JP2018173282A - 障害物検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温湿度を測定しなくても路面からの反射波を利用して受波信号の強度を補正できる障害物検知装置を提供する。【解決手段】超音波センサ100は、超音波を送波し障害物に反射して得られた反射波を受波する送受信部1と、運転状況に基づいて補正可否を判断する判断部5と、判断部5が補正可と判断した場合に、送受信部1から出力された受波信号に基づいて減衰曲線を取得する減衰曲線取得部6と、減衰曲線の減衰量に基づいて補正値を決定し、補正値を用いて受波信号の強度を補正する補正部8と、補正した受波信号に基づいて、障害物の有無を判定する判定部9と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、障害物の有無または障害物までの距離の少なくともいずれか一方を測定する障害物検知装置に関するものである。
測定した外気温度に応じた補正値を外部から取得することで超音波センサの温度特性を補正し精度良く障害物を検出できるようにした超音波センサが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献では外気温度を測定する温度計を車両バンパ内に設置することになるが、バンパ内部は空気がこもりやすいため正確な外気温度を測定できないという課題があった。そこで、本発明は、温度および/または湿度を測定しなくても路面からの反射波を利用して受波信号の強度を補正できる障害物検知装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本開示の障害物検知装置は、車両に搭載され、エネルギー波の送受信により障害物を検出する障害物検知装置であって、エネルギー波を送信し、障害物に反射した反射波を受信して受波信号を出力する送受信部と、車両の運転状況に基づいて受波信号の補正可否を判断する判断部と、判断部が補正可能と判断した場合に、受波信号に基づいて減衰曲線を取得する減衰曲線取得部と、減衰曲線の減衰量に基づいて補正値を決定し、補正値を用いて受波信号の強度を補正する補正部と、補正した受波信号に基づいて、障害物の有無を判定する判定部と、を備えたことを特徴とする。
本開示の障害物検知装置は、判断部が補正可能と判断した場合に、路面からの反射波を利用して受波信号の強度を減衰曲線に基づいて決定するため、外気温度および/または湿度を測定することなく、障害物を精度良く検出できる。
本開示の障害物検知装置は、車両に搭載され、エネルギー波の送受信により障害物を検出する障害物検知装置であって、エネルギー波を送信し、障害物に反射した反射波を受信して受波信号を出力する送受信部と、車両の運転状況に基づいて受波信号の補正可否を判断する判断部と、判断部が補正可能と判断した場合に、受波信号に基づいて減衰曲線を取得する減衰曲線取得部と、減衰曲線の減衰量に基づいて補正値を決定し、補正値を用いて受波信号の強度を補正する補正部と、補正した受波信号に基づいて、障害物の有無を判定する判定部と、を備える。
これによれば、判断部が補正可能と判断した場合に、路面からの反射波を利用して超音波センサの受波信号強度を補正する補正値が適切な減衰曲線に基づいて決定されるので、外気温度および/または湿度を測定することなく、障害物の有無を精度良く判定できる。
また、障害物検知装置は、判定部が障害物有りと判定したときに、エネルギー波の送信から受信までの時間差に基づいて障害物までの距離を演算する距離演算部を備えていてもよい。これによれば、判断部が補正可能と判断した場合に、路面からの反射波を利用して超音波センサの受波信号強度を補正する補正値が適切な減衰曲線に基づいて決定された後に、障害物までの距離を演算するので、外気温度および/または湿度を測定することなく、障害物までの距離を精度良く測定できる。
また、車両が所定速度以上で所定時間以上走行したとき、前記車両が所定加速度以上で走行したとき、前記車両が前方の他車から所定距離以上の車間距離をとり所定時間以上走行したとき、のうち少なくともいずれか1つの場合に、判断部が補正可能と判断してもよい。前方に障害物等が存在するときは、車両を停止させたり減速させたりする。反対に、車両が所定速度以上で所定時間以上走行している状況は、前方に障害物等が存在せず送波した超音波が前方障害物等により遮られない状況であると推定できる。このような状況時に、判断部が補正可能と判断することで、補正部が適切な減衰曲線により補正値を決定するため、路面による反射波を利用して精度良く受波信号の減衰を補正することができる。
また、車両が所定加速度以上で走行している状況では、前方に障害物等が存在せず送波した超音波が前方障害物等により遮られない状況であると判断できる。このような状況時に、判断部が補正可能と判断することで、補正部が適切な減衰曲線により補正値を決定するため、路面による反射波を利用して精度良く受波信号の減衰を補正することができる。
また、車両が前方の他車から所定距離以上の車間距離をとり所定時間以上走行している状況では、前方に障害物等が存在せず送波した超音波が障害物等により遮られない状況であると判断できる。このような状況時に、判断部が補正可能と、判断することで補正部が適切な減衰曲線により補正値を決定するため、路面による反射波を利用して精度良く受波信号の減衰を補正することができる。
また、車両は送受信部を2つ備え、2つの送受信部はそれぞれ路面からの距離が異なるように車両に設置され、路面からの距離が大きい方の送受信部の受波信号が路面からの距離が小さい方の送受信部の受波信号よりも信号強度が小さいときは、判断部が補正可能と判断してもよい。路面上に送波を遮る障害物等が存在しない通常走行時では、路面からの距離が大きい送受信部の受波信号が他方の受波信号よりも信号強度が小さくなるはずである。そこで、路面からの距離が大きい送受信部の受波信号が他方の送受信部の受波信号よりも信号強度が小さいときにのみ、判断部が補正可能と判断することで、送受信部への異物付着等による反射波やノイズ信号等による誤った補正を低減することができる。
また、車両は送受信部を2つ備え、2つの送受信部がそれぞれ送信する超音波の送信方向が、路面に対して異なる角度になるように設置され、角度の大きい方の送受信部の受波信号が角度の小さい方の送受信部の受波信号よりも信号強度が大きいときは、判断部が補正可能と判断してもよい。路面上に送波を遮る障害物等が存在しない通常走行時では、超音波の送信方向と路面とのなす角度が大きく設置された送受信部の受波信号が角度の小さい方の送受信部の受波信号よりも信号強度が大きくなるはずである。超音波の送信方向と路面とのなす角度が大きく設置された送受信部の受波信号が角度の小さい方の受波信号よりも信号強度が大きいときにのみ、判断部が補正可能と判断することで、障害物からの反射波やノイズ信号等による誤った補正を低減することができる。
また、車両が走行している道路の傾きが所定角度以下のときに、判断部は減衰曲線取得部に減衰曲線を更新させるようにしてもよい。車両が急な上り斜面を走行しているときは、平坦な路面走行時と比較して、車両前方の斜面の影響により、送受信部の受波信号の強度が著しく大きくなってしまう可能性があり、このときに適切な減衰曲線により受波信号を補正することが困難になる。そこで、車両が略平坦な路面を走行するときに、新たに減衰曲線を取得することで、路面からの反射波を利用した適切な補正が可能なる。
また、車両が走行している道路の曲率半径が所定値以上のときに、判断部は減衰曲線取得部に減衰曲線を更新させるようにしてもよい。車両が急なカーブを走行しているときに、カーブ外縁に障害物等があると送受信部の受波信号の強度が大きくなってしまう虞があり、このときに適切な減衰曲線により受波信号を補正することが困難になる。そこで、道路の曲率半径が所定値以上のときに、新たに減衰曲線を取得することで、路面からの反射波を利用した適切な補正が可能になる。
また、車両が走行している道路の路面状態に応じて、判断部は減衰曲線取得部に適切な減衰曲線を取得させるようにしてもよい。路面状態が異なると送波した超音波の路面での反射率も異なる。アスファルトや砂利道、コンクリートなどの路面状態に応じた減衰曲線を予め用意しておくことで、路面状態に応じた適切な受波信号の補正が可能になる。
(実施の形態)
実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される構成要素、構成要素の位置及び接続形態、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される構成要素、構成要素の位置及び接続形態、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
障害物検知装置は、車両に搭載され、エネルギー波の送受信により障害物を検出する。本実施の形態では、障害物検知装置として、超音波を送受信し障害物の有無または障害物までの距離の少なくともいずれか一方を測定する、超音波センサ100を例にあげて説明する。例えば、超音波センサ100の測定結果に基づいて、障害物までの距離が短いときには、運転者に対する報知や車両に対する制御が行われる。
図1は超音波センサ100の構成を示すブロック図である。超音波センサ100は、送受信部1と制御部4を有する。送受信部1は障害物に向けて超音波を送波する送信部2と、送波した後に、障害物による反射波を受波する受信部3とを備える。
送信部2は、圧電素子を用いた超音波マイクロホンからなり、入力される発振信号に等しい周波数の超音波を検知対象物へ送波し、送波した超音波に対応する電気信号を制御部4へ出力する。送波された超音波は検知対象物により反射される。
受信部3は送信部2と同じく圧電素子を用いた超音波マイクロホンからなり、検知対象物で反射した超音波を受信し、電気信号に変換して出力する。出力された信号は受波信号として制御部4内の減衰曲線取得部6と、補正部8へ出力される。なお、送信部2と受信部3は、一体となっていてもよいし別体として存在してもよい。
制御部4は、マイクロコンピュータと、RAM(Random Access Memory)、後述する制御処理をマイクロコンピュータに実行させるためのプログラムやデータを記憶したROM(Read Only Memory)などにより構成される。制御部4は、判断部5と、減衰曲線取得部6と、補正部8と、判定部9、距離演算部10とを備える。
判断部5は、運転状況の情報に基づいて受信部3の受波信号の補正可否の判断をする。運転状況の情報とは、例えば、車両の速度や加速度、車間距離などの車状態情報、高速道路や有料道路や一般道などの道路形態情報、運転者のアクセル、ブレーキ、ステアリング操作などの操作情報などがある。上述した運転状況情報は車両制御部11内に備えられている、車速センサ、加速度センサ、舵角センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、ミリ波レーダなどから取得する。これらの運転状況の情報に基づいて判断部5が受信部3の受波信号を補正できる状況か否かを判断する。判断部5で判断された補正可否に関する信号は減衰曲線取得部6へ出力される。
減衰曲線取得部6は、受信部3から出力された受波信号と予め超音波センサ100の外部の減衰曲線格納部7に格納されている複数の減衰曲線のデータとを比較して適切な減衰曲線を選択する。選択された減衰曲線のデータは補正部8へ出力される。なお、減衰曲線格納部7は超音波センサ100内にあってもよい。
補正部8は、選択された減衰曲線に基づいて受波信号強度の減衰を補正する。補正された受波信号は判定部9へ出力される。判定部9は補正された受波信号強度に基づいて障害物の有無を判定する。障害物有無の情報に関する信号は距離演算部10へ出力される。
距離演算部10は送信部2から出力された信号と補正された受波信号から、障害物までの距離を検出する。検出された距離情報に関する信号は車両制御部11へ出力される。車両制御部11は距離演算部10によって出力された距離情報に基づいて車両を制御する。このような構成により、超音波センサ100は、実際に温度、湿度を測定することなく温度、湿度などの影響による超音波の減衰を補正することができる。
次に制御部4の動作について図2を用いて説明する。図2は図1の制御部4の動作を説明するフローチャートである。
ステップ1では、判断部5が運転状況から補正の可否を判断する。判断部5は測定している受波信号が補正に使用できるかどうかを判断する。一例として、障害物が前方に存在する場合は受波信号値の強度が著しく大きくなるため、減衰曲線と比較する信号としては不適当である。このように運転の状況如何では補正すべきではない状況が存在する。そこで、予め補正する前に車両の運転状況情報を用いて補正可否を判断する。
例えば、車両が所定速度以上で所定時間以上走行しているときは判断部5が車両前方に補正可能と判断する。また、例えば所定加速度以上で走行したときは補正可能と判断する。また、例えば車両が前方の他車から所定距離以上の車間距離をとり所定時間以上走行したときは、判断部5が補正可能と判断する。このような運転状況下では、路面上に送波を遮る障害物等が存在しないと推定できるので、計測した受波信号値を減衰補正時に減衰曲線と比較する受波信号値に用いる。
このように、上述した運転状況時に補正可能と判断部5が判断するので、送波を遮る障害物等が存在して受波信号値が通常走行時と比較して著しく大きなときに、その受波信号値を利用して補正部8が減衰曲線を取得してしまう可能性を低減することができる。なお、通常走行とは、直進路を走行しており、かつ、路面上に障害物が存在しない走行のことである。このように、判断部5が補正可能と判断した場合のみ補正部8が補正値を決定するため、路面による反射波を利用して確実に受波信号の減衰を補正することができる。上述した運転状況は、車両制御部11内の車速センサ、加速度センサ、舵角センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、ミリ波レーダ、ナビゲーション情報などから検出される。
また、図3に示すように、例えば車両に送受信部1を2個設置する。2つの送受信部1はそれぞれ路面からの距離が異なるように、車両の後面に設置してもよい。図3(a)は車両側面図、図3(b)は車両後面図である。2つの送受信部1はそれぞれ、路面からH1、H2(H1>H2)の高さで設置されている。車両が通常走行しているときは、路面からの距離が大きい(路面からの高さH1)送受信部1の受波信号が、他方の送受信部1(路面からの高さH2)の受波信号よりも信号強度が小さくなるはずである。
しかし、路面からの距離が大きい(路面からの高さH1)送受信部1の近傍に障害物があれば、この障害物により受波信号値が大きくなるためにこの関係が逆転する。また、路面からの距離が大きい(路面からの高さH1)送受信部1の近傍にごみや泥等の異物により超音波を遮るものがある時も同様に、この異物により受波信号値が大きくなるためにこの関係が逆転する。このような場合には、減衰曲線取得部6が適切な減衰曲線を選択できないため補正すべきではない。したがって、路面からの距離が大きい方の送受信部1の受波信号の強度が、他方の送受信部1の受波信号の強度よりも小さいときは、判断部5が補正可能と判断する。
このような構成により、路面からの距離が大きい方の送受信部1の受波信号が他方の送受信部1の受波信号よりも信号強度が小さいときにのみ、判断部5が補正可能と判断するため、路面反射波ではない送受信部1への異物付着等による反射波やノイズ信号等による誤った補正を低減することができる。
また、図4に示すように、例えば車両に送受信部1を2個設置する。2つの送受信部1はそれぞれ路面に対する角度が異なるように、車両の後面に設置してもよい。図4(a)は車両側面図、図4(b)は車両後面図である。2つの送受信部1がそれぞれ送信する超音波の方向が、路面に対してθ1、θ2(θ1>θ2)の角度になるように設置されている。車両が通常走行しているときは、路面とのなす角が大きい(θ1)送受信部1の受波信号が、他方の送受信部1(θ2)の受波信号よりも信号強度が大きくなるはずである。
しかし、水平面とのなす角が小さい(θ2)送受信部1の近傍に障害物があれば、この障害物により受波信号値が大きくなるためにこの関係が逆転する。また、水平面とのなす角が小さい(θ2)送受信部1の近傍にごみや泥等の異物が付着していれば同様に、この異物により受波信号値が大きくなるためにこの関係が逆転する。このような場合には、適切な減衰曲線を選択できないため補正すべきではない。したがって、路面とのなす角が大きい方の送受信部1の受波信号の強度が、他方の送受信部1の受波信号の強度よりも大きいときは、判断部5が補正可能と判断してもよい。
このような構成により、路面とのなす角が大きい方の送受信部1の受波信号が他方の送受信部1の受波信号よりも信号強度が大きいときにのみ、判断部5が補正可能と判断するため、路面反射波ではない異物等による反射波やノイズ信号等による誤った補正を低減することができる。なお、超音波センサ100の設置場所は車両の後面には限られない。車両の前面に設置してもよいし、側面に設置してもよい。車両を囲うように前面、後面、側面のすべてに設置してもよい。
ステップ1で、判断部5が補正可能と判断したときは、補正可能の信号が減衰曲線取得部6へ出力されフローはステップ2へ移行される。反対に判断部5が補正不可と判断したときは、ステップ1にフローが戻される。
ステップ2では、減衰曲線取得部6は複数の減衰曲線が格納されている減衰曲線格納部7から適切な減衰曲線を選択し取得する。減衰曲線取得部6は、受信部3から出力された受波信号と複数の減衰曲線のデータとを比較して適切な減衰曲線を選択する。
図5は実際に測定される反射波のレベルと距離の関係を表すグラフの一例を示す図である。送信部2からの距離が大きくなるにつれて反射波レベルは小さくなっている。また、図6、図7はそれぞれ湿度、温度変化による音波の伝播距離と減衰量の関係を表すグラフの一例を示す図である。グラフに示している通り、湿度、温度に応じて空気を伝播する超音波の減衰量は変化する。図5の反射波のレベルと距離の関係も、湿度、温度に応じて変化する。そのため、湿度、温度を変化させた時の、図5に示した反射波のレベルと距離の関係に対応する減衰曲線を減衰曲線格納部7に予め格納しておく。
本実施の形態においては、減衰曲線格納部7が予め複数の減衰曲線を有し、例えば湿度については1%ずつ変化させたそれぞれの減衰曲線を格納しておく。また、温度については1℃ずつ変化させた減衰曲線を格納しておく。さらに、路面状態によっても反射波のレベルが変わるため、路面状態をパラメータにして、ある温度、湿度における路面状態に対応した減衰曲線を減衰曲線格納部7に格納しておいても良い。路面状態とは、たとえば、コンクリートやアスファルト、砂利などである。
減衰曲線取得部6は、図5に示した実際に測定される反射波のレベルに応じて予め減衰曲線格納部7に格納した複数の減衰曲線から適切な減衰曲線を選択する。
図8は、選択された減衰曲線の一例を示す図である。減衰曲線取得部6が減衰曲線を選択する方法は、図5に示した、実測値との誤差が小さくなるような減衰曲線を減衰曲線格納部7から選択するようにする。具体的な方法の一例は、最小二乗法を用いて近似曲線を求め、それに一番近い曲線を選択する。最小二乗法とは、想定する関数が測定値に対してよい近似となるように、残差の二乗和を最小とするような係数を決定する方法である。このようにすることで外気の状態に近い温度および湿度による信号強度の減衰率を求めることができる。なお、減衰曲線の選択は上記最小二乗法には限定されない。
また、実際に測定された受波信号強度のうち、ある所定の距離以上の範囲のみを減衰曲線との照合に用いるようにしてもよい。その特性上あまりにも近い距離にある路面には超音波が届かず検知範囲に入らない。図5では、送信部2からの距離が1.5メートル以下の場合に、反射レベルがばらついている。したがって、実際に測定された図5の曲線のうち、1.5メートル以下の範囲については、予め減衰曲線格納部7に格納された減衰曲線との誤差が必然的に大きくなる。したがって、1.5メートル以上の範囲のみを減衰曲線との照合に用いることで、より適切な減衰曲線を選択することができる。
ステップ3では、補正部8が受波信号強度の減衰を補正する。補正部8は、ステップ2で選択された減衰曲線から補正量を選択して決定する。減衰曲線から補正量を決定できるように減衰曲線から減衰率を算出し補正量と対応させた表を予め超音波センサ100の内部もしくは外部に格納してもよい。ただし、補正量の決定はこの方法には限られない。減衰曲線から一律に補正量を選択できるような構成であれば事足りる。補正部8は決定された補正量で受波信号を補正する。補正部8が受波信号を補正したあとに、判断部5により減衰曲線取得部6に新たに減衰曲線を取得させ、補正量を更新してもよい。ただし、判断部5が減衰曲線取得部6に減衰曲線を更新させる場合は、補正可能と判断した場合に限る方が好ましい。
このような構成にすることで、温度、湿度など周囲の環境が変化したとしても精度良く障害物有無の判定および障害物までの距離の算出が可能になる。また、減衰曲線を更新するときにも補正可否を判断させ、補正可能、と判断したときのみ減衰曲線を更新するので、路面からの反射波を利用して受波信号強度を確実に補正することができる。
以下に、判断部5が減衰曲線取得部6に減衰曲線を更新させるタイミングについて述べる。超音波センサ100が車両の前面に設置されていたとする。このとき、走行している道路の傾きが所定角度以下のときに、減衰曲線取得部6に新たに減衰曲線を取得させる。車両が急な上り斜面を走行しているときは、通常走行時と比較して斜面による反射の影響で送受信部1の受波信号の強度が大きくなる。したがって、このとき、減衰曲線取得部6は、適切な減衰曲線を取得することが困難になる。車両が平坦な路面を走行時に、減衰曲線取得部6が路面からの反射波を利用して適切な減衰曲線を取得することで道路の傾斜による誤った補正を低減することができる。
また、車両が走行している道路の曲率半径が所定値以上のときに、減衰曲線取得部6に新たに減衰曲線を取得させるようにしてもよい。車両が急なカーブを走行しているときは、カーブ外縁に障害物があると障害物による反射の影響で送受信部1の受波信号の強度が大きくなる。また、急なカーブの走行時には、対向車線を走行する自動車による反射波の影響で、送受信部1の受波信号の強度が大きくなる虞がある。このとき、減衰曲線取得部6は、適切な減衰曲線を取得することが困難になる。
したがって、車両が走行している道路の曲率半径が所定値以上のときに、減衰曲線取得部6に新たに減衰曲線を取得させるようにする。それにより、急カーブ走行時に、路面による反射波ではない障害物からの反射波や対向車線上を走行している自動車からの反射波、ノイズ信号等による誤った補正を低減することができる。補正量に基づき補正した受波信号は判定部9へ出力され、フローチャートはステップ4へ移行される。
ステップ4では、判定部9は補正部8が補正した受波信号に基づいて障害物の有無を判定する。路面による反射波を利用して、温度、湿度による減衰を補正した受波信号を障害物の有無判定に用いているので、精度良く障害物の有無を検出できる。受波信号と障害物有無の検出信号は、距離演算部10へ出力される。ステップ4で判定部9が障害物有り、と判定するとフローチャートはステップ5へ移行される。判定部9が障害物無し、と判定するとフローチャートはステップ4に戻される。
ステップ5では、距離演算部10が送信部2から出力された送波信号と判定部9から出力された受波信号を用いて、超音波の送信から受信までの時間差に基づいて障害物までの距離を算出する。フローチャートはステップ6へ移行される。
ステップ6では、距離演算部10が算出された障害物までの距離を車両制御部11へ出力する。算出された距離が所定値よりも小さいときに、車両制御部11が自動ブレーキなどの制動制御を行ってもよい。また、制動制御を行う代わりに障害物の存在を知らせるために、ナビゲーション装置やヘッドアップディスプレイなどに警告を表示してもよい。警告は表示するものに限定せず、警報音などの音やLED等の光で緊急時であることを運転者に報知する形態にしてもよい。このような構成にすることで、車両制御部11はより安全に精度良く車両を制御できる。
以上のフローを繰り返すことにより、超音波センサ100は、車周囲の温度、湿度に関わらず精度良く障害物までの距離を測定できる。また、外気温度、湿度を測定する必要が無いため、計測器設置場所内のこもり熱などによる測定誤差で誤った補正をすることを低減できる。
本実施の形態においては、受波信号強度が所定値より大きいときに、判定部9が障害物有り、と判定してもよい。このようにすることで、明らかに路面による反射波ではないときに、誤った補正を低減できるとともに障害物の有無を迅速に判定できるため、緊急時の車両制御に対応できる。また、車両が走行している道路の路面状態に応じて、判断部5は減衰曲線取得部6に適切な減衰曲線を取得させるようにしてもよい。アスファルトや砂利道、コンクリートなどの路面状態に応じた減衰曲線を予め用意しておくことで、路面状態に応じた適切な受波信号の補正が可能になる。本実施の形態においては障害物検知装置として超音波センサ100を用いたが検知手段はこれに限定されない。超音波以外にも電波や赤外線などを用いて障害物を検知してもよい。
本開示の障害物検知装置は、外気温度を測定することなく精度良く障害物を検出できるという効果を有し、車両用障害物検出装置等に対して有用である。
1 送受信部
2 送信部
3 受信部
4 制御部
5 判断部
6 減衰曲線取得部
7 減衰曲線格納部
8 補正部
9 判定部
10 距離演算部
11 車両制御部
100 超音波センサ
2 送信部
3 受信部
4 制御部
5 判断部
6 減衰曲線取得部
7 減衰曲線格納部
8 補正部
9 判定部
10 距離演算部
11 車両制御部
100 超音波センサ
Claims (8)
- 車両に搭載され、エネルギー波の送受信により障害物を検出する障害物検知装置であって、
前記エネルギー波を送信し、前記障害物に反射した反射波を受信して受波信号を出力する送受信部と、
前記車両の運転状況に基づいて前記受波信号の補正可否を判断する判断部と、
前記判断部が補正可能と判断した場合に、前記受波信号に基づいて減衰曲線を取得する減衰曲線取得部と、
前記減衰曲線の減衰量に基づいて補正値を決定し、前記補正値を用いて前記受波信号の強度を補正する補正部と、
補正した前記受波信号に基づいて、前記障害物の有無を判定する判定部と、
を備えた障害物検知装置。 - 前記判定部が前記障害物有りと判定したときに、前記エネルギー波の送信から受信までの時間差に基づいて前記障害物までの距離を演算する距離演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の障害物検知装置。
- 前記車両が所定速度以上で所定時間以上走行したとき、前記車両が所定加速度以上で走行したとき、前記車両が前方の他車から所定距離以上の車間距離をとり所定時間以上走行したとき、のうち少なくともいずれか1つの場合に、前記判断部が補正可能と判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の障害物検知装置。
- 前記送受信部を2つ備え、前記2つの送受信部はそれぞれ路面からの距離が異なるように前記車両に設置され、前記路面からの距離が大きい方の送受信部の受波信号が前記路面からの距離が小さい方の送受信部の受波信号よりも信号強度が小さいときは、前記判断部が補正可能と判断することを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
- 前記送受信部を2つ備え、前記2つの送受信部がそれぞれ送信する超音波の方向が、路面に対して異なる角度になるように設置され、前記角度の大きい方の送受信部の受波信号が前記角度の小さい方の送受信部の前記受波信号よりも信号強度が大きいときは、前記判断部が補正可能と判断することを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
- 前記車両が走行している道路の傾きが所定角度以下のときに、判断部は減衰曲線取得部に減衰曲線を更新させることを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
- 前記車両が走行している道路の曲率半径が所定値以上のときに、判断部は減衰曲線取得部に減衰曲線を更新させることを特徴とする請求項3に記載の障害物検知装置。
- 前記車両が走行している道路の路面状態に応じて、判断部は減衰曲線取得部に減衰曲線を取得させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の障害物検知装置。
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JPWO2020105166A1 (ja) * | 2018-11-22 | 2021-02-15 | 三菱電機株式会社 | 障害物検知装置 |
CN115144472A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-10-04 | 东莞灵虎智能科技有限公司 | 一种超声传感器补偿曲线的最优化计算方法 |
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- 2017-03-31 JP JP2017069627A patent/JP2018173282A/ja active Pending
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