JP2018176302A - 切削インサートおよび切削工具 - Google Patents

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【課題】 欠損を防止し、工具寿命を延長できる切削インサートを提供する。【解決手段】 互いに対向する第1および第2の端面2、3と、第1および第2の端面を接続する周側面4と、第1の端面2と周側面4との交差稜線部に切れ刃5とを有し、切れ刃の形状が被加工物に転写される切削インサート1であって、切れ刃5は、凸曲線状のコーナをなす第1の切れ刃5aと、第1の切れ刃5aの一端に接続する第2の切れ刃5bと、第1の切れ刃5aの他端に接続する第3の切れ刃5cとを有する。第1の端面2は、すくい面6と、すくい面6のすくい角Aよりも小さいすくい角Bの強化面7とを有する。強化面7は、第1の切れ刃5aに接続する第1の端面2の部分に配置される。第2および第3の切れ刃5b、5cの各々の半分以上は、すくい面に直接接続する。【選択図】 図1

Description

本発明は、切削工具へ着脱自在に装着される切削インサートと、その切削インサートを装着した切削工具に関する。
従来の切削インサートおよび切削工具には、特許文献1に示すようなものがある。特許文献1の切削インサートは、互いに対向する2つの端面と、これらの端面を接続する周側面と、一方の端面と周側面との交差稜線部に切れ刃とを有する。切れ刃は、ねじを旋削加工するための形状である。切れ刃は、2つの直線状の切れ刃部分が交差するように配置され、その交差部に凸状の切れ刃部分を有する。すなわち、切れ刃は被加工物に転写されるねじの形状に対応したねじ山形状を有する。切削インサートは切削工具へ着脱自在に装着される。
特開平8−257837号
ねじの旋削加工に代表されるような、切れ刃の形状が被加工物に転写される切削加工は、凸状の切れ刃部分が先端にあると、その凸状の切れ刃部分の切削に寄与する負担が大きく、切削インサートの先端部分が損傷しやすい。例えば、先端部分が欠損することにより、切削インサートは工具寿命に至る。切削インサートの欠損を防止するために、切れ刃全体にランド(平面部)などを設けると、切削抵抗が増大し、かえって工具寿命が悪化することがある。
本発明の切削インサートは、互いに対向する第1および第2の端面と、第1および第2の端面を接続する周側面と、第1の端面と周側面との交差稜線部に切れ刃とを有し、切れ刃の形状が被加工物に転写される切削インサートであって、切れ刃は、凸曲線状のコーナをなす第1の切れ刃と、第1の切れ刃の一端に接続する第2の切れ刃と、第1の切れ刃の他端に接続する第3の切れ刃とを有する。切れ刃から離間するにつれ第2の端面に近づくように傾斜する場合のすくい角を正の角度とすると、第1の端面は、すくい面と、すくい面のすくい角Aよりも小さいすくい角Bの強化面とを有する。強化面は、第1の切れ刃に接続する第1の端面の部分に配置される。第2および第3の切れ刃の各々の半分以上は、すくい面に直接接続する。
本発明の切削工具は、本発明の切削インサートと、工具ボデーとを有する。
本発明の実施形態に係る切削インサートの部分拡大斜視図である。 図1の切削インサートの斜視図である。 図1の切削インサートの平面図である。 図1の切削インサートの右側面図である。 図1の切削インサートの部分拡大平面図である。 図5のVI−VI切断線における部分拡大断面図である。 図1の切削インサートを装着した本発明の実施形態に係る切削工具の斜視図である。 切れ刃からの強化面の最大幅Wに関する実験結果である。
以下、本発明の実施形態について図面を適宜参照しながら説明する。本実施形態に係る切削インサート1を図1から図6に示す。
図7に示すように、この切削インサート1は、ねじを旋削加工する切削工具20の工具ボデー21に装着される。図1から図4に示すように、切削インサート1は、互いに対向する2つの端面2、3と、これら2つの端面2、3を接続する周側面4とを有する。2つの端面2、3のうちのいずれか一方が本発明の第1の端面に相当し、残りの端面が本発明の第2の端面に相当する。ここでは便宜的に、図4の右側面図で上側を向いている第1の端面2を上面2と、下側を向いている第2の端面3を下面3と呼称する。切削インサート1は、周側面4を貫通する取り付け穴8を有する。
図3に示すように、上面2を多角形に近似した形状は長方形である。長方形の長さは約12mmであり、幅は約4mmである。上面2から下面3までの厚さは約12mmである。長方形の短辺に相当する部分の少なくとも一部に切れ刃5が形成されている。上面2には2つの短辺があるため、切れ刃5は、少なくとも2つ形成されている。上面2は、180°回転対称な形状である。すなわち、2つの切れ刃5は、180°回転対称な形状である。そこで、ここでは図3の平面図において右下に形成されている1つの切れ刃5について説明し、左上に形成されている切れ刃5の説明を省略する。図5に示すように、切れ刃5は、上面2と周側面4との交差稜線である短辺の右側において、下方向(外方)に向かって突出する。なお、短辺の左側は、切れ刃として機能しない。切れ刃5は、下方向(外方)に向かって突出し、凸曲線状のコーナをなす第1の切れ刃5aと、第1の切れ刃5aの一端に接続する第2の切れ刃5bと、第1の切れ刃5aの他端に接続する第3の切れ刃5cとを有する。ここでは便宜的に、図5において、第1の切れ刃5aの右端に接続する切れ刃5の部分を第2の切れ刃5bとし、第1の切れ刃5aの左端に接続する切れ刃5の部分を第3の切れ刃5cとする。第1の切れ刃5aはコーナ切れ刃と呼称することもできる。切れ刃5は、60°のピッチ1mmのねじを加工することに対応する形状である。なお、切れ刃5は、加工するねじなどの形状に合わせてその形状を適時選択できる。すなわち、ねじ形状や溝形状などを被加工物に転写する各種の切れ刃形状に適用できる。
切れ刃5に接続する上面2の部分はすくい面6として機能する。切れ刃5に接続する周側面4の部分は逃げ面として機能する。切れ刃5に接続する上面2の一部には、すくい面6と切れ刃5との間に強化面7が形成されている。図6の角度Aに示すように、第2の端面3を基準として、切れ刃5から離間するにつれ第2の端面3に近づくように傾斜する場合のすくい角を正の角度とすると、強化面7のすくい角Bは、すくい面6のすくい角Aよりも小さくされている。なお、ここで言う「すくい角が小さい」とは、角度の絶対値の比較ではなく、すくい角の相対比較において負の角度側であることを意味する。図6に示すように、上面2の長方形の長辺(長手方向)と平行なVI−VI断面で見るとき、強化面7のすくい角Bは正の角度である。強化面7のすくい角Bは約8°である。また、VI−VI断面で見るとき、すくい面6のすくい角Aも正の角度である。すくい面6のすくい角Aは約25°である。ここでは、断面を上面2の長方形の長辺と平行に定めたが、第2の切れ刃5bと第3の切れ刃5cとの2等分線に沿った断面と定めることもできる。この断面は、第1の切れ刃5aに対応するすくい角を代表するように選択する。すなわち、この断面は、平面視において、第1の切れ刃5aをほぼ直角に横切るように選択する。
強化面7は、コーナ切れ刃5aに接続する部分の周辺にのみ配置している。すなわち、第2および第3の切れ刃5b、5cの各々の半分以上は、すくい面6に直接接続している。平面視において、切れ刃5からの強化面7の最大幅Wを図5に示す。切れ刃5からの強化面7の最大幅Wは約0.1mmである。なお、切れ刃5からの強化面7の最大幅Wは、切削工具20に装着された状態での強化面7の最大幅に対応する。すなわち、最大幅Wの寸法は、切削工具20に装着された状態での強化面7の最大幅を規定する。切れ刃5にはホーニング面を付与していない。すなわち、切れ刃5は全体にわたってシャープエッヂである。また、第1の切れ刃5aの曲率半径は約0.1mmである。
下面3も上面2と同様に多角形に近似した形状は長方形である。下面3側にも上面2側と180°回転対称に切れ刃5が形成されている。下面3側の切れ刃5に接続する下面3の部分はすくい面6または強化面7として機能する。下面3側の切れ刃5に接続する周側面4の部分も逃げ面として機能する。
切削インサート1は、上面2側および下面3側にそれぞれ2つずつの切れ刃5を有し、合計4つの切れ刃5を有する。4つの切れ刃5は、それぞれ互いに180°回転対称な位置および形状に形成されている。すなわち、切削インサート1は、取り付け穴の中心軸に関して、180°回転対称な形状であり、なおかつ、切削インサート1は、上面2の中央と下面3の中央とを通る軸に関しても180°回転対称な形状である。切削インサート1は、少なくとも4回使用できる。
上面2および下面3は、後述する工具ボデーのインサート取付部の上面および下面に当接することができる各々の当接面を有する。周側面4の一部もインサート取付部の側面(底面)と当接する当接面を有する。
切削インサート1の切れ刃5周辺の材料は、超硬合金、サーメット、セラミック、立方晶窒化ほう素を含有する焼結体、ダイヤモンドを含有する焼結体等の硬質材料またはこれら硬質材料の表面にPVDまたはCVDによるコーティング膜を被膜したものの中から選ばれるとよい。また切れ刃5以外の切削インサート1の部分の材料も、同様の硬質材料等とされることが好ましい。
図7に示すように、前述の構成を有する切削インサート1は、この実施形態に係る切削工具20の工具ボデー21のインサート取付部に対して、機械的取り付け手段であるクランプ部材22を用いて着脱自在に装着される。切削インサート1が装着される切削工具20に関してさらに説明する。切削工具20は、クランプ部材22として締め付けねじを用いる。切削工具20は、前述した切削インサート1と、略四角柱状の工具ボデー21とを有する。なお、切削工具20は、主としてねじの旋削加工に適する。ねじの旋削加工の場合、切削インサート1は、加工されるねじのリード角に対応するように、被加工物の回転中心軸に対して切れ刃5が傾斜するように装着される。すなわち、インサート取付部が工具ボデーの下面(基準面)に対して、ねじのリード角に対応する角度だけ傾斜している。切削工具20は、ねじのリード角が3°の場合に適合するように、インサート取付部が工具ボデーの下面(基準面)に対して約3°傾斜している。逆に言えば、加工するねじのリード角に応じて、切削工具20の工具ボデー21は、様々なものを選択できる。なお、ねじのリード角は、ねじの有効径とピッチによって算出できる。例えば、ねじの有効径が約6mmでピッチが1mmの場合、ねじのリード角は約3°である。
インサート取付部は、側面(底面)と、側面と略直角に交差する壁面とを有する。インサート取付部の壁面は、上面と下面とを含む。切削インサート1がインサート取付部に装着されるとき、切削インサート1の周側面4の当接面がインサート取付部の側面(底面)と当接し、切削インサート1の上面2の当接面がインサート取付部の上面の当接面と当接し、切削インサート1の下面3の当接面がインサート取付部の下面の当接面と当接する。図示しないが、インサート取付部の側面(底面)には、クランプ部材(締め付けねじ)22と螺合するねじ穴が開口する。
切削インサート1は、すくい面6および強化面7の切削工具20に装着されたときの真のすくい角が小さくなるように、傾斜するように工具ボデー21に装着される。前述のように、切削インサート1単体でのすくい面6のすくい角Aは約25°であるが、切削工具20に装着されたときの真のすくい角は約10°である。同様に、切削インサート1単体での強化面7のすくい角Bは約8°であるが、切削工具20に装着されたときの真のすくい角は、負の角度の約−10°である。なお、真のすくい角とは、被加工物との相対的なすくい角に相当し、ここでは、切削工具20の工作機械(旋盤)への取り付け基準面に対する角度に相当する。
次に、この実施形態における切削インサート1、および切削インサート1が着脱自在に装着された切削工具20が奏する作用と効果について説明する。また、本発明の好ましい形態についても説明する。
切削工具20は、旋盤などの工作機械に装着されることにより、鋼材などの切削加工に利用できる。切削工具20は、回転する被加工物に対して動かされる。これにより、ねじ切り加工などの切削加工ができる。
前述のとおり、強化面7のすくい角Bは、すくい面6のすくい角Aよりも小さくされている。そして、強化面7は、コーナ切れ刃である第1の切れ刃5aに接続する部分の周辺にのみ配置され、第2および第3の切れ刃5b、5cの各々の半分以上はすくい面6に直接接続している。したがって、第1の切れ刃5aの周辺のみが強化され、第2および第3の切れ刃5b、5cの半分以上は強化面7が配置されていない。このため、切削インサート1は、第1の切れ刃5a周辺の欠損が抑制され、なおかつ第2および第3の切れ刃5b、5cの切れ味が良い。その結果、切削インサート1の工具寿命が大幅に延長できる。
図8に、切れ刃5からの強化面7の最大幅Wに関する実験結果を示す。実験は、ステンレス鋼(SUS304)の丸棒を用い、直径6mm、ピッチ1mmの外径ねじを、加工長さ(ねじ有効部の長さ)10mmで旋盤加工した。実験条件は、切削速度を約35m/min、切込みパスを径方向切り込み(ラジアルインフィード)で19パス、湿式切削とした。19パスの詳細な切込み条件(単位mm)は、0.1、0.075、0.058、0.048、0.043、0.039、0.035、0.033、0.031、0.029、0.028、0.027、0.026、0.025、0.024、0.023、0.022、0.018、0.05(仕上げ)とした。なお、被加工物の加工径が細く、びびり振動が発生しやすいため、ステンレス鋼のこのような旋盤加工では、切削速度をあまり速くできない。すべての試料は、強化面7のすくい角Bを8°とし、すくい面6のすくい角Aを25°とし、切れ刃5にホーニング面のないシャープエッヂとした。強化面7の最大幅Wについて、0.03mmから0.3mmまでの5種類の試料を実験した。実験結果の評価は、最も工具寿命の長かった最大幅Wが0.1mmのときの工具寿命を100%とし、工具寿命が90%以上の場合をA評価、50%以上90%未満の場合をB評価、50%未満の場合をC評価とした。最大幅Wが0.03mmの試料は、先端部に欠損が発生し、工具寿命が約2%のC評価であった。欠損の原因は、ステンレス鋼の切削速度を速くできない状況で、切粉の圧着分離が繰り返されて、欠損に至ったことが考えられる。一方、最大幅Wが0.3mmの試料は、先端部の逃げ面摩耗の進行が速く、工具寿命が約60%のB評価であった。また、最大幅Wが0.05mmから0.15mmの試料は、工具寿命が90%以上のA評価であった。したがって、最大幅Wは0.05mm以上0.15mm以下が好ましい。なお、工具寿命の判定方法には、逃げ面の摩耗量による判定方法や、ねじゲージによる合否判定などがある。この実験の工具寿命は、ねじゲージにより合否を判定した。すなわち、加工されたねじがねじゲージによって不合格とされた時点を、工具寿命と判定した。
最大幅Wの好ましい範囲を寸法で示したが、厳密には適用される切削条件に応じて変化すると考えられる。例えば、ねじ加工の場合には、加工されるねじのピッチによって、変化する。最大幅Wのねじのピッチに対する比率は、5%以上15%以下が好ましい。この実施形態の切削インサートは、最大幅Wが約0.1mmであり、ねじのピッチが1mmに適するため、最大幅Wのねじのピッチに対する比率は約10%である。
強化面7のすくい角Bは、切削インサート1単体では正の角度とし、切削工具20に装着されたときの真のすくい角を負の角度としたが、これに限定されない。強化面7は、すくい面6よりもすくい角を小さくすることで、切れ刃5の周辺の強化が可能である。先端部の欠損を防止する場合、強化面7の真のすくい角は、負の角度または0°とすることが好ましい。強化面7の切削工具20に装着されたときの真のすくい角が負の角度とするときは、−20°以上0°未満とすることが、さらに好ましい。強化面7の真のすくい角をこのような角度にすると、切削インサート1の先端部の欠損が効果的に抑制できる。
すくい面6のすくい角Aと強化面7のすくい角Bとの角度差は、5°以上30°以下が好ましい。すくい角AとBとの角度差が5°未満であると、強化面7の効果が不足する。すくい角AとBとの角度差が30°を超えると、強化面7の真のすくい角が負の角度として絶対値が大きくなりやすいため、かえって第1の切れ刃5aの損傷が速く進行し、工具寿命を延長できない。
加工される被加工物の直径が小さい場合、切れ刃5にはホーニング面を設けないことが好ましい。例えば、外径ねじの旋盤加工において加工されるねじの直径が10mm以下の場合は、切れ刃5にホーニング面を設けないことが好ましい。溝入れまたは突っ切りの旋盤加工も、加工される被加工物の直径が10mm以下の場合は、切れ刃5にホーニング面を設けないことが好ましい。切れ刃5をシャープエッヂとすることで、びびり振動の発生などを抑制し、強化面7との相乗効果により、工具寿命がさらに大幅に延長できる。逆に言えば、切れ刃5を強化する方法として、従来のようにホーニング面を設けても、工具寿命を延長できない。本発明は、ホーニング面を設けられないような場合にも、切れ刃5は鋭利なまま、前述したような強化面7を設けることで、ねじ加工などで、大幅に工具寿命を延長できることを見出した。
前述したとおり、第2および第3の切れ刃5b、5cの半分以上は、強化面7を設けず、すくい面6に直接接続することが好ましい。第2および第3の切れ刃5b、5cの各々の90%以上は、すくい面6に直接接続することが、さらに好ましい。強化面7をこのように設けることで、びびり振動の発生などを抑制し、工具寿命がさらに大幅に延長できる。
すくい面6のすくい角Aは、正のすくい角とすることが好ましい。すくい面6のすくい角Aは、切削工具20に装着されたときの真のすくい角を5°以上20°以下とすることが、さらに好ましい。すくい面6のすくい角Aをこのような角度にすることで、びびり振動の発生などを抑制し、強化面7との相乗効果により、工具寿命がさらに大幅に延長できる。なお、強化面7の真のすくい角、すくい面6と強化面7のすくい角の角度差、切れ刃5のシャープエッヂ、第2および第3の切れ刃5b、5cの周辺の強化面7、およびすくい面6のすくい角は、それぞれ単独でも切削インサート1の工具寿命を大幅に延長できる。また、それぞれを互いに組み合わせる場合の相乗効果もあり、単独の場合との比較において、それぞれを互いに組み合わせる場合に格別の効果を得ることができる。
強化面7は、平面に限定されず、曲面とすることもできる。強化面7を曲面とする場合、断面形状が外方に向かって凸となるような曲面形状が好ましい。このような曲面は、ホーニング面を形成する方法と同様の方法で、しかし、強化面7の形成範囲を切れ刃5に接続する上面2の一部分に限定することによって得ることができる。なお、本実施形態の切削インサート1のように、強化面7を平面とすることが、さらに好ましい。強化面7を平面とすると、研削砥石による研削加工により形成することが容易となる。強化面7を研削加工により形成すると、その最大幅Wやすくい角Bを高い精度で形成・調整することができる。また、強化面7を研削加工により形成すると、切れ刃5に接続する上面のごく一部のみを強化面7とすることが容易になる。
強化面7は、平面視において、左右対称な形状に限定されない。最も欠損しやすい部分を強化する形状であれば、強化面7は非対称な形状でもよい。また、周側面4(逃げ面)側から見て、下面3に対して傾斜するようにしてもよい。欠損しやすい部分を強化しつつ、切れ刃5全体の切れ味をよくする形状であればよい。
強化面7は、欠損しやすい切れ刃5の周辺を強化する。特に、第1の切れ刃5aのように、先端が凸状になっている切れ刃5の部分を、強化面7によって強化すると有効である。強化面7は、平面視における切れ刃5の凸状の部分の曲率半径が0.2mm以下の場合に、特に欠損を防止する効果が高い。この実施形態における切削インサート1は、第1の切れ刃5aの曲率半径が約0.1mmである。
切削インサート1は、既知の方法で製造することができる。切削インサート1は、金型を用いて粉末加圧成形し、その後、焼結、研削加工、コーティング膜の付与などを行うことで製造できる。強化面7は、前述のとおり、強化面7は研削加工(研磨を含む)によって形成することができる。また、強化面7は粉末加圧成形によって形成することもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の切削インサートおよび切削工具は、種々の変更が可能である。例えば、前述の実施形態ではねじを加工する切削インサートとしたが、プーリなどのV形状の溝を加工する溝入れ工具用の切削インサートにも適用できる。また、突っ切り用の勝手のある先端部が尖った切削インサートにも適用できる。すなわち、先端部に凸形状の切れ刃を有し、切れ刃の形状が被加工物に転写される様々な切削インサートに適用できる。
前述のとおり、本発明の切削工具20は、クランプ部材(締め付けねじ)22を用いる。クランプ部材22は、くさびや押さえ駒など、既知の技術が適用できる。
本発明の切削工具は、旋盤用のバイトにも限定されず、ねじ加工用回転切削工具や溝入れ加工用回転切削工具などにも適用できる。
前述した実施形態では本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明については、請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることを理解されなければならない。すなわち、本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。
1 切削インサート
2 第1の端面(上面)
3 第2の端面(下面)
4 周側面
5 切れ刃
5a 第1の切れ刃(コーナ切れ刃)
5b 第2の切れ刃
5c 第3の切れ刃
6 すくい面
7 強化面
8 取り付け穴
20 切削工具
21 工具ボデー
22 クランプ部材
A すくい面のすくい角
B 強化面のすくい角
W 強化面の最大幅

Claims (8)

  1. 互いに対向する第1および第2の端面(2、3)と、前記第1および第2の端面(2、3)を接続する周側面(4)と、前記第1の端面(2)と前記周側面(4)との交差稜線部に切れ刃(5)とを有し、前記切れ刃(5)の形状が被加工物に転写される切削インサート(1)であって、
    前記切れ刃(5)は、凸曲線状のコーナをなす第1の切れ刃(5a)と、前記第1の切れ刃(5a)の一端に接続する第2の切れ刃(5b)と、前記第1の切れ刃(5a)の他端に接続する第3の切れ刃(5c)とを有し、
    前記切れ刃(5)から離間するにつれ前記第2の端面(3)に近づくように傾斜する場合のすくい角を正の角度とすると、前記第1の端面(2)は、すくい面(6)と、前記すくい面(6)のすくい角(A)よりも小さいすくい角(B)の強化面(7)とを有し、
    前記強化面(7)は、前記第1の切れ刃(5a)に接続する前記第1の端面(2)の部分に配置され、
    前記第2および第3の切れ刃(5b、5c)の各々の半分以上は、前記すくい面(6)に直接接続する切削インサート。
  2. 前記切れ刃(5)は、ねじを被加工物に転写する形状である請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記すくい面(6)の前記すくい角(A)は正の角度である請求項1また2に記載の切削インサート。
  4. 前記すくい面(6)のすくい角(A)と前記強化面(7)のすくい角(B)との角度差は5°以上30°以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の切削インサート。
  5. 前記強化面(7)の前記切れ刃(5)からの最大幅(W)は、0.05mm以上、0.15mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の切削インサート。
  6. 前記切れ刃(5)は、ホーニング面のないシャープエッヂである請求項1から5のいずれか1項に記載の切削インサート。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の切削インサート(1)と、工具ボデー(21)とを有する切削工具。
  8. 前記切削インサート(1)が前記工具ボデー(21)に装着された状態において、前記強化面(7)の真のすくい角は負の角度または0°である請求項7に記載の切削工具。
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