JP2018174074A - 積層型非水電解質二次電池 - Google Patents

積層型非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】最外層に負極が配置された積層型電極体を複数備え、容量を更に向上させた積層型非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】電池10は複数の電極体30を備える。各電極体30は、複数の正極板33及び複数の負極板36が、負極板36が最外層になるようにセパレータ50を介して交互に積層された積層体である。各電極体30は、複数の正極タブと、複数の負極タブ37と、電極体30毎に集められた複数の正極タブが接続する正極接続部と、電極体30毎に集められた複数の負極タブ37が接続する負極接続部41と、を更に備える。非水電解液は添加剤として(A)不飽和環状カーボネート、(B)フッ素化環状カーボネート、イソシアネート基を含む鎖状アルカン、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩、ジフルオロリン酸リチウム、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルの少なくとも1種、を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、積層型非水電解質二次電池に関する。
一対の電極が複数積層されてなる積層電極群を備えた積層型非水電解質二次電池が知られている。かかる二次電池の一例としては、正極、負極、及びセパレータを複数有し、正極及び負極がセパレータを介して交互に積層されたリチウムイオン電池が挙げられる。リチウムイオン電池において積層型の電極構造を採用することによって、充放電に伴う電極の膨張収縮による応力が電極積層方向に均一に発生し易く、例えば巻回型の電極構造と比べて電極体の歪みを小さくでき、電池反応の均質化、電池の長寿命化等を実現し易い。
また、積層型の電極構造を採用することにより、大型化、高容量、及び高エネルギー密度が望まれるリチウムイオン電池において、外装体の内部における余剰空間を有効活用しやすい。
特許文献1には、偏平形状の複数の積層電極群と、複数の電極群に含浸される液状の非水電解質とを有する二次電池において、それぞれの一端が開口され正極を覆うセパレータを備える構成が記載されている。これにより、液状の非水電解質である電解液の対流が容易に起き、積層電極群の中央付近も冷却され、高温になるのを抑えることができ、電池の劣化を抑制することができると記載されている。
特開2012−256610号公報
特許文献1に記載されているような複数の積層型電極体を備える非水電解質二次電池において、正極合材層に含まれるリチウム含有複合酸化物の有効活用を図るため、正極の両面に必ず負極を対向させるようにすると、各電極体の最外層にはいずれも負極が配置されることになる。すると、複数の積層型電極体を備える非水電解質二次電池では、電極体同士が隣接する面では負極同士が対向することになるため、単一の電極体を備える非水電解質二次電池と比較して、発電要素の重量当たりの容量が低下してしまうと考えられる。そこで正極に対向しない負極面には合材層を配置しない構成が考えられる。しかしながら負極集電体の片面のみに負極合材層が形成される負極板は反りが発生し易く、積層型電極体を組み立てる工程で積層ずれ等の不具合が生じ得る。このように、最外層に負極が配置された積層型電極体を複数備える非水電解質二次電池において、容量を更に向上させる技術が求められている。
本開示の一態様である積層型非水電解質二次電池は、複数の電極体と、非水電解液と、複数の電極体及び非水電解液を収容する外装体とを備え、各電極体は、シート状の正極集電体の両面に正極合材層が形成された複数の正極板、及び、シート状の負極集電体の両面に負極合材層が形成された複数の負極板が、負極板が最も外側に配置するように、セパレータを介して交互に積層されてなる積層体であり、各電極体は、正極板毎に設けられ、正極集電体から延出する複数の正極タブと、負極板毎に設けられ、負極集電体から延出する複数の負極タブと、電極体毎に集められた複数の正極タブが電気的に接続する正極接続部と、電極体毎に集められた複数の負極タブが電気的に接続する負極接続部と、を更に備え、複数の電極体は電気的に並列に接続され、非水電解液は、非水溶媒と電解質と添加剤とを含み、添加剤は、(A)不飽和環状カーボネート、並びに、(B)フッ素化環状カーボネート、イソシアネート基を含む鎖状アルカン、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩、ジフルオロリン酸リチウム、及び、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種、を含む。
本開示の一態様によれば、最外層に負極が配置された積層型電極体を複数備え、容量を更に向上させた積層型非水電解質二次電池を提供することができる。
実施形態の一例である積層型非水電解質二次電池の外観を示す斜視図である。 図1のA−A線での部分断面図である。 従来の積層型非水電解質二次電池の部分断面図である。
本開示の一態様である非水電解質二次電池は、複数の電極体と、非水電解液と、外装体とを備え、各電極体は、複数の正極板及び複数の負極板が、負極板が最も外側に配置するようにセパレータを介して交互に積層されてなる積層体であり、各電極体は、正極集電体から延出する複数の正極タブと、負極集電体から延出する複数の負極タブと、電極体毎に集められた複数の正極タブが電気的に接続する正極接続部と、電極体毎に集められた複数の負極タブが電気的に接続する負極接続部と、を更に備え、複数の電極体は電気的に並列に接続され、非水電解液は、特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せを含む。本発明者らは、最外層が負極板である電極体を複数備えることにより、同じ枚数の正極板を有する単一の電極体を備える場合と比較して、正極板と対向しない負極合材層の面積の増加により発電要素の重量当たりの容量が低下するという課題に対して、非水電解液が特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せを含むことにより、最外層が負極板である電極体を複数備える電池10における容量低下を抑制できることを見出した。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、実施形態の説明で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率等は、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
[非水電解質二次電池]
図1及び図2を用いて、実施形態の一例である積層型非水電解質二次電池(以下、単に「電池」とも記載する)10の構成を説明する。図1は、実施形態の一例である電池10の外観を示す斜視図であり、図2は、図1におけるA−A線の断面図である。なお、本明細書及び図1及び図2では、図1の紙面縦方向を「上下方向」と、後述する電極体30において正極板33及び負極板36の積層された方向を「積層方向」と、上下方向及び積層方向のそれぞれに直交する方向を「長手方向」とする。また、本明細書において、「端部」の用語は対象物の端及びその近傍を意味するものとする。
電池10は、外装体としての電池ケース12を備え、電池ケース12の内部には、後述するように発電要素である電極体30A,30B及び非水電解液(図示しない)が収容されている。電池ケース12は、有底筒状で開口を有する容器であるケース本体13と、ケース本体13の上端開口部を塞ぐ蓋板14とで構成される。ケース本体13及び蓋板14は、例えばアルミニウムを主成分とする金属から形成され、ケース本体13と蓋板14とは、例えば溶接等によって接合される。
電池ケース12の上面(蓋板14)には、負極端子16が長手方向端部の一方に設けられ、正極端子17が長手方向端部の他方に設けられている。負極端子16は、外部の要素と負極とを電気的に接続させる機能を有し、正極端子17は、外部の要素と正極板33とを電気的に接続させる機能を有する。また、図示しないが、蓋板14には、電解液を注液するための注液孔、注液孔を封止する封止栓、電池内部のガスを電池外部に排出するためのガス排出弁等が設けられる。
図2に示すように、電極体30A,30Bは、絶縁性のホルダ15により側面及び底面が覆われた状態で電池ケース12に収容される。これにより、電池ケース12は、正極板33及び負極板36から絶縁されている。ホルダ15は、例えば樹脂等により形成され、電池ケース12の内壁に沿っており、直方体の上端が開口した箱状のもの、又は、上端が開口した袋状のものを用いることが好ましい。
[端子接続構造]
以下、図2を参照しながら、電池10が備える端子接続構造を、負極側を例に説明する。他方の正極側の端子接続構造については説明を省略するが、本実施形態において、正極側の端子接続構造は、負極側と同様の構成を有する。
図2は、負極端子16を通り、積層方向及び上下方向に沿った平面で電池10を切断した概略断面図である。電池ケース12の上部に設けた蓋板14の一端部には、負極端子16を挿入する貫通孔14aが形成される。負極端子16は、蓋板14の貫通孔14aに挿入された状態で、上側結合部材19により蓋板14に固定される。中間部材18a,18bは、例えば樹脂製のガスケットであることが好ましい。また、負極端子16の下端部は、負極接続部41の上端板部42に電気的に接続され、この上端板部42と蓋板14との間には絶縁部材20が配置される。よって、負極端子16と蓋板14との間は、上側結合部材19と蓋板14との間に配置される絶縁性の中間部材18a,18b、及び、負極接続部41と蓋板14との間に配置される絶縁部材20により、絶縁される。
蓋板14の他端部には、図2には図示されない正極端子17が配置される。正極端子17は負極端子16と同様に蓋板14から絶縁されて配置されている。
負極端子16、または正極端子17、またはそれらの両者には電流遮断機構を設けてもよい。電流遮断機構としては、例えば電池内の内圧が上昇した際に電流を遮断する感圧式の電流遮断機構を用いることができ、例えば正極接続部と正極端子17とを電気的に接続する接続経路に設置することができる。電流遮断機構としては、感圧式の電流遮断機構の他にヒューズ等を用いてもよい。
負極接続部41は、金属製の板材により形成され、電池ケース12の蓋板14と略平行な上端板部42と、上端板部42から略直角に折れ曲がって連続する下側板部43とを含む、断面コの字形状を有する。負極接続部41の下側板部43には、後述するように、電極体30A及び30B毎に負極タブ37が集まって形成された負極タブ積層体38が溶接等によって接合される。これにより、電極体30A,30Bを構成する負極板36と負極端子16との間が電気的に接続される。
[電極体]
ここで、図2を参照しながら、本実施形態に係る電極が備える複数の電極体の構成について説明する。電池ケース12には、発電要素である複数の電極体30A,30Bが、非水電解液と共に収容されている。なお、図2に示す電極体30A及び30Bは同等の構成を有することから、本明細書において、電極体30A及び30Bについて区別なく言及する場合は「電極体30」と称する。
電極体30は、プレート状(平板状)の正極板33、プレート状(平板状)の負極板36、及び正極板33と負極板36との間に配置されているセパレータ50を含む。図2に示すように、正極板33、負極板36及びセパレータ50は、正極板33と負極板36との間にセパレータ50を介して積層されて、積層型の電極体30を構成している。正極板33、負極板36、及びセパレータ50は、例えばいずれも平面視略矩形形状を有し、それらの積層体である電極体30は、略直方体形状を有する。
積層型の電極体30では、正極及び負極を巻回してなる巻回型の電極体と比較して、電池ケース12内のデッドスペースが小さく、また、巻回型の電極体のように正極が折り曲げられて正極合材層にひび割れ等が生じることが無い。そのため、正極合材層における正極活物質の充填密度を高くして、容量密度がより一層向上した電池10を作製することが可能となる。
正極板33は、正極集電体と、正極集電体の両面に設けられた正極合材層とを備える。正極板33には、正極集電体の上端辺の長手方向端部から正極集電体の一部が延出してなる正極タブが形成されている。ここで、正極タブと正極合材層が形成された方形状領域とが接する部分には、絶縁層又は正極集電体より電気抵抗が高い保護層を設けることが好ましい。また、正極タブは、正極集電体と同じ又は異なる材料で構成され、溶接等により正極集電体に接合された部材であってもよい。
負極板36は、負極集電体と、負極集電体の両面に設けられた負極合材層とを備える。充電時のリチウムの受け入れ性の観点から、負極板36の面積は正極板33の面積より僅かに大きいことが好ましい。負極板36には、負極集電体の上端辺の長手方向端部であって、正極タブが設けられている端部とは異なる長手方向端部から負極集電体の一部が延出してなる、負極タブ37が形成されている。負極タブ37は、負極集電体と同じ又は異なる材料で構成され、溶接等により負極集電体に接合された部材であってもよい。
電極体30において、正極集電体の上端辺から上方に延出した正極タブの上端部は、電極体30毎に集まり、積層方向に積み重なって正極タブ積層体を形成する。正極タブ積層体は、正極接続部の下側板部の積層方向を向いた面において、溶接等により接合される。同様に、負極集電体の上端辺から上方に延出した負極タブ37の上端部は、電極体30毎に集まり、積層方向に積み重なって負極タブ積層体38を形成する。負極タブ積層体38は、負極接続部41の下側板部43の積層方向を向いた面において、溶接により接合される。これにより、2つの電極体30A及び30Bは電気的に並列に接続されている。
図3に、従来の電極体を1つのみ備える非水電解質二次電池の構成を示す。図3に示す非水電解質二次電池では、全ての負極タブが集まって負極タブ積層体を形成し、形成された負極タブ積層体が溶接により負極接続部41の下側板部43に接合されている。例えば高容量化等を目的として、単一の積層型電極体において積層する電極の枚数を増やすことが考えられる。しかしながら、図3に示すような非水電解質二次電池では、1つの電極体において積層する電極の枚数を増やすと、組み立て時に1ヵ所に接合しなければならない負極タブ及び正極タブの枚数が増えるため、製造が困難になる。また、負極タブ積層体を例にすれば、形成される負極タブ積層体において積層された負極タブの枚数が増える分、溶接による接合強度が低下し、負極タブ積層体の負極タブ間の電気抵抗が増大してしまうおそれがある。
それに対して、本実施形態に係る電池10によれば、2群の電極体30A,30Bを電池ケース12に収容させ、電極体30毎に負極板36から延出した負極タブ37を集めて、負極接続部41の下側板部43に接合させているため、負極タブ37の先端部の積層体である負極タブ積層体38の厚みが小さくなる。これにより、負極タブ積層体38における溶接性が向上し、負極接合部での電気抵抗の増大を抑制できる。これは、正極タブを集めて形成された正極タブ積層体が正極接合部に接合する場合についても同様の作用効果が得られる。
本実施形態に係る電池10では、電極体30に積層される電極の最も外側に負極板36が配置される。これにより、正極板33の両面に有する正極合材層は必ず負極と対向することになるため、正極合材層に含まれるリチウム含有複合酸化物を有効に活用することができる。個々の電極体30が備える電極の枚数は、例えば、正極板33が30枚以上50枚以下であることが好ましい。負極板36の枚数は正極板33の枚数に1を足した数である。電極の枚数が多すぎると正極タブ積層体及び負極タブ積層体38において溶接性が低下して電気抵抗が増大し、電極の枚数が少なすぎると、正極板33と対向しない負極合材層の増加により、発電要素の重量若しくは体積当たりの出力や容量が低下し、また、電池10を作製するための組み立て工数が増加する。
積層型電極体30において、例えば、負極板36の枚数を正極板33の枚数よりも1枚多く用意して、正極板33と負極板36とを交互に、且つ、正極板33と負極板36との間にセパレータ50を介して積層することによって、両端に正極板33が配置されている電極体30が製造される。また、2枚のセパレータの周縁を溶着して形成した袋状のセパレータに正極板33を収容した後、当該袋状のセパレータに収容された正極板33と負極板36とを積層することによって、積層型電極体30を製造してもよい。或いは、九十九折りされたセパレータに交互に正極板及び負極板を挿入して積層型電極体30を製造してもよい。
電極体30は、正極板33、負極板36及びセパレータ50が積層された状態で固定されていることが好ましい。例えば、絶縁テープ等の固定部材を電極体30に巻き付けて固定してもよいし、セパレータ50に設けられた接着層によって、セパレータ50及び正極板33、セパレータ50及び負極板36のそれぞれを接着させて、正極板33、負極板36、及びセパレータ50を固定してもよい。
[非水電解液]
本実施形態に係る電池10は、発電要素として非水電解液を含み、非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質と、添加剤として、(A)不飽和環状カーボネート(以下「添加剤A」とも称する)、並びに、(B)フッ素化環状カーボネート、イソシアネート基を含む鎖状アルカン、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩、ジフルオロリン酸リチウム、及び、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種(以下「添加剤B」とも称する)を含む。
上述の通り、最外層が負極板36である電極体30を複数備えることにより、同じ枚数の正極板を有する単一の電極体を備える場合と比較して、電極体同士が隣接する面では負極同士が対向することになるため、正極板33と対向しない負極合材層が増加し、発電要素の重量当たりの容量が低下する。それに対して、非水電解液が特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せを含む場合、最外層が負極板36である電極体30を複数備える電池10に対する容量低下の抑制効果に特に優れることが見出された。
以下、本実施形態に係る電池10が備える非水電解液について詳述する。非水電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質と添加剤とを含む。非水溶媒としては、例えばエステル類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。
非水電解質に含まれるエステル類としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、カルボン酸エステル類が例示できる。具体的には、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類;プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の鎖状カルボン酸エステル;及び、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)等の環状カルボン酸エステル等が挙げられる。
上記エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等の鎖状エーテル類等が挙げられる。
非水電解質に含まれるニトリル類の例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、n−ヘプタンニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル等が挙げられる。
電池10に使用する非水電解液は、非水溶媒の総量に対して、環状カーボネート系溶媒を15〜30質量%、鎖状カーボネート系溶媒を55〜75質量%、及び、エステル系溶媒を10〜15%、それぞれ含むことが好ましい。
電池10に使用する電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩としては、従来の非水電解質二次電池において支持塩として使用されている一般的なリチウム塩を用いればよい。リチウム塩の具体例としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(C2l+1SO)(C2m+1SO)(l、mは1以上の整数)、LiC(C2p+1SO)(C2q+1SO)(C2r+1SO)(p、q、rは1以上の整数)等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種類を使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
非水電解液に含まれる添加剤Aは、不飽和環状カーボネートである。不飽和環状カーボネートとしては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート、プロピリデンカーボネート、エチレンエチリデンカーボネート、エチレンイソプロピリデンカーボンート等が挙げられ、ビニレンカーボネートが好ましい。
非水電解液に含まれる添加剤Bは、フッ素化環状カーボネート、イソシアネート基を含む鎖状アルカン、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩、ジフルオロリン酸リチウム、及び、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む。非水電解液は、添加剤Bとして、上記の化合物を2種以上含んでいてもよい。
添加剤Bのうち、フッ素化環状カーボネートとしては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート、トリエチレンカーボネート等が挙げられ、フルオロエチレンカーボネートが好ましい。
添加剤Bのうち、イソシアネート基を含む鎖状アルカンとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
添加剤Bのうち、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩としては、例えば、リチウム−ビス(オキサレート)ボラート(Li[B(C])及びリチウム−ジフルオロ(オキサレート)ボラート(Li[B(C)F])等が挙げられ、リチウム−ビス(オキサレート)ボラートが好ましい。
添加剤Bの一種であるヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルとは、スルトンとも称される化合物であり、例えば、四員環、五員環若しくは七員環であるスルトン等が挙げられる。ヒドロキシスルホンさんの環状スルホン酸エステルとしては、五員環のスルトンであるプロパンスルトンが好ましい。
非水電解液に含まれる添加剤A及び添加剤Bの組合せとしては、(A1)ビニレンカーボネート、並びに、(B1)フルオロエチレンカーボネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リチウムビスオキサレートボラート、ジフルオロリン酸リチウム、及び、プロパンスルトンからなる群から選択される少なくとも1種、の組合せが更に好ましい。非水電解液に含まれる添加剤の割合は、特に限定されないが、非水電解質に対して0.05質量%以上10質量%以下が好適である。
〔正極〕
正極板33を構成する正極集電体としては、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合材層は、正極活物質を含み、導電材及び結着材を更に含むことが好ましい。正極板33は、例えば正極集電体上に正極活物質、導電材及び結着材等を含む正極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧延して、正極合材層を正極集電体の両面に形成することにより作製できる。
正極活物質には、例えばリチウム含有複合酸化物が用いられる。リチウム含有複合酸化物は、特に限定されないが、一般式Li1+x2+b(式中、x+a=1、−0.2<x≦0.2、−0.1≦b≦0.1、Mは少なくともNi、Co、Mn、及びAlのいずれかを含む)で表される複合酸化物であることが好ましい。好適な複合酸化物の一例としては、Ni−Co−Mn系、Ni−Co−Al系のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。
正極合材層に含まれる導電材としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
正極合材層に含まれる結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリオレフィン等が例示できる。また、これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
〔負極〕
負極板36を構成する負極集電体には、銅等の負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出できる負極活物質を少なくとも含み、負極活物質の他に結着材を含むことが好適である。負極板36は、例えば負極集電体上に負極活物質、結着材等を含む負極合材スラリーを塗布し、塗布層を乾燥させた後、圧延して負極合材層を負極集電体の両面に形成することにより作製できる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料であればよく、例えば、グラファイト等の天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛が用いられる。負極活物質には、ケイ素、ケイ素化合物、又はこれらの混合物を用いてもよく、ケイ素化合物等と黒鉛等の炭素材料を併用してもよい。ケイ素化合物等は、黒鉛等の炭素材料と比べてより多くのリチウムイオンを吸蔵できることから、負極活物質にこれらを適用することで電池10の高エネルギー密度化を図ることができる。ケイ素化合物の好適な一例は、SiO(0.5≦x≦1.5)で表されるケイ素酸化物である。また、SiOは粒子表面が非晶質炭素等の導電被膜で覆われていることが好ましい。SiOの含有量は、例えば負極活物質の総量に対して3質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
結着剤としては、正極板33の場合と同様にPTFE等を用いることもできるが、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)又はこの変性体等を用いることが好ましい。結着剤は、CMC等の増粘剤と併用されてもよい。
〔セパレータ〕
セパレータ50には、例えばイオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シート等を用いればよい。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ50の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、及び、セルロース等が好適である。
上記の実施形態では、外装体が金属製のケースである場合を説明したが、外装体として、2枚のラミネートフィルムの周縁部を接合してなるフィルム外装体を用いてもよいし、あるいは以下の実施例で説明するようなラミネートフィルムを袋状に成形してなるフィルム外装体を用いてもよい。本開示の非水電解質二次電池は、いわゆるパウチ型の非水電解質二次電池であってもよい。
ラミネートフィルムで構成されたフィルム外装体を備える非水電解質二次電池は、フィルム外装体から引き出された一対の電極端子(正極端子及び負極端子)を備える。正極端子及び負極端子は、フィルム外装体の端部から引き出されている。正極端子及び負極端子は、例えば、いずれも略平坦な板状体であって、封止部でラミネートシートの開口に接合され、封止部を通ってフィルム外装体の外部に引き出される。このようなフィルム外装体を備える非水電解質二次電池においては、電極体毎に集められた複数の正極タブが電気的に接続する正極接続部は、例えば正極リード端子のフィルム外装体内部にある部位又は当該部位と電気的に接続された部材であってよく、電極体毎に集められた複数の負極タブが電気的に接続する負極接続部は、例えば負極リード端子のフィルム外装体内部にある部位又は当該部位と電気的に接続された部材であってよい。
以下、実施例により本開示を更に説明する。
<比較例1>
[正極の作製]
正極活物質であるLiNi0.35Co0.35Mn0.3で表されるリチウム複合酸化物を正極合材層の総量に対して98.1質量%と、アセチレンブラック(導電材)を正極合材層の総量に対して1質量%と、ポリフッ化ビニリデン(結着材)を正極合材層の総量に対して0.9質量%となるように混合し、更にN−メチルピロリドン(分散媒)を適量加えて、正極合材スラリーを調製した。次に、当該正極合材スラリーを帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布した。次いで、正極合材スラリーの塗膜を乾燥させた後、これを所定の電極サイズ(幅30mm、長さ40mm)に切り取り、圧延ローラを用いて圧延した。これにより、正極集電体の両面に正極合材層が形成されたシート状の正極板33を作製した。
[負極の作製]
黒鉛粉末を負極合材層の総量に対して93.6質量%と、ケイ素酸化物(SiO)を負極合材層の総量に対して4質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)を負極合材層の総量に対して1.5質量%と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)(結着剤)を負極合材層の総量に対して1.0質量%とを混合し、更に水を適量加えて、負極合材スラリーを調製した。次に、当該負極合材スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥させた。これを所定の電極サイズ(幅32mm、長さ42mm)に切り取り、圧延ローラを用いて圧延し、負極集電体の両面に負極合材層が形成されたシート状の負極板36を作製した。
[非水電解質の作製]
エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した。当該混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)を総量に対して1質量%となるように溶解させて非水電解液を作製した。
[非水電解質二次電池の作製]
このようにして作製した正極板33、負極板36、及び電解液を用いて、袋状ラミネートフィルムからなる外装体を備える非水電解質二次電池を以下の手順で作製した。即ち、上記のようにして作製された正極板33及び負極板36をセパレータ50を介して交互に積層し、得られた積層体に絶縁テープを巻き付けて固定することで、積層型の電極体30を作製した。なお、電極体30の作製において、4枚の正極板33と、5枚の負極板36とを用い、最外層が負極板36になるように配置させた。また、電極体30においては、正極板33毎に正極集電体から延出した正極タブと、負極板36毎に負極集電体から延出した負極タブ37が形成されていた。正極タブ及び負極タブ37のそれぞれを、電極体30毎に集めて正極タブ積層体及び負極タブ積層体38を形成し、正極タブ積層体を正極接続部に、負極タブ積層体を負極接続部に、溶接により接合した。そのようにして作製した2つの電極体30を、幅45mm、長さ55mmのアルミニウムラミネートシートからなる袋状の電池ケースに挿入し、この電池ケースの開口から上記で作製された非水電解液を注入し、その後、電池ケースを密閉した。このようにして設計容量が635mAhの非水電解質二次電池を得た。
<実施例1>
非水電解質の作製工程において、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)(添加剤A)を総量に対して1質量%と、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)(添加剤B)を総量に対して0.5質量%となるように溶解させて非水電解液を作製したこと以外は、比較例1と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2>
非水電解質の作製工程において、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)(添加剤A)を総量に対して1質量%と、リチウムビス(オキサレート)ボラート(LiBOB)(添加剤B)を総量に対して0.5質量%となるように溶解させて非水電解液を作製したこと以外は、比較例1と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
<実施例3>
非水電解質の作製工程において、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)(添加剤A)を総量に対して1質量%と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(添加剤B)を総量に対して1.0質量%となるように溶解させて非水電解液を作製したこと以外は、比較例1と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
<実施例4>
非水電解質の作製工程において、エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)(添加剤A)を総量に対して1質量%と、フルオロエチレンカーボネート(FEC)(添加剤B)を総量に対して0.5質量%となるように溶解させて非水電解液を作製したこと以外は、比較例1と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
<実施例5>
非水電解質の作製工程において、エチレンカーボネート(EC)と、メチルエチルカーボネート(EMC)と、ジメチルカーボネート(DMC)を、3:3:4の体積比で混合した混合溶媒に、ビニレンカーボネート(VC)(添加剤A)を総量に対して1質量%と、プロパンスルトン(PS)(添加剤B)を総量に対して0.5質量%となるように溶解させて非水電解液を作製したこと以外は、比較例1と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2〜7>
非水電解質二次電池の作製工程において、8枚の正極板33と、9枚の負極板36とを用い、最外層が負極板36になるように配置させた積層型の電極体を作製し、そのように作製された積層型の電極体1つのみを電池ケース12の内部に収容したこと以外は、それぞれ比較例1及び実施例1〜5と同じ方法により、非水電解質二次電池を作製した。
[出力特性試験]
上記で作製した各非水電解質二次電池の初期放電容量を測定した。まず、各非水電解質二次電池を用いて、25℃の電池温度条件下、0.3It(時間率)の定電流で電圧値が4.2Vになるまで定電流充電を行い、電流値が1/50Itになるまで定電圧充電を行った。20分間の休止期間の後、0.5Itの定電流で2.5Vになるまで定電流放電を行なった。さらに20分間の休止期間の後、0.2Itの定電流で2.5Vになるまで定電流放電を行い、さらに20分間の休止期間の後、0.1Itの定電流で2.5Vになるまで定電流放電を行った。これらの定電流放電による放電容量の総量を、各非水電解質二次電池の初期放電容量とした。
次に、各非水電解質二次電池の放電レートに対する容量維持率を測定した。各非水電解質二次電池につき、25℃の電池温度条件下において、0.5Itの定電流で4.2Vになるまでの定電流充電を行い、電流値が1/50Itになるまで定電圧充電を行った。20分間の休止期間の後、電流値1Itで2.5Vになるまでの定電流放電、及び、20分間の休止期間からなる充放電サイクルを行った。次いで、0.5Cの定電流で4.2Vになるまでの定電流充電、電流値が1/50Itになるまで定電圧充電を行った。20分間の休止期間の後、電流値2Cで2.5Vになるまでの定電流放電、及び、20分間の休止期間からなる充放電サイクルを行った。更には、0.5Cの定電流で4.2Vになるまでの定電流充電、電流値が1/50Itになるまで定電圧充電を行った。20分間の休止期間の後、電流値3Cで2.5Vになるまでの定電流放電、及び、20分間の休止期間からなる充放電サイクルを行った。各充放電サイクルにおける定電流放電による放電容量を測定した。
各非水電解質二次電池につき、初期放電容量に対する各放電レートでの充放電サイクルにおいて測定された放電容量の割合(百分率)を容量維持率として算出した。この容量維持率によって各非水電解質二次電池の出力特性を評価した。
表1に、各実施例及び各比較例の非水電解質二次電池における、出力特性試験の結果を示す。なお、実施例1〜5については、比較例1の容量維持率の向上率を100としたときの各非水電解質二次電池の容量維持率を示し、比較例2〜7については、比較例2の容量維持率の向上率を100としたときの各非水電解質二次電池の容量維持率を示す。
表1の結果から明らかなように、非水電解液が特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せを含む実施例1〜5の電池10は、当該添加剤A及び添加剤Bの組合せを含まない比較例1の電池10に対して、各放電レートにおいてより優れた放電容量維持率の向上効果を有することがわかった。このように、特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せを用いることにより、最外層が負極板36である電極体30を複数備える電池10における容量低下を抑制できると考えられる。更には、4枚の正極板33と5枚の負極板36とが最外層が負極板36となるよう配置されて互いに積層された積層型の電極体30を2つ備える、実施例1〜5の電池10では、8枚の正極板と9枚の負極板とが最外層が負極板となるよう配置されて互いに積層された積層型の電極体を1つのみ備える比較例5〜9の非水電解質二次電池と比較して、非水電解液に含まれる特定の添加剤A及び添加剤Bの組合せによる放電容量維持率の向上効果を格段に向上できることがわかった。
本開示に係る積層型非水電解質二次電池は、例えば電気自動車若しくはハイブリッド車の駆動電源、又は系統電力のピークシフト用の定置用蓄電システム等に有用である。
10 積層型非水電解質二次電池(電池)、12 電池ケース、13 ケース本体、14 蓋板、14a 貫通孔、15 ホルダ、16 負極端子、17 正極端子、18a,18b 中間部材、19 上側結合部材、20 絶縁部材、30,30A,30B 電極体(積層型電極体)、33 正極板、36 負極板、37 負極タブ、38 負極タブ積層体、41 負極接続部、42 上端板部、43 下側板部、50 セパレータ。

Claims (2)

  1. 複数の電極体と、非水電解液と、前記複数の電極体及び前記非水電解液を収容する外装体とを備え、
    前記各電極体は、
    シート状の正極集電体の両面に正極合材層が形成された複数の正極板、及び、
    シート状の負極集電体の両面に負極合材層が形成された複数の負極板が、
    前記負極板が最も外側に配置するように、セパレータを介して交互に積層されてなる積層体であり、
    前記各電極体は、
    前記正極板毎に設けられ、前記正極集電体から延出する複数の正極タブと、
    前記負極板毎に設けられ、前記負極集電体から延出する複数の負極タブと、
    前記電極体毎に集められた前記複数の正極タブが電気的に接続する正極接続部と、
    前記電極体毎に集められた前記複数の負極タブが電気的に接続する負極接続部と、
    を更に備え、
    前記複数の電極体は電気的に並列に接続され、
    前記非水電解液は、非水溶媒と電解質と添加剤とを含み、
    前記添加剤は、
    (A)不飽和環状カーボネート、並びに、
    (B)フッ素化環状カーボネート、イソシアネート基を含む鎖状アルカン、ホウ素を含むオキサラト錯体のリチウム塩、ジフルオロリン酸リチウム、及び、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種、を含む、積層型非水電解質二次電池。
  2. 前記添加剤は、
    (A1)ビニレンカーボネート、並びに、
    (B1)フルオロエチレンカーボネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リチウムビスオキサレートボラート、ジフルオロリン酸リチウム、及び、プロパンスルトンからなる群から選択される少なくとも1種、を含む、請求項1に記載の積層型非水電解質二次電池。

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