JP2018171618A - 粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法 - Google Patents

粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法 Download PDF

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仁 牛垣
Jin Ushigaki
仁 牛垣
久司 森本
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久司 森本
誠秀 吉田
Seishu Yoshida
誠秀 吉田
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Shinji Teraoka
真司 寺岡
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Abstract

【課題】竪型ミルの粉砕ローラ10又は粉砕テーブル2の寿命を飛躍的に延ばす。【解決手段】竪型ミル1粉砕ローラ10(粉砕テーブル2も含む)の摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行う補修方法である。粉砕ローラの使用限界摩耗量を使用初期の摩耗部の表面D0からその使用限界DMに向かって複数にn(=2、3、4・・)分割して、その各分割位置Dn及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その各分割位置の面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる(被溶接面が荒れる)回数m(1、2、3,4、・・)まで繰り返す。このようにすれば、粉砕ローラの寿命を飛躍的に延ばすことができる。【選択図】図1

Description

この発明は、外面に硬化肉盛溶接層が設けられる粉砕ローラ又は粉砕テーブルの長寿命化を図る粉砕ローラの補修方法に関する。
製鉄所、発電所、セメント会社等のプラントや採石現場等において、コークス、石炭、セメント、スラグ、砕石等の被粉砕物を粉砕する粉砕機の一つとして、図20に示す竪型ミル1がある。この竪型ミル1は、回転軸周りに回転する粉砕テーブル2上に、供給管3を通して被粉砕物aを供給し、粉砕テーブル2と、この粉砕テーブル2の上面側に対向して設けた粉砕ローラ10との間に、被粉砕物aを噛み込ませて粉砕するものである。その粉砕された被粉砕物aは、粉砕物用の貯蔵容器等(図示せず)に送り込まれて貯蔵されたり、燃焼炉(図示せず)に送り込まれて燃料として用いられたりする。
この竪型ミル1の粉砕ローラ10や粉砕テーブル2(以下、粉砕ローラ、粉砕テーブルの少なくとも一方を含めて適宜に「粉砕ローラ」と言う)の粉砕部材は、普通鋳鉄(Ordinary cast steel 日本工業規格(JIS)において、FC材と称される。)や普通鋳鋼(Ordinary cast steel JISにおいてSC材と称される。)等の他、高クロム鋳鉄(High chrome cast iron JISにおいて、CrFC材と称される。)、高クロム鋳鋼(High chrome cast steel JISにおいて、CrSC材と称される。)等の耐摩耗性の高い素材が用いられることが多いが、それでも被粉砕物aの粉砕に伴って次第に摩耗が進行する。この進行に伴って、粉砕ローラ10と粉砕テーブル2との間の間隔が拡大して、被粉砕物aの噛み込みが不十分となって、その粉砕に支障をきたすことがある。
このため、摩耗がある程度進行した段階で、この摩耗部分に硬化肉盛材の層を溶着(溶接)によって形成する肉盛作業が行われる(図3−1、図3−55参照、図中、11がローラ母材、A、Aが硬化肉盛溶接層)。この硬化肉盛作業により、粉砕ローラ10と粉砕テーブル2との間隔を当初と同様のプロフィールに戻すことができ、この竪型ミル1の粉砕機能が回復する。また、長寿命化につながる。
この硬化肉盛溶接とは、母材金属にアーク溶接またはガス溶接などを利用して、特殊用途の合金を溶着することであり、摩滅した機械部品の再生および任意の箇所のみに特殊合金面をつくりたい時などに、比較的安価ですぐれた耐摩耗性を容易に与えることができる。
この肉盛作業に用いる硬化肉盛材として、母材11と同じく高クロム材を用いることができる。この場合、粉砕ローラ10の性能を一段と向上するために、母材11よりもさらに耐摩耗性が2倍程度高い下記の溶接材料等を用いることが多い。
竪型ミル1に使用される外周面に硬化肉盛溶接層が設けられた粉砕ローラ10、粉砕テーブル2の補修方法として、硬化肉盛溶接層が摩耗して摩耗部が形成されたら、該摩耗部に対して、プラズマガウジングにより表面に付着している粉砕物を除去した後、亀裂等をグラインダーで削って仕上げ、アーク溶接により再生硬化肉盛溶接層を形成する方法がある(特許文献1〜3等参照)。
特開2007−216101号公報 特開2013−180312号公報 特開2010−173027号公報
従来の粉砕ローラ10の肉盛り補修方法においては、表面が使用限界まで摩耗した摩耗部(図3−54のD参照)に対して硬化肉盛溶接を行い、新品と同様の形状(図3−55の硬化肉盛り層A参照)に再生している。
このとき、硬化肉盛りした被肉盛溶接面はその時の熱影響によって徐々に劣化し、その同一面への肉盛り溶接回数は制限される。被肉盛り面が劣化すれば(脆くなれば)、硬化肉盛りしてもその肉盛溶接層が容易に剥がれて補修の意味をなさなくなる(使用し得ない状態となる)。すなわち、硬化肉盛溶接は長寿命化が目的であり、肉盛溶接層の剥離(劣化)はミル停止となり、製造ラインとしては一番避けたい事象である。
上記被肉盛り面の劣化は、肉盛り態様や使用態様によっても影響するが、主に肉盛り回数に依存し、従来では、粉砕ローラ10の表面が使用限界まで摩耗した摩耗部表面に達した後、その表面に対して硬化肉盛溶接を行っているため、母材11が高クロム鋳鉄の場合、母材11表面への肉盛りも含めて肉盛り回数は3回程度である(図1の破線参照)。
しかし、コスト削減が望まれる今日、粉砕ローラの高寿命化が望まれている。
この発明はその粉砕ローラの高寿命化を図ることを課題とする。
その課題を達成するために、粉砕機の粉砕ローラの摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行う補修方法において、粉砕ローラの使用限界摩耗量を使用初期の摩耗部の表面Dからその使用限界Dに向かって複数にn(=2、3、4・・)分割して、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その各分割位置Dnの面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる(被溶接面が荒れる)回数m(1、2、3、4・・・)まで繰り返す(ステップ溶接する)ようにしたのである。
硬化肉盛溶接は、上記のように、母材金属にアーク溶接またはガス溶接などを利用して、特殊用途の合金を溶着することであり、その溶接材料としては、例えば、Cr(クロム)、C(炭素)、シリコン(Si)等の粉末、C:3%以上、炭化物形成元素としてのCrを添加したもの(クロム炭化物系)、C:3%以上、炭化物形成元素としてのCr以外に、V、Nb、Ti、B、W、Mo等を添加したもの(=複合炭化物系)、WCを50%以上添加したもの(タングステン炭化物系)等を適宜に使用する。
粉砕ローラの本体(母材)は、上記普通鋳鉄、普通鋳鋼、高クロム鋳鉄、高クロム鋳鋼等の種々の物が考えられるが、靱性が高い方が硬化肉盛溶接時の熱影響が少ない。このため、上記使用限界深さ(使用限界摩耗量)D、分割数n及び硬化肉盛り面近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mは、母材の素材、被粉砕物の種類等の使用条件、操業実績や試験等の経験則に基づき、n=2、3、4・・、m=1、2、3、4・・と任意に決定すれば良い。
また、硬化肉盛溶接層の同一面への硬化肉盛溶接回数mは母材と硬化肉盛溶接層との密着性によっても支配される。すなわち、母材と硬化肉盛溶接層との密着性が悪いと、肉盛り層の剥離(劣化)が生じる前に母材と硬化肉盛溶接層が剥離してしまう場合があるからである。
使用限界Dは、5mm〜60mmが一般的である。母材及び硬化肉盛溶接層の同一面への硬化肉盛溶接回数mは、上記のとおり、母材の靭性および母材と硬化肉盛溶接層との密着性によって変化する。例えば、高クロム鋳鉄の同一面への硬化肉盛溶接回数mは1〜6回程度、普通鋳鋼の同一面への硬化肉盛溶接回数mは5〜20回程度であり、硬化肉盛溶接層の同一面への硬化肉盛溶接回数mは1〜10回程度である。
上記分割位置は、等間隔であっても不等間隔であってもよいが、その位置まで摩耗させることによって前段における硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になった領域を除去し得るように設定する。粉砕ローラの本体(母材)が高クロム鋳鉄等のように、通常は、例えば、分割幅は10mm以上とする。
粉砕ローラには、その新品として、本体(母材)が高クロム鋳鉄等の耐摩耗性材からなって、その状態から粉砕作用を行い、摩耗したら、硬化肉盛溶接する態様のもの(図6−1、図14−1、図18−1参照)と、本体に前もって硬化肉盛溶接した態様のもの(図3−1、図10−1、図16−1参照)がある。
このため、その粉砕ローラの態様に基づいて、熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを決定する必要があり、その同一面が硬化肉盛溶接面の場合は、そうでない場合(例えば、高クロム鋳鉄の場合)に対し、一度、硬化肉盛溶接しているため、硬化肉盛溶接回数mは、1回少なくなる(m−1)。
以上から、例えば、上記粉砕ローラ又は粉砕テーブルの本体が高クロム鋳鉄からなり、上記使用限界摩耗量Dを40mm、分割数nを4、上記硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを、その同一面が硬化肉盛溶接面の場合2回、前記本体の場合は3回とした粉砕機の粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法の構成とすることができる。
また、上記粉砕ローラ又は粉砕テーブルの本体が高クロム鋳鉄からなり、その本体に上記使用限界摩耗量Dまで硬化肉盛溶接されたものであって、上記使用限界摩耗量Dを40mm、分割数nを4、上記硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを2回とした粉砕機の粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法の構成とすることができる。
さらに、上記粉砕ローラ又は粉砕テーブルの本体が普通鋳鋼からなり、上記使用限界摩耗量Dを40mm、分割数nを4、上記硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを、その同一面が硬化肉盛溶接面の場合は5回、前記本体11の場合は10回とし粉砕機の粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法の構成とすることができる。
また、上記粉砕ローラ又は粉砕テーブルの本体が普通鋳鋼からなり、その本体に上記使用限界摩耗量Dまで硬化肉盛溶接されたものであって、上記使用限界摩耗量Dを40mm、分割数nを4、上記硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを、その同一面が硬化肉盛溶接面の場合は4回、前記本体の場合は9回とした粉砕機の粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法の構成とすることができる。
なお、母材が何れの素材からできている場合において、一度、硬化肉盛溶接した部分は、再度の硬化肉盛溶接をしないようにすることもできる(m=1)。
この発明は、以上のように、使用限界摩耗深さを複数に分割して、その分割した各部位において、摩耗と硬化肉盛溶接を繰り返すようにしたので、粉砕ローラの寿命を飛躍的に延ばすことができる。
この発明に係る粉砕ローラの補修方法の一実施形態の作用説明図 図1の要部拡大図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 この発明に係る粉砕ローラの補修方法の他の実施形態の作用説明図 図4の要部拡大図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 この発明に係る粉砕ローラの補修方法のさらに他の実施形態の前半一部分の作用説明図 同後半一部分の作用説明図 図7の要部拡大図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 この発明に係る粉砕ローラの補修方法のさらに他の実施形態の前半一部分の作用説明図 同実施形態の前半一部分の作用説明図 同実施形態の前半一部分の作用説明図 同実施形態の後半一部分の作用説明図 図11−1の要部拡大図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 この発明に係る粉砕ローラの補修方法のさらに他の実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 この発明に係る粉砕ローラの補修方法のさらに他の実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 同実施形態の作用説明図 粉砕テーブルの硬化肉盛溶接説明図 竪型ミルの概略断面図
以下、この発明を、図1〜図18−10で示す各実施形態に基づいて説明する。この各実施形態は、図20に示す砕石用粉砕機である竪型ミル1の粉砕ローラ10の補修に係るものであって、その粉砕ローラ10の摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行って、使用初期の形状に再生する補修方法である。粉砕ローラ10の母材11は、その母材11の素材からなるものを新品としたり、硬化肉盛溶接をしたものを新品としたりする場合がある。また、母材11は、高クロム鋳鉄、高クロム鋳鋼等の耐摩耗性材からなるものが好ましいが、使用に耐える材質であれば、普通鋳鋼、鍛鋼、鋳鋼、鋳鉄、SUS304等のステンレス鋼等でも良い。
硬化肉盛溶接(層)A、A、A・・(総称符号A)は、例えば、出願人が提供している「KSWプロセス」によって行う。そのKSWプロセスは、厳しい管理基準を設けながら、極低入熱、特殊硬化肉盛材、確立された溶接条件などによって、肉盛溶接部に意図的なクロスクラックを発生させ、高クロム鋳鉄は勿論、あらゆる母材への健全な特殊硬化肉盛溶接を可能とし、耐摩耗性を向上させた技術である。
溶接材料としては、例えば、Cr(クロム)、C(炭素)、シリコン(Si)等の粉末、C:3%以上、炭化物形成元素としてのCrを添加したもの(クロム炭化物系)、C:3%以上、炭化物形成元素としてのCr以外に、V、Nb、Ti、B、W、Mo等を添加したもの(=複合炭化物系)、WCを50%以上添加したもの(タングステン炭化物系)等を適宜に使用する。また、硬化肉盛溶接面はグラインダーによる前処理を適宜に行う。さらに、特許文献2で示される「既設肉盛材の除去方法」を採用できる。
(実施形態1)
図1〜図3−55に示す実施形態は、図3−1に示すように、新品の粉砕ローラ10の母材11に硬化肉盛溶接Aをしたものが新品の場合であり、母材11は高クロム鋳鉄としている。
このため、この粉砕ローラ10において、図3−1に示すように、まず、硬化肉盛溶接Aをした深さ、例えば、D=40mm程とする。つぎに、その使用限界深さDを使用初期の表面Dからその使用限界(D)に向かって4分割する(D=(D−D)=(D−D)=(D−D)=10mm)。以下、分割深さDnの下端位置を分割位置としてDnと称する。
その分割位置Dnと摩耗量との対応は、波をうつ摩耗量の中間高さが分割位置Dnに対応したとき、その摩耗量が各分割位置Dnに達した段階とする(以下同様)。
また、同じ面へ繰り返し硬化肉盛溶接を施すと、熱影響によってその表面が荒れて有効な肉盛りができなくなる(使用し得ない状態になる)ため、鋳物製ローラ等の母材11への同一面への硬化肉盛溶接回数mは、経験則によって適宜に設定すればよいが、母材11が高クロム鋳鉄の場合、例えば3回が限度のため、この実施形態では、m=3とする。
さらに、硬化肉盛溶接は幾層もの溶接ビートを重ねて行われるため、この作業の間に後に述べるD、D、Dの各分割位置Dnの面は熱影響を1回受けることとなる。
したがって、この実施形態1において、新品の粉砕ローラ10は、その母材11に硬化肉盛溶接Aがなされているため、各分割位置Dnは熱影響を1回受けていることとなる。このため、各分割位置Dnへの硬化肉盛溶接が可能な回数は残り2回(=3−1)となる。
このように、新品の硬化肉盛溶接Aをした母材11からなる粉砕ローラ10において、D(例えば、40mm)を設定し、竪型ミル1に被粉砕物aを供給し、粉砕テーブル2と粉砕ローラ10との間に、被粉砕物aを噛み込ませて粉砕する。その粉砕作用において、図2で示す、摩耗した部分を硬化肉盛りして使用初期の硬化肉盛り層(部)と同様の形状に繰り返し再生して寿命を改善する。
その図2中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3、4・・・52、53、54、55は図3−1、図3−2、図3−3、図3−4・・・図3−52、図3−53、図3−54、図3−55に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
その粉砕(摩耗)・硬化肉盛溶接(再生)作用について詳細に説明すると、図3−1から図3−2に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図3−2)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−3)。
その再生後、竪型ミル1による粉砕が行われて、図3−4に示すように、再度、上記硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で、硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図3−5参照)。
この摩耗及び再生を図2に示すように2回(m=2)行う(図3−2→図3−3→図3−4→図3−5)。
その摩耗及び再生を2回行えば、上記第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる。このため、図1、図2、図3−6に示すように、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図3−6)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−7)。
このとき、母材11の第1分割位置D近傍の領域の熱影響はキャンセルされ新品状態に再生される(第2分割位置Dの表面と同等の面となる)。以下、キャンセル作用は新たな母材11の分割位置又は同硬化肉盛溶接の表面となれば、同様に行われる。
図3−7に示す第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、上記と同様に、硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図3−8)で、図3−9に示すように、硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する。その摩耗及び再生を図2に示すように2回行う(図3−8→図3−9→図3−10→図3−11)。
その摩耗及び再生を2回行えば、上記硬化肉盛溶接層Aの第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、その第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図3−12)で再度硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に2度目の再生をする(図3−13は図3−7と同等)。
図3−13に示す再度の第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、上記と同様に、硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図3−14)で、図3−15に示すように、硬化肉盛溶接Aを再度行って新品と同様の形状に再生する。その摩耗及び再生を図2に示すように2回行う(図3−14→図3−15→図3−16→図3−17)。
その摩耗及び再生を2回行い、さらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達すれば、上記硬化肉盛溶接層Aの第2分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、第2分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第3分割位置Dに達した段階(図3−18)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−19)。
上記第1分割位置D及び第2分割位置Dまでの摩耗と硬化肉盛溶接をそれぞれ2回づつ繰り返した図3−19に示す第3分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、図3−20に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−21)。この作用を2回繰り返す(図3−19→図3−20→図3−21→図3−22→図3−23)。
これを2回繰り返すと、硬化肉盛溶接(層)Aの第1分割位置の面の近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図3−24)で再度硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生をする(図3−25)。
図3−25に示す第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、図3−26に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−27)。この作用を2回繰り返す(図3−25→図3−26→図3−27→図3−28→図3−29)。
これを2回繰り返すと、硬化肉盛溶接(層)Aの第1分割位置Dの面の近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図3−30)で再度硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生をする(図3−31)。
第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接(層)Aにおいて、図3−31〜図3−35に示す上記の摩耗及び再生を2回行うと、第3分割位置Dまでの硬化肉盛溶接(層)Aの第2分割位置の面の近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、その第2分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第3分割位置Dに達した段階(図3−36)でさらに硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−37)。
上記第1分割位置D及び第2分割位置Dまでの摩耗と硬化肉盛溶接をそれぞれ2回ずつ繰り返したその第3分割位置Dまでの硬化肉盛溶接(層)Aにおいて、図3−38〜図3−53に示す上記の摩耗及び再生をそれぞれ2回行うと、第3分割位置Dまでの硬化肉盛溶接(層)Aの第3分割位置Dの面の近傍の領域硬化肉盛溶接は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっている。このため、その第3分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第4分割位置(使用限界)D(D)に達した段階(図3−54)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図3−55)。
その摩耗及び再生によって、粉砕ローラ10の外周表面は、母材11の使用限界D(D)表面に硬化肉盛層Aがなされて、図3−1と同一形状となる。
したがって、図1に示すように、上記のように摩耗及び再生をそれぞれ2回繰り返して、使用限界Dの面(D)に2回の硬化肉盛溶接(A)を行って、上記と同様の摩耗・硬化肉盛溶接を行う。
そして、この実施形態1においては、同一面への硬化肉盛溶接は3回(m=3)としており、母材11表面は、上記のように、最初に硬化肉盛溶接(A)をしているため、使用限界Dの面(D)へ2回の硬化肉盛溶接(A)を行うと、すなわち図3−1〜図3−55の工程を2回行うと、使用限界Dの面(D)への硬化肉盛溶接は計3回となり、母材11の使用限界Dの表面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になり、その面への硬化肉盛溶接ができなくなる。
このため、再再度、母材11の使用限界Dの面となった時点(図3−54)、すなわち引き続き図3−1〜図3−54の工程を3回行った時点で粉砕ローラ10の寿命として、その交換を行う。
以上から、この実施形態1は、使用初期の表面Dからその使用限界(D=D)に向かって4等分割して、同じ面への硬化肉盛溶接を2回とした場合であって、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その分割位置の面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数m=3まで繰り返すようにした、粉砕ローラ10への硬化肉盛溶接であり、図1の実線で示される。この図1で示される実施形態1は、図1破線で示す使用限界(D)まで摩耗させて硬化肉盛りを2回した場合に比べて、一の粉砕ローラ10において、約10倍の寿命を得ることができる。なお、図1中、この実施形態1の寿命は、破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
(実施形態2)
図4〜図6−83に示す実施形態は、図6−1に示すように、新品の粉砕ローラ10の母材11に硬化肉盛溶接Aが施されていない高クロム鋳鉄の耐摩耗性材からなるものであり、この新品でもって粉砕を行う。
この粉砕ローラ10は、硬化肉盛溶接が行われていないため、分割位置Dの面は熱影響を受けておらず、高クロム鋳鉄の硬化肉盛溶接が可能な回数は3回となる。
この粉砕ローラ10において、上記実施形態1と同様に、図6−1に示すように、D=40mm程とし、分割数nも4とし、同一面への硬化肉盛溶接回数mも3回(m=3)とする。
この粉砕ローラ10において、同様に、竪型ミル1に被粉砕物aを供給し、粉砕テーブル2と粉砕ローラ10との間に、被粉砕物aを噛み込ませて粉砕する。その粉砕作用において、図4、図5で示すように、摩耗した部分を硬化肉盛りして使用初期と同様の形状に繰り返し再生して寿命を改善する。
その図5中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3、4・・・79、80、81、82、83は図6−1、図6−2、図6−3、図6−4・・・図6−79、図6−80、図6−81、図6−82、図6−83に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
その粉砕(摩耗)・硬化肉盛溶接(再生)作用について詳細に説明すると、図6−1から図6−2に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図6−2)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図6−3)。
その再生後、竪型ミル1による粉砕が行われて、図6−4に示すように、再度、上記硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で、硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図6−5)。
この摩耗及び再生を図4に示すように3回(m=3)行う(図6−2→図6−3→図6−4→図6−5→図6−6→図6−7)。
その摩耗及び再生を3回行えば、上記第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aを3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる。このため、図6−8に示すように、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図6−9)。
図6−9に示す第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、上記と同様に、硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図6−10)で、図6−11に示すように、硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する。その摩耗及び再生を図4に示すように2回行う(図6−10→図6−11→図6−12→図6−13)。
その摩耗及び再生を2回行えば、上記硬化肉盛溶接層Aの第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっている。このため、その第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図6−14)で再度硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に2度目の再生をする(図6−15は図6−9と同等)。
なお、このように、図6−1→図6−2→図6−3→図6−4→図6−5→図6−6→図6−7における第1分割位置Dにおける硬化肉盛溶接Aは3回であるのに対し、図6−9以降の第1分割位置Dにおける硬化肉盛溶接Aは2回(m−1)となる。これは、一度硬化肉盛溶接された面への溶接だからであり、以後、第1、第2、第3、第4分割位置における硬化肉盛溶接も同様(m−1)となる。
図6−15に示す再度の第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10において、上記と同様に、硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図6−16)で、図6−17に示すように、硬化肉盛溶接Aを再度行って新品と同様の形状に再生する。その摩耗及び再生を図4に示すように2回行う(図6−15→図6−16→図6−17→図6−18→図6−19)。
その摩耗及び再生を図4に示すように2回行うと、上記硬化肉盛溶接層Aの第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと2回の硬化肉盛溶接Aを計3回(m=3)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっている。このため、その第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図6−20)で再度硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に3度目の再生をする(図6−21)。
以後、同様に、摩耗及び再生を、図6−22→図6−23→図6−24→図6−25→図6−26→図6−27→図6−28→図6−29→図6−30→図6−31→図6−32→図6−33→図6−34→図6−35→図6−36→図6−37→図6−38→図6−39→図6−40→図6−41→図6−42→図6−43のように行う。
上記の摩耗及び再生を行うと、図6−43に示す粉砕ローラ10は、硬化肉盛溶接A、硬化肉盛溶接Aがそれぞれ2回おこなわれているため、硬化肉盛溶接Aの1回を加えて、その硬化肉盛溶接A、硬化肉盛溶接Aの第1分割位置D、第2分割位置Dの硬化肉盛溶接は計3回となり、それぞれ硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっているため、第1、第2分割位置D、D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第3分割位置Dに達した段階(図6−44)で硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図6−45)。
この図6−45の粉砕ローラ10において、以上の摩耗及び再生を、同様に、図6−46→図6−47→図6−48→図6−49→図6−50→図6−51→図6−52→図6−53→図6−54→図6−55→図6−56→図6−57→図6−58→図6−59→図6−60→図6−61→図6−62→図6−63→図6−64→図6−65→図6−66→図6−67→図6−68→図6−69→図6−70→図6−71→図6−72→図6−73→図6−74→図6−75→図6−76→図6−77→図6−78→図6−79のように行う。
上記の摩耗及び再生を行うと、図6−79に示す粉砕ローラ10は、硬化肉盛溶接A、硬化肉盛溶接Aがそれぞれ2回おこなわれているため、硬化肉盛溶接Aの1回を加えて、その硬化肉盛溶接A、硬化肉盛溶接Aの第1分割位置D、第2分割位置Dの硬化肉盛溶接は計3回となる。さらに、硬化肉盛溶接Aが3回行われているため、第3分割位置Dの硬化肉盛溶接は計3回となり、それぞれ硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になっている。このため、第1、第2、第3分割位置D、D、D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第4分割位置Dに達した段階(図6−80)で硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図6−81)。
この図6−81の粉砕ローラ10の態様は、実施形態1の図3−1の態様と同じであり、以後、実施形態1と同様に、図6−82→図6−83・・のように図3の各図と同様に、摩耗及び再生を行う。
なお、上記のように、高クロム材に対して硬化肉盛溶接層は2倍程度の耐摩耗性を有することから、図5で示すように、図6−1(初期)から図6−2(第1分割位置Dまで)、図6−7から図6−8の第1分割位置Dから第2分割位置Dまで、図6−25から図6−26の第2分割位置Dから第3分割位置Dまで、図6−79から図6−80の第3分割位置Dから第4分割位置Dまでに至る摩耗度合い(図中の折れ線の上方から下方への傾斜度合い)は、その後の図6−5から図6−6等の硬化肉盛溶接層の摩耗度合いに対し約2倍程度の傾斜角度となる。但し、図4においては、その傾斜角度は明確に表せないことからほぼ同一摩耗度合いとしている。
以上から、この実施形態2は、使用初期の表面Dからその使用限界(D=D)に向かって4等分割して、同じ面への硬化肉盛溶接を3回又は2回とした場合であって、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その分割位置の面の近傍の領域及び母材11の肉盛り表面が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数m=3まで繰り返すようにした、粉砕ローラ10への硬化肉盛溶接であり、図4の実線で示される。この図4で示される実施形態2は、同図破線で示す使用限界(D)まで摩耗させて硬化肉盛りした場合に比べて、一の粉砕ローラ10において、約12倍の寿命を得ることができる。なお、図4中、この実施形態2の寿命は、破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
(実施形態3)
図7〜図10−11に示す実施形態は、図10−1に示すように、新品の粉砕ローラ10の母材11に硬化肉盛溶接Aをしたものが新品の場合であり、母材11は高クロム鋳鉄に代えて普通鋳鋼(SC45等)とし、上記実施形態1において、分割数n=4、硬化肉盛溶接層Aへの硬化肉盛溶接を5回、普通鋳鋼製母材11への硬化肉盛溶接Aを10回とした場合である。
ここで、硬化肉盛溶接層の同一面への硬化肉盛溶接回数mが、母材11が高クロム鋳鉄の場合はm=3で、同普通鋳鋼の場合にはm=5となっている。これは、母材11と硬化肉盛溶接層Aとの密着性の違いに起因するものである。
すなわち、この粉砕ローラ10において、実施形態1と同様に、まず、図10−1に示すように、硬化肉盛溶接Aをしたものが新品であり、その硬化肉盛溶接Aの深さ、例えば、D=40mm程とする。
つぎに、その使用限界深さDを使用初期の表面Dからその使用限界(D)までを同様に、図10−1に示すように、n=4として4等分割とする。
また、母材11への同一面への硬化肉盛溶接回数mは、母材11が普通鋳鋼の場合、例えば10回が限度のため、この実施形態では、m=10とし、その普通鋳鋼母材の硬化肉盛溶接層への硬化肉盛溶接Aはm=5回とする。
さらに、同様に、硬化肉盛溶接は幾層もの溶接ビートを重ねて行われるため、この作業の間にD、D、Dの各分割位置Dnの面は熱影響を1回受けることとなる。このため、この実施形態3における新品の粉砕ローラ10は、その母材11に硬化肉盛溶接Aがなされているため、各分割位置Dnは熱影響を1回受けていることとなる。このため、各分割位置Dnへの硬化肉盛溶接が可能な回数は残り4回(=5−1)となり、普通鋳鋼母材11への硬化肉盛溶接が可能な回数は残り9回(10−1)となる。
このように、新品の硬化肉盛溶接Aをした普通鋳鋼母材11からなる粉砕ローラ10において、同様に、竪型ミル1に被粉砕物aを供給し、粉砕テーブル2と粉砕ローラ10との間に、被粉砕物aを噛み込ませて粉砕する。その粉砕作用において、図7〜図10−11で示すように、摩耗した部分を硬化肉盛りして使用初期の硬化肉盛り層(部)と同様の形状に繰り返し再生して寿命を改善する。
なお、図7と図8は連続する摩耗と再生の各作用を示しており、その作用は、図7の右端から省略し、図8の左端に至っている。また、図9は図7の初期の要部拡大図であり、その図9中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3・・・8、9、10、11は図10−1、図10−2、図10−3・・・図10−8、図10−9、図10−10、図10−11に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
その粉砕(摩耗)・硬化肉盛溶接(再生)作用について詳細に説明すると、実施形態1と同様に、図10−1から図10−2に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図10−2)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図10−3)。
その再生後、竪型ミル1による粉砕が行われて、図10−4に示すように、再度、上記硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で、硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図10−5参照)。
この摩耗及び再生を図に示すように4回(m=4)行う(図10−2→図10−3→図10−4→図10−5→図10−6→図10−7→図10−9)。
その摩耗及び再生を4回行えば、上記第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aと4回の硬化肉盛溶接Aを計5回(m=5)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる。このため、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階(図10−10)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図10−11)。このとき、母材11の第1分割位置D近傍の領域の熱影響はキャンセルされ新品状態に再生される(第2分割位置Dの表面と同等の面になる)。
以上の記載から理解できるように、この実施形態3は、実施形態1においては、摩耗及び硬化肉盛溶接により再生が2回の繰り返しであったのに対し、その摩耗及び硬化肉盛溶接の再生が4回となった点以外は異ならない。
また、普通鋳鋼は、高クロム鋳鉄に比べて靭性が高いため硬化肉盛溶接時の熱影響が少ない。このため、この実施形態3においては母材11が普通鋳鋼になったため、その母材11への硬化肉盛溶接は10回(m=10)まで可能である。このため、図3−54に相当する態様は9(10−1)回まで可能である。
したがって、この実施形態3は、その図10−10の態様以後、図7、図8に示すように、摩耗及び硬化肉盛溶接の再生を各硬化肉盛溶接層においてそれぞれ4回繰り返し、さらにその繰り返しを9回繰り返す作用となる。
以上から、この実施形態3は、使用初期の表面Dからその使用限界(D=D)に向かって4等分割して、同じ面への硬化肉盛溶接を4回とし、その作用を9回繰り返す場合であって、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その分割位置の面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数m=4まで繰り返すとともに、母材11の肉盛り表面への硬化肉盛りを9回繰り返した、粉砕ローラ10への硬化肉盛溶接であり、図7、図8の実線で示される。図7、図8において実線で示される実施形態3は、図7破線で示す使用限界(D)まで摩耗させて硬化肉盛りした場合に比べて、一の粉砕ローラ10において、約39倍の寿命を得ることができる。なお、図7、図8中、この実施形態3の寿命は、破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
(実施形態4)
図11−1〜図14−23に示す実施形態は、上記実施形態2と同様に、図14−1に示すように、新品の粉砕ローラ10の母材11に硬化肉盛溶接Aが施されていない普通鋳鋼からなるものであり、この新品でもって粉砕を行う。
この粉砕ローラ10の母材11は、上記実施形態2と同様に、硬化肉盛溶接が行われていないため、分割位置Dの面は熱影響を受けておらず普通鋳鋼の硬化肉盛溶接が可能な回数は10回となる。また、硬化肉盛溶接層への硬化肉盛溶接は5回とする。
この粉砕ローラ10において、上記実施形態2と同様に、D=40mm程とし、分割数nも4とする。
この粉砕ローラ10において、同様に、竪型ミル1に被粉砕物aを供給し、粉砕テーブル2と粉砕ローラ10との間に、被粉砕物aを噛み込ませて粉砕する。その粉砕作用において、図11−1〜図13で示すように、摩耗した部分を硬化肉盛りして使用初期と同様の形状に繰り返し再生して寿命を改善する。
なお、図11と図12は連続する摩耗と再生の各作用を一部省略して示しており、その作用は、図11−1、図11−2、図11−3とは連続し、図11−3の右端から省略し、図12の左端に至っている。また、図13は図11−1の初期の要部拡大図であり、その図13中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3・・・21、22、23は図14−1、図14−2、図14−3・・・図14−21、図14−22、図14−23に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
その粉砕(摩耗)・硬化肉盛溶接(再生)作用について詳細に説明すると、実施形態2と同様に、図14−1から図14−2に示すように、粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第1分割位置Dに達した段階(図14−2)で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図14−3)。
その再生後に竪型ミル1による粉砕が行われて、図14−4に示すように、再度、上記硬化肉盛溶接層Aの摩耗量が第1分割位置Dに達した段階で、硬化肉盛溶接Aを再度行い新品と同様の形状に再生する(図14−5)。
この摩耗及び再生を10回(m=10)行う(図14−1→図14−2→図14−3→図14−4→図14−5・・・図14−20→図14−21)。
その摩耗及び再生を10回行えば、上記第1分割位置D近傍の領域は、硬化肉盛溶接Aを10回(m=10)行ったことにより、硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になるため、図14−22に示すように、第1分割位置D近傍を通過してさらに竪型ミル1による粉砕を行って粉砕ローラ10の表面の摩耗量が第2分割位置Dに達した段階で硬化肉盛溶接Aを行い新品と同様の形状に再生する(図14−23)。
図14−23に示す第2分割位置Dまでの硬化肉盛溶接Aした粉砕ローラ10は、実施形態2の図6−9の態様と同じである。また、この実施形態4は、硬化肉盛溶接面に対してはm=5であるから、図14−23の態様以後は、図11−1〜図12に示すように、摩耗及び再生を10回又は4回行う。その10回は、硬化肉盛溶接されていない母材11の第1、第2、第3、第4分割表面に溶接する場合であり、4回は硬化肉盛溶接された第1、第2、第3、第4分割表面に溶接する場合である。このため、図6−80に相当する態様は10回まで可能である。
したがって、この実施形態4は、その図14−23の態様以後、図11−1〜図13に示すように、摩耗及び硬化肉盛溶接の再生を各硬化肉盛溶接層においてそれぞれ5回繰り返し、さらにその繰り返しを10回繰り返す作用となる。
なお、普通鋳鋼に対して硬化肉盛溶接層は10〜20倍程度の耐摩耗性を有することから、実施形態2と同様に、図13で示すように、普通鋳鋼製母材11の初期から第1分割位置Dまで、同第1分割位置Dから第2分割位置Dまで、同第2分割位置Dから第3分割位置Dまで、同第3分割位置Dから第4分割位置Dまでに至る摩耗度合い(図中の折れ線の上方から下方への傾斜度合い)は、その後の図14−5から図14−6等の硬化肉盛溶接層の摩耗度合いに対し約10〜20倍程度の傾斜角度となる。但し、図11−1〜図11−3、図12においては、その傾斜角度は明確に表せないことからほぼ同一摩耗度合いとしている。
以上から、この実施形態4は、使用初期の表面Dからその使用限界(D=D)に向かって4等分割して、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その分割位置の面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数mを、硬化肉盛溶接面の場合m=5まで繰り返すとともに、母材11表面への硬化肉盛りを10回繰り返した、粉砕ローラ10への硬化肉盛溶接である。図11〜図13の実線で示される実施形態4は、同図破線で示す使用限界(D)まで摩耗させて硬化肉盛りした従来例に比べて、一の粉砕ローラ10において、約44倍の寿命を得ることができる。なお、図11−1〜図11−3、図12中、この実施形態4の寿命は、図11−1で示す破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
(実施形態5)
図15、図16に示す実施形態5は、高クロム鋳鉄の母材11に硬化肉盛溶接Aをしたものが新品の場合であり、実施形態1において、その各硬化肉盛溶接層Aの上には一度の硬化肉盛溶接Aしかしない場合であり(m=2)、図16−1〜図16−10に示すように、再度の硬化肉盛溶接Aした各分割位置D〜D(D)まで摩耗した時点で、つぎの分割位置まで摩耗させている。
その図15中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3・・・9、10は図16−1、図16−2、図16−3・・・図16−9、図16−10に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
この場合においても、図15の実線で示される実施形態5は、同図破線で示す使用限界(D)まで硬化肉盛りした従来例に比べて、一の粉砕ローラ10において、約3.5倍の寿命を得ることができる。この実施形態5の寿命は、破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
(実施形態6)
図17、図18に示す実施形態6は、上記実施形態5と異なり、硬化肉盛溶接Aをしていない高クロム鋳鋼の母材11を新品とし、実施形態2において、母材11の表面には再度の硬化肉盛溶接Aをしない場合であり(m=1)、図18−1〜図18−10に示すように、各分割位置D〜D(D)まで摩耗した時点で、つぎの分割位置まで摩耗させている。
その図17中の折れ線の尾根と谷における符号1、2、3・・・9、10は図18−1、図18−2、図18−3・・・図18−9、図18−10に示す粉砕ローラ10の態様にそれぞれ対応している。
この場合においても、図17の実線で示される実施形態6は、同図破線で示す硬化肉盛溶接していない従来例に比べて、当然に、一の粉砕ローラ10において、約6倍の寿命を得ることができる。この実施形態6の寿命は、同様に、破線で示す寿命を「1」とした場合を示す。
この実施形態6において、母材11の各素材によって、その寿命は変化するが、何れの素材の母材11であっても、その一の粉砕ローラ10において、この発明の摩耗・硬化肉盛溶接を繰り返すことによって寿命を延ばし得ることが確認できる。
上記各実施形態は粉砕ローラ10の場合であったが、粉砕テーブル2においても同様にして摩耗部の硬化肉盛りによる補修を行うことができることは勿論であり、そのとき、粉砕ローラ10と別々に摩耗した時でも良いが、両者を同時に行うことができる。その粉砕テーブル2への硬化肉盛溶接Aの態様を図19に示す。
なお、この発明は竪型ミル1に限らず、粉砕ローラ10や粉砕テーブル2を有する各種の粉砕機に採用し得ることは言うまでもない。
また、上記使用初期の表面Dからその使用限界(D)までの分割数n、及び硬化肉盛り面近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数mは、上記n=4、m=3、5に限らず、操業実績や試験等の経験則に基づき、n=2、3、5、6・・、m=1、2、4・・と任意に決定することができることは勿論である。すなわち、粉砕ローラ10の使用限界摩耗量を使用初期の摩耗部の表面Dからその使用限界Dに向かって複数にn分割して、その各分割位置D及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その各分割位置Dの面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる(被溶接面が荒れる)回数mまで繰り返すようにする。
さらに、上記のように、粉砕ローラ等には、その新品として、本体(母材)11が高クロム鋳鉄等の耐摩耗性材からなって、その状態から粉砕作用を行い、摩耗したら、硬化肉盛溶接する態様のもの(実施形態2、4、6)と、本体11に前もって硬化肉盛溶接した態様のもの(実施形態1、3、5)がある。したがって、各実施形態1〜6以外の場合、その粉砕ローラ等の態様に基づいて、熱影響により使用し得ない状態になるまでの同一面への硬化肉盛溶接回数mを決定する必要があり、その同一面が硬化肉盛溶接面の場合は、そうでない場合に対し、一度、硬化肉盛溶接しているため、硬化肉盛溶接回数mは、1回少なくなる(m−1)ようにすることは言うまでもない。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 竪型ミル(粉砕機)
2 粉砕テーブル
3 供給管
10 粉砕ローラ
新品表面
使用限界
〜D 分割位置
A、A〜A 硬化肉盛溶接(層)
a 被粉砕物

Claims (1)

  1. 粉砕機(1)の粉砕ローラ(10)又は粉砕テーブル(2)の摩耗部に対して硬化肉盛溶接を行う補修方法であって、粉砕ローラ(10)又は粉砕テーブル(2)の使用限界摩耗量を使用初期の摩耗部の表面(D)からその使用限界(D)に向かって複数にn(=2、3、4・・)分割して、その各分割位置Dn及び前段の各分割位置D(n−1)において、摩耗と硬化肉盛りとを、その分割位置の面の近傍の領域が硬化肉盛溶接時の熱影響により使用し得ない状態になる回数m(=1、2、3、4・・)まで繰り返すようにした粉砕機の粉砕ローラ又は粉砕テーブルの補修方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021166829A1 (ja) * 2020-02-19 2021-08-26 三菱パワー株式会社 ローラミル装置及びローラミル装置の改造方法
WO2023120079A1 (ja) * 2021-12-20 2023-06-29 三菱重工業株式会社 粉砕ローラ及び固体燃料粉砕装置並びに粉砕ローラの製造方法

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