JP2018178348A - まつ毛エクステンション用固着処理剤及びまつ毛エクステンションの施術方法 - Google Patents
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Description
水に難溶であり、かつ、沸点が50〜100℃である有機溶剤に可溶な5〜50質量%のポリマーと、沸点が50〜100℃である有機溶剤と、を含むポリマー溶液であり、
前記ポリマーは、分子量が1,000〜500,000であり、1種以上からなるまつ毛エクステンション用固着処理剤。
少なくとも一つの下記一般式(4)で表される繰り返し単位及び少なくとも一つの下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体の、少なくとも一方である前記[1]〜[6]のいずれかに記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
また、前記一般式(3)中、R2は、水素原子またはメチル基であり、Aは、エーテル性酸素原子を含有してもよい炭素数2〜18の直鎖あるいは分岐アルキル基である。
また、前記一般式(5)中、R4は、水素原子またはメチル基であり、Bは、エーテル性酸素原子を含有してもよい炭素数2〜18の直鎖あるいは分岐アルキル基である。
前記一般式(4)で表される繰り返し単位及び前記一般式(5)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体は、全ての繰り返し単位の数に対する前記一般式(4)で表される繰り返し単位の数の比の値((一般式(4)で表される繰り返し単位の数)/(全ての繰り返し単位の数))が、0.05〜0.4である前記[7]に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
前記まつ毛エクステンション用固着処理剤が付着したエクステンション用まつ毛を、地まつ毛の表面上に配置し、前記エクステンション用まつ毛と前記地まつ毛とを固着させる固着ステップと、を有するまつ毛エクステンションの施術方法。
本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤の一の実施形態は、エクステンション用まつ毛を、地まつ毛に固着させるためのまつ毛エクステンション用固着処理剤であって、水に難溶であり、かつ、沸点が50〜100℃である有機溶剤に可溶な5〜50質量%のポリマーと沸点が50〜100℃である有機溶剤とを含む溶液であり、このポリマーは、分子量が1,000〜500,000であり、1種以上からなるものである。
ポリマーとしては、「沸点が50〜100℃である有機溶剤」に可溶であり、かつ、水に難溶であるものを用いる。そして、「沸点が50〜100℃である有機溶剤に可溶であり、かつ、水に難溶であるポリマー」としては、エクステンション用まつ毛を、地まつ毛に固着させることができる限り特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリレート重合体(特に、親水性(メタ)アクリロイル系モノマーを含有する(メタ)アクリレート重合体)、ポリビニルピリジン、脂肪族ナイロン樹脂、N−アルコキシメチル化ナイロン樹脂、脂肪族ウレタン樹脂及びブチラール化ポリビニルアルコール誘導体などを挙げることができる。これらの中でも、ポリマーとしては、(メタ)アクリレート重合体、ポリビニルピリジン、脂肪族ナイロン樹脂、N−アルコキシメチル化ナイロン樹脂、脂肪族ウレタン樹脂及びブチラール化ポリビニルアルコール誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を使用することができる。このようなポリマーを使用することで、固着処理剤が塊になったり、糸を引いたりし難くなり、取扱いが更に容易になる。
有機溶剤としては、沸点が50〜100℃であるものを用いる。この条件を満たすものの中でも、安全性を配慮した上で適宜選択して使用することができる。有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどを挙げることができる。これらの中でも、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、及び、酢酸メチル、酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも一種であることがよい。なお、これらの中でも、特に好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールである。これらを用いることにより、施術時における取扱性が非常に向上する。具体的には、人体への安全性が確保され、有機溶剤の臭気が低減され、かつ、エクステンション用まつ毛と地まつ毛を固着するための乾燥時間を適切に選択でき、従来のまつ毛エクステンションの施術時間に比べて施術時間を短縮することができる。
本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤は、ポリマー溶液に可塑剤を更に含むことが好ましい。ここで、エクステンション用まつ毛と地まつ毛とを固着する固着部分には、洗顔等の際に応力がかかるので、固着部分は適切な弾性率を有することが好ましい。そこで、可塑剤をポリマー溶液中に溶解することにより有機溶剤が揮発した固着部分に可塑剤が分散して存在するので、弾性率の最適化を図ることが可能となる。その結果、固着部分の破断強度(即ち、固着強度)を向上させることができる。
ポリマー溶液には、着色剤を含むことでもよい。このような着色剤を含むことにより、施術時において施術者がまつ毛エクステンション用固着処理剤の付着量を調整し易くなる。即ち、施術者は、容器に溜められたまつ毛エクステンション用固着処理剤にエクステンション用まつ毛の先端部(根元部分)を浸すことで固着処理剤を付着させることが多い。このとき、まつ毛エクステンション用固着処理剤が着色されていない場合、接着剤の付着量は極微量であるため、施術途中の短い時間で(即ち、一見しただけで)どの程度付着したかを確認することが難しいことがある。一方で、着色されていると、固着処理剤の付着量の判断がし易くなる。つまり、無色の接着剤溶液を着色することにより、施術者が目視により適量の接着剤を人工まつ毛(エクステンション用まつ毛)の末端に付着させることを容易にする。従って、着色剤を含むことにより、施術時間を短縮することができ、また、施術者の負担を軽減することができる。
ポリマー溶液は、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方を含むことがよい。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニアなどの金属酸化物からなる粒子を挙げることができる。これらの中でも、沈降シリカ、アエロジルなどのシリカ粒子、それらをシリル化剤で表面処理を施したシリカ粒子が好ましい。更に、シリカ粒子の中でも、アルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーン樹脂が好ましい。また、シリカ粒子が有機溶剤中に均一分散されたものであるオルガノシリカゾルを用いることができる。これらの粒子をポリマー溶液中に分散することにより、ポリマーと上記粒子との疎水性相互作用が生じ、本固着処理剤は、固着剤としての強度及び耐水性が向上する。そのため、日常生活においてエクステンション用まつ毛と地まつ毛との固着状態が良好に維持されることになる。また、ポリマー溶液に、上記粒子を添加することにより、施術に適した粘度の調整が可能である。なお、溶液中に無機粒子や有機粒子を分散させるためには、常法に従うことができる。この常法としては、例えば、超音波処理、ビーズミリング法、ペイントシェーカー法等を挙げることができる。
本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤には、上記成分以外に、その他の成分を更に含有してもよい。その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、香料などを挙げることができる。
本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤は、20℃における粘度が、50〜2100mPa・sであることがよく、100〜1700mPa・sであること更によく、140〜1500mPa・sであることが特によい。上記範囲内とすることにより、まつ毛エクステンションの施術をする際に接着剤が塊になったり、糸を引いたりすることを防止できる。つまり、上記範囲とすることにより、まつ毛エクステンションの施術の際には、1回の操作(1本の地まつ毛の1本のエクステンション用まつ毛を固着させる操作)において極微量の接着剤を素早く取り分けることができる。特に、施術に際しては、図1、図2に示すように、エクステンション用まつ毛30の根元部分を、溜められた接着剤10に浸すことで、接着剤10を付着させて取り分けることが多い。この場合に、適量(極微量)の接着剤が、糸を引くことなくエクステンション用まつ毛の所定の部分(根元部分)に簡単に付着することが重要である。エクステンション用まつ毛に上記粘度が下限値未満であると、粘度が低すぎるので、施術の際に接着剤が被施術者に垂れてしまうおそれがあるだけでなく、ポリマーの付着量が少なすぎるために十分な固着強度を確保することが困難となるおそれがある。上記粘度が上限値超であると、接着剤を付着させたときに糸を引いてしまったり、適切な量の接着剤を付着するのに従来に比べて時間が掛かったりするおそれがある。また、地まつ毛の表面上に配置したときに接着剤が乾燥するための時間が従来の場合に比べて長くなってしまうおそれがある。なお、まつ毛エクステンション用固着処理剤の粘度は、VISCOMETER TVC−7(東機産業株式会社製)により測定した値である。
本発明のまつ毛エクステンションの施術方法の一実施形態は、以下の通りである。即ち、本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤をエクステンション用まつ毛の根元部分に付着させる付着ステップと、まつ毛エクステンション用固着処理剤が付着したエクステンション用まつ毛を、地まつ毛の表面上に配置し、エクステンション用まつ毛と地まつ毛とを固着させる固着ステップと、を有する。
本ステップでは、本発明のまつ毛エクステンション用固着処理剤をエクステンション用まつ毛の根元部分に付着させる。
本ステップでは、まつ毛エクステンション用固着処理剤が付着したエクステンション用まつ毛を、地まつ毛上に配置し、エクステンション用まつ毛と地まつ毛とを固着させる。即ち、施術対象者の地まつ毛に、エクステンション用まつ毛の固着処理剤が付着した部分(根元部分)を重ねてその状態を維持すると、施術対象者の地まつ毛に、エクステンション用まつ毛が固着する。
以下に使用したポリマーを示す。
(1)プラスサイズL−53(アニオン性)
表示名称:(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー、互応化学工業株式会社製
(2)プラスサイズL−514(カチオン性)
表示名称:ポリクオタニウム−99、互応化学工業株式会社製
(3)ユカフォーマー104D(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(4)ユカフォーマー202(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(5)ユカフォーマーR−205S(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(6)ユカフォーマーFH(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(7)ユカフォーマーAMPHOSET(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(8)ダイヤフォーマーZ631(ベタイン性)
表示名称:(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、三菱化学株式会社製
(9)RAMレジン1000(ベタイン性)
表示名称:(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、大阪有機化学工業株式会社製
(10)RAMレジン2000(ベタイン性)
表示名称:(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、大阪有機化学工業株式会社製
(11)RAMレジン4000(ベタイン性)
表示名称:(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、大阪有機化学工業株式会社製
(12)AMPHOMER28−4910(カチオン性)
表示名称:(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、アグゾノーベル株式会社製
(13)AMPHOMER HC(アニオン性)
表示名称:(アクリレーツ/オクチルアクリルアミド)コポリマー、アグゾノーベル株式会社製
(14)アキュダイン1000
表示名称:(アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシアルキル)コポリマー、ダウ・ケミカル・カンパニー社製
(15)エスレックSV−06
名称:ポリビニルアセタール樹脂、積水化学工業株式会社製
(16)EM−220
名称:アルコール可溶変性ナイロン、株式会社鉛市製
(17)プラスサイズL−6330(アニオン性)
表示名称:(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP
メーカー名:互応化学工業株式会社
(18)プラスサイズL−6466(アニオン性)
表示名称:(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP、互応化学工業株式会社製
(19)プラスサイズL−6740B(アニオン性)
表示名称:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP、互応化学工業株式会社製
(20)ユカフォーマー301
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(21)ユカフォーマー510(ベタイン性)
表示名称:(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、三菱化学株式会社製
(22)ダイヤフォーマーZ632(ベタイン性)
表示名称:アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、三菱化学株式会社製
(23)ダイヤフォーマーZ651(ベタイン性)
表示名称:(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー、三菱化学株式会社製
(24)RAMレジン3000(ベタイン性)
表示名称:(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、大阪有機化学工業株式会社製
(25)H.C.ポリマー3M(カチオン性)
表示名称:ポリクオタニウム−11、大阪有機化学工業株式会社製
(26)PVA−6450(ノニオン性)
表示名称:(VP/VA)コポリマー、大阪有機化学工業株式会社製
エタノールは99.5質量%の健栄製薬株式会社製を用いた。シリカ粒子として、日本アエロジル株式会社製のR812(炭素含有率:2.0〜3.0%)、R812S(炭素含有率:3.0〜4.0%)を用いた。また、着色剤として大東化成工業株式会社製のカーボンブラックを用いた。なお、参考例1として、従来のまつ毛エクステンション用固着処理剤(シアノアクリル酸エチル)(表1,2中、「現行グルー」と記す)、及び、参考例2として、東亜合成株式会社製の接着剤(商品名「アロンアルファ」(登録商標)(シアノアクリレートモノマー))を用いた。
平滑なポリマーシート上にポリエチレン製ラップフィルムを凹凸ができないように張り付け、その上にポリマー溶液をアプリケ−ター塗布法により展開し、ついで、1日風乾させて乾燥シートを得た。このシートから縦3cm、横5cm、厚さ0.1mmの3枚のポリマーフィルムを切り出して試験片とした。この試験片を温度24℃、湿度50%の条件でその質量が一定になるまで風乾した後に、膜厚、試験片の横の長さ(L0)および質量(W0)を測定した。
優:水に対する溶解度が3%未満である。
良:水に対する溶解度が3%以上で5%未満である。
可:水に対する溶解度が5%以上で10%以下である。
不可:水に対する溶解度が10%超である。
水溶解度の評価と同様な手順で切り出した縦3cm、横5cm、厚さ0.1mmのポリマーフィルム片を作製し、このポリマーフィルム片を20℃の水道水(pH7.51)50mlに18時間浸漬した後にポリマーフィルム片を引き上げ、水気をペーパータオルで拭い取り、浸漬後の上記測定辺の長さ(L1)を測定した。浸漬前の一辺の長さ(L0)、浸漬後の一辺の長さ(L1)を用いて線膨張率を次式によって算出した。算出式は、線膨張率(%)=[(L1−L0)/L0]×100である。
優:水に対する線膨張率が40%未満である。
良:水に対する線膨張率が40%以上で70%未満である。
可:水に対する線膨張率が70%以上で100%以下である。
不可:水に対する線膨張率が100%超である。
ポリエステル製の人工まつ毛(太さ:0.3mm、長さ:13mm)の端部をまつ毛エクステンション用固着処理剤に浸して付着させた(図1、図2参照)。その後、ピンセットを用い、人毛(長さ10cm)1本の先端3mmに、上記処理剤が付着した人工まつ毛(1本)の端部を重ねて配置し、人毛に人工まつ毛を固着させた。その後、人工まつ毛の固着された人毛を24時間風乾して「試験用まつ毛」を得た。この試験用まつ毛の両端部(一端は人工まつ毛、他端は人毛)を両面テープとクリップで固定し、試験台60に吊り下げた。図3に示すように、人毛40が上方に位置し、人工まつ毛(エクステンション用まつ毛)30が下方に位置するように試験用まつ毛を配置し、固着状態を確認しながら人工まつ毛側の部分に1gの錘50を順次配置して試験用まつ毛に加重した。図3は、人工まつ毛と地まつ毛との固着強度を測定する状態を示す模式図である。なお、評価操作の都合上、地まつ毛の代わりに人毛を用いた。
「乾燥時の固着強度評価」で使用したポリマーのうちの複数のポリマーについて、耐水性の評価を以下のようにして行った。
優:非常に強い固着能力があり、50g以上の加重に耐える。
良:強い固着能力があり、30g以上で50g未満の加重に耐える。
可:固着可能で、10g以上で30g未満の加重に耐える。
不可:固着能力がない(10g未満の加重に耐える)。
固着処理剤の粘度は液温20℃で粘度測定器(VISCOMETER TVC−7、東機産業株式会社製)を用いて測定した。
表1に、まつ毛エクステンション用固着処理剤溶液の組成割合を示す。さらに表1には、「乾燥時での固着強度」を測定した結果を示す。なお、表1における各成分の「%」は、質量%を意味し、以下、表2〜表7における「%」も同じ意味を持つ。「乾燥時での固着強度」の結果は、ポリマーが有する固着強度を意味すると考えられる。
表2に示すポリマーのうち、水浸漬後も固着強度を維持するポリマーを任意に選択して、その2種以上を混合した溶液を調製し、まつ毛エクステンション用固着処理剤としての評価を行った。乾燥時の固着強度及び3分間水に浸漬処理した際の固着強度(表3中、「水浸漬後の固着強度」と記す)と、その評価結果を表3に示す。乾燥時固着強度の評価と3分間水浸漬後の固着強度の評価方法は、実施例1と同様である。以上の結果から、2種以上のポリマーからなるまつ毛エクステンション用固着処理剤を用いる場合にも、1種のポリマーを含むまつ毛エクステンション用固着処理剤と同程度の固着強度が発揮されることが分かる。
表4に示す組成となるように可塑剤を配合したまつ毛エクステンション用固着処理剤を調製した。固着処理剤を評価した結果を表4に示す。固着強度の評価実験の手順は、実施例1の場合と同様である。また、評価基準についても実施例1の場合と同様とした。
表5に示す組成となるように、疎水性シリカの配合量を変化させたまつ毛エクステンション用固着処理剤を調製した。なお、実施例27,29,32及び34には着色剤としてカーボンブラックを配合した。固着強度の評価実験の手順は、実施例1の場合と同様である。また、評価基準についても実施例1の場合と同様とした。固着強度の評価結果を表5に示すが、水浸漬後も大きな変化はないことが分かる。
表6に示す組成となるように、炭素含有率の異なる疎水性シリカ(商品名「R812S」および商品名「RY300」)をそれぞれ配合したまつ毛エクステンション用固着処理剤を調製した。表6に乾燥時での固着強度及び水浸漬後の固着強度の測定結果を示す。いずれのシリカ粒子を添加しても乾燥時での固着強度及び水浸漬後の固着強度は良好な値を示していた。なお、「RY300」は、日本アエロジル株式会社製のシリカ粒子「RY300」である。
表7に示す組成となるように、まつ毛エクステンション用固着処理剤を調製した。それぞれの粘度を測定した結果及びまつ毛エクステンションの施術をする上での使用感の評価結果を表7に示す。人工まつ毛を人毛に固着する際に適切な粘度の範囲が分かった。
「優」:人工まつ毛に「まつ毛エクステンション用固着処理剤」を付着させる際に、この固着処理剤が糸を引かないため、容易に固着処理剤を人工まつ毛に付着させることができ、短時間で固着処理を行うことができる。
「良」:人工まつ毛に「まつ毛エクステンション用固着処理剤」を付着させる際に、この固着処理剤が糸を引かないため、容易に固着処理剤を人工まつ毛に付着させることができ、やや短時間で固着処理を行うことができる。
「可」:人工まつ毛に「まつ毛エクステンション用固着処理剤」を付着させる際に、この固着処理剤が糸を引かず、許容可能な処理時間で固着処理を行うことができる。
「不可」:人工まつ毛に「まつ毛エクステンション用固着処理剤」を付着させることができないか、或いは、人工まつ毛に「まつ毛エクステンション用固着処理剤」を付着させた際にこの固着処理剤が糸を引き、且つ乾燥しにくい。
Claims (12)
- エクステンション用まつ毛を、地まつ毛に固着させるためのまつ毛エクステンション用固着処理剤であって、
水に難溶であり、かつ、沸点が50〜100℃である有機溶剤に可溶な5〜50質量%のポリマーと、沸点が50〜100℃である有機溶剤と、を含むポリマー溶液であり、
前記ポリマーは、分子量が1,000〜500,000であり、1種以上からなるまつ毛エクステンション用固着処理剤。 - 前記有機溶剤が、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、及び、酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマーは、水に対する溶解度が10%以下であるか、或いは、水に対する線膨張率が100%以下である請求項1または2に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマーは、水に対する溶解度が10%以下であり、且つ、水に対する線膨張率が100%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 20℃における粘度が、50〜2100mPa・sであり、地まつ毛に固着された状態の前記エクステンション用まつ毛の固着強度が、10g〜100kgである請求項1〜4のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマーが、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、または、ジアセトン(メタ)アクリルアミドを重合単位として含有する(メタ)アクリレート重合体、ポリビニルピリジン、脂肪族ナイロン樹脂、N−アルコキシメチル化ナイロン樹脂、脂肪族ウレタン樹脂、及び、ブチラール化ポリビニルアルコール誘導体からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマーが、少なくとも一つの下記一般式(2)で表される繰り返し単位及び少なくとも一つの下記一般式(3)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体、及び、
少なくとも一つの下記一般式(4)で表される繰り返し単位及び少なくとも一つの下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体の、少なくとも一方である請求項1〜6のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
また、前記一般式(3)中、R2は、水素原子またはメチル基であり、Aは、エーテル性酸素原子を含有してもよい炭素数2〜18の直鎖あるいは分岐アルキル基である。)
- 前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体は、全ての繰り返し単位の数に対する前記一般式(2)で表される繰り返し単位の数の比の値((一般式(2)で表される繰り返し単位の数)/(全ての繰り返し単位の数))が、0.1〜0.7であり、
前記一般式(4)で表される繰り返し単位及び前記一般式(5)で表される繰り返し単位を含有する(メタ)アクリレート重合体は、全ての繰り返し単位の数に対する前記一般式(4)で表される繰り返し単位の数の比の値((一般式(4)で表される繰り返し単位の数)/(全ての繰り返し単位の数))が、0.05〜0.4である請求項7に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。 - 前記ポリマー100質量部に対して、1〜35質量部の可塑剤を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマー溶液が、着色剤を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 前記ポリマー溶液が、無機粒子及び有機粒子の少なくとも一方を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のまつ毛エクステンション用固着処理剤をエクステンション用まつ毛の端部に付着させる付着ステップと、
前記まつ毛エクステンション用固着処理剤が付着したエクステンション用まつ毛を、地まつ毛の表面上に配置し、前記エクステンション用まつ毛と前記地まつ毛とを固着させる固着ステップと、を有するまつ毛エクステンションの施術方法。
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