JP2018172917A - コンクリート舗装の施工方法 - Google Patents
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コンクリート舗装では、すべり抵抗を確保するために、舗装表面に物理的テクスチャーを形成することが行われている。例えば、施工時において、生コンクリートを打設した後、硬化前の打設物の表面にほうき目仕上げを施すことによって、舗装表面に凹凸を形成することが行われている。一方、硬化後においては、ダイヤモンドグラインディングといったカッターや、ショットブラストや、ウォータージェット等を用いて舗装表面を削り取ったり切り取ったりして、舗装表面に凹凸を形成することが行われている。
また、物理的テクスチャーの形成によって得られた舗装表面の凹凸は、経年的な車両の通行によって摩耗し、すべり抵抗が低下する。このように低下したすべり抵抗を再び高めようとすれば、舗装表面に、再度、物理的テクスチャーを形成する必要があり、一層手間がかかり、しかも、この作業を行うために車両通行の規制も行わなければならない。
水と、セメントと、骨材とを有するコンクリート組成物を打設し、
打設したコンクリート組成物の表面部にアルカリと接触して気泡を発生する起泡剤を添加して該表面部に気泡を形成し、
前記気泡が形成された状態で前記コンクリート組成物を硬化してコンクリート舗装を施工する方法である。
これにより、厚み方向において、打設したコンクリート組成物の表面部に局所的に気泡を形成させることができるため、厚み方向全体に気泡を形成させる場合と比較して、表面部により多くの気泡を形成し易くなる。
また、打設したコンクリート組成物の表面部に起泡剤を添加することによって、凹凸を形成できるため、簡便である。
従って、舗装表面に十分にすべり抵抗が付与されたコンクリート舗装を簡便に施工することが可能となる。
前記起泡剤が、アルミニウムを含有することが好ましい。
従って、舗装表面に、より十分にすべり抵抗が付与されたコンクリート舗装を施工することが可能となる。
水と、セメントと、骨材とを有するコンクリート組成物を打設し、
打設したコンクリート組成物の表面部にアルカリと接触して気泡を発生する起泡剤を添加して該表面部に気泡を形成し、
前記気泡が形成された状態で前記コンクリート組成物を硬化してコンクリート舗装を施工する方法である。
かかるセメントの配合量は、例えば、コンクリート組成物全体100質量部に対して10〜25質量部とすることが好ましい。
かかる粗骨材の配合量は、例えば、混練物全体100質量部に対して30〜76質量部とすることが好ましい。
かかる細骨材の配合量は、例えば、混練物全体100質量部に対して25〜48質量部とすることができる。
なお、コンクリート組成物には、上記の他、通常のコンクリート組成物に添加される添加材を適宜添加し得る。
また、起泡剤の添加形態としては、例えば、上記成分を含有する粉末による添加、上記成分を含有するシートによる添加、上記成分を含有する周面部を有するローラによる添加等が挙げられる。
例えば、起泡剤が粉末状である場合には、粉末状の起泡剤をコテで打設物の表面部に混ぜ込む工程を行って、打設物の表面部に起泡剤を添加し得る。
例えば、起泡剤がシートの表面側に含有されている場合には、該シートを打設物の表面部に被せる工程を行うことによって、打設物の表面部に起泡剤を添加し得る。
例えば、起泡剤がローラの周面部に含有されている場合には、該ローラを表面部上で転がす工程を行うことによって、打設物の表面部に起泡剤を添加し得る。
かかる混ぜ込む工程においては、打設物の表面部の1m2当たりに10〜500g/m2の量となるように添加して、コテ等の仕上げ部材で表面から深さ3〜10mm程度の間で、混ぜ込み、表面部の表面仕上げを行い得る。これにより、表面から深さ10mm程度までの間で表面部に気泡を存在させる(分布させる)ことができるため、舗装後の比較的初期においては、施工直後から形成されていた気泡によって表面に凹凸が存在し、これによってすべり抵抗が付与される。さらに、車両の通過が繰り返された経時後においては、舗装表面が摩耗しても、内側から新たな気泡が露出するため、この気泡によってすべり抵抗が付与される。
なお、硬化前の打設物の表面部に気泡を形成すると、形成された気泡は、セメントに由来する粘性の方が、気泡の浮力よりも大きいため、表面に浮き上がることができず、よって、ほぼ発生した位置にとどまることになる。
また、上記起泡剤を周面部に含有するローラを打設物の表面部上で転がす工程においては、該ローラを打設物の表面部上で転がすことによって、該打設物の表面部がローラの周面部の起泡剤と接触し、これによって発泡が生じ、該表面部に気泡が形成される。
これらシートを被せる工程、及び、ローラを転がす工程によれば、上記した混ぜ込む工程と同様、舗装後の比較的初期においては、施工直後から形成されていた気泡によって表面に凹凸が存在し、これによってすべり抵抗が付与される。
また、上記被せる工程や上記ローラを転がす工程においても、上記した混ぜ込む工程と同様、硬化前の打設物の表面部に気泡を形成すると、形成された気泡は、セメントに由来する粘性の方が、気泡の浮力よりも大きいため、表面に浮き上がることができず、よって、ほぼ発生した位置にとどまることになる。
例えば、打設後に気泡を発生させていない下部の領域と比較して、表面部の気泡の含有量が多くなる程、十分なすべり抵抗を付与し得る傾向にある一方、気泡の含有量が多くなり過ぎると、硬化前に個々の気泡同士が接触して合一し、気泡が大きくなる結果、かえって気泡数が減少したり、表面部が膨れ上がったりして表面の仕上げ作業に支障をきたす傾向にある。
例えば、かかる観点を考慮して、表面部における気泡の含有量を設定することができ、その含有量を、気泡を発生させていない下部の領域における気泡の含有量よりも、0.5〜35体積%多いことが好ましい。
かかる養生工程では、従来公知の方法と同様、打設したコンクリート組成物を養生する。
水と、セメントと、骨材とを有するコンクリート組成物を打設し、
打設したコンクリート組成物の表面部にアルカリと接触して気泡を発生する起泡剤を添加して該表面部に気泡を形成し、
前記気泡が形成された状態で前記コンクリート組成物を硬化してコンクリート舗装を施工する方法である。
これにより、厚み方向において、打設したコンクリート組成物の表面部に局所的に気泡を形成させることができるため、厚み方向全体に気泡を形成させる場合と比較して、表面部により多くの気泡を形成し易くなる。
また、打設したコンクリート組成物の表面部に起泡剤を添加することによって、凹凸を形成できるため、簡便である。
従って、舗装表面に十分にすべり抵抗が付与されたコンクリート舗装を簡便に施工することが可能となる。
前記起泡剤が、アルミニウムを含有することが好ましい。
従って、舗装表面に、より十分にすべり抵抗が付与されたコンクリート舗装を施工することが可能となる。
コンクリート組成物全体に起泡剤を添加することによって、該組成物全体に気泡を存在させた状態で打設し、硬化させ、このときの硬化体の表面のすべり抵抗を調べた。
具体的には、下記表1に示す材料を用いた。
なお、本実験例では、起泡剤と他の成分とを全体的に練り混ぜて硬化させた結果を示すが、本実験例で形成した硬化体の状態を、コンクリート舗装の表面部に形成すれば、このコンクリート舗装においても表面部では本実験例と同様の結果が得られることは十分に予測し得る。すなわち、コンクリート組成物を打設し、その表面部に起泡剤を添加して硬化させれば、その表面部には、本実験例と同様に、起泡剤の量に応じた気泡を存在させることができ、この気泡に起因する凹凸によって、すべり抵抗を付与し得ることがわかった。
コンクリート組成物全体に起泡剤を添加することによって、該組成物全体に気泡を存在させた状態で打設し、硬化させ、このときの硬化体に存在する気泡の特性を調べた。
具体的には、上記した表1の材料を用いた。また、上記した表2の試料番号1、2、4〜6の添加量となるように、すなわち、下記表3に示すように、起泡剤を配合した。この配合で、W/C=40%(C=1392、W=552)に設定し、JIS R 5201(2015)の「強さ試験」に記載された機械練り用練混ぜ機を用いて低速にて2分間練り混ぜてセメントペーストを作製した後、さらに起泡剤を添加して、30秒間の攪拌(練り混ぜ)を行った。
撹拌後、混練物をプラスチック製のシャーレに流し込んで硬化させて供試体を作製した。硬化後、供試体の水平方向の断面(供試体の表面から深さ方向に厚み1cm×面積49cm2の領域)を、トラバース法を用いた画像解析によって測定し、気泡の数量(個)、及び、気泡の体積が占める割合(%)を測定した。具体的には、トラバース法による画像解析においては、硬化コンクリート気泡計測装置(HF−MAC01、ファースト社製)を用い、ASTM C457のリニアトラバース法に準拠して、気泡の数量(個)、及び、気泡の体積が占める割合(%)を測定した。
結果を表4に示す。
本実験例では、起泡剤と他の成分とを全体的に練り混ぜて硬化させた結果を示すが、本実験例で形成した硬化体の状態を、コンクリート舗装の表面部に形成すれば、このコンクリート舗装においても表面部では本実験例と同様の結果が得られることは十分に予測し得る。すなわち、コンクリート組成物を打設し、その表面部に起泡剤を添加して硬化させれば、その表面部には、本実験例と同様に、起泡剤の量に応じた気泡数及び空気量で気泡を存在させることができることがわかった。
コンクリート組成物を打設し、打設したコンクリート組成物の表面部に起泡剤を添加することによって該表面部に気泡を存在させ、この状態で硬化させ、このときの硬化体の表面のすべり抵抗を調べた。
具体的には、下記表5に示す起泡剤を用いた。
下記表6に示す配合で、セメント、水、粗骨材、細骨材、及び、減水剤(マスターグレニウムSP8SV、ポゾリスソリューションズ社製)を練り混ぜ(空練り30秒後、水を投入し、本練りを2分間行った)、10×10×40cmの直方体型枠に混練物を打設した。その後、打設物が硬化する前に、打設物の表面に下記表5に示す散布量(配合量)で、打設物の表面部に各起泡剤を散布し、コテで表面仕上げを行うことによって、起泡剤を混ぜ込んだ。硬化後の供試体をカットして断面を目視で観察したところ、表面より数mm〜概ね1cm程度までは、練り混ぜた部分よりも下方の部分(層)よりも、気泡が多かった。よって、かかるコテ仕上げによって、表面から概ね1cm程度の深さまで気泡が分布したことがわかった。
翌日、硬化したコンクリートを型枠から取り外し、気泡を形成した表面部に対して、実験例1と同様に、初期のすべり抵抗を測定した。
その後、供試体を水中に浸漬し、材齢3か月迄のすべり抵抗値を上記と同様にして測定し、起泡剤を添加していない場合(無添加の初期状態)との比較で、起泡剤を散布した供試体のすべり抵抗を測定した。結果を表7に示す。
Claims (2)
- 水と、セメントと、骨材とを有するコンクリート組成物を打設し、
打設したコンクリート組成物の表面部にアルカリと接触して気泡を発生する起泡剤を添加して該表面部に気泡を形成し、
前記気泡が形成された状態で前記コンクリート組成物を硬化してコンクリート舗装を施工する、コンクリート舗装の施工方法。 - 前記起泡剤が、アルミニウムを含有する、請求項1に記載のコンクリート舗装の施工方法。
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