JP2018178077A - 易洗浄の衛生材料および生活用品、ならびに微生物の除去方法 - Google Patents

易洗浄の衛生材料および生活用品、ならびに微生物の除去方法 Download PDF

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陽介 浅野
Yosuke Asano
陽介 浅野
橋本 俊哉
Toshiya Hashimoto
俊哉 橋本
康司 水田
Yasushi Mizuta
康司 水田
大西 司
Tsukasa Onishi
司 大西
敦徳 進藤
Atsunori Shindo
敦徳 進藤
高 三浦
Takashi Miura
高 三浦
敏浩 高井
Toshihiro Takai
敏浩 高井
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Abstract

【課題】微生物が付着しても水で容易にふき取ることができる衛生材料ないし生活用品を提供する。【解決手段】親水性を発現する化学構造として、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、シラノール基、水酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有し、水接触角が60°以下である親水性表面層を有する衛生材料ないし生活用品。【選択図】なし

Description

本発明は、菌の付着防止性、易ふき取り性に優れた衛生材料および生活用品、ならびに微生物の除去方法に関する。さらに詳しくは、親水性膜から成る表層を有する衛生材料および生活用品、ならびに微生物の除去方法に関する。
近年、消費者の清潔志向や衛生向上の観点から、生活環境中の微生物を減少させることが求められている。特に医療機関においては、感染防止の為に微生物を防止する必要があり、建屋内や病室の頻繁な清掃が必要とされている。
例えば、銀や亜鉛などを含有する抗菌性材料が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかし、銀や亜鉛などは、価格や生体毒性の点で課題を有している。
そこで、安価で多量に存在し、生体毒性の少ない酸化チタンを抗菌性材料として使用する試みが行われている(例えば、特許文献3参照)。しかし、光触媒は励起光として紫外線を必要とするため、太陽光照射が可能な屋外または窓周辺での利用に限られている。
上記のように、毒性の問題や使用場所の制限がなく、微生物を防止できるコーティングが求められていた。
特開2008−255101号公報 特開2011−42642号公報 特開2003−275601号公報
ところで、衛生材料ないし生活用品に付着した微生物を除去するには、酸、アルカリや界面活性剤等の洗浄剤、エタノールや次亜塩素酸ナトリウム等の消毒薬、プロテアーゼ等の分解酵素、スプレー、スクラバー等の物理的手段による表面洗浄方法が利用されている。
しかしながらこれらの手段は、コストや手間を有する、化学薬品は使用環境が限られるなどの問題をも有していた。有機系溶剤は引火性や繰り返し使用による使用者の手荒れ、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性といった問題も指摘される。すなわち、環境に対する負荷が低く簡便に微生物を除去する方法が求められている。
本発明は、微生物が付着したとしても水で容易にふき取ることができる衛生材料ないし生活用品、および前記微生物の除去方法を提供することを課題とする。
即ち本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を進めた結果、特定の水接触角を有する親水性表面層が好適であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水接触角が60°以下である親水性表面層を有する衛生材料ないし生活用品に関する。
前記衛生材料ないし生活用品は、日用品、家具、電気製品、敷物、寝具、建材、水回り品、医療・介護用品、衣類、履物および装身具から選ばれることが好ましい。
前記親水性表面層は、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、シラノール基、水酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。
前記親水性表面層は、スルホン酸基を有する高分子親水性膜であり、表面スルホン酸基濃度(Sa)と深部におけるスルホン酸基濃度(Da)の比(Sa/Da)が1.1以上であることが好ましい。
前記親水性表面層は、スルホン酸基と、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの官能基とを有する化合物(I)(ただし親水基が水酸基を有する基の場合は、重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基は1つである。)、重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を2つ以上有する化合物(II)(ただし、水酸基は有してもよいが、アニオン性親水基、およびカチオン性親水基はいずれも有さない。)を含む重合性組成物を重合することにより得られる架橋樹脂からなる単層膜であり、該単層膜のアニオン性親水基、カチオン性親水基、および水酸基から選ばれる少なくとも1つの親水基の表面濃度(Sa)と単層膜の膜厚1/2地点における親水基の深部濃度(Da)の親水基濃度の傾斜度(Sa/Da)が1.1以上であることが好ましい。
また本発明は、水接触角が60°以下である親水性表面層に付着した微生物を、水を用いて除去する方法に関する。
本発明の衛生材料ないし生活用品は、大腸菌やブドウ球菌などの微生物が付着したとしても容易にふき取ることができる。このため清掃の手間や頻度を軽減することができる。
本発明の衛生材料ないし生活用品は、水接触角が60°以下である親水性表面層を有する。前記親水性表面層の水接触角は60°以下であり、好ましくは50°以下、より好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下、とりわけ好ましくは10°以下である。
<水接触角の測定>
協和界面科学社製の水接触角測定装置CA−V型を用いて、1サンプルについて3箇所測定し、これら値の平均値を水接触角の値とする。
水接触角が上記数値以下の親水性表面層は、親水性が高く、微生物が付着したとしても容易にふき取ることができる。前記親水性表面層は、さらには水となじみ(濡れ)やすく親水性材料として優れるため、例えば、防曇性、防汚性、帯電防止性材、およびほこり付着性にも優れている。
本発明の衛生材料または生活用品としては、以下の用途を挙げることができる。
本発明の衛生材料または生活用品は、例えば、日用品、家具、電気製品、敷物、寝具、建材、水回り品、医療・介護用品、衣類、履物、装身具に用いられ得る。
具体例としては;
日用品:テーブルクロス、文具、玩具、洗面具、化粧道具、食器、コースター、飲料缶、飲料ボトル、
家具:テーブル、いす、家具外面、ベッド、
電気製品:モバイル端末外面、パソコン筐体、パソコン周辺機器、携帯電話(例:スマートフォン)、各種家電製品(例:加湿器、エアコン、洗濯機、掃除機)、
敷物、寝具:バスマット、キッチンマット、玄関マット、畳、絨毯、レジャーシート、布団、枕、
建材:床面、手摺、壁(例:内装用)、ドアノブ、化粧台、カウンター、窓ガラス、サッシ、公共交通機関の手摺、窓、
水回り品:浴室浴槽、浴室床、浴室鏡、浴室壁面、浴室天井、便座、便器、シンク、まな板、調理器具、洗面台、洗面台鏡、
医療・介護用品:医療介護施設(例:床、壁、手摺)、医療用ベッド、食事用トレイ、医療機器、杖、
衣類、履物:肌着、下着、シャツ、ジャンパー、セーター、靴下、帽子、マフラー、レインコート、靴、サンダル、長靴、
装身具:マスク、ハンカチ、傘、ゴーグル、眼鏡、ヘルメット、腕時計、懐中時計、アクセサリー、リュック、鞄、ポーチ、
その他:テント、自転車、自動車内装部品、ベビーカー
を挙げることができる。
本発明の衛生材料ないし生活用品において親水性表面層は、水接触角を低減する為に、親水性を発現する化学構造として、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、シラノール基、水酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。中でも、スルホン酸基を有することがより好ましい。
リン酸(エステル)基を有する親水性表面層としては、例えば、日油株式会社性「LIPIDURE」(登録商標)、または特開平07-010892号公報に記載のホスホリルコリン基を有する親水性ポリマーを用いることができる。
シラノール基を有する親水性表面層としては、例えば、シラノール基を有するくし型ポリマーである大阪有機化学工業株式会社の「LAMBIC」(登録商標)、または特開2011-219637号公報や特開2012-007053号公報に記載の、(メタ)アクリル酸塩単量体とアルコキシシラン単量体からなる親水性ポリマーを好適に用いることができる。
スルホン酸基を有する親水性表面層としては、例えば、スルホン酸基を有する高分子親水性膜であり、表面スルホン酸基濃度(Sa)と深部におけるスルホン酸基濃度(Da)の比(Sa/Da)が1.1以上である膜を挙げることができる。このようなスルホン酸基含有親水性膜としては、WO2007/064003国際公開パンフレットに記載の高分子膜を用いることができる。
スルホン酸基を有する親水性表面層としては、以下のものがさらに好ましい。
スルホン酸基と、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの官能基とを有する化合物(I)(ただし親水基が水酸基を有する基の場合は、重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基は1つである。)、
重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を2つ以上有する化合物(II)(ただし、水酸基は有してもよいが、アニオン性親水基、およびカチオン性親水基はいずれも有さない。)
を含む重合性組成物を重合することにより得られる架橋樹脂からなる親水膜、特に単層膜。
前記重合性組成物は、さらに、アニオン性親水基、カチオン性親水基、または2つ以上の水酸基を有する親水部、および有機残基からなる疎水部を有する界面活性剤(III)、ならびにシロキサン結合を有する分子量200〜1,000,000の化合物(IV)から選ばれる少なくとも1つの化合物(ただし、界面活性剤(III)および化合物(IV)は重合性炭素−炭素二重結合を有さない。)を含んでもよい。
前記単層膜のアニオン性親水基、カチオン性親水基、および水酸基から選ばれる少なくとも1つの親水基の表面濃度(Sa)と単層膜の膜厚1/2地点における親水基の深部濃度(Da)の親水基濃度の傾斜度(Sa/Da)が、1.1以上であることが好ましい。
前記単層膜のスルホン酸基の表面濃度(Sa)と単層膜の膜厚1/2地点におけるスルホン酸基の深部濃度(Da)のスルホン酸基濃度の傾斜度(Sa/Da)が、1.1以上であることがより好ましい。
このようなスルホン酸基含有親水性膜としては、例えば、WO2015/087810国際公開パンフレットに記載の高分子膜を用いることができる。
本発明はまた、水接触角が60°以下である親水性表面層に付着した微生物を、水を用いて除去する方法に関する。
例えば膜(MEMBRANE),Vol. 18 (2), 107-116 (1993)に記載のように、スルホン酸基を有する表面がタンパクを吸着させやすいことが知られている。吸着成分としてタンパクを使う細胞成分は吸着しやすいと予想されるところ、スルホン酸基等の親水基を有する表面は、意外なことに、むしろ微生物を容易に除去できることが見出された。
水を用いて除去する方法としては、
流水やスプレーで洗い流してもよいし、水を含むウェス・布類でふき取ってもよく;
水中に浸漬してもよく、さらに振とうや超音波洗浄などの操作を加えてもよい。
水には、洗浄効果を高めるために、界面活性剤や添加剤などを加えてもよい。
前記親水性表面層の水接触角は60°以下であり、好ましくは50°以下、より好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下、とりわけ好ましくは10°以下である。
水接触角が上記数値以下の表面層は、親水性が高く、水となじみ(濡れ)やすく親水性材料として優れる。そのため、大腸菌やブドウ球菌などの微生物が付着したとしても容易にふき取ることができる。このため清掃の手間や頻度を軽減することができる。
本発明における親水性表面層は、重合性組成物を基材または製品等に塗布して、熱、放射線等により重合することにより、形成することができる。
または、重合性組成物をフィルムやシート状の基材に塗布して、同様に親水性膜を形成し、得られた親水性膜を有するフィルム・シート状部材を、他の基材または製品等に貼り合わせてもよい。
上記基材としては、例えば、ガラス、シリカ、金属、金属酸化物等の無機材料からなる基材、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、紙、パルプ等の有機材料からなる基材、不飽和ポリエステル樹脂と炭酸カルシウムなどの充填材とガラス繊維などを複合したSMCおよびBMCなどの有機無機基材、金属、セラミックスなどの無機材料、有機材料、さらには有機無機複合材料からなる基材の表面に塗装が施された、塗料硬化物層を有する基材等が挙げられる。
基材としては、汚れふき取り性の観点から連続した平滑面を有する材質が好ましい。
また、これら基材表面は必要に応じて、基材表面を活性化することを目的に、コロナ処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等による酸化処理、火炎処理等の物理的または化学的処理を施すこともできる。またこれら処理に替えてあるいはこれら処理に加えてプライマー処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理を施してもよい。
上記プライマー処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理に用いるコート剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等の樹脂をビヒクルの主成分とするコート剤を用いることができる。上記コート剤としては、溶剤型コート剤、水性型コート剤のいずれであってもよい。
これらコート剤の中でも、変性ポリオレフィン系コート剤、エチルビニルアルコール系コート剤、ポリエチレンイミン系コート剤、ポリブタジエン系コート剤、ポリウレタン系コート剤;
ポリエステル系ポリウレタンエマルジョンコート剤、ポリ塩化ビニルエマルジョンコート剤、ウレタンアクリルエマルジョンコート剤、シリコンアクリルエマルジョンコート剤、酢酸ビニルアクリルエマルジョンコート剤、アクリルエマルジョンコート剤;
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスコート剤、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックスコート剤、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックスコート剤、クロロプレンラテックスコート剤、ポリブタジエンラテックスのゴム系ラテックスコート剤、ポリアクリル酸エステルラテックスコート剤、ポリ塩化ビニリデンラテックスコート剤、ポリブタジエンラテックスコート剤、あるいはこれらラテックスコート剤に含まれる樹脂のカルボン酸変性物ラテックスもしくはディスパージョンからなるコート剤が好ましい。
これらコ−ト剤は、例えば、グラビアコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、ナイフコ−ト法、キスコ−ト法などにより塗布することができ、基材への塗布量は、組成物に含まれる溶剤の除去した状態で、通常0.05g/m2〜10g/m2、好ましくは0.05g/m2〜5g/m2である。
これらコート剤の中では、ポリウレタン系コート剤がより好ましい。ポリウレタン系コート剤は、そのコート剤に含まれる樹脂の主鎖あるいは側鎖にウレタン結合を有するものである。ポリウレタン系コート剤は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、またはアクリルポリオールなどのポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリウレタンを含むコート剤である。
これらポリウレタン系コート剤の中でも、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなどのポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物とを混合して得られるポリウレタン系コート剤が、密着性に優れているため好ましい。
ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを混合する方法は、特に限定されない。また配合比も特に制限されないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良を引き起こす場合があるためポリオール化合物のOH基とイソシアネート化合物のNCO基が当量換算でOH基/NCO基=2/1〜1/40の範囲であることが好適である。
本発明における基材では、上記表面活性化処理された基材面を含んでもよい。
このようにして基材表面に前記親水性表面層(例:単層膜)を形成したものは、基材と親水性表面層(例:単層膜)とを含む積層体として用いることができる。例えば、上記単層膜が防曇被膜、防汚被膜、速乾性被膜または帯電防止被膜である場合には、防曇被膜、防汚被膜、速乾性被膜または帯電防止被膜で基材が被覆された積層体が得られる。
また、基材がフィルムの場合には、例えば、前記親水性表面層(例:単層膜)を形成しない面に、後述の粘着層を設けることもできるし、さらに粘着層の表面に剥離フィルムを設けることもできる。基材フィルムの他の片面に粘着層を積層しておくと、前記親水性表面層(例:単層膜)を有する積層フィルムを防曇フィルムおよび防汚フィルムとして、ガラス、浴室等の鏡、ディスプレイ、テレビ等の表示材料表面、看板、広告、案内板等の案内板、鉄道、道路等の標識、建物の外壁、窓ガラス等に容易に貼付できる。
粘着層に用いる粘着剤は特に制限はなく、公知の粘着剤を用いることができる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルエーテルポリマー系粘着剤、およびシリコーン粘着剤等が挙げられる。粘着層の厚さは通常2〜50μmの範囲、好ましくは5〜30μmの範囲である。
また、前記親水性表面層(例:単層膜)および前記表面層を積層した積層体では、親水性表面層(例:単層膜)の外気に接する表面を被覆材で被覆しておいてもよい。被覆材により被覆された前記表面層および前記表面層を有する積層体では、輸送、保管、陳列等する際に、親水性表面層が傷ついたり、汚れたりするのを防ぐことができる。
上記被覆材としては、放射線により重合して基材等の上に本発明の単層膜を形成させる際に塗膜に密着させていた前述の被覆材をそのまま上記被覆材として用いることもできる。
上記被覆材として好ましく用いられるフィルムの材質としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアセチルセルロース(TAC)、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系重合体、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が挙げられる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明において生菌数の測定は、下記のようにして行った。
<試験片の洗浄液の生菌数測定>
試験片の洗浄液の生菌数は、シスメックス・ビオメリュー社の自動生菌数測定装置テンポ、およびテンポ試薬としてテンポAC一般生菌計数キット(培地バイヤルと培地カード)を使用し、測定した。
培地バイヤルに、滅菌精製水3.9mlと洗浄液0.1mlを添加し、ボルテックスミキサーで混合した。この培地バイヤルと培地カードを充填ラックに立て、テンポフィラーにセットし、培地カードに培地を充填した。充填が終了した培地カードは読み取りラックにセットし、35℃の恒温器に入れた。22〜26時間培養後、読み取りラックをテンポリーダーにセットし、洗浄液1ml当たりの生菌数を測定した。
洗浄液は1回の洗浄に付き40ml回収できるので、40mlを乗じて洗浄液に含まれる生菌数を算出した。
<試験片の生菌数測定>
普通寒天培地(メルクミリポア社、Nutrient Agar)を耐熱ビンに調製した。滅菌後、50℃の温浴中に耐熱ビンを漬け、使用まで待機した。この普通寒天培地をプラスチックシャーレ(アズワン社、直径85mm)に10ml注ぎ、平板化した。
後述のように洗浄を行った試験片(70mm×20mm)の水分を切り、この標準寒天平板培地の中央に貼り付けた。50℃に保温した標準寒天培地を10ml重層し、平板化させ、35℃で培養した。46〜50時間培養後、増殖したコロニーを計数した。なお、コロニーが多すぎコロニーどうしが結合し、正確に計数できない場合は、おおよその数字を記載した。
[実施例1]
(親水膜)
WO2015/087810国際公開パンフレットに記載の実施例6Aに準じて(ただし固形分60質量%から40質量%に変更した)、コーティング用組成物Aを調製した。
易接着PETルミラーU403(膜厚100μm・東レ社)に、上記コーティング用組成物A(固形分40wt%)をバーコーター#06で塗布し、温風乾燥機に2分間入れて50〜60℃で組成物中に含まれる溶剤を除去した。
溶剤が十分に除去されたサンプルをUVコンベア内を一度通過させてUV照射(無電極Hバルブ 240W/cm2,出力100%、ランプ高さ40mm、コンベア速度8m/分。照度743mW/cm2,積算光量434mJ/cm2, Electronic Instrumentation & Technology, Inc.,のUV Power PuckIIにて測定)し、PET上に膜厚3μmの親水性表面を有する架橋樹脂からなる単層膜を形成させた。最後に、膜表面を流水洗浄し、エアガンで乾燥した後に、切断して得た試験片を評価用サンプルとした。
水接触角は5度であった。
(大腸菌の洗浄)
大腸菌NBRC3972株を普通寒天斜面培地(メルクミリポア社、Nutrient agar)で35℃、一晩培養した。増殖した菌体の一白金耳を採取し、普通ブイヨン培地(メルクミリポア社、Nutrient broth for microbiology)に懸濁し、105〜108cfu/mlになるように、菌液を調製した。この菌液の20mlを、試験片(70mm×20mm)を入れたプラスティックシャーレ(アズワン社、直径85mm)に添加し、35℃で1時間回転振とうし(タイテック社、バイオシェーカーBR-23FP、70rpm)、試験片に生菌を付着させた。
振とう後、生菌を付着させた試験片の水分を切り、50mlのプラスティックチューブ(Thermo社)に移し、滅菌済みペプトン加生理食塩水(メルクミリポア社、Maxinum Recovery Diluent for microbiology)を40ml添加し、チューブに蓋をした。チューブを横倒しし、35℃で5分間往復振とうすることで(タイテック社、バイオシェーカーBR-23FP、100rpm)、試験片の洗浄を行った。
洗浄した試験片の水分を切り、別のチューブに移すことで、洗浄液1を得た。
別のチューブには再度、滅菌済みペプトン加生理食塩水を40ml添加し、同様の洗浄操作により、洗浄液2を得た。
再度、同様に洗浄液3を得た。
上記記載の方法で、得られた洗浄液1、2、3の生菌数を測定した。また、3回洗浄後の試験片に残った生菌数を測定した。生菌数の測定結果を表1に示す。
なお、各表において「コートあり」は本実施例の結果を、「コートなし」は親水性表面を形成しない基材単体を用いた対照試験を意味する。
Figure 2018178077
[実施例2]
(大腸菌の洗浄)
大腸菌NBRC3972株を使用し、35℃で5時間振とうし(70rpm)、試験片に生菌を付着させた。それ以外は、実施例1と同様に実施した。
生菌数の測定結果を表2に示す。
Figure 2018178077
[実施例3]
(黄色ブドウ球菌の洗浄)
黄色ブドウ球菌NBRC12732株を使用した。それ以外は実施例2と同様に実施した。
生菌数の測定結果を表3に示す。
Figure 2018178077
本発明の衛生材料ないし生活用品は、大腸菌やブドウ球菌などの微生物が付着しても水で容易にふき取ることができる。このため清掃の手間や頻度を軽減することができる。したがって、前述した種々の用途に有用である。

Claims (6)

  1. 水接触角が60°以下である親水性表面層を有する衛生材料ないし生活用品。
  2. 日用品、家具、電気製品、敷物、寝具、建材、水回り品、医療・介護用品、衣類、履物および装身具から選ばれる請求項1に記載の衛生材料ないし生活用品。
  3. 前記親水性表面層が、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、シラノール基、水酸基およびこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する請求項1〜2のいずれかに記載の衛生材料ないし生活用品。
  4. 前記親水性表面層が、スルホン酸基を有する高分子親水性膜であり、表面スルホン酸基濃度(Sa)と深部におけるスルホン酸基濃度(Da)の比(Sa/Da)が1.1以上である請求項1〜3のいずれかに記載の衛生材料ないし生活用品。
  5. 前記親水性表面層が、
    スルホン酸基と、重合性炭素−炭素二重結合を有する少なくとも1つの官能基とを有する化合物(I)(ただし親水基が水酸基を有する基の場合は、重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基は1つである。)、
    重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を2つ以上有する化合物(II)(ただし、水酸基は有してもよいが、アニオン性親水基、およびカチオン性親水基はいずれも有さない。)、
    を含む重合性組成物を重合することにより得られる架橋樹脂からなる単層膜であり、
    該単層膜のアニオン性親水基、カチオン性親水基、および水酸基から選ばれる少なくとも1つの親水基の表面濃度(Sa)と単層膜の膜厚1/2地点における親水基の深部濃度(Da)の親水基濃度の傾斜度(Sa/Da)が1.1以上である
    請求項1〜3のいずれかに記載の衛生材料ないし生活用品。
  6. 水接触角が60°以下である親水性表面層に付着した微生物を、水を用いて除去する方法。
JP2018017338A 2017-04-06 2018-02-02 易洗浄の衛生材料および生活用品、ならびに微生物の除去方法 Pending JP2018178077A (ja)

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