JP2018176559A - 脆性材料分断装置及び脆性材料分断方法 - Google Patents

脆性材料分断装置及び脆性材料分断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水平分断線の真直度、及び、エッジ角度の直角度の両方が高くなるように脆性材料を分断可能な脆性材料分断装置を提供する。
【解決手段】分断装置1は、溝形成装置3と、加熱押圧部材13と、を備える。溝形成装置3は、ガラス板100の第1面100aの一端部から他端部までスクライブ溝100cを形成する。加熱押圧部材13は、少なくともスクライブ溝100cが形成された部分において、第1面100aの温度を、第1面100aの反対側の面である第2面100bの温度よりも低くすることで、第1面100aに引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力によりガラス板100を分断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として、脆性材料を分断する脆性材料分断装置に関する。
近年、ガラス等の脆性材料を分断する方法として、機械的な分断に代えて、熱応力を用いた方法が提案されている。特許文献1は、この種の技術を開示する。
特許文献1は、疵形成手段と、加熱装置と、分断部材と、押え部材と、を備える分断装置を開示する。疵形成手段は、ガラスの第1主面に起点疵を形成する。起点疵は、ガラスの分断計画線上の端部に形成され、具体的には、一部に1〜2mm程度の刻み線又は点状の疵である。加熱装置は、分断部材を加熱する。分断部材は、ガラスの第2主面(具体的には分断計画線の反対側の面)を加熱することで、第1主面の分断計画線の近傍に引張応力を発生させる。また、分断部材はガラスを加熱するとともに曲げ力をガラスに加える。具体的には、ガラスの第1主面には、分断部材を挟むように2つの押え部材が配置されており、ガラスを押えている。この状態で、分断部材がガラスの第2主面を第1主面側に押圧することで、ガラスに曲げ力が加わり、第1主面に引張応力が生じる。加熱及び曲げにより生じた引張応力により、起点疵からクラックが進行し、ガラスが分断される。
特許第5750202号公報
ここで、ガラスの分断面を厚み方向から見たときの輪郭を水平分断線と称し、分断面と主面がなす角度をエッジ角度と称する(図5)。特許文献1の分断装置は、エッジ角度の直角度は高いが、水平分断線が僅かに蛇行することがある。水平分断線はガラスの品質を示す1つの指標であるため、真直度が高いことが好ましい。この課題は、ガラスだけでなく、脆性材料に共通のものである。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、水平分断線の真直度、及び、エッジ角度の直角度の両方が高くなるように脆性材料を分断可能な脆性材料分断装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の脆性材料分断装置が提供される。即ち、この脆性材料分断装置は、溝形成装置と、熱応力発生装置と、を備える。前記溝形成装置は、板状の脆性材料の第1面の一端部から他端部までスクライブ溝を形成する。前記熱応力発生装置は、少なくとも前記スクライブ溝が形成された部分において、前記第1面の温度を、前記第1面の反対側の面である第2面の温度よりも低くすることで、前記第1面に引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力により前記脆性材料を分断する。
本発明の第2の観点によれば、以下の脆性材料分断方法が提供される。即ち、この脆性材料分断方法は、溝形成工程と、分断工程と、を含む。前記溝形成工程では、板状の脆性材料の第1面の一端部から他端部までスクライブ溝を形成する。前記分断工程では、少なくとも前記スクライブ溝が形成された部分において、前記第1面の温度を、前記第1面の反対側の面である第2面の温度よりも低くすることで、前記第1面に引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力により前記脆性材料を分断する。
これにより、脆性材料はスクライブ溝に沿って分断するため、水平分断線の真直度を高くすることができる。更に、主として熱応力により脆性材料を分断しているため、エッジ角度の直角度を高くすることができる。従って、水平分断線の真直度及びエッジ角度の直角度の両方が高い高品質な分断面を有する脆性材料を作成できる。
本発明によれば、水平分断線の真直度、及び、エッジ角度の直角度の両方が高くなるように脆性材料を分断可能な脆性材料分断装置を提供できる。
第1実施形態に係る分断装置の斜視図。 スクライブ溝を形成する工程を示す斜視図。 スクライブ溝の形成後のガラス板及び分断装置を溝形成方向で見た側面図。 加熱押圧部材をガラス板に押し付けて熱応力及び曲げ応力を発生させる様子を示す側面図。 本実施形態の分断方法と特許文献1の分断方法とを比較する図。 第2実施形態に係る分断装置の側面図。 第3実施形態に係る分断装置の斜視図。
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、図1から図3を参照して、第1実施形態の分断装置1の構成を説明する。図1は、分断装置1の斜視図である。図2は、スクライブ溝100cを形成する工程を示す斜視図である。図3は、スクライブ溝100cの形成後のガラス板100及び分断装置1の拡大断面図である。
分断装置1は、脆性材料の一例としてのガラス板100を分断する装置である。ガラス板100の用途は限定されないが、ガラス板100は例えばディスプレイに使用されるガラスである。
分断装置1は、ガラス板100を搬送可能に構成されており、ガラス板100を所定の位置で停止させた状態で分断する。本実施形態では、分断装置1は、ガラス板100を水平方向に搬送するが、それ以外の方向(例えば鉛直方向)に搬送する構成であっても良い。また、本実施形態では、分断装置1は、ガラス板100を厚み方向に垂直な方向に搬送するが、それ以外の方向に搬送する構成であっても良い。また、分断装置1は、ガラス板100を搬送する機能を有していなくても良い。この場合、分断装置1は、手動又は別の装置から供給されたガラス板100を分断する。
図1に示すように、分断装置(脆性材料分断装置)1は、搬送装置2と、溝形成装置3と、曲げ加工装置4と、を備える。また、これらの装置は、図略の制御装置によって動作タイミング等が制御されている。
搬送装置2は、載置されたガラス板100を所定の方向に搬送する。以下、ガラス板100の搬送方向を単に「搬送方向」と称することがある。搬送装置2は、ガラス板100を搬送方向に搬送可能であるとともに、所定の位置で停止可能である。また、搬送装置2には、後述の曲げ加工装置4を配置するための隙間2aが形成されている。搬送装置2は、ガラス板100を搬送するとともに、分断を行う箇所が隙間2aの上に位置するようにガラス板100を停止させる。
本実施形態の搬送装置2は、ベルトコンベアであるが、ローラコンベアであっても良いし、ガラス板100の下方から気体を噴射して浮かせた状態で搬送する構成であっても良い。
溝形成装置3は、搬送装置2の隙間2aが形成された箇所であって、搬送装置2とガラス板100を挟んで反対側に配置されている。溝形成装置3は、一例として、ダイヤモンド又は超硬合金のチップを有するカッタである。溝形成装置3は、搬送装置2がガラス板100を停止させた後に、図2に示すように、ガラス板100の一側の面にスクライブ溝100cを形成する。以下では、スクライブ溝100cを形成する面を第1面100aと称し、その反対側の面を第2面100bと称する。スクライブ溝100cは、ガラス板100の厚さによっても異なるが、例えば10μm〜100μmの深さを有している。また、スクライブ溝100cは、ガラス板100の一端部から他端部まで形成されている。なお、一端部及び他端部とは、ガラス板100の完全な端だけでなく、端の近傍を含む概念である。
本実施形態では、スクライブ溝100cを形成する方向は、搬送方向とは垂直な方向であるが、それ以外の方向(例えば搬送方向と同じ方向)であっても良い。また、本実施形態では、第1面100aは、鉛直方向上側を向く面であるが、鉛直方向下側を向く面であっても良い(この場合、溝形成装置3はガラス板100の下方に配置される)。また、ガラス板100の搬送時の向きによっては、第1面100aは、鉛直方向以外の方向(例えば水平方向)を向く面であっても良い。なお、溝形成装置3は、カッタに限られず、例えばレーザ装置であっても良い。
曲げ加工装置4は、ガラス板100を曲げることにより、ガラス板100の内部に応力を発生させる。曲げ加工装置4は、図1及び図3等に示すように、上流押え部材11と、下流押え部材12と、加熱押圧部材(熱応力発生装置、加熱部)13と、駆動部14と、を備える。
上流押え部材11は、搬送装置2の隙間2aよりも上流側において、ガラス板100を挟んで搬送装置2の反対側に配置されている。一方、下流押え部材12は、搬送装置2の隙間2aよりも下流側において、ガラス板100を挟んで搬送装置2の反対側に配置されている。上流押え部材11及び下流押え部材12は、ゴム製又は樹脂製の軟らかい三角柱状の棒状の部材又は金属製の部材である。上流押え部材11及び下流押え部材12は、長手方向が溝形成方向に一致するように配置されている。上流押え部材11及び下流押え部材12は、図略の駆動部により下方に移動可能に構成されており、ガラス板100の第1面100aを搬送装置2側に押圧可能である。
加熱押圧部材13は、搬送装置2の隙間2aに配置されている。言い換えれば、加熱押圧部材13は、ガラス板100の第2面100b側(ガラス板100を挟んで溝形成装置3の反対側)に配置されている。更に詳細には、加熱押圧部材13は、第2面100bのうち、スクライブ溝100cに対応する部分(即ちスクライブ溝100cの下方)に配置されている。加熱押圧部材13は、円柱状の棒状の部材である。加熱押圧部材13は、長手方向が溝形成方向に一致するように配置されている。加熱押圧部材13の長手方向の長さは、ガラス板100の溝形成方向の長さよりも長い。加熱押圧部材13には、長手方向の一側から他側にわたって加熱装置が埋め込まれている。加熱装置の構成は任意であるが、例えばシーズヒータ、セラミックヒータ、高温気体の吐出装置、及びガラスに吸収される波長帯のレーザ等である。
上流押え部材11及び下流押え部材12は三角柱状に限られず他の形状(例えば円柱状)であっても良い。同様に、加熱押圧部材13は円柱状に限られず他の形状(例えば三角柱状)であっても良い。
駆動部14は、エアシリンダ又はソレノイド等のリニアアクチュエータである。駆動部14は、加熱押圧部材13に連結されている。駆動部14は、加熱押圧部材13をガラス板100の第2面100bに近づける方向(上方向)に移動させることができる。これにより、ガラス板100に曲げ力を与えることができる。また、駆動部14は、加熱押圧部材13の下方に複数設けられており、それぞれが同期して駆動することで、加熱押圧部材13の押上げ力(ひいてはガラス板100に及ぼす押圧力)を長手方向で均一にすることができる。
このように、本実施形態では、加熱押圧部材13はガラス板100を加熱する加熱装置として機能するとともに、ガラス板100に曲げ力を与える曲げ加工装置4の一部としても機能する。この構成により、分断装置1の部品点数を少なくすることができる。なお、この構成に代えて、分断装置1は、加熱装置と、曲げ加工装置と、を個別に備える構成であっても良い。
次に、分断装置1を用いてガラス板100を分断する方法(脆性材料分断方法)の流れ、及びその原理について説明する。
搬送装置2は、ガラス板100を搬送するとともに、ガラス板100の分断予定箇所(分断計画線)が隙間2aの上方に位置した状態でガラス板100を停止させる。なお、加熱押圧部材13の加熱装置に予熱が必要な場合は、予め行っているものとする。
次に、分断装置1は、図2に示すように溝形成装置3を動作させて、ガラス板100の第1面100aの一端部から他端部までスクライブ溝100cを形成する(溝形成工程)。
次に、分断装置1は、上流押え部材11及び下流押え部材12を下方に移動させ、ガラス板100を押え付ける。なお、上流押え部材11及び下流押え部材12を動作せるタイミングは、溝形成工程の前であっても良い。
次に、分断装置1は、駆動部14を駆動させて加熱押圧部材13を上方に移動させてガラス板100の近傍で停止させる(熱応力発生工程)。これにより、加熱押圧部材13は、第2面100bのうちスクライブ溝100cに対応する部分を加熱する。その結果、ガラス板100の第2面100bが熱膨張して第2面100bに圧縮熱応力が発生し、それに伴って第1面100a(具体的にはスクライブ溝100cの近傍)に引張熱応力が発生する。引張熱応力の方向は、搬送方向と同じ方向(即ち、第1面100aにおいて溝形成方向に垂直な方向)である。加熱押圧部材13の長手方向の長さはガラス板100の溝形成方向の長さよりも長いため、溝形成方向の一端部から他端部まで同様の引張熱応力が発生する。この引張熱応力は、スクライブ溝100cを広げる方向に生じる。
次に、分断装置1は、駆動部14を駆動して加熱押圧部材13を更に上方に移動させる。これにより、加熱押圧部材13は、第2面100bのうちスクライブ溝100cに対応する部分に接触して上方に押し上げる。一方で、加熱押圧部材13を挟んで搬送方向の上流側及び下流側には、それぞれ上流押え部材11及び下流押え部材12が配置されている。この構成により、ガラス板100に曲げ力を与えることができる。具体的には、ガラス板100の第2面100b同士を近づける方向(第2面100bが曲げの内側となる方向)にガラス板100は曲げられる。これにより、図4に示すように、第1面100aのスクライブ溝100cが形成されている部分に引張応力を発生させることができる。この引張応力の位置及び方向は、上記の引張熱応力と同じである。本実施形態では、この曲げ加工による引張応力と、加熱による引張熱応力と、の両方が作用することで、ガラス板100がスクライブ溝100cに沿って分断される(分断工程)。また、予めガラス板100にスクライブ溝100cが形成されているので、条件によっては加熱による引張応力だけで十分な分断力が得られ、曲げを加えなくても良い場合もある。
機械的な作用による引張応力と、引張熱応力と、の2種類の引張応力が同時に生じるのであれば、加熱押圧部材13のガラス板100への近づけ方は適宜変更できる。例えば、本実施形態ではガラス板100を加熱するために加熱押圧部材13をガラス板100の近傍でいったん停止させるが、これに代えて、いったん停止させることなく加熱押圧部材13をガラス板100に押し付けても良い。ただし、この場合は、ガラス板100を加熱する時間を確保するために加熱押圧部材13を低速で移動させることが好ましい。なお、加熱押圧部材13をガラス板100に近づけた状態が長時間続くと、第1面100aまで十分に熱が伝わってしまい、引張熱応力が殆ど発生しなくなるため、それを考慮した速度及び停止時間を設定する必要がある。
次に、図5を参照して、特許文献1と比較した本実施形態の分断方法の利点について説明する。図5は、本実施形態の分断方法と特許文献1の分断方法とを比較する図である。
図5に示すように、ガラス板100の分断面を厚み方向から見たときの輪郭を水平分断線と称する。ガラス板100は、水平分断線の真直度が高い方が品質(価値)が高い。また、図5に示すように、分断面と第1面(主面)がなす角度をエッジ角度と称する。ガラス板100は、エッジ角度の直角度が高い方が品質(価値)が高い。
図5に示すように、本実施形態及び特許文献1のように、熱応力を用いてガラス板を分断する場合、エッジ角度の直角度は高くなる。しかし、特許文献1のようにスクライブ溝を形成せずに分断を行う場合、クラックが直線状に進行するとは限らないため、水平分断線に最大数mmオーダーの蛇行が生じることが確認されている。これに対し、本実施形態のようにスクライブ溝を形成して分断を行うことで、スクライブ溝に沿って分断が生じる。従って、スクライブ溝を精度良く形成することで、水平分断線の真直度を高くすることができる。このように、本実施形態の分断方法を用いることにより、水平分断線の真直度が高く、エッジ角度の直角度が高い分断面を有するように、ガラス板100を分断できる。
次に、図6を参照して、第2実施形態を説明する。図6は、第2実施形態に係る分断装置1の拡大断面図である。なお、以後の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第1実施形態では、ガラス板100の第2面100bを加熱することで、第1面100aと第2面100bに温度差を発生させ(第1面100aの温度を第2面100bの温度よりも低くし)、第1面100aに引張熱応力を生じさせたが、第2実施形態では、第2面100bを加熱するとともに、更に第1面100aを冷却することで、より大きな温度差及び引張熱応力を発生させる。
具体的には、第2実施形態の分断装置1には、ガラス板100を挟んで加熱押圧部材13の反対側に、冷却部(熱応力発生装置)21と、駆動部22と、が配置されている。冷却部21は、加熱押圧部材13と同様に、円柱状の棒状の部材であり、長手方向が溝形成方向に一致するように配置されている。また、冷却部21の長手方向の長さは、ガラス板100の溝形成方向の長さよりも長い。また、冷却部21は、低温の気体を吐出する構成、水蒸気又はアルコールミストを噴射して気化熱により冷却する構成、又は、液体窒素や冷媒等により冷却部21自体が低温となる構成等である。なお、冷却部21は、円柱状に限られず他の形状(例えば三角柱状)であっても良い。
駆動部22は、加熱押圧部材13に対する駆動部14と同様の構成及び配置である。駆動部22は、冷却部21をガラス板100の第1面100aに近づける方向に移動させることができる。なお、冷却部21は第1面100aの冷却が目的であり、曲げ加工が目的ではないため、駆動部22は、冷却部21を第1面100aに接触させる必要はない。
第2実施形態においてガラス板100の分断を行う場合、分断装置1は、駆動部14を駆動させて加熱押圧部材13を第2面100bの近傍に位置させるとともに、駆動部22を駆動させて冷却部21を第1面100aの近傍に位置させる。冷却部21により、第1面100aのうちスクライブ溝100cが形成された部分が冷却されて熱収縮するため、この部分に引張熱応力が発生する。従って、加熱押圧部材13に加え冷却部21を備えることで、引張熱応力を大きくすることができるので、ガラス板100に与える曲げ力を小さくしつつガラス板100を分断することができる。つまり、第2実施形態の分断装置1は、2つの熱応力発生装置を備える構成である。
また、冷却部21は単独でも第1面100aに引張熱応力を発生させることができるので、加熱押圧部材13から、第2面100bを加熱する機能を省くこともできる。この場合、加熱押圧部材13は、単なる押圧用の部材として機能する。
次に、図7を参照して第3実施形態を説明する。図7は、第3実施形態に係る分断装置の斜視図である。
第1実施形態では、ガラス板100に曲げ力を与えることで機械的な引張応力を発生させるが、第3実施形態では、ガラス板100を搬送方向の両側から引張ることで、ガラス板100に機械的な引張応力を発生させる。従って、第3実施形態では、加熱押圧部材13に代えて加熱部13aが設けられている。加熱部13aは加熱押圧部材13と構成は同じであるが、加熱部13aは第2面100bを押圧しない点において異なる。
具体的には、第3実施形態の分断装置1は、引張装置31を備える。引張装置31は、溝形成方向に並べて配置される搬送装置2同士の間であって、ガラス板100の搬送方向の上流側の端部と下流側の端部にそれぞれ配置されている。引張装置31は、ガラス板100を把持するとともに、搬送方向上流側の引張装置31は搬送方向上流側へ、搬送方向下流側の引張装置31は搬送方向下流側へガラス板100を引張る。これにより、ガラス板100に機械的な引張応力を発生させる。引張装置31は、引張熱応力が生じているタイミングで引張動作を行ってガラス板100に引張力を与える。これにより、引張装置31による引張応力と、加熱による引張熱応力と、の両方が作用することで、ガラス板100がスクライブ溝100cに沿って分断される。
また、本発明ではスクライブ溝100cが形成されており、引張熱応力はスクライブ溝100cを広げる方向に生じる。従って、本実施形態の方法では、特許文献1と異なり、条件によっては(例えばガラス板100の厚みが薄い等)、上述のように、ガラス板100に機械的な引張応力を発生させる装置(例えば、曲げ加工装置4又は引張装置31)を用いることなく、ガラス板100を分断することもできる。なお、「機械的な引張応力を発生させる装置」とは、ガラス板100に機械的な引張応力を発生させることを目的とする装置を指す。従って、例えばガラス板100の保持装置又は搬送装置が、ガラス板100の自重等により僅かな引張応力を発生させている場合であっても、この保持装置又は搬送装置は「機械的な引張応力を発生させる装置」に該当しない。
以上に説明したように、第1から第3実施形態の分断装置1は、溝形成装置3と、熱応力発生装置(加熱押圧部材13、冷却部21のうち少なくとも一方)と、を備える。溝形成装置3は、ガラス板100の第1面100aの一端部から他端部までスクライブ溝100cを形成する。熱応力発生装置は、少なくともスクライブ溝100cが形成された部分において、第1面100aの温度を、第1面100aの反対側の面である第2面100bの温度よりも低くすることで、第1面100aに引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力によりガラス板100を分断する。
これにより、ガラス板100はスクライブ溝100cに沿って分断するため、水平分断線の真直度を高くすることができる。更に、主として熱応力によりガラス板100を分断しているため、エッジ角度の直角度を高くすることができる。従って、水平分断線の真直度及びエッジ角度の直角度の両方が高い高品質な分断面を有するガラス板100を作成できる。
また、第1から第3実施形態の分断装置1において、熱応力発生装置は、第2面100bのうち、スクライブ溝100cが形成された部分に対応する部分を少なくとも加熱する加熱押圧部材13を含んでいる。
これにより、第2面100bが熱膨張するため圧縮熱応力が発生し、それに伴って、第1面100aのうちスクライブ溝100cの反対側に引張熱応力が発生するため、ガラス板100を分断できる。
また、第2実施形態の分断装置1において、熱応力発生装置は、第1面100aのうち、スクライブ溝100cが形成された部分を少なくとも冷却する冷却部21を含んでいる。
これにより、第1面100aのうちスクライブ溝100cが形成された部分が熱収縮するための引張熱応力が発生するため、ガラス板100を分断できる。
また、第1及び第2実施形態の分断装置1は、第1面100aのうち、スクライブ溝100cが形成された部分に当該スクライブ溝100cが形成された方向と垂直な方向に引張応力が生じるように、第2面100b同士を近づける方向にガラス板100を曲げる曲げ加工装置4を備える。分断装置1は、熱応力発生装置が発生させた引張熱応力と、曲げ加工装置4が発生させた引張応力と、の両方によりガラス板100を分断する。
これに対し、第3実施形態の分断装置1は、スクライブ溝100cが形成された方向及び厚み方向の両方に垂直な方向にガラス板100を引張る引張装置31を備える。分断装置1は、熱応力発生装置が発生させた引張熱応力と、引張装置31が発生させた引張応力と、の両方によりガラス板100を分断する。
以上の構成により、引張熱応力だけでは分断が困難な場合(例えば厚みが大きいガラス板等)であっても、水平分断線の真直度及びエッジ角度の直角度の品質を維持しつつ分断を行うことができる。
なお、上記実施形態の分断装置1は、ガラス板100に機械的な引張応力を発生させる装置(曲げ加工装置4及び引張装置31等)を用いることなく、熱応力発生装置が発生させた引張熱応力によりガラス板100を分断することが可能である。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、ガラス板100の分断箇所の上流側と下流側の両方が搬送装置2によって支持されている状態でガラス板100の分断を行う構成であるが、ガラス板100の分断箇所の上流側と下流側の一方のみが搬送装置2によって支持されている状態でガラス板100の分断を行う構成であっても良い。
また、上記実施形態では、ガラス板100を停止させた状態で、溝形成工程及び分断工程を連続して行う。これに代えて、溝形成工程を行った後に、搬送装置2がガラス板100を下流側に搬送して再び停止させて分断工程を行うこともできる。この場合、溝形成装置3と加熱押圧部材13は物理的に離れた位置に配置されるが、この構成においても両者を合わせた装置が分断装置1に相当するものとする。また、この構成において、スクライブ溝100cが形成された位置に的確に熱応力を発生させるために、搬送装置2は、スクライブ溝100cの位置と、加熱押圧部材13(及び/又は冷却部21)の位置と、を一致させるようにガラス板100を停止させる必要がある。そのため、分断装置1は、スクライブ溝100cの位置を推定可能又は検出可能に構成されている。例えば、ガラス板100の下流側の端部からスクライブ溝100cの位置までの長さは予め決まっているため、ガラス板100の下流側の端部の位置を光センサ又は接触センサ等で検出することで、スクライブ溝100cの位置を推定できる。あるいは、スクライブ溝100cが形成されている位置は、他の位置と比較して光の反射/透過の態様が異なるため、光センサを用いてスクライブ溝100cの位置を直接検出することもできる。
上記実施形態で記載した特徴は適宜組み合わせることができる。例えば、曲げ加工装置4に代えて引張装置31を用いる構成(第3実施形態)において、加熱部13aに代えて又は加えて冷却部21を設けることができる。
上記実施形態の分断装置1は、ガラス板100を分断する装置であるが、脆性材料であればガラス以外の素材の板を分断するために用いることもできる。
1 分断装置(脆性材料分断装置)
2 搬送装置
3 溝形成装置
4 曲げ加工装置
11 上流押え部材
12 下流押え部材
13 加熱押圧部材(熱応力発生装置、加熱部)
14 駆動部
21 冷却部(熱応力発生装置、冷却部)
22 駆動部
31 引張装置

Claims (9)

  1. 板状の脆性材料の第1面の一端部から他端部までスクライブ溝を形成する溝形成装置と、
    少なくとも前記スクライブ溝が形成された部分において、前記第1面の温度を、前記第1面の反対側の面である第2面の温度よりも低くすることで、前記第1面に引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力により前記脆性材料を分断する熱応力発生装置と、
    を備えることを特徴とする脆性材料分断装置。
  2. 請求項1に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記熱応力発生装置は、前記第2面のうち、前記スクライブ溝が形成された部分に対応する部分を少なくとも加熱する加熱部を含んでいることを特徴とする脆性材料分断装置。
  3. 請求項1又は2に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記熱応力発生装置は、前記第1面のうち、前記スクライブ溝が形成された部分を少なくとも冷却する冷却部を含んでいることを特徴とする脆性材料分断装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記第1面のうち、前記スクライブ溝が形成された部分に当該スクライブ溝が形成された方向と垂直な方向に引張応力が生じるように、前記第2面同士を近づける方向に前記脆性材料を曲げる曲げ加工装置を備え、
    前記熱応力発生装置が発生させた引張熱応力と、前記曲げ加工装置が発生させた引張応力と、の両方により前記脆性材料を分断することを特徴とする脆性材料分断装置。
  5. 請求項1から3までの何れか一項に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記スクライブ溝が形成された方向及び厚み方向の両方に垂直な方向に前記脆性材料を引張る引張装置を備え、
    前記熱応力発生装置が発生させた引張熱応力と、前記引張装置が発生させた引張応力と、を重畳させて前記脆性材料を分断することを特徴とする脆性材料分断装置。
  6. 請求項1から3までの何れか一項に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記脆性材料に機械的な引張応力を発生させる装置を用いることなく、前記熱応力発生装置が発生させた引張熱応力により前記脆性材料を分断することを特徴とする脆性材料分断装置。
  7. 請求項1から6までの何れか一項に記載の脆性材料分断装置であって、
    前記脆性材料を搬送する搬送装置を備え、
    前記搬送装置は、前記溝形成装置によって前記スクライブ溝が形成された前記脆性材料を前記熱応力発生装置に向けて搬送し、前記脆性材料の前記スクライブ溝の位置と、前記熱応力発生装置のうち引張熱応力を発生させる部分の位置と、を一致させるように前記脆性材料を停止させることを特徴とする脆性材料分断装置。
  8. 板状の脆性材料の第1面の一端部から他端部までスクライブ溝を形成する溝形成工程と、
    少なくとも前記スクライブ溝が形成された部分において、前記第1面の温度を、前記第1面の反対側の面である第2面の温度よりも低くすることで、前記第1面に引張熱応力を生じさせ、当該引張熱応力により前記脆性材料を分断する分断工程と、
    を含むことを特徴とする脆性材料分断方法。
  9. 請求項8に記載の脆性材料分断方法であって、
    前記分断工程では、前記脆性材料に曲げ力又は引張力を与えることで前記スクライブ溝が形成された部分に発生させた引張応力と、前記引張熱応力と、の両方により前記脆性材料を分断することを特徴とする脆性材料分断方法。
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