以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す要部構成図である。本実施形態のデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラ本体2とレンズ鏡筒3から構成され、これらカメラ本体2とレンズ鏡筒3はマウント部4により着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒3は、カメラ本体2に着脱可能な交換レンズである。図1に示すように、レンズ鏡筒3には、レンズ31,32,33、および絞り34を含む撮影光学系が内蔵されている。
レンズ32は、フォーカスレンズであり、光軸L1方向に移動することで、撮影光学系の焦点距離を調節可能となっている。フォーカスレンズ32は、レンズ鏡筒3の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ35によってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ36によってその位置が調節される。
絞り34は、上記撮影光学系を通過して撮像素子22に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り34による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部21からレンズ制御部37を介して送出されることにより行われる。また、カメラ本体2に設けられた操作部28によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部21からレンズ制御部37に入力される。絞り34の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部37で現在の開口径が認識される。
レンズ制御部37は、カメラ制御部21からの指令に基づいて、フォーカスレンズ32の駆動、絞り34による開口径の調節などレンズ鏡筒3全体の制御を実行する。
一方、カメラ本体2には、上記撮影光学系からの光束L1を受光する撮像素子22が、撮影光学系の予定焦点面に設けられ、その前面にシャッター23が設けられている。撮像素子22はCCDやCMOSなどのデバイスから構成され、受光した光信号を電気信号に変換してカメラ制御部21に送出する。カメラ制御部21に送出された撮影画像情報は、逐次、液晶駆動回路25に送出されて観察光学系の電子ビューファインダ(EVF)26に表示されるとともに、操作部28に備えられたレリーズボタン(不図示)が全押しされた場合には、その撮影画像情報が、記録媒体であるカメラメモリ24に記録される。なお、カメラメモリ24は着脱可能なカード型メモリや内蔵型メモリの何れをも用いることができる。撮像素子22の構造の詳細は後述する。
カメラ本体2には、撮像素子22で撮像される像を観察するための観察光学系が設けられている。本実施形態の観察光学系は、液晶表示素子からなる電子ビューファインダ(EVF)26と、これを駆動する液晶駆動回路25と、接眼レンズ27とを備えている。液晶駆動回路25は、撮像素子22で撮像され、カメラ制御部21へ送出された撮影画像情報を読み込み、これに基づいて電子ビューファインダ26を駆動する。これにより、ユーザは、接眼レンズ27を通して現在の撮影画像を観察することができる。なお、光軸L2による上記観察光学系に代えて、または、これに加えて、液晶ディスプレイをカメラ本体2の背面等に設け、この液晶ディスプレイに撮影画像を表示させることもできる。
カメラ本体2にはカメラ制御部21が設けられている。カメラ制御部21は、各種レンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部37へデフォーカス量や絞り開口径などの情報を送信する。また、カメラ制御部21は、上述したように撮像素子22から画素出力を読み出すとともに、読み出した画素出力について、必要に応じて所定の情報処理を施すことにより画像情報を生成し、生成した画像情報を、電子ビューファインダ26の液晶駆動回路25やメモリ24に出力する。また、カメラ制御部21は、撮像素子22からの画像情報の補正やレンズ鏡筒3の焦点調節状態、絞り調節状態などを検出するなど、カメラ1全体の制御を司る。
また、カメラ制御部21は、上記に加えて、撮像素子22から読み出した画素データに基づき、位相検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出、およびコントラスト検出方式による撮影光学系の焦点状態の検出を行う。なお、具体的な焦点状態の検出方法については、後述する。
操作部28は、シャッターレリーズボタンなどの撮影者がカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換が行えるようになっている。この操作部28により設定された各種モードはカメラ制御部21へ送出され、当該カメラ制御部21によりカメラ1全体の動作が制御される。また、シャッターレリーズボタンは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
次に、本実施形態に係る撮像素子22について説明する。
図2は、撮像素子22の撮像面を示す正面図、図3は、図2のIII部分を拡大して第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の配列を模式的に示す正面図である。
第1実施形態の撮像素子22は、図3に示すように、複数の撮像画素221a〜221cが、撮像面の平面上に二次元的に配列され、緑色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する緑画素Gと、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する赤画素Rと、青色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する青画素Bがいわゆるベイヤー配列(Bayer Arrangement)されたものである。すなわち、縦方向および横方向において隣接する4つの画素群223(稠密正方格子配列)において一方の対角線上に2つの緑画素が配列され、他方の対角線上に赤画素と青画素が1つずつ配列されている。このベイヤー配列された画素群223を単位として、当該画素群223を撮像素子22の撮像面に二次元状に繰り返し配列することで撮像素子22が構成されている。
図4(A)は、撮像画素221aの一つを拡大して示す正面図、図4(D)はその断面図である。撮像画素221aは、マイクロレンズ2211と、光電変換部2212と、カラーフィルタ2214aから構成され、図4(B)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2212が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2211が形成されている。また、光電変換部2212とマイクロレンズ2211との間には、カラーフィルタ2214aが設けられている。光電変換部2212は、マイクロレンズ2211により撮影光学系の射出瞳(たとえばF1.0)を通過する撮像光束を受光する形状とされ、撮像光束を受光する。
ここで、撮像画素221aに設けられたカラーフィルタ2214aは、緑色の波長領域を透過するカラーフィルタであり、これにより、撮像画素221aの分光感度は図6に示す緑画素Gの波長に対する相対感度を有することとなる。また、図4(B)は、撮像画素221bの一つを拡大して示す正面図、図4(E)はその断面図であり、図4(C)は、撮像画素221cの一つを拡大して示す正面図、図4(F)はその断面図である。撮像画素221bは、青色の波長領域を透過するカラーフィルタ2214bが設けられている以外は、撮像画素221aと同様の構成を有し、また、撮像画素221cは、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタ2214cが設けられている以外は、撮像画素221aと同様の構成を有する。そして、青色の波長領域を透過するカラーフィルタ2214bが設けられた撮像画素221bの分光感度は図6に示す青画素Bの波長に対する相対感度となり、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタ2214cが設けられた撮像画素221cの分光感度は図6に示す赤画素Rの波長に対する相対感度となる。なお、図6は、図3に示す3つの撮像画素RGBそれぞれの波長に対する相対感度を示す分光特性図である。
また、撮像素子22の撮像面の中心、ならびに中心から左右対称位置の3箇所には、上述した撮像画素221a〜221cに代えて第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2が配列された焦点検出画素列22a,22b,22cが設けられている。図3に示すように、焦点検出画素列22a,22b,22cにおいて、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と一対の第2焦点検出画素222N1,222N2とは交互に横一列に連続して配置されている。また、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2は、ベイヤー配列された撮像画素221a(緑画素G)と撮像画素221c(赤画素R)との位置にギャップを設けることなく密に配列されている。
ここで、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の具体的な構成について説明する。第1焦点検出画素222G1,222G2は、撮像画素221a(緑画素G)と同じ分光特性を有するカラーフィルタ2215(以下、緑フィルタ2215ともいう)が設けられているのに対して、第2焦点検出画素222N1,222N2には、減光フィルタ(NDフィルタ)が設けられている点で、この2つの焦点検出画素は異なっている。
図5(A)は、第1焦点検出画素222G1の一つを拡大して示す正面図、図5(E)は、第1焦点検出画素222G1の断面図である。また、図5(B)は、第1焦点検出画素222G2の一つを拡大して示す正面図、図5(F)は、第1焦点検出画素222G2の断面図である。第1焦点検出画素222G1は、図5(A)に示すように、マイクロレンズ2221と、矩形状の光電変換部2222G1とから構成され、図5(E)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222G1が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221が形成されている。また、光電変換部2222G1とマイクロレンズ2221との間には、撮像画素221a(緑画素G)のカラーフィルタ2214aと同じ分光特性を有する緑フィルタ2215が設けられている。また、第1焦点検出画素222G2は、図5(B)に示すように、マイクロレンズ2221と、光電変換部2222G2とから構成され、図5(F)の断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222G2が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221が形成されている。また、光電変換部2222G2とマイクロレンズ2221との間には、第1焦点検出画素222G1と同様に、撮像画素221a(緑画素G)のカラーフィルタ2214aと同じ分光特性を有する緑フィルタ2215が設けられている。このように、第1焦点検出画素222G1,222G2には緑フィルタ2215が設けられており、これにより、第1焦点検出画素222G1,222G2の波長の相対感度は、図6に示す緑画素Gと同様となる。
また、図5(C)は、第2焦点検出画素222N1の一つを拡大して示す正面図、図5(G)は、第2焦点検出画素222N1の断面図であり、図5(D)は、第2焦点検出画素222N2の一つを拡大して示す正面図、図5(H)は、第2焦点検出画素222N2の断面図である。第2焦点検出画素222N1は、図5(C)に示すように、マイクロレンズ2221と光電変換部2222N1とから構成され、図5(G)の断面図に示すように、光電変換部2222N1とマイクロレンズ2221との間には、減光フィルタ2216が設けられている。同様に、焦点検出画素222N2は、図5(D)に示すように、マイクロレンズ2221と光電変換部2222N2とから構成され、図5(H)の断面図に示すように、光電変換部2222N2とマイクロレンズ2221との間には、減光フィルタ2216が設けられている。
このように、第2焦点検出画素222N1,222N2には、減光フィルタ2216が設けられており、これにより、第2焦点検出画素222N1,222N2の分光特性は、分光フィルタが設けられていない焦点検出画素と比べて全体的に小さくなる。ここで、図6(B)は、カラーフィルタおよび減光フィルタを設けていない場合の焦点検出画素の分光特性を示しており、図6(C)は、減光フィルタが設けられた第2焦点検出画素222N1,222N2の分光特性を示している。図6(B)に示すように、カラーフィルタおよび減光フィルタが設けられていない焦点検出画素の相対感度は、光電変換を行うフォトダイオードの分光特性と、図示しない赤外カットフィルタの分光特性を総合したものとなり、感度を有する波長領域は、図6(A)に示す撮像画素221a(緑画素G)、撮像画素221b(青画素B)、および撮像画素221c(赤画素R)の感度の光波長領域を包摂した領域となる。一方、減光フィルタ2216を設けた第2焦点検出画素222N1,222N2では、図6(C)に示すように、緑画素G、青画素B、および赤画素Rの感度の光波長領域を包摂した波長領域で感度を有するが、その感度は、分光フィルタが設けられていない焦点検出画素と比べて全体的に小さくなる。そのため、第2焦点検出画素222N1,222N2では、緑色の波長に限定されず、広い範囲の波長の入射光を感知することができるとともに、入射光に対する感度が抑えられるため、第2焦点検出画素222N1,222N2の出力が飽和しにくくなっている。
そして、第1実施形態に係る撮像素子22では、図3に示すように、緑フィルタ2215(図3中において“G”で示す)が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、減光フィルタ2216(図3中において“N”で示す)が設けられた一対の第2焦点検出画素222N1,222N2とが交互に横一列に配列されることにより、図2に示す焦点検出画素列22a〜22cを構成する。
なお、第1焦点検出画素222G1,222G2の光電変換部22222G1,2222G2、および第2焦点検出画素222N1,222N2の光電変換部2222N1,2222N2は、マイクロレンズ2221G1,2221G2,2221N1,2222N2により撮影光学系の射出瞳の所定の領域(たとえばF2.8)を通過する光束を受光するような形状とされる。また、本実施形態において、第1焦点検出画素222G1,222G2の光電変換部2222G1,2222G2、および第2焦点検出画素222N1,222N2の光電変換部2222N1,2222N2は矩形状としたが、光電変換部2222G1,2222G2,2222N1,2222N2の形状はこれに限定されず、他の形状、たとえば、楕円形状、半円形状、多角形状とすることもできる。
さらに、図2に示す焦点検出画素列22a〜22cの位置は図示する位置にのみ限定されず、何れか一箇所、二箇所にすることもでき、また、四箇所以上の位置に配置することもできる。また、実際の焦点検出に際しては、複数配置された焦点検出画素列22a〜22cの中から、撮影者が操作部28を手動操作することにより所望の焦点検出画素列を、焦点検出エリアとして選択することもできる。
また、単位画素群223の配列は、図示する稠密正方格子以外にも、たとえば稠密六方格子配列にすることもできる。また、カラーフィルタの構成や配列はこれに限定されることはなく、補色フィルタ(緑:G、イエロー:Ye、マゼンタ:Mg,シアン:Cy)の配列を採用することもできる。
次に、上述した第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の画素出力に基づいて撮影光学系の焦点状態を検出する、いわゆる位相差検出方式について説明する。
図7は、図3のVII-VII線に沿う断面図であり、撮影光軸L1近傍に配置され、第1焦点検出画素222G1−1,222G2−1,222G1−2,222G2−2が、射出瞳350の測距瞳351,352から照射される光束AB1−1,AB2−1,AB1−3,AB2−3をそれぞれ受光し、第2焦点検出画素222N1−1,222N2−1,222N1−2,222N2−2が、射出瞳350の測距瞳351,352から照射される光束AB1−2,AB2−2,AB1−4,AB2−4をそれぞれ受光していることを示している。なお、図7においては、複数の第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2のうち、撮影光軸L1近傍に位置するもののみを例示して示したが、図7に示す焦点検出画素以外のその他の焦点検出画素についても、同様に、一対の測距瞳351,352から照射される光束をそれぞれ受光するように構成されている。
ここで、射出瞳350とは、撮影光学系の予定焦点面に配置された第1焦点検出画素および第2焦点検出画素のマイクロレンズの前方の距離Dの位置に設定された像である。距離Dは、マイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部との距離などに応じて一義的に決まる値であって、この距離Dを測距瞳距離と称する。また、測距瞳351,352とは、焦点検出画素のマイクロレンズにより、それぞれ投影された光電変換部の像をいう。
なお、図7において第1焦点検出画素222G1−1,222G2−1,222G1−2,222G2−2、および第2焦点検出画素222N1−1,222N2−1,222N1−2,222N2−2の配列方向は一対の測距瞳351,352の並び方向と一致している。
また、マイクロレンズは、撮影光学系の予定焦点面近傍に配置されており、マイクロレンズの背後に配置された各光電変換部の形状が、測距距離Dだけ離れた射出瞳350上に投影され、その投影形状は測距瞳351,352を形成する。
すなわち、測距距離Dにある射出瞳350上で、各焦点検出画素の光電変換部の投影形状(測距瞳351,352)が一致するように、各焦点検出画素におけるマイクロレンズと光電変換部の相対的位置関係が定められ、それにより各焦点検出画素における光電変換部の投影方向が決定されている。
そして、たとえば図7に示す例では、第1焦点検出画素222G1−1の光電変換部2222G1−1が、測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221G1−1に向う光束AB1−1によりマイクロレンズ2221G1−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。同様に、第1焦点検出画素222G1−2の光電変換部2222G1−2は測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221G1−2に向う光束AB1−3によりマイクロレンズ2221G1−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
また、第1焦点検出画素222G2−1の光電変換部2222G2−1は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221G2−1に向う光束AB2−1によりマイクロレンズ2221G2−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力し、第1焦点検出画素222G2−2の光電変換部2222G2−2は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221G2−2に向う光束AB2−3によりマイクロレンズ2221G2−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
そして、第1焦点検出画素222G1,222G2からの出力を、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれに対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれを通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する緑画素列データが得られる。たとえば、図8に示す例では、n個の第1焦点検出画素222G1−1,222G1−2,・・・222G1−nから出力された画素信号G1−1,G1−2,・・・G1−nからなる画素列データと、n個の第1焦点検出画素222G2−1,222G2−2,・・・222G2−nから出力された画素信号G2−1,G2−2,・・・G2−nの出力からなる画素列データとが、一対の緑画素列データとして検出される。なお、図8は、第1実施形態において出力される画素列データの一例を示す図である。
同様に、図7に示す例において、焦点検出画素222N1−1の光電変換部2222N1−1は、測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221N1に向う光束AB1−2によりマイクロレンズ2221N1−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力し、焦点検出画素222N1−2の光電変換部2222N1−2は、測距瞳351を通過し、マイクロレンズ2221N1−2に向う光束AB1−4によりマイクロレンズ2221N1−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
また、焦点検出画素222N2−1の光電変換部2222N2−1は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221N2−1に向う光束AB2−2によりマイクロレンズ2221N2−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力し、焦点検出画素222N2−2の光電変換部2222N2−2は測距瞳352を通過し、マイクロレンズ2221N2−2に向う光束AB2−4によりマイクロレンズ2221N2−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
そして、第2焦点検出画素222N1,222N2の出力を、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれに対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳351と測距瞳352とのそれぞれを通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関する減光画素列データが得られる。たとえば図8に示す例では、n個の第2焦点検出画素222N1−1,222N1−2,・・・222N1−nから出力された画素信号N1−1,N1−2,・・・N1−nからなる画素列データと、第2焦点検出画素222N2−1,222N2−2,・・・222N2−nから出力された画素信号N2−1,N2−2,・・・N2−nの出力からなる画素列データとが、一対の減光画素列データとして検出される。
このように、本実施形態では、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2の出力からなる一対の緑画素列データ、および、一対の第2焦点検出画素222N1,222N2の出力からなる一対の減光画素列データの2つの画素列データが検出される。
そして、得られた緑画素列データおよび減光画素列データに対してそれぞれ、相関演算処理または位相差検出処理などの像ズレ検出演算処理を施すことにより、いわゆる位相差検出方式による2つの像ズレ量を検出することができる。そして、得られた角像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を施すことにより、予定焦点面に対する現在の焦点面(予定焦点面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出エリアにおける焦点面をいう。)の偏差、すなわちデフォーカス量をそれぞれ求めることができる。なお、本実施形態では、緑画素列データおよび減光画素列データの2つの画素列データが得られるため、緑画素列データに基づくデフォーカス量と減光画素列データに基づくデフォーカス量の2つのデフォーカス量が算出される。
なお、これら位相差検出方式による像ズレ量の演算と、これに基づくデフォーカス量の演算は、カメラ制御部21により実行される。
次に、図9を参照して、第1実施形態に係るカメラ1の動作例を説明する。図9は、カメラ1の動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101では、カメラ制御部21により、シャッターレリーズボタンの半押し(第1スイッチSW1のオン)がされたか否かの判断が行われる。第1スイッチSW1がオンであると判断された場合はステップS102へ進み、第1スイッチSW1がオンではないと判断された場合は、第1スイッチSW1がオンされるまで、ステップS101で待機する。
ステップS102では、カメラ制御部21により、緑画素列データおよび減光画素列データの取得が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から、緑フィルタ2215を通過した光束に対応する一対の緑画素列データを取得する。また、カメラ制御部21は、減光フィルタ2216が設けられた一対の第2焦点検出画素222N1,222N2から、減光フィルタ2216を通過した光束に対応する一対の減光画素列データを取得する。
また、カメラ制御部21は、図10に示すように、緑画素列データの画素信号および減光画素列データの画素信号を補間する構成としてもよい。ここで、図10は、第1実施形態において出力される画素列データの他の例を示す図であり、説明の便宜上、測距瞳351,352から照射される一対の光束のうち、測距瞳351から照射される光束を受光する第1焦点検出画素222G1、第2焦点検出画素N1から出力される画素信号についてのみ説明する。
たとえば、カメラ制御部21は、図10(A)に示す例において、緑画素列データを構成する画素信号として、第2焦点検出画素222N1−2の画素位置に対応する画素信号G1−2’(図10中、破線で囲む)を補間する場合、第1焦点検出画素222G1−2,222G1−3から出力された画素信号G1−2,G1−3と、第2焦点検出画素222N1−1,222N1−2,222N1−3から出力された画素信号N1−1,N1−2,N1−3とを用いて、画素信号G1−2’を補間する。また、減光画素列データを構成する画素信号として、第1焦点検出画素222G1−2の画素位置に対応する画素信号N1−2’(図10(B)中、実線で囲む)を補間する場合、カメラ制御部21は、第1焦点検出画素222G1−1,222G1−2,222G1−3から出力された画素信号G1−1,G1−2,G1−3と、第2焦点検出画素222N1−1,222N1−2から出力された画素信号N1−1,N1−2とを用いて、画素信号N1−2’を補間する。
このように、カメラ制御部21は、補間する画素を中心とした5個の焦点検出画素を用いて、画素信号の補間を行うことができる。そして、カメラ制御部21は、緑画素列データおよび減光画素列データを構成する他の画素信号についても同様に補間を行うことで、図10(B)に示すような画素列データを取得することができる。
続いてステップS103では、カメラ制御部21により、ステップS102で取得された一対の緑画素列データおよび一対の減光画素列データに基づいて、2つのデフォーカス量の算出が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、緑フィルタ2215を通過した光束に対応する一対の緑画素列データに基づいて像ズレ量を演算し、この像ズレ量をデフォーカス量に変換することで、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を算出する。同様に、カメラ制御部21は、減光フィルタ2216を通過した光束に対応する一対の減光画素列データに基づいて像ズレ量を演算し、この像ズレ量をデフォーカス量に変換することで、一対の減光画素列データに基づくデフォーカス量を算出する。さらに、カメラ制御部21は、算出したデフォーカス量の信頼性の評価を行う。なお、デフォーカス量の信頼性の評価は、たとえば、一対の画素列データの一致度やコントラストなどに基づいて行なわれる。
ステップS104では、カメラ制御部21により、ステップS103で算出した緑画素列データに基づくデフォーカス量と減光画素列データに基づくデフォーカス量の中から、焦点検出に用いるデフォーカス量を決定する処理が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、画素列データの信頼性や被写体の輝度に基づいて、焦点検出に用いる画素列データを決定する。
ここで、人間の眼は緑色の波長領域の光で感度が高くなるため、緑フィルタ2215が設けられた第1焦点検出画素222G1,222G2から出力された緑画素列データを用いて焦点検出を行うことで、色収差の影響を抑制しながら、人間の眼に応じた焦点検出を行うことができる。また、減光フィルタ2216を設けた第2焦点検出画素222N1,222N2は、図6(C)に示すように、青画素B、緑画素Gおよび赤画素Rの感度の光波長領域を包摂した領域を検知できるため、緑フィルタ2215を設けた第1焦点検出画素222G1,222G2と比べて、赤色および青色の被写体を検出することができる。
そこで、カメラ制御部21は、たとえば、第1焦点検出画素222G1,222G2から出力された一対の緑画素列データの検出強度が一定値以上である場合など、一対の緑画素列データが適切に検出できた場合には、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を焦点検出に用いるデフォーカス量として決定し、一方、一対の緑画素列データの検出強度が一定値未満である場合など、一対の緑画素列データが適切に検出できない場合には、一対の減光画素列データに基づくデフォーカス量を、焦点検出に用いるデフォーカス量として決定する。
また、緑フィルタ2215を設けた第1焦点検出画素222G1,222G2は、入射波長が限定されるため、入射光量が少なる傾向にある。そこで、被写体の輝度が所定値以上である場合には、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を、焦点検出に用いるデフォーカス量として決定し、被写体の輝度が所定値未満である場合には、一対の減光画素列データに基づくデフォーカス量を、焦点検出に用いるデフォーカス量として決定する構成としてもよい。
ステップS105では、カメラ制御部21により、ステップS104で算出されたデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズ32を、合焦位置まで駆動させるための処理が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、位相差検出方式により算出されたデフォーカス量から、フォーカスレンズ32を合焦位置まで駆動させるのに必要となるレンズ駆動量を算出し、算出されたレンズ駆動量を、レンズ制御部37を介して、フォーカスレンズ駆動モータ36に送出する。そして、フォーカスレンズ駆動モータ36は、カメラ制御部21により算出されたレンズ駆動量に基づいて、フォーカスレンズ32を合焦位置まで駆動させる。
そして、ステップS106では、カメラ制御部21により、操作部28に備えられたシャッターレリーズボタンの全押し(第2スイッチSW2のオン)がされたか否かの判断が行なわれる。第2スイッチSW2がオンされていない場合には、ステップS101に戻り、第2スイッチSW2がオンされるまで、光学系の焦点調節が繰り返される。一方、第2スイッチSW2がオンされた場合、被写体像を撮影するために、ステップS107に進む。
ステップS107では、撮像素子22により電荷の蓄積・転送が行われる。具体的には、撮像素子22の撮像画像221a〜221c、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2により、入射光に応じた電荷の蓄積が行われ、蓄積された電荷に応じた画像データが、カメラ制御部21に転送される。
ステップS108では、カメラ制御部21により、画素信号の補間処理が行われる。すなわち、カメラ制御部21は、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2において、撮像画素221a〜221cと同様の画素信号が得られるように、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を補間する。
ここで、第1焦点検出画素222G1,222G2には、緑フィルタ2215が設けられており、第1焦点検出画素222G1,222G2の出力を撮像用信号として用いることができる。しかし、第1焦点検出画素222G1,222G2の光電変換素子2222G1,2222G2は、撮像画素221a〜221cの光電変換素子2212と比べて面積が小さいため、第1焦点検出画素222G1,222G2において、撮像画素221a〜221cと同様の画素出力が得られない可能性が高い。そこで、カメラ制御部21は、第1焦点検出画素222G1,222G2においても撮像画素221a〜221cと同様の画素信号が得られるように、第1焦点検出画素222G1,222G2自体の出力と、補間を行う第1焦点検出画素222G1,222G2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第1焦点検出画素222G1,222G2の画素信号を撮像用に補間する。
なお、図9に示すように、ステップS102で緑画素列データの画素信号を補間した場合には、ステップS102で補間した焦点検出用の画素信号を用いて、第1焦点検出画素222G1,222G2の画素信号を撮像用に補間する構成としてもよい。
また、第2焦点検出画素222N1,222N2には、減光フィルタ2216が設けられており、第2焦点検出画素222N1,222N2の出力だけでは色情報を得ることができない。そこで、カメラ制御部21は、撮像用に、第2焦点検出画素222N1,222N2自体の出力と、補間を行う第2焦点検出画素222N1,222N2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を撮像用に補間する。
なお、図9に示すように、ステップS102で減光画素列データの画素信号を補間した場合には、ステップS102で補間した焦点検出用の画素信号を用いて、第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を撮像用に補間する構成としてもよい。具体的には、被写体の輝度が、第2焦点検出画素222N1,222N2の出力が飽和しない輝度以下である場合には、ステップS102で補間した画素信号と、補間を行う第2焦点検出画素222N1,222N2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を撮像用に補間することができる。また、被写体の輝度が、第2焦点検出画素222N1,222N2の出力が飽和してしまう輝度以上である場合には、補間を行う第2焦点検出画素222N1,222N2周辺の第1焦点検出画素222G1,222G2の出力と、補間を行う第2焦点検出画素222N1,222N2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を撮像用に補間することができる。
そして、ステップS109では、カメラ制御部21により、撮像画素221a〜221cにより出力された画素信号と、ステップS108で補間された第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号とに基づいて、撮像画像の生成が行われる。
以上のように、第1実施形態に示す撮像素子22は、図3に示すように、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、減光フィルタ2216が設けられた一対の第2焦点検出画素222N1,222N2とが交互に配置されており、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが出力され、一対の第2焦点検出画素222N1,222N2から一対の減光画素列データが出力される。そして、一対の緑画素列データが適切に検出できた場合には、一対の緑画素列データに基づいて、位相差検出方式による光学系の焦点状態の検出を行い、一方、一対の緑画素列データが適切に検出できない場合には、減光フィルタ2216を通過した光束に対応する一対の減光画素列データに基づいて、位相差検出方式による光学系の焦点状態の検出が行われる。
ここで、緑フィルタ2215が設けられた第1焦点検出画素222G1,222G2は、人間の眼の感度に近い波長領域を検知できるため、一対の緑画素列データを適切に検出できた場合に、緑画素列データを用いて焦点検出を行うことで、人間の眼に合った信頼性の高い焦点検出結果を得ることができる。また、緑フィルタ2215で入射光の波長領域を限定することで、色収差の影響が小さくなり、これにより、焦点検出における検出精度を高めることができる。一方、減光フィルタ2216が設けられた第2焦点検出画素222N1,222N2では、赤色および青色の被写体光も検出することができるため、たとえば被写体が赤色や青色であるため一対の緑画素列データを適切に検出できない場合でも、減光フィルタ2216を通過した減光画素列データに基づいて焦点検出を行うことで、被写体の色情報にかかわらず、光学系の焦点状態を適切に検出することができる。また、減光フィルタ2216を通過した光束は、フィルタを全く設けていない場合と比べて出力の飽和を抑制することができるため、被写体の輝度が高い場合でも、光学系の焦点状態を適切に検出することができる。
また、本実施形態では、図3に示すように、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2および一対の第2焦点検出画素222N1,222N2が一次元状に連続して配置されている。ここで、たとえば焦点検出画素が離散的に配置されている場合には、被写体の像のパターンによっては、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2で被写体の像を検出できない場合があるが、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2を一次元状に連続して配置することで、被写体の像を適切に検出することができ、これにより、焦点検出における検出精度を向上することができる。
また、第1実施形態では、画像を撮影する際に、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の画素信号を補間し、補間した画素信号を用いて、撮像画像の撮像を行うことで、撮像画像の画質を向上させることができる。特に、第1焦点検出画素222G1,222G2には緑フィルタ2215が設けられており、焦点検出画素222G1,222G2の出力は色情報を備えるため、焦点検出画素222G1,222G2の出力を撮像用信号としても用いることで、撮像画像の画質をより向上させることができる。また、第1実施形態では、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2に隣接して撮像画素221a〜221cがベイヤー配列で配置されているため、第1焦点検出画素222G1,222G2および第2焦点検出画素222N1,222N2の画素位置におけるR,G,B情報を、隣接する撮像画素221a〜221cの出力を用いて補間することができ、これにより、撮像画像の画質をより向上させることができる。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。第2実施形態に係るカメラ1aは、図11に示すように、第1焦点検出画素222G1,222G2および図12に示す第3焦点検出画素222E1,222E2が配列された撮像素子22aを備え、図13に示すように動作すること以外は、第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態に係るカメラ1aについて説明する。
図11は、第2実施形態に係る撮像素子22aを説明するための図である。図11に示すように、撮像素子22aには、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と一対の第3焦点検出画素222E1,222E2とが交互に横一列に配列されて構成されている。また、第2実施形態において、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2および一対の第3焦点検出画素222E1,222E2は、ベイヤー配列された撮像画素221a(緑画素G)と撮像画素221c(赤画素R)との位置にギャップを設けることなく密に配列されている。
ここで、図12(A)は、第3焦点検出画素222E1の一つを拡大して示す正面図、図12(C)は、第3焦点検出画素222E1の断面図である。また、図12(B)は、第3焦点検出画素222E2の一つを拡大して示す正面図、図12(D)は、第3焦点検出画素222E2の断面図である。第3焦点検出画素222E1は、図12(A)に示すように、マイクロレンズ2221と、矩形状の光電変換部2222E1とから構成され、図12(C)の断面図に示すように、光電変換部2222E1とマイクロレンズ2221との間には、カラーフィルタや減光フィルタなどの分光フィルタが設けられていない。また、第3焦点検出画素222E2は、図12(B)に示すように、マイクロレンズ2221と、光電変換部2222E2とから構成され、図12(D)の断面図に示すように、光電変換部2222E2とマイクロレンズ2221との間には、カラーフィルタや減光フィルタなどの分光フィルタが設けられていない。そのため、第3焦点検出画素222E1,222E2の波長の相対感度は、図6(B)に示すような相対感度を有することとなる。
このように、第3焦点検出画素222E1,222E2には、分光フィルタが設けられていなため、入射波長の制限がなく、その分、入射光量を多くすることができる。そのため、被写体の輝度が低い場合でも、画素信号のSN比を高くすることができ、第3焦点検出画素222E1,222E2の出力に基づいて焦点検出を行った場合に、焦点検出における検出精度を高めることができる。また、第3焦点検出画素222E1,222E2には、カラーフィルタを設けられていないため、被写体の色情報にかかわらずに、被写体からの入射光を検知することができる。
そして、第2実施形態に係る撮像素子22aでは、図11に示すように、緑フィルタ2215(図11中において“G”で示す)が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G1と、分光フィルタが設けられていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2とが交互に横一列に配列されることにより、焦点検出画素列を構成する。
そして、第2実施形態では、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが出力されるとともに、分光フィルタが設けられていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2から、一対のフィルタ無し画素列データが出力される。
次に、図13を参照して、第3実施形態に係るカメラ1aの動作について説明する。なお、図13は、第2実施形態に係るカメラ1aの動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、第1実施形態のステップS101と同様に、第1スイッチSW1がオンされるまで、ステップS201で待機し、第1スイッチSW1がオンであると判断された場合は、ステップS202に進む。そして、ステップS202では、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが取得されるとともに、分光フィルタが設けられていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2から一対のフィルタ無し画素列データが取得される。
なお、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、一対の緑画素列データとして、第3焦点検出画素222E1,222E2の画素位置に対応する画素信号を補間し、一対のフィルタ無し画素列データとして、第1焦点検出画素222G1,222G2の画素位置に対応する画素信号を補間する構成としてもよい。
ステップS203では、第1実施形態のステップS103と同様に、カメラ制御部21により、ステップS202で取得した緑画素列データおよびフィルタ無し画素列データに基づいて、デフォーカス量の算出が行われる。すなわち、カメラ制御部21は、緑画素列データに基づくデフォーカス量と、フィルタ無し画素列データに基づくデフォーカス量の2つのデフォーカス量を算出する。
ステップS204では、カメラ制御部21により、ステップS203で算出した緑画素列データに基づくデフォーカス量およびフィルタ無し画素列データに基づくデフォーカス量の中から、焦点検出に用いる画素列データを決定する処理が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、第1実施形態と同様に、焦点検出における画素列データの信頼性や被写体の輝度に基づいて、焦点検出に用いる画素列データを決定する。
たとえば、カメラ制御部21は、緑フィルタ2215を通過した光束に対応する一対の緑画素列データの検出強度が一定値以上である場合など、一対の緑画素列データが適切に検出できた場合には、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を焦点検出に用いるデフォーカス量として決定し、一方、一対の緑画素列データの検出強度が一定値未満である場合など一対の緑画素列データが適切に検出できない場合には、第3焦点検出画素222E1,222E2から出力された一対のフィルタ無し画素列データに基づくデフォーカス量を、焦点検出に用いるデフォーカス量として決定する。これにより、たとえば、一対の緑画素列データが適切に検出できた場合には、人間の眼の感度に合った焦点検出を行うことができるとともに、被写体が赤色や青色などにより一対の緑画素列データが適切に検出できない場合でも、被写体の色情報に限定されない一対のフィルタ無し画素列データに基づいて焦点検出を適切に行うことができる。
また、カメラ制御部21は、被写体の輝度が所定値以上である場合に、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を焦点検出に用いるデフォーカス量として決定し、被写体の輝度が所定値未満である場合には、一対のフィルタ無し画素列データに基づくデフォーカス量を焦点検出に用いるデフォーカス量として決定してもよい。第3焦点検出画素222E1,222E2には分光フィルタが設けられていないため、入射光量が多く、被写体の輝度が低い場合でも、SN比を高くすることができ、光学系の焦点状態を適切に検出することができる。
ステップS205では、ステップS105と同様に、ステップS204で算出されたデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズ32の合焦駆動が行われる。そして、ステップS206で、シャッターレリーズボタンの全押し(第2スイッチSW2のオン)がされたか否かの判断が行なわれ、第2スイッチSW2がオンされていない場合には、ステップS201に戻り、第2スイッチSW2がオンされるまで、光学系の焦点調節が繰り返される。一方、第2スイッチSW2がオンされた場合には、被写体像を撮影するために、ステップS207に進み、撮像素子22aにより電荷の蓄積・転送が行われる。
そして、ステップS208において、撮像用に画素信号の補間処理が行われる。ここで、第1焦点検出画素222G1,222G2については、第1実施形態と同様に、第1焦点検出画素222G1,222G2自体の出力と、補間を行う第1焦点検出画素222G1,222G2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第1焦点検出画素222G1,222G2の画素信号が撮像用に補間される。
一方、第3焦点検出画素222E1,222E2については、分光フィルタが設けられていため、第3焦点検出画素222E1,222E2の出力が飽和する可能性がある。そのため、カメラ制御部21は、第3焦点検出画素222E1,222E2自体の出力を用いることなく、補間を行う第3焦点検出画素222E1周辺の第1焦点検出画素222G1の出力と、補間を行う第3焦点検出画素222E1周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第3焦点検出画素222E1の画素信号を撮像用に補間し、同様に、補間を行う第3焦点検出画素222E2周辺の第1焦点検出画素222G2の出力と、補間を行う第3焦点検出画素222E2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第3焦点検出画素222E2の画素信号を撮像用に補間する。
なお、ステップS202で画素列データの画素信号を補間した場合には、第1実施形態と同様に、ステップS202で補間した焦点検出用の画素信号を用いて、撮像用の画素信号を補間する構成としてもよい。
そして、ステップS209では、撮像画素221a〜221cにより出力された画素信号と、ステップS208で補間された第3焦点検出画素222E1,222E2の画素信号とに基づいて、撮像画像の生成が行われる。
以上のように、第2実施形態では、図11に示すように、撮像素子22aにおいて、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、分光フィルタが設けられていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2とが交互に配置されており、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが出力され、一対の第3焦点検出画素222E1,222E2から一対のフィルタ無し画素列データが出力される。
ここで、第3焦点検出画素222E1,222E2には、カラーフィルタや減光フィルタが設けられていないため、入射波長の制限がなく、入射光量を多くすることができる。そのため、第3焦点検出画素222E1,222E2では、被写体の輝度が低い場合でも、画素信号のSN比を高くすることができ、その結果、焦点検出における検出精度を高めることができる。また、第3焦点検出画素222E1,222E2には、カラーフィルタを設けられていないため、被写体の色情報にかかわらずに、被写体からの入射光を検知することができ、焦点検出を適切に行うことができる。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。第3実施形態に係るカメラ1bは、図14に示すように、第1焦点検出画素222G1,222G2と、図15に示す第4焦点検出画素222B1,222B2および第5焦点検出画素222R1,222R2とが配置された撮像素子22bを備え、図16に示すように動作すること以外は、第1実施形態と同様である。以下に、第3実施形態に係るカメラ1bについて説明する。
図14は、第3実施形態に係る撮像素子22bを説明するための図である。図14に示すように、撮像素子22bには、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、一対の第4焦点検出画素222B1,222B2と、一対の第5焦点検出画素222R1,222R2とが交互に横一列に配列されて構成されている。なお、第3実施形態において、第1焦点検出画素222G1,222G2、第4焦点検出画素222B1,222B2、および第5焦点検出画素222R1,222R2は、ベイヤー配列された撮像画素221a(緑画素G)と撮像画素221c(赤画素R)との位置にギャップを設けることなく密に配列されている。
図15(A)は、第4焦点検出画素222B1の一つを拡大して示す正面図、図15(E)は、第4焦点検出画素222B1の断面図である。また、図15(B)は、第4焦点検出画素222B2の一つを拡大して示す正面図、図15(D)は、第4焦点検出画素222B2の断面図である。第4焦点検出画素222B1は、図15(A)に示すように、マイクロレンズ2221と、矩形状の光電変換部2222B1とから構成され、図15(E)の断面図に示すように、光電変換部2222B1とマイクロレンズ2221との間には、撮像画素221b(青画素B)のカラーフィルタ2214bと同じ分光特性を有するカラーフィルタ2217(以下、青フィルタ2217という)が設けられている。また、第4焦点検出画素222B2は、図15(B)に示すように、マイクロレンズ2221と、光電変換部2222B2とから構成され、図15(F)の断面図に示すように、光電変換部2222B2とマイクロレンズ2221との間には、青フィルタ2217が設けられている。
また、図15(C)は、第5焦点検出画素222R1の一つを拡大して示す正面図、図15(G)は、第5焦点検出画素222R1の断面図であり、図15(D)は、第5焦点検出画素222R2の一つを拡大して示す正面図、図15(H)は、第5焦点検出画素222R2の断面図である。第5焦点検出画素222R1は、図15(C)に示すように、マイクロレンズ2221と、矩形状の光電変換部2222R1とから構成され、図15(G)の断面図に示すように、光電変換部2222R1とマイクロレンズ2221との間には、撮像画素221c(赤画素R)のカラーフィルタ2214cと同じ分光特性を有するカラーフィルタ2218(以下、赤フィルタ2218という)が設けられている。また、第5焦点検出画素222R2は、図15(D)に示すように、マイクロレンズ2221と、光電変換部2222R2とから構成され、図15(H)の断面図に示すように、光電変換部2222R2とマイクロレンズ2221との間には、赤フィルタ2218が設けられている。
そして、第3実施形態に係る撮像素子22bでは、図14に示すように、緑フィルタ2215(図14中において“G”で示す)が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、青フィルタ2217(図14中において“B”で示す)が設けられた一対の第4焦点検出画素222B1,222B2と、赤フィルタ2218(図14中において“R”で示す)が設けられた一対の第5焦点検出画素222R1,222R1とが交互に横一列に配列されることにより、焦点検出画素列を構成する。
そして、第3実施形態では、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが出力され、青フィルタ2217が設けられた一対の第4焦点検出画素222B1,222B2から一対の青画素列データが出力され、赤フィルタ2218が設けられた一対の第5焦点検出画素222R1,222R2から一対の赤画素列データが出力される。
次に、図16を参照して、第3実施形態に係るカメラ1bの動作について説明する。なお、図16は、第3実施形態に係るカメラ1bの動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS301では、第1実施形態のステップS101と同様に、第1スイッチSW1がオンされるまで、ステップS301で待機し、第1スイッチSW1がオンであると判断された場合は、ステップS302に進む。そして、ステップS302では、カメラ制御部21により、緑画素列データ、青画素列データ、および赤画素列データの3つの画素列データの取得が行われる。
たとえば、図17に示す例では、カメラ制御部21は、一対の第1焦点検出画素222G1−1,222G1−2,・・・222G1−n,222G2−1,222G2−2,・・・222G2−nから一対の緑画素列データG1−1,G1−2,・・・G1−n,G2−1,G2−2,・・・G2−nを取得する。また、カメラ制御部21は、一対の第4焦点検出画素222B1−1,222B1−2,・・・222B1−n,222B2−1,222B2−2,・・・222B2−nから一対の青画素列データB1−1,B1−2,・・・B1−n,B2−1,B2−2,・・・B2−nを取得する。さらに、カメラ制御部21は、一対の第5焦点検出画素222R1−1,222R1−2,・・・222R1−n,222R2−1,222R2−2,・・・222R2−nから一対の赤画素列データR1−1,R1−2,・・・R1−n,R2−1,R2−2,・・・R2−nを取得する。なお、図17は、第3実施形態で出力される画素列データの一例を示す図である。
また、カメラ制御部21は、図18に示すように、焦点検出用に画素列データの画素信号を補間する構成としてもよい。ここで、図18は、第3実施形態に係る画素列データの他の例を示す図であり、説明の便宜上、測距瞳351,352から照射される一対の光束のうち、測距瞳351から照射される光束を受光する第1焦点検出画素222G1、第4焦点検出画素B1、第5焦点検出画素R1の画素信号について説明する。
たとえば、カメラ制御部21は、図18(A)に示す例において、緑画素列データを構成する画素信号として、第4焦点検出画素222B1−2の画素位置に対応する画素信号G1−2’(図18中、破線で囲む)を補間する場合、第1焦点検出画素222G1−2,222G1−3から出力された画素信号G1−2,G1−3と、第4焦点検出画素222B1−1,222B1−2,222B1−3から出力された画素信号B1−1,B1−2,B1−3と、第5焦点検出画素222R1−1,222R1−2から出力された画素信号R1−1,R1−2とを用いて、画素信号G1−2’を補間する。同様に、カメラ制御部21は、赤画素列データを構成する画素信号として、第4焦点検出画素222B1−2の画素位置に対応する画素信号R1−2’’(図18(B)中、実線で囲む)を補間する場合、第1焦点検出画素222G1−2,222G1−3から出力された画素信号G1−2,G1−3と、第4焦点検出画素222B1−1,222B1−2,222B1−3から出力された画素信号B1−1,B1−2,B1−3と、第5焦点検出画素222R1−1,222R1−2から出力された画素信号R1−1,R1−1とを用いて、画素信号R1−2’’を補間する。
このように、カメラ制御部21は、補間する画素を中心とした7個の焦点検出画素を用いて、画素信号の補間を行うことができる。そして、カメラ制御部21は、緑画素列データ、青画素列データ、および赤画素列データを構成する他の画素信号についても同様に補間することで、図18(B)に示すような画素列データを取得することができる。
また、カメラ制御部21は、第1焦点検出画素222G1、第4焦点検出画素B1、第5焦点検出画素R1の出力を加算するとともに、第1焦点検出画素222G2、第4焦点検出画素B2、第5焦点検出画素R2の出力を加算することで、緑画素列データ、青画素列データ、および赤画素列データの3つの画素列データを、1つの画素列データとして取得する構成としてもよい。たとえば、図17に示す例において、第1焦点検出画素222G1−1から出力された画素信号G1−1と、第4焦点検出画素222B1−1から出力された画素信号B1−1と、第5焦点検出画素222R1−1から出力された画素信号R1−1とを加算して、1つの画素信号として算出し、同様に、他の第1焦点検出画素222G1、第4焦点検出画素B1、第5焦点検出画素R1の出力を加算して画素信号を算出することで、第1焦点検出画素222G1、第4焦点検出画素B1、第5焦点検出画素R1の出力に基づく画素列データを生成する。同様に、第1焦点検出画素222G2、第4焦点検出画素B2、第5焦点検出画素R2の出力を加算して画素信号を算出して画素列データを生成することで、1つの画素列データを生成することができる。
ステップS303では、第1実施形態のステップS103と同様に、カメラ制御部21により、ステップS302で取得した緑画素列データ、青画素列データ、および赤画素列データに基づいて、デフォーカス量の算出が行われる。すなわち、カメラ制御部21は、緑画素列データに基づくデフォーカス量と、青画素列データに基づくデフォーカス量と、赤画素列データに基づくデフォーカス量の3つのデフォーカス量を算出する。
そして、ステップS304では、カメラ制御部21により、ステップS303で算出した緑画素列データに基づくデフォーカス量、青画素列データに基づくデフォーカス量
および赤画素列データに基づくデフォーカス量の中から、焦点検出に用いる画素列データを決定する処理が行われる。具体的には、カメラ制御部21は、第1実施形態と同様に、焦点検出における画素列データの信頼性や被写体の輝度に基づいて、焦点検出に用いる画素列データを決定する。
たとえば、カメラ制御部21は、第1焦点検出画素222G1,222G2から出力された一対の緑画素列データの検出強度が一定値以上である場合など、一対の緑画素列データが適切に検出できた場合には、一対の緑画素列データに基づくデフォーカス量を焦点検出に用いるデフォーカス量として決定する。一方、一対の緑画素列データの検出強度が一定値未満である場合など、一対の緑画素列データが適切に検出できない場合には、カメラ制御部21は、一対の青画素列データおよび一対の赤画素列データのうち検出強度が一定以上である画素列データに基づくデフォーカス量を、焦点検出に用いるデフォーカス量として決定する。このように、第3実施形態では、緑画素列データに基づくデフォーカス量、青画素列データに基づくデフォーカス量、および赤画素列データに基づくデフォーカス量の中から焦点検出に用いるデフォーカス量を算出することで、被写体の色情報に限定されずに、被写体に対する焦点検出を適切に行うことができる。
そして、ステップS305では、第1実施形態のステップS105と同様に、ステップS303で決定されたデフォーカス量に基づいて、フォーカスレンズ32の合焦駆動が行われる。そして、ステップS306で、シャッターレリーズボタンの全押し(第2スイッチSW2のオン)がされたか否かの判断が行なわれ、第2スイッチSW2がオンされていない場合には、ステップS301に戻り、第2スイッチSW2がオンされるまで、光学系の焦点調節が繰り返される。一方、第2スイッチSW2がオンされた場合、被写体像を撮影するために、ステップS307に進み、撮像素子22bにより電荷の蓄積・転送が行われる。
そして、ステップS308では、撮像用に画素信号の補間処理が行われる。ここで、第1焦点検出画素222G1,222G2の画素信号については、第1実施形態と同様に、第1焦点検出画素222G1,222G2自体の出力と、補間を行う第1焦点検出画素222G1,222G2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて撮像用の補間処理が行われる。
また、第4焦点検出画素222B1,222B2については、青フィルタ2217が設けられているため、第4焦点検出画素222B1,222B2の出力を撮像用信号として用いることができるが、第4焦点検出画素222B1,222B2の光電変換素子2222B1,2222B2は、撮像画素221a〜221cの光電変換素子2212と比べて面積が小さいため、第4焦点検出画素222B1,222B2において、撮像画素221a〜221cと同様の画素出力が得られない可能性が高い。そこで、カメラ制御部21は、第4焦点検出画素222B1,222B2においても撮像画素221a〜221cと同様の画素信号が得られるように、第4焦点検出画素222B1,222B2自体の出力と、補間を行う第4焦点検出画素222B1,222B2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第4焦点検出画素222B1,222B2の画素信号を撮像用に補間する。
同様に、第5焦点検出画素222R1,222R2には、赤フィルタ2218が設けられているため、第5焦点検出画素222R1,222R2の出力を撮像用信号として用いることができるが、第5焦点検出画素222R1,222R2の光電変換素子2222R1,2222R2は、撮像画素221a〜221cの光電変換素子2212と比べて面積が小さいため、第5焦点検出画素222R1,222R2において、撮像画素221a〜221cと同様の画素出力が得られない可能性が高い。そこで、カメラ制御部21は、第5焦点検出画素222R1,222R2においても撮像画素221a〜221cと同様の画素信号が得られるように、第5焦点検出画素222R1,222R2自体の出力と、補間を行う第5焦点検出画素222R1,222R2周辺の撮像画素221a〜221cの出力とを用いて、第5焦点検出画素222R1,222R2の画素信号を補間する。
なお、ステップS302で画素列データの画素信号を補間した場合には、第1実施形態と同様に、ステップS302で補間した焦点検出用の画素信号を用いて、撮像用の画素信号を補間する構成としてもよい。
そして、ステップS309では、撮像画素221a〜221cにより出力された画素信号と、ステップS308で補間された第4焦点検出画素222B1,222B2および第5焦点検出画素222R1,222R2の画素信号とに基づいて、撮像画像の生成が行われる。
以上のように、第3実施形態に係る撮像素子22bは、図14に示すように、緑フィルタ2215が設けられた一対の第1焦点検出画素222G1,222G2と、青フィルタ2217が設けられた一対の第4焦点検出画素222B1,222B2と、赤フィルタ2218が設けられた一対の第5焦点検出画素222R1,222R2とが交互に配置されており、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2から一対の緑画素列データが出力され、一対の第4焦点検出画素222B1,222B2から一対の青画素列データが出力され、一対の第5焦点検出画素222R1,222R2から一対の赤画素列データが出力される。
ここで、第4焦点検出画素222B1,222B2には、青色の波長領域を透過する青フィルタ2217が設けられているため、青色の被写体に対して適切に焦点状態を検出することができる。また、第5焦点検出画素222R1,222R2には、赤色の波長領域を透過する赤フィルタ2218が設けられているため、赤色の被写体に対して適切に焦点状態を検出することができる。そのため、第3実施形態では、被写体の色(入射波長)に限定されることなく、被写体に対する光学系の焦点状態を適切に検出することができる。
また、第3実施形態では、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2、一対の第4焦点検出画素222B1,222B2、一対の第5焦点検出画素222R1,222R2の出力がそれぞれ色情報を有するため、一対の第1焦点検出画素222G1,222G2、一対の第4焦点検出画素222B1,222B2、一対の第5焦点検出画素222R1,222R2の出力を用いて画像を撮像することで、撮像画像の品質を向上させることができる。特に、第3実施形態では、隣接する焦点検出画素から色情報を得ることができるため、高画質の撮像画像を生成することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態に加えて、焦点検出画素として、減光フィルタ2216が設けられた一対の第2焦点検出画素222N1,222N2と分光フィルタが設けられていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2のみを有する構成としてもよい。この場合、たとえば被写体の輝度が所定値以上である場合には、減光フィルタ2216が設けられた一対の第2焦点検出画素222N1,222N2から出力される減光画素列データを用いて焦点検出を行うことで、焦点検出画素の出力が飽和してしまうことを有効に防止することができるとともに、被写体の輝度が所定値未満である場合には、分光フィルタを設けていない一対の第3焦点検出画素222E1,222E2から出力されるフィルタ無し画素列データを用いて焦点検出を行うことで、画素信号のSN比を高めることができ、焦点検出の検出精度を高めることができる。
また、上述した実施形態では、2以上の画素列データのそれぞれについてデフォーカス量を算出し、算出したデフォーカス量の中から、焦点検出に用いるデフォーカス量を決定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、2以上の画素列データの中から焦点検出に用いる画素列データを決定し、決定した画素列データに基づいてデフォーカス量を算出する構成としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、各焦点検出画素が1つの光電変換素子を有する構成を例示したが、たとえば、それぞれの焦点検出画素が一対の光電変換素子を有し、該焦点検出画素が有する一対の光電変換素子において、瞳分割された一対の光束を受光する構成としてもよい。この場合、それぞれの焦点検出画素が有する一対の光電変換素子を、本発明の一対の焦点検出画素として扱うことができる。
加えて、上述した実施形態では、位相差検出方式による焦点検出を行う構成を例示したが、この構成に限定されず、撮像素子22の撮像画素221a〜221cの出力を読み出し、読み出した画素出力に基づき、焦点評価値の演算を行うことで、コントラスト検出方式による焦点検出も行う構成とすることができる。たとえば、カメラ制御部21は、レンズ制御部37に駆動信号を送出してフォーカスレンズ32を所定のサンプリング間隔(距離)で駆動させ、それぞれの位置における焦点評価値を求め、該焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ32の位置を合焦位置として求めることができる。