28 粘度センサ、30 燃料量センサ、32 油圧センサ、34 レベルセンサ、36 連通パイプ、38 制御弁。

Claims (5)

  1. エンジンと、
    バイオ燃料を貯留する燃料タンクと、
    燃料タンクからのバイオ燃料をエンジンの燃焼室に供給する燃料供給装置と、
    燃料タンクと、エンジンのオイルパンに供給する潤滑油希釈装置と、
    エンジンの運転の経過に伴う、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、潤滑油希釈装置によりバイオ燃料をオイルパンに供給する、エンジン制御装置と、
    を有する、
    エンジンシステム。
  2. 請求項1に記載のエンジンシステムであって、
    潤滑油希釈装置は、
    燃料タンクとオイルパンを接続する連通パイプと、
    連通パイプに設けられ、バイオ燃料の供給を制御する制御弁と、
    を含む、
    エンジンシステム。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンシステムであって、
    さらに、
    オイルパンにおける潤滑油の液位を検出するレベルセンサ、潤滑油の粘度を検出する粘度センサ、潤滑油への燃料混入量を検出する燃料量センサ、および潤滑油の循環系の油圧を検出する油圧センサのいずれか1つを含み、
    エンジン制御装置は、レベルセンサ、粘度センサ、燃料量センサおよび油圧センサのいずれか1つの検出値に基づいて潤滑油の不足を検出した場合にバイオ燃料をオイルパンに供給する、
    エンジンシステム。
  4. オイルパンに貯留する潤滑油を使用しながら、燃料タンクから供給されるバイオ燃料を燃焼室で燃焼させて運転されるエンジンについてのエンジン運転方法であって、
    エンジンの運転の経過に伴い、オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、燃料タンクのバイオ燃料をオイルパンに供給してオイルパンにおける潤滑油を補充する、
    エンジン運転方法。
  5. 請求項4に記載のエンジン運転方法であって、
    オイルパンに貯留されている潤滑油が不足する場合に、エンジンを低負荷運転とする、
    エンジン運転方法。
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