以下、本発明の実施形態として、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)を詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図5は中間ユニット13の正面図である。なお、図3及び図5では便宜上パチンコ機10の遊技領域23a内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図3に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は、木製の板材を上辺および下辺とし、アルミ製の板材を左右の辺とした四辺を固定した枠状に形成される。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、外枠11又は外枠11と同一の内形を有し、外枠11の遊技機本体12支持構造および施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図3に示すように、中間ユニット13と、その中間ユニット13の前方に配置される前扉枠14と、中間ユニット13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち中間ユニット13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
中間ユニット13には、図3に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、中間ユニット13には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
中間ユニット13には、図3に示すように、その回動先端部に施錠機構16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能と、前扉枠14を中間ユニット13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すようにパチンコ機10前面にて露出させて設けられた施錠機構16のキーシリンダに対して、解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
中間ユニット13は、図3に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす枠状の枠ユニット21を主体に構成されている。枠ユニット21には、前面側より遊技盤23が着脱可能に取り付けられる内枠としての機能を有し、この遊技盤23に形成される遊技領域23aが中間ユニット13の前面側に露出可能に取り付けられる。遊技領域23a内の様子は、図3に示すように、前扉枠14の背面側に設けられた窓パネルユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。
前扉枠14は、中間ユニット13の前面側に回動可能に取り付けられている。前扉枠14の回動基端側には、図2に示すように、前扉取付金具57,58が設けられ、この前扉取付金具57,58が中間ユニット13に係合することにより、中間ユニット13に対して前扉枠14が回動可能に支持される。
前扉枠14は、図3に示すように、中間ユニット13と外形がほぼ同一の長方形状に形成されている。前扉枠14には、窓パネルユニット30の外周縁が正面視で露出しないように窓パネルユニット30より小さく開口形成された窓部14aが設けられる(図1参照)。この窓部14aが窓パネルユニット30によって背面側から覆われることで、窓パネルユニット30を取り付けた前扉枠14によって中間ユニット13の前面側のほぼ全域が覆われる。
窓パネルユニット30は、図3に示すように、窓部14aより大きな外形で透明性を有する前後一対の透明ガラス31,32と、これら透明ガラス31,32を一体化する固定枠33とを備えている。固定枠33は、合成樹脂により透明ガラス31,32より一回り大きな環状に形成され、透明ガラス31,32の外周縁が固定枠33に接着されることで窓パネルユニット30は一体化された複層ガラスとされている。
なお、窓パネルユニット30は、透明ガラス31,32によって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネルユニット30を通じて遊技領域23aを視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていてもよい。
前扉枠14において窓部14aの周囲には、図1に示すように、LED等の発光手段を内蔵した電飾部24が複数設けられている。これら電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部14aの上側の電飾部24には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。また、窓部14aの右上側および左上側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置を覆うスピーカカバー27が設けられている。
前扉枠14における窓部14aの下方には、図2に示すように、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、払出装置224より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構110側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28における上皿28a(遊技球の貯留領域)の手前側には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチ40が設けられている。操作スイッチ40は、図柄表示装置94の表示画面94a等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。
前扉枠14における下側膨出部29の右側には、図2に示すように、手前側へ突出するようにして発射操作装置45が設けられている。発射操作装置45は、遊技領域23aに遊技球を発射すべく操作される装置であり、図2に示すように、操作ベース46に対して、環状の操作ハンドル47が回転可能に軸支されてなり、遊技球の発射操作に際して操作ハンドル47が遊技者により回転操作されるものである。この場合、操作ハンドル47の回転操作量は、操作ベース46に内蔵された操作量検出手段としての可変抵抗器307(図12参照)により検出される。また、発射操作装置45には、操作ハンドル47を遊技者が触れていることを検知するためのタッチセンサ321(図12参照)が操作ベース46に内蔵されるとともに、操作ハンドル47を回転操作した状態において遊技球の発射を停止させるために操作される停止操作レバー333が設けられている。
前扉枠14の背面側には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路部51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路部52と、ファール球通路部55を有している。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された払出球受口部53が形成されており、当該受口部53が仕切壁54によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部51の通路入口と前扉側下皿通路部52の通路入口とがそれぞれ形成されている。
ファール球通路部55は、遊技球発射機構110から発射された遊技球のうち遊技領域23aまで至らなかった遊技球をファール球として下皿29aに排出する通路を形成する部位である。ファール球通路部55には、図3に示すように、上方に開放されたファール球受口部56が設けられる。このファール球受口部56よりファール球が受け入れられ、前扉側下皿通路部52にファール球が案内されることにより、ファール球通路部55に入った遊技球は下皿29aに排出される。
遊技球発射機構110は、図3に示すように、前扉枠14を開放した場合に前面側に露出される部品であり、中間ユニット13の前面側右下部分に設けられている。この遊技球発射機構110は、図5に示すように、発射装置として設けられた電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り装置113とを備えている。球送り装置113は、上皿28aに貯留された遊技球を発射レール112上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球はソレノイド111において打出し部として設けられたプランジャ114の突出経路上に配置される。そして、ソレノイド111への電気的な信号の入力により、プランジャ114が発射レール112上の遊技球に向けて移動し、当該遊技球は遊技領域23aに向けて打出される。なお、遊技球発射機構110の電動アクチュエータは、ソレノイド111に限定されることはなく、発射モータなどを用いてもよい。
中間ユニット13の左側であって発射レール112の左方には、図3に示すように、通路形成部材121が配設されている。枠ユニット21には、通路形成部材121が設けられる部位を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を前面側から覆うようにして通路形成部材121は、枠ユニット21にネジ止めされている。
通路形成部材121は、図5に示すように、本体側上皿通路部122と本体側下皿通路部123とを有している。前扉枠14が閉鎖状態とされた場合には、通路形成部材121の下側部分に前扉枠14に設けられる通路形成ユニット50の払出球受口部53(図3参照)が入り込む。そして、本体側上皿通路部122の下方には前扉側上皿通路部51が配置され、本体側下皿通路部123の下方には前扉側下皿通路部52が配置される。
通路形成部材121の下側部分には、図5に示すように、本体側上皿通路部122及び本体側下皿通路部123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられる。また、枠ユニット21には、シャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられ、前扉枠14を中間ユニット13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路部122又は本体側下皿通路部123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた払出球受口部53の外周部分により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51が連通し、本体側下皿通路部123及び前扉側下皿通路部52が連通して、遊技球の流下が許容される。
次に、遊技領域23aを形成する遊技盤23の構成を、図6に基づいて説明する。図6は遊技盤23の正面図である。
遊技盤23は、木製の合板で形成した板材と同板材の前側の板面を覆うシート材とを有する遊技板23bを備えており、その全面が枠ユニット21の前面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤23の前面には、遊技球が流下する遊技領域23aが形成されている。上記したように遊技領域23aは透明ガラス31,32によって前面側が覆われているため、後側の透明ガラス32によって遊技領域23aの前面側が区画される。また、遊技領域23aの背面側は遊技板23bの前面によって区画される。なお、遊技板23bを構成する板材は、合板に限らず一枚板で形成しても良いし、木製に限らず例えば透明な合成樹脂製の板材または成形品で形成しても良い。
遊技領域23aは、正面視において遊技盤23の全域に渡る上下及び左右方向の寸法に設定され、右下部分のみが右下側に突出した略円形状に形成されている。遊技領域23aは、その外周が誘導レール100および区画部材107により区画されている。誘導レール100は、遊技盤23の左側全域に及ぶ大きさの円弧状の内レール101と外レール102とからなり、これら内レール101と外レール102とにより遊技領域23aの左側に円弧状の誘導通路103を形成する。
誘導通路103の下側端部には、誘導通路103の入口部104が形成され、この入口部104と発射レール112とは離間して設けられる(図5参照)。誘導通路103の上側端部には、誘導通路103の出口部105が形成され、その出口部105の右上側には遊技領域23aに到達した遊技球の誘導通路103内への戻りを防止する戻り防止部材106が取り付けられている。
発射操作装置45(図1参照)の操作ハンドル47が遊技者により手動操作された場合、中間ユニット13の右下部分に設けられた遊技球発射機構110(図5参照)から発射された遊技球は、誘導通路103を経由し、誘導通路103の出口部105において戻り防止部材106により閉鎖された遊技領域23aの入口を押し広げて遊技領域23a内に進入する。遊技球の発射力が弱すぎる場合には、遊技球が遊技領域23aまで至らず誘導通路103内で落下し始め、誘導通路103の入口部104と発射レール112との間に落下する。前扉枠14の閉鎖状態においては、この入口部104と発射レール112との間にファール球受口部56が配置され、遊技領域23aまで至らなかった遊技球はファール球通路部55を経由して下皿29aへ排出される。
区画部材107は、遊技領域23aの右側を区画するものであり、合成樹脂を成形して縦長に形成され、遊技板23bの前面にネジ止めされている。この区画部材107は、外レール102の上側における右側端部を起点とし、内レール101の下側における右側端部より下側まで延在している。
なお、区画部材107の上端部には、機種名が印字された証紙107aが貼り付けられ、区画部材107の下端部には、メーカー名や製造番号などが印字された証紙107bを貼り付けた台座部品が固定されている。これら証紙107a,107bは、透明ガラス31,32を介してパチンコ機10前方から視認可能な位置に配置される。
遊技板23bには、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b、スルーゲート84、可変表示ユニット85、主表示装置96等が設けられている。
一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a及び下作動口83bへの入球が発生すると、それが遊技盤23の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口83aへの入球が発生した場合及び下作動口83bへの入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口81への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置82への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口83aに係る賞球個数よりも下作動口83bに係る賞球個数が多いといったように、両作動口83a,83bの賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置82に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口81に係る賞球個数と同一の構成としても良く、少ない構成としても良い。
遊技領域23aの中央部には、可変表示ユニット85が設けられ、可変表示ユニット85の構成部品として、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置94が遊技板23bの背面側に設けられ、正面視で図柄表示装置94の表示画面94aを囲むように設けられるセンターフレーム95が遊技板23bの前面側より取り付けられている。図柄表示装置94の前面側であってセンターフレーム95の後側には、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂材料により形成された透明保護板が設けられ、図柄表示装置94の表示画面94aは、その透明保護板を介して前面側から視認可能とされている。
遊技領域23aは、その中央部にセンターフレーム95が設けられることで、センターフレーム95の左右両側に位置する左側領域PE1と右側領域PE2とに区画され、遊技領域23aに発射された遊技球は、左側領域PE1または右側領域PE2のいずれか一方を流下することとなる。左側領域PE1および右側領域PE2の下側には、両領域から流
下した遊技球が合流して流下する下側領域PE3が遊技領域23aの一部として設けられている。
遊技領域23aへ遊技球が到達する回動量に操作ハンドル47が操作されると、左側領域PE1または右側領域PE2のいずれか一方を遊技球が流下する。操作ハンドル47の操作量が少なく、センターフレーム95の一番上側の部位を超えない発射力となる回動操作量で遊技球が発射されると、遊技球は遊技領域23aの入口に近い左側領域PE1を流下する。その操作量より操作ハンドル47の操作量が多く、センターフレーム95の一番上側の部位を確実に超える発射力となる回動操作量で遊技球が発射されると、遊技球は右側領域PE2を流下する。それらの間部分に相当する回動操作量の場合には、遊技球は、左側領域PE1と右側領域PE2との両方に分散して流下する。遊技者は、操作ハンドル47の回動操作量を調整することで、左側領域PE1と右側領域PE2とのいずれの領域を遊技球が流下するかを選択して遊技を行うことができる。
ここで、左側領域PE1を遊技球が流下する割合と、右側領域PE2を遊技球が流下する割合とが同一となる操作ハンドル47の回動操作量を基準回動量とし、基準回動量より少ない回動操作量を第1範囲の回動操作量とし、基準回動量より多い回動操作量を第2範囲の回動操作量とする。第1範囲の回動操作量においては、左側領域PE1を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量においては、右側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなる。また、基準回動量に対して、操作ハンドル47の回動操作量が近づくほど、左側領域PE1と右側領域PE2との両方の領域を遊技球が流下する場合が多くなり、逆に、基準回動量と操作ハンドル47の回動操作量との差が大きくなると、左側領域PE1または右側領域PE2のいずれか一方側を遊技球が流下し、逆側は遊技球が流下しないようになる。この基準回動量として、本実施形態においては、例えば70度に設定され、50度以下の操作量においては左側領域PE1のみを遊技球が流下する左打ち操作状態とされ、90度以上の操作量においては右側領域PE2のみを遊技球が流下する右打ち操作状態となる設定とされている。
遊技盤23の最下部には、アウト口86が設けられ、左側領域PE1または右側領域PE2を流下して最終的に各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域23aから排出される。遊技領域23aには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘87が植設され、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域23aから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口86への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、上作動口83a、下作動口83b又はスルーゲート84への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口83a及び下作動口83bは、作動口装置としてユニット化されて遊技盤23に設置されている。上作動口83a及び下作動口83bは共に上向きに開放されている。また、上作動口83aが上方となるようにして両作動口83a,83bは鉛直方向に並んでいる。下作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物83cが設けられている。
上作動口83aおよび下作動口83bは、遊技領域23aの下側領域PE3に設けられている。上作動口83aは、センターフレーム95の下部に設けられて遊技球が上面を転動するステージの直下に配置され、センターフレーム95で形成された誘導通路(図示略)を介してステージ上に誘導され、誘導通路を経由しない遊技球より上作動口83aへ入賞しやすい構成とされている。この誘導通路の入口は、センターフレーム95において左
側領域PE1に面する左側部分に設けられ、また、ステージの下側から飛び込む遊技球として、左側領域PE1からの方がステージに飛び込み易い釘87の配置とされている。すなわち、左側領域PE1を遊技球が流下した場合の方が、右側領域PE2を遊技球が流下する場合に比べて上作動口83aへの入賞が発生しやすい設定とされている。
電動役物83cは遊技板23bの背面側に搭載された電動役物駆動部に連結されており、当該電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物83cの閉鎖状態では遊技球が下作動口83bに入賞できず、電動役物83cが開放状態となることで下作動口83bへの入賞が可能となる。電動役物83cは、下側領域PE3で左右両側に開放可能とされ、左側領域PE1を流下した遊技球および右側領域PE2を流下した遊技球のいずれも入賞可能とされている。
スルーゲート84は、右側領域PE2に設けられ、遊技領域23aの入口から遠い側へ届く一定以上の強い発射力で発射された遊技球が入球可能に構成されている。スルーゲート84の下側には、可変入賞装置82が設けられ、可変入賞装置82も右側領域PE2に設けられている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置82が繰り返し開放される。
スルーゲート84および可変入賞装置82は、遊技領域23aの右側領域PE2に設けられ、右側領域PE2を遊技球が流下するように一定以上に強い発射力で遊技球が発射された場合にスルーゲート84および可変入賞装置82に遊技球が入賞する。スルーゲート84に遊技球を入球させた場合に電動役物83cが遊技者にとって有利な開放状態とされ易い遊技状態(いわゆる時短遊技状態)や、可変入賞装置82が開閉実行モードとされる特別遊技状態等、遊技領域23aの右側領域PE2に遊技球を流下させた場合に遊技者にとって有利となる遊技状態においては、遊技者は、右側領域PE2を数多く遊技球が流下するように基準回動量を超える第2範囲の回動操作量で操作ハンドル47を操作する。これに対し、上作動口83aに遊技球を多く入賞させて内部抽選の当選を期待する通常の遊技状態においては、遊技者は、左側領域PE1を数多く遊技球が流下するように基準回動量より少ない第1範囲の回動操作量で操作ハンドル47を操作して遊技を実行することとなる。この遊技者にとって有利となる回動操作量は図柄表示装置94やスピーカの音声によって遊技者に報知され、遊技状態が切り替わるときに、例えば、「右打ちをしてください。」または、「左打ちをしてください。」と遊技者に表示または音声によって報知し、或いは、遊技者によって不利となる側に遊技球が発射されていることが、スルーゲート84の通過や一般入賞口81の入賞によって遊技機が認識した場合に、上記した報知が実行されて遊技者に有利となる操作ハンドル47の回動操作量が遊技者に示唆される。
図柄表示装置94は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置142により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置94は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置94では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて図柄の
変動表示が開始される。図柄表示装置94における変動表示は、正面視で視認可能な視認可能領域300aにおいて行われ、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。この図柄表示装置94における変動表示は、主表示装置96のメイン表示部において行われる変動表示に合わせて行われる。
可変表示ユニット85に対して右上側には、遊技の状態を表示する主表示装置96が設けられる。主表示装置96は、複数の発光部が並んで配列されてなる表示器によって構成され、区画部材107の上端部に設けられ、その前面側には、例えば、左上側からメイン表示部、役物用表示部、状態表示部、保留表示部、補助表示部等が順に設けられる。
メイン表示部では、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口83aへの入賞と下作動口83bへの入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部にて明示される。そして、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、主表示装置96のメイン表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、メイン表示部及び図柄表示装置94にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
役物用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた電動役物83cが所定の態様で開放状態となる。
補助表示部は、メイン表示部と同一の態様とされた発光部が設けられ、本実施形態におけるパチンコ機10においては、消灯されたままとされている。この補助表示部は、本実施形態におけるパチンコ機10とは別の他機種において上作動口83aへの入賞に対する内部抽選と下作動口83bへの入賞に対する内部抽選とが区別される場合に点灯するものであり、メイン表示部を複数必要とする機種において使用される。
状態表示部は、メイン表示部にて所定の停止結果が表示されることで遊技状態が開閉実行モードへ移行し、その所定の停止結果の表示後における遊技回が所定回数に到達する等して遊技状態が開閉実行モード前の通常状態に移行する場合に、その遊技状態の変化が表示によって明示される。また、状態表示部では、開閉実行モードの移行当選となった場合に可変入賞装置82の開放態様として複数種類のラウンド数が設定されている機種において移行当選となったラウンド数が表示によって明示される。
保留表示部は、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数および遊技球がスルーゲート84を通過した回数のうち未だ遊技が実行されていない保留状態の遊技回数を表示によってそれぞれ明示する。遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞した個数および遊技球がスルーゲート84を通過した回数はそれぞれ最大4個まで保留
され、保留表示部によって各保留数がそれぞれ表示される。保留表示部の保留数に対応した情報は、図柄表示装置94の表示画面にも表示され、保留数が数字又はキャラクタの個数などにより表示される。
なお、メイン表示部、役物用表示部、補助表示部、状態表示部および保留表示部は、複数の発光部が所定の態様で配列されてなる表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、いずれか一方または両方の表示部を液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、セグメント表示器又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成してもよい。また、メイン表示部および役物用表示部にて変動表示される態様として、絵柄としての複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成としても良い。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について、図4に加え、図7から図9を参照しながら説明する。図7は中間ユニット13の背面図、図8は裏パックユニット15の背面図、図9はパチンコ機10の背面図である。
中間ユニット13には、図7に示すように、枠ユニット21によって開口形成される前後に貫通した遊技盤収容部21aが設けられ、この遊技盤収容部21aを通じて中間ユニット13の背面側には遊技盤23の背面側に搭載される各種部品が露出されている。
中間ユニット13の背面側には、図4に示すように、合成樹脂により形成された箱状の盤裏カバー141が設けられている。盤裏カバー141は、遊技盤23の背面のほぼ全域にわたって設けられ、遊技盤23の背面側に設けられる各種部品を遊技球や搬送時において保護すると共に、遊技球の入賞を検知する検知センサ等を狙った不正を防止する機能を有している。
中間ユニット13の背面側中央部には、図4に示すように、表示制御装置142と音声発光制御装置143とが前後に並んで設けられ、その下側には、遊技の主たる制御を司る主制御装置160が設けられている。表示制御装置142は、図柄表示装置94の表示制御を司るものであり、音声発光制御装置143は、主制御装置160からの指示に従って音声やLED、ランプ等の表示制御及び表示制御装置142の制御を司るものである。
主制御装置160は、図7に示すように、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板と、基板を収容するために設けられた透明性を有する樹脂製の基板ボックス163を備えている。また、主制御装置160には、基板ボックス163の開放に際して痕跡を残す痕跡手段としての開放封印部164が設けられている。当該開放封印部164は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に主制御装置160の基板ボックス163は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
主制御装置160の背面視右側端部には、図7に示すように、取付封印部165が設けられている。取付封印部165は、遊技盤23側に設けられる支持部材と主制御装置160とを固定し、主制御装置160の取り外しに際して痕跡を残す痕跡手段として機能する。取付封印部165は、最初に主制御装置160を取り付けるための固定部品以外に、予備用の固定部品が3組設けられ、主制御装置160の点検作業における一時的な取り外しや主制御装置160の交換が可能とされている。
主制御装置160の背面視左部には、RAM消去スイッチ166が設けられている。本パチンコ機10は、各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも
停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持され、RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
枠ユニット21の背面における回動基端側(図7の右側)には、上下に離間して支持金具132が設けられ、各支持金具132の上端部に形成される軸受け部133によって中間ユニット13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられる。また、枠ユニット21の背面には、裏パックユニット15を中間ユニット13に固定するための固定レバー134が回動先端側(図7の左側)に複数設けられている。
次に、裏パックユニット15について説明する。裏パックユニット15は、図8に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック201と、払出ユニット202と、外部端子板203とを備えている。
裏パック201は、図8に示すように、裏パック201の周縁部を構成する裏ベース部211と、裏ベース部211から後方へ張り出すようにして形成された保護カバー部212とを有している。保護カバー部212は、左右側面と上面の全部が閉鎖され、背面下部から下面につながる一部分が開放された形状をなし、保護カバー部212の下側部分に前後方向に貫通した開口部212aが形成されている。
外部端子板203は、図8に示すように、後方から見た裏パックユニット15の右上側端部に設けられている。外部端子板203は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。外部端子板203には、出力端子として、開閉実行モード中に信号出力するための出力端子、下作動口83bの電動役物83cが高頻度で開放状態となる電役開放状態中に信号出力するための出力端子、払出ユニット202において遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、外枠11に対する中間ユニット13の開放時に信号出力するための出力端子、中間ユニット13に対する前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子などが設けられている。
裏パックユニット15における背面視右側端部には、図8に示すように、上下一対の掛止ピン204が取り付けられている。この掛止ピン204を中間ユニット13側の軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が掛止ピン204を中心にして中間ユニット13に対して回動可能に支持される。裏ベース部211における掛止ピン204が配置されていない反対側の端部には、中間ユニット13に設けられた固定レバー134が挿通される挿通部211aが上下に形成されている。固定レバー134が挿通部211aに挿通されて90度回転させた状態にすることで、固定レバー134の一部が裏ベース部211に後方から当接し、中間ユニット13に裏パックユニット15が固定される。
裏パックユニット15は、上記したとおり、中間ユニット13の背面に対して回動可能に軸支されている。裏パックユニット15を中間ユニット13に対して背面側から重ね合わせた状態では、図9に示すように、主制御装置160の大半は開口部212aを介して背面側に露出し、主制御装置160の上端部及び開放封印部164の一部は保護カバー部212により覆われている。主制御装置160の上端部には他の制御装置と電気的に接続するためのコネクタおよび配線が設けられ、この配線に関する部位や開放封印部164の一部が保護カバー部212に覆われることで、主制御装置160の視認性を高めつつ、不正行為の抑制および遊技球の衝突による破損防止等を実現している。主制御装置160の上側に配置される音声発光制御装置143等は、保護カバー部212により全体が覆われ
ている。
裏パックユニット15は、図8に示すように、保護カバー部212を迂回するようにして裏ベース部211に取り付けられている払出ユニット202を備えている。払出ユニット202は、裏パック201の最上部に設けられて遊技球を貯留可能に上方に開口したタンク221と、タンク内221の遊技球を下流側に向けて案内可能に緩やかに傾斜するタンクレール222と、タンクレール222の下流側にて上下方向に遊技球を案内するケースレール223と、ケースレール223の最下流部に設けられる払出装置224とを有し、これらが連結することでタンク221に補給された遊技球を必要数分だけ払出装置224の下流側に払い出し可能とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、払出装置224の下流側に設けられた裏側通路部225に供給される(図4参照)。
裏側通路部225には、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は排出通路の何れかに振り分けるための3つの通路が形成されている。これら通路のうち、裏パック201の中央側に位置する通路が上記した本体側上皿通路部122及び前扉側上皿通路部51を介して上皿28aに通じ、その外側の通路が本体側下皿通路部123及び前扉側下皿通路部52を介して下皿29aに通じ、更に外側の通路が排出通路とされている。払出装置224によって払い出された遊技球は、上皿28aの通路に優先して案内され、その通路が遊技球で満たされると、その通路から分岐した下皿29aに通じる通路に遊技球が案内される。排出通路は、ケースレール223に対して排出操作を行うことにより、タンク221からケースレール223の途中までの間に貯留された遊技球が払出装置224を経由せずに裏パックユニット15の下端に設けられる排出口から排出される。
裏ベース部211の背面側下端部には、図8に示すように、各種制御装置等で要する所定の電力を生成して出力する電源装置241と、払出制御装置242とが前後に重ねて取り付けられている。電源装置241は、裏ベース部211の横幅全域にわたって設けられている。裏ベース部211の背面視右下側端部には、電源スイッチ247が設けられている。パチンコ機10へは電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ247の切換操作によりパチンコ機10の電源がON又はOFFとされる。
払出制御装置242は、払出ユニット202を通じた遊技球の払い出しを制御するための装置である。払出制御装置242は、基板を収容するために設けられた透明性を有する基板ボックス243に払出制御基板を収容して構成されており、その開放に際しては痕跡を残す痕跡手段として開放封印部244が設けられている。開放封印部244は解除操作を一度行うと再結合を不可とするものであり、結果的に払出制御装置242の基板ボックス243は一度開放操作を行うと、再度封印状態とすることが不可となっている。
裏ベース部211の前面側すなわち中間ユニット13側の下部には、図4に示すように、上方に開口した横長の球入口213と、側方に開口した球入口214とを上流側端部とする発射球排出通路が設けられている。遊技領域23aを流下しいずれかの開口を介して遊技盤23の背面へと導かれた遊技球は、2つの球入口213,214のいずれかを経由して発射球排出通路内へ進入する。発射球排出通路の出口部分は裏パックユニット15の下端面に遊技球1個分の幅で開口して形成され、遊技領域23a内に発射された遊技球は全て発射球排出通路を経由して遊技ホールの島設備に排出される。発射球排出通路の途中には、遊技球を検知する検知センサが設けられ、遊技領域23a内に発射された遊技球数に対応した信号が外部端子板203を介して出力される。
次に、発射操作装置45の構成について詳細に説明する。図10(a)は前方から見た発射操作装置45の斜視図であり、図10(b)は発射操作装置45の右側面図である。
図11(a)は発射操作装置45の背面図であり、図11(b)は発射操作装置45の下面図である。図12は、発射操作装置45の分解斜視図である。図13は、前面ユニット302を外した状態における発射操作装置45の正面図であり、図13(a)は、操作ハンドル47の初期状態を示し、図13(b)は、操作ハンドル47を時計回りに45度回動操作した左打ち操作状態を示している。
発射操作装置45は、前扉枠14に固定される操作ベース46と、発射操作装置45の前面側を構成する前面ユニット302と、操作ベース46および前面ユニット302の間に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドル47とを備えている。
操作ベース46は、図12に示すように、ABS樹脂などの不透明な材料により前後方向を中心軸とする円筒状に形成された胴部311と、その胴部311の前面側にて胴部311とネジにより一体化される大径部312とを備えている。大径部312は、胴部を形成する円筒の中心軸の軸方向に沿って中心が位置する円筒状の外周形状に形成され、その後側部分に胴部311の外径と略同一とされた取付部を有し、取付部の後側面に胴部311が複数のネジによりネジ止め固定される。大径部312の前側部分は、胴部311より大きな直径の外径にて前側に円筒状に突出し、その円筒部分の内径は、外径に対して操作ベース46の厚み分縮小された寸法とされ、半径方向に厚みを有する円筒形状により大径部312の前側部分の前側外周部312aが形成されている。操作ハンドル47の後側には、前側外周部312aの内側及び外側と前側とを囲う断面コ字状で前側外周部312aと略同一の径方向の寸法に設定され、後側に開放したハンドル側円周溝47aが設けられ、操作ハンドル47のハンドル側円周溝47a内に前側外周部312aが嵌まることで操作ハンドル47は、操作ベース46に対して回動可能に支持される(図18(b)参照)。
操作ハンドル47は、図12に示すように、ハンドル本体331と、ハンドル本体331の背面側に設けられるハンドルカバー332と、ハンドル本体331とハンドルカバー332とに挟まれて設けられる停止操作レバー333および調整操作レバー334と、調整操作レバー334に連動する調整伝達部材335とを備え、これらが一体化されている。停止操作レバー333および調整操作レバー334は、遊技者によって操作ハンドル47の回動操作とは別の操作をするために設けられる部材であり、その詳細については後述する。
ハンドル本体331は、操作ハンドル47の外形を形成するABS樹脂製の部材である。ハンドル本体331の周面全体には、金属膜がメッキにより形成され、遊技者がハンドル本体331に触れたことがタッチセンサ321によって検出可能とされている。なお、ハンドル本体331の周面全体に金属膜がメッキにより形成されなくても、遊技者が操作の際に触れやすいハンドルの外周面の突起部分等一部分にのみ金属膜が設けられても良いし、ハンドル本体331をアルミ等の金属により形成しても良い。
ハンドル本体331は、内側環部341と外側環部342とが同心円となるように一体形成された二重の環形状を有する構成とされている。内側環部341の中央部には、ハンドル本体331の軸線方向に貫通したハンドル側軸孔部343が設けられ、このハンドル側軸孔部343の内周面側に前面ユニット302側から円筒状に突出する前側筒状軸302a(図18(b)参照)が嵌まり込み、ハンドル側軸孔部343の中心を軸として操作ハンドル47の前側中央部分が回動可能に支持される。
ハンドル本体331には、図13(a)に示すように、その外側環部342の外周面に正面視略三角形状でハンドル本体331の回動中心軸Cに対する径方向に突出する4つの
指掛け部351〜354が形成されている。4つの指掛け部351〜354は、初期状態において左側に突出し、他の指掛け部352〜354より大きく形成された第1指掛け部351が設けられ、この第1指掛け部351に対して正面視時計回りに離間するようにして順に第2指掛け部352、第3指掛け部353、第4指掛け部354が次第に小さくなる大きさで設けられている。各指掛け部351〜354は、正面視反時計回りの方向側を向いた操作面が円弧状に凹んだ形状とされ、この操作面に遊技者の指が当接して、ハンドル本体331が回動操作される。ハンドル本体331が設けられる発射操作装置45は、パチンコ機10の右下側に設けられ、右手で操作されることを想定し、第1指掛け部351の操作面には、親指が掛けられ、第2指掛け部352に対して人差し指、第3指掛け部353に対して中指、第4指掛け部354に対して薬指または小指が掛けられる等、複数の指で操作されることを想定している。各指掛け部351〜354における操作面とは逆側となる面は、各指掛け部351〜354の頂部から回動中心軸Cに徐々に近づくように高さが次第に低くなるように形成されている。
ハンドル本体331における内側環部341と外側環部342とは、図12に示すように、ハンドル本体331の回動中心軸Cを中心とした両側に設けられる連結部345,346により連結されている。これら連結部345,346と、内側環部341の外周面および外側環部342の内周面によって、ハンドル本体331には、ハンドル側軸孔部343を中心とした2つの円弧状のガイド孔347,348がハンドル本体331を前後に貫通して形成されている。
これらガイド孔347,348には、図13(a)に示すように、操作ベース46から前方側に突出する3つのボス312b〜312dが挿通され、ガイド孔347,348とボス312b〜312dとの当接によって操作ハンドル47は、初期位置と最大回動位置との間に回動範囲が規制された状態で回動可能とされる。
操作ハンドル47の前側には、操作ハンドル47に付勢力を付与する付勢手段としてねじりコイルバネで構成されたハンドル用バネ304が設けられている。このハンドル用バネ304の一端側は、図13(a)に示すように、操作ハンドル47のハンドル本体331における内側環部341に掛けられ、他端側は操作ベース46の下側から突出する2本のボス312c,312dの間部分にネジにより固定されている。ハンドル用バネ304は、ハンドル本体331のメッキ部分とタッチセンサ321との間の配線の一部としても利用され、2本のボスの間のネジ部分から配線を介して操作ベース46に内蔵されるタッチセンサ321と電気的に接続されている。
ハンドル用バネ304は、操作ハンドル47が操作されていない初期状態(図13(a)参照)において、操作ハンドル47を反時計回りに回動する方向に付勢力が発生するようにねじられた状態で取り付けられ、操作ハンドル47には、常時反時計回り方向側への付勢力が付加されている。ハンドル用バネ304は、必ずしも、操作ハンドル47の前側に設けられるねじりコイルバネで構成する必要はなく、操作ハンドル47を初期状態とする側に付勢可能な他の構成を採用しても良い。
操作ハンドル47の初期状態においては、図13(a)に示すように、2つのガイド孔347,348における時計回り方向側の端部に操作ベース46のボス312b,312cが当接し、ハンドル用バネ304の付勢力による操作ハンドル47の反時計回り方向の回動力がボス312b,312cによって支持されている。この状態に対して、遊技者がハンドル用バネ304の付勢力以上の回動力で操作ハンドル47を時計回り方向に回動させると、操作ハンドル47が時計回りに回動することとなる。この回動に伴って、2つのガイド孔347,348の一端と操作ベース46のボス312b,312cとは、当接していた状態から離間し、ボス312b〜312dに対してガイド孔347,348が相対
的に移動する。
初期状態に対して操作ハンドル47が時計回りに略45度回動した位置においては、図13(b)に示すように、ガイド孔347,348の円弧方向における途中部分にボス312b〜312dが位置した状態となる。その状態から操作ハンドル47が更に時計回りに回動し、初期状態に対して操作ハンドル47が時計回りに略110度回動した最大回動状態においては、ガイド孔347,348において初期状態にボス312b,312cが当接していた側とは反対側の端面にボス312b,312dが当接することとなって、操作ハンドル47の時計回りの回動が規制されることとなる。
操作ハンドル47の前側には、図12に示すように、操作ハンドル47の前側への移動を制限する前面ユニット302が設けられている。前面ユニット302は、ABS樹脂製で正面視円形平板状の前側ベース板361と、その前側に設けられる発光体としての発光ダイオード(LED)が前面側に複数設けられた発光用基板362と、その複数のLEDの光を拡散してパチンコ機10の前面側を装飾するための透過性を有する合成樹脂製の装飾部材363と、発光用基板362および装飾部材363を前側ベース板361との間に介在させた状態で前側ベース板361とネジ止めされることで前面ユニット302を形成する合成樹脂製で中央に貫通孔を有する円盤状の前側カバー364とを備えている。
前面ユニット302の前側ベース板361には、操作ベース46に設けられる3本のボス312b〜312dに対応する位置にネジ孔365が設けられ、これらネジ孔365に、3本のボス312b〜312d内に挿通されるネジの先端部が固定されて、前面ユニット302が操作ベース46に固定される。前側ベース板361の背面側には、操作ハンドル47の回動軸となるハンドル側軸孔部343を支持する前側筒状軸302aが設けられる。操作ハンドル47は、前面ユニット302と操作ベース46との間に挟まれた状態とされ、前面ユニット302と操作ベース46とが一体化された支持体に対して操作ハンドル47が回動可能に支持される。
次に、操作ハンドル47の構成詳細について、図14から図17を主に参照して説明する。図14は、前面ユニット302を外した状態における発射操作装置45の正面図であり、図14(a)は図13(b)の状態に対して調整操作レバー334を調整操作した調整操作状態を示し、図14(b)は図14(a)の状態に対して停止操作レバー333を停止操作した停止操作状態を示している。図15および図16は、前方および後方から見た操作ハンドル47の分解斜視図である。図17は、ハンドルカバー332を外した状態における操作ハンドル47の背面図であり、図17(a)は調整操作レバー334および停止操作レバー333が操作されていない状態を示し、図17(b)は2つの操作レバー333,334が操作された状態を示している。
操作ハンドル47は、図15に示すように、ハンドル本体331とハンドルカバー332との間に、停止操作レバー333、調整操作レバー334および調整伝達部材335とが介在した状態で、ハンドルカバー332の裏面側よりネジが挿通されて一体化される部材である。
ハンドル本体331の背面側には、図16に示すように、外側環部342の外周に沿って後方側に円筒状に延び、一部が周方向に対して断続するように形成された外周面が設けられている。この外周面の一部によって上記した指掛け部351〜354が形成されている。背面視右側に突出する一番大きな第1指掛け部351と、第1指掛け部351に対して背面視反時計回り方向に数えて2つ目に位置する第3指掛け部353は、円筒状の部位に対して背面視三角形状に外周側に突出するようにして形成されている。第1指掛け部351の背面視反時計回り方向の隣に位置する第2指掛け部352と、第2指掛け部352
から第3指掛け部353を挟んだ更に先に位置する第4指掛け部354の内周面側には、円筒状の部位が断続した形状とされている。その断続した部位の背面側に対しては、ハンドルカバー332の一部が入り込み、ハンドルカバー332がハンドル本体331の背面側を塞ぐ形状に形成されている。
ハンドルカバー332は、ABS等の合成樹脂により前後に貫通穴を有する環状で、ハンドル本体331の外周面を形成する円筒状の部位に対して内周側に僅かな隙間を隔てて嵌まる大きさに形成されている。ハンドルカバー332の正面視上側および右側には、図15に示すように、前後方向に厚みを有し、外周側に正面視三角形状で突出するカバー部371が設けられ、カバー部371の一部に前後方向の貫通穴が形成されている。この貫通穴にネジが挿通されて、ハンドル本体331にハンドルカバー332が固定される。
ハンドルカバー332は、環状で前後に延びる円筒状に形成されたカバー環部372を有している。カバー環部372は、図16に示すように、操作ベース46側に相当する後側部分の外径より前側部分の外径が大きくなるように外周面に段差を設けて形成されている。このハンドルカバー332の後側部分に対し、ハンドル本体331の後側に設けられる円筒状の部位は、同一の中心軸で、外周側に略3mmの隙間を隔てて位置し、操作ハンドル47として組み付けられた状態では、後側に開放されたコ字状のハンドル側円周溝47aが形成される(図18(b)参照)。
ハンドルカバー332の正面視左側部分および上側部分は、図15に示すように、前後方向における厚みが薄くなるように、前側部分が凹んで形成された2つの凹み部373,374が設けられている。これら凹み部373,374には、停止操作レバー333、調整操作レバー334および調整伝達部材335が離間して配置される。
上側の凹み部374は、上側のカバー部371に対応する位置に設けられ、上側の凹み部374の前面には、2つの軸部375,376が前方に突出するようにして設けられている。詳細には、ハンドルカバー332には、上側のカバー部371の外周側の突端部において前方に円筒状に突出する外側軸部375が設けられ、外側軸部375に対して回動中心軸側に相当する中央側に離間し、ハンドルカバー332のカバー環部372の内面部に相当する位置に内側軸部376が設けられている。内側軸部376に対しては、調整伝達部材335が回動可能に取り付けられ、外側軸部375に対しては、調整操作レバー334が回動可能に取り付けられる。ハンドル本体331の背面側には、外側軸部375および内側軸部376に対応する位置において後方に円筒状に突出する複数の本体側軸部349が外側軸部375および内側軸部376と同一の外径で設けられ、ハンドル本体331とハンドルカバー332とに前後が支持された状態で調整操作レバー334と調整伝達部材335は回動可能に支持される。
ハンドルカバー332における正面視左側の凹み部373には、停止操作レバー333が設けられる。ハンドルカバー332に設けられる2つの凹み部373,374は、操作ハンドル47の回動軸方向においては同一の位置に形成され、これら凹み部373,374に配置される2つの操作レバー333,334は、回動軸方向に沿った同一の位置に配置されることとなる(図18(b)参照)。
ハンドル本体331の背面側における左側の凹み部373に対応する位置には、図16に示すように、後方に円筒状に突出する停止レバー軸部356が設けられている。停止レバー軸部356には停止操作レバー333に挿通され、停止操作レバー333がハンドル本体331に回動可能に支持される。各操作レバー333,334を支持する軸部349,356の中心には前後に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴にハンドルカバー332の後側からネジが挿通されている。このため、各操作レバー333,334の周辺が強
固に固定され、各操作レバー333,334が力強く操作されても破損し難くすることができる。
ハンドル本体331におけるハンドルカバー332の各凹み部373,374に対応する外周側部分には、図16に示すように、各凹み部373,374の周方向における長さよりも短い長さで側面視で後方に開放するコ字状に形成されたレバー開口357,358が設けられている。このレバー開口357,358の後側端部には、ハンドルカバー332が配置され、各操作レバー333,334は、レバー開口357,358とハンドルカバー332とによって操作ハンドル47の径方向において内外に貫通する開口を通じて、操作ハンドル47の外側部分に各操作レバー333,334の一部が位置するように配置される。これらレバー開口357,358は、図11(a)に示すように、各操作レバー333,334の外形に対して、ほとんど隙間が無く、0.5mm未満の僅かな隙間を隔てて設けられる。この隙間を少なく設定し、また、各操作レバー333,334の各軸部349をネジ止めすることでこじ開けに対する各操作レバー333,334の変形を防止して、ハンドル本体331とハンドルカバー332との隙間を狙った不正に強い操作ハンドル47とすることができる。
停止操作レバー333は、図13(a)に示すように、初期状態において操作ハンドル47の左下側に一部が露出するように突出して設けられている。この停止操作レバー333は、図13(b)に示すように、操作ハンドル47が回動操作された状態において操作ハンドル47と共に回動する。停止操作レバー333が押し込み操作されると、図14(b)に示すように、突出部分が操作ハンドル47の中心側に入り込んだ状態となり、この押し込み操作によって遊技球の発射を停止させる停止操作が実施されて、発射停止の状態とされる。
停止操作レバー333は、ポリアセタール等の合成樹脂により形成された部材であり、図15および図16に示すように、ハンドル本体331に対して正面視で外側に突出して遊技者に操作される停止操作部381と、停止操作部381より上方に延びる形状の停止レバー基部382と、停止レバー基部382の上端部に設けられる停止レバー軸穴383と、停止レバー基部382の下端部であって停止操作部381とは逆側となるハンドル本体331の中央側に設けられるスイッチ動作部384とを有している。
停止操作部381は、初期状態における操作ハンドル47の左下側に設けられ、ハンドル本体331のレバー開口357を介してハンドル本体331の外側に突出するようにして設けられる。停止操作部381は、図11(a)および図11(b)に示すように、ハンドル本体331のレバー開口357の間部分に位置する停止レバー基部382より周方向および後側に拡張された外面を有している。停止操作部381における操作ベース46側の一部分は、操作ベース46の外周側に重なるようにして設けられている。このため、ハンドル本体331のレバー開口357と停止操作レバー333との隙間部分の外周側が停止操作部381によって覆われ、その隙間から不正を目的として工具等を差し込むことが防止されている。
停止レバー軸穴383は、図16に示すように、停止レバー基部382の上端部に設けられ、ハンドル本体331の裏面側から後方側へ突出する停止レバー軸部356が内側に挿通される。この停止レバー軸穴383の前後における縁部分は、図15に示すように、他の部位よりも僅かに円筒状に突出し、また、停止レバー基部382の下側先端部も円弧状に僅かに突出することで、停止操作レバー333の回動がし易くされている。
停止レバー基部382における停止レバー軸穴383の上側には、上端および背面側において細長い溝状に形成されたスリット385が設けられている。このスリット385に
は、図17に示すように、鋼線で形成した付勢部材305の一端部が入り込み、その他端側がハンドル本体331のバネ受け部に保持されて、停止操作レバー333は、操作ハンドル47の外周側に突出する側に付勢される。操作ハンドル47単体としても停止操作レバー333が外周側に突出することで、部品の組み付け上の隙間によるがたつきを少なくして、停止操作レバー333の押し込み操作の感触として高級感のあるものとすることができる。なお、停止操作レバー333は、操作ハンドル47として上記以外の方法により外周側に突出するようにしても良く、または、操作ハンドル47単体としては外周側に突出する方向側に付勢せず、後述する発射止めスイッチ306の付勢力等、操作ハンドル47以外に設けられる部材の付勢力によって外周側に突出する構成としても良い。
スイッチ動作部384は、停止操作による操作力を発射止めスイッチ306側に伝達する部位であり、図16に示すように、後側に延びる断面円形の棒状に形成され、その先端部が球状に形成されている。このスイッチ動作部384の後側には、図12に示すように、前後に揺動可能に設けられる停止操作伝達部材401が配置され、その更に後側には、発射止めスイッチ306が設けられる。
ここで、図18から図20を主に参照して、停止操作レバー333に対する停止操作の検出機構について説明する。図18は、操作ハンドル47が初期状態に対して時計回りに45度回動した左打ち操作状態において停止操作レバー333が操作されていない発射許可状態を示し、図18(a)は発射許可状態における発射操作装置45の正面図であり、図18(b)は図18(a)のX−X線における断面図である。図19は、図18に対して停止操作レバー333が押し込み操作された停止操作状態を示し、図19(a)は停止操作状態における発射操作装置45の正面図であり、図19(b)は図19(a)のY−Y線における断面図である。図20(a)は、左打ち操作状態における発射操作装置45の内部構造を示す正面図であり、前面ユニット302および操作ハンドル47を外した状態を示している。図20(b)は、発射操作装置45の初期状態における内部構造を示す正面図であり、図20(a)に対して停止操作伝達部材401および内部カバー部材402を外した状態を示している。また、図20(b)においては、理解の容易のために、停止操作レバー333、調整操作レバー334および調整伝達部材335を二点鎖線で示している。
停止操作伝達部材401は、図12に示すように、合成樹脂により前後に厚みを有する板状の停止伝達基部411と、停止伝達基部411の右側端部において上下に円柱状に突出する支持軸部412と、停止伝達基部411を基準として支持軸部412とは逆側となる左側部分に設けられて停止操作レバー333のスイッチ動作部384が前面側に当接する操作受け部413とを有している。停止伝達基部411には、左側より右側が小さく前後方向に貫通する2つの穴部が設けられ、左側の大きな穴部は、図20に示すように、操作ベース46と同心円状に開口形成され、操作ハンドル47の回動中心部を前後に連通させて操作ハンドル47の回動操作を操作ベース46側に伝達する領域を形成している。右側の小さな穴部には、図20(b)に示すように、操作ハンドル47の回動操作を検出する連動ギヤ309の一部が配置されている。
停止操作伝達部材401の支持軸部412は、図20(b)に示すように、操作ベース46の大径部312における外周右側部分の内側に設けられる軸受け部312eに支持される。軸受け部312eは、上下に離間した板面の前側縁部分が後側にコ字状に切り欠いた形状とされ、停止操作伝達部材401の支持軸部412,412が軸受け部312eに支持される。
停止操作伝達部材401の前側には、図12に示すように、正面視右側が円弧状で左側部分が直線状に形成された前後に厚みを有する板状の内部カバー部材402が設けられて
いる。内部カバー部材402は、停止操作伝達部材401の前側に位置し、その上下部分がネジにより操作ベース46に固定されている。内部カバー部材402は、操作ベース46の軸受け部312eの前側開口を塞ぐ位置に設けられ、この軸受け部312eに支持された状態の停止操作伝達部材401の前側への移動を阻止している。内部カバー部材402の右側部分は、図20(a)に示すように、操作ベース46の大径部312の内周面に対して、一定の隙間を隔てた円弧状に形成されている。内部カバー部材402と操作ベース46の大径部312の内周面との隙間部分には、図19(b)に示すように、ハンドルカバー332の後側部分が入り込み、内部カバー部材402の外周縁は、ハンドルカバー332のカバー環部372に対してほとんど隙間がない形状とされている。すなわち、内部カバー部材402は、操作ベース46内の右側部分における前後空間を遮断した形状とされている。
停止操作伝達部材401の操作受け部413は、図20(a)に示すように、操作ベース46の大径部312における前側外周部312aの内周面に沿って外縁部分が円弧状に形成された正面視扇状に形成されている。操作受け部413は、図18(b)に示すように、前側から後側へいくに従って次第に外形が拡がるように傾斜した操作受け面413aと、操作受け面413aの外周端側より外方へ延出する外縁部413bとを有する断面形状に形成されている。これら操作受け面413aおよび外縁部413bは、操作ハンドル47の回動中心軸を中心として回転させた円錐面の一部分の形状とされるように周方向に連続した形状に形成されている。
停止操作伝達部材401における操作受け部413の外縁部413bは、操作ベース46の大径部312の内周面に対して、ほとんど隙間が無い大きさに設定されている。また、外縁部413bは、図18(b)に示すように、操作ベース46の大径部312の外周面が断面円弧状で後側にいくほど次第に内径が減少する部分の円弧の先端部分に相当する前後位置となるように配置されている。停止操作伝達部材401は、その回動中心となる支持軸部412と外縁部413bとの前後位置が同一となるように配置され、図19(b)に示すように、停止操作伝達部材401が後側に揺動した場合でも外縁部413bと操作ベース46の内周面との隙間が生じない設定とされている。操作受け部413の外縁形状は、図20(a)に示すように、操作ベース46にて前方に突出する形状のボス312b,312cにほとんど隙間が無い位置まで延出した大きさに設定され、操作受け部413が操作ベース46内の左側部分における前後空間を遮断している。
停止操作レバー333のスイッチ動作部384は、図18(b)に示すように、押し込み操作がされていない発射許可状態において、停止操作伝達部材401の操作受け面413aにおける前側外周部312aの内面に近い外側部分に当接するようにして設けられている。操作ハンドル47の回動動作に伴って停止操作レバー333のスイッチ動作部384は、周方向へ移動することとなるものの、周方向に一定の断面形状で連続した操作受け面413aによってスイッチ動作部384と操作受け面413aとの位置関係は、一定の相対位置関係に保持される。
停止操作伝達部材401の操作受け部413の後側には、図12に示すように、発射止めスイッチ306が設けられている。発射止めスイッチ306は、前面側に前後に動作可能に設けられた可動片306aを有する機械式のスイッチによって構成され、この可動片306aは内蔵されるバネにより常に前側に付勢された状態とされている。発射止めスイッチ306の可動片306aの前側には、図18(b)に示すように、停止操作伝達部材401の操作受け部413の後側部分が当接可能に配置されている。停止操作伝達部材401は、発射止めスイッチ306に内蔵されるバネにより前側に押し出される程度に軽量かつ円滑に揺動自在に支持されている。逆にいうと、発射止めスイッチ306に内蔵されるバネは、停止操作伝達部材401を前側に位置させるのに十分な付勢力に設定されてい
る。
発射止めスイッチ306は、図示しない配線を介して、遊技球の発射を制御をする制御装置に電気的に接続される。発射止めスイッチ306の内蔵バネの付勢力に抗して可動片306aが後側に押し下げられると、発射止めスイッチ306が可動片306aの移動を検出し、停止操作の検出に対応した信号が発射止めスイッチ306から出力される。この出力信号を制御装置が検出することで、制御装置は停止操作がされた場合に発射を停止した制御状態とする。
停止操作レバー333が押し込み操作されていない発射許可状態においては、図18(a)に示すように、停止操作部381は外周側に突出した状態とされている。停止操作レバー333のスイッチ動作部384は、図18(b)に示すように、停止操作伝達部材401の操作受け面413aにおける外周側の部位に当接し、発射止めスイッチ306の可動片306aは前側に突出した状態とされている。
停止操作レバー333が押し込み操作されると、図19(a)に示すように、停止操作部381の突出量が減少するようにハンドル本体331の外周面に近づく側へ停止操作部381が移動する。停止操作部381の移動に伴って、図19(b)に示すように、停止操作レバー333のスイッチ動作部384も操作ハンドル47の中央側へ移動する。スイッチ動作部384が移動すると、停止操作伝達部材401の操作受け面413aは後側へ押圧され、停止操作伝達部材401の支持軸部412を中心として操作受け部413側が後側へ揺動する。この揺動動作によって操作受け部413が後側へ移動し、発射止めスイッチ306の可動片306aが押し込まれて、発射を停止する停止操作状態となる。
停止操作伝達部材401の操作受け部413の下側部分には、図20(a)に示すように、外縁部413bより前方側に突出する板状の突出片413cが設けられている。この突出片413cは、操作ハンドル47が回動操作されていない初期状態において、停止操作伝達部材401が後側へ揺動された状態とするために設けられている。突出片413cは、正面視左上側の端縁が外縁部413bの前面に一致し、その位置から次第に前側に突出するように傾斜した部位と、その部位の右下側に連続して前後位置が変化しない部位とにより構成され、操作ハンドル47の中心に対して略20度程度の中心角となる長さに設定されている。
操作ハンドル47のハンドルカバー332の後側部分であって停止操作レバー333の凹み部373の下側部分に相当する位置には、図16に示すように、後方に円柱状に突出し、先端部が球状とされた後側突部377が設けられている。後側突部377は、操作ハンドル47の初期状態において停止操作伝達部材401の突出片413cにおける右下側の前後位置が変化しない部分に当接する位置に設けられている。また、後側突部377の後側に突出する突出量は、操作ハンドル47の初期状態において突出片413cに当接することで停止操作伝達部材401を、図19(b)に示すように、発射止めスイッチ306の可動片306aを押し込んだ状態とする突出量とされている。
操作ハンドル47の初期状態においては、操作ハンドル47におけるハンドルカバー332の後側突部377によって発射止めスイッチ306の可動片306aが後側に押し込まれた状態とされ、操作ハンドル47が回動操作されると、可動片306aから後側突部377が離間して、停止操作伝達部材401が前側に揺動し、発射止めスイッチ306の可動片306aが前側に突出した発射許可状態とされる。突出片413cの傾斜部分は、操作ハンドル47が初期状態に復帰する際に、停止操作伝達部材401の突出片413cを少しずつ後方側へ移動し、初期状態に復帰した状態において停止操作伝達部材401を十分に後側へ揺動した状態とするために設けられる部位である。なお、発射止めスイッチ
306の可動片の移動量が小さく設定されている場合等、突出片413cに必ずしも傾斜部分を設ける必要はなく、また停止操作伝達部材401に前側に突出する棒状の突部を設けてハンドルカバー332の後側に傾斜部分を有する突出片を設けても良い。
次に、操作ハンドル47の調整操作レバー334による調整操作について説明する。調整操作レバー334は、操作ハンドル47を一定量操作した状態において発射操作力を調整可能とする部材である。遊技領域23aの左側領域PE1を遊技球が流下する左打ち操作状態において調整操作レバー334に対して調整操作をした場合、操作ハンドル47を回動させなくても右側領域PE2を遊技球が流下する発射力に発射力が増大される。この発射力を増大させる構成詳細について、以下に説明する。
操作ハンドル47のハンドル本体331には、図13(a)に示すように、初期状態において上方側に突出する第2指掛け部352が設けられ、この第2指掛け部352において操作面とは反対側となる右側部分に調整操作レバー334の調整操作部431が配置されている。調整操作部431の外形は、正面視において、第2指掛け部352の頂部より低い高さで僅かに中央側に位置し、第2指掛け部352の頂部から離間した側の端部にて外側に突出した頂部を形成し、中央側に凹んだ外形形状に形成されている。初期状態においては、上記したように、発射止めスイッチ306の可動片306aが押し込まれた状態とされ、この状態においては、調整操作レバー334に対して調整操作しても遊技球が発射されることはない。
初期状態に対して操作ハンドル47を時計回りに回動操作すると、発射止めスイッチ306の押し込み状態が解除されて発射許可状態となる。初期状態に対して操作ハンドル47を略45度回動させた左打ち操作状態においては、図13(b)に示すように、停止操作部381の外周面は左側を向き、調整操作部431の外面であって、正面視で凹んだ面は右側を向くように配置される。
左打ち操作状態に対して調整操作部431を操作ハンドル47の中央側に押し込む方向に操作すると、図14(a)に示すように、調整操作部431の外形は、ハンドル本体331の外形に近づくように押し込まれる。この調整操作部431は、第2指掛け部352の頂部に対して時計回り方向側の面の傾斜がきつくなるように次第に移動し、最大に押し込まれた最大調整状態においては操作ハンドル47の半径方向に対して略60度程度の傾きを有する位置まで押し込まれる。調整操作部431が押し込まれるほど発射力が次第に増大され、最大調整状態においては、ほぼ全ての遊技球が右側領域PE2を流下する右打ち操作状態となる。
この発射力の増減は、図12に示すように、操作ベース46の内部に設けられる可変抵抗器307の回動軸307aの回動量に対応している。可変抵抗器307は、発射を制御する制御装置に接続され、可変抵抗器307の回動軸307aの回動量に応じた発射力で遊技球が発射される。上記したように本実施形態における操作ハンドル47の基準回動量は70度とされ、初期状態に対して基準回動量分、操作ハンドル47が回動操作された場合に、左側領域PE1と右側領域PE2とにほぼ均等に遊技球が流下するように、ソレノイド111のプランジャ114の移動速度が制御される。そして、基準回動量より少なく操作ハンドル47が回動操作された場合には、その少ない量に応じた分、ソレノイド111のプランジャ114の移動速度が遅くなり、基準回動量より大きく操作ハンドル47が回動操作された場合には、その増量に応じた分、ソレノイド111のプランジャ114の移動速度が速くなる。なお、基準回動量の設定は、調整操作部431が操作されていない状態における設定であり、調整操作部431が調整操作された場合には、基準回動量より少ない操作ハンドル47の回動操作量であっても、右側領域PE2を遊技球が流下する。
調整操作レバー334は、図15に示すように、ポリアセタール等の合成樹脂により成形された部材であり、前後に厚みを有する前面部432に対して上側および右側端縁部分が後側に延びるようにして調整操作部431が形成されている。前面部432の左上側端部には、前後方向に貫通する支持孔が設けられている。この支持孔は、図17(a)に示すように、第2指掛け部352の突端部分に設けられる本体側軸部349およびハンドルカバー332の外側軸部375(図15参照)の外径より僅かに大きな内径に設定され、それら軸部349,375が支持孔に挿通されることで調整操作レバー334がハンドル本体331およびハンドルカバー332に回動可能に支持されている。
調整操作レバー334は、通常状態に対して最大調整状態となるまで略20度の回動動作範囲に設定されている。調整操作レバー334は、最大調整状態において、図17(b)に示すように、その外形に対して背面視反時計回り方向側にハンドル本体331の一部が当接する形状とされている。詳細には、ハンドル本体331の第2指掛け部352の操作面を外面として形成する壁の内面側には、調整操作レバー334側に突出するストッパ突部352aが設けられている。調整操作レバー334の前面部432の外形は、調整操作レバー334の支持孔に対して操作ハンドル47の中央側に延びる形状に形成され、最大調整状態において、その外形に対して背面視反時計回り方向側にストッパ突部352aが当接する設定とされている。これにより、最大調整状態を超えた調整操作レバー334の回動が阻止される。
調整操作部431は、図17(a)に示すように、押し込み操作をしていない通常状態において外側軸部349が挿通される支持孔に対して操作ハンドル47の周方向に延びるようにして形成され、支持孔に対して操作ハンドル47の中央側に離間した位置には、前面部432の裏面より後方に突出する円柱状の係合突部433が設けられている。係合突部433は、調整伝達部材335において前後に貫通する係合穴部441に入り込み、調整操作レバー334が回動すると調整伝達部材335が連動する。
調整伝達部材335は、図15に示すように、前後に厚みを有する板状に形成され、その中央部分に前後に貫通する支持孔が設けられている。この支持孔は、ハンドルカバー332の内側軸部376およびその前側に位置する本体側軸部349の外径より僅かに大きな内径に設定され、それら軸部349,376が支持孔に挿通されることで調整伝達部材335がハンドル本体331およびハンドルカバー332に回動可能に支持されている。
調整伝達部材335の支持孔に対する一方側であって調整操作レバー334が設けられる操作ハンドル47の外周側には、図16に示すように、前後に貫通する係合穴部441が設けられている。係合穴部441は、調整操作レバー334の回動中心と、調整伝達部材335の回動中心とに対して、ほぼ中間に位置し、調整操作レバー334の回動量と調整伝達部材335の回動量が略同一となる設定とされている。調整操作レバー334の動作範囲は、上記したように略20度に設定されており、調整操作レバー334の動作範囲も同等の略20度に設定される。
調整伝達部材335における支持孔を基準として係合穴部441とは逆側となる操作ハンドル47の中央側には、図16に示すように、後側に段差が設けられるようにオフセットした段差部442が設けられている。調整伝達部材335は、段差部442の後側位置に対して、支持孔を中心として略20度の中心角で支持孔とは反対側に扇状に広がる形状に形成され、その先端側端部に複数の歯部443が支持孔を中心とする外周側に突出するようにして円弧状に並んで形成されている。この複数の歯部443は、調整操作レバー334の動作範囲と同等の広がりをもつ設定とされ、図17(a)に示すように、通常状態においては複数の歯部443のうち背面視時計回り方向側端部の歯部443が操作ハンドル47の中心側に向かい、最大調整状態においては背面視反時計回り方向側端部の歯部4
43が操作ハンドル47の中心側に向かう位置に配置されている。
調整伝達部材335とハンドル本体331との間には、図示しないねじりコイルバネが設けられ、調整伝達部材335は、常に背面視反時計回り方向側、すなわち図17(a)に示す通常状態に相当する側に付勢されている。ハンドル本体331の内側環部341の背面側には、通常状態において調整伝達部材335の段差部442に対して反時計回り方向側に当接する位置に、ストッパ壁部341aが設けられている。ストッパ壁部341aは、図16に示すように、ハンドル本体331の内側環部341の背面側から後方に突出するようにして設けられ、付勢力によって回動しようとする調整伝達部材335の段差部442を支持して、調整伝達部材335を通常状態に相当する位置に停止させる。
調整伝達部材335が通常状態に相当する位置に停止した状態において、図17(a)に示すように、調整伝達部材335の係合穴部441に入り込んだ係合突部433を有する調整操作レバー334が通常状態に相当する位置に配置される。通常状態に対して調整操作レバー334の調整操作部431が押し込み操作されると、調整操作レバー334は、背面視反時計回り方向に回動し、その回動に連動して、調整伝達部材335が背面視時計回り方向に回動する。最大調整状態まで調整操作レバー334が回動すると、図17(b)に示すように、調整操作レバー334がハンドル本体331の一部に当接してそれ以上の回動が阻止され、調整伝達部材335も最大調整状態に対応する位置に停止する。
次に、図12および図18に加えて図21から図23を参照して、操作ハンドル47および調整操作レバー334の操作量を検出する可変抵抗器307を含めた検出機構の構成について説明する。図21(a)は、図20(b)に対して操作ハンドル47が略45度回動操作された左打ち操作状態における発射操作装置45の内部構造を示す正面図であり、図21(b)は、左打ち操作状態において調整操作レバー334に対して最大調整操作をした場合における発射操作装置45の内部構造を示す正面図である。図22(a)は、操作ハンドル47の最大回動状態における発射操作装置45の内部構造を示す正面図であり、図22(b)は、最大回動状態において最大調整操作をした場合における発射操作装置45の内部構造を示す正面図である。図23は、中央ギヤユニット308及び連動ギヤの分解斜視図である。なお、図21および図22においては、停止操作レバー333、調整操作レバー334および調整伝達部材335を二点鎖線で示し、図23においては、前側ギヤ454および後側ギヤ455を別方向視した図を併せて示している。
発射操作装置45は、図12に示すように、前後に重なる複数の部材で構成される中央ギヤユニット308と、中央ギヤユニット308に対して右側に設けられる連動ギヤ309と、連動ギヤ309が取り付けられる可変抵抗器307とを備えている。中央ギヤユニット308は、図20(b)に示すように、操作ベース46の中央部に設けられ、中央ギヤユニット308に設けられる後側ギヤ455の歯部472が連動ギヤ309に対して噛み合うように左右に並んで設けられる。中央ギヤユニット308は、操作ハンドル47の調整伝達部材335の歯部443が噛み合う位置に配置され、操作ハンドル47の回動に伴い、中央ギヤユニット308が回動し、その回動に連動ギヤ309が連動して可変抵抗器307に回動操作が伝達される。
中央ギヤユニット308は、図23に示すように、前後に設けられる軸受け部材451,452と、両軸受け部材451,452の間に支持される金属製の支持軸453と、支持軸453に回動可能に支持される前側ギヤ454および後側ギヤ455と、これらギヤ454,455の間に設けられるギヤ付勢バネ456とを備えている。
前後2つの軸受け部材451,452は、図23に示すように、それぞれが合成樹脂により中央部分において支持軸453側が凹んだ断面コ字状の軸受け部451a,452a
を有している。軸受け部451a,452aは、支持軸453側が支持軸453の外径に対して僅かに隙間が設けられる内径で開口し、反対側が閉じられた円筒状に形成されている。前側の軸受け部材451における開口端側の外周には、前後方向に厚みを有して周方向に環状に突出する鍔部451bが設けられ、後側の軸受け部材452の開口端側にも、周方向に環状に突出する鍔部452bが設けられている。
前側の軸受け部材451は、図18(b)に示すように、軸受け部451aにおける支持軸453が位置する側とは逆側となる外面がハンドル本体331の中央部分のハンドル側軸孔部343にほぼ隙間のない状態で嵌め合わされ、鍔部451bによりハンドル側軸孔部343内への入り込みが阻止されている。後側の軸受け部材452は、操作ベース46の大径部312の中央部分にて後側の軸受け部材452の外形に沿って形成された軸受け孔部312fに嵌め合わされ、鍔部452bにより軸方向における位置が規定されている。2つの軸受け部材451,452の間には支持軸453が配置され、2つの軸受け部材451,452を介して操作ハンドル47と操作ベース46によって支持軸453の両端側が支持されている。
前側ギヤ454は、図23に示すように、合成樹脂により前後方向に延びる軸穴461を中心とした円弧状の外周面に複数の歯部462が形成された部材である。前側ギヤ454は、前後に延びる軸穴461を中心として、前後に厚みを有する円板状に形成された前側基部463と、前側基部463に対して前側に円筒状に突出する前側筒部464とを有している。前側ギヤ454の軸穴461には支持軸453が挿通され、支持軸453を中心として前側ギヤ454は回動自在に設けられている。
前側ギヤ454における前側筒部464の外周部には、中心角が略100度の扇状の範囲で径方向に突出する形状の複数の歯部462が軸穴461と同方向に延びるようにして設けられている。前側ギヤ454の複数の歯部462は、調整伝達部材335に設けられる複数の歯部443に噛み合わされる部位であり、調整伝達部材335の歯部443の数と略同一数(詳細には1つ少ない数)に設定されている。これら歯部443,462の噛み合う位置は、図20(b)に示すように、調整伝達部材335の回動中心と、前側ギヤ454の回動中心との間において前側ギヤ454の回動中心寄りに設定され、調整伝達部材335の回動量を増幅して前側ギヤ454が回動する設定とされている。詳細には、調整伝達部材335の略20度の動作範囲に対し、前側ギヤ454は、略5倍の略100度の回動量に増幅された動作範囲に設定されている。
前側基部463の外形は、ギヤ付勢バネ456の外形より僅かに大きな略円形状に設定されている。前側基部463の外周部分には、図23の右下側にて前側ギヤ454を別方向視して示すように、後方側に突出し、更に正面視で時計回り方向側に突出する鉤形に形成されたバネ受け部465が設けられている。バネ受け部465は、ギヤ付勢バネ456の一端側が掛けられることでギヤ付勢バネ456の付勢力を受ける部位であり、前側ギヤ454は後側ギヤ455に対して常に反時計回り方向側へ回動する付勢力が付加された状態とされる。
前側ギヤ454のバネ受け部465に対して正面視時計回り方向側に隙間を隔てた位置には、図23に示すように、前側基部463の外形に沿って後方側に僅かに突出した前側壁部466が設けられている。前側壁部466は、周方向に沿った突条に形成され、前側基部463の外形の略半周にわたって設けられている。前側壁部466の内周面は、ギヤ付勢バネ456においてコイル状に巻き回した部位の外形より大きく形成され、ギヤ付勢バネ456が付勢力によって外側へ変形して付勢力が低下することを防止している。
後側ギヤ455は、図23に示すように、合成樹脂により前後方向に延びる軸穴471
を中心とした円弧状の外周面に複数の歯部472が形成された部材である。後側ギヤ455の後側部分には、その前側部分に対して、全周の一部のみが扇状に拡径した後側基部473が設けられ、複数の歯部472は、後側基部473の周面に沿って起伏し、前後に延びた形状に形成されている。後側基部473に対して前方側には、軸穴471を中心として径寸法が異なる2つの円筒部474,475が前方に突出するようにして設けられている。内外の円筒部474,475は、両円筒部474,475の間部分にギヤ付勢バネ456が入り込み可能な隙間を隔てて、また、前側ギヤ454が前側に重ねられた状態においてギヤ付勢バネ456が入り込み可能な突出量に設定されている。内側の円筒部474と後側基部473とを貫通するようにして、支持軸453が挿通される軸穴471は設けられ、支持軸453を回動中心として後側ギヤ455は回動可能とされている。
後側ギヤ455における2つの円筒部474,475の間部分における奥側面には、図23の左上側にて後側ギヤ455を正面視して示すように、前後に貫通する円孔で形成されたバネ受け孔476が設けられている。ギヤ付勢バネ456は、鋼線を巻き回して形成され、その後側端部は後方側に線状に延びる形状に形成されている。そのギヤ付勢バネ456の後側における線状部が後側ギヤ455のバネ受け孔476に差し込まれ、バネ受け孔476を通じてギヤ付勢バネ456の回動力が後側ギヤ455に伝達される。
後側ギヤ455における外側の円筒部475の前側端部には、図23に示すように、前方側に一部が突出した突出部477が設けられている。この突出部477は、前側ギヤ454のバネ受け部465を形成する部位に当接することで係合して、ギヤ付勢バネ456による前側ギヤ454と後側ギヤとの回動方向における相対移動を制限する。
前側ギヤ454および後側ギヤ455は、図18(a)に示すように、支持軸453に支持された状態で、前後2つの軸受け部材451,452の間に前後に重ねられて配置され、その前後方向には僅かに隙間が設けられる設定とされている。前側ギヤ454のバネ受け部465における正面視反時計回り方向側を向く面と、後側ギヤ455の突出部477における正面視時計回り方向側を向く面とは、ギヤ付勢バネ456の付勢力によって当接した状態とされ、この当接状態が前側ギヤ454と後側ギヤ455との基本状態とされている(図22(a)に示す状態)。ギヤ付勢バネ456としては、単独の自由状態に対して前側部分が正面視時計回り方向側にねじられた状態が基本状態となるように、コイルの巻き量が設定されている。
後側ギヤ455が固定された状態において、前側ギヤ454は、ギヤ付勢バネ456の付勢力による回動力より大きな回動力が加えられると基本状態より正面視時計回り方向側に回動した状態とされ(図22(b)に示す状態)、その回動力が低下するとギヤ付勢バネ456の付勢力により基本状態(図22(a)に示す状態)に復帰する。
後側ギヤ455の後側部分には、図23に示すように、軸穴471に対して外径方向側に突出する板状の回動規制部478が設けられている。操作ベース46の大径部312には、図22(a)に示すように、回動規制部478が突出する先端側部分を半径とし、後側ギヤ455の回動中心を中心とする正面視円弧状の規制受け部312gが設けられている。操作ベース46の規制受け部312gと後側ギヤ455の回動規制部478とは、前後方向において同一の位置に設けられ、操作ベース46の規制受け部312gが設けられていない円弧の両端の間に相当する範囲内において後側ギヤ455は回動可能とされている。規制受け部312gを形成する円弧の中心角は略250度に設定され、この規制受け部312gの円弧の両端間部分に相当する110度の動作範囲で後側ギヤ455は回動可能とされている。
連動ギヤ309は、図23に示すように、前後に貫通する軸穴481を中心とする円柱
状に形成された合成樹脂製の部材である。可変抵抗器307には、図12に示すように、前方に突出する柱状の回動軸307aが設けられ、回動軸307aは、円弧の両端を直線で結んだ断面形状とされている。連動ギヤ309の軸穴481は、回動軸307aの外形より僅かに大きく、同一形状をした内面部分を有する形状に形成され、可変抵抗器307の回動軸307aに連動ギヤ309の軸穴481が嵌め合わされることで可変抵抗器307の回動軸307aと連動ギヤ309とが一体的に回動する。
連動ギヤ309の外周面は、図23に示すように、軸穴481を中心とする円筒状に形成され、その後側端部には、外方側に突出する複数の歯部482が全周にわたって前後に延びる形状に形成されている。連動ギヤ309は、図20(b)に示すように、一部の歯部482が後側ギヤ455の歯部472に噛み合わされる位置に配置されている。
連動ギヤ309において隣り合う歯部472の間に形成される複数の溝は、図23に示すように、その大部分の後側端部が前後に厚みを有する板状の閉塞部483で塞がれた形状とされ、一部(本実施形態においては2つ)の歯部482間の溝のみが後側に長く形成されている。閉塞部483は、連動ギヤ309と後側ギヤ455との相対位置を規定位置にのみ組み付け可能とし、誤った組み付けを防止するために設けられている。後側ギヤ455の歯部472のうち一部(本実施形態においては2つ)の歯部472は、他に比べて後側に長く延びた形状とされ、その後側に長い歯部472が閉塞部483の無い溝に入る場合にのみ、後側ギヤ455と連動ギヤ309との回動中心軸が平行となる規定位置に配置することができる。同様の構成が、後側ギヤ455の歯部472における前側端部にも設けられ、図20(b)に示すように、その歯部472の間に形成される一部(本実施形態においては1つ)の溝のみが塞がれていない形状とされ、他の歯部472の間が前後に厚みを有する板状の閉塞部としての後側基部473の一部で塞がれた形状とされている。また、連動ギヤ309において一部(本実施形態においては1つ)の歯部482のみが前方側に長く形成され、その前側に長い歯部482が前後方向に連通する溝に入り込むことで、後側ギヤ455と連動ギヤ309とが規定位置に配置される。これら構成により、連動ギヤ309および後側ギヤ455は、設計上の相対的な回動位置に対して位置ずれした状態では組み付け不能とされている。
連動ギヤ309および後側ギヤ455における歯部472,482の間の溝を塞ぐ閉塞部は、後側ギヤ455においては前側とし、連動ギヤ309においては後側とされている。このため、操作ベース46に対して、その前側から可変抵抗器307および連動ギヤ309を予め規定位置に配置し、その後に中央ギヤユニット308を、閉塞部483のない溝に対して前後に長い歯部472が噛み合う位置で後側にスライド移動して組み付け可能とすることができる。よって、ギヤ付勢バネ456によって前後2つのギヤ454,455に付勢力が付加された中央ギヤユニット308に異常や破損等が生じた場合に、連動ギヤ309取り外すこと無く中央ギヤユニット308を取り外して確認をし、また交換をすることができ、作業の容易化が図られている。
また、後側ギヤ455において後側に長い2つの歯部472は、閉塞部に塞がれていない溝の両側に設けられ、また、連動ギヤ309において前側に長く形成された1つの歯部482は、閉塞部483が設けられずに後側に長く形成された2つの溝の間に設けられている。このため、操作ベース46の前側から視認した際に、長く延びて形成された歯部472,482を閉塞部の有無によって確認することができ、一層の作業の容易化が図られている。
可変抵抗器307は、遊技者による操作ハンドル47および調整操作レバー334に対する発射操作量を検出するセンサであり、図18(b)に示すように、操作ベース46の大径部312と胴部311との間に挟まれて支持されている。可変抵抗器307の回動軸
307aは、360度以上に回動自在に支持され、その回動軸307aが一回転する間の角度に応じて抵抗値が変化する。このため、可変抵抗器307の抵抗値は、その回動軸307aに嵌合される連動ギヤ309の回動量に応じて変化し、その抵抗値に応じて変化した信号が発射を制御する制御装置に入力される。その信号に応じて遊技球発射機構110を構成するソレノイド111の移動速度が制御装置により制御され、可変抵抗器307の抵抗の変化量に対して遊技球の発射力が変化することとなる。可変抵抗器307の回動軸307aの回動量は、増大するほど遊技球の発射力が増大し、減少すると遊技球の発射力が低下する。この可変抵抗器307および発射制御の詳細については、周知の構成であり、詳細な説明は省略する。
次に、操作ハンドル47、調整操作レバー334、調整伝達部材335、中央ギヤユニット308および連動ギヤ309の相対位置について、図20(b)に示す初期状態を参照して説明する。初期状態においては、操作ハンドル47がハンドル用バネ304により反時計回り方向側に付勢され、それに伴い調整操作レバー334および調整伝達部材335は、図20(b)に示すように、反時計回り方向側に最大限に回動した位置に配置される。また、初期状態においては、ねじりコイルバネの付勢力によって調整操作レバー334の調整操作部431が外方側に突出し、調整伝達部材335が正面視時計回り方向側に回動した状態に配置される。この初期状態において、操作ハンドル47の調整伝達部材335の歯部443は、調整伝達部材335の回動中心としての支持孔を基準とした反時計回り方向側の端部において中央ギヤユニット308の前側ギヤ454の歯部462と噛み合う位置に配置されている。
初期状態において、中央ギヤユニット308は、図20(b)に示すように、前側ギヤ454の歯部462が前側ギヤ454の回動中心としての支持軸453を基準とした時計回り方向側の端部において調整伝達部材335の歯部443と噛み合う位置に設けられている。初期状態においては、操作ハンドル47がハンドル用バネ304により反時計回り方向側に付勢されることで調整伝達部材335の歯部443も支持軸453を中心とした反時計回り方向側に最大限に回動した位置に配置され、この初期状態において前側ギヤ454は反時計回り方向側に最大限に回動した位置に配置されることとなる。
初期状態において、後側ギヤ455は、前側ギヤ454に対してギヤ付勢バネ456の付勢力により反時計回り方向側に最大限に回動した基本状態とされている。この基本状態において後側ギヤ455の複数の歯部472は、後側ギヤ455の回動中心としての支持軸453を基準とした時計回り方向側の端部において連動ギヤ309の歯部482と噛み合う位置に設けられている。
初期状態において、連動ギヤ309の歯部482は、前側に長く形成された1の歯部482が後側ギヤ455の歯部472の間で前側に連通する1の溝に噛み合わされる設定とされている。この設定により、連動ギヤ309および中央ギヤユニット308の組み付け位置が操作ベース46の前面側から確認し易く、後側ギヤ455の歯部472の間の溝のうち前側に連通した溝に対して、連動ギヤ309において手前側に長く延びた歯部482に噛み合わせることが容易とされている。しかも、連動ギヤ309において手前側に長く延びた歯部482の両側の溝のみが奥側に長く連通するように形成され、手前側に長い歯部482の位置も容易に認識することができ、組み付け作業を一層容易にすることができる。
遊技者が発射操作をする場合には、初期状態に対して、操作ハンドル47を正面視時計回り方向側に回動操作する。通常の遊技状態においては、上記したように、遊技領域23aの左側領域PE1を流下するように、基準回動量より少ない例えば45度の回動量で操作ハンドル47を回動操作した左打ち操作状態とする。
初期状態に対して操作ハンドル47を45度回動操作した状態においては、図21(a)に示すように、調整操作レバー334および調整伝達部材335が初期状態に対して時計回り方向側に45度回動した位置に配置される。調整伝達部材335の歯部443の位置が支持軸453を中心に回動することに伴い、中央ギヤユニット308も45度回動し、その回動に連動して連動ギヤ309も反時計回り方向側に回動する。この連動ギヤ309の回動により可変抵抗器307の抵抗値が変化し、その抵抗値に応じた発射力で遊技球が発射され、遊技領域23aの左側領域PE1を遊技球が流下する左打ち操作状態となる。この左打ち操作状態においては、連動ギヤ309は、初期状態に対して略120度回動する。左打ち操作状態に対して操作ハンドル47から手を離すと、操作ハンドル47は、ハンドル用バネ304の付勢力により初期状態まで復帰し、それに伴って中央ギヤユニット308および連動ギヤ309も初期状態に対応する位置に復帰する。
左打ち操作状態において、調整操作レバー334の調整操作部431を押し込み操作すると、調整操作レバー334は、その支持孔を中心に正面視時計回りに回動し、最大に押し込み操作されると、その回動量が略20度とされた最大調整状態となる(図21(b)の状態)。調整操作レバー334の回動に連動して、調整伝達部材335は、その支持孔に対して正面視反時計回りに回動する。調整伝達部材335の回動に伴い、中央ギヤユニット308の前側ギヤ454が支持軸453を中心として正面視時計回りに略100度回動し、前側ギヤ454の回動に伴い、後側ギヤ455も回動する。後側ギヤ455は、初期状態に対して最大回動量に相当する略110度回動した位置に達し、それ以上の回動が阻止される。連動ギヤ309も、後側ギヤ455の回動量に応じた量分、回動することとなり、連動ギヤ309は、初期状態に対して、略220度回動して最大回動量となる。
連動ギヤ309が最大回動量分回動した状態においては、遊技球の発射力は最大となり、遊技球が遊技領域23aの右側を流下する右打ち操作状態となる。前側ギヤ454の回動量に対して後側ギヤ455の回動量が少ない分については、前側ギヤ454が後側ギヤ455に対して正面視時計回り方向側に相対的に回動することとなる。最大調整状態に対して調整操作部431の押し込み操作をやめて調整操作部431から指を離すと、調整伝達部材335とハンドル本体331との間のねじりコイルバネにより、図17(a)に示す通常状態に調整伝達部材335が復帰し、それに伴い調整操作レバー334および中央ギヤユニット308も元の左打ち操作状態に対応した位置に復帰する。
左打ち操作状態に対して、調整操作レバー334の調整操作部431を押し込み操作することなく、操作ハンドル47を更に正面視時計回り方向側に回動させても、遊技者は、遊技領域23aの右側領域に遊技球を発射させることができる。操作ハンドル47を最大回動量まで回動したハンドル最大操作状態においては、図22(a)に示すように、初期状態に対して操作ハンドル47は、略110度回動し、調整操作レバー334および調整伝達部材335が初期状態に対して時計回り方向側に110度回動した位置に配置される。中央ギヤユニット308も初期状態に対して略110度回動し、その回動に連動して連動ギヤ309も反時計回り方向側に回動する。この連動ギヤ309の回動により可変抵抗器307の抵抗値が初期状態に対して最小または最大の値に変化し、その抵抗値に応じた発射力として遊技球の発射力は最大となり、遊技球が遊技領域23aの右側を流下する右打ち操作状態となる。この状態において、連動ギヤ309は、初期状態に対して略220度回動することとなり、操作ハンドル47を45度回動操作した状態において、調整操作レバー334を操作した場合と同じ状態に連動ギヤ309が配置される。
遊技者が左打ち操作状態から右打ち操作状態へ切り替え操作をする場合には、左打ち操作状態に対して操作ハンドル47を更に回動操作しても良いし、または、調整操作レバー334を操作して右打ち操作状態とすることもできる。また、左打ち操作状態と右打ち操
作状態との間の発射力とする場合には、左打ち操作状態に対して操作ハンドル47の回動量または調整操作レバー334の調整操作部431の押し込み量を最大より少なく調整する。連動ギヤ309の回動量が最大回動量より少なくなるため、その連動ギヤ309の回動量が減少した分、弱められた発射力で遊技球が発射される。遊技者は、右打ち操作状態が必要となった場合に、操作ハンドル47または調整操作レバー334のうち、自身が操作しやすい一方の操作方法で右打ち操作状態を選択実施することができ、遊技者にとって操作性の良い発射操作が可能なパチンコ機10とすることができる。
遊技者が操作ハンドル47を最大に回動操作したハンドル最大操作状態において、調整操作部431を押し込み操作した場合には、図22(b)に示すように、前側ギヤ454は調整伝達部材335の歯部443の噛み合い位置の移動に伴って回動するものの、後側ギヤ455は最大回動量に達しているため、それ以上の回動をすることができない。このため、後側ギヤ455に対して前側ギヤ454が正面視時計回り方向側に相対的に回動することとなり、ギヤ付勢バネ456のねじり量が次第に増大することとなる。すなわち、中央ギヤユニット308を前後2つのギヤ454,455で形成し、操作ハンドル47が一定量以上に操作された状態で調整操作レバー334が調整操作された場合については、一部の操作が連動ギヤ309に伝達されずに連動ギヤ309が一定量以上に回動しない構成とされている。よって、従来と同様の可変抵抗器307の回動量の設定およびその抵抗値の検出に応じた発射制御としても、調整操作部431による右打ち操作状態の発射操作を実現することができる。
上記した発射操作装置45によれば、以下の効果を奏する。
操作ハンドル47には、停止操作レバー333と調整操作レバー334とが一体化して設けられている。このため、操作ハンドル47の回動操作に伴って停止操作レバー333および調整操作レバー334が移動する。操作ハンドル47の初期状態と各操作状態とにおいて、指掛け部351〜354に対して各操作レバー333,334の相対位置が変化しないため、操作ハンドル47の回動量に関わらず、一定の指の移動で各操作レバー333,334を操作することができ、操作ハンドル47と各操作レバー333,334の操作性を好適なものとすることができる。
ハンドルカバー332の正面視で複数箇所に凹み部373,374を設けて、停止操作レバー333と調整操作レバー334とを前後に重なることなく正面視で別位置に配置して一体化している。このため、操作ハンドル47としての前後方向における厚みを少なくすることができ、操作ハンドル47を小型にして手の小さな遊技者でも容易に把持可能な操作ハンドル47とすることができる。
操作ハンドル47において停止操作レバー333および調整操作レバー334の前後には、ハンドル本体331とハンドルカバー332とが位置し、これら操作レバー333,334は、ハンドル本体331とハンドルカバー332との間部分から側方に貫通する貫通穴を通じて内外に連続する形状とされている。このため、各操作レバー333,334の開口が操作ハンドル47単体として貫通する穴形状の開口となり、操作ハンドル47の前側または後側に開口するコ字状の開口を形成して各操作レバーを配置するよりも、隙間を少なく設定することができ、不正な工具や異物の発射操作装置45内部への侵入を困難なものとすることができる。
停止操作レバー333および調整操作レバー334は、操作ハンドル47の回動中心軸を基準として、一方側に調整操作レバー334が設けられ、その反対側に停止操作レバー333が設けられている。そして、操作ハンドル47は、半周より少ない略110度の回動操作量に動作範囲が設定されているので、停止操作レバー333と調整操作レバー33
4とに連動する部位を操作ハンドル47の回動中心軸と同軸に設けられる支持軸453を基準とした両側に配置することができる。すなわち、連動ギヤ309と、停止操作伝達部材401の操作受け部413とを支持軸453の両側にそれぞれ配置することができる。よって、停止操作レバー333および調整操作レバー334に連動する部材を操作ハンドル47の回動中心軸に近い一定範囲内に配置しやすくして、操作ハンドル47および操作ベース46を小型に形成することができる。
操作ハンドル47の回動中心軸に対して離間する方向側に突出する第2指掛け部352におけるハンドル用バネ304の付勢力が作用する正面視反時計回り方向とは逆方向である時計回り方向を向いた面側に、遊技者によって操作ハンドル47の回動操作とは別の操作をするための調整操作部431が設けられている。このため、遊技者は、ハンドル用バネ304の付勢力に抗する方向側へ操作ハンドル47の操作力を付加しつつ、その操作力を付加した状態で、その操作力とは反対方向側へ調整操作部431を操作することとなる。遊技者自身の手で操作ハンドル47と調整操作部431とに対して互いに反対方向側への力を付加して操作することとなるので、調整操作部431に対する操作力に対しての対抗力の調整が容易であり、且つ、その対抗力は元々操作ハンドル47に対して力を加えている方向と同一方向である。よって、操作ハンドル47の回動方向とは異なる方向側へ操作力を付加して調整操作部431を操作する場合に比べて、操作ハンドル47の回動位置を変化させることなく、調整操作部431に容易に操作力を付加することができる。
操作ハンドル47の第2指掛け部352に対して遊技者が操作ハンドル47を回動操作する際に力を加える面側は、ハンドル用バネ304の付勢力が作用する反時計回り方向側を向く面であり、この面側とは逆側を向く面側に調整操作部431が設けられている。このため、操作ハンドル47に対しての操作性は、従来品と比べて低下することがなく、また、操作ハンドル47の見栄えを従来に近いものとして遊技者にとって違和感の少ない操作ハンドル47に調整操作部431を付加することができる。よって、従来通りの操作を望む遊技者は、従来と同様に操作ハンドル47の回動操作量を変化させて左打ち操作状態および右打ち操作状態を切り替えることができ、調整操作部431の付加に伴う操作性の低下をまったく生じない発射操作装置45とすることができる。
調整操作部431は、第2指掛け部352の突出先端部側で回動可能に支持され、初期状態に対して調整操作部431の押し込み操作量が増大するほど、次第にハンドル用バネ304の付勢力が作用する反時計回り方向とは逆方向である時計回り方向側を向くように調整操作部431の正面視における外面が位置することとなる。調整操作部431が設けられる調整操作レバー334は、調整伝達部材335とハンドル本体331との間に設けられるねじりコイルバネによる反力が作用し、この反力はコイルバネの特性により調整操作部431の操作量が増大するほどに大きくなるが、調整操作部431に対する操作力が増大する場合ほど、操作ハンドル47の回動操作方向側に調整操作部431の外面が向くこととなる。遊技者は、右手の親指で操作ハンドル47に時計回り方向側の力を加えつつ、人差し指または中指を親指のある側へ摘むように力を加えて調整操作部431を操作することとなり、親指と、人差し指または中指とに均等に力が増大するように操作ハンドル47と調整操作部431に力を加えて、調整操作部431の操作量だけを容易に変化させることができる。この操作を容易にすることで、操作ハンドル47の回動操作方向側の位置ずれを最小限に抑えることができ、左打ち操作状態と右打ち操作状態との切り替え時において、元々遊技者が好適だと考えて操作していた発射位置に容易に復帰操作することができる。
調整操作部431は、初期状態において上方側に突出する第2指掛け部352に設けられ、この第2指掛け部352は、第1指掛け部351に対して正面視時計回り方向に略80度回動した位置に設けられている。この第2指掛け部が設けられる位置は、第1指掛け
部351に親指を掛けて操作ハンドル47を回動操作する場合に、人差し指または中指が位置しやすい部位であり、この部位に調整操作部431が設けられることで、第1指掛け部351に親指を掛けた状態で調整操作部431を人差し指または中指で容易に操作することができる。
調整操作部431は、操作ハンドル47の回動中心軸に対して近づく方向側に動作可能に設けられ、停止操作部381は、操作ハンドル47の回動中心軸に対して調整操作部431とは逆側に設けられ、調整操作部431に近づく方向側へ向けて動作可能に設けられている(図14参照)。このため、左打ち操作状態に対して調整操作部431を押し込んだ調整操作状態として右打ち操作状態とし、その操作状態で停止操作部381を押し込むと、調整操作部431を操作した指と停止操作部381を操作した指とによって操作ハンドル47の外周を挟んだ状態となり、回動中心に向かって両側から大きな力が作用することとなる。そして調整操作部431と停止操作部381との相対位置は、操作ハンドル47の回動量に関わらず、一定の位置関係とされている。従って、操作ハンドル47の回動量に関わらず、調整操作状態における停止操作によって操作ハンドル47の回動方向への操作力が生じにくく、操作ハンドル47の操作位置が遊技者の意図に反して移動しにくい操作性の良好な発射操作装置45を提供することができる。
ここで、調整操作部431の外面が正面視で凹んだ形状とされ、その凹んだ部位を形成する面は、その面に垂直な仮想線として停止操作部381に向かう仮想線L1を形成する部位と、第1指掛け部351における反時計回り方向側を向く面に向かう仮想線L2を形成する部位とを有する連続した曲面形状とすることが好ましい(図14(a)参照)。これにより、調整操作部431の外面を1本の指で操作する場合に、操作位置を移動させることなく、調整操作部431に対する調整操作中には必ず操作中となる操作ハンドル47に対する回動操作と、調整操作中における停止操作部381に対する停止操作が、いずれも操作し易いものとすることができる。
発射操作装置45の内部空間において、停止操作レバー333と、発射止めスイッチ306との間には停止操作伝達部材401の操作受け部413が設けられている。また、調整操作レバー334と、可変抵抗器307との間には内部カバー部材402が設けられている(図18(b)参照)。すなわち、操作ベース46の内部空間において、各操作レバー333,334と、操作ベース46に設けられて各操作レバー333,334に対する操作を電気的に検出する検出手段としての発射止めスイッチ306および可変抵抗器307との間が、停止操作伝達部材401の操作受け部413および内部カバー部材402によって仕切られた状態とされている。このため、操作ハンドル47に形成される各操作レバー333,334用の開口から異物を挿入しても、その異物が検出手段に達することを抑制することができる。例えば、不正な信号を入力するための配線を差し入れて、発射力や発射間隔を変化させて不正に遊技球が入賞口等に入賞しやすくなるような不正行為や、悪戯として飲み物を流し込んで検出手段としての発射止めスイッチ306や可変抵抗器307が故障するといった不正行為を防止することができる。
停止操作伝達部材401の操作受け部413および内部カバー部材402は、操作ハンドル47の回動軸方向視において、操作ベース46の内部空間における左右両側の領域に重ならないようにして別々に配置されている(図20(a)参照)。また、停止操作伝達部材401の操作受け部413および内部カバー部材402は、操作ハンドル47の回動中心軸の軸方向において、一部が同一となる前後位置となるようにして設けられている(図18(b)参照)。このため、操作ベース46の前後方向における空間を2つの部材によって前後に仕切ることができ、各操作レバー333,334に対する検出手段としての発射止めスイッチ306および可変抵抗器307に対する不正行為を防止しつつ、発射止めスイッチ306および可変抵抗器307を操作ハンドル47の回動中心軸に近づけて配
置することができ、操作ベース46の外形を小さく、また、前後寸法を短く小型に形成することができる。従って、操作ベース46の外形の大型化に伴う操作ハンドル47の大型化を防止し、且つ、回動操作とは別の停止操作および調整操作が可能であって遊技者が把持し易い操作ハンドル47とすることができる。
停止操作伝達部材401の操作受け部413は、停止操作レバー333の押し込み操作に対して後側に移動し、操作ハンドル47の回動中心軸の軸方向に沿って動作可能とされている。発射止めスイッチ306は、停止操作レバー333に対する操作に連動する操作受け部413の動作を検出して、停止操作レバー333に対する操作を検出する。このため、操作ベース46の内部空間が操作受け部413によって前後に仕切られた状態が操作受け部413の動作前後において維持されることとなる。よって、操作受け部413によって操作ベース46の内部空間が仕切られる範囲を広く形成することができ、不正行為の影響を一層受けにくくすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記実施形態においては、操作ハンドル47の第2指掛け部352に設けた調整操作部431は発射力を調整操作するための操作部として設けたが、必ずしも第2指掛け部352に調整操作をするための操作部を設ける必要はなく、調整操作レバー334に対して遊技者によって入力操作が行われることで表示画面94aの表示内容に作用して表示演出の内容を選択操作したり、表示演出の表示時期を決定したりする操作スイッチの操作部としても良く、この場合には、上記実施形態における発射止めスイッチ306を操作スイッチとして表示内容を制御する制御装置に接続しても良く、または、調整操作レバー334に対する操作により遊技球の発射が停止する停止操作部としても良いし、球貸し用のカードユニットに対する球貸し操作やカードの返却操作等のための他の操作部としても良い。また、停止操作部381と調整操作部431とが逆に設けられ、第2指掛け部352に対する操作によって停止操作が行われ、操作ハンドル47の初期状態における左下側部分に対する操作によって調整操作が行われることとしても良い。また、停止操作部381は、操作ハンドル47に必ずしも設ける必要はなく、操作ベース46等、別の部位に設けられても良い。
上記実施形態においては、調整操作部431は、初期状態において上方側に突出する第2指掛け部352の右側部分に設けられていたが、第3指掛け部353の右側部分等、他の指掛け部に設けられても良い。また、第2指掛け部352は、第1指掛け部351に対して、発射操作装置の正面視時計回り方向に略80度回動した位置に設けられていたが、その角度以外の位置に設けられても良い。ただし、遊技者が第1指掛け部351の親指を掛けた状態で調整操作部431を他の指で操作する場合に、片手で摘むような操作によって調整操作を容易に実行可能なように、調整操作部431が設けられる指掛け部は、第1指掛け部に対して、時計回り方向側に略50度から略130度離間した範囲内に設けられることが好ましく、更には、略70度から110度離間した範囲内に設けられることが好適である。
上記実施形態においては、操作ハンドル47の回動量は、略110度に設定したが、必ずしも略110度に設定する必要はないものの、半周以下、すなわち180度以下に設定することが、停止操作レバー333と調整操作レバー334といった複数の操作部を操作ハンドル47に一体化して設け、その操作を電気的に検出するセンサを操作ベース46に設ける場合に好ましい。操作ハンドル47および操作ベース46を小型に形成しつつ、操
作ベース46の内部空間を各操作部の操作を検出する領域として左右等に別々に形成して、内部空間を有効活用することができる。
上記実施形態においては、調整操作部431は、第2指掛け部352の先端部を中心に回動する支持構造とされていたが、調整操作部431は、必ずしも回動するものでなく、直線的にスライド移動する支持構造としても良い。この場合に、調整操作部431がスライド移動する方向は、操作ハンドル47に対してハンドル用バネ304による付勢力が作用する方向と同一又は同一側の方向とすることが操作ハンドル47に対する回動操作中における調整操作を容易にすることができて好ましく、また、通常位置に対して操作することで停止操作部381に近づく方向に設定することが調整操作中における停止操作を容易にすることができて好ましく、また、第1指掛け部351に近づく方向に設定することが操作ハンドル47の操作中における調整操作を容易にすることができて好ましい。
上記実施形態においては、左側領域PE1と右側領域PE2とのうち、一方側への遊技球の発射により、上作動口83a、スルーゲート84および可変入賞装置82等の入賞口への遊技球の入球がし易くなる配置および釘等の設定とされたが、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記した側とは反対側へ遊技球を流下させた場合に、スルーゲート84等の各入賞口等へ遊技球が入賞する構成としても良いし、下側領域PE3には各入賞口等を設けず、左側領域PE1および右側領域PE2に各入賞口の全てを配置していずれか一方側に遊技球を流下させてその方向側に設けられる入賞口等に選択的に遊技球が入賞する構成としても良い。
上記実施形態においては、初期状態において調整操作レバー334に対して調整操作をした場合に遊技球が発射されない構成としたが、初期状態において調整操作レバー334に対して調整操作をした場合に遊技球が発射される構成としても良く、例えば、停止操作伝達部材401の突出片413cおよびハンドルカバー332の後側突部377の少なくとも一方を設けないようにして上記機能を実現しても良い。
上記実施形態においては、中央ギヤユニット308により、操作ハンドル47が一定量以上回動操作された状態において調整操作レバー334が調整操作された場合に連動ギヤ309が回動しない構成としたが、必ずしも中央ギヤユニット308にて前後2つのギヤを重なるようにして一定量以上の回動操作が伝達されない構成とする必要はなく、他の部位で回動操作が伝達されない構成を設けても良い。例えば、連動ギヤ309の前側にねじりコイルバネを介して他のギヤを配置することで、中央ギヤユニット308における前後のギヤ454,455と同様の構成を設けて一定量以上の回動操作が伝達されない構成としても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定される
ものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴A群>
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される(例えば、特開2006−305079号参照)。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動操作量を調整し、所望の飛距離となる回動操作位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
しかしながら、遊技球の発射操作は、遊技者が長時間にわたって実施するものであり、操作性が一層高められて遊技者の利便性が高められることが好ましいものの、その改良が難しいという問題点がある。
<特徴A1>
遊技者によって回動操作される回動操作部材(操作ハンドル47)と、
該回動操作部材を一方の回動方向側へ付勢する付勢手段(ハンドル用バネ304)と、を備えた遊技機において、
前記回動操作部材には、該回動操作部材の回動中心軸に対して離間する方向側に突出する突出部(第2指掛け部352)が設けられ、
該突出部における前記付勢手段の付勢力が作用する方向とは逆方向を向いた面側に、遊技者によって前記回動操作とは別の操作をするための第2操作部(調整操作部431)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A1記載の遊技機によれば、遊技球を発射させる場合の操作性を高めることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、突出部における付勢手段の付勢力が作用する方向とは逆方向を向いた面側に、遊技者によって回動操作部材の回動操作とは別の操作をするための第2操作部が設けられている。このため、遊技者は、付勢手段の付勢力に抗する方向側へ回動操作部材の操作力を付加しつつ、その操作力を付加した状態で、その操作力とは反対方向側へ第2操作部を操作することとなる。遊技者自身の手で回動操作部材と第2操作部とに対して互いに反対方向側への力を付加して操作することとなるので、第2操作部に対する操作力に対しての対抗力の調整が容易であり、且つ、その対抗力は元々回動操作部材に対して力を加えている方向と同一方向である。よって、回動操作部材の回動方向とは異なる方向側へ操作力を付加して第2操作部を操作する場合に比べて、容易に第2操作部に対して操作力を付加することができるという効果がある。
また、従来、回動操作部材には突出部が設けられて回動操作部材の操作性を容易とすることが多いものの、特徴A1記載の遊技機によれば、回動操作部材の突出部に対して遊技者が力を加える部位とは別の部位に第2操作部が設けられる。このため、回動操作部材に対しての操作性を従来と同等とし、また、回動操作部材の見栄えを従来に近いものとして遊技者にとって違和感の少ない回動操作部材に第2操作部を付加することができる。
<特徴A2>
前記第2操作部は、通常位置と、該通常位置に対して前記付勢手段の付勢力が作用する方向と同一の方向側に移動する操作位置との間を移動可能であって前記通常位置側に向かう付勢力が付与されていることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載の遊技機によれば、遊技者の親指と、親指以外の人差し指または中指等に均等に力が増大するように第2操作部に力を加えて、第2操作部だけを容易に操作することができる。この操作を容易にすることで、回動操作部材の回動操作方向側の位置ずれを最小限に抑えることができ、遊技者の意図する発射位置に容易に発射操作することができる。
<特徴A3>
前記第2操作部は、前記回動操作部材の回動中心軸と同一方向側に延び、前記突出部の先端側を中心に回動可能に設けられ、前記第2操作部の操作量の増大に伴って次第に前記付勢手段の付勢力が作用する方向と反対方向側に該第2操作部の外面が向く構成とされていることを特徴とする特徴A2記載の遊技機。
特徴A3記載の遊技機によれば、突出部の形状を利用して第2操作部の支持構造を形成することができ、従来の回動操作部材との外見をほとんど変えることなく、回動操作部材および第2操作部の操作性を高めることができる。
<特徴A4>
遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技手段(遊技盤23)と、
前記遊技領域内に向けて遊技球を発射する発射手段(ソレノイド111)と、を備え、
前記遊技手段は、前記遊技領域の入口に近い側と、該入口から離れた側とに遊技球を分岐させる分岐部材(センターフレーム95)を備え、
前記回動操作部材は、回動量に応じて遊技球の発射力を変化させる回動操作が行われる部材であって遊技機の左右方向における一方側の下側角部に設けられ、
前記突出部は、前記回動操作が行われていない状態で前記遊技機の左右方向における中央側に突出し、前記遊技球が前記遊技領域の入口に近い側を流下する発射力とする場合に次第に遊技機の上方側へ移動する第1突出部(第1指掛け部351)と、
該第1突出部より前記回動動作部材の回動中心軸方向視において前記遊技機の左右方向における外側に略50度から130度離間した範囲内に設けられた第2突出部(第2指掛け部352)とを有し、
前記第2操作部は、前記第2突出部の一部外面を形成するようにして設けられ、前記遊技領域の入口に近い側に対して遊技球が発射されるように操作された状態において操作された場合に前記遊技領域の入口から離れた側に遊技球が発射される調整操作をするための部位であることを特徴とする特徴A1からA3記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、第2操作部によって調整操作を実行することができ、この調整操作は、遊技機の左右方向における中央側に突出する第1突出部に親指を掛けて、第2突出部に相当する部位に人差し指または中指を掛けつつ回動操作部材に対して操作を実行して、複数の指を突出部に掛けて安定した発射操作を行うことができる。また、第1突出部に親指を掛けつつ、第2操作部に対して人差し指または中指を当てて調整操作を行うことで、親指と、人差し指または中指を近づける摘むような操作により調整操作を行うことができる。この配置に対しての操作により、回動操作部材に対しての回動操作と、調整操作とを容易に行うことができる。
なお、第1突出部に対して第2突出部が離間した範囲とは、第1突出部における付勢手段の付勢力が作用する方向側を向いた面を基準として、回動操作部材の回動中心に対して第2突出部における付勢手段の付勢力が作用する方向側を向いた面が位置する部位まで離間した角度の範囲としても良い。また、第2突出部は、第1突出部より回動動作部材の回動中心軸方向視において前記遊技機の左右方向における外側に略70度から110度離間した範囲内に設けられることが更に好ましい。
<特徴B群>
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される(例えば、特開2006−305079号参照)。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動操作量を調整し、所望の飛距離となる回動操作位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
しかしながら、遊技球の発射操作は、遊技者が長時間にわたって実施するものであり、操作性が一層高められて遊技者の利便性が高められることが好ましいものの、その改良が難しいという問題点がある。
<特徴B1>
遊技者によって回動操作される回動操作部材(操作ハンドル47)を備えた遊技機において、
前記回動操作部材の回動中心軸に対して一方側に設けられると共に、該回動操作部材と一体的に動作可能に設けられ、該回動操作部材に対して相対的に変位可能であって遊技者によって操作可能な第1操作部材(停止操作レバー333)と、
前記回動操作部材の回動中心軸を基準として前記第1操作部材が設けられる側とは逆側に設けられると共に、該回動操作部材と一体的に動作可能に設けられ、該回動動作部材に対して相対的に変位可能であって遊技者によって操作可能な第2操作部材(調整操作レバー334)とを備え、
該第2操作部材は、前記第1操作部材に対して前記回動操作部材の回動中心軸に沿った軸方向において少なくとも一部が同一位置に配置され、
前記回動操作部材は、半周より少ない回動操作量に動作範囲が設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1記載の遊技機によれば、複数の操作部材が回動操作部材と一体的に動作可能に設けられるので、回動操作部材の初期状態および各操作状態において、回動操作部材と複数の操作部材との相対位置が変化しない。よって、回動操作部材の回動量に関わらず、各操作部材の操作性を一定にすることができ、遊技者にとって各操作部材に対する操作がし易く、わかりやすい操作性を提供することができる。
また、複数の操作部材は、回動操作部材の回動中心軸を基準として、一方側に第1操作部材が設けられ、その反対側に第2操作部材が設けられる。そして、回動操作部材は、半周より少ない回動操作量に動作範囲が設定されているので、第1操作部材と第2操作部材とに連動する部材を回動操作部材の回動中心軸を基準とした両側に配置することができる。よって、複数の操作部材を設けても回動操作部材としての厚みを少なくすることができ、また、複数の操作部材に連動する部位を回動操作部材の回動中心軸に近い一定範囲内に配置しやすくして、回動操作部材を小型に形成することができる。従って、複数の操作部材を有する回動操作部材を大型化せずに形成して、手の小さな遊技者でも発射操作がし易い遊技機を提供することができる。
<特徴B2>
前記第1操作部材は、遊技者によって操作される部位であって前記回動中心軸に対して近づく方向側に動作可能に設けられた第1操作部(停止操作部381)を有し、
前記第2操作部材は、遊技者によって操作される部位であって前記回動中心軸に対して近づく方向側であって前記第1操作部に近づく方向側へ動作可能に設けられた第2操作部(調整操作部431)を有していることを特徴とする特徴B1記載の遊技機。
特徴B2記載の遊技機によれば、第1操作部と第2操作部とが互いに回動操作部材の回動中心軸に近づく方向側に動作可能とされているので、第1操作部を操作した指と、第2操作部を操作した指とで回動操作部材の外周部分を挟んだ状態とすることができる。よって、第1操作部を操作している状態で第2操作部を操作することで回動操作部材の回動中心方向側に両側から大きな力を作用させることができ、回動操作部材の回動方向側への操作力が生じにくく、回動操作部材の操作位置が遊技者の意図に反して移動しにくい操作性の良好な遊技機を提供することができる。
<特徴B3>
遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技手段(遊技盤23)と、
前記遊技領域内に向けて遊技球を発射する発射手段(ソレノイド111)と、を備え、
前記遊技手段は、前記遊技領域の入口に近い側と、該入口から離れた側とに遊技球を分岐させる分岐部材(センターフレーム95)を備え、
前記回動操作部材は、回動量に応じて遊技球の発射力を変化させる回動操作が行われる部材であって遊技機の左右方向における一方側の下側角部に設けられ、
前記第1操作部材は、遊技球が発射操作されている状態において操作された場合に遊技球の発射を停止する停止操作をするための部材であり、
前記第2操作部材は、前記遊技領域の入口に近い側に対して遊技球が発射されるように操作された状態において操作された場合に前記遊技領域の入口から離れた側に遊技球が発射される調整操作をするための部材であることを特徴とする特徴B1またはB2記載の遊技機。
特徴B3記載の遊技機によれば、停止操作をするための第1操作部材と、調整操作をするための第2操作部材とが回動操作部材の回動操作に連動するので、回動操作部材の回動操作量に関わらず、一定の指の移動で各操作部材を操作することができ、回動操作部材と各操作部材の操作性を好適なものとすることができる。また、停止操作及び調整操作をするための各操作部材およびそれに関する部材を回動操作部材の回動中心軸に近い位置にまとめて配置し、回動操作部材を大型化しないで発射操作に関する操作を好適に行うことができる遊技機を提供することができる。
<特徴C群>
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技機本体の前面部に発射操作装置を備えており、発射操作装置が操作されることで発射装置が動作し、遊技領域の上部に遊技球が発射される(例えば、特開2006−305079号参照)。
従来の発射操作装置は、遊技機本体に固定された基部と、発射操作装置の前面部を構成する前面カバーと、これら基部及び前面カバーの間において回動自在に設けられ、遊技球の発射操作に際して回動操作される操作ハンドルと、を備えている。遊技者は、操作ハンドルの回動操作量を調整し、所望の飛距離となる回動操作位置に操作ハンドルを保持した姿勢を維持して遊技を行う。
しかしながら、遊技球の発射操作が行われる部位は、遊技者が長時間にわたって触れている部位であるので、不正な遊技者によって不正行為が実施される可能性があるという問題点がある。
<特徴C1>
遊技者によって回動操作される回動操作部材(操作ハンドル47)と、該回動操作部材を回動可能に支持する支持手段(操作ベース46)とを備えた遊技機において、
前記回動操作部材の回動中心軸に対して一方側に設けられると共に、該回動操作部材と一体的に動作可能に設けられ、該回動操作部材に対して相対的に変位可能であって遊技者によって操作可能な操作部材と、
該操作部材に対する操作を電気的に検出する手段であって前記支持手段側に設けられる検出手段と、
該検出手段と前記操作部材との間を仕切る仕切部材とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1記載の遊技機によれば、不正行為の影響を受けにくい遊技機を提供することができる。すなわち、回動操作部材に設けられる操作部材と、支持手段側に設けられて操作部材に対する操作を電気的に検出する検出手段とが仕切部材によって仕切られるため、操作部材を設けることで形成される開口から異物を挿入しても、その異物が検出手段に達することを抑制することができ、不正行為の影響を受けにくい遊技機とすることができる。
なお、支持手段側に設けられる検出手段とは、支持手段に設けられても良いし、支持手段と一体化される支持手段とは別の部材に設けられても良い。また、支持手段または支持手段とは別の部材によって形成される内部空間に設けられる検出手段としても良い。
<特徴C2>
前記操作部材として、前記回動操作部材の回動中心軸に対して一方側に配置され、遊技球が発射操作されている状態において操作された場合に遊技球の発射を停止する停止操作をするための第1操作部材(停止操作レバー333)と、
前記回動操作部材の回動中心軸に対して前記一方側とは逆側となる他方側に配置され、前記遊技領域の入口に近い側に対して遊技球が発射されるように操作された状態において操作された場合に前記遊技領域の入口から離れた側に遊技球が発射される調整操作をするための第2操作部材(調整操作レバー334)とが設けられ、
前記検出手段は、前記第1操作部材に対応して該一方側を含む前記第1操作部材の動作範囲が位置する側に設けられる第1検出手段(発射止めスイッチ306)と、前記他方側を含む前記第2操作部材の動作範囲が位置する側に設けられる第2検出手段(可変抵抗器307)とを有し、
前記仕切部材として、前記第1検出手段と前記第1操作部材の間に位置する第1仕切部材(停止操作伝達部材401)と、前記第2検出手段と前記第2操作部材の間に位置する第2仕切部材(内部カバー部材402)とが、前記回動操作部材の回動中心軸の軸方向において少なくとも一部が同一位置となるようにして設けられていることを特徴とする特徴C1記載の遊技機。
特徴C2記載の遊技機によれば、支持手段の内部空間の少なくとも一部が2つの仕切部材によって前後に仕切られる。このため、各操作部材に対する操作を検出する検出手段を狙った不正行為を一層抑制することができる。また、検出手段を回動操作部材の回動中心軸に近づけて配置することができ、支持手段の外形を小さくすることができる。さらに、第1仕切部材と第2仕切部材とは、回動操作部材の回動中心軸の軸方向において少なくとも一部が同一位置となるようにして設けられているので、支持手段の前後寸法を短く小型に形成することができる。よって、支持手段の外形の大型化に伴う回動操作部材の大型化を抑制し、且つ、回動操作とは別の操作が可能であって遊技者が把持し易い回動操作部材を備えた遊技機を提供することができる。
<特徴C3>
前記仕切部材の少なくとも一部(停止操作伝達部材401の操作受け部413)は、前
記操作部材(停止操作レバー333)に対する操作に応じて前記回動操作部材の回動中心軸の軸方向に沿って動作可能とされ、
前記検出手段(発射止めスイッチ306)は、前記操作部材に対する操作に連動する前記仕切部材の動作を検出して、前記操作部材に対する操作を検出することを特徴とする特徴C2記載の遊技機。
特徴C3に記載の遊技機によれば、仕切部材の少なくとも一部が回動操作部材の回動中心軸の軸方向に沿って動作可能とされるので、支持手段の内部空間が前後に仕切られた状態が仕切部材の動作前後において維持され、この動作を検出して操作部材に対する操作が検出手段によって検出される。よって、仕切部材に前後に貫通する貫通穴を形成して操作部材に対する操作を検出するより、仕切部材によって仕切られる範囲を広く形成して、不正行為の影響を一層受けにくい遊技機とすることができる。
なお、仕切部材の少なくとも一部が回動操作部材の回動中心軸の軸方向に沿って動作可能とは、仕切部材の一部が回動可能に支持された状態で、支持部から離れた部分が前後に揺動動作するものであっても良いし、仕切部材全体が前後にスライド移動するものであっても良い。
なお、特徴A1〜A4、特徴B1〜B3および特徴C1〜C3に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。