JP2018176480A - 立体物造形方法 - Google Patents

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Masashi Kuwabara
正史 桑原
山▲崎▼ 郷志
Satoshi Yamazaki
郷志 山▲崎▼
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Abstract

【課題】複数種類のインクの吐出により形成された複数種類のドットの硬化状況の均等化を図る。【解決手段】吐出された後に紫外線の照射を受けて固化して立体的なドットとなるインクを積み重ねることで立体物造形を行なうに当たり、インクとして、第1インクおよび第2インクを用いる。第1インクは、第2インクに比べて、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難いインクであり、インク吐出の際には、第1インクのドットが第2インクのドットより小さくなるように形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、立体物造形方法に関する。
立体物の造形には、3D(三次元)プリンターが用いられている。3D(三次元)プリンターは、吐出された後に固化して立体的なドットとなるインクを吐出し、吐出したインクをドットとして積み重ねることで立体物の造形を行う。特許文献1では、彩色インクを、着色の必要がない立体物内部領域においても敢えて突出することで、ノズル増を来すことなく立体物の速やかな造形を図る手法が提案されている。
特開2016−26915号公報
吐出される彩色インクは、紫外線の照射を受けて硬化する紫外線硬化樹脂に顔料が配合されたインクであり、吐出後に、樹脂硬化のための紫外線照射を受ける。ところで、紫外線硬化樹脂の硬化は、顔料を含んでいなければ、紫外線照射量に応じて進むが、顔料を含有していると、顔料による紫外線吸収が起きるので、顔料の含有量により硬化速度が異なる。そして、異なる色の彩色インクは、顔料自体が相違するほか、顔料の含有量も相違する。特許文献1では、インク吐出後の紫外線照射を所定の光量で行っていることから、各色の彩色インクの吐出により形成された各色のドットにおいて、硬化の状況が相違することが想定される。なお、各色のドットに対しての紫外線のスポット照射は、機器構成上、採択できないのが現状である。こうしたことから、複数種類のインクの吐出により形成された複数種類のドットの硬化状況の均等化を図る立体物造形手法が要請されるに到った。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、立体物造形方法が提供される。この立体物造形方法は、吐出された後に紫外線の照射を受けて固化して立体的なドットとなるインクを積み重ねることで立体物の造形を行なう立体物造形方法であって、前記インクとして、第1インクおよび第2インクを含み、前記第1インクは、前記第2インクに比べて、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難く、前記インク吐出の際には、前記第1インクのドットが前記第2インクのドットより小さくなるように形成する。
この形態の立体物造形方法は、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難い第1インクのドットを、第2インクのドットより小さくする。以下、説明の便宜上、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化しにくい第1インクのドットを、固化難ドットと称し、第2インクのドットを固化容易ドットと称する。固化難ドットは、固化容易ドットに比して、ドットが小さい分、紫外線の照射を受けて固化する成分量が少ないので、固化容易ドットと等量の紫外線の照射を受けた場合の固化難ドットの硬化状況は、固化容易ドットの硬化状況に近似する。この結果、この形態の立体物造形方法によれば、固化しにくい種類のインクや他の種類のインクといった複数種類のインクの吐出により形成された複数種類のドットを、できるだけ均等に硬化させることが可能となる。
(2)上記形態の立体物造形方法において、前記インクとして、さらに第3インクを含み、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難さが大きい順にドットが小さくなるようにして、前記第1インクのドット、前記第2インクのドット、前記第3インクのドットを形成するようにしてもよい。こうすれば、第1〜第3のインクの吐出により形成されたそれぞれのインクドットの硬化状況をより均等化することが可能となる。
(3)上記形態の立体物造形方法において、前記第1インクに含まれる彩色インクに比して透明度が高い透明インクを、前記第1インクのドットに重ねて、吐出するようにしてもよい。こうすれば、小さなドットである第1インクの硬化難ドットとこれに重なった透明インクのドットのドット高さを、第2インクの硬化容易ドットのドット高さに近似させることができる。
(4)上記形態の立体物造形方法において、前記第1インクのドットサイズと前記透明インクのドットサイズとの和を、前記第2インクのドットサイズと同等とするようにしてもよい。こうすれば、小さなドットである第1インクの硬化難ドットとこれに重なった透明インクのドットのドット高さを、第2インクの硬化容易ドットのドット高さにより近似させることができる。
また、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、立体物造形装置の形態で実現することができる。
立体物造形システムの構成を示す機能ブロック図である。 立体物造形装置の内部構造の概略を示す斜視図である。 記録ヘッドを示す説明図である。 ホストコンピューターのCPUが実行するインク吐出データの生成フローチャートである。 立体物とドットとの関係を示す説明図である。 インクの紫外線硬化の性状を考慮した本実施形態におけるインク吐出データ生成の様子を既存手法と対比して説明する説明図である。 立体物造形装置の処理制御部が実行する立体物の造形処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法および縮尺は、理解の便を図って実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明に必須のものである旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
本実施形態では、立体物造形方法に用いる造形装置として、紫外線硬化型インクを吐出して立体物Objを造形する、インクジェット式の立体物造形装置を例示して説明する。紫外線硬化型インクは、吐出された後に固化して立体的なドットとなる。
図1は、立体物造形システム100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、立体物造形システム100は、立体物を造形するためのデータを生成するホストコンピューター90と、立体物を造形する立体物造形装置10と、を備える。立体物造形装置10は、インクを吐出し、吐出したインクをその固化を経て積み重ねることで立体物Objの造形を行なう。こうして得られた立体物Objは、インク固化後のドットにより所定の厚さで形成された立体物層が層状に重なった立体造形物である。ホストコンピューター90は、立体物造形装置10が造形する立体物Objを構成する複数の造形体の各々の形状および色彩を定める造形データFDを生成するデータ生成処理を実行する。
図1に示すように、ホストコンピューター90は、ホストコンピューター90の各部の動作を制御するCPU(図示省略)と、ディスプレイ等の表示部(図示省略)と、キーボードやマウス等の操作部91と、ホストコンピューター90の制御プログラム、立体物造形装置10のドライバープログラム、および、CAD(computer aided design)ソフト等のアプリケーションプログラムを記憶する情報記憶部(図示省略)と、モデルデータDatを生成するモデルデータ生成部92と、モデルデータDatに基づいて造形データFDを生成するデータ生成処理を実行する造形データ生成部93と、を備える。
ここで、モデルデータDatとは、立体物造形装置10が造形すべき立体物Objを表すモデルの形状および色彩を示すデータであり、立体物Objの形状および色彩を指定するためのデータである。なお、以下において、立体物Objの色彩には、立体物Objに複数色が付される場合における当該複数色の付され方、すなわち、立体物Objに付される複数色により表される模様、文字、その他の画像も含むこととする。
モデルデータ生成部92は、ホストコンピューター90のCPUが情報記憶部に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。このモデルデータ生成部92は、例えばCADアプリケーションであり、立体物造形システム100の利用者が操作部91を操作して入力した情報等に基づいて、立体物Objの形状および色彩を指定するモデルデータDatを生成する。
なお、本実施形態では、モデルデータDatが、立体物Objの外部形状と表面の色彩を指定する場合を想定する。換言すれば、モデルデータDatが、立体物Objを中空の物体であると仮定した場合の当該中空の物体の形状、すなわち、立体物Objの輪郭の形状を指定するデータである場合を想定する。例えば、立体物Objが球体である場合には、モデルデータDatは当該球体の輪郭である球面の形状を示す。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、モデルデータDatは、少なくとも立体物Objの外部形状を特定可能な情報を含むものであればよい。例えば、モデルデータDatは、立体物Objの外部形状や色彩に加えて、立体物Objの内部の形状や材料等を指定するものであってもよい。モデルデータDatとしては、例えば、AMF(Additive Manufacturing File Format)、または、STL(Standard Triangulated Language)等のデータ形式を例示することができる。
造形データ生成部93は、ホストコンピューター90のCPUが情報記憶部に記憶されている立体物造形装置10のドライバープログラムを実行することにより実現される機能ブロックである。造形データ生成部93は、モデルデータ生成部92が生成するモデルデータDatに基づいて、立体物造形装置10が形成する造形体の形状および色彩を定める造形データFDを立体物層ごとに作成する。また、この造形データ生成部93は、立体物層ごとのインク吐出データを、取得した造形データFDを用いて作成する。造形データ生成部93は、着色領域決定部94と、吐出データ生成部95とを備え、立体物造形装置10が形成する造形体の形状および色彩を定める造形データFDを作成するデータ生成処理を実行する。本実施形態では、造形データFDを作成する造形データ生成部93をホストコンピューター90に設けたが、造形データ生成部93を立体物造形システム100に設けてもよい。
なお、以下では、立体物Objが、Q個の立体物層を重ねた層状の造形体を積層させることで造形される場合を想定する(Qは、Q≧2を満たす自然数)。また、以下では、立体物造形装置10が造形体を形成する処理を積層処理と称する。すなわち、立体物造形装置10が立体物Objを造形する造形処理は、Q回の積層処理を含む。
造形データ生成部93は、所定の厚さを有するQ個の造形体の形状および色彩を定めるQ個の造形データFDを生成するために、まず、モデルデータDatの示す三次元の形状を所定の厚さLz毎にスライスすることで、各造形体と1対1に対応する断面モデルデータを生成する。ここで、断面モデルデータとは、モデルデータDatの示す三次元の形状をスライスして得られる断面体の形状および色彩を示すデータである。但し、断面モデルデータは、モデルデータDatの示す三次元の形状をスライスしたときの断面の形状および色彩を含むデータであればよい。厚さLzは、インクのドットの高さ方向の大きさに対応している。
次に、造形データ生成部93は、断面モデルデータの示す形状および色彩に対応する造形体を形成するために、立体物造形装置10が形成すべきドットの配置を決定し、決定結果を、造形データFDとして出力する。つまり、造形データFDは、断面モデルデータの示す形状および色彩を格子状に細分化することで、断面モデルデータの示す形状および色彩をドットの集合として表した場合に、複数のドットの各々を形成するためのインクの種別を指定するデータである。ドットの大きさを示すデータを含んでいても良い。ここで、ドットとは、1回の吐出によるインクが固化されて形成される立体的なものである。本実施形態では、便宜上、直方体または立方体であり、所定の厚さLzを有し、所定体積を有する直方体または立方体としている。また、本実施形態において、ドットの体積およびサイズは、インクを吐出するノズルのピッチ、インクの吐出間隔、インクの粘度等により定められる。
着色領域決定部94は、立体物造形装置10が形成すべきドットのうち、着色用インクで形成されるドットが配置される領域を決定する。着色領域決定部94は、造形用インクによるドットの集合の表面に着色用インクを吐出して着色を行なう着色領域を、立体物Objの表面の法線方向における深さの相違を抑制するように決定する。例えば、着色領域の表面からの深さのバラツキを一定とする。
吐出データ生成部95は、造形データである、造形用インクを吐出するための造形用インク吐出データと、着色用インクを吐出するための着色用インク吐出データとを生成する。つまり、吐出データ生成部95により、複数種類の各色のインクの吐出に関するデータが生成される。
上述のとおり、本実施形態に係るモデルデータDatは、立体物Objの外部形状(輪郭の形状)を指定する。このため、モデルデータDatの示す形状を有する立体物Objを忠実に造形した場合、立体物Objの形状は、厚みを有さない輪郭だけの中空形状となる。しかし、立体物Objを造形する場合には、立体物Objの強度等を考慮して、立体物Objの内部の形状を決定することが好ましい。具体的には、立体物Objを造形する場合には、立体物Objの内部の一部または全部が中実構造であることが好ましい。このため、本実施形態に係る造形データ生成部93は、モデルデータDatの指定する形状が中空形状であるか否かに関わらず、立体物Objの内部の一部または全部が中実構造となるような造形データFDを生成する。
なお、立体物Objの形状によっては、n層目のドットの下側の層であるm層目にドットが存在しない場合がある。このような場合、n層目のドットを形成しようとしても、当該ドットが下側に落下してしまう可能性がある。よって、造形体を構成するためのドットを本来形成されるべき位置にドットを形成するためには、当該ドットの下側に、当該ドットを支持するための支持部を設ける必要がある。本実施形態では、支持部は、立体物Objと同様に固化したインクであるドットによって形成される。そこで、本実施形態では、造形データFDが、立体物Objの他に、立体物Objを造形する際に必要となる支持部を形成するドットを形成するためのデータを含むこととする。つまり、本実施形態において、造形体には、立体物Objのうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、支持部のうちq回目の積層処理で形成すべき部分と、の双方が含まれる。換言すれば、造形データFDは、立体物Objのうち造形体として形成される部分の形状および色彩をドットの集合として表したデータと、支持部のうち造形体として形成される部分の形状をドットの集合として表したデータと、を含む。本実施形態に係る造形データ生成部93は、断面モデルデータまたはモデルデータDatに基づいて、ドットの形成のために支持部を設ける必要があるか否かを判定する。そして、造形データ生成部93は、当該判定の結果が肯定である場合には、立体物Objの他に支持部が設けられるような造形データFDを生成する。
図2は、立体物造形装置10の内部構造の概略を示す斜視図である。以下、図2に加えて図1も参照しながら説明する。図1および図2に示すように、立体物造形装置10は、筐体40と、造形台45と、立体物造形装置10の各部の動作を制御する処理制御部15と、ヘッドユニット13と、硬化ユニット61と、キャリッジ41と、位置変化機構17と、立体物造形装置10の制御プログラムやその他の各種情報を記憶する記憶部16と、を備える。キャリッジ41は、ヘッドユニット13および6個のインクカートリッジ48を搭載する。ヘッドユニット13は、ノズル列33〜38を具備する記録ヘッド30を備えており、ノズル列33〜38から造形台45に向かってインクの液滴LQを吐出する。硬化ユニット61は、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させるためのものである。位置変化機構17は、筐体40に対するキャリッジ41、造形台45、および、硬化ユニット61の位置を変化させる。なお、処理制御部15および造形データ生成部93は、立体物造形システム100の各部の動作を制御するシステム制御部として機能する。
硬化ユニット61は、造形台45の上に吐出されたインクを硬化させるための構成要素であり、紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射するための光源を有する。硬化ユニット61は、造形台45の上側(+Z方向)に設けられ、吐出されたインクへの紫外線照射を行う。この場合、硬化ユニット61によるインクへの紫外線照射は、立体物Objの立体物の層ごとに繰り繰り返される。
6個のインクカートリッジ48は、立体物Objを造形するための5色の造形用インクと、支持部を形成するための支持用インク(クリアインク)と、の合計6種類のインクと1対1に対応して設けられたものである。各インクカートリッジ48には、当該インクカートリッジ48に対応する種類のインクが充填されている。立体物Objを造形するための5色の造形用インクには、有彩色の色材成分である顔料を含有する有彩色インク(「着色用インク」とも呼びぶ)と、無彩色の顔料を有する無彩色インクと、顔料を含まないか、または、有彩色インクおよび無彩色インクと比較して単位重量または単位体積あたりの顔料の含有量が少ないクリアー(CL)インクと、が含まれる。本実施形態では、有彩色インクとして、シアン(CY)、マゼンタ(MG)、および、イエロー(YL)の3色のインクを採用し、これらは彩色インクにも相当する。また、本実施形態では、無彩色インクとして、ホワイト(WT)およびブラック(BT)のインクを採用する。本実施形態に係るホワイトインクとは、可視光の波長領域(概ね、400nm〜700nm)に属する波長を有する光がホワイトインクに照射された場合において、当該照射された光のうち、所定の割合以上の光を反射するインクである。なお、「所定の割合以上の光を反射する」とは、「所定の割合未満の光を吸収または透過する」ことと同義であり、例えば、ホワイトインクに照射される光の光量に対する、ホワイトインクで反射される光の光量の比率が、所定の割合以上である場合が該当する。本実施形態において、「所定の割合」とは、例えば、30%以上で且つ100%以下の任意の割合であればよく、好ましくは、50%以上の任意の割合、より好ましくは、80%以上の任意の割合である。このホワイトインクは、彩色インクにも相当する。また、本実施形態において、クリアインクは顔料を含まないか、または、有彩色インクおよび無彩色インクと比較して、顔料の含有量が格段に少ない透明度の高いインクである。
ここで、各インクの性状について説明する。上記した彩色インクに相当する有彩色および無彩色の5種類の複数種類のインクに加え、クリアインクにあっても顔料を含む場合は、それぞれが紫外線硬化樹脂に顔料を含有しており、その顔料種および顔料の含有量が相違し、それぞれのインクで、顔料による紫外線の吸光率が相違する。これら各インクの顔料による吸光率は一般的に、クリアインク、シアンインク、マゼンタインク、ホワイトインク、イエローインク、ブラックインクの順に大きくなる。たとえば、ブラックインクは黒顔料を約2%含有し、ホワイトインクは白顔料を約20%含有するが、紫外線に対する顔料単位量当たりの吸光率は、黒顔料自体のほうが白顔料より大きいので、インクとしての吸光率は顔料の含有量の多いホワイトインクより、ブラックインクのほうが大きくなる。また、同種の顔料の場合は含有率が多いほど吸光率は増加する。言い換えると、上記の各インクは、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際の固化のしにくさが相違する。そして、顔料による吸光率が少なければ、顔料による紫外線吸収量も小さくなるので、顔料による吸光率が少ないインクほど硬化しやすくなる。本実施形態の上記インクに翻れば、彩色インクに比して透明度が高い透明インクに相当するクリアインクほど硬化しやすく、次いで、シアンインクとマゼンタインクおよびホワイトインクが硬化しやすく、その次に、イエローインクが硬化しやすく、ブラックインクが最も硬化しがたくなる。つまり、ブラックインクは、本実施形態において、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際の固化のしにくさが最も大きい。なお、図において彩色等を示す際には、シアンインクをCYとし、マゼンタインクをMG、イエローインクをYL、ブラックインクをBT、ホワイトインクをWT、クリアインクをCCと表すこととする。
各インクカートリッジ48は、キャリッジ41に搭載される代わりに、立体物造形装置10の別の場所に設けられるものであってもよい。
図1および図2に示すように、位置変化機構17は、昇降機駆動モーター71と、キャリッジ駆動モーター72,73と、硬化ユニット駆動モーター74と、モータードライバー75〜78を備える。昇降機駆動モーター71は、処理制御部15からの指示を受けて、造形台45を+Z方向およびZ方向(以下、+Z方向およびZ方向を「Z軸方向」と総称する場合がある)に昇降させるよう、造形台昇降機構79aを駆動する。キャリッジ駆動モーター72は、処理制御部15からの指示を受けて、キャリッジ41をガイド79bに沿って+Y方向およびY方向(以下、+Y方向およびY方向を「Y軸方向」と総称する場合がある)に移動させる。キャリッジ駆動モーター73は、処理制御部15からの指示を受けて、キャリッジ41をガイド79cに沿って+X方向およびX方向(以下、+X方向およびX方向を「X軸方向」と総称する場合がある)に移動させる。硬化ユニット駆動モーター74は、処理制御部15からの指示を受けて、硬化ユニット61をガイド79dに沿って+X方向およびX方向に移動させる。モータードライバー75は、昇降機駆動モーター71を駆動し、モータードライバー76、77は、キャリッジ駆動モーター72,73を駆動し、モータードライバー78は、硬化ユニット駆動モーター74を駆動する。
ヘッドユニット13は、記録ヘッド30と、駆動信号生成部31を備える。駆動信号生成部31は、処理制御部15からの指示を受けて、記録ヘッド30を駆動させるための駆動波形信号および波形指定信号を含む各種信号を生成させ、これら生成した信号を記録ヘッド30に出力する。駆動信号生成部31や、駆動波形信号については、説明を省略する。
図3は、記録ヘッド30を示す説明図である。記録ヘッド30は、6個のノズル列33〜38を備える。各ノズル列33〜38は、ピッチLxの間隔で設けられた複数のノズルNzを備える。ノズル列33〜35は着色用インクである有彩色インク(シアン、マゼンタ、イエロー)を吐出するノズルNzを有する。ノズル列36は、無彩色インクであるホワイトインクを吐出するノズルNzを有する。ノズル列37は、ブラックインクを吐出するノズルNzを有する。ノズル列38は、クリアインクを吐出するノズルNzを有する。ここで、造形用インクとしては、クリアインクを除いた他のインクが全て用いられ、着色用インクとしては、有彩色インクとホワイトインクおよびブラックインクが用いられる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、各ノズル列33〜38のノズルNzがX軸方向に一列に整列するように配置される場合を例示しているが、例えば、各ノズル列33〜38を構成する複数のノズルNzのうち一部のノズルNz(例えば、偶数番目のノズルNz)と、その他のノズルNz(例えば、奇数番目のノズルNz)とのY軸方向の位置が異なる、所謂千鳥状に配列されるものであってもよい。また、各ノズル列33〜38において、ノズルNz間の間隔(ピッチLx)は、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得る。
処理制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(field-programmable gate array)等を含んで構成され、当該CPU等が記憶部16に記憶されている制御プログラムに従って動作することで、立体物造形装置10の各部の動作を制御する。記憶部16は、ホストコンピューター90から供給される造形データFDを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、立体物Objを造形する造形処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは造形処理等の各種処理が実行されるように立体物造形装置10の各部を制御するための制御プログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、制御プログラムを格納する不揮発性半導体メモリーの一種であるPROMと、を備える。
処理制御部15は、ホストコンピューター90から供給される造形データFDに基づいて、ヘッドユニット13および位置変化機構17の動作を制御することにより、造形台45上にモデルデータDatに応じた立体物Objを造形する造形処理の実行を制御する。具体的には、処理制御部15は、まず、ホストコンピューター90から供給される造形データFDを記憶部16に格納する。次に、処理制御部15は、造形データFD等の記憶部16に格納されている各種データに基づいて、ヘッドユニット13の駆動信号生成部31を制御して記録ヘッド30を駆動させるための駆動波形信号および波形指定信号を含む各種信号を生成させ、これら生成した信号を記録ヘッド30へ出力させる。また、処理制御部15は、造形データFD等の記憶部16に格納されている各種データに基づいて、モータードライバー75〜78の動作を制御するための各種信号を生成し、これら生成した信号をモータードライバー75〜78に出力し、造形台45に対するヘッドユニット13の相対位置を制御する。記録ヘッド30を駆動させるための駆動波形信号および波形指定信号は、上記した各インクのドットの大きさを規定する。
このように、処理制御部15は、モータードライバー75〜77の制御を介して、造形台45に対するヘッドユニット13の相対位置を制御し、モータードライバー75とモータードライバー78の制御を介して、造形台45に対する硬化ユニット61の相対位置を制御する。また、処理制御部15は、ヘッドユニット13の制御を介して、ノズルNzからのインクの吐出の有無、ドットの大きさを規定するインクの吐出量、および、インクの吐出タイミング等を制御する。これにより、処理制御部15は、造形台45上に吐出されたインクにより形成されるドットサイズおよびドット配置を調整しつつ造形台45上にドットを形成し、造形台45上に形成されたドットを硬化させて造形体を形成する積層処理の実行を制御する。更に、処理制御部15は、積層処理を繰り返し実行することで、既に形成された造形体の上に新たな造形体を積層することで、モデルデータDatに対応する立体物Objを形成する造形処理の実行を制御する。
図4は、ホストコンピューター90のCPUが実行するインク吐出データの生成フローチャートである。この処理は、ホストコンピューター90のモデルデータ生成部92によってモデルデータDatが作成された後で、造形データ生成部93に相当するCPUにより実行される。この処理が開始されると、ステップS100で、造形データ生成部93は、モデルデータDatから断面モデルデータを生成する。ステップS100に続くステップS110では、着色領域決定部94は、着色領域を決定する。具体的には、各層を構成するドットDTのうち、どのドットDTを着色用インクで構成するかを決定する。なお、着色領域決定部94は、着色領域だけで無く、透明層、遮蔽層、造形層も決定する。
図5は、立体物ObjとドットDTとの関係を示す説明図である。図5では、説明の便宜上、立体物Objを第1層から第n層(n=5)までの立方体形状の造形物として示している。造形データ生成部93は、立体物Objの形状を縦、横、高さが、Ly、Lx、LzのドットDTの集合体の形状として構成する。ここで、Lxは、ドットDTのx方向の大きさであり、ノズルNzのピッチに等しい。Lyは、ドットDTのy方向の大きさであり、インクの吐出間隔に応じた記録ヘッド30の移動長さである。Lzは、ドットDTのz方向の大きさである。Lzは、ドットを形成するインクの粘度や量により決まる。各層の断面モデルデータは、例えば、x方向、y方向の二次元に配置されたドットDTの集合として構成され、z方向の各層の立体物層ごとの造形データFDに対応する。
第1層〜第5層の各立体物層の造形データFDは、5X5のマトリクス型のデータ構成であり、各ドットのデータ値(階調値)には、そのドットの色彩や性質、具体的には着色領域、或いは、透明層、遮蔽層、造形層のいずれかであるかと言った性質を規定するデータが含まれている。ステップS110での着色領域などの決定に当たり、着色領域決定部94は、造形データFDに基づいて、着色領域だけで無く、透明層、遮蔽層、造形層も決定する。造形層は、立体物Objの主たる形状を形成する層である。造形層は、クリアインク以外のインクであれば、どのインクを用いて形成されても良い。造形層の表面には、遮蔽層が形成される。遮蔽層は、造形層の色が見えないように遮蔽するための層であり、ホワイトインクで形成される。遮蔽層の表面には、着色層が形成される。着色層は、着色領域であり、立体物Objに色を付ける。着色層は、有彩色インクとホワイトインクおよびブラックインクで形成される。ここで、有彩色インクの階調が低い場合、有彩色インクが打たれない領域が生じる場合が有り得る。有彩色インクも形状を構成するインクであるため、有彩色インクが打たれない領域は、形状欠損が生じるおそれがある。ホワイトインクは、その有彩色インクを打たない領域を埋めて形状欠損の発生を抑制する。なお、ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いても良い。透明層は、着色層を保護するための層であり、透明なインクであるクリアインクにより形成される。なお、透明層は無くても良い。本実施形態の立体物造形装置10は、上記したインク性状を考慮したインク吐出データの生成手順に特徴があるので、透明層、着色層、遮蔽層、造形層の決定手順については、その説明を省略する。
着色領域等の決定の後、ホストコンピューター90のCPUは、図4に戻って、ステップS160以降の処理を行う。図4のステップS160では、吐出データ生成部95は、各立体層におけるドットごとのハーフトーン処理をディザ法により実行した後、ステップS170においてインク吐出データを生成(作成)する。ステップS160のハーフトーン処理は、二次元のプリンターにおける処理とほぼ同様の処理であるが、以下の点で異なる。二次元のプリンターでは、有彩色インクであるマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックおよびホワイトをディザマスクの閾値と対比してピクセルに割り当てるが、有彩色インクの階調によっては、ディザマスク閾値との対比の結果、インクが割り当てられないドットが存在する場合がある。二次元のプリンターでは、媒体が存在するため、インクが割り当てられないドットが存在しても問題は生じない。これに対し、本実施形態の立体物造形装置10では、着色用インクも立体物Objの形状を構成するドットDTを形成するため、着色用インクが割り当てられないドットDTが存在すると、立体形状に欠損が生じてしまう。そのため、吐出データ生成部95は、有彩色インクであるマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクが割り当てられないドットDTに対して、ホワイトインクを割り当てる。ディザマスク閾値との対比を経た着色インクのドット決定については、この点を除けば、他の処理は二次元のプリンターと同様である。
ステップS160のハーフトーン処理に続くステップS170では、既述したインクの紫外線硬化の性状を考慮したインク吐出データの生成処理を行う。図6は、インクの紫外線硬化の性状を考慮した本実施形態におけるインク吐出データ生成の様子を既存手法と対比して説明する説明図である。ステップS170でのインク吐出データの生成処理では、図6の最上段に示すように、既述したステップS160でのハーフトーン処理により割り当てられたドットの種類に着目する。図6の最上段では、ハーフトーン処理により彩色結果が示されており、図5に示す第1層についての5X5のマトリクス構造の造形データFDのうち、第1行目の5つのドットについて、左側の第1列にはシアンインク(CY)が、第2列にはイエローインク(YL)が、第3列にはブラックインク(BT)が、第4列にはホワイトインク(WT)が、第5列にはクリアインク(CC)がそれぞれ割り当てられる。そして、硬化性状を考慮しない既存手法では、それぞれのドットの大きさ(ドットサイズ)をステップS160でのハーフトーン処理により規定された同じ大きさにして、インク吐出データの生成を図る。第1層目の他の列、および他の層についても同様である。
これに対し、本実施形態の造形方法におけるステップS170のインク吐出データ生成では、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際に最も固化しにくい種類のインクであるブラックインク(BT)のドットサイズを、他の種類のインクより小さくする。また、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際に次いで固化しにくい種類のインクであるイエローインク(YL)のドットサイズを、ブラックインク(BT)より大きくする。等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際に次いで固化しにくい種類のインクであるホワイトインク(WT)のドットサイズを、イエローインク(YL)より大きくする。図示してはいないが、顔料含有量がホワイトインク(WT)と同程度のマゼンタインクにあっても、そのドットサイズは、イエローインク(YL)より大きくなる。そして、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際に最も固化しやすい種類のインクであるシアンインク(CY)と透明度が高いクリアインク(CC)のドットサイズを、ステップS160でのハーフトーン処理により規定された通りの大きさのドットサイズとする。つまり、ブラックインク(BT)、イエローインク(YL)、マゼンタインク(MG)およびホワイトインク(WT)のドットサイズは、ステップS160でのハーフトーン処理により規定された大きさより小さいドットサイズ(狭小ドットサイズ)とされる。第1層目の他の列、および他の層についても同様である。こうしたドットサイズ規定により、ブラックインク(BT)とイエローインク(YL)とマゼンタインク(MG)およびホワイトインク(WT)が第1インクに該当し、シアンインク(CY)が第2インクに該当する。なお、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難さが大きい順にドットが小さくなるよう、ブラックインク(BT)をドットが最も小さい第1インクとし、イエローインク(YL)とマゼンタインク(MG)およびホワイトインク(WT)をドットが次いで大きい第2インクとし、シアンインク(CY)を最もドットが大きい第3インクとするようにしてもよい。
本実施形態の造形方法におけるステップS170のインク吐出データ生成では、上記した狭小ドットサイズの規定に続き、ドットサイズを小さくしたブラックインク(BT)とイエローインク(YL)とホワイトインク(WT)とについて、これらインクに積み重ねるクリアインク(CC)のドットサイズを規定する。ブラックインク(BT)であれば、このインクのドットサイズとクリアインク(CC)のドットサイズとの和が、最も紫外線硬化が起きやすいインクであるシアンインク(CY)のドットサイズと同等となるよう、ブラックインク(BT)に積み重ねるクリアインク(CC)のドットサイズ(積み重ねドットサイズ)を規定する。イエローインク(YL)とホワイトインク(WT)についても同様である。そして、本実施形態の造形方法におけるステップS170では、こうした規定したドットサイズを表すデータを含むようにして、インク吐出データが生成され、当該データを用いた造形処理が次のようにしてなされる。
図7は、立体物造形装置10の処理制御部15が実行する立体物Objの造形処理を示すフローチャートである。この処理は、既述したインク吐出データの作成に続き、作成済みインク吐出データを用いて実行される。図7の処理を開始すると、処理制御部15は、変数qに1を代入する(ステップS200)。qは、何層目かを示す変数であり、qが1である場合は、z方向の下側から1層目の立体層を形成することを意味する。続くステップS210では、処理制御部15は、造形データFDに基づいて位置変化機構17を制御して、造形台45を1層目の造形体を形成する高さに移動させる。ステップS220では、インク吐出データに基づいて、第1層目の造形体を形成する。具体的には、処理制御部15は、ノズル列33〜38のノズルNzから、各種インクを造形台45の上に吐出させ、その後、吐出済みインクに硬化ユニット61を用いて紫外線を照射してインクを固化させてドットDTを形成する。ノズル列33〜38のノズルNzからのインク吐出に際しては、図6で説明したように、吐出されるインクの紫外線硬化性状に対応させて規定した大きさのドットでシアンインク等の有彩色インクおよび無彩色インクであるホワイトインクが吐出される。しかも、この際、ドットサイズが小さくされた狭小ドットサイズのインク、例えば図6に示すイエローインクやブラックインクおよびホワイトインクの吐出に続き、これら吐出済みインクに重ねてクリアインクが積み重ねドットサイズで吐出される。こうした狭小ドットサイズでのインク吐出と、これに続く積み重ねドットサイズでのクリアインクの積み重ね吐出は、記録ヘッド30のワンパスの間に行われる。
続くステップS230では、処理制御部15は、q≧Qか否かを判断する。Qは、立体物Objを構成する造形体の層の数である。q≧Qであれば、1層目からQ層目までの全ての造形体の生成が終了し、立体物Objの生成が完了しているため、処理制御部15は、処理を終了する。一方、q<Qの場合には、ステップS240に移行して、変数qに1を加えステップS210に移行する。2回目以降のステップS210では、位置変化機構17は、造形台45を、ドットDTの高さLzだけ造形台45を下げる。その後ステップS220に移行し、ステップS230でq≧Qを満たすまで同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、立体物造形装置10を用いた本実施形態の立体物造形方法は、立体物Objを構成する立体物層ごとのインク吐出データを作成するに当たり、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際にクリアインクやシアンインクに比して固化しにくいブラックインクやイエローインク、マゼンタインクおよびホワイトインクのドットを、他の種類のインクであるクリアインクやシアンインクのドットより小さくする(図6参照)。ブラックインクやイエローインク、マゼンタインクおよびホワイトインクのドットは、硬化しがたい固化難ドットであり、硬化しやすい固化容易ドットに比して、ドットが小さい分、紫外線の照射を受けて固化する成分量が少ない。このため、記録ヘッド30のノズル列33〜38からの上記の各インクを吐出した後に各インクのドットに硬化ユニット61から同量の紫外線を照射した場合の硬化状況は、固化難ドットと固化容易ドットとで近似することになる。この結果、立体物造形装置10を用いた本実施形態の立体物造形方法によれば、固化しにくい種類のブラックインクやイエローインク、マゼンタインクおよびホワイトインクや他の種類のインクであるクリアインクやシアンインクといった複数種類のインクの吐出により形成された複数種類のドットを、できるだけ均等に硬化させることができる。
本実施形態の立体物造形方法は、等量のインクに対して等量の紫外線照射を行った際にクリアインクやシアンインクに比して固化しにくいブラックインクやイエローインク、マゼンタインクおよびホワイトインクのドットを規定するに当たり、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化しにさが大きいほどドットが小さくなるようにして、ドットを形成した。具体的には、固化しにくさが最も大きいブラックインクを、図6に示すように、最も小さなドットとした。そして、固化しにくさの大きさの順に、イエローインクとマゼンタインクをブラックインクより大きなドットとし、ホワイトインクをイエローインクとマゼンタインクのドットより大きくした。このようにドットの大きさを規定することで、立体物造形装置10を用いた本実施形態の立体物造形方法によれば、複数種類のインクの吐出により形成された複数種類のドットの硬化状況をより均等化することができる。
本実施形態の立体物造形方法は、イエローインク等の彩色インクに比して透明度が高い透明インクであるクリアインクを、小さなドットで吐出されるブラックインクやイエローインク等のドットに重ねて、吐出する(図6参照)。よって、立体物造形装置10を用いた本実施形態の立体物造形方法によれば、小さなドットで吐出されたインクに重なったクリアインクのドットのドット高さを、クリアインク単独、或いはシアンインク単独で吐出されたドットのドット高さに近似させることができる。
本実施形態の立体物造形方法は、小さなドットで吐出したブラックインクやイエローインク等に透明度が高い透明インクを重ねて吐出するに当たり、小さなドットで吐出した各色のインクのドットサイズとクリアインクのドットサイズとの和を、最も紫外線硬化が起きやすいインクであるシアンインクのドットサイズと同等とした(図6参照)。よって、立体物造形装置10を用いた本実施形態の立体物造形方法によれば、小さなドットで吐出した各色のインクのドットとこれに重なったクリアインクのドットのドット高さを、硬化が容易なクリアインクやシアンインクを単独で吐出したドットのドット高さにより近似させることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
既述した実施形態では、小さなドットで吐出したブラックインクやイエローインク等の各色のインクに透明度が高いクリアインクを重ねて吐出したが、クリアインクを先に吐出して、これに重ねて各色のインクを吐出してもよい。
既述した実施形態では、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化しにくさを、ブラックインクが最も硬化しがたく、次いでイエローインクが硬化しがたいとしたが、このブラックインクとイエローインクとを同列に固化しにくいようにしてもよい。つまり、図6でドットサイズを規定するに当たり、ブラックインクとイエローインクのドットサイズを同じとしてもよい。また、シアンインクとマゼンタインクとホワイトインクの固化のしにくさを同列にしたが、各色ごとに固化のしにくさを設定して、各色インクごとにドットサイズを規定してもよい。
既述した実施形態では、インクの硬化しがたい順に3段階のドットサイズを規定したが、最も硬化しがたいブラックインクのみを他のインクと比較して小さなドットサイズとし、ブラック以外のインクであるイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ホワイトインク、クリアインクは同じドットサイズとて、2段階のドットサイズとしてもよい。
硬化ユニット61は、キャリッジに搭載されてもよい。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術および上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10…立体物造形装置 13…ヘッドユニット 15…処理制御部 16…記憶部 17…位置変化機構 30…記録ヘッド 33〜38…ノズル列 40…筐体 41…キャリッジ 45…造形台 48…インクカートリッジ 61…硬化ユニット 71…昇降機駆動モーター 72…キャリッジ駆動モーター 73…キャリッジ駆動モーター 74…硬化ユニット駆動モーター 75〜78…モータードライバー 79a…造形台昇降機構 79b、76c、76d…ガイド 90…ホストコンピューター 91…操作部 92…モデルデータ生成部 93…造形データ生成部 94…着色領域決定部 95…吐出データ生成部 100…立体物造形システム DT…ドット Dat…モデルデータ FD…造形データ LQ…液滴 Nz…ノズル Obj…立体物

Claims (4)

  1. 吐出された後に紫外線の照射を受けて固化して立体的なドットとなるインクを積み重ねることで立体物の造形を行なう立体物造形方法であって、
    前記インクとして、第1インクおよび第2インクを含み、
    前記第1インクは、前記第2インクに比べて、等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難く、
    前記インク吐出の際には、前記第1インクのドットが前記第2インクのドットより小さくなるように形成する、
    立体物造形方法。
  2. 請求項1に記載の立体物造形方法であって、
    前記インクとして、さらに第3インクを含み、
    等量のインクに対する等量の紫外線照射により固化し難さが大きい順にドットが小さくなるようにして、前記第1インクのドット、前記第2インクのドット、前記第3インクのドットを形成する、立体物造形方法。
  3. 請求項1に記載の立体物造形方法であって、
    前記第1インクに含まれる彩色インクに比して透明度が高い透明インクを、前記第1インクのドットに重ねて、吐出する、立体物造形方法。
  4. 請求項3に記載の立体物造形方法であって、
    前記第1インクのドットサイズと前記透明インクのドットサイズとの和を、前記第2インクのドットサイズと同等とする、立体物造形方法。
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