JP2018172452A - ウラシル化合物又はそれらの塩、並びにこれを含んだ顔料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、これまでカラーフィルターのレッド用の顔料として広く使用されているピグメントレッド254を用いた顔料組成物は、透過率の向上が課題であった。
すなわち、本発明は、
(1)下記式(1)
(2)X、Y及びZが二価の連結基−NH−である前項(1)に記載のウラシル化合物又はそれらの塩、
(3)Mがセシウム原子、又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)である前項(1)又は(2)に記載のウラシル化合物又はそれらの塩、
(4)前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のウラシル化合物又はそれらの塩、有機顔料及び樹脂分散剤を含有する顔料組成物、
(5)樹脂分散剤がカチオン系の樹脂分散剤である前項(4)に記載の顔料組成物、
(6)有機顔料100質量部に対するウラシル化合物又はそれらの塩の添加量が1乃至50質量部である前項(4)又は(5)に記載の顔料組成物、
(7)有機顔料がジケトピロロピロール骨格を有する顔料である前項(4)乃至(6)のいずれか一項に記載の顔料組成物、
(8)前項(4)乃至(7)のいずれか一項に記載の顔料組成物、バインダー樹脂及び重合性化合物を含有するカラーレジスト、
(9)前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のウラシル化合物又はそれらの塩を含有するインクジェット用インク組成物、及び
(10)更に、少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する前項(9)に記載のインクジェット用インク組成物、
に関する。
本発明のウラシル化合物又はそれらの塩は下記式(1)で表される構造を有する。
式(1)中のMが表すアルカリ金属原子の具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、フランシウム原子が挙げられ、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子であることが好ましく、セシウム原子であることがより好ましい。
式(1)中のZ1乃至Z4が表すヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基及び2−ヒドロキシブチル基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシエチル基である。
式(1)中のZ1乃至Z4が表すアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
式(1)中のZ1乃至Z4が表す炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、好ましくはシクロヘキシル基である。尚、ここで言うシクロアルキル基は飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環で増環されていてもよく、シクロアルキル基の環上の水素原子及び/又は増環上の水素原子はアルキル基等の置換基で置換されていてもよい。増環されており、かつアルキル基を有する炭素数5若しくは炭素数6のシクロアルキル基を有する−NZ1Z2Z3Z4基の具体例としては、ロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)が好ましい。
式(1)中のZ1乃至Z4が表すアリール基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
式(1)中のR1が表す炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、式(1)中のZ1乃至Z4が表す炭素数1乃至4のアルキル基の具体例と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
式(1)におけるX、Y及びZとしては酸素原子、硫黄原子又は二価の連結基−NR1−であって、R1が水素原子又はメチル基であることが好ましく、二価の連結基−NR1−であって、R1が水素原子であることがより好ましい。
本発明の式(1)で表されるベンゾイミダゾロン化合物又はそれらの塩としては、上記したM(−NZ1Z2Z3Z4基中のZ1乃至Z4)、X、Y及びZ(二価の連結基−NR1−中のR1)それぞれの好ましいものを組み合わせた化合物又はそれらの塩がより好ましく、より好ましいものを組み合わせた化合物又はそれらの塩が更に好ましい。
すなわち、常法により得られた下記式(2)で示される化合物とウラシル化合物を縮合反応させることにより、所望の化合物を得ることができる。下記式(2)において、M、Y及びZは上記式(1)におけるM、Y及びZと同じ意味を表す。
本発明の顔料組成物が含有する有機顔料は、カラーインデックスに記載されたものなど従来公知のものであれば特に限定されないが、本発明の式(1)で表される化合物自体がレッド系の色相を有するため、有機顔料本来の色相を損なわない意味ではレッド系の有機顔料を用いるのが好ましく、カラーインデックスでピグメントレッドに分類される有機顔料を用いるのがより好ましく、C.I.ピグメントレッド254が更に好ましい。また、本発明の化合物と混合した際の分散安定性に優れるという意味で、顔料組成物が含有する有機顔料は、ジケトピロロピロール骨格を有する有機顔料であることが好ましい。
本発明のカラーレジストに用い得るバインダー樹脂は特に限定されないが、例えば、スチレン系(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体、セルロースアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。バインダー樹脂は顔料組成物中に50質量%以下を占める量が用いられる。
これらの重合性化合物には、必要により重合開始剤や硬化促進剤等を併用することが好ましい。
(工程1)
スルファニル酸28部を水400部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH10にすることにより「水溶液1」を得た。攪拌下、氷水340部に塩化シアヌル15部を加えて懸濁し、反応温度0乃至5℃で先に得られた「水溶液1」を全量添加した。この間、反応系内に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH値を2.5乃至3.5に保持し、同温度で1時間攪拌し、下記式(3)で表される化合物を含む「水溶液2」を800部得た。
反応容器に6−アミノウラシル10.4部とNMP200部及び工程1で得られた式(3)で表される化合物を含む「水溶液2」の全量を加え、100℃で10時間反応させた後、40℃まで冷却し、この反応液をろ過して「ウェットケーキ1」240部を得た。「ウェットケーキ1」120部を水500部に懸濁させ、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH値を10乃至11に調整した後、塩化セシウム14部を加え、45℃で一時間撹拌した。反応液をろ過して得られた「ウェットケーキ2」を80℃の熱風乾燥機で乾燥させることにより、具体例化合物No.1で示される化合物14部を得た。該化合物の極大吸収波長λmaxは320nm(NMP)であった。
(工程3)
塩化セシウム14部を使用する代わりに、3.3%酢酸水溶液69部に18−アミノアビエタ−8,11,13−トリエン7.1部を溶解させた水溶液を使用した以外は工程2と同様にして、具体例化合物No.2で示される化合物18部を得た。該化合物の極大吸収波長λmaxは320nm(NMP)であった。
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80乃至85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一なバインダー樹脂溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥させ、バインダー樹脂Aを得た。得られたバインダー樹脂Aのポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152であった。
有機顔料としてC.I.ピグメントレッド254 10.0部、本発明の化合物として実施例1で得られたNo.1で示される化合物1.0部、バインダー樹脂として合成例1で得られたバインダー樹脂A1.8部、樹脂分散剤としてアジスパーPB881(味の素ファインテクノ社製)、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート82部を配合し、プレミキシングの後、0.3mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで60分間分散した。得られた分散液を5μmのフィルタでろ過することにより顔料組成物を調製した。
実施例1で得られたNo.1で示される化合物の代わりに実施例2で得られたNo.2で示される化合物を用いた以外は実施例3と同じ方法で、顔料組成物を調製した。
実施例1で得られたNo.1で示される化合物を用いなかったこと以外は実施例3と同じ方法で顔料組成物を調製した。
・評価基準
初期粘度:20mPa・s未満○、20mPa・s以上×
40℃×3日後粘度増加率:20%未満○、20%以上×
尚、調製直後にゲル化したものについては、40℃で3日放置後の粘度は「評価不可」とした。
具体的には、比較例1がゲル化により分散不可であるのに対し、実施例3及び4は40℃×3日後の粘度増加率は20%以下であった。
Claims (10)
- X、Y及びZが二価の連結基−NH−である請求項1に記載のウラシル化合物又はそれらの塩。
- Mがセシウム原子、又はロジンアンモニウム(アビエタ−8,11,13−トリエン−18−アンモニウム)である請求項1又は2に記載のウラシル化合物又はそれらの塩。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のウラシル化合物又はそれらの塩、有機顔料及び樹脂分散剤を含有する顔料組成物。
- 樹脂分散剤がカチオン系の樹脂分散剤である請求項4に記載の顔料組成物。
- 有機顔料100質量部に対するウラシル化合物又はそれらの塩の添加量が1乃至50質量部である請求項4又は5に記載の顔料組成物。
- 有機顔料がジケトピロロピロール骨格を有する顔料である請求項4乃至6のいずれか一項に記載の顔料組成物。
- 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の顔料組成物、バインダー樹脂及び重合性化合物を含有するカラーレジスト。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のウラシル化合物又はそれらの塩を含有するインクジェット用インク組成物。
- 更に、少なくとも一種以上の有機溶媒を含有する請求項9に記載のインクジェット用インク組成物。
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