JP2018177487A - 糸巻取機 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能な糸巻取機を提供する。
【解決手段】自動ワインダ1は、糸Yを供給する給糸装置12、及び、給糸装置12から供給された糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置14を有する糸巻取ユニット3と、巻取装置14により巻き取られる糸Yの目標品質の設定を受け付ける表示操作部5aと、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】自動ワインダ1は、糸Yを供給する給糸装置12、及び、給糸装置12から供給された糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置14を有する糸巻取ユニット3と、巻取装置14により巻き取られる糸Yの目標品質の設定を受け付ける表示操作部5aと、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、糸巻取機に関する。
糸を供給する給糸装置、給糸装置から供給される糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置、及び、巻取装置により巻き取られる糸の状態を検出する糸監視装置を有する糸巻取ユニットと、糸巻取ユニットの動作を制御する制御装置と、を備える糸巻取機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上述したような糸巻取機では、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが求められる。
そこで、本発明は、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能な糸巻取機を提供することを目的とする。
本発明の糸巻取機は、糸を供給する給糸装置、及び、給糸装置から供給された糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置を有する糸巻取ユニットと、巻取装置により巻き取られる糸の目標品質の設定を受け付ける受付部と、を備える。
この糸巻取機では、巻取装置により巻き取られる糸の目標品質の設定を受け付ける受付部を備えるので、ユーザーが受付部を介して所望の目標品質を設定することで、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、糸巻取ユニットの動作を制御する制御装置を更に備え、制御装置は、巻取装置により巻き取られる糸の糸品質が受付部で受け付けた目標品質となるように糸巻取ユニットの動作を制御してもよい。これにより、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを確実に得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、糸巻取ユニットは、巻取装置により巻き取られる糸の状態を検出する糸監視装置を更に有し、制御装置は、糸監視装置により検出された糸の状態に関する情報を糸監視装置から取得し、糸監視装置により検出された糸の状態に関する情報に基づく糸品質が、目標品質となるように糸巻取ユニットの動作を制御してもよい。これにより、糸監視装置が有する情報を利用して、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、糸監視装置は、巻取装置により巻き取られる糸の糸欠陥を検出し、制御装置は、糸品質が目標品質を満たすように、糸監視装置による糸欠陥検出の判断に係る閾値を変更してもよい。これにより、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを一層確実に得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、制御装置は、糸品質が目標品質を満たすように、巻取装置が糸を巻き取る巻取速度、及び巻取装置により巻き取られる糸のテンションの少なくとも一方を制御してもよい。これにより、糸品質に与える影響が大きい糸巻取ユニットの動作を変更して、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを確実に得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、糸品質は、糸の糸欠陥、糸の毛羽、及び糸の太さのむらの少なくとも何れかであってもよい。また、このとき、制御装置は、糸欠陥の個数、毛羽の量、及び太さのむらの程度の少なくとも何れかが目標品質として設定されると、設定された目標品質を満たすように糸巻取ユニットの動作を制御してもよい。これにより、所望の糸欠陥の個数、毛羽の量又は太さのむらの程度を有するパッケージを得ることが可能となる。
本発明の糸巻取機では、糸巻取ユニットは、複数種の運転モードを有し、複数種の運転モードのそれぞれに目標品質が設定されていてもよい。これにより、糸巻取ユニットの運転モードを設定することで、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを簡易に得ることが可能となる。また、このとき、運転モードには、糸品質を重視する品質重視モードと、生産性を重視する生産性重視モードとが少なくとも含まれ、品質重視モードに設定された目標品質は、生産性重視モードに設定された目標品質よりも高くてもよい。また、品質重視モードと生産性重視モードのそれぞれには、巻取装置が糸を巻き取る巻取速度が設定されており、生産性重視モードに設定された巻取速度は、品質重視モードに設定された巻取速度よりも速くてもよい。
本発明によれば、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、自動ワインダ(糸巻取機)1は、並んで配置された複数の糸巻取ユニット3と、機台制御装置(制御装置)5と、玉揚装置7と、を備えている。
機台制御装置5は、糸巻取ユニット3のそれぞれと通信可能である。自動ワインダ1のオペレータは、機台制御装置5を適宜操作することにより、複数の糸巻取ユニット3を一括して管理することができる。機台制御装置5には、表示操作部(受付部)5aが設けられている。表示操作部5aは、各種条件の入力受付や各種情報の表示を行う。表示操作部5aは、例えば、液晶ディスプレイであり、タッチパネルとしての操作画面を表示する。後述するように、オペレータは、表示操作部5aを介して糸巻取ユニット3の運転条件を入力する。
糸巻取ユニット3は、給糸ボビンSBから糸Yを解舒し、綾振りしながら巻取ボビンWBに巻き取る。これにより、糸巻取ユニット3は、パッケージPを形成する。玉揚装置7は、一の糸巻取ユニット3においてパッケージPが満巻(規定量の糸が巻き取られた状態)となった場合に、当該糸巻取ユニット3の位置まで走行し、満巻のパッケージPを取り外すと共に、空の巻取ボビンWBをセットする。
図2に示されるように、糸巻取ユニット3は、ユニット制御部(制御装置)10と、給糸装置12と、巻取装置14と、を備えている。ユニット制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、を備えている。ROMには、糸巻取ユニット3の各構成を制御するためのプログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行する。ユニット制御部10は、糸巻取ユニット3の各部と通信可能に接続されており、各部の動作を制御する。
給糸装置12は、図略の搬送トレイに載せられた給糸ボビンSBを所定の位置で支持する支持機構である。給糸装置12により支持された給糸ボビンSBから糸Yが解舒され、引き出される。これにより、給糸装置12は、糸Yを供給する。なお、給糸装置12は、搬送トレイ式に限られず、例えばマガジン式であってもよい。
巻取装置14は、クレードル16と、巻取ドラム18と、を備えている。クレードル16は、図略の一対の回転支持部を有している。クレードル16は、回転支持部で巻取ボビンWBを挟み込むことにより、巻取ボビンWB(又はパッケージP)を回転可能に支持している。クレードル16は、支持しているパッケージPを巻取ドラム18に接触させる状態と、パッケージPを巻取ドラム18から離間させた状態と、に切替可能である。
巻取ドラム18は、パッケージPの表面で糸Yをトラバースさせると共に、パッケージPを回転させる。巻取ドラム18は、図略のドラム駆動モータによって回転駆動される。巻取ドラム18は、パッケージPの外周が接触した状態で回転駆動することにより、パッケージPを従動回転させる。また、巻取ドラム18の外周面には、螺旋状の綾振溝が形成されている。給糸ボビンSBから解舒された糸Yは、綾振溝によって一定の幅でトラバースされながらパッケージPの表面に巻き取られる。これにより、一定の巻幅を有するパッケージPを形成することができる。なお、巻取装置14の構成はこれに限らない。例えば、巻取ドラム18に綾振溝を形成せず、別に設けたトラバース部材(例えば、アーム、ベルト、又は羽根)によって糸Yをトラバースさせる構成であってもよい。また、パッケージPを従動回転ではなく直接回転駆動する構成であってもよい。
各糸巻取ユニット3は、給糸装置12と巻取装置14との間の糸走行経路中に、給糸装置12側から順に、解舒補助装置20と、テンション付与装置22と、テンション検出装置24と、糸継装置26と、糸監視装置28と、を備えている。糸継装置26の近傍には、第1捕捉案内装置30と、第2捕捉案内装置32と、が配置されている。
解舒補助装置20は、給糸ボビンSBからの糸の解舒を補助する規制部材21を備えている。なお、解舒補助装置20は、規制部材21を備えていなくてもよい。
テンション付与装置22は、走行する糸Yに所定のテンションを付与する。本実施形態では、テンション付与装置22は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯が配置されたゲート式である。なお、テンション付与装置22の構成はゲート式に限られず、例えばディスク式等のその他の方式のテンション付与装置であってもよい。
テンション検出装置24は、給糸装置12と巻取装置14との間において、走行する糸Yのテンションを検出する。
糸継装置26は、給糸装置12と巻取装置14との間で糸Yが何らかの理由により分断状態となったときに、給糸装置12側の糸Y(下糸)と、巻取装置14側の糸Y(上糸)と、を糸継ぎする。糸継装置26は、例えば、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置として構成されている。なお、糸継装置26の構成はこれに限られず、ディスク式のスプライサ又はノッターであってもよい。
糸監視装置28は、巻取装置14により巻き取られる糸Yの状態を監視(検出)する。糸監視装置28は、糸Yの糸品質として、糸Yの糸欠陥、糸Yの毛羽、及び糸Yの太さのむらの少なくとも何れかに関する情報を取得する。糸監視装置28は、糸Yの糸欠陥として、例えば、糸Yの太さの異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。更に、糸監視装置28は、糸切れ、すなわち糸Yの糸道における糸Yの有無等も検出する。糸監視装置28は、糸Yの糸道上にスリットを有し、スリットを通過する糸Yを図略のセンサで監視する。糸監視装置28には、糸Yを切断するためのカッタ(図示省略)が設けられている。糸監視装置28は、糸Yの糸欠陥を検出した場合、カッタを作動させる。なお、カッタは、糸監視装置28以外の場所に設けられていてもよい。また、糸監視装置28に備えるセンサとしては、光学式、静電容量式、摩擦電気式、又はその他の様式を採用することができる。
第1捕捉案内装置30は、糸Yが分断状態となったときに上糸を捕捉する。第1捕捉案内装置30は、ユニット制御部10の制御により、給糸装置12側の待機位置(図2の実線)から巻取装置14側の捕捉位置(図2の鎖線)まで旋回可能(移動可能)である。第1捕捉案内装置30は、図略の負圧源に接続されており、吸引流を発生させる。この構成により、上糸吸引捕捉部33は、捕捉位置で上糸を捕捉して、待機位置まで戻ることで糸継装置26に上糸を案内する。なお、第1捕捉案内装置30の構成はこれに限定されない。
第2捕捉案内装置32は、第2捕捉案内装置32は、ユニット制御部10の制御により、給糸装置12側の待機位置(図2の実線)から巻取装置14側の捕捉位置(図2の鎖線)まで旋回可能(移動可能)である。第2捕捉案内装置32は、図略の負圧源に接続されており、吸引流を発生させる。この構成により、第2捕捉案内装置32は、下糸を捕捉して糸継装置26に案内する。なお、第2捕捉案内装置32の構成はこれに限定されない。
以上により、糸巻取ユニット3は、巻取ボビンWBに糸Yを巻き付けてパッケージPを形成する。糸継装置26における糸継動作の際には、巻取装置14側の糸Yが第1捕捉案内装置30により捕捉されると共に、給糸装置12側の糸Yが第2捕捉案内装置32により捕捉される。第1捕捉案内装置30及び第2捕捉案内装置32により捕捉された糸Yは、糸継装置26に案内される。このとき、糸Yは、糸監視装置28のスリットに位置する。糸継装置26は、導入された糸Yの糸継を行う。
続いて、ユニット制御部10の動作について更に説明する。ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの状態と、糸巻取ユニット3の運転条件とに基づいて、巻取装置14により巻き取られる糸Yの糸品質が目標品質を満たすように(目標品質となるように)糸巻取ユニット3の動作を制御する。各糸巻取ユニット3の運転条件は、表示操作部5aを介して機台制御装置5に入力される。この入力を受け付けると、機台制御装置5は、各糸巻取ユニット3のユニット制御部10に、入力された運転条件での運転を指示する。
表示操作部5aには、図3に示されるような運転条件の設定画面41が表示される。設定画面41上には、ロット1、ロット2、ロット3、ロット4、…の複数のロットが表示されている。ロットは、糸巻取ユニット3の運転条件として設定される複数の設定項目のセット(塊)である。設定画面41上において既存の複数のロットの何れかが選択されることにより、又は新規のロットが作成されることにより、糸巻取ユニット3の運転条件が設定される。
各ロットは、設定項目として、糸Yの番手種類、番手及び糸種、パッケージPの重さ及び定長、給糸ボビンSBの種別及び長さ等を含んでいる。また、各ロットは、設定項目の1つとして、運転モードを更に含んでいる。運転モードとしては、品質重視モード、バランスモード、生産性重視モード及びマニュアルモードが用意されている。そして、各ロットには、品質重視モード、バランスモード、生産性重視モード及びマニュアルモードの複数の運転モードの何れかが割り当てられている。これら運転モードのそれぞれには、目標品質が設定されている。オペレータは、設定画面41上に表示された各ロットの運転モードの枠内をタッチする(押下する)ことにより、各ロットで使用する運転モードを選択することができる。
品質重視モード、バランスモード及び生産性重視モードは、糸品質と生産性の何れを重視するかに応じて設定されたモードである。品質重視モードは、生産性よりも糸品質を重視して運転するモードである。生産性重視モードは、糸品質よりも生産性を重視して運転するモードである。バランスモードは、糸品質と生産性の何れかに偏ることなく運転するモードである。マニュアルモードは、オペレータによって設定された巻取速度で運転するモードである。
品質重視モード、バランスモード及び生産性重視モードの間において、品質重視モードの目標品質が最も高く、バランスモードの目標品質が次に高く、生産性重視モードの目標品質が最も低い。目標品質は、例えば、所定の幅をもった目標範囲であるが、目標数値であってもよい。
また、品質重視モード、バランスモード及び生産性重視モードの間において、生産性重視モードの巻取速度が最も速く、バランスモードの巻取速度が次に速く、品質重視モードの巻取速度が最も遅い。
詳細には、オペレータが設定画面41上の各ロットの運転モードの枠内をタッチする(押下する)と、表示操作部5aに、図4に示されるような運転モードの選択画面43が表示される。選択画面43上には、品質重視モード、バランスモード、生産性重視モード及びマニュアルモードのそれぞれに対応するボタン44〜47が表示されている。オペレータは、ボタン44〜47の枠内をタッチすることにより、糸巻取ユニット3の運転モードを選択する(切り替える)ことができる。図3及び図4の例では、ロット1の運転モードとして選択された品質重視モードが着色して表示されている。
任意の運転モードが選択された任意のロットが運転条件として設定されると、ユニット制御部10は、巻取装置14により巻き取られる糸Yの糸品質が当該運転モードに応じた目標品質を満たすように、糸巻取ユニット3の動作を制御する。
より詳細には、ユニット制御部10は、巻取装置14により巻き取られる糸Yの糸品質が運転モードに応じた目標品質を満たすように、巻取装置14が糸Yを巻き取る巻取速度を制御する。ユニット制御部10は、巻取ドラム18を駆動するドラム駆動モータの回転速度を制御することにより、巻取速度を制御する。ここで、巻取速度を低下させると、例えば糸Yの毛羽が少なくなることがある。すなわち、巻取速度を低下させると、糸Yの糸品質が高くなる場合がある。ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質を満たしている場合、巻取速度を維持させる。一方、ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質よりも低い場合、巻取速度を低下させる。また、ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質よりも高い場合、巻取速度を増加させる。これにより、糸Yの糸品質が目標品質を満たしている場合には巻取速度が維持される一方、糸Yの糸品質が目標範囲から外れている場合には糸Yの糸品質が目標品質に近づくように巻取速度が変化させられるため、糸Yの糸品質が運転モードに応じた目標品質を満たすこととなる。
更に、ユニット制御部10は、巻取装置14により巻き取られる糸Yの糸品質が運転モードに応じた目標品質を満たすように、糸Yのテンションを制御する。ユニット制御部10は、テンション検出装置24により検出された糸Yのテンションに基づいてテンション付与装置22の動作を制御することにより、糸Yのテンションを変化させる。ここで、糸Yのテンションを弱めると、例えば糸Yの毛羽が少なくなることがある。すなわち、糸Yのテンションを弱めると、糸Yの糸品質が高くなる場合がある。ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質を満たしている場合、糸Yのテンションを維持させる。一方、ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質よりも低い場合、糸Yのテンションを弱める。また、ユニット制御部10は、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質が目標品質よりも高い場合、糸Yのテンションを強める。これによっても、糸Yの糸品質が目標品質を満たしている場合には糸Yのテンションが維持される一方、糸Yの糸品質が目標範囲から外れている場合には糸Yの糸品質が目標品質に近づくように糸Yのテンションが変化させられるため、糸Yの糸品質が運転モードに応じた目標品質を満たすこととなる。
一方、選択画面43において運転モードとしてマニュアルモードが選択された場合には、表示操作部5aの入力画面において、オペレータが任意の巻取速度の目標値(図4では、1500m/min)を入力する。この場合、ユニット制御部10は、巻取速度が当該目標値となるように巻取速度を制御する。したがって、マニュアルモードでは、巻取速度は、オペレータが設定した任意の目標値となり、糸Yの糸品質は、当該目標値に対応した品質となる。なお、上述した各制御は、ユニット制御部10ではなく、機台制御装置5によって実行されてもよいし、或いは、ユニット制御部10と機台制御装置5とが連携(役割分担)することによって実行されてもよい。
以上説明したように、自動ワインダ1では、巻取装置14により巻き取られる糸Yの目標品質の設定を受け付ける表示操作部5aを備えるので、ユーザーが表示操作部5aを介して所望の目標品質を設定することで、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージPを得ることが可能となっている。
また、自動ワインダ1では、ユニット制御部10が、巻取装置14により巻き取られる糸Yの糸品質が表示操作部5aで受け付けた目標品質となるように糸巻取ユニット3の動作を制御する。これにより、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを確実に得ることが可能となっている。
また、自動ワインダ1では、ユニット制御部10が、糸監視装置28により検出された糸Yの状態に関する情報を糸監視装置28から取得し、糸監視装置28により検出された糸Yの状態に関する情報に基づく糸品質が、目標品質となるように糸巻取ユニット3の動作を制御する。これにより、糸監視装置28が有する情報を利用して、所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージを得ることが可能となっている。
また、自動ワインダ1では、ユニット制御部10が、糸品質が目標品質を満たすように、巻取装置14が糸Yを巻き取る巻取速度、及び巻取装置14により巻き取られる糸Yのテンションを制御する。これにより、糸品質に与える影響が大きい糸巻取ユニット3の動作を変更して、所望の目標品質を満たすパッケージPを確実に得ることが可能となっている。
また、自動ワインダ1では、糸品質が、糸Yの糸欠陥、糸Yの毛羽、及び糸Yの太さのむらである。これにより、所望の糸欠陥の個数、毛羽の量、及び太さのむらの程度を有するパッケージPを確実に得ることが可能となっている。
また、自動ワインダ1では、糸巻取ユニット3が複数種の運転モードを有し、運転モードのそれぞれに目標品質が設定されている。これにより、運転モードを選択するだけで所望の目標品質を満たす糸品質のパッケージPを簡易に得ることが可能となっている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、ユニット制御部10が、糸Yの糸品質が目標品質を満たすように巻取速度及びテンションを制御したが、これに加えて、ユニット制御部10は、糸Yの糸品質が目標品質を満たすように、糸監視装置28による糸欠陥検出の判断に係る閾値を変更してもよい。糸欠陥検出の判断に係る閾値は、例えば、クリアリングリミットである。クリアリングリミットは、糸欠陥の長さ及び太さのそれぞれを座標軸とする二次元フィールドに、糸欠陥を除去するか否かの境界線を有して構成される。ユニット制御部10は、例えば、糸監視装置28により検出された糸Yの糸品質に応じて、糸監視装置28に上記境界線を変更させる。この場合、糸巻取ユニット3の運転条件に応じた糸品質のパッケージPを一層確実に得ることが可能となる。
また、上記実施形態では、ユニット制御部10が、糸Yの巻取速度及びテンションの双方を制御したが、糸Yの巻取速度及びテンションのいずれか一方のみを制御してもよい。また、上記実施形態では、糸品質が、糸Yの毛羽及び太さのむらの双方であったが、糸Yの毛羽及び太さのむらの一方であってもよい。
また、上記実施形態では、4種の運転モードが用意されたが、用意される運転モードはこれに限らない。例えば、バランスモード及び/又はマニュアルモードがなく、品質重視モードと生産性重視モードが少なくとも用意されていてもよい。このとき、品質重視モードに設定された目標品質は、生産性重視モードに設定された目標品質よりも高いと好ましい。また、生産性重視モードに設定された巻取速度は、品質重視モードに設定された巻取速度よりも速いと好ましい。
さらに、上記実施形態では、複数種の運転モードを予め用意し、用意された運転モードの中から任意の1つを選択することにより、運転モードの応じた目標品質が設定されたが、糸巻取ユニット3は、必ずしも複数種の運転モードを有しなくてもよい。この場合、例えば、オペレータが設定画面41上において任意の糸Yの糸品質の目標値・目標グレードを目標品質として入力(設定)してもよい。目標値としては、例えば所定長(例えば100km)当たりの糸欠陥の個数、糸の毛羽の量、又は糸の太さむらの程度を入力するようにしてもよい。また、目標グレードとしては、例えば公知の糸品質のレベルを入力するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、糸巻取ユニット3は、給糸ボビンSBから糸Yを解舒してパッケージPを形成する構成であったが、パッケージPから糸Yを解舒してパッケージPを形成する構成であってもよい。すなわち、糸巻取ユニット3は、巻量が規定量に満たない複数のパッケージPから満巻のパッケージPを作成する構成であってもよい。あるいは、満巻のパッケージP(染色されたパッケージP)からパッケージPへと巻き返す構成であってもよい。このとき、給糸装置12はパッケージPを所定の位置で支持する支持機構であって、パッケージPから糸Yを供給するようになっているとよい。すなわち、給糸装置12は、給糸ボビン又は給糸パッケージのような、糸が巻かれた糸巻取体から糸を供給するようになっているとよい。
上記実施形態及び変形例では、糸監視装置28により検出された糸Yの状態に基づく糸品質が設定された目標品質になるように、糸巻取ユニット3の動作(例えば、糸Yの巻取速度及びテンションの少なくともいずれか一方)を制御した。すなわち、現在の糸Yの状態に基づいてフィードバック制御(例えば、巻取速度及びテンションの少なくともいずれか一方の増減)を行った。しかしながら、フィードバック制御ではなく、単に、巻取装置14により巻き取られる糸Yの目標品質を設定し、設定された目標品質を満たすように糸巻取ユニット3の動作を制御させるだけの制御(フィードバック無しの制御)であってもよい。
具体的には、フィードバック無しの制御として、例えば、品質重視モードが設定されれば、糸巻取ユニットは標準よりも遅い巻取速度になるように制御され、生産性重視モードが設定されれば、糸巻取ユニットは標準よりも速い巻取速度になるように制御されるようにしてもよい。
なお、目標品質の設定は、上記実施形態のように、機台制御装置5に設けられた表示操作部5aで受け付けてもよいし、或いは、機台制御装置5以外の場所に設けられた受付部で受け付けてもよい。受付部の構成は、前述のようにタッチパネルであってもよいが、これに限定されず、例えば、キーボード、入力キー又は押しボタンであってもよい。また、糸巻取機が携帯端末又はその他の外部装置と通信可能になっている場合、受付部は、外部装置等からの入力情報(信号)を受け付ける入力部(受信部)であってもよい。
1…自動ワインダ(糸巻取機)、3…糸巻取ユニット、10…ユニット制御部(制御装置)、12…給糸装置、14…巻取装置、28…糸監視装置、P…パッケージ、Y…糸。
Claims (10)
- 糸を供給する給糸装置、及び、前記給糸装置から供給された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置を有する糸巻取ユニットと、
前記巻取装置により巻き取られる前記糸の目標品質の設定を受け付ける受付部と、を備える、糸巻取機。 - 前記糸巻取ユニットの動作を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記巻取装置により巻き取られる前記糸の糸品質が前記受付部で受け付けた前記目標品質となるように前記糸巻取ユニットの動作を制御する、請求項1に記載の糸巻取機。 - 前記糸巻取ユニットは、前記巻取装置により巻き取られる前記糸の状態を検出する糸監視装置を更に有し、
前記制御装置は、
前記糸監視装置により検出された前記糸の状態に関する情報を前記糸監視装置から取得し、
前記糸監視装置により検出された前記糸の状態に関する情報に基づく前記糸品質が、前記目標品質となるように前記糸巻取ユニットの動作を制御する、請求項2に記載の糸巻取機。 - 前記糸監視装置は、前記巻取装置により巻き取られる前記糸の糸欠陥を検出し、
前記制御装置は、前記糸品質が前記目標品質を満たすように、前記糸監視装置による糸欠陥検出の判断に係る閾値を変更する、請求項3に記載の糸巻取機。 - 前記制御装置は、前記糸品質が前記目標品質を満たすように、前記巻取装置が前記糸を巻き取る巻取速度、及び前記巻取装置により巻き取られる前記糸のテンションの少なくとも一方を制御する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の糸巻取機。
- 前記糸品質は、前記糸の糸欠陥、前記糸の毛羽、及び前記糸の太さのむらの少なくとも何れかである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の糸巻取機。
- 前記制御装置は、前記糸欠陥の個数、前記毛羽の量、及び前記太さのむらの程度の少なくとも何れかが前記目標品質として設定されると、設定された前記目標品質を満たすように前記糸巻取ユニットの動作を制御する、請求項6に記載の糸巻取機。
- 前記糸巻取ユニットは、複数種の運転モードを有し、
複数種の前記運転モードのそれぞれには、前記目標品質が設定されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の糸巻取機。 - 前記運転モードには、
糸品質を重視する品質重視モードと、生産性を重視する生産性重視モードとが少なくとも含まれ、
前記品質重視モードに設定された前記目標品質は、前記生産性重視モードに設定された前記目標品質よりも高い、請求項8に記載の糸巻取機。 - 前記品質重視モードと前記生産性重視モードのそれぞれには、前記巻取装置が前記糸を巻き取る巻取速度が設定されており、
前記生産性重視モードに設定された前記巻取速度は、前記品質重視モードに設定された前記巻取速度よりも速い、請求項9に記載の糸巻取機。
Priority Applications (4)
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