JP2018173420A - 放射線透過低減構成基材 - Google Patents
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Abstract
Description
現況、このような課題の解決方法としては鉄板や、重金属の粉末や粒をゴムや樹脂に添加物として一体化したシートやマットなどを放射線遮蔽効果が得るために複数枚積層する(例えば、特許文献4参照)。また、重金属板、重いコンクリート板やコンクリートブロック、放射性物資に汚染されていない大量の土などの重量物を放射線が放射する場所の上に重機で設置、造成する方法を選択されている。また放射線が放射する場所の周囲に重量構造物を壁として設置して放射線を低減させることが公知である。
しかし、安価で放射線透過低減に必要とする含水量の多い土壌と、植物が安定的に生育するために必要とする一定水量以上の水が永続に保つ土壌の創出は当業者には困難であった。また、外力の影響を受けることなく静的状態を保持する液相部と気相部を具備する構造体の創出は当業者には困難であった。さらには、物理学の領域である放射性物質の固定と遮蔽に優れた低減効果が得られることを予想することは容易ではなく、また、植物育成分野と放射性物質に係る分野が異なることからも、このような新土壌の創出は容易に着想し得るものではなかった。
複数のリブと、当該複数のリブを介して積層された少なくとも1枚の表薄板及び裏薄板と、を含み、前記表薄板と前記裏薄板とに挟まれ、前記複数のリブを除いた領域と中空リブの中空領域に含水用空間又は、含水用空間と気相部を形成している中空板状体と、前記含水用空間の中に充填された保水基材又は、含水用空間の中に充填された保水基材と気相部と、を備える放射線透過低減構成基材である。
前記成形体のいずれかを第21又は22の発明の放射性物質吸着シートの周縁部が、閉鎖されているか一部開口部を残して閉鎖されている袋体に形成された袋体の内部に、保水基材又は空隙保持基材として充填された形態であることが特徴である放射線透過低減構成基材。
有底又は無底の外側容器と、
前記外側容器から側壁及び底部が内側に後退するように前記外側容器の内側に配置された有底又は無底の内側容器と、
前記外側容器と前記内側容器との間隙に充填された保水基材と、を備えることが特徴である放射線透過低減容器。
前記外側容器と前記網からなる内側容器又は前記内側袋体との間隙に充填された活性炭、又は保水基材と、を備えることが特徴である放射線透過低減容器。
前記外側袋体と前記内側袋体との間隙に充填された保水基材と、を備えることが特徴である放射線透過低減容器。
当該無底の内側容器又は袋体の底部を覆うように当該外側容器に取り付けられた板状体を、さらに備える第57から62のいずれかの発明の放射線透過低減容器である。
当該容器の中に充填された保水基材と、を備えることが特徴である放射線透過低減構造体。
前記複数の放射線透過低減構造体の各々の前記空洞の列及び前記凹部のうちの少なくとも一部を挿通し、かつ前記空洞の列の前記軸方向に配列された複数の放射線透過低減構造体にわたって挿通するように配置された複数の筋材と、
前記複数の放射線透過低減構造体の各々の前記空洞の列及び前記凹部を充填する保水基材と水との混合体又は保水基材と接合剤との混合体と、を備えることを特徴とした放射線透過低減複合構造体である。
当該放射線透過低減構造体と水とを収納して密閉する、耐候性かつ遮水性の収納容器、又は不然性、難燃性かつ遮水性の収納容器と、を備えることを特徴とした放射線透過低減複合構造体である。
互いに間隔をおいて前記コンクリート基礎に立設された複数の支柱と、 前記複数の支柱のうち、隣り合う支柱の間に架け渡された両端部に固定されたボルトを有する複数のワイヤーロープと、
前記ワイヤーロープに取り付けられた、少なくとも1つの放射線透過低減構成基材又は放射線透過低減複合構造体と、を備え、
前記放射線透過低減構造体は、第1ないし24のいずれかの発明の放射線透過低減構造体であり、前記放射線透過低減複合構造体は、第48、第49、第56又は第70乃至第76の発明のいずれかに記載の放射線透過低減複合構造体である、放射線透過低減壁構造体。
前記板材又は防網炎シートは、植栽又は注水を可能にする貫通孔又は切欠きを有している、放射線透過低減壁構造体。
前記放射線透過低減壁構造体は、前記樹脂板の少なくとも一部領域の表面に積層された防炎シート又は前記防網炎シートを、さらに備える、第80〜82のいずれかの発明の放射線透過低減壁構造体。
当該中空板状体は、複数のリブと、当該複数のリブを介して積層された表薄板及び裏薄板と、を含む、第80〜83のいずれかの発明の放射線透過低減壁構造体。
前記活性炭とゼオライトの粒径が1100μm以下であり、前記繊維成形体の繊維に樹脂を付着、又は含浸して遮水体に形成されている放射線透過低減構成基材。
前記、気相体には無数の微小空隙を有する繊維成形体と、前記、液相体を被覆する遮水シートには少なくとも一つの注水口を有する前記液相体に第71、第72又は第74の発明に記載のいずれかの保水基材と、を具備した放射線透過低減構成基材。
前記事業所内または戸外の広範な地域に、当該拡散されて、さまざまな箇所に付着又は沈殿等で静止状態にある放射性物質、該放射性物質が付着もしくは沈殿している物体が除染されて置かれている保管置場、保管施設、その周辺または、前記拡散後に放射性物質が静止状態で付着又は沈殿している、森林、農地、校庭、園庭、庭、競技場、公園、道路法面、駐車場、建物、樹木、用水路、雨水透水桝、雨水排水桝、側溝のいずれかに存在する放射性物質が原因の放射線が放出される箇所と、その近辺と、放射性物質を永年貯蔵する地下貯蔵施設に、または、処分所施設に
第1〜86のいずれかの発明が格別である放射線透過低減構成基材、放射線透過低減容器、放射線透過低減構造体と放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体を設けると放射性物質の固定及び放射線の放射量が永続に安定して低減できる特徴がある。
この構成により、中空板状部材の重量と保水基材の重量、保水基材に含水された初期含水量の重量が持続できるので放射線の透過低減効果を持続的に発揮させることができる。また、設置現場もしくは、その付近で含水用空間に注水することができるので、運送の負担が軽減される。さらに、従来から有する放射線遮蔽効果を発揮させる重量物を運ぶ作業者の負担が軽減できる。
さらに含水率の高い鉱物を原料とする繊維の集積体である保水基材(液相部)に静的状態で存在する水素と酸素の化合物である水もしくは比重の大きい液体が大量に気相部と一体化される構造体に基づいて放射線の電磁波及び熱伝導を抑制することが考えられる。
この実施の形態は、複数のリブ4と、当該複数のリブ4を介して積層された少なくとも1枚の表薄板及び裏薄板と、を含み、前記表薄板と前記裏薄板とに挟まれ、前記複数のリブ4を除いた領域と中空リブ4の中空領域に含水用空間5又は、含水用空間5と気相部118を形成している中空板状体1と、前記含水用空間5の中に充填された保水基材6又は、含水用空間5の中に充填された保水基材6と気相部118とが備えられた構成の具体例に該当する。
この構成によれば、保水基材6の働きにより、含水用空間5に貯水することができ、放射線の遮蔽効果を発揮させることができる。また、気相部118により静止状態を保つ空気層を保持することができ放射線の遮蔽効果を発揮させることができる。放射線物質の飛散を防ぐ効果も得られる。含水用空間5に保水基材6が充填されているので、水持ちが良い。また、気相部118には、空隙保持基材である樹脂を付着もしくは含浸させた無機質の高炉スラグを主材料とする無数の繊維からなる成形体等も充填されるので、静止空気保持に良い。中空板状部材は、安価に製造可能である。また、設置現場において含水用空間5に注水することができるので、運送の負担が軽減される。
さらに、従来から有する放射線遮蔽効果を格別に発揮する重量物を運ぶ作業負担が軽減できる。
図1の上図(a)に示すように、表薄板2と裏薄板3の間にリブ4が構成されて、リブ4を除くスペースが含水用空間5になり、含水用空間5に保水基材6が充填されている。保水基材6はロックウールの粒状物であり、含水量はロックウールの自重の約5倍の水が含水される。よって、1平方メートル当たり20kgのロックウール粒状物に水が飽和する状態まで注水すると、ロックウール粒状物と水を合わせた重量は、1平方メートル当たり、約120kgとなる。この重量で、透過性の高い放射線であるガンマ線の透過率が約50%に抑えられることが理論上予測される。また、リブ4とリブ4の位置と間隔は定位置、一定の間隔にする、もしくはリブ4の位置をランダムにして間隔も一定間隔ではない構成でも中空板状体を製造することが可能ではあるが、保水基材量と含水量を考慮して、放射性物質の遮蔽率と荷重による固定効果を算出して設計、製造することを推奨する。
また下図(b)は、上図の表薄板2をリブ4の上面から分離させている。この図で示されたリブ4の位置は一定間隔ではないリブ4の位置の一例である、なお、リブ4の形状は円筒形のリブ4が選択されて保水基材6が含水用空間5の周縁部空間を除いて隙間なく充填されている。
また、表薄板2と裏薄板3の間に円錐台形状の上面同士が接合された複数のリブ4が構成されている中空板の複数のリブを除いた領域に粒径が980μm以下の極細粒活性炭又は、粒径が980μm以下のゼオライト、粒径が980μm以下の極細粒活性炭とゼオライトの混合物のいずれかを充填して、該中空板体の周縁部を中空板に構成される同一樹脂材料を用いて溶接して閉鎖する。あるいは、中空板の周縁端部の内側近くを折り曲げ熱溶着又は、熱圧着させて閉鎖する。この形態の板体は、放射性物質の遮蔽低減に有用となる。
さらに、前記、関連するその他の実施形態に明記した無数の微細孔を有する中空板の形態と、中空板の周縁部の内側近くを折り曲げ熱溶着させて閉鎖された形態の板体を併合させた放射性物質の遮蔽低減板体を製造することも好ましい。この実施の形態の板体を上図(a)に示された、表薄板2と裏薄板3に置き替えると放射性物質の遮蔽低減率が増すことが予測できるので好ましい。
上層部に気相部118を構成する表薄板2と裏薄板3の間に円錐台形状の上面同士が接合された複数のリブ4が構成されている。この円錐台形状の上面同士が接合された複数のリブ4の上下円錐台内部は空洞であり気相部118として構成されている。そして、リブを除いた領域が気相部118であり、中空板を形成している。この中空板の裏薄板3の下層の表薄板2と裏薄板3の間に複数の円筒形リブが構成された中空板が示されている。円筒形リブの内部には保水基材6と含水用空間5とが構成されている。そして、円筒形リブを除いた含水用空間5に保水基材6が充填されている。なお、下層の液相部上方の表薄板2と気相部118を構成する裏薄板3は接着剤を使用して強固に接着されて液相部と気相部118が一体化された構造である。接着剤を使用して接着する手段は一例であり、他の接合方法で裏薄板3と表薄板2を接合されてもよい。
また下図(f)は、中心層に液相部119を構成する中空板を配置させている、その上下に気相部118を構成する中空板を配置させている、そして、三層に構成されている中空板の側面、前面、背面を樹脂板である閉鎖部材10とL形樹脂棒の固定部材16とを使用して閉鎖されている。なお、閉鎖部材10とL形樹脂棒の固定部材16、裏薄板3と表薄板2は樹脂溶接棒で熱溶接されている。
この実施形態の構造体が放射性物質から放出される放射線の透過の低減効果を得ることが推測できるので好ましい。
また、放射性物質の吸着効果を得るためには顔料を紺青、青色、緑色、黒色、灰色、赤色、茶色、紫色、黄色のいずれかを選択して樹脂の成形の際に添加することが好ましい。
また、成形された板体や中空板状部材の表面に塗料を塗装又は、アクリル系樹脂などのバインダーを塗布した上面に塗料を塗装することもよい。また、フッ素樹脂又は、フェノール樹脂を塗布することも好ましい。
また、放射性物質の大きさに整合するような孔を有する極細粒活性炭、又はゼオライト、極細粒活性炭とゼオライトを放射性物質の吸着、遮蔽低減効果を得るために上記樹脂や塗料に添加されてもよい、なお、添加される前記極細粒活性炭とゼオライトの粒径は980μm以下のものが成形に好ましい。
なお、積層方法としては、接着、粘着、熱融着、蒸着、タッカー針等の任意の貼合方法を選択して積層されてよい。また、前述の各樹脂フイルム、アルミニウム箔、ゴム引布シートの上面にエポキシ樹脂、アクリル樹脂又はフッ素樹脂やフェノール樹脂を塗布することも好ましい。また、意匠性等の付与のために合成樹脂フイルムに絵模様、写真、字等が印刷されていてもよい。
また、リブの高さが調節できるリブを選択してもよい。
また、保水基材7の含水率と含水する前の保水基材7の重さと中空状板状体、固定具などの質量を積算して中空状板体の設計をすることにより、汚染現場での設置ならびに含水に係る水量や作業要員数などの策定ができるので望ましい。
なお、気相部118に充填される無機質の高炉スラグを主材料とする無数の繊維からなるロックウール成形体は、ロックウール繊維に樹脂を付着もしくは含浸させて撥水性を有する粒状綿、板状体、フェルト状体、直方状体、立法状体、角棒状体などの成形体を選択することが好ましい。気相部118には、空隙保持基材であるロックウール成形体42若しくは、耐水性能を有するグラスウール成形体、セラミック繊維成形体又はセラミック成形体を充填すると静止空気保持に良い。さらに、粒径は980μm以下の極細粒活性炭又はゼオライトをロックウール成形体42若しくは、耐水性能を有するグラスウール成形体、セラミック繊維成形体又はセラミック成形体に付着もしくは含浸させて放射性物質の透過低減効果を高めることも好ましい。
<第2の実施の形態>
この実施の形態について、図面と参照しつつ説明をする。
図3は、透明のポリカ−ボネート樹脂からなる中空板状体の一方の端部面を閉鎖端面9に形成して、一方の端部面を注水口としている。注水口には蓋8が取り付けられる。この中空板状体は、表薄板2と裏薄板3がほぼ平行に設置され、複数の板状リブ4を介して積層されている。そして、表薄板2と裏薄板3とリブ4とに囲まれて含水用空間5が形成されている。図は、一部の含水用空間5の中に保水基材6が充填されているところを示している、また、この注水口には、保水基材6に水を注水した後に蓋形状の閉鎖部材10を備えることで含水用空間5は密閉されるので水持ちがよい、
注水口より水を注水すると水は下図の断面で示した閉鎖部材8中より保水基材6に浸透する。
例えば、上記第1の実施の形態においても明記した、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリカ−ボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、合成ゴム等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂、金属、材木、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂で被覆された金属、鍍金加工金属、撥水加工材木、材木、紙または、コンクリート等が挙げられ、耐食性及び成形性に優れた熱可塑性樹脂が好ましい、また、押出成形、射出成形、型枠成形、型枠圧縮成形、圧縮成形、発泡射出成形等の成形方法により成形されるのが好ましい。
また、成形された板体や中空板状部材の表面に塗料を塗装又は、アクリル系樹脂などのバインダーを塗布した上面に塗料を塗装することもよい。また、フッ素樹脂又は、フェノール樹脂を塗布することも好ましい。
この実施の形態は、第2の発明に基づいて、裏薄板と多数の貫通孔が穿設されている表薄板とが多数のリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記複数のリブは、互いに略平行に配置された複数の板状リブを含んでおり、前記複数の板状リブの長手方向端に位置する前記含水用空間の少なくとも一端部は閉鎖されており、前記複数の貫通孔は、前記複数の板状リブに交差するように穿設された帯状貫通孔を含んでいることを特徴とする構成の具体例に該当する。
図6の上図(a)に示された斜視図(内部については下図(b)参照)では、中空板状体1の左右端面に位置するリブ4により該端部面が閉鎖されている。そして、板状リブ4の長手方向の両端面も閉鎖端面9として閉鎖された状態が示されている。しかし、中空板状体の内部には複数の板状リブと板状リブとの間の含水用空間5が存在して保水基材6が充填されている。なお、この閉鎖方法は、上記の実施の形態で説明した熱加工による閉鎖溶着18である。また、斜視図の上面に示されている表薄板2には、帯状貫通孔11が形成されている。
これより狭い間隔でも注水などに影響が及ぶことはない。
また、帯状貫通孔11の断面形状も、特に限定されず、例えば、長方形状、U字状、V字状、アリ溝状等が挙げられる。そして、帯状貫通孔11の形状は特に限定されず、例えば、直線、曲線、蛇行線等の帯、三角形、四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、幾何学模様、渦巻き模様等が挙げられる。
この実施の形態は、複数のリブは、交互に逆方向に傾斜するように配列された4枚以上の板状リブを含んでおり、前記複数の板状リブの長手方向端に位置する前記含水用空間の少なくとも一端部は閉鎖されており、前記複数の貫通孔は、前記複数の板状リブに交差するように穿設された帯状貫通孔を含んでいる、第2の発明の放射線透過低減構成基材の具体例に該当する。
図7の上図(a)と中段図(b)は、板状リブ4が交互に逆方向に傾斜するように配列された中空板状体1の断面図を示したものである、表薄板2と裏薄板3の間に傾斜するリブ4が配列されて、リブ4とリブ4の間が含水用空間5となり、その含水用空間5には保水基材6が充填されている。下図(c)は、表薄板2と裏薄板3の中間に板状リブ4がほぼ水平に形成されて、さらに、水平方向に形成された板状リブ4とは別の板状リブ4が複数配列されている中空板状体1の断面図である。
この実施の形態は、複数のリブが、中空状リブを含んでおり、含水用空間は当該複数の貫通孔の内部空間をも含んでいる構成の具体例に該当する。この構成によれば、含水容積率が増すことになり中空板状体の内部に含まれる保水基材の増量に起因して含水量も増えて重量も増す。よって、放射線の透過低減率を高めるためには好適となる。
図8に示す例では、表薄板2と裏薄板3の周縁は周縁部に示した貫通孔12以外はすべて閉鎖端面9として形成されている。また、この例では、表薄板2には複数の貫通孔12が任意の位置に開設されており、図には、注水後に周縁部に示した貫通孔12を塞ぐ閉鎖部材10をも表示している。
また、図に記載の(イ)と(イ)の間を結ぶ点線で切断された断面構造を、図9の上図(a)に、中空板状体1の断面図として示している。また、上図の直下の図(b)には、円筒形リブ14に貫通孔12を形成してなる複数のリブ形状を有する中空板状体1を示した。さらに、下図(c)には貫通有孔リブ14と、リブ上面に凹状切欠きが形成された円筒形のリブ14との2つが例示されている。
この実施の形態は、中空状リブにはリブ内部と外部とを連通させる孔が形成されている、第5の発明の放射線透過低減構成基材の一具体例に該当する。
この実施の形態について、図面を参照しつつ説明をする。
図9の上図(a)は、円筒形のリブ4が構成されて、端部閉鎖面9の内側の表薄板2と裏薄板3の間とリブ4内部に保水基材6が充填されている中空板状体1を示している。また、図9の(b)は複数の貫通有孔リブ14を構成されている中空板状体1であり、中空板状体1の両端は端部閉鎖面9で閉鎖されて、閉鎖内側に保水基材6が充填されている中空板状体1を断面図により示されている。なお図9(c)は2つの異なる貫通有孔リブ14を示し、左図には貫通孔12が示され、右図には上面に凹状の切欠きが形成されている円筒形のリブ14を例示している。このように、示されたリブ形状の他、環帯状リブ、ハニカム状リブ、格子状リブにも上記のような貫通孔12や凹状の切欠きをリブの上下面、上下面の間に形成したリブを中空板状体1のリブに構成されてもよい。
本実施の形態は、第2から6のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材であって、表薄板に形成された前記1以上の貫通孔は、直径30mmから180mmの1以上の植栽用孔を一部に含む、という特徴を有する構成の具体例に相当する。
この特徴を有する本実施の形態について、図面を参照しつつ説明をする。
本実施の形態は、放射線透過低減構成基材が、主面を有する複数の遮水体と、前記複数の遮水体を、それらの主面同士が互いに向き合うように固定する固定部材と、前記複数の遮水体の間に挟み込まれた保水基材と、前記保水基材の一部に通水管又は、中空板を備えられてもよい構成の具体例に相当する。
この実施の形態について、図面を参照しつつ説明をする。
この仕様には、保水基材6と遮水板22の厚みに整合する固定部材としてのボルト・ナット、ワッシャで固定することが望ましいが、固定部材ならびに固定方法は、任意の固定部材と固定手段で当該構成体を造ることが可能である。
なお、遮水板枠10を固定するL形を図に示した。このL形と遮水板枠の接合にはリベット又はネジとナットを使用することが好ましい。
なお、遮水板19・22には注水用の貫通孔12が記されている。この貫通孔12は、中空暗渠板22の表薄板と裏薄板とリブが電動工具で円形に切断されてなる。切断された刳り抜き部分の該円形中空暗渠板は、注水後に貫通孔に嵌め込み貫通孔を閉鎖することができ、それにより元の遮水板の有姿に戻せるので、この注水口の開設と閉鎖手段は好ましい。なお、この貫通孔の数は、注水時間を考慮して複数でもよい。
この構成において、保水基材6の周縁すべてが遮水板10,19で遮水されるから、水の動きが無く、初期注水量を永続に保水するので放射線の透過低減率をより安定することになる。また、遮水板22を複層に数枚重ねて構成することもよい。
また、このように通水管の構成数は側溝の排水機能を出来る限り阻害させない数と塩ビ管の外径を考慮すればよい。塩化ビニール管の外径が大きいサイズで有れば1本でもよい。なお、保水基材6の厚みと充填量は放射性物質が放出する線量の値を勘案されて放射線の透過低減に最も有効であると考えられるように算出することが好ましい。また、活性炭、樹脂ペレット、粉末ゴムを混合した保水基材6が有用である。
本実施の形態は、側溝以外の農業用水路、桝などにも有用である。
図9(b)の第9の発明の放射線透過低減構成基材は、熱可塑性樹脂で成形されてなる板体又は、裏薄板3と表薄板2とが、複数の板状体リブ4を介して積層されて前記板状体が略平行に設置されて、排水路96が形成されてなる中空板状体22、又は、裏薄板3と複数の貫通孔が穿設されている表薄板2とが、複数のリブを介して積層されてなる中空板状体22からなり、前記リブは板状体4であり、複数の板状体が略平行に設置されて、排水路96が形成され、貫通孔は帯状貫通孔11であり複数の帯状貫通孔11が上記板状体に交差して穿設されてなる暗渠板構造であることを特徴とした放射線透過低減構成基材である。
また、顔料が放射性物質を吸着する原理は、例えば鉱物やセラミックから製造されている顔料の孔の大きさと放射性物質の大きさが略同じ程度であれば顔料の孔に放射性物質が吸着されることが推測できる。また、成形樹脂の密度ならびに形状も放射性物質の透過低減の要因になることが推測できるので中空板状体は排水路が空気層であるため放射線透過低減に軽量基材として有用である。
また、放射性物質の吸着効果を得るためには顔料を紺青、青色、緑色、黒色、灰色、赤色、茶色、紫色、黄色のいずれかを選択して樹脂の成形の際に添加することが好ましい。
また、成形された板体や中空板状部材の表面に塗料を塗装又は、アクリル系樹脂などのバインダーを塗布した上面に塗料を塗装することもよい。また、フッ素樹脂又は、フェノール樹脂を塗布することも好ましい。
また、放射性物質の大きさに整合するような孔を有する極細粒活性炭、又はゼオライト、極細粒活性炭とゼオライトを放射性物質の吸着効果を得るために上記樹脂に添加されてもよい、なお、添加される前記極細粒活性炭とゼオライトの粒径は980μm以下のものが成形に好ましく、そして、放射性物質の吸着にも好適である。
第10の発明の放射線透過低減構成基材は、図10(a)で示された裏薄板3と複数の貫通孔が穿設されている表薄板2とが、多数の円柱状のリブ4を介して積層されてなる前の中空板状体21に構成されている。そして円柱状のリブとリブの間に排水路96が形成されている、そして、第12の発明の帯状貫通孔11が穿設された斜視図であるが、中空板状体21の有姿は表薄板2と裏薄板3と複数のリブが一体に形成されている。
また、図アは環帯状のリブを示し、図イは角面の砂時計リブを示し、図ウは円筒状のリブを示し、図エは円筒状のリブ内部に板状体が備えられている形状が示されている。このようなリブ形状のいずれかを選択してこの放射線透過低減構成基材を製造することがよい。また、この構成によると中空板状体22を製造するには第1の実施の形態に明記されている中空板状部材を構成する材料の説明文を参考に準拠して製造することが好ましい。また、帯状貫通孔11を開設する具体例としては第3の実施の形態に明記されているので参考に準拠して実施なされることが好ましい。また、この第10の実施の形態の暗渠板に機械的強度と放射線透過低減効果を高めるには表薄板2と裏薄板3と複数のリブ4の厚みを厚くするとよいしリブの数を多く構成するとよい。
第14の発明の構成によると、図58に示された排水路96の両端部(閉鎖端面9)又は周縁部が閉鎖されているか一部を残して閉鎖されており、排水路96が貯水可能になされ、溢れた水は排水路96の一部又は貫通孔から端部のリブを越えて余剰水58が排水できることを示した断面図である。この断面図の構成では、排水路96に保水基材6が充填されている。保水基材が充填されているので例えば、この放射線透過低減構成基材が傾斜面に備えられても貫通孔から排水路に入水した水の動きは余剰水58のみが動き保水基材に含水された水は静止的状態を保つことになる。すなわち、含水と入水の水の入れ替わりの作用は有るが、排水路96の保水基材中で一定の水が静止状態で保つことが放射線透過低減効果を継続させることになるので好ましい。
第16の発明の構成によると、前記複数のリブ4と前記表薄板と前記裏薄板3との少なくとも1つは、同一の他の放射線透過低減構成基材と嵌合することにより、当該他の放射線透過低減構成基材との連結を可能にする嵌合部を含んでいる、第21〜15のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材である。
図16は、複数の中空板状体1を連結させるのに適した中空板状体1の断面形状を示した断面図である。上図(a)に示すように、表薄板2と裏薄板3が複数のリブ4に支持され、表薄板2と裏薄板3とリブ4に囲まれた含水用空間5のなかに保水基材6が充填されている。そして、この中空板状体1の左右端部は、嵌合を可能にした形状のリブ4を有している。つまり、2体の中空板状体1の左右の異なる形状のリブ4同士が、下図(b)の中心部に示すように嵌合される。一例を挙げると、この中空板状体1の表薄板2と裏薄板3の厚みは3mm、複数のリブ4の厚みは2mm、また、両端部の嵌合形状のリブ4も2mmで、リブ4とリブ4の間隔は30mmであり、中空板状体1の厚みは、35mm、リブ4の長手方向の長さが6mで製造が可能である。そして、この中空板状体1の含水飽和状態の重量は保水基材6の内容にもよるが、約50から70kg/m2となり、放射線遮蔽率は大凡、25%ないし35%になることが推定できる。この中空板状体1は塩ビ樹脂を主材料として押出成形で製造することが好ましい。
第17の発明の放射線透過低減構成基材は、貫通孔が穿設された垂直壁又は貫通孔が穿設されていない垂直壁よりなる、断面形状I形又は直角部中空L形の継手により、第1〜15のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材が接続されて大板化される。この特徴を有する本実施の形態について、図面を参照しつつ説明をする。
接続される基材とI形の継手43、I形継手43又は直角部中空L形の継手43に貫通孔を開設してボルト、ナット、ビスネジ、ナット、ワッシャ、リベット等の固定部材を用いて固定することがより好ましい。
第18の発明の放射線透過低減構成基材は、第1から17のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材の表薄板に、すのこ状、波板状、凹凸状、箱状、直方体、立方体又は樋状であって、厚み方向に貫通孔が穿設されている暗渠体もしくは成形体が積層されている放射線透過低減構成基材である。
図60の上図(a)が、この実施の形態の1例を示す箱状(箱体37)を第3の発明の放射線透過低減構成基材の上面に活性炭付着シート17を敷設された上面に備えられていることを示す断面図である。なお、箱体37の底の厚み方向に貫通孔12が複数開設されている。そして、箱体37の内部には含水されているロックウール繊維の綿状物と肥料、腐葉などが混合された土壌33が充填されている。この構造体を用いて作物や草花又は木本の生産にも有用である。なお、放射性物質の遮蔽に有用である動きの無い含水荷重が構成されているから好ましい。
第19の発明の実施の形態は、第1から18のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材の表薄板側または、裏薄板側に、不織布及び/又は極細粒活性炭が付着若しくは含浸されている不織布が積層、若しくは貼合されている。一例として、極細粒活性炭が付着されている不織布を第1の発明の表薄板側に貼り合わせると、活性炭は均一的に不織布に有するので、活性炭の吸着効果を面状で得られるので好ましい。貼り合わせる手段は、接着、熱融着、粘着、または、接着、熱融着、粘着に加えてタッカ−針を用いて貼り合わせると好ましい。また任意の方法でもよい。そして、保水基材が含水されるので、含水荷重の遮蔽要素と面状吸着要素を兼ね備えた放射線の透過低減を有する放射線透過低減構成基材になるので有用である。なお、不織布に付着されている活性炭は粒径が1200μm以下でよい。また、活性炭の化学的吸着効果を必要とするには、粒径が1000μm以下の極細粒活性炭を選択されると好ましい。
第23の発明の実施の形態は、第1〜22のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材の表薄板側に、ロックウール繊維又はその成形体が積層されている。ロックウール繊維は、製鉄の際に発生する高炉スラグを主原料としているので一般土壌と異なり雑草の種が混入されていないから緑地の創設に好ましい。また、断熱性に優れている。その断熱性が放射線透過低減に有効であると予想できるので好ましい。また、保水性を有するので当該発明に有用である。
第24の発明の実施の形態は、第23の発明のロックウール繊維の成形体が不織布、フェルト状体、板状体、角棒、粒状物、綿状物である。さらに、前記ロックウール繊維の成形体の表面に亀甲金網を貼合された形態、該成形体の表面にガラスクロスで被覆された形態、該成形体の表面にアルミ箔とガラス繊維シートが貼合してなるアルミクロスを貼合された形態のロックウール繊維が含まれて、
前記成形体のいずれかを第21又は22の発明の放射性物質吸着シートの周縁部が、閉鎖されているか一部開口部を残して閉鎖されている袋体に形成された袋体の内部に、保水基材又は空隙保持基材として充填された形態であるから、保水基材に含水されても保水基材の形状が保たれるので好ましい。また、耐圧性、耐久性にも好ましい。それによって、放射線の透過低減が長期に及ぶので有用である。
第25の発明のこの実施の形態は、少なくとも1枚の遮水シート、防湿フイルム、防湿フイルムと遮水シートを積層した2層シートのいずれかの周縁部は、閉鎖されているか一部開口部を残して閉鎖されている袋形態、又は、前記遮水シート、防湿フイルムに複数の孔が形成された袋形体の内部に第24の発明のロックウール成形体又は第71、72又は74の発明のいずれかの保水基材が充填された形態であるので、保水された水量変化がない。したがって、線量の遮蔽低減作用が長期に望めるので好ましい。なお、一例として袋体のサイズが、幅70幅40幅20cmの袋体の乾燥時重量が約20kgであるが、含水飽和重量は120kgとなる。この荷重が要因して放射線の透過低減に有用となるので好ましい。
第26の発明の実施の形態は、放射性物質で汚染されている箇所の上面に第25の発明の放射線透過低減構成基材が設けられて、第25の発明の記載の放射線透過低減構成基材の上面に第1から22のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材が積層されているので放射線透過低減効果が増すので好ましい。
第27の発明の実施の形態は、ロックウール繊維の成形体に凹部又は貫通孔が形成されている第23又は24の発明である。ロックウール繊維からなる直方体や立方体の成形体に凹部又は貫通孔が形成されていると、凹部に放射線透過低減に有用である微昌形炭素などを充填することが容易となり好ましい。なお、凹部は複数が好ましい。
第29の発明の実施の形態は、第1〜23のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材が屈曲されるか又は放射線透過低減構成基材の両端部に側壁が立設されて溝状になされているので、放射性物質で汚染されている側溝の中に設置すると、側溝の内側壁面と底面に存在する放射性物質が放出する放射線の低減に有用となると考えられるので好ましい。また、溝状の両端部に他の部材もしくは該第1〜23のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材を備えて、固定部材で固定すると箱状体になる、この箱内部に放射性物質で汚染されている汚染物を収納することが選択できる。なお、上面には該基材の蓋を構成すると好ましい。
第31の発明の実施の形態は、第1〜30のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材の上面に土壌層が積層されている放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体である。土壌層の土壌は保水性を有する材料で有ればよいが、より好ましい材料としては、植物の根が伸長するのに好適な通気環境、炭素環境、微量元素肥料環境、排水環境を兼ね備えた土壌を選択するとよい。保水性を有する土壌の荷重が放射線透過低減に有用である。
第32の発明の実施の形態は、土壌層に芝草が植えつけられている第31の発明の放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体である。当該発明によると、植物は促成栽培として生育させることも可能となるので有用である。芝草は暖地型、寒地型などいずれの芝草も繁茂させることができるので校庭、園庭、公園などの子供の生活環境改善に寄与することが可能と考えられるので有用となる。なお、含水率の高い土壌の場合、土壌から芝生面に水が滲み出ることがあるが、当該発明の芝地は体積比90%の含水率を有するが、芝生面に水が滲み出て水溜り現象は発現されない。したがって、スポーツに好適である。勿論、高含水率及び土壌を構成する基材に要因して放射線の透過低減に好適である。
第33の発明のこの実施の形態は、土壌層の上に、更に、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層が交互に積層され、最上面がロックウール繊維又はその成形体若しくは土壌層である第31又は32の発明の放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体である。このような土壌層を設けることが土壌層中の熱環境が安定するので好ましい。無数の微小空隙及び含水が要因して土壌の高熱化を防ぐ、すなわち、当該発明は放射線の熱に係る作用を抑制することが推測できるのでこの構造体は有用である。
第34の発明の実施の形態は、ロックウール繊維又はその成形体と土壌層の間、ロックウール繊維又はその成形体中若しくは土壌層中に、多数の貫通孔又は帯状貫通孔が穿設されている表薄板と多数の貫通孔又は帯状貫通孔が穿設されている裏薄板とが複数のリブを介して積層されてなる中空板状体が積層されている第33の発明である。この発明の構造によると、すくなくとも2枚の中空板状体の間にロックウール繊維が挟まれているのでロックウール繊維に含水された水の動きは略静的状体として保たれる。放射線透過低減に有用な含水に要因する荷重と、植栽された植物が必要とする土壌含水領域が上下層に構成されるので植物の根の吸水活動に支障が及ぶことがないので好ましい。また、放射線透過低減に有用と推測できる。
第50の発明の放射線透過低減に係る構造体は、表薄板2と裏薄板3とが複数の板状、円筒状、円錐台状、ハニカム状、角柱状、角錐台状、格子状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体21、樹脂板、樹脂シート、ゴムシートのいずれかを選択または、第1から17の発明のいずれかに記載の放射線透過低減構成基材の上面に暗渠形状が板状、箱状、樋状、すのこ状、凹凸状、スポンジ状又は波板状であり、複数の貫通孔が穿設されている基材の上面に、厚み0.03mm以上、目付量10g/m2以上ある不織布/又は、活性炭が付着若しくは含浸されている不織布、2枚の不織布が格子状に接合され、生じた格子目の上下不織布の間に肥料又は肥料と活性炭の混合物が封入されてなる植物育成シートのうち少なくとも一つが積層されたその上面にロックウール繊維からなる密度25kg/m3以上の粒形状成形体が積層され、更に前記ロックウール繊維の上面に土壌層33が積層されていることを特徴とした放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体である。
中段の断面図(b)は、中空板21の上面に図(a)で示されている箱体37の底面が上方になるように置かれている。その底面の上面に活性炭付着透水性シート17を積層している。その活性炭付着透水性シート17の上面には密度が25kg/m3以上のロックウール綿状体101と土壌33が積層されている断面図である。このように構成されている土壌構造体を放射線の線量が比較的に高い値を示す箇所の上に設置すると、土壌構造体を透過する線量が低減される。低減率を高めるには土壌33とロックウール綿状体101の含水量が多くなるように土壌33とロックウール綿状体101の質量を多くすることが好ましい。また、箱体37を樹脂で成形する際に紺青、青色、緑色、黒色、灰色、茶色などの顔料を熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂に添加すると、顔料の孔と、孔の表面積が大きい極細粒活性炭と鉱物からなるロックウール繊維とに有する空隙及び含水が要因して土壌構造体を透過する線量が低減することが推測できるので好ましい。すなわち、構造体の荷重以外の遮蔽の要因は、放射線の電磁波が絶縁体を有するポリプロピレン樹脂によって電磁波が抑制されることが挙げられる。そして、繊維形状の鉱物と炭素からなる微小空隙が放射線の熱伝導を抑制することが考えられる。さらに、水素と酸素の化合物である水が大量に一体化されていることに基づいていると考えられる。さらに、放射線量の透過を低減することが推測できるものとしては、中空板21を第1〜第17の発明のいずれか1つを選択して該中空板21と置き替えることも好ましい。なお、第1〜第17の発明のいずれか1つ以上選択した構成も好ましい。箱体37はこの発明の例示でありこれに限定されるものではない。
第51の発明の放射線透過低減に係る構造体は、表薄板と裏薄板とが複数の板状、円筒状、円錐台状、ハニカム状、角柱状、角錐台状、格子状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体、樹脂板、樹脂シート、ゴムシートのいずれかを選択または、第1から17の発明のいずれかに記載の放射線透過低減構成基材の上面に暗渠形状が板状、箱状、樋状、すのこ状、凹凸状、スポンジ状又は波板状であり、複数の貫通孔が穿設されている基材の上面に、厚み0.03mm以上、目付量10g/m2以上ある不織布/又は、活性炭が付着若しくは含浸されている不織布、2枚の不織布が格子状に接合され、生じた格子目の上下不織布の間に肥料又は肥料と活性炭の混合物が封入されてなる植物育成シートのうち少なくとも一つが積層されたその上面に肥料、腐葉土、鉱物及びロックウール繊維を含む土壌層が積層されている放射線透過低減構成基材それを用いた放射線防護緑地及び放射性物質拡散防止策緑地化構造体である。
該不織布17の上面には肥料、腐葉土、鉱物及びロックウール繊維101を含む土壌層33が厚さ15cmで積層されている。
図56で示された(a)〜(d)の各土壌の荷重は含水飽和状態で約200kgである。
この荷重によって放射線の透過を低減できるので好ましい。
第80の発明の放射線透過低減壁構造体は、容器を形成するように配置された板材又は不燃シートもしくは防炎シートと網材を積層してなる防網炎シートと、前記容器の内部に充填されている保水基材又は保水基材と気相部と、を備え、前記板材又は防網炎シートは、植栽又は注水を可能にする貫通孔又は切欠きを有している、放射線透過低減壁構造体。
図48の上図(a)が、この実施の形態の1例の側面を示す断面図である。
この構成によると斜面を形成している前面と底面と背面が熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂で造られた中空板状体22をアルミニウムで造られた第17の発明の角部中空L形の継手29を3本用いて形成されている。継手29と中空板状体22との接合部はビスネジで固定されている。また、中空板状体22の前面の上方角は表薄板が切断されて、切断が折曲げられて上面を形成している。上面の後ろ端部は継手29に嵌め込まれて固定部材のビスネジで固定されている。
第81の発明の放射線透過低減壁構造体は、前記容器は斜面を有し、前記板材のうち当該斜面を形成する領域に、略水平に延びる帯状の貫通孔が形成されている、第80の発明の放射線透過低減壁構造体。
図49の下図(b)が、この実施の形態の帯状の貫通孔を示す正面部分図である。
上と下に横方向に示されている角部中空L形の継手29の間に縦に示されているI形のアルミニウムで成形された継手29に嵌合されている熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂で造られた中空板状体22には複数の帯状の貫通孔11が形成されている。この帯状貫通孔の幅は2mmから10mmを選択すればよい。また、この中空板状体22には複数の貫通孔12が中空板状体22の表薄板と裏薄板に開設されている。その中空板状体22の前面にガラス繊維で造られた不然織物41が貼合されている。この不然織物41には植栽用の貫通孔13が開設されて、植物95が植え付けられている。このように帯状の貫通孔11と貫通孔12が斜面を構成する中空板状体22に間隔をおいて形成されていると降雨がこの放射線透過低減壁構造体の表面に降ってくると、雨水は斜面上から下方向へ表面のガラス繊維織物を浸透して流水する。その流水は横方向に形成された帯状の貫通孔11と貫通孔12に流れ落ちて保水基材に含水される。この両貫通孔が形成された放射線透過低減壁構造体は降雨を保水基材へ集水する機能に優れているので植物が消費する含水を降雨で補うことに好ましい。すなわち、放射線透過低減に欠かせない保水基材の含水荷重保持に好ましい。
第82発明の実施の形態は、前記容器の内部に設置され、前記板材又は防網炎シートの容器としての形状を保持するための骨組みを、さらに備える第80又は81に記載の発明の放射線透過低減壁構造体である。
図49の上図(a)が、この実施の形態の1例の側面を示す断面図である。
この構成によると斜面を形成している前面と底面と背面が熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂で造られた中空板状体22を第17の発明の角部中空L形の継手29を3本用いて形成されている。継手29と中空板状体22との接合部はビスネジで固定されている。
また、中空板状体22の前面の上方角は表薄板が切断されて、切断が折曲げられて上面を形成している。上面の後ろ端部は継手29に嵌め込まれて固定部材のビスネジで固定されている。なお、前面の防網炎シート106には、植栽用の貫通孔13が複数開設されている。その内側面の中空板状体22に植栽用の貫通孔13が防網炎シート106の植栽用貫通孔13と同じ位置に開設されて中空板状体22に貼合されている。また、中空板状体22の内側の領域に骨材102である樹脂板を固定部材16のボルト、ナットを用いて骨組形状に組み立てられている。この骨組み形状の例示は図50、図53の斜視図と図52の断面図で示されている。
第83の発明の実施の形態は、前記板材は樹脂板であって、
前記放射線透過低減壁構造体は、前記樹脂板の少なくとも一部領域の表面に積層された防炎シート又は前記防網炎シートを、さらに備える、第80〜82のいずれかの発明である。図51が、この実施の形態の1例を示す側面の断面図である。
この構成によると斜面を形成している前面と底面と背面がポリプロピレン樹脂で造られた中空板状体22をアルミニウムで造られた第17の発明の角部中空L形の継手29を3本用いて形成されている。継手29と中空板状体22との接合部はビスネジで固定されている。また、中空板状体22の前面の上方角は表薄板が切断されて、切断が折曲げられて上面を形成している。上面の後ろ端部は継手29に嵌め込まれて固定部材のビスネジで固定されている。なお、底板、背面板、上面板、前面板を中空板状体22で形成されている前面の主素材がアラミド繊維の不織布である防炎シート41と該防炎シート41の内側に形成されている中空板状体22には、同一箇所に植栽用の貫通孔13が複数開設されている。また、底板の中空板状体22には余剰水の排水機能を有する帯状の貫通孔が中空板状体22の表薄板と裏薄板に形成されている。その中空板状体22の上面に活性炭が付着している不織布が敷設されている上面の領域にロックウールが主材料である保水基材6が充填
されている。そして、上面には直径20cmの植栽貫通孔13が開設されて植物95が植付けられている。また、前面には複数に開設されている植栽貫通孔13に植物95が植付けられている。なお、この側面の断面図の下方に第9の発明の帯状の貫通孔11を有する放射線透過低減構成基材が備えられている。
この自立形の放射線透過低減壁構造体は、高さ130cm幅100cm底面奥行き幅50cm上面奥行き幅25cmである。その荷重は含水飽和状態で480kgである。この総荷重と奥行き幅に係る荷重と、当該発明を構成する基材の融合が要因して例えば、放射線透過低減壁構造体の背面より後部(矢印で示す)の土地に存在する放射性物質から放出される線量が放射線透過低減壁構造体の前面に透過することを十分に低減できるから好ましい。なお、注水は植栽貫通孔13から行えばよい。また、降雨も植栽貫通孔13から該放射線透過低減壁構造体の内部の保水基材6に落水されるから好ましい。
第84の発明の実施の形態は、前記板材は、少なくとも一部の領域において、中空板状体であって、
当該中空板状体は、複数のリブと、当該複数のリブを介して積層された表薄板及び裏薄板と、を含む、第80〜83のいずれかの発明の放射線透過低減壁構造体である。
上記、第80から83の発明において中空板状体22が構成された放射線透過低減壁構造体を各図で示している。この中空板状体22は、第9と第10の発明の中空板状体である。すなわち、裏薄板3と表薄板2とが、複数の板状体リブ4を介して積層されて前記板状体が略平行に設置されて、排水路96が形成されてなる中空板状体22である。そして、又は、裏薄板と複数の貫通孔が穿設されている表薄板とが、複数のリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記リブ4は板状体であり、複数の板状体が略平行に設置されて、排水路96が形成され、貫通孔は帯状貫通孔11であり複数の帯状貫通孔11が上記板状体に交差して穿設されてなる板構造であることを特徴とした放射線透過低減構成基材である。また、第10の発明の中空板状体は、裏薄板3と複数の貫通孔が穿設されている2表薄板とが、多数の円柱状、円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状、環帯状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記表薄板2と前記裏薄板3と前記いずれかのリブとの間に排水路96が形成されている放射線透過低減構成基材である。
この中空板状体を構成する材料並びに構成要件などは第1と第2の発明とに関連して明記されている。なお、一般的に成形で完成するポリプロピレン樹脂製品は半透明であるが、当該発明においては中空板状体を熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂で成形する際に紺青、青色、緑色、黒色、灰色、茶色、赤色の顔料のいずれか1色をポリプロピレン樹脂に添加されているが、絶縁効果を有する半透明、透明の成形を選択してもよい。絶縁を有するポリプロピレン樹脂によって電磁波を抑制することが推測できるので放射線透過低減壁構造体に熱可塑性樹脂からなる樹脂板を選択することが好ましい。前記は、この実施の形態の1例あり中空板状体を構成する素材を限定するものではない。
第85の発明の実施の形態は、前記容器の内部の一部底領域、該容器内部に設置された骨組み基材の一部下方領域、容器を形成するように配置された底板材の下面の一部領域もしくは領域を超える外部のいずれかの領域に第8〜第10又は第84の発明に記載の中空板状体基材、金属基材、コンクリート基材、石基材、樹脂基材、鉱物基材のいずれかを配置してなり、
前記容器に配置された骨組み基材又は底板材と前記中空板状体基材、金属基材、コンクリート基材、石基材、樹脂基材、鉱物基材のいずれかと、接合又は固定部材で連結されて備えることもできる、第80〜第84の発明のいずれかに記載の放射線透過低減壁構造体である。図52の上図(a)が、この実施の形態の1例を示す断面図である。
この構成によると、図(a)で示されているように上面が湾曲に形成されている。これは放射線透過低減壁構造体への風圧を少なくさせる構造の例示である。また、図で示されているように正面の底面を前方に広く形成させると、より低重心になるので風圧対策に好ましい。また、下図(b)には鉄板103を設置した上に放射線透過低減壁構造体の底面と鉄板を固定した形態の一例である。なお、鉄板103に置き替えて樹脂板、木製合板、ゴム板などの板材を備えてもよい。また、ア〜カに示した図は、高さが1mから2m、底面幅1m〜2mで造ることが好ましい放射線透過低減壁構造体の側面断面を示したものである。このような形状の放射線透過低減壁構造体は強風圧に耐える構造体となり得るので好ましい。なお、高さに制限はないが、風圧対策を念頭に設計されることが望ましい。
斜視図で示された放射線透過低減壁構造体の正面下方に該構造体と一体化されている突起構造体が構成されている。この前方の構造体には植物を植栽する貫通孔13が開設されて植物95が植え付けられている。また、放射線透過低減壁構造体の底面下にコンクリート製の中空板21が放射線透過低減壁構造体の骨組みに固定部材のボルト、ナット、ワイヤーロープで固定されている。また、横には、別の放射線透過低減壁構造体を連結する際の骨組みを示している。また、下図(b)は植栽面が上面、正面、突起構造体上面、側面に構成されて、切欠き36、植栽貫通孔13がこの構造体の表面に被覆されている不然材41のガラス繊維織物に開設されて植物が植え付けられていることを示した斜視図である。なお、背面にも切欠き36、貫通孔13のいずれかを開設して植物を植え付けることを選択してよい。
第86の発明の実施の形態によると、放射線透過低減壁構造体の少なくとも2つは、同一の他の放射線透過低減壁構造体の側面と連結されている、第80〜85のいずれかの発明の放射線透過低減壁構造体である。
図54の上図(a)が、この実施の形態の1例を示す斜視図である。
放射線透過低減壁構造体は横方向に長く1つの構造体として造り放射線の遮蔽を望まれる箇所に設置することが可能であるが、放射線透過低減壁構造体の横幅を例えば、3mで製作して放射線の遮蔽を望まれる箇所に複数台を連結して設置することができる。複数台を連結するには、それぞれの放射線透過低減壁構造体の側面を当椄して横長の壁を形成してもよい。また、隣り合う放射線透過低減壁構造体の骨組みと骨組みを固定部材のボルト、ナット、ワイヤーロープなどを使用して固定接続する方法を用いてもよい。また、アルミニウムで造られたI形継手を用いて側面に構成する板材を嵌合させてビスネジなどの固定部材で固定する方法もよい。また、側面に構成する板材を固定部材の有孔金属板、ボルト、ナット等を用いて固定する方法もよい。また、連結される放射線透過低減壁構造体の規格ならびにデザインは任意に設計してもよい。なお、放射線透過低減壁構造体の構成部材を放射線の遮蔽を望まれる箇所に搬入して組立て壁構造体に完成させて設置することを選択してもよい。なお、完成させた放射線透過低減壁構造体に構成されている貫通孔から水を注水して保水基材が水飽和状態になることで放射線透過低減壁構造体が安定する荷重になり放射線の透過低減にも有用となる。
図14は、保水基材6の左右の面を遮水板19で挟み、遮水板19の表面に網20が積層され、固定部材16により保水基材6、遮水板19、網20が固定され一体化している構造体を示した斜視図である。
この構造体を壁として使用すると、保水基材6の含水が要因して、放射線の透過を低減することができ、また、壁面の緑化構造物に取り付けて蔓性植物を繁茂させるのに有用である。
また、下図(a)に斜視図を示すように、この構造体は、裏薄板と多数の貫通孔が穿設されている表薄板とが、複数の板状リブを介して積層されてなる中空板状体を遮水板19としている。そうして、保水基材6の左右の面が遮水板21で挟まれ、遮水板19の表面に網20が積層され、固定部材16により保水基材6、遮水板19、網20が固定され一体化されている。
遮水板を中空板状にすることで断熱効果ととともに、この構造体の強度が増すので好ましい。そして、保水基材6の含水に対する熱の負荷を低減させ、構造体の高熱化を抑制させることができる。すなわち、含水の乾燥蒸発ならびに高熱化が抑制されるので、植物の生育環境に好ましい。また、断熱効果により保水基材6の含水の水持ちがよくなるので、放射線の透過を安定して低減することに繋がる、この点でも好ましい。
この構成によると、保水基材6に充填された含水及び保水基材6と中空板状体1の重量(質量)が要因して、放射線遮蔽率が安定する。例えば、中空板状体1の厚みが10cmであれば、含水及び保水基材6を合わせた重量が100から130kg/m2の重量になる、この重量において、放射線遮蔽率が大凡50%になることが推定される。この重量は周囲の環境に影響されることなく永続的に保持できる。さらに、上面に積層された土壌には保水性に優れた鉱物繊維が多く積層されており、土壌の厚さにもよるが例えば、10cmであれば土壌含水飽和状態で約140kgとなる。
なお、この構成には、活性炭付着透水性シート17が積層されているが、この活性炭は粒径が990μm以下の極細粒活性炭であるから、放射性物質の吸着効果も十分に望める、そして、また、土壌に多孔質体の乾燥剤でもあり又、肥料でもあるゼオライトも混合されてもよい。この活性炭や乾燥剤により、放射性物質で汚染された最下層の地面から放出される放射性物質が、中空板状体1と中空暗渠板22を透過する際に吸着される、という効果が期待される。
上図(a)の断面図に示すように、この構成では、最下層に中空板状体1を設け、その上面に中空暗渠板22を設ける。中空暗渠板22の平面の周縁から内側の領域には、放射線放出廃棄物59(複数の袋体)を山積にして置く。山積にして置かれた放射線放出廃棄物59の上面には、中空板状体1を設けて、その上面に中空暗渠板22を積層する。さらに、中空暗渠板22の上面に、粒径が990μm以下の極細粒活性炭付着透水性シート17が敷かれる。その上面には、高炉スラグを原料とするロックウールを多く含む土壌33を造成する。造成された土壌33には芝草57の種子を蒔いて芝生状態にする。または、芝草57以外の植物を土壌33に植付けて緑地化を完成させる。この放射線放出廃棄物上面緑地化により、放射線放出を低減または、完全に遮蔽することができて、かつ放射線放出廃棄物を世間一般に露呈させることを防ぐことができる。すなわち、当該保管場所を安全な自然環境に戻すことができる。なお、緑地表面を放射線放出廃棄物59の悪影響を受けないようにするには、土壌33の重さと含水機能を有する中空板状体1の重量を勘案した上、放射線放出廃棄物上面緑地化を実施するとよい。
また、図(a)は、放射線放出廃棄物を山積にして置かれた様子を表す断面図であるが、放射線放出廃棄物が山積にされていない保管場所にもこの構成は有用となる。また、この緑地構成は、最下層の中空板状体1を、放射性物質に汚染されている地面などの上面に設けることも好適である。
この格子に高分子吸水性樹脂、粒径が990μm以下の極細粒活性炭をゼオライトに混合してもよい、また、ゼオライトを高分子吸水性樹脂、粒径が990μm以下の極細粒活性炭に置き換えてもよい。
この種子34を有する生分解性シート87、オブラートシート88と不織布17を貼合した格子の数は36である。なお、この構成シートの重量は、乾燥状態において29kgになり、含水飽和状態では54kg/m2となる。この乾燥状態の重量は作業性において問題がない。また、このシートを複数枚に切断して使用することもできる。
このシートは、森林や高速道路法面などに存在する放射性物質の遮蔽効果と固定に有用な含水と多孔質材料とを兼ね備えた保水基材を構成したことで、植物の種子を着実に発芽させて成長させることができるので好ましい。
また、生分解性シート87、オブラートシート88は、微生物による分解速度が速く、また水に溶けて土壌に変換するので環境に悪影響を及ぼさない。
この袋体32は、幅70cm、幅55cm、厚さ25cmであり、その重量は、乾物状態で21kgである。そして、この袋体の上面の不織布シート17へ注水すると、保水基材6ならびに土壌33が含水する。含水された袋体の重量は、水の飽和状態で120kgとなる。放射性物質で汚染された緑地や森林の地面や落葉の上面にこの袋体を置くことにより、放射線の遮蔽率が50%に抑えられることが推定され、尚且つ、袋体の種子が繁茂するので、みどりの復元ともなり好ましい。
なお、この袋体32に植栽した苗木が成長すると、根は、袋体32下面の活性炭付着シートを貫通して地面の下層に伸長して地上部が根の伸長に伴い成長する。
この袋体32の構成は厚みがあることを特徴とし、その厚さを有する周縁側壁からの通気と排水性が十分にあるので、大量含水による根腐れは起こらない。
この構成の植栽用袋体32は放射性物質で汚染されていない道路の法面、緑地や森林の地面や落葉面の上面にも採用できる。
また、下図(c)は上図(a)と中段図(b)の袋体32を、包装体35に置き換えて植栽孔13を形成した構成の斜視図である。なお、この包装体35は、樹脂繊維量が12から20g/m2の不織布シートで包装するものである。包装体35の閉鎖部は、周知の接着剤、両面テープ、片面テープなどで閉じるとよい。この構成の包装体基材は安価となり得るので好ましい。
(b)に示した図は袋の素材である2枚の不織布シート28の間に植物の種子34が挟まれて置かれている。そして、植物の苗を植え付けるための貫通孔13が2枚の不織布シートに開設されている。その下層に植物の種子が発芽するのに有用である土壌が積層されている。そして土壌層の下の層は降雨を多く貯水する保水基材6が積層されている、この保水基材はロックウール繊維の粒状綿101であり、その厚みは20cmで形成されている。そして、袋体の不織布シート28が保水基材の下層に示されている。この袋体は幅50cm幅50cm、乾燥状態の重量は18kg、含水量は約90lである。
また、中段の断面図(b)及び下段の断面斜視図(c)には、この袋体32の内部の下層から保水基材層6、その上面層に土壌層33、を積層し、土壌層33と上面織物68の裏との間に植物の種子34を置いた構成を示している。この構成例の場合には、種子34が袋体32の内部にあるので、使用する現場で種子を播く必要がない。種子を播く作業を要しないので好ましい。
そして、保水性を有する土壌および中空暗渠板の荷重が要因して、中空暗渠板22の下面の放射性物質で汚染された土壌から放射される放射線を地表に透過させることを低減させることができるので、さらに有用である。なお、下図(b)は、活性炭が付着された透水性シート17が表面に貼合されている中空暗渠板22が、縦にして排水管に差し込まれている様子を示す斜視図である。
なお、活性炭付着シート17と撥水性断熱材42との間に中空板21を備えて、中空板21の中空の中に固定部材のボルトを通して、各層の基材をワッシャとナットを使用して固定されている。
この構成による、壁構造の緑化体は、含水用中空状体1の含水重量と中空暗渠板22の重量と含水を含む土壌の重量が要因して、放射線の透過を低減させることができる。加えて、活性炭付着シート17が設けられているので、放射性物質の遮蔽にも有用である。さらに、土壌の中に活性炭が混ぜてある。また、中空暗渠板22、含水用中空板状体1に色彩顔料を添加させているので、放射性物質の遮蔽効果も望むことができるので有用である。
この構成に示された含水用中空板状体1の土壌側面には、帯状貫通孔11が穿設されている基材が選択されている。このためこの構成は、植物が育つために不可欠の排水性、通気性が求められる土壌構造を構成しているので好ましい。
下図(b)の斜視図に示す構成では、上図(a)の構成のうち前面に設けられた不燃材41に植栽のために開口した貫通孔12に、蔓性植物の生育に好ましい金属棒を立体化させた立体線状受台44を、固定部材16のビスネジで固定し、その斜め下には、土壌を充填することができる受台45が、固定部材16により固定されている。この構成によると、このような2種類の受台が壁構造体の前面に配置されることで、植生の形態が異なる、例えば、つる性植物、樹木などの植物を植栽することができる。また、草花をつる性植物、樹木と同じ面に植栽することも可能となるので、緑化壁の多様性という点で好ましくなる。
この構成の壁構造緑化体においては、壁の背面側が放射性物質で汚染された土地から放出される放射線が、壁の前面域に透過することを低減させることができるので有用である。また、この構成の土壌33を充填された箱状体(b)の荷重並びに杭46と一体化させていることにより、上の壁緑化構造体(a)が風などで倒壊することを防止できるので安全確保の点で好ましい。また、箱状体(b)に中木、高木も植樹できるので緑化壁として好適である。
また、ステンレスワイヤーロープの数と固定部材16の数と連結の位置は、壁構造緑化体が地震、暴風に支えることが可能な本数と位置を任意で構成するとよい。この設置手段は自立緑化放射線遮蔽壁、自立緑化壁に好ましい。また、前記用途以外の構造物にも利用できる。
上段図(a)の上面図に示す構成では、不織布シート28が図のように置かれ、その上面に不織布シート28の略中心位置(点線で示される)から一方側領域内に保水基材6が置かれている。その左右には接合部29が設けられ、それらの間の所々にも接合部29が設けられている。また、この上面図(a)に示される不織布シート28に置かれている保水基材6を、端部が渦巻き状30になるように巻き付けた巻物体31を中段図(b)に斜視図として示す。巻物体31は、図(a)の点線で示す中心線に沿って、不織布シート28を折り畳み、折り畳まれたものを、左右の一方端を中心とするように巻き付けることによって形成される。また、下図(c)は、図(b)に示す点線を含む鉛直面で切断された断面の構造を示す断面図である。
なお、この巻物体31は、例えば、その外側が、ワイヤーロープ、紐、樹脂粘着テープ、アルミ箔にフッ素樹脂フイルムをラミネートしたアルミ樹脂接着テープなどで巻き付けて括られるか、固定部材で接合されるか、テープで接着される。そうすることにより、巻物体31の形状が保たれる。また、この形状が保たれた巻物体31の直径は、放射線を放出している雨水浸透マスの直径と略同じになるように、製造することが好ましい。巻物体31には少しの外圧をかけることで雨水浸透マスの内壁に密着させて収納、設置が可能になる。この巻物体31が収納されたところを示す図が、図48の斜視図である。
この当該発明の他の実施形態によると、巻物体31の中心部に金属製、樹脂製、セラミック製の網パイプを少なくとも1本備えた形態の巻物体31を製造することも推奨できる。この網パイプを構成する巻物体31の網パイプ中に放射性ガス又はその他のガスを通気させると巻物体31に備えられた粒径が990μm以下の極細粒活性炭がガスを吸着することができるので有用で好ましい。
図34の断面図に示す構成では、黒色の顔料を添加されたポリエチレン樹脂で成形された底を有する外側容器65と底を有する内側容器66とそれらの間隙に設けられた保水基材6とにより、容器本体が構成される。内側容器66の内側領域が、放射性物質収納空間70としての使用に供される。容器本体の上面を覆う容器蓋69には、保水基材6が容器蓋69の蓋底板の上部領域に設けられている。また、容器蓋69の上面には、注水口と注水口を閉じる蓋25が設けられる。
外側容器65と内側容器66との間隙に配置された保水基材6の断面厚さは40cmである。また、保水基材6はロックウールの粒状綿と粒径が990μm以下の極細粒活性炭を混合した保水基材であり、その含水飽和時の重量は約280kg/m2となる。この重量により、放射性物質収納空間70に収納される放射性物質から放出される放射線が外側容器65を透過することを防ぐことができる。また、容器蓋69に設けられた保水基材6の断面厚さは35cm/m2である。この厚みの保水基材6と含水飽和量を合わせた重量は約240kg/m2となる。この重量により放射性物質収納空間70に収納される放射性物質から放出される放射線が、容器蓋69を透過することを防ぐことができる。この容器は、第1又は2の発明の構成の具体例である[0111]から[0124]の説明文より選択した材料と成形手段を取り入れて製造されてもよい。
両端部の形状が円筒形又は角パイプ形状の無底の外側容器(パイプ)から側壁が内側に後退するように前記外側容器(パイプ)の内側に配置された網からなる無底の内側容器(パイプ)の外側容器(パイプ)側の網壁面に透湿性を有する不織布、又は少なくとも1枚の不織布に粒径が1200μm以下の極細粒活性炭を付着、または含浸させてなる極細粒活性炭シートを貼合もしくは備えて、
前記極細粒活性炭シートと外側容器(パイプ)内側の間隙に粒径が1200μm以下の極細粒活性炭、又は活性炭と製鉄の際に発生する高炉スラグが主原料である繊維成形体を充填されてなるパイプ両端部の前記間隙を蓋などと閉鎖部材であるボルト、ナット、ワッシャ等を用いて閉鎖されていることを特徴とする放射性ガス通気吸着パイプを発明している。この放射性ガス通気吸着パイプのサイズは、活性炭のガス吸着能とパイプ内部に通気させるガスの量、吸着速度、活性炭の質量等を勘案して設計することが好ましい。なお、放射性ガス通気吸着パイプの実用に際して、前記の蓋にガスを通気させる配管を連結して備える開口部を設けるとよい。このパイプ構造体は多種類のガス吸着に好ましく、また安価に製造できるので有用である。なお、前述のガス吸着に於いてもパイプ内の高炉スラグが主原料である撥水作用の無い繊維成形体に水を含水させることもよい。含水の利点としては、活性炭は吸着現象によって熱の発生をともなう。この発熱量に係る吸着熱を冷却、緩和させることが理論上可能と予測できるので含水は好ましい。
含水用空間に配置される保水基材6の断面厚さは、平均すると40cmである。また、保水基材6はロックウールの粒状綿と粒径が990μm以下の極細粒活性炭を混合した保水基材であり、その含水飽和時の重量は約280kg/m2となる。この重量(質量)により、放射性物質収納空間70に収納される放射性物質71から放出される放射線が、外側容器65を透過することを防ぐことができる。また、一般的に物理的、化学的吸着の機能が周知である活性炭を保水基材6に加える理由は、炭素が放射線の遮蔽にも少なくとも有用であるからである。そして、活性炭のなかでも粒径が990μm以下の極細粒活性炭が線量の低減に有効であると推測した。なお、活性炭を含む微昌形炭素のなかより吸着機能を有する素材を選択して保水基材に混合されてもよい、また、活性炭の混合率を多くされることも好ましい。また、保水基材はロックウール以外の材料を選択することもよい。
この構成の外側容器65の上面形状又は側面形状は角形、多角形、円形、長方形、角錐形、楕円形、角形の一辺がアーチ形など任意の形状を選択してもよい。また、外側容器65は上述の形状を銅、ステンレス、タングステン、合金、コンクリート、FRP樹脂、ポリエチレン樹脂、塩ビ樹脂、樹脂で製造されるものが好ましい、また、金属製の缶を外側容器65に構成することもよい。また、第64の発明に係る図62で示された構成によると、大形の外側容器と内側容器を必要とするときは、円筒形の側壁を複数に分割した側壁構造体(分割外側容器壁111)を製作して、製作された分割側壁構造体(分割外側容器壁111)の継手面(側面)をボルト、コーキング、ライニング、樹脂剤などを使用して連結すると、一例ではあるが円筒形の直径が約4.8m以上、高さ2m以上の外側容器が製造できる。また外側容器の分割壁と同じように内側容器も分割して内側容器壁112を製作するとよい。そして、外側容器と同じ取り付、組立方法で同一の内側容器壁112の継手面を上記で説明した固定手段で連結するとよい。
このような大形外側容器と内側容器の保水基材の厚みは平均50cm以上が可能であるから含水後には放射性物質収納空間70に収納される放射性物質71から放出される放射線が、外側容器65を透過することを防ぐことができる。すなわち、透過を防ぐ根拠は、厚み50cmで設計される乾物状体の保水基材に含水させると、保水基材の荷重と含水飽和荷重を合算すると1平方メートルの荷重は600kgになる。また、図16に示されている第16の発明の嵌合と図17に示されている第17の発明の継手を有する第1〜15発明の放射線透過低減構成基材のいずれかを用いて大形の外側と内側の容器を製作することも一例として推奨できる。また、図16に示されている中空板の表裏薄板に貫通孔が開設されていない樹脂製の中空板を図62の斜視図で示したように外側と内側の容器(111,112)底(中空台座)67として製作すると耐候性に優れて低コスト化が見込めるので好ましい。また、外側と内側の容器の形状は、一般に普及なされているU形側溝の両端の壁が閉鎖された形状の容器でもよい。また、蓋69を形成する材料は例えば、金属製、コンクリート製、樹脂製など限定されない。また、外側容器と内側容器の保水基材を複数構成することも好ましい。また、大形の蓋を製作するには蓋を分割して分割外側内側容器壁111と同じような方法で連結することも好ましい。また、この大形の蓋には少なくとも1つの注水口を設けることが好ましい。また、蓋69の形状は、外側容器65の形に整合するものであればよい。そして、この放射線透過低減容器のサイズは、袋体68に収納される放射性物質、あるいは放射性物質で汚染された物質の容量と、袋体68と外側容器65及び台座73との間隙である含水用空間に整合するサイズを考慮して、任意に決定すればよい。
この構成の外側容器65の上面形状は円形状であり、内側容器66の形は円筒である。容器蓋69の形状は外側容器65の形状に整合する円形である。また、台座72として、内側容器65の形に整合させた円形の樹脂板が備えられている。この外側容器65、内側容器66、容器蓋69の形状は一例であり、限定されるものではなく、多角形、円形、楕円形、など任意の形状を選択してもよい。また、容器蓋69の形状は、外側容器65の形に整合するものであればよい。そして、この放射線透過低減容器のサイズは、内側容器の内側に収納される放射性物質、放射性物質で汚染された物質の容量と、内側容器66及び内側容器下台座72と外側容器65との間隙である含水用空間に整合するサイズを考慮して任意で決定すればよい。
また、樹脂製の荷役台75の上にこの構成容器が備えられているので、保管場所内の移動や運搬に好ましい。
また、樹脂製の荷役台75の上には、外側及び内側下台座73を設けて、その台座73の上には、外側容器65と台座73の左右の一部が、固定部材16で固定されている。そして、外側容器65の内側及び台座73の上面と内側容器66の外側の間隙に、保水基材6が挟まれるように設けられている。内側容器66の内側の放射性物質収納空間70には、放射性物質汚染物収納袋77が置かれている。その上方を覆う容器蓋69には、保水基材6が備えられている。このように外側容器65と台座73の左右の一部が固定部材16で固定されていると、容器の倒壊を防ぐことができるので好ましい。この固定箇所として、少なくとも2箇所を固定することが望ましい。また、この固定具として、外側容器65と台座73を着脱自在に固定する固定具が好ましい。
樹脂で円筒形に一体成形された底の無い外側容器65が台座73の上に置かれている。、外側容器の65の内側には、樹脂で成形された底が無い内側容器66が配置され、その下端に、中空樹脂板製の内側容器下台座72が設けられている。そして、台座73及び外側容器65と、内側容器下台座72及び内側容器66との間の間隙に、ロックウールの粒状綿と粒径が990μm以下の極細粒活性炭を混合した保水基材6が備えられている。外側容器65と台座73の間、及び内側容器66と台座72の間は、互いに接着等の固定がなされていても良く、あるいはなされていなくてもよい。内側容器66の内部領域は、放射性物質収納空間70として使用に供される。また、図の下方に示す容器本体部の上部を覆う容器蓋69が、図の上方に示すように、さらに設けられる。容器蓋69では、ロックウールの粒状綿と粒径が990μm以下の極細粒活性炭を混合した保水基材6が、蓋底板の上部領域に備えられている。また、容器蓋69の上面に、注水口と注水口を閉じる蓋25とが設けられる。
また、この構成による外側容器65と内側容器66について例えば、外側容器65の直径が150cmであり、内側容器66の直径が90cmであると、保水基材6は30cmの厚みを有することになる。そして、10mの高さにすることも可能である。この場合の外側容器65と内側容器66の形状は円筒形が好ましい。なお、この高さの容器を、後述の図45に示される砦の壁にも使用することができる。さらには、この容器の中に複数の放射性物質汚染物収納袋を積み重ねることもできるし、それぞれの図で示された放射線透過低減容器を横に寝かして両端に蓋を備えた形態も好ましい。なお、放射線透過低減容器を横に寝かして使用するときは外側容器の上面に注水口を設けることが好ましい。その一例を斜視図で示した図61を推奨する。また、外側容器が円筒形であると左右に動くことが予想できるので該外側容器を固定する台座などを備えることを推奨する。
また、このブロック状体24には、注水口25に蓋が備えられている。なお、図(b)は図(a)に示された点線に沿った断面の断面図である。この断面図に示すように、保水基材6が充填される部屋が、リブ壁4により3つに分けられており、それぞれに保水基材6が充填されている。リブ壁4により、ブロック状体24の強度が高められる。しかし、このような構造は一例であり、ブロック状体24は、この構造に限定されるものではない。
中空板21の内側にある保水基材6に含水された水は、密閉されている中空板21から容易に洩れることが無いので、放射線の透過低減基材として有用である。また、中空板21は表薄板と裏薄板とリブが一体成型であるため、荷重などの外圧にも耐えるので好ましい。また、一般的にポリプロピレン樹脂が成形原料として使われて成形体に完成した色は、半透明であるので、放射線の透過低減効果は望めないが、添加顔料を黒色や緑色、青色などの濃い色にすると放射線の透過低減に有用である。また、この構成においては、保水基材6を収納する箱型の材料は中空板21であるが、これは一例を示すものであり、この中空板21に限定されるものではない、また、注水用の貫通孔12を構成しているが、この数は複数でもよい。また、貫通孔21を省いた形態でもよい。また、箱状体37を形成する粘着テープの他、熱熔着やリベットで中空板を接合して箱状体37を形成してもよい。
なお、下図(b)は上図(a)に強度を補強させるためワイヤーロープ51を交差させて固定した形態を示した斜視図である。
ワイヤーロープ51とターミナルナット53およびH鋼50、コンクリート基礎27を、図(a)あるいは図(b)のように構成することにより、第48の発明に係る壁緑化構造体の取付け、設置が容易になるので、この形態は有用である。
図31(a)は、図43の構造体に第48の発明に係る壁緑化構造体の具体例に相当する構造体が取付け、設置されている構成を示した断面図である。この壁緑化構造体の背面にはリブの長手方向が横方向になるように中空板22が構成されている。そして、このリブとリブの間には図43において説明した、ワイヤーロープ51が通されている、なお、この中空板22の背面には紫外線による樹脂の劣化を防ぐために不織布に遮熱塗料が塗られている。この遮熱塗料の使用は一例であり、その他、紫外線を防ぐ為と強度を増すために防災もしくは不燃、難燃シート又は、金属板、コンクリート板、樹脂板などを中空板の一部に貼合してもよい。
図31(b)は、中空板22にワイヤーロープ51が通されている様子を示す部分断面図である。この構成は一例であり壁緑化構造体の取り付方法はこれに限定するものではない。
なお、樹木の幹周りにも袋体32又は、第55の発明のシート基材を巻き付けることにより、樹木に付着している放射性物質の放射線線量の低減に有用である。また、上述の袋体32、シート基材は、例えば、電信柱などの放射性物質で汚染された放射線の低減にも汎用できるので好ましい。その一例として、下図(b)に示した道路の法面にも使用するとよい。なお、この構成の袋体32の下面に第9の発明の中空暗渠板を備えてもよい。この基材追加には、中空暗渠板に樹脂製の杭を打ち込むための貫通孔を複数開設して、その貫通孔に杭を通し、土壌に打ち込むと中空暗渠板は土壌上面に固定される。そして、袋体32を中空暗渠板に任意の固定方法で固定すればよい。中空暗渠板を備えると、排水効果が加えられて、土壌や草に付着している放射性物質から放出される放射線の透過を低減することにより好ましくなる。
この放射線放出物保管砦62に使用される含水用中空板状体1の高さは2mから6m、厚みは30mm以上で選択が可能であるので、放射線の透過を低減させる効果を有する壁の建造が可能である。例えば、放射線の透過低減率を約80%にするには板の厚みを25cmにする。そうすると、その含水飽和状態の重量は、250kg/m2となる。この壁重量により、放射線放出廃棄物59の放射線が相当に遮蔽できるので有用である。ただし、保管されている放射線放出廃棄物59からの放射線は放射線放出物保管砦62の上を透過するおそれも考えられるので、下図(b)に示した放射線放出物遮蔽被覆シート61を、放射線放出廃棄物59の上面に覆い被せることが上方向の放射を防ぐことになり、より好ましい。また、図には示されていないが、本発明の含水用中空板状体を放射線放出物保管砦のサイズに整合するサイズに形成させた屋根を、放射線放出物保管砦62に構築させてもよい。すなわち、構造強度に不可欠な梁や柱(H鋼)を構造計算から割り出して設計して建造するとよい。また、この放射線放出物保管砦62の表側、屋根上を、第9の発明に係る基材の上面に土壌と不燃性のシートを貼合した形態の板を取り付けて、壁緑化も構築することが可能であり、外観を自然体にできるので好ましい。
なお、下図(b)は、上図(a)の構成による放射線放出物保管砦62の内側の領域の地上面と外側近接の地上面に、含水用中空板状体1を敷設されている構成を示す斜視図である。なお、含水用中空板状体1の天面には潅水配管15が取り付けられている。この灌水配管15の役目は、強風などで放射性物質が飛散するおそれが生じたときに飛散を止めるための予備基材構成であり、本発明はこれに限定されるものではない。
図64に示された実施の形態は、製鉄の際に発生する高炉スラグを主素材とする無数の繊維に樹脂を付着させて厚み15cm、幅90cm、幅60cmの直方体に成形された撥水断熱材42の内部の空間領域に厚み5cm、幅80cm、幅50cmで構成された粒状の活性炭が充填されていることを示した透視的斜視図である。なお、充填されている活性炭の粒径は990μm以下である極細粒の活性炭を選択されている。
第70の発明の実施の形態は、第57から69のいずれかの発明の保水基材が前記間隙に充填された後に、保水基材へ注水が行われて保水基材が含水されている。注水後には放射線透過低減効果が発現するので好ましい。保水基材へ注水は当該発明の他、本発明の全てにおいて実施する形態である。
第71の発明の実施の形態は、前記保水基材が鉱物繊維、鉱物繊維成形体、樹脂繊維、樹脂繊維成形体、ガラス繊維、ガラス繊維成形体、カーボン繊維、カーボン繊維成形体、セラミック繊維、セラミック繊維成形体、微昌形炭素、紙、新聞紙、板紙、高吸水性高分子樹脂、腐植、不織布、布、綿、植物微粉末、穀物、塩、甘味料、木、土、蝋、パルプ、鉱物微粉末、海藻微粉末、藻類、高炉スラグ微粉末、鉄鋼スラグ、砂、塩化ナトリウム、バリウム、肥料、飼料、腐葉、火山灰、硫酸バリウムのコロイド溶液、パラフィン、セルロース、活性炭、炭、漆喰、セメント、カラーサンド、鉱物、スポンジ、乾燥剤、顔料、サクラン(スイゼンジノリ)、防腐剤、樹脂ペレット、樹脂、高吸水性高分子樹脂を繊維に付着若しくは含浸されている不織布、少なくとも1枚の不織布に粒径が1200μm以下である微昌形炭素が付着若しくは含浸されている不織布又は、繊維のうちの少なくとも1つである、第1から70又は73、75から90のいずれかに記載の発明の放射線透過低減構成基材である。
この保水基材の中から一つ又は、複数種を選択されて第1から70又は73、75から90のいずれかに記載の発明に構成された所定箇所に充填されるとよい。選択された保水基材の含水率が放射線透過低減に効果を発現させる。また保水基材の資質に応じて放射性物質の吸着、ならびに遮蔽低減効果が発現されることを予測しているので上記保水基材は好ましい
第72の発明の実施の形態は、前記鉱物繊維成形体はロックウール粒状綿又は、ロックウール粒状綿有孔袋梱包体、ロックウール板状体又は、ロックウール板状体有孔袋梱包体、ロックウールフェルト又はロックウールフェルト有孔袋梱包体、前記ガラス繊維がグラスウールである、第1から70又は73から90に記載の放射線透過低減構成基材である。無数の微小空隙を永続的に保持する形態が放射線透過低減効果に有用であると推測できたので、この形態のロックウール等は好ましい。
第73の発明の実施の形態は、ポリエチレン樹脂シート又は、ポリエチレン樹脂フイルムからなる袋体、袋体の表面がポリエチレン樹脂シートであり、裏面が複数の有孔を有するポリエチレン樹脂フイルムの2層構造からなる袋体のいずれか1つに第71又は72のいずれかの発明の保水基材が充填されて、前記袋体には少なくとも1以上の注水口が開口されている。当該発明は、廉価で放射線透過低減効果を得られると判断した由、好ましい。
第74の発明の実施の形態は、前記保水基材に形状安定剤(ポリエチレングリコール)、油、モリブデン酸水溶液、硫酸バリウムのコロイド溶液、エポキシ樹脂、タングステン酸ナトリウム、ジェル状液体、ワニス、エタノール、界面活性剤、フッ素系界面活性剤又は質量の大きい溶液のいずれかを保水基材に注入させた、第1〜73又は75〜90のいずれかの発明の放射線透過低減構成基材である。この材料をから選択されて保水基材に注入されると放射線透過低減に好ましい。
図63この実施の形態は、上図(a)が、この実施の形態の1例を示す斜視図である。
また、中図(b)は上図(a)のイとイを結ぶ点線を断面で表した斜視図である。
図の下層に示されている遮水体は、表面を被覆している遮水シート76の内側領域に樹脂により撥水処理を施したロックウールの直方体が備えられている。撥水処理は直方体を形成させるためと外部からの水の浸水を防ぐために樹脂が使用されている。
ロックウール繊維の直方体の下面、正面、側面、後面、上面は、フッ素ゴムとアラミド繊維とアルミニウム箔とを貼合してなるゴム引布シートで被覆されている。このゴム引布シートは設置場所の条件にもよるが200から250℃の耐熱性と絶縁性を有するので放射線の遮蔽に有用である。
また、ロックウールの直方体がゴム引布シートで被覆包装されているが、この包装には、ポリ塩化ビニルテープと防水気密テープ、接着剤を用いてゴム引布シートとロックウールの直方体を接着、粘着して密閉包装されている。また、被覆包装されたゴム引布シートの同一端部同士を熱融着で貼合することも好ましい。なお、遮水体を構成する遮水シート76の密閉包装の方法は前述の包装手段の他、任意の包装手段を選択してもよい。
このゴム引布袋体32は耐水圧性に優れているので保水基材6のロックウール粒状綿101が含水されても袋体32から水が洩れることがないので遮水体に構成する遮水シート76として好ましい。同一ゴム引布袋体32の端面は熱融着で貼合されて袋体32を形成している。なお、密閉された袋体32には注水用の注水孔25が開設されている。注水孔は注水用のホースが注入できるとよいので切欠きを形成されてもよい。そして、ロックウールの粒状綿101に注水が完了した後にポリ塩化ビニルテープ、防水気密テープもしくはゴム引布シートを用いて注水孔又は、切欠き形成部を閉鎖すると保水基材6の含水が減らないので好ましい。
このように上層と下層に構成された耐水性を有するゴムシートで被覆した包装体35の放射性物質の透過低減の要因は、絶縁性を有するフッ素ゴムと耐熱性を有するアラミド繊維と、体積の約9割が微細な空隙構造を有している鉱物を原料とする繊維に撥水加工が施されたロックウール成形直方体と、ロックウール粒状綿101直方体を遮水袋内部に充填された形態の中層に備えられている遮水体を一体化させることによって、一体化梱包構造体の上下構造層に動きの無い気相状態が保持できる。そして、中層には、動きの無い水の層が保持できる構造体を形成することになる。すなわち、僅かな水蒸気を有する気体の直方体と酸素を有する含水層を保持する当該発明により放射性物質の透過低減を得ることが推測できるので有用である。加えて、上層と下層の遮水体荷重16kgに中層の乾燥保水基材荷重20kgと含水飽和荷重97kgを合わせた総荷重133kgが放射性物質の透過低減率を高めるのに有用となる。なお、この遮水体3体の合体の大きさは幅60cm幅90cm高さ60cmである。図に示された遮水体の積み重ね一体による重量133kgで、透過性の高い放射線であるガンマ線の透過率が約50%に抑えられることが理論上予測される。さらに、荷重に起因する遮蔽要因以外の気相層、断熱層、絶縁層などの遮蔽要素を有するので、一般的な荷重に起因するガンマ線の透過低減効果以上にガンマ線の透過を抑制することが推測される。
また、上層に配置された遮水体は上図(a)と(b)で示された中層の遮水体と同一である。そして、この遮水体2体は、図に示されているようにステンレス製のワイヤーロープを使用してワイヤーロープを固定する専用のワイヤークリップ、ビスネジ等で固定梱包されている。前記ワイヤーロープならびにワイヤークリップ、ビスネジ等で固定梱包する際に向かい合う遮水体表面に接着剤、粘着剤、表裏粘着テープを使用して互いの遮水体を個着させてもよい。なお、複層に構成された遮水体を固定するその他の手段としては、第9の発明の板体、中空板、中空暗渠板のいずれかを複層に構成された遮水体の外側面に当椄させて固定部材を使用して一体になる構造体を形成することが好ましい。この固定する手段を選択することにより、第9の発明の放射性物質の透過低減効果が相乗作用されて当該発明の放射性物質の透過低減率を高めるのに有用となるので好ましい。
また、当該発明の形状も立方体、直方体、三角錐形、四角錐形、円柱形、円板形、板状、など任意の形状体を製造されて積み重ねる方法を選択されてもよい。
表薄板 2
裏薄板 3
リブ 4
含水用空間 5
保水基材 6
包装保水基材 7
蓋 8
蓋底板 8−A
閉鎖端面 9
閉鎖部材 10
帯状貫通孔 11
貫通孔 12
植栽孔 13
貫通有孔リブ 14
潅水配管 15
固定部材 16
活性炭付着透水性シート 17
閉鎖溶着 18
遮水板 19
網 20
中空板 21
中空暗渠板 22
帯状貫通孔形成排水管 23
ブロック状体 24
注水口と蓋 25
鉄筋 26
コンクリート基礎 27
不織布シート 28
接合部 29
渦巻状 30
巻物体 31
袋体 32
土壌 33
植物の種 34
包装体 35
切り欠き 36
箱体 37
展開図 38
森林地面 39
樹木 40
不燃材・難燃材・防災材41
撥水断熱材 42
継手 43
立体線形受台 44
受台 45
杭 46
底台板 47
底台板水抜孔 48
放射性物質汚染地面 49
H鋼 50
ワイヤーロープ 51
排水樋 52
ターミナルナット・ボルト 53
壁緑化構造体 54
縁材 55
排水溝 56
芝草 57
余剰水 58
放射線放出廃棄物 59
含水用中空板状体ドアー 60
放射線放出物遮蔽被覆シート 61
放射線放出物保管砦 62
雨水浸透桝 63
雨水浸透桝接続配管 64
外側容器 65
内側容器 66
中空台座 67
放射線放出物収納袋 68
容器蓋 69
放射性物質収納空間 70
放射性物質汚染物 71
内側容器下台座 72
外側及び内側下台座 73
吊下げ紐 74
荷役台 75
遮水シート 76
放射性物質汚染物収納袋 77
降雨集水板 78
降雨通水配管 79
屋上 80
降雨貯水タンク 81
浮きスイッチ電動水汲み上げポンプ 82
地中埋設潅水チューブ 83
屋上緑化領域 84
建物屋根又は屋上 85
台座 86
生分解シート 87
オブラートシート 88
線状接合部 89
ゼオライト 90
車道 91
降雨 92
放射性物質汚染土壌 93
道路法面 94
植物 95
排水路 96
凸部面 97
貯水 98
格子目 99
高分子吸水性樹脂 100
ロックウール粒状綿 101
骨材 102
鉄板 103
クッション材 104
支持材 105
防網災シート 106
コンクリート基材 107
通水路 108
重量物 109
樹脂添加顔料色の種類(紺青色、青色、緑色、黒色、灰色、紫色、茶色、赤色) 110
分割外側容器壁 111
分割内側容器壁 112
側溝 113
桝 114
貯水タンク 115
放射線透過低減壁構造体116
放射線透過低減構成基材117
気相部 118
液相部 119
活性炭 120
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、FRP樹脂のいずれかで成形されてなる板体、又は、
裏薄板と表薄板とが、複数の板状体リブを介して積層されて前記板状体リブが略平行に設置されて、排水路が形成されてなる中空板状体、又は、
裏薄板と複数の貫通孔が穿設されている表薄板とが、複数のリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、前記リブは板状体であり、複数の前記リブが略平行に設置されて、排水路が形成され、前記貫通孔は帯状貫通孔であり複数の前記貫通孔が前記リブに交差して穿設されてなる暗渠板構造である放射線透過低減構成基材。 - 裏薄板と複数の貫通孔が穿設されている表薄板とが、多数の円柱状、円筒状、角柱状、円錐台状、角錐台状、環帯状、ハニカム状、格子状、円錐筒状、凸状、角パイプ状、砂時計形状、鼓形状のいずれかのリブを介して積層されてなる中空板状体からなり、
前記表薄板と前記裏薄板と前記いずれかのリブとの間に排水路が形成されている放射線透過低減構成基材。 - 多数の貫通孔が少なくとも表薄板に穿設されている表薄板と裏薄板とが、貫通孔が穿設されている複数のリブを介して積層されている中空板状体である請求項1又は2に記載の放射線透過低減構成基材。
- 前記板体、前記表薄板、前記裏薄板に、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリフッ素系樹脂、ポリカ−ボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアレート系樹脂、ポリイミド系樹脂のいずれかからなる合成樹脂フイルム、アルミ箔、ゴムシート、表面と裏面がゴムと基布とが圧着されてなるゴム引布シート、ゴム引布シート表面にフッ素樹脂フイルムをラミネートしてなるゴム引布遮水シート、前記アルミ箔の表面にフッ素樹脂フイルムをラミネートしてなるフッ素アルミ遮水シート、のいずれかが積層されている請求項1から3のいずれかに記載する放射線透過低減構成基材。
- 前記板体、前記表薄板、前記裏薄板の主表面には、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとポリエステル基布素材を圧着してなる熱融着素材が積層されている請求項1から4のいずれかに記載する放射線透過低減構成基材。
- 前記合成樹脂フイルムもしくは前記アルミ箔の上面にエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂のいずれかが塗布されている請求項4に記載する放射線透過低減構成基材。
- 隣り合う他の放射線透過低減構成基材と連結するための嵌合部を備えており、互いに順次連結することにより平面状に広がった状態で設置できることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載する放射線透過低減構成基材。
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