JP2018174205A - R−t−b系焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents

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徹彦 溝口
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Abstract

【課題】高い保磁力を与える希土類元素を用いて、保磁力を効果的に向上させることができるR−T−B系焼結磁石、およびその製造方法を提供する。【解決手段】Rとして軽希土類元素を含むR−T—B系合金の結晶粒よりなる第一の主相1と、Rとして重希土類元素を含むR−T−B系合金の結晶粒よりなる第二の主相2と、2つの主相1,2を構成する結晶粒の表面を囲む表面相5と、粒界三重点に存在する粒界合金相3と、を有し、重希土類元素の濃度は、第一の主相1および粒界合金相3において、第二の主相2および表面相5よりも低いR−T—B系焼結磁石とする。また、Rとして軽希土類元素を含むR−T—B系合金よりなる第一の原料11と、Rとして重希土類元素を第一の原料11よりも高濃度で含むR−T−B系合金よりなる第二の原料12と、を混合して焼結する製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、R−T−B系焼結磁石およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、希土類元素の分布の異なる複数の相を有するR−T−B系焼結磁石、およびそのようなR−T−B系焼結磁石を製造する方法に関するものである。
高い磁気特性を有する希土類磁石の1種として、R−T−B系焼結磁石が用いられている(Rは希土類元素、TはFeまたはFeの一部をCoで置換したもの)。磁石において要求される磁気特性の1つとして、高い保磁力を有することが挙げられる。一般に、R−T−B系焼結磁石は、R14Bなる組成を有する結晶粒を主相としてなる。通常、希土類元素Rは、NdやPr等の軽希土類元素であるが、希土類元素Rの一部をDyやTb等の重希土類元素に置換することで、保磁力が向上することが知られている。DyやTbの添加による保磁力の向上については、例えば特許文献1に背景技術として記載されている。特許文献1には、一部を重希土類に置換した希土類元素Rの構成例として、Nd−Dy,Nd−Tb,Nd−Dy−Tb,Nd−Pr−Dy,Nd−Pr−Tb,Nd−Pr−Dy−Tbが挙げられている。
特開2009−231391号公報
希土類元素Rの一部をDyやTb等の重希土類元素に置換したR−T−B系焼結磁石を得る方法として、希土類元素Rを構成する軽希土類元素の一部がそれらの重希土類元素に置換された合金の粉末を原料として、焼結を行うという方法がとられている。この場合に、図2(b)に示すように、原料粉末99は、軽希土類元素の一部が重希土類元素に置換されたものでRを構成したR−T−B合金を主相99aとするものである。通常、主相99aの表面には、希土類元素が濃化された濃化相99bや、希土類元素が酸化された酸化物相99cが存在している。このような原料粉末99を焼結すると、図2(a)に示すように、R14B結晶粒を主相91とする焼結磁石が得られる。粒界三重点には、希土類元素が濃化した粒界合金相93が形成される。さらに、粒界三重点には、希土類酸化物よりなる酸化物相94も形成される。
上記のように、重希土類元素が均一に添加された単一種の原料粉末99を用いて焼結磁石を製造すると、図2(a)に示すような組織において、重希土類元素は全体に分散し、各相の軽希土類元素の一部が均一に重希土類元素に置換されたものとなる。重希土類元素は、焼結磁石の保磁力を向上させるのに寄与しうるが、そのように高い保磁力を与える希土類元素を添加するとしても、その添加した重希土類元素が組織全体に分散し、濃度が希薄になれば、効果的に保磁力を向上させることが難しい。DyやTbのような重希土類元素は、希少元素であるため、なるべく少ない添加量で効果的に保磁力を向上させることが望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、高い保磁力を与える希土類元素を用いて、保磁力を効果的に向上させることができるR−T−B系焼結磁石を提供すること、またそのようなR−T−B系焼結磁石の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかるR−T−B系焼結磁石は、Rとして軽希土類元素を含むR−T―B系合金の結晶粒よりなる第一の主相と、Rとして重希土類元素を含むR−T−B系合金の結晶粒よりなる第二の主相と、前記第一の主相および第二の主相を構成する結晶粒の表面を囲む表面相と、粒界三重点に存在する粒界合金相と、を有し、前記重希土類元素の濃度は、前記第一の主相および前記粒界合金相において、前記第二の主相および前記表面相よりも低い、というものである。ここで、TはFeまたはFeの一部をCoで置換したものである。
ここで、前記軽希土類元素は、NdおよびPrより選択される少なくとも1種であり、前記重希土類元素は、Dy,Tb,Hoより選択される少なくとも1種であるとよい。
前記粒界合金相における前記重希土類元素の含有量が、0.1質量%以下であるとよい。また、前記R−T―B系焼結磁石全体における前記重希土類元素の含有量が、0.3質量%以上であるとよい。
前記R−T―B系焼結磁石全体に含有される前記重希土類元素のうち、前記粒界合金相に分布する前記重希土類元素の割合が、25%以下であり、かつ、前記粒界合金相が、粒界三重点の領域のうち、80%以上を占めるとよい。
本発明にかかるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、Rとして前記軽希土類元素を含むR−T―B系合金よりなる第一の原料と、Rとして前記重希土類元素を前記第一の原料よりも高濃度で含むR−T−B系合金よりなる第二の原料と、を混合して焼結することで、上記のようなR−T―B系焼結磁石を製造するものである。
ここで、焼結温度が1000℃未満であるとよい。また、焼結温度が960℃以上であるとよい。
前記第一の原料および第二の原料は、平均粒径が3μm以下の粉末よりなるとよい。
上記発明にかかるR−T−B系焼結磁石においては、軽希土類元素よりも高い保磁力を与える重希土類元素が、組織全体に均一な割合で分布しているのではなく、特定の相に高濃度で分布している。そのように重希土類元素の濃度が高い相が高い保磁力を与えることにより、組織全体に均一な割合で重希土類元素が分布する場合と比較して、焼結磁石全体としての保磁力を効果的に向上させることができる。特に、組織内で比較的大きな体積を占める粒界三重点に存在する粒界合金相において重希土類元素の濃度が低くなっている一方、主相結晶粒の表面のごく薄い領域しか占めず、比較的体積の小さい表面相において、重希土類元素の濃度が高くなっており、その小体積の表面相に高濃度で重希土類元素が偏在することで、重希土類元素の添加量が少量であっても、効果的に保磁力の向上に寄与させることができる。重希土類元素は、軽希土類元素と比較して希少であり、高価であるが、組織内で偏在させることで、少量の使用でも効果的に保磁力の向上に寄与させることができ、焼結磁石の材料コストを低く抑えながら、高い保磁力を得ることが可能となる。
特に、軽希土類元素が、NdおよびPrより選択される少なくとも1種であり、重希土類元素が、Dy,Tb,Hoより選択される少なくとも1種である場合には、R−T−B系磁石材料において汎用される軽希土類元素であるNdおよびPrとともに、保磁力向上に高い効果を示す重希土類元素であるDy,Tb,Hoを用いることで、焼結磁石全体としての材料コストを抑えながら、効果的に保磁力を向上させることができる。
粒界合金相における重希土類元素の含有量が、0.1質量%以下である場合には、粒界合金相における重希土類元素の濃度の低さの効果として、相対的に、表面相における重希土類元素の濃度を高めることができ、高い保磁力を与える表面相を形成しやすい。
また、R−T―B系焼結磁石全体における重希土類元素の含有量が、0.3質量%以上である場合には、重希土類元素の含有量を十分に確保することで、焼結磁石全体として高い保磁力を達成しやすくなる。
R−T―B系焼結磁石全体に含有される重希土類元素のうち、粒界合金相に分布する重希土類元素の割合が、25%以下であり、かつ、粒界合金相が、粒界三重点の領域のうち、80%以上を占める場合には、重希土類元素の濃度が低い粒界合金相が、粒界三重点を構成する空間のうち、大きな部分を占めることで、粒界三重点に形成されやすい重希土類元素を高濃度で含んだ酸化物が占めうる領域が、制限される。これにより、そのような酸化物に多量の重希土類元素が含有されてしまい、表面相に含有されうる重希土類元素の量が少なくなる、という事態を回避しやすくなる。その結果、表面相による高保磁力の発揮を担保しやすくなる。
上記発明にかかるR−T−B系焼結磁石の製造方法においては、軽希土類元素の中に重希土類元素を一定の割合で含む単一の原料を用いて焼結を行うのではなく、重希土類元素を高濃度で含む第二の原料と、重希土類元素を含まない、あるいは低濃度しか含まない第一の原料とを独立に準備して混合することで、得られる焼結体において、重希土類元素が組織全体に均一な割合で分布するのではなく、一部の相に偏在した構造が得られやすい。その結果、重希土類元素の濃度が高い相の寄与により、高い保磁力を有する焼結磁石を得ることができる。
ここで、焼結温度が1000℃未満である場合には、重希土類元素が高温での加熱によって組織全体に分散するのを抑えることができる。その結果、重希土類元素の偏在による保磁力向上の効果が得られやすくなる。
また、焼結温度が960℃以上である場合には、焼結密度を十分に上げやすい。
第一の原料および第二の原料が、平均粒径が3μm以下の粉末よりなる場合には、粒径の小ささの効果として、比較的低温でも効果的に焼結を進めることができ、重希土類元素の偏在により、高い保磁力を有するR−T−B系焼結磁石を得やすい。
(a)は、本発明の一実施形態にかかるR−T−B系焼結磁石の組織を示す図である。(b)は、本発明の一実施形態にかかるR−T−B系焼結磁石の製造方法において使用される原料粉末の組織を示す図である。 (a)は、従来一般のR−T−B系焼結磁石の組織を示す図である。(b)は、従来一般のR−T−B系焼結磁石の製造方法において使用される原料粉末の組織を示す図である。 混合粉末を用いて990℃で焼結を行った場合のSEMおよびEPMAの観察像であり、(a)はSEM像、(b)は酸素の濃度分布、(c)はDyの濃度分布を示している。 混合粉末を用いて1000℃で焼結を行った場合のSEMおよびEPMAの観察像であり、(a)はSEM像、(b)は酸素の濃度分布を示している。 焼結温度を変化させて、時効前と時効後で磁気特性を測定した結果を示す図であり、(a)は残留磁束密度、(b)は保磁力を示している。
以下に、本発明の一実施形態にかかるR−T−B系焼結類磁石およびその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[R−T−B系焼結磁石の組織]
まず、本発明の一実施形態にかかるR−T−B系焼結磁石(以下、単に「焼結磁石」と称する場合がある)について説明する。
本発明の一実施形態にかかる焼結磁石は、R−T−B系合金材料を焼結させてなる焼結磁石である。ここで、TはFeまたはFeの一部をCoで置換したものである。Rは、希土類元素であるが、本実施形態において、Rは、軽希土類元素と、重希土類元素の2つの群の希土類元素よりなる。一般に、重希土類元素は、軽希土類元素よりも高い保磁力を与える。つまり、Rが重希土類元素のみよりなるR−T−B系合金の方が、Rが軽希土類元素のみよりなるR−T−B系合金よりも、高い保磁力を与える。用いられる軽希土類元素および重希土類元素は、それぞれ、単一の希土類元素よりなっても、2種以上の希土類元素よりなってもよい。
一般に認識されるように、軽希土類元素とは、La〜EuおよびScを指し、重希土類元素とは、Gd〜LuおよびYを指す。これらのうち、本実施形態において用いる軽希土類元素は、NdおよびPrより選択される少なくとも1種とすることが好ましい。また、重希土類元素は、Dy,Tb,Hoより選択される少なくとも1種とすることが好ましい。
以下では、軽希土類元素をNdとし、重希土類元素をDyとする形態を例として、説明を行う。つまり、R−T−B合金のRが、NdとDyよりなっているとする。ただし、上記のように、軽希土類元素および重希土類元素はこれらに限定されるものではなく、以下の説明において、適宜、Ndを軽希土類元素、Dyを重希土類元素と読み替えればよい。
本実施形態にかかる焼結磁石は、図1(a)に示すように、その組織中に、第一の主相1と、第二の主相2と、粒界合金相3と、粒界酸化物相4と、表面相5と、を有している。これらの各相1〜5は、必要に応じて、Cu,Ni,Al,B等、RおよびT以外の元素をさらに含んでもよい。
第一の主相1および第二の主相2は、それぞれ、R14B相の結晶粒として存在している。第一の主相1においては、希土類元素Rは、実質的にNdのみであり、Dyはほとんど含有されない。一方、第二の主相2においては、希土類元素Rとして、NdとDyが含有される。なお、第一の主相1が少なくともNdを含有し、第二の主相2が少なくともDyを含有するとともに、Dyの濃度(質量%を単位とした各相における含有量;以下において同じ)が第二の主相2において第一の主相1よりも高ければ、各主相1,2におけるNdおよびDyの分布はこのようなものに限られず、例えば、第一の主相1にも、第二の主相2よりも少量のDyが含有されていてもよい。ただし、組織全体として含有されるDyのうち極力多くの部分を表面相5に分布させる観点から、第一の主相1は実質的にDyを含まない方が好ましく、含む場合でも、Dy濃度を0.1質量%以下に抑える方が好ましい。第一の主相1および第二の主相2の結晶粒径は、原料として使用する粉末の粒径等に依存するが、1〜3μmとする形態を好適に例示することができる。
粒界合金相3と粒界酸化物相4は、いずれも、主相(第一の主相1および第二の主相2)を構成する3つの結晶粒が接する粒界三重点に形成された空間を占めて存在するものである。粒界合金相3は、主相1,2を構成するR14B相と組成の異なる合金よりなる層である。粒界合金相3は、主相1,2よりも、希土類Rが濃化された合金よりなっている。そして、粒界合金相3においては、Dyの濃度が、第二の主相2、および後に説明する表面相5よりも低くなっている。
一方、粒界酸化物相4は、R−T−B系合金の酸化物よりなる相である。粒界酸化物相4は、本実施形態にかかる焼結磁石において、磁気特性を発揮する観点から必須に含有されるべきものではないが、実際の焼結磁石において、多くの場合に、粒界三重点に形成され、比較的高濃度のDy、例えば第二の主相2よりも高濃度のDyを含有する。また、粒界酸化物相4における酸素濃度は、それ以外の相1,2,3,5の2倍以上となりやすい。なお、図1(a)では、分かりやすいように、粒界酸化物相4を粒界合金相3に隣接させて表示しているが、実際の組織においては、粒界酸化物相4は、粒界合金相3と離れた位置に形成されることが多い。
表面相5は、図1(a)中に太線で示すように、第一の主相1および第二の主相2の結晶粒の表面を囲む相として形成されている。表面相5も、粒界合金相3と同様に、主相1,2と異なる組成の合金よりなる相である。しかし、表面相5においては、Dyの濃度が、第一の主相1および粒界合金相3よりも高くなっている。表面相5は、高い均一性をもって結晶粒の表面を包囲する薄層状の構造として形成され、その厚さは、0.5〜5nm程度である。
このように、焼結磁石の組織内には複数の相が存在し、Dyの分布が、それらの相の間で、不均一となっている。具体的には、Dyの濃度は、第一の主相1および粒界合金相3において、第二の主相2および表面相5よりも低くなっている。つまり、Dy濃度の関係を、以下のように表示することができる。
([第一の主相1],[粒界合金相3])<([第二の主相2],[表面相5])
表面相5におけるDyの濃度は、おおむね、第二の主相2における濃度と同程度か、それよりも低くなる。また、第一の主相1および粒界合金相3においては、Dyの含有量が同程度となり、本実施形態においては、ともにDyがほぼ含有されない。さらに、粒界酸化物相4においては、第二の主相2よりも高濃度のDyが含有されやすい。以上を考慮すると、各相におけるDyの濃度の関係は、以下のようになることが多い。
[第一の主相1]≒[粒界合金相3]<[表面相5]≦[第二の主相2]<[粒界酸化物相4]
各相におけるDyの濃度としては、以下のような範囲を好適なものとして例示することができる。
・第一の主相1および粒界合金相3:0.1質量%以下
・表面相5:0.3〜5質量%
・第二の主相2:0.3〜5質量%
また、粒界酸化物相4は、以下のようなDy濃度をとりやすい。
・粒界酸化物相4:0.3〜7質量%
さらに、組織全体における希土類元素の含有量としては、以下のような範囲を好適なものとして例示することができる。
・Dy:0.3〜7質量%
・全希土類の総量(TRE):28〜33質量%
焼結磁石の組織中の各相の分布と組成は、後の実施例にも示すように、走査電子顕微鏡(SEM)および電子線マイクロアナライザ(EPMA)による元素分析を用いて確認することができる。ただし、表面相5に関しては、その薄さのために、SEMおよびEPMAでは十分な分解能で確認することができないが、透過電子顕微鏡(TEM)を用いれば直接確認することができ、一般のR−T−B系焼結磁石において、希土類元素が濃化した表面相が形成されることが確認されている。また、後の実施例に示すように、磁化曲線における角形比(SQ値)が、0.9以上、さらには0.95以上のような高い値をとることから、主相1,2を構成する各結晶粒を単位とした保磁力の均一性が高いことが確認され、このことは、厚さ数nmの表面相5が主相1,2の結晶粒の表面に均一に形成されていることを示している。
本実施形態にかかる焼結磁石においては、希土類元素として、Ndに加えて、Ndよりも高い保磁力を与えるDyが含有されていることで、焼結磁石全体として、高い保磁力が得られる。特に、Dyが、組織内に均一な割合で(Ndに対する比率が均一な状態で)分布しているのではなく、特定の相に高濃度で偏在していることにより、Dyによる保磁力向上の効果が大きく得られる。
具体的には、Dy濃度が高い表面相5が、主相1,2の結晶粒の表面に薄く形成されている。この表面相5が、高い保磁力を与えることで、焼結磁石全体としての保磁力の向上に寄与する。さらに、粒界三重点に形成された粒界合金相3において、Dy濃度が表面相5および第二の主相2よりも低いこと、さらには、ほぼDyを含有しないことが、焼結磁石全体としての保磁力の向上に効果を有する。つまり、組織全体としてのDy濃度が同じであっても、結晶粒として組織中で大きな体積を占める第二の主相2に加えて、比較的大きな体積を占める粒界合金相3に、Dyが高濃度で分布しないことで、その分、組織全体の中で比較的小さな体積しか占めない表面相5にDyが高濃度で分布することができる。このようにして表面相5に高濃度でDyが含有されるほど、表面相5によって高い保磁力が発揮される。特に、粒界合金相3におけるDyの濃度を0.1質量%以下に抑えることで、とりわけ大きな保磁力向上の効果が得られる。また、焼結磁石全体として含有されるDyの総量のうち、粒界合金相3に分布するDyの割合は、25%以下、さらには10%以下、2%以下であることが好ましい。
もし、図2(a)に示すように、粒界合金相93を含め、組織全体にDyが均一な割合で分布するとすれば、全体としてDyが希薄な焼結磁石となり、Dyのように保磁力を向上させる効果を有する元素を添加したとしても、その保磁力向上の効果を有効に利用することができない。後に実施例において示すように、図2(b)のようなDyが均一に添加された原料を焼結して得られる、Dyの分布割合がほぼ均一な焼結磁石においては、全体としてのDy添加量が同じであっても、本実施形態のDyが偏在した焼結磁石のように、高い保磁力を得ることができない。
Dyをはじめとする重希土類元素は、産出量が少なく、高価であり、焼結磁石において、添加量をできるだけ少なくすることが望まれるが、上記のように、Dyを組織中で偏在させることで、焼結磁石全体としての添加量が少なくても、その保磁力向上の効果を有効に利用し、効果的に焼結磁石全体としての保磁力を向上させることができる。ただし、保磁力向上の効果を十分に確保する観点から、焼結磁石全体におけるDyの添加量は、0.3質量%以上、さらには1.0質量%以上、また2.0質量%以上としておくことが望ましい。
上記のように、粒界酸化物相4は、粒界合金相3とともに粒界三重点に形成されやすいが、磁気特性の向上に効果を有するものではなく、高濃度のDyを含有することで、その分、表面相5に含有されうるDyの量を減らしてしまい、表面相5による保磁力の向上を阻害することがある。よって、表面相5に含有されうるDyの量をできる限り多く確保する観点から、粒界三重点に占める粒界酸化物相4の割合は小さい方がよい。粒界三重点を占める領域のうち、粒界酸化物相4が占める割合が、40%以下、さらには20%以下であれば、つまり、粒界合金相3が占める割合が、60%以上、さらには80%以上であれば、粒界三重点全体としてのDyの濃度を小さく抑え、その分、表面相5におけるDyの濃度を高めることができる。その結果として、焼結磁石の保磁力を効果的に高めることができる。特に、焼結磁石全体として含有されるDyの総量のうち、粒界合金相3に分布するDyの割合が25%以下であり、かつ、粒界三重点を占める領域のうち、粒界合金相3が占める割合が80%以上である場合には、Dyの濃度が低く制限された粒界合金相3が、粒界三重点のうち大きな領域を占めることになり、粒界酸化物相4として粒界三重点に分布しうるDyの量が厳しく制限されるので、一層効果的に、焼結磁石の保磁力を高めることができる。なお、粒界三重点における粒界合金相3および粒界酸化物相4の割合は、後の実施例に示すように、SEMおよびEPMAの観察像に基づいて、それらが占める面積の割合として見積もることができる。
[R−T−B系焼結磁石の製造方法]
次に、上記のようなDyが偏在したR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例として、本発明の一実施形態にかかる焼結磁石の製造方法について説明する。
本実施形態にかかる製造方法においては、2種類のR−T−B系合金よりなる原料を混合して焼結することで、焼結磁石を製造する(2合金法)。特に、図1(b)に示したように、原料として、2種類のR−T−B系合金よりなる原料粉末11,12を混合した混合粉末を用いることが好ましい。混合粉末を構成する第一の原料粉末11と第二の原料粉末12では、希土類元素Rの組成が異なっている。つまり、第二の原料粉末12が、重希土類元素を第一の原料粉末11よりも高濃度で含んでいる。
おおむね、第一の原料粉末11が焼結磁石において第一の主相1を構成し、第二の原料粉末12が第二の主相2を構成するので、上記実施形態で例示した組成の焼結磁石を製造する場合の原料としては、第一の原料粉末11として、希土類元素RとしてNdのみを含有するものを用い、第二の原料粉末12として、希土類元素RとしてNdとDyを含有するものを用いればよい。ただし、第一の原料粉末11が少なくともNdを含み、第二の原料粉末12がDyを第一の原料粉末11よりも高濃度で含むかぎりにおいて、そのような形態に限られず、得られる焼結磁石において所望される第一の主相1および第二の主相2の組成に応じて、第一の原料粉末11および第二の原料粉末12の組成を選択すればよい。ただし、得られる焼結磁石の組織において、第一の主相1および粒界合金相3に含有されるDyの濃度を極力低くする観点から、第一の原料粉末11はDyを含有しない方が好ましく、含有する場合でも、Dy濃度が0.1質量%以下であるとよい。この場合に、第二の原料粉末12におけるDy濃度を1〜10質量%とする形態を好適なものとして例示することができる。また、混合粉末は、2種の原料粉末のみよりなる形態に限られず、希土類元素Rの組成が相互に異なる3種以上のR−T−B系合金の粉末よりなってもよい。また、R−T−B系合金以外の成分よりなる粉末材料を適宜含んでもよい。
第一の原料粉末11は、主に、R14B(R=Nd)の組成を有する主相(第一原料主相)11aよりなっている。この種のR−T−B系磁石材料よりなる焼結原料粉末においては、主相の表面の一部の領域に、希土類元素Rが主相よりも濃化した相が形成されている。第一の原料粉末11においても、第一原料主相11aの表面に、Ndが第一原料主相11aよりも濃化した第一原料濃化相11bが形成されている。
第二の原料粉末12も同様に、主に、R14B(R=Nd,Dy)の組成を有する第二原料主相12aよりなっている。そして、第二原料主相12aの表面に、NdおよびDyが第二原料主相12aよりも濃化した第二原料濃化相12bが形成されている。なお、第二原料濃化相12bにおけるNdに対するDyの割合は、第二原料主相12aとほぼ変わらない。さらに、Dyをはじめとする重希土類元素が、Ndをはじめとする軽希土類元素よりも酸化を受けやすいことを反映して、第二原料主相12aの表面には、NdおよびDyの酸化物よりなる第二原料酸化物相12cが形成されている。第一の原料粉末11の表面には、このような酸化物相はほとんど形成されない。
このような2種の原料粉末11,12よりなる混合粉末を焼結すると、上記のように、第一の原料粉末11の第一原料主相11aおよび第二の原料粉末12の第二原料主相12aは、ほぼその成分組成を保ったまま、それぞれ第一の主相1および第二の主相2となる。そして、第一の原料粉末11の第一原料濃化相11bおよび第二の原料粉末12の第二原料濃化相12bは、粒界合金相3および表面相5となると考えられる。また、第二の原料粉末12の第二原料酸化物相12cは、粒界酸化物相4となると考えられる。よって、第一の原料粉末11と第二の原料粉末12の混合比は、製造される焼結磁石において所望される第一の主相1と第二の主相2の比率に基づいて適宜設定すればよい。
第一の原料粉末11および第二の原料粉末12は、平均粒径(d50)が3μm以下であることが好ましい。原料粉末11,12の粒径が小さいほど、原料粉末11,12が活性化され、焼結が進行しやすい。後述するように、焼結温度を高くしすぎると、第一原料濃化相11bの溶融により、Dy濃度の低い粒界合金相3が得られにくくなるが、粒径の小さい原料粉末11,12を用いて比較的低温でも焼結が進むようにすることで、そのような現象を回避しやすくなる。焼結磁石を製造する際に用いられる従来一般の原料粉末の平均粒径は、5μm程度であることが多いが、3μm以下とすることで、焼結を効果的に促進することができる。
第一の原料粉末11および第二の原料粉末12を製造するためには、まず、それぞれ所定の合金組成を有する原料合金を、真空中、または不活性ガス雰囲気中でストリップキャスティングまたはその他公知の溶解法により作製する。そして、作製した原料合金に対して水素吸蔵・放出処理を実施することにより粉砕性を向上させ、ジェットミルを用いて所望の粒径となるまで微粉砕することで、所望の粒径を有する原料粉末11,12を得ることができる。
そして、第一の原料粉末11および第二の原料粉末12を用いて、例えば以下のような方法で焼結磁石を製造することができる。まず、第一の原料粉末11と第二の原料粉末12よりなる混合粉末を十分に混合し、所望の形状を有する容器に充填する。なお、第一の原料粉末11と第二の原料粉末12は、合金の状態で混合して同時に微粉砕しても、別々に微粉砕してから混合してもよい。
次いで、容器全体に磁界を印加し、原料粉末11,12の粒子を配向させる。磁界の印加終了後、雰囲気制御した加熱室で、容器を所定の焼結温度で加熱し、原料粉末11,12を焼結することで、焼結磁石を得る。磁界の印加の際も、焼結の際も、原料粉末11,12には、機械的な圧力は印加しない(プレスレス法;PLP法)。
R−T−B系合金においては、希土類元素の濃度が高いほど融点が低いので、焼結時に、第一原料主相11aおよび第二原料主相12aよりも第一原料濃化相11bおよび第二原料濃化相12bが優先的に溶融しやすい。さらに、Dyをはじめとする重希土類元素は、Ndをはじめとする軽希土類元素よりも、R−T−B系合金において低い融点を与える。つまり、第一原料濃化相11bよりも、第二原料濃化相12bの方が低い融点を有する。そのため、第一の原料粉末11と第二の原料粉末を混合して焼結した際に、第二原料濃化相12bが第一原料濃化相11bよりも低温で溶融し、主相1,2を構成する結晶粒の表面に拡散する一方、第二原料濃化相12bは、粒界三重点に局在した状態に留まりやすい。結果として、第一原料濃化相11bと第二原料濃化相12bの溶融挙動の差に起因して、第二原料濃化相12bに由来する表面相5と、第一原料濃化相11bに由来する粒界合金相3を有する組織が焼結磁石において得られやすい。なお、希土類元素Rが異なるR−T−B系合金の融点の序列は、おおむね、単体の希土類金属の融点の序列に従うものとなる。
これに対し、図2(b)に示すように、Dyを所定の割合で含む単一の原料粉末のみを用いて焼結を行った場合には(1合金法)、その原料粉末の組成を反映して、図2(a)に示すように、Dyが全組織中で均一な割合で分布した焼結磁石が得られる。その結果、上記2合金法における第一の原料粉末11と第二の原料粉末12の合計に占めるDyの含有量と、1合金法における単一の原料粉末に占めるDyの含有量が同じであったとしても、2合金法の方が、高い保磁力を示す焼結磁石を得ることができる。
混合粉末の焼結温度は、1000℃未満、さらには990℃以下とすることが好ましい。上記のように、DyがNdよりも低い融点を与えることにより、Dyの濃度が高い表面相5とDyの濃度が低い(実質的に含有されない)粒界合金相3が独立に形成されうるが、焼結温度を高くしすぎると、粒界合金相3となるべき第一原料濃化相11bまでが溶融して、主相1,2の結晶粒の表面等に拡散してしまう可能性がある。また、第一原料濃化相11bと第二原料濃化相12bがそれぞれ溶融して相互拡散することで、粒界合金相3に含有されるDyの濃度が高くなってしまう可能性がある。これらの現象が起こると、表面相5におけるDyの濃度が下がってしまうことになる。
しかし、焼結温度を1000℃未満、さらには990℃以下としておくことで、それらの現象を回避し、表面相5へのDyの偏在による保磁力向上の効果を維持することができる。なお、用いる軽希土類元素および重希土類元素の組み合わせによっては、好適な焼結温度の上限が上記と異なる可能性があるが、その組み合わせに応じて、重希土類元素を多く含む合金は結晶粒の表面に十分に拡散するが、重希土類元素の濃度が低い(あるいは含まれない)合金は実質的に結晶粒の表面に拡散せずに粒界三重点に留まる、という温度を上限として選択すればよい。なお、重希土類元素の好適な例として挙げたDy,Tb,Hoは、溶融に関する挙動や、酸素との反応性に関する挙動が相互に類似しており、Dyの代わりに、あるいはDyに加えて、TbやHoを用いる場合についても、Dyを用いる場合と同程度の焼結温度を好適なものとして採用することができる。
一方、焼結温度は、960℃以上とすることが好ましい。それにより、焼結磁石の焼結密度を高めやすい。また、Dyを含む合金の拡散を十分に促進することで、均一な表面相5を形成しやすい。
Dyをはじめとする重希土類元素は、酸化を受けやすいため、焼結は、真空中や不活性ガス中等、酸素分圧の低い雰囲気で行うことが好ましい。それにより、得られる焼結磁石において、粒界酸化物相4の割合を小さくすることができる。また、酸化が進行すると、焼結に要する温度が高くなってしまうので、酸素分圧の低い雰囲気で焼結を行うことで、焼結温度を低温に抑えることが可能となり、上記のように、Dy濃度の低い粒界合金相3の確保による高保磁力化の効果を得やすくなる。特に、プレスレス法によって焼結を行う場合には、焼結中の雰囲気制御を行いやすい。
得られた焼結磁石に対しては、適宜、時効処理を行うことができる。焼結磁石の組織中の各相における元素分布の詳細、および具体的な磁気特性値は、時効条件によって変化する。しかし、時効条件が揃っているかぎりにおいて、上記のように、Dy含有量の異なる2種の原料粉末11,12を用いた2合金法を採用することでDyを所定の割合で含む単一の原料粉末を用いる1合金法の場合よりも高い保磁力が得られるという関係性、また、2合金法において、低温で焼結するほど高い保磁力が得られるという傾向は、時効の有無によらず、また、時効温度によらず、維持される。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
[1]試料の作製
(2合金法による試料)
第一の原料粉末(Dyフリー)および第二の原料粉末(Dy含有)として、下記表1のような成分組成を有するR−T−B系合金粉末を準備した。粉砕により、各原料粉末の平均粒径d50を、3μm以下とした。そして、第一の原料粉末と第二の原料粉末を、質量比で、45:55となるように混合し、混合粉末全体としてのDyの含有量が2.5質量%となるようにした。
得られた混合粉末を、充填密度3.6g/ccで、焼結用の容器に充填し、磁界を印加して配向させた後、真空中で焼結した。焼結温度は、960℃、970℃、980℃、1000℃の4とおりとした。焼結磁石の組織の観察に供する試料としては、このままの状態で用いた(焼結まま)。磁気特性の評価および時効温度の評価に供する試料としては、さらに520℃で時効処理を行った。
(1合金法による試料)
Dyの含有量が2.5質量%である単一の原料粉末を用いて、上記と同様に、試料を作製した。原料粉末の組成は、Dy以外の元素についても、対応する2合金法用混合粉末における「混合後組成」(表1参照)とほぼ同じになるようにした。焼結温度は、1000℃とした。
[2]焼結磁石の組織の観察
(試験方法)
上記の2合金法による試料のうち、焼結温度を990℃としたものと、1000℃としたものについて、試料断面のSEM観察を行った。また、同じ視野において、EPMAによる元素分析を行い、各元素の濃度分布を得た。それぞれ、観察倍率は5000倍とした。
(結果)
(1)焼結温度990℃の場合
図3に、990℃で焼結した試料についての観察結果を示す。(a)がSEM像、(b)がO(酸素)の濃度分布、(c)がDyの濃度分布である。
図3(a)のSEM像において、白く観察されている部分が、粒界三重点の領域に当たる。それ以外の、暗く観察されている部分は、主相に当たる。
図3(b)の酸素分布において、符号Aで示すように、図3(a)の粒界三重点に相当する領域の一部に、酸素濃度がひときわ高くなった部分が存在する。画像で、グレーの領域の周囲が白い輪郭で囲まれたように表示されている部位がこれに相当する(カラー画像では赤で表示されている)。この領域における酸素濃度は、他の領域の2倍以上となっている。
図3(c)のDy分布においては、おおむね明るく表示されている領域ほどDyの濃度が高くなっているが、図3(a)の主相に対応する領域のうち、符号Bで示すように、比較的明るく表示されている領域が、Dyを含有する第二の主相に当たる。一方、主相に対応する領域のうち、符号Cで示すように、比較的暗く表示されている領域が、Dyを実質的に含有しない第一の主相に当たる。
また、図3(c)中に円で囲んで示すように、主相を取り囲む領域にもDyが分布しているが、これは、主相の表面にDy濃度の高い表面相が形成されていることによると解釈される。なお、表面相は、厚みの小ささのために、SEMでは明確な相として観察されず、このように、主相の付近でDy濃度が若干高くなった像を与えている。
さらに、図3(b)の酸素分布において、粒界三重点で酸素濃度が高くなっている領域は、図3(c)のDy分布においても、符号Aで示すように、Dyの濃度が高くなっている。このことは、粒界三重点の一部の領域を占めて、Dyの濃度の高い酸化物相が形成されていることを示している。一方、符号Dで示すように、粒界三重点において、そのような酸化物相が形成されている以外の領域で、Dy濃度が低くなっている。これは、Dyをほぼ含有しない粒界合金相に対応する。
上記のように、SEM像および元素分布から、Dy濃度の高い酸化物相とDy濃度の低い合金相の2種の相が粒界三重点に形成されていることが確認された。これらの相の組成を詳細に確認するため、図3(a)のSEM像中に囲み符号1〜5で示した粒界三重点を占める各位置において、構成元素の定量分析を行った。表2にその結果を示す。分析した各位置のうち、粒界相1,2は、図3(b)の酸素分布で高濃度の酸素の含有が観察された領域に対応し、それ以外は、高濃度の酸素が観察されていない粒界三重点の領域に対応している。さらに、第一の主相および第二の主相について、同様に構成元素の定量分析を行った結果も、表2に併せて示す。
表2によると、粒界三重点のうち、高濃度の酸素が分布している粒界相1および粒界相2においては、Dyの濃度が高くなっている。これらのDy濃度は、原料として用いた第二の粉末における4.5質量%とのDy濃度、また2種の主相におけるDy濃度よりも高くなっている。この結果から、粒界三重点の一部の領域を占めて、Dy濃度の高い酸化物相が形成されていることが分かる。これらの領域において、CoおよびFeの濃度が低くなっているのも、希土類、特にDyが粒界三重点で濃縮されて酸化されていることと対応している。
一方、粒界相3〜5においては、Dyが0.1質量%以下の非常に低い濃度でしか存在していないか、検出限界を超える濃度では存在していない。このことは、粒界三重点に、Dyをほぼ含有しない合金相が形成されていることを示している。
さらに、主相の表面の表面相に相当する領域についても、同様に、構成元素の定量分析を行った。表3にその結果を示す。この分析は、図3とは別の視野で観察した元素分布像において、主相の外縁から外側におおむね0.3μm以内の領域において行った。
表3によると、主相の表面の領域に、Dyが含有される相が存在しているのが分かる。各点におけるDyの含有量は、2.5%との原料粉末全体としての含有量よりも大きくなっている。このことから、主相の表面に、EPMA画像としては明確に確認できなくても、Dyが濃化された合金よりなる表面相が存在していることが確認できる。
以上のように、粒界合金相におけるDyの含有量が、0.1質量%以下のように低い水準に抑えられており、相対的に、表面相におけるDyの濃度が高められている。このように高濃度のDyを含有する表面相が形成されることで、次の磁気特性の評価の項に示されるように、高い保磁力が与えられると解釈される。また、ここでは、粒径3μm以下の微細な粉末を原料として用いているが、粒径の小ささによる活性化の結果として、焼結により、そのようなDyの偏在化が効果的に進行したものと解釈される。
(2)焼結温度1000℃の場合
図4に、焼結温度を1000℃とした試料について、(a)SEM像および(b)酸素濃度分布を示す。これらの結果によると、1000℃で焼結した場合にも、990℃で焼結した場合と同様に、粒界三重点の一部を占めて、酸素濃度の高い領域が存在している。
しかし、図3(b)と図4(b)を比較すると、1000℃で焼結した図4(b)の場合の方が、990℃で焼結した図3(b)の場合よりも、粒界三重点に占める酸素濃度の高い領域の割合が小さくなっている。このことは、次の磁気特性の評価の試験において、酸化物相の面積率を定量的に見積もることで、さらに明確に確認される。
さらに、粒界三重点の各部における元素分布の定量分析において、990℃で焼結した場合と異なる結果が得られた。下の表4に、図4(a)のSEM像中に囲み符号1〜5で示した粒界三重点を占める各位置において、構成元素の定量分析を行った結果を示す。粒界相1,2は、図4(b)の酸素分布で高濃度の分布が観察された領域に対応し、それ以外は、高濃度の酸素が観察されていない粒界三重点の領域に対応している。なお、粒界相2は、別の視野の観察像から抽出したものである。
表4の結果によると、表2の場合と同様に、酸化物相に対応する粒界相1,2に比べて、酸素濃度が低い粒界相3〜5において、Dy濃度が低くなっている。しかし、表2の990℃で焼結した場合には、そのような酸素濃度が低い領域にDyが実質的に含有されないか、含有されても0.1質量%であったのに対し、表4の1000℃で焼結した場合には、それらの領域におけるDy濃度が0.5質量%以上となっている。
このことは、1000℃で焼結した場合に、990℃で焼結した場合とは異なり、粒界三重点に形成される合金相において、有意な量のDyが含有されることを示している。これは、焼結温度が高いことにより、粒界合金相と表面相の間で相互拡散が起こり、焼結温度が低い場合には表面相に留まっているはずのDyが、粒界合金相にも分布するようになったものと解釈される。このように、焼結温度が10℃異なるだけで、粒界合金相の組成が質的に変化している。
[2]磁気特性の評価
(試験方法)
混合粉末全体としてのDy含有量が2.5質量%である原料を用いて得た焼結磁石(焼結まま)について、磁気特性を評価した。
具体的には、960℃,990℃,1000℃で焼結した2合金法による焼結磁石および1合金法による焼結磁石を試料として、磁化曲線の測定を行った。測定は、7mm×7mm×3.5mmのサイズに焼結体より切り出したサンプルに対して、パルス励磁型磁気特性測定装置(東英工業製 TPM−2−08s−25)および直流自記磁束計(東英工業製 TRF−5BH−2)を用いて行った。そして、残留磁束密度Brおよび保磁力iHcの値を記録した。また、磁気ヒステリシス曲線(B−H曲線)の形状から、角形比SQを算出した。ここで、ヒステリシス曲線の第二象限において、磁束密度Bの値が残留磁束密度Brの90%となる時の磁場Hの値をHk90とし、保磁力をiHcとして、SQ値は、SQ=Hk90/iHcとして算出される。
さらに、2合金法による試料について、磁気特性と粒界三重点の組織の相関を調査するために、EPMA測定を行い、元素分布像に対して画像解析を行うことで、粒界酸化物相の面積率を見積もった。具体的には、Ndの分布画像において、Ndの濃度が50〜100質量%の領域を抽出して面積を算出し、全粒界相(粒界三重点を占める全領域)の面積とした。また、酸素の分布画像において、酸素濃度が1質量%以上の領域を抽出して面積を算出し、粒界酸化物相の面積とした。ここで、酸素濃度が1質量%以上となる領域は、図3(b)および図4(b)において、粒界酸化物相として観察された領域と対応するものである。そして、全粒界相の面積に占める粒界酸化物相の面積の割合を、粒界酸化物相の面積率とした。面積率は、各試料に対して5視野の画像から算出し、その平均値を記録した。さらに、EPMA測定の結果より、粒界合金相におけるDyの含有量(単位:質量%)を見積もった。ここでは、画像中の複数の粒界合金相についての平均値を算出している。なお、平均値を算出するに際し、Dy濃度が検出下限以下である場合については、0質量%とした。2合金法で焼結温度990℃、1000℃の場合の値は、それぞれ表2および表4に示したDy含有量に対応するものである。また、試料全体に含有されるDyの総量のうち、粒界合金相に分布するDyの割合(単位:%)も併せて算出した。
(結果)
下の表5に、各試料に対して測定された磁気特性および粒界酸化物相の面積率、粒界合金相中のDyの平均濃度、粒界合金相に分布するDyの割合の値をまとめる。
表5によると、2合金法で製造した焼結磁石においては、いずれの焼結温度についても、1合金法で製造した焼結磁石の場合よりも、高い保磁力が得られている。このことは、2合金法によって得られる焼結磁石においては、Dyが組織全体に均一な割合で分布しているのではなく、Dy濃度が粒界合金相において低く、表面相において高いという偏在した分布を有することにより、Dy濃度の高い表面相の寄与により、焼結磁石全体として高い保磁力が得られたものと解釈される。
さらに、2合金法で製造された焼結磁石において、焼結温度が低いほど、保磁力が高くなっている傾向が見られている。これは、上記の組織観察試験で見られたように(表2,3参照)、高温で焼結するほど、粒界合金相と表面相の間での相互拡散が進んで、Dyが粒界合金相にも分布するようになり、相対的に表面相におけるDy濃度が低下することの結果であると考えられる。
表5においては、残留磁束密度においても、2合金法における焼結温度が低いほど、高い傾向が見られている。これも、高温で焼結するほど、表面相へのDyの偏在が小さくなることの結果であると解釈される。
粒界酸化物相面積率については、2合金法で焼結温度を高くするほど、小さくなっている。Dy濃度の高い酸化物よりなる粒界酸化物相は、保磁力の向上に寄与するものではなく、むしろ、Dyが粒界酸化物相に分布することで、表面相に含有されうるDyの量が相対的に減少するので、粒界酸化物相の面積が大きくなるほど、保磁力が低下する方向に寄与するはずである。粒界酸化物相の面積が大きくなるほど、粒界酸化物面積率が大きくなるので、表5で見られている、高温で粒界酸化物相面積率が小さくなるに従って保磁力が大きくなるという関係は、これとは逆である。しかし、粒界酸化物相の面積が小さくなることだけでなく、粒界合金相の面積が大きくなることでも、粒界酸化物相面積率が小さくなる。表5の結果では、焼結温度が高温になると、粒界合金相の面積が拡大することで、粒界酸化物相面積率が小さくなっているものと解釈される。表5中に粒界合金相中のDyの平均濃度として示されるように、高温で焼結することで、粒界合金相がDyを多く含有するようになる。そのことと、粒界合金相の面積が拡大することによって、表5中で粒界合金相に分布するDyの割合として示されるように、粒界合金相に分布するDyの総量が多くなる。その結果として、表面相におけるDyの濃度が低くなり、保磁力が低下しているものと考えられる。ただし、いずれの焼結温度においても、酸化物相の面積率が20%以下に抑えられ、かつ粒界合金相に分布するDyの割合が25%以下に抑えられていることに対応して、1合金法の場合を上回る保磁力が得られている。
最後に、表5においては、いずれの試料についても、0.95以上の高い角形比が得られている。このことは、組織全体において、主相の結晶粒の表面に、均一性の高い表面相が形成されていることの結果であると解釈される。
[3]時効の有無による影響の評価
(試験方法)
混合粉末全体としてのDy含有量が2.5質量%である原料を用いて得た焼結磁石について、時効前後で、磁気特性を評価した。測定は、図5中に表示した各温度で焼結した2合金法による焼結磁石と、1合金法による焼結磁石に対して、上記磁気特性の評価試験と同様の方法にて行った。
(結果)
図5に、磁気特性の測定結果を示す。各温度で焼結した2合金法による焼結磁石について、(a)が残留磁束密度Br、(b)が保磁力iHcを、時効前(焼結まま)と時効後について示している。併せて、1合金法による焼結磁石(1合金磁石)の保磁力の値を破線で表示している。なお、(b)の時効後の保磁力iHcのデータは、表5のものと同一である。
図5(b)において、表5で見られたとおり、2合金法によって焼結温度1000℃未満で作製した焼結磁石においては、1合金法による場合に比べて、高い保磁力が得られているのが確認される。時効によって、保磁力の値自体は変化するが、1合金法の場合との関係性、そして2合金法において焼結温度を低くするほど高保磁力が得られるという傾向は、時効の有無に依存せず、維持されている。図5(a)の残留磁束密度の値については、時効を経ることでの系統的な変化は見られない。
以上、本発明の実施形態、実施例について説明した。本発明は、これらの実施形態、実施例に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 第一の主相
2 第二の主相
3 粒界合金相
4 粒界酸化物相
5 表面相
11 第一の原料粉末
11a 第一原料主相
11b 第一原料濃化相
12 第二の原料粉末
12a 第二原料主相
12b 第二原料濃化相
12c 第二原料酸化物相

Claims (9)

  1. Rとして軽希土類元素を含むR−T―B系合金の結晶粒よりなる第一の主相と、
    Rとして重希土類元素を含むR−T−B系合金の結晶粒よりなる第二の主相と、
    前記第一の主相および第二の主相を構成する結晶粒の表面を囲む表面相と、
    粒界三重点に存在する粒界合金相と、を有し、
    前記重希土類元素の濃度は、前記第一の主相および前記粒界合金相において、前記第二の主相および前記表面相よりも低いことを特徴とするR−T―B系焼結磁石。
    ここで、TはFeまたはFeの一部をCoで置換したものである。
  2. 前記軽希土類元素は、NdおよびPrより選択される少なくとも1種であり、前記重希土類元素は、Dy,Tb,Hoより選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のR−T―B系焼結磁石。
  3. 前記粒界合金相における前記重希土類元素の含有量が、0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のR−T―B系焼結磁石。
  4. 前記R−T―B系焼結磁石全体における前記重希土類元素の含有量が、0.3質量%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のR−T―B系焼結磁石。
  5. 前記R−T―B系焼結磁石全体に含有される前記重希土類元素のうち、前記粒界合金相に分布する前記重希土類元素の割合が、25%以下であり、かつ、前記粒界合金相が、粒界三重点の領域のうち、80%以上を占めることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のR−T―B系焼結磁石。
  6. Rとして前記軽希土類元素を含むR−T―B系合金よりなる第一の原料と、
    Rとして前記重希土類元素を前記第一の原料よりも高濃度で含むR−T−B系合金よりなる第二の原料と、を混合して焼結することで、前記請求項1から5のいずれか1項に記載のR−T―B系焼結磁石を製造することを特徴とするR−T―B系焼結磁石の製造方法。
  7. 焼結温度が1000℃未満であることを特徴とする請求項6に記載のR−T―B系焼結磁石の製造方法。
  8. 焼結温度が960℃以上であることを特徴とする請求項6または7に記載のR−T―B系焼結磁石の製造方法。
  9. 前記第一の原料および第二の原料は、平均粒径が3μm以下の粉末よりなることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のR−T―B系焼結磁石の製造方法。
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