JP2018171329A - マイクロニードル - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤の円滑な投与を可能としたマイクロニードルを提供する。【解決手段】マイクロニードル10は、支持面11Sを有する基体部11と、支持面11Sから突き出た突起部12とを備える。突起部12は、突起部12の内部において突起部12の基端から先端に向けて延びる1つの主流路15mと、主流路15mから突起部12の周面に向けて延びて当該周面に開口する複数の副流路15sとを有し、主流路15mにおける当該主流路15mの延びる方向の両端部のうち、突起部12の基端側の端部は支持面11Sを貫通する開口端であり、突起部12の先端側の端部は閉塞されている。【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤の投与のために用いられるマイクロニードルに関する。
ワクチン等の薬剤を体内に投与する方法として、マイクロニードルを用いる方法が知られている。マイクロニードルは、先端に向かって尖った針形状を有する突起部を基体部の表面に備えている。マイクロニードルを用いる投与方法は、突起部を皮膚に刺すことによって皮膚に孔を形成し、この孔から薬剤を皮内に送り込むことで薬剤を投与する方法である。突起部の長さは、皮膚における真皮層の神経細胞に達しない長さであるため、マイクロニードルを用いる投与方法では、注射針を用いて皮下に薬剤を投与する方法と比べて、皮膚に孔が形成されるときの痛みが抑えられる。
マイクロニードルを用いた薬剤の投与方式の1つでは、突起部の延びる方向に基体部と突起部とを貫通する貫通孔が形成されたマイクロニードルが用いられ、貫通孔を通して液状の薬剤が皮内に投与される(例えば、特許文献1参照)。こうしたマイクロニードルは、例えば、注射針のように注射筒に取り付けられて用いられる。薬剤の投与に際しては、注射筒の備える押子が押されることによって、注射筒の外筒に充填されている薬剤が突起部に向けて押圧され、その結果、薬剤は、貫通孔を通って突起部の先端から出て皮内に入る。
特開2015−70869号公報
ところで、針の先端が皮下に到達する皮下注射と異なり、薬剤が投与されている間、マイクロニードルの突起部の先端は皮内に位置する。この皮内では皮下と比べて密に組織が詰まっていること、突起部の貫通孔の径が一般的な注射針の貫通孔の径と比較して小さいこと、貫通孔の内部に皮膚の組織が入り込む場合があること、これらは、貫通孔から皮内へ薬剤が円滑に流れ出ることを妨げる要因となる。このように皮内への薬剤の円滑な投与が阻害されると、薬剤の押圧に要する力の増大や薬剤の投与に要する時間の増大が生じて薬剤の投与者や被投与者の負担が大きくなったり、皮膚の表面や皮下への薬剤の漏れが生じて皮内に投与される薬剤の量が少なくなったりする。
本発明は、薬剤の円滑な投与を可能としたマイクロニードルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するマイクロニードルは、支持面を有する基体部と、前記支持面から突き出た突起部と、を備え、前記突起部は、前記突起部の内部において前記突起部の基端から先端に向けて延びる1つの主流路と、前記主流路から前記突起部の周面に向けて延びて前記周面に開口する複数の副流路とを有し、前記主流路における当該主流路の延びる方向の両端部のうち、前記突起部の基端側の端部は前記支持面を貫通する開口端であり、前記突起部の先端側の端部は閉塞されている。
上記構成によれば、突起部の周面に開口する複数の副流路を突起部が有するため、突起部に供給された薬剤は、皮内の複数の箇所に分散して放出される。突起部から皮内に放出された薬剤は、細胞が密に詰まった組織内に広がっていくため、1箇所に集中して放出されるよりも、複数の箇所に分散して放出される方が、薬剤が皮内に広がりやすく、突起部から皮内へ薬剤が出るときの抵抗も小さくなる。それゆえ、薬剤の円滑な投与が可能である。
上記構成において、前記副流路の前記開口が区画する領域の重心から前記支持面までの前記支持面と直交する方向に沿った長さが、当該副流路の高さであり、各副流路における前記高さは他の前記副流路における前記高さと互いに異なってもよい。
上記構成によれば、複数の副流路の開口が、支持面と平行な平面上に並ぶことが抑えられる。それゆえ、突起部の長さ方向における特定の位置で突起部の強度が極端に低くなることが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。その結果、突起部の長さに応じた深さまで突起部が皮膚に刺さりやすくなる。
上記構成において、前記支持面と対向する方向から見て、各副流路は、他の前記副流路が前記主流路から延びる方向とは異なる方向に、前記主流路から延びていてもよい。
上記構成によれば、複数の副流路が、突起部の長さ方向に並ぶことが抑えられる。それゆえ、支持面に沿った方向における特定の位置で突起部の強度が極端に低くなることが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。その結果、突起部の長さに応じた深さまで突起部が皮膚に刺さりやすくなる。
上記構成において、前記突起部の周面は、前記支持面に対して傾斜した尖端面と、前記尖端面に繋がる複数の側面とを含み、各副流路は他の前記副流路と異なる前記側面に開口してもよい。
上記構成によれば、複数の副流路の位置の偏りや副流路の数が多くなりすぎることが抑えられる。それゆえ、突起部の強度が過度に低下することが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。その結果、突起部の長さに応じた深さまで突起部が皮膚に刺さりやすくなる。
上記構成において、前記突起部は、前記支持面から延びる柱体形状を有する柱状部と、前記柱状部の頂部から延びて前記突起部の先端に向かって尖る錐状部とを有し、前記副流路は前記錐状部の周面に開口していてもよい。
上記構成によれば、突起部が、先端に向けて尖る錐状部を有していることによって、皮膚に突起部が刺さりやすい。その一方で、突起部が、柱状部を有しているため、突起部によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。そして、副流路が錐状部の周面に開口しているため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高められる。
上記構成において、前記主流路内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が主流路抵抗であり、前記副流路内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が副流路抵抗であり、すべての前記副流路についての前記副流路抵抗の合計は、前記主流路抵抗と等しくてもよい。
上記構成によれば、主流路を流れる薬剤の有するエネルギーが副流路を通るときに大きく損失することが抑えられる。したがって、主流路から副流路へ効率よく薬剤を流すことができる。
本発明によれば、薬剤の円滑な投与を可能とすることができる。
マイクロニードルの一実施形態について、(a)は、正面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図、(b)は、背面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図。 一実施形態のマイクロニードルについて、(a)は、主流路と副流路との斜視構造を示す図、(b)は、副流路の延びる方向に沿った断面での断面構造を示す図。 一実施形態のマイクロニードルの平面構造を示す平面図。 一実施形態のマイクロニードルが注射筒に取り付けられた形態を、注射筒の備える外筒の一部を破断して示す図。 マイクロニードルの他の形態について、(a)は、正面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図、(b)は、背面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図。 他の形態のマイクロニードルについて、主流路と副流路との斜視構造を示す図。 他の形態のマイクロニードルの平面構造を示す平面図。 マイクロニードルの他の形態について、(a)は、正面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図、(b)は、背面側から見たマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図。 他の形態のマイクロニードルについて、主流路と副流路との斜視構造を示す図。 他の形態のマイクロニードルの平面構造を示す平面図。 他の形態のマイクロニードルの平面構造の他の例を示す平面図。 変形例のマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図。 実施例1〜5、および、比較例1のマイクロニードルについて、突起部の強度の評価結果を示す図。
図1〜図11を参照して、マイクロニードルの一実施形態について説明する。
[マイクロニードルの全体構成]
図1(a)および(b)が示すように、マイクロニードル10は、支持面11Sを有する基体部11と、支持面11Sから突き出た突起部12とを備えている。
支持面11Sは、突起部12の基端を支持している。支持面11Sの形状は特に限定されず、支持面11Sは円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。基体部11は、図1に示す例のように平板状であってもよいし、あるいは、支持面11Sから突起部12とは反対方向に延びる筒状であってもよい。基体部11は、基体部11の外周部等に、マイクロニードル10に液状の薬剤を供給するための器具とマイクロニードル10とを接続するための溝や突起等の構造を有していてもよい。
突起部12は、支持面11Sから延びる柱体形状を有する柱状部13と、柱状部13の頂部から延びる錐体をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有する錐状部14とから構成される。
詳細には、柱状部13は、四角柱形状を有し、支持面11S内に区画された正方形形状の底面から延びる4つの側面13Dを備える。側面13Dは、支持面11Sに直交している。また、錐状部14は、四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有しており、4つの側面14Dと、これらの側面14Dの各々と辺を共有して繋がる1つの尖端面14Tとを備えている。
側面14Dは、支持面11Sに対して傾斜しており、1つの側面14Dは、1つの側面13Dと1辺を共有している。尖端面14Tもまた、支持面11Sに対して傾斜しており、尖端面14Tに含まれる辺は、いずれも、支持面11Sに対して傾斜している。図1に示す例では、尖端面14Tが有する頂点のなかで最も基体部11に近い頂点、すなわち、最も突起部12の基端側に位置する頂点は、錐状部14における基端側の端部、すなわち、柱状部13と接する端部に位置している。こうした構成においては、尖端面14Tにおける最も基体部11に近い頂点を尖端面14Tと共有する側面14Dは、三角形形状を有する。
尖端面14Tは、最も基体部11に近い頂点と最も基体部11から離れた頂点とを結ぶ直線に対して線対称な形状を有し、最も基体部11から離れた頂点が、突起部12の尖端の点である尖端点Pを構成している。
突起部12の周面は、上記4つの側面13Dと、4つの側面14Dと、尖端面14Tとから構成される。突起部12の支持面11Sからの長さは、尖端点Pにて最も大きくなっている。
突起部12は、その内部に、突起部12の基端から先端に向けて延びる1つの主流路15mと、主流路15mから突起部12の周面に向けて延びる複数の副流路15sとを有している。主流路15mと副流路15sとは互いに連通し、主流路15mおよび副流路15sの各々は、突起部12の内部に、流体を流すことの可能な空間を区画している。主流路15mは支持面11Sを貫通してマイクロニードル10の外部と連通し、副流路15sは突起部12の周面に開口している。図1は、突起部12が2つの副流路15sを有する例を示している。
マイクロニードル10の備える突起部12の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。マイクロニードル10が1つの突起部12を備える場合、突起部12は支持面11Sの中央に位置することが好ましい。また、マイクロニードル10が複数の突起部12を備える場合、複数の突起部12は、支持面11S上に、例えば、格子状や、円形状や、同心円状に配列される。
[流路の詳細構成]
図2および図3を参照して、主流路15mおよび副流路15sの詳細な構成について説明する。図2(a)は、主流路15mおよび副流路15sの外形を実線で示し、突起部12の外形を二点鎖線で示す図であり、図2(b)は、主流路15mの中心を通る直線を境界として各副流路15sの延びる方向に沿った突起部12の断面を示す図である。
図2が示すように、主流路15mは、突起部12の中央部に位置し、突起部12の長さ方向、すなわち、支持面11Sと直交する方向に沿って延びている。主流路15mの延びる方向における両端部のうち、突起部12の基端側の端部は開口端である。例えば、主流路15mは、基体部11を貫通して基体部11における支持面11Sとは反対側の面に開口している。一方、主流路15mの延びる方向における両端部のうち、突起部12の先端側の端部は、閉塞されている。すなわち、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部は、突起部12の尖端面14Tに達していない。
副流路15sは、突起部12の幅方向、すなわち、支持面11Sと平行な方向に沿って延びている。副流路15sの延びる方向における両端部のうち、一方の端部は主流路15mに接続し、他方の端部は、突起部12における錐状部14の側面14Dに開口している。複数の副流路15sの各々は、4つの側面14Dのうちの互いに異なる面に開口している。換言すれば、1つの側面14Dに開口する副流路15sの数は1以下である。尖端面14Tおよび柱状部13の側面13Dは、流路の端部である開口を有していない。
主流路15mと副流路15sとによって、突起部12の内部には、主流路15mの開口端から副流路15sの開口へ向かう流体の流路が形成されており、この流路は、主流路15mと副流路15sとの接続部分で折れ曲がっている。
主流路15mおよび副流路15sの各々について、各流路の延びる方向と直交する断面において各流路が区画する領域は円形状を示す。主流路15mの延びる方向と直交する断面において主流路15mが区画する領域の面積が主流路面積Msであり、1つの主流路15mにおいて、主流路面積Msは一定である。各副流路15sについて、副流路15sの延びる方向と直交する断面において副流路15sが区画する領域の面積が副流路面積Ssであり、1つの副流路15sにおいて、副流路面積Ssは一定である。また、各副流路15sの副流路面積Ssは等しいことが好ましい。
主流路15m内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が主流路抵抗Mrであり、副流路15s内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が副流路抵抗Srであるとき、すべての副流路15sについての副流路抵抗Srの合計は、主流路抵抗Mrと等しいことが好ましい。具体的には、すべての副流路15sについての副流路面積Ssの合計は、主流路面積Msと等しい、もしくは、副流路抵抗Srの合計と主流路抵抗Mrとが等しいとみなせる程度に近接していることが好ましい。
副流路15sから皮内へ薬剤を円滑に放出するためには、副流路面積Ssは300μm以上であることが好ましく、700μm以上であることがより好ましい。また、副流路面積Ssは、8000μm以下であることが好ましく、2000μm以下であることがさらに好ましい。副流路面積Ssが8000μm以下であれば、ヒトはもちろん、試験として小動物を投与対象とする場合でも、皮膚の厚さに対する副流路15sの開口の大きさが大きすぎないため、皮内への薬剤の的確な投与が可能である。
突起部12の長さLtは、突起部12の長さ方向、すなわち、支持面11Sと直交する方向における支持面11Sから突起部12の尖端点Pまでの長さである。突起部12の長さLtは、皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ、皮下へ到達しない長さであることが好ましく、具体的には200μm以上2000μm以下であることが好ましい。
また、柱状部13の長さLcは、突起部12の長さ方向における支持面11Sから柱状部13の頂部までの長さであり、柱状部13の長さLcは、突起部12の長さLtの1/20以上1/2以下であることが好ましい。
突起部12の幅Wtは、突起部12の幅方向、すなわち、支持面11Sと平行な方向における突起部12の最大の長さである。つまり、突起部12の幅Wtは、支持面11S内に区画された突起部12の底面が示す正方形の対角線の長さである。突起部12の幅Wtは、150μm以上1000μm以下であることが好ましい。
主流路15mの高さHmは、突起部12の長さ方向における支持面11Sからの主流路15mの長さであり、すなわち、支持面11Sから、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部までの長さである。主流路15mの高さHmは、突起部12の長さLtよりも小さい。
副流路15sの高さHsは、突起部12の長さ方向における支持面11Sから副流路15sの開口の中心Cまでの距離である。開口の中心Cは、開口が区画する領域が示す図形の重心であり、副流路15sの延びる方向と直交する各断面において副流路15sが区画する領域の重心を通る線上に位置する。例えば、副流路15sが上記各断面において円形であり、副流路15sが円筒形状である場合には、上記円の中心を通る線、すなわち、上記円筒の中心軸の端部に、副流路15sの開口の中心Cが位置する。
複数の副流路15sの高さHsは互いに異なる。複数の副流路15sにおける高さHsのなかで、最も小さい高さHs、すなわち、最も支持面11Sの近くに位置する副流路15sの高さHsは、100μm以上であることが好ましい。換言すれば、最も支持面11Sに近い副流路15sの中心Cと、支持面11Sとは、100μm以上、離れていることが好ましい。最も小さい高さHsが100μm以上であれば、突起部12に供給された薬剤が、突起部12における支持面11Sの付近、すなわち、皮膚の表面に近い部位から流れ出ることが抑えられる。そのため、皮内に投与すべき薬剤が皮膚の表面に漏れ出ることが抑えられる。なお、複数の副流路15sにおける高さHsのなかで、最も小さい高さHs、すなわち、最も支持面11Sの近くに位置する副流路15sの高さHsは、700μm以下であることが好ましい。
なお、各副流路15sが占める領域が、他の副流路15sが占める領域と突起部12の長さ方向の位置が一致する部分を含んでいないこと、換言すれば、各副流路15sが占める領域の全体は、他の副流路15sが占める領域の全体と、突起部12の長さ方向の位置が異なることが好ましい。
複数の副流路15sにおける高さHsのなかで、最も大きい高さHs、すなわち、最も支持面11Sから離れた副流路15sの高さHsは、主流路15mの高さHmよりも小さい。そして、最も支持面11Sから離れた副流路15sは、主流路15mと接続される端部において、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部よりも、突起部12の基端側に位置することが好ましい。換言すれば、突起部12の長さ方向において、主流路15mは、最も支持面11Sから離れた副流路15sを越えて突起部12の先端側へ延び、この副流路15sと主流路15mとの接続部分には、段差部16が形成されていることが好ましい。
こうした構成であれば、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部と同じ高さから副流路15sが延びる構成と比較して、主流路15mの後に副流路15sを形成する方法によってマイクロニードル10を製造する場合に、主流路15mと副流路15sとの位置合わせに高い精度が必要とされない。
図3が示すように、支持面11Sと対向する方向から見て、突起部12の尖端点Pは、尖端面14Tの縁部に位置する。そして、支持面11Sと対向する方向から見て、複数の副流路15sは、主流路15mから互いに異なる方向に延びている。すなわち、複数の副流路15sは、突起部12の長さ方向に重なっていない。なお、副流路15sの延びる方向は、主流路15mの中心Eから副流路15sの開口の中心Cに向かう方向である。また、支持面11Sと対向する方向から見て、複数の副流路15sの開口の位置は、互いに異なっており、換言すれば、複数の副流路15sにおける開口の中心Cの位置は、互いに異なっている。
図1〜3に示す例においては、突起部12が有する2つの副流路15sは、4つの側面14Dのうちの互いに異なる面に開口しており、副流路15sが開口している2つの側面14Dは互いに隣接している。この副流路15sが開口している側面14Dは、突起部12の尖端点Pを含まない側面14Dであって、尖端面14Tの有する辺のなかで傾斜の下側に位置する辺、すなわち、突起部12の基端に近い辺を尖端面14Tと共有する側面14Dである。換言すれば、副流路15sは、4つの側面14Dを、尖端点Pに近い2つの側面14Dと尖端点Pから遠い2つの側面14Dとに分けたとき、尖端点Pから遠い側面14Dに開口している。尖端点Pに近い側面14Dは、尖端面14Tの縁部のなかで尖端点Pを含む辺を尖端面14Tと共有する側面14Dであり、尖端点Pから遠い側面14Dは、尖端面14Tの縁部のなかで尖端点Pを含まない辺を尖端面14Tと共有する側面14Dである。
[作用]
図4を参照して、本実施形態のマイクロニードル10の作用について説明する。
図4が示すように、マイクロニードル10は、注射筒30の備える外筒31の筒先に取り付けられる。薬剤の投与に際しては、マイクロニードル10が薬剤の投与対象の皮膚に押し当てられることによって、突起部12が皮膚を刺す。そして、突起部12が皮膚を刺した状態で、押子32がマイクロニードル10に向けて押し込まれる。押子32が押し込まれることによって、外筒31に充填されている液状の薬剤lmが、突起部12の主流路15mに供給され、さらに、薬剤lmは、主流路15mから副流路15sへ流れる。そして、薬剤lmは、突起部12の側面14Dの開口から出て皮内に入る。
ここで、突起部が、従来のように突起部を貫通して突起部の先端部に開口する1つの貫通孔を有している場合や、副流路15sの数が1つである場合のように、薬剤の流出口が1つである場合には、突起部からは皮内の1箇所に集中して薬剤が放出される。一方、本実施形態では、突起部12が複数の副流路15sを有しているため、突起部12からの薬剤の流出口は複数となり、皮内の複数の箇所に分散して薬剤が放出される。この際、放出される薬剤の流れが、細胞の密に詰まった組織から大きな抵抗を受けるため、1箇所から組織内に単位時間あたりに広がる薬剤の量は、この抵抗によって制限される。この点、複数の箇所から薬剤が分散して放出される構成であれば、単位時間あたりに皮内に広がる薬剤の量を大きくすることが可能となる。
また、突起部12は、その長さ方向に沿って尖端点Pから皮膚に挿入される。そのため、従来のように突起部の長さ方向に沿った貫通孔の端部が突起部の尖端付近に開口している構成よりも、本実施形態のように、突起部12の長さ方向とは異なる方向に延びる副流路15sの端部が突起部12の周面に開口している構成の方が、穿孔の過程で薬剤の流路内に皮膚の組織が入り込みにくい。
また、従来のように突起部の長さ方向に沿った貫通孔の端部が突起部の尖端付近に開口している構成では、突起部の長さ方向に沿って薬剤が放出されることに対し、本実施形態の突起部12からは、突起部12の幅方向に沿って薬剤が放出される。突起部12が皮膚に刺さった状態において、皮内の組織は、突起部12の長さ方向よりも幅方向に広く広がっているため、従来の構成よりも、本実施形態の構成の方が、皮下への薬剤の漏れを抑えて皮内に薬剤を拡散させやすい。
このように、本実施形態のマイクロニードル10によれば、薬剤の円滑な投与が可能である。その結果、薬剤の押圧に要する力の増大や薬剤の投与に要する時間の増大が抑えられるため、薬剤の投与者や被投与者の負担が大きくなることを抑えられる。また、皮内に広がることのできる薬剤の量が制限されることに起因して薬剤が皮膚の表面や皮下に流出することが抑えられるため、薬剤が所望の位置とは異なる部位に漏れ出して皮内に投与される薬剤の量が少なくなることも抑えられる。
また、突起部12が、先端に向けて尖る錐状部14を有していることによって、皮膚に突起部12が刺さりやすい。その一方で、突起部12が、柱状部13を有しているため、突起部が錐状部14のみから構成される場合、すなわち、支持面11Sに対して傾斜した側面が支持面11Sまで延びる場合と比較して、突起部によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。特に、副流路15sは、錐状部14の側面14Dに開口し、柱状部13の側面13Dは、副流路15sの端部である開口を有していないため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高く得られる。
また、複数の副流路15sの高さHsが互いに異なるため、複数の副流路15sが、突起部12の幅方向に沿った平面上に並ぶことが抑えられる。その結果、複数の副流路15sが突起部12の幅方向に並ぶ構造、すなわち、突起部12に形成された孔が突起部12の幅方向に並ぶ構造と比較して、突起部12の長さ方向における特定の位置で突起部12の強度が極端に低くなることが抑えられる。また、支持面11Sと対向する方向から見て、複数の副流路15sが互いに異なる方向に延びているため、複数の副流路15sが、突起部12の長さ方向に並ぶことが抑えられる。その結果、複数の副流路15sが突起部12の長さ方向に並ぶ構造、すなわち、突起部12に形成された孔が突起部12の長さ方向に並ぶ構造と比較して、突起部の幅方向における特定の位置で突起部12の強度が極端に低くなることが抑えられる。したがって、皮膚への穿孔に際して突起部12が変形しにくくなるため、突起部12の長さに応じた深さまで突起部12が皮膚に刺さりやすくなる。それゆえ、皮内の所望の位置へ薬剤を的確に投与することが可能である。
また、尖端点Pが尖端面14Tの縁部に位置する構成では、突起部12が皮膚に刺さるとき、突起部12は、尖端面14Tを押圧する力、すなわち、突起部12を突起部12の中心に対して尖端点Pが位置する側に倒そうとする力を大きく受ける。したがって、副流路15sの数が2つである場合に、副流路15sが尖端点Pから遠い側面14Dのみに開口している構成であれば、副流路15sが尖端点Pに近い側面14Dに開口している構成と比較して、上記突起部12を尖端点Pが位置する側に倒そうとする力に対する突起部12の強度が高められ、これによっても、突起部12が変形しにくくなる。
[マイクロニードルの他の形態]
上述の説明においては、2つの副流路15sを有する突起部12を例示したが、副流路15sの数は2以上であれば、限定されない。図5〜図11を参照して、副流路15sの数が3つである形態、および、副流路15sの数が4つである形態について説明する。
図5(a)および(b)が示す突起部17は、3つの副流路15sを有している。3つの副流路15sの各々は、4つの側面14Dのうちの互いに異なる面に開口している。
図6が示すように、3つの副流路15sの各々の高さHsは互いに異なる。突起部17の長さ方向において、3つの副流路15sの開口の中心Cは等間隔に並んでいることが好ましい。すなわち、3つの副流路15sの高さHsのうち、中央値の高さHsは、最も大きい高さHsと最も小さい高さHsとの平均値であることが好ましい。こうした構成によれば、突起部17の長さ方向において、薬剤をより均等に分散して放出することができる。3つの副流路15sについての副流路抵抗Srの合計は、主流路抵抗Mrと等しいことが好ましく、3つの副流路15sについての副流路面積Ssの合計は、主流路面積Msと等しい、もしくは、副流路抵抗Srの合計と主流路抵抗Mrとが等しいとみなせる程度に近接していることが好ましい。
図7が示すように、支持面11Sと対向する方向から見て、3つの副流路15sは、主流路15mから互いに異なる方向に延びている。3つの副流路15sのうちの2つは、突起部12の尖端点Pを含まない側面14Dに1つずつ開口している。3つの副流路15sのうちの残りの1つは、尖端点Pを共有する2つの側面14D、すなわち、4つの側面14Dのなかで、尖端点Pに近い2つの側面14Dの境界部分を中心として、これら2つの側面14Dに跨って開口している。こうした構成においても、4つの側面14Dの各々について、1つの側面14Dに開口する副流路15sの数は1以下である。
なお、3つの副流路15sは、尖端点Pから遠い2つの側面14Dの各々と、尖端点Pに近い2つの側面14Dのいずれかとに1つずつ開口していてもよい。ただし、図5〜図7に示したように、3つの副流路15sが、尖端点Pから遠い2つの側面14Dのそれぞれの面内と、尖端点Pに近い2つの側面14Dに跨る位置とに開口している構成の方が、突起部17の幅方向において、薬剤をより均等に分散して放出することができる。
図8(a)および(b)が示す突起部18は、4つの副流路15sを有している。4つの副流路15sの各々は、4つの側面14Dのうちの互いに異なる面に開口している。
図9が示すように、4つの副流路15sの各々の高さHsは互いに異なる。突起部18の長さ方向において、4つの副流路15sの開口の中心Cは等間隔に並んでいることが好ましい。こうした構成によれば、突起部18の長さ方向において、薬剤をより均等に分散して放出することができる。4つの副流路15sについての副流路抵抗Srの合計は、主流路抵抗Mrと等しいことが好ましく、4つの副流路15sについての副流路面積Ssの合計は、主流路面積Msと等しい、もしくは、副流路抵抗Srの合計と主流路抵抗Mrとが等しいとみなせる程度に近接していることが好ましい。
図10が示すように、支持面11Sと対向する方向から見て、4つの副流路15sは、主流路15mから互いに異なる方向に延びている。4つの副流路15sは、4つの側面14Dの各々に1つずつ開口している。すなわち、4つの側面14Dの各々について、1つの側面14Dに開口する副流路15sの数は1つである。
支持面11Sと対向する方向から見て、4つの副流路15sが延びる方向は、主流路15mの周囲に等配されていることが好ましい。こうした構成によれば、突起部18の幅方向において、薬剤をより均等に分散して放出することができる。
図10が示す例では、支持面11Sと対向する方向から見て、主流路15mを挟んで位置する2つの側面14Dに開口した副流路15sにおける開口の中心Cは、主流路15mが区画する領域の中心Eを通る直線K1上に並んでいる。
これに代えて、図11が示すように、上記2つの側面14Dに開口した副流路15sの開口の中心Cは、中心Eを通る直線上に並ばないように配置されていてもよい。こうした構成によれば、支持面11Sと対向する方向から見て、副流路15sを構成する孔が1つの方向に沿って並ぶことが抑えられるため、特定の方向からの力に対する突起部12の強度の低下がより抑えられる。
以上のように、尖端点Pから遠い側面14Dに加えて、尖端点Pに近い側面14Dにも副流路15sが開口している構成であれば、突起部17の幅方向において、より広い範囲に薬剤を分散して放出することができる。したがって、より円滑に薬剤を投与することができる。
[マイクロニードルの製造方法]
上記マイクロニードル10の材料および製造方法について説明する。
突起部12,17,18を形成するための材料は特に限定されず、突起部12,17,18は、シリコンやステンレス、チタン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等の金属材料から形成されていてもよい。また、突起部12,17,18は、汎用のプラスチック、医療用のプラスチック、および、化粧品用のプラスチック等の樹脂材料から形成されていてもよい。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、アクリル、ウレタン樹脂、芳香族ポリエーテルケトン、エポキシ樹脂、および、これらの樹脂の共重合材料等が挙げられる。
基体部11の材料は特に限定されず、基体部11は、例えば、上述の突起部12,17,18の材料として例示した材料から形成されればよい。
マイクロニードル10は、基体部11と突起部12,17,18とが一体に形成された一体成形物であってもよいし、基体部11と突起部12,17,18とが各別に形成された後に接合されることによって形成されてもよいし、金属材料と樹脂材料との組み合わせにより形成されていてもよい。例えば、突起部12,17,18が金属製かつ基体部11が樹脂製であってもよいし、その逆に突起部12,17,18が樹脂製かつ基体部11が金属製であってもよい。
基体部11と突起部12,17,18とが各別に形成される場合や、マイクロニードル10が金属材料と樹脂材料との組み合わせにより形成される場合には、必要に応じて、マイクロニードル10を構成する各別の部分を密接させるためのシール剤、接着剤、ガスケット、O−リング等を組み合わせて使用してもよい。
マイクロニードル10の形成方法としては、例えば、機械加工によって、基体部11と突起部12,17,18との外形を形成した後に、主流路15mとなる孔および副流路15sとなる孔を形成する方法が用いられる。具体的には、柱体に錐体もしくは錐台が接続された形状の構造体が形成され、この構造体がその長さ方向に対して斜めに切断されることによって、柱状部13と錐状部14とから構成される突起部12,17,18の外形が形成される。
あるいは、マイクロニードル10が樹脂材料から形成される場合には、射出成形と機械加工との組み合わせによって、マイクロニードル10が形成されてもよい。例えば、射出成形によって基体部11と突起部12,17,18との外形および主流路15mとなる孔が形成された後、機械加工によって副流路15sとなる孔が形成される。
あるいは、複数の可動金型の組み合わせによって、射出成形のみを利用して、マイクロニードル10が形成されてもよい。
主流路15mや副流路15sを形成するために用いられる機械加工方法としては、例えば、レーザー加工が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)突起部が、1つの主流路15mと複数の副流路15sとを有しているため、突起部から皮内の複数の箇所に分散して薬剤が放出される。したがって、薬剤が1箇所に集中して放出されるよりも、薬剤が皮内に広がりやすい。また、副流路15sは、突起部の長さ方向とは異なる方向に延びて突起部の周面に開口しているため、穿孔の過程で副流路15s内に皮膚の組織が入り込みにくい。したがって、薬剤の円滑な投与が可能である。
(2)各副流路15sの高さHsが他の副流路15sの高さHsと互いに異なるため、複数の副流路15sが、突起部の幅方向に沿った平面上に並ぶことが抑えられる。その結果、突起部の長さ方向における特定の位置で突起部の強度が極端に低くなることが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。特に、各副流路15sが占める領域が、他の副流路15sが占める領域と突起部12の長さ方向の位置が一致する部分を含んでいない構成であれば、上記効果が高められる。
(3)支持面11Sと対向する方向から見て、各副流路15sが、他の副流路15sが主流路15mから延びる方向とは異なる方向に、主流路15mから延びているため、複数の副流路15sが突起部の長さ方向に並ぶことが抑えられる。その結果、突起部の幅方向における特定の位置で突起部の強度が極端に低くなることが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。特に、支持面11Sと対向する方向から見て、各副流路15sの占める領域が、他の副流路15sの占める領域と重なる部分を含んでいない構成であれば、上記効果が高められる。
(4)各副流路15sは他の副流路15sと異なる側面14Dに開口するため、複数の副流路15sの位置の偏りや副流路15sの数が多くなりすぎることが抑えられる。それゆえ、突起部の強度が過度に低下することが抑えられるため、皮膚への穿孔に際して突起部が変形しにくくなる。
(5)突起部が、先端に向けて尖る錐状部14を有していることによって、皮膚に突起部が刺さりやすい。その一方で、突起部が、柱状部13を有しているため、突起部によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。そして、副流路15sが錐状部14の周面に開口しているため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高く得られる。
(6)すべての副流路15sについての副流路抵抗Srの合計は、主流路抵抗Mrと等しい。そのため、主流路15mを流れる薬剤の有するエネルギーが副流路15sを流れるときに大きく損失することが抑えられる。したがって、主流路15mから副流路15sへ効率よく薬剤を流すことができる。
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・突起部の形状は、上記実施形態の形状に限られない。例えば、突起部の形状は、柱体の上面に錐体の底面が接続された立体を、その延びる方向に対して斜めに切断した形状であれば、尖端面14Tにおける最も基体部11に近い頂点は、柱体と錐体との境界よりも突起部の先端側に位置してもよいし、突起部の基端側に位置してもよい。
また例えば、突起部は、円錐や角錐を、その延びる方向に対して斜めに切断した形状を有していてもよい。図12に例示する突起部19は、四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有する。この場合、突起部19の周面は、支持面11Sから支持面11Sに対して傾斜した方向に延びる4つの側面19Dと、4つの側面19Dと繋がる尖端面19Tであって、支持面11Sに対して傾斜した尖端面19Tとから構成される。また、突起部が、円錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有している場合には、突起部の周面は、支持面11Sから延びる曲面である側面と、側面と繋がり、支持面11Sに対して傾斜した尖端面とから構成される。
また例えば、突起部は、角柱や円柱をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有していてもよいし、傾斜した尖端面を有さず、円錐形状や角錐形状のように、支持面11Sと対向する方向から見て、突起部の尖端点が突起部の中央部に位置する形状を有していてもよい。さらには、突起部の尖端面は湾曲していてもよいし、突起部の周面には溝や段差が形成されていてもよい。要は、突起部は、皮膚を刺すことの可能な形状であればよい。
突起部が、突起部の幅方向の大きさが突起部の先端から基端に向かって支持面11Sまで徐々に大きくなる形状を有する場合、突起部の基端付近における強度が高められる。一方、突起部が、突起部の幅方向の大きさが一定である部分を基端部に有する場合、幅方向の大きさが変化する場合と比較して、突起部を皮膚に刺す際の抵抗を小さく抑えられる。
・複数の副流路15sの高さHsが互いに異なる構成において、任意の副流路15sが占める領域は、他の副流路15sが占める領域と、突起部12の長さ方向の位置が重なる部分を含んでいてもよい。また、支持面11Sと対向する方向から見て、複数の副流路15sが互いに異なる方向に延びる構成において、任意の副流路15sが占める領域は、他の副流路15sが占める領域と重なる部分を含んでいてもよい。
・突起部が、突起部の周面に開口する複数の副流路15sを有していれば、副流路15sの開口の位置や副流路15sの延びる方向は限定されない。
例えば、副流路15sの数が2つである場合に、副流路15sは、尖端点Pに近い2つの側面14Dの各々に1つずつ開口していてもよいし、尖端点Pに近い側面14Dの1つと尖端点Pから遠い側面14Dとの各々に1つずつ開口していてもよい。また、副流路15sの数が3つである場合や4つである場合の開口の配置も、上記実施形態で示した配置と異なってもよい。さらに、突起部が有する側面14Dのうちの1つの側面14Dに、2以上の副流路15sが開口していてもよいし、尖端面14Tや柱状部13の側面13Dの面内、あるいは、突起部の周面を構成する面のなかで互いに隣接する面を跨ぐ位置に副流路15sが開口していてもよい。
また、複数の副流路15sは、突起部の長さ方向や幅方向に並んでいてもよい。すなわち、複数の副流路15sには、高さHsの一致する複数の副流路15sや、支持面11Sと対向する方向から見て、主流路15mから同一の方向に延びる複数の副流路15sが含まれていてもよい。
また、副流路15sは、突起部の幅方向とは異なる方向に延びていてもよく、換言すれば、支持面11Sに対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、最も支持面11Sから離れた副流路15sは、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部と同じ高さから延びていてもよい。あるいは、最も支持面11Sから離れた副流路15sが主流路15mと接続される部分において、当該副流路15sにおける突起部12の先端側の端部は、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部よりも、突起部12の先端側に位置してもよい。
突起部が、突起部の周面に開口する複数の副流路15sを有している構成であれば、上記(1)の効果は得られる。
・主流路15mおよび副流路15sの各々について、流路の延びる方向と直交する断面にて流路が区画する領域の形状は円形でなくてもよく、例えば、矩形であってもよい。また、上記断面にて主流路15mが区画する領域の形状と、上記断面にて副流路15sが区画する領域の形状とは異なってもよい。また、副流路面積Ssは副流路15sごとに異なってもよいし、すべての副流路15sについての副流路面積Ssの合計は、主流路面積Msと異なってもよい。そして、すべての副流路15sについての副流路抵抗Srの合計は、主流路抵抗Mrと異なってもよい。
・マイクロニードル10の使用形態は、注射筒30に取り付けられて用いられる形態に限られない。突起部の主流路15mへ、注射筒30とは異なる器具によって薬剤が供給されてもよい。また、薬剤の投与後に、突起部は、基体部11と分離されて、投与対象の皮内に残されてもよい。
・マイクロニードル10によって薬剤を投与される対象は、人に限らず、他の動物であってもよい。また、上述した実施形態の構成、および、変形例の構成の各々は、適宜組み合わせて実施することができる。
[実施例]
上述したマイクロニードルについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
<実施例1>
マイクロニードルの材料としてポリカーボネートを用い、射出成形によって、板状の基体部とともに、底面が正方形である四角柱の上面に接続された四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状の構造体であって、内部に主流路となる孔を有する構造体を形成した。さらに、レーザー加工によって、上記構造体に副流路となる2つの孔を形成することにより、突起部を形成した。これにより、実施例1のマイクロニードルを得た。
実施例1のマイクロニードルにおける突起部は、図1〜3に示した形状を有し、突起部の長さLtは750μmであり、柱状部の長さLcは100μmである。また、錐状部の側面の支持面に対する傾きは80°である。主流路の高さHmは600μmであり、2つの副流路の高さHsは、小さい方から順に、460μm、510μmである。主流路の延びる方向と直交する断面にて主流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は100μmである。2つの副流路のいずれについても、副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は70μmである。
<実施例2>
実施例1と同様の工程によって、副流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する実施例2のマイクロニードルを得た。
実施例2のマイクロニードルにおける突起部は、3つの副流路を有し、実施例2の突起部は、図5〜7に示した形状を有する。3つの副流路の高さHsは、小さい方から順に、350μm、430μm、510μmである。突起部の尖端点Pに近い2つの側面に跨る位置には、最も大きい高さHsを有する副流路が開口しており、支持面と対向する方向から見て、3つの副流路は、突起部の尖端点Pから遠い側面の1つから右回りに高さHsが大きくなるように配置されている。3つの副流路のいずれについても、副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は58μmである。
<実施例3>
実施例1と同様の工程によって、副流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する実施例3のマイクロニードルを得た。
実施例3のマイクロニードルにおける突起部は、4つの副流路を有し、実施例2の突起部は、図8〜10に示した形状を有する。4つの副流路の高さHsは、小さい方から順に、350μm、400μm、450μm、510μmである。突起部の尖端点Pから遠い2つの側面には、最も小さい高さHsを有する副流路と、2番目に小さい高さHsを有する副流路とが開口しており、突起部の尖端点Pに近い2つの側面には、最も大きい高さHsを有する副流路と、2番目に大きい高さHsを有する副流路とが開口している。支持面と対向する方向から見て、4つの副流路は、突起部の尖端点Pから遠い側面の1つから右回りに高さHsが大きくなるように配置されている。4つの副流路のいずれについても、副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は50μmである。
<比較例1>
実施例1と同様の工程によって、副流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する比較例1のマイクロニードルを得た。
比較例1のマイクロニードルにおける突起部には、1つの副流路が形成されており、この副流路の高さHsは、450μmである。副流路は、突起部の尖端点Pに近い2つの側面に跨る位置に開口している。副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は100μmである。
<比較例2>
実施例1と同様の工程によって、流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する比較例2のマイクロニードルを得た。
比較例2のマイクロニードルには、副流路が形成されておらず、さらに、先端側の端部が閉塞された主流路に代えて、突起部の基端から先端に向かって突起部および基体部を貫通する貫通孔が形成されている。こうした貫通孔は、実施例1の製造工程において、射出形成によって形成される構造体の内部の孔の長さを調整することによって形成される。貫通孔の延びる方向と直交する断面にて貫通孔が区画する領域の形状は円形であり、その直径は100μmである。
[液体の放出能力の評価]
副流路が形成されている実施例1〜3、および、比較例1のマイクロニードルについて、液体の放出能力の評価を行った。各マイクロニードルを、純水が充填された注射筒に取り付け、この純水を0.2MPaの力で押圧し続けて突起部の副流路から大気中に純水を放出させ、1000μLの純水の放出が完了するまでに要する時間を計測した。計測は、各実施例および比較例について、3回ずつ行った。純水の押圧は、圧力計を接続したチューブを注射筒の外筒に押子の代わりに挿入し、チューブ内に、チューブ内が0.2MPaになるようにガスを供給することにより行った。
表1は、実施例1〜3、および、比較例1のマイクロニードルについて、副流路の数と、上記純水の放出に要した時間の測定結果およびその平均値とを示す。なお、平均値は、少数第2位を四捨五入して示している。
表1が示すように、実施例1〜3、および、比較例1において、0.2MPaの圧力下で1000μLの純水の放出に要する時間は、いずれも、22秒前後であり、大きな差異はない。すなわち、実施例1〜3、および、比較例1のマイクロニードルにおける主流路および副流路は、これらのマイクロニードルがいずれも同一の圧力下において同一の量の液体を同等の時間で放出できるように構成されていることが示唆される。なお、比較例1と比較例2との流路の構成は、比較例1では流路が折れ曲がっており、比較例2では流路が一方向に延びている点で異なるものの、比較例1の流路の径と比較例2の流路の径とは等しいことから、比較例2も、大気中への純水の放出に要する時間について、比較例1と同様の結果が得られると推測される。
[薬剤の投与量の評価]
実施例1〜3、および、比較例1,2のマイクロニードルを用いて、薬剤の投与量の評価を行った。
各マイクロニードルを、薬剤として生理食塩水が充填された注射筒に取り付け、12週齢のウィスターラットから摘出した皮膚に突起部を刺した後に、0.2MPaの力で薬剤を突起部に向けて押圧した。薬剤の押圧は、圧力計を接続したチューブを注射筒の外筒に押子の代わりに挿入して、チューブ内に、チューブ内が0.2MPaになるようにガスを供給することにより行った。ウィスターラットの皮膚を観察しながら薬剤の押圧を300秒間継続し、皮内への薬剤の投与量、すなわち、皮膚の表面や皮下に漏れ出すことなく注入できた薬剤の最大量を計測した。ただし、薬剤の投与量の上限を600μLとし、投与量が600μLを超えた場合にはその時点で投与を終了した。
表2は、各実施例および比較例のマイクロニードルについて、副流路の数と、上記皮内への薬剤の投与量の計測結果とを示す。なお、比較例2のマイクロニードルを用いた試験では、摘出皮膚における薬剤を投与した面とは反対側の面からの薬剤の漏れが確認された。比較例2にあっては、薬剤の総投与量は600μLであり、皮下へ薬剤が漏れた量を概算することにより、皮内への薬剤の投与量を100μLと算出した。
表2が示すように、実施例1〜3のいずれにおいても、比較例1,2よりも多量の薬剤の投与が可能である。すなわち、複数の副流路を有する実施例では、比較例と比べて、皮内へ薬剤が広がりやすくなっており、0.2MPaの力によっては圧力が不足して薬剤の注入ができなくなることや、薬剤が皮膚の表面や皮下に流出することが抑えられ、その結果、皮内に多量の薬剤が注入できていることが示唆される。これにより、複数の副流路を有する実施例では、比較例と比べて、薬剤の円滑な投与が可能であることが示された。
また、実施例1よりも、実施例2および実施例3の方が、多量の薬剤の投与が可能である。したがって、副流路の数が3以上であり、尖端点Pから遠い側面に加えて、尖端点Pに近い側面にも副流路が開口している構成の方が、副流路の数が2つであり尖端点Pから遠い側面のみに副流路が開口している構成と比較して、薬剤の円滑な投与が可能であることが示された。
<実施例4>
実施例1と同様の工程によって、副流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する実施例4のマイクロニードルを得た。
実施例4のマイクロニードルにおける突起部には、2つの副流路が突起部の長さ方向に並ぶように形成されている。すなわち、支持面と対向する方向から見て、2つの副流路は主流路から同一の方向に延びている。2つの副流路の高さHsは、小さい方から順に、360μm、510μmである。2つの副流路は、突起部の尖端点Pに近い2つの側面に跨る位置に開口している。2つの副流路のいずれについても、副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は70μmである。
<実施例5>
実施例1と同様の工程によって、副流路の構成以外は実施例1と同様の形状を有する実施例5のマイクロニードルを得た。
実施例5のマイクロニードルにおける突起部には、3つの副流路が、高さHsが同一となるように形成されている。すなわち、3つの副流路は、突起部の幅方向に沿った平面上に並んでいる。3つの副流路の高さHsは、いずれも、400μmである。3つの副流路は、突起部の尖端点Pから遠い2つの側面の各々と突起部の尖端点Pに近い2つの側面に跨る位置とに1つずつ開口している。3つの副流路のいずれについても、副流路の延びる方向と直交する断面にて副流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は70μmである。
[突起部の強度の評価]
副流路が形成された実施例1〜5、および、比較例1のマイクロニードルについて、突起部の強度の評価を行った。
各マイクロニードルを、注射筒に取り付け、12週齢のウィスターラットから摘出した皮膚に突起部を刺した後に、マイクロニードルを皮膚から引き抜いた。皮膚への穿孔の前後について、各マイクロニードルを実体顕微鏡で観察し、形状の変化の有無を確認した。
図13は、実施例1〜5、および、比較例1のマイクロニードルについて、副流路の数、穿孔前および穿孔後の突起部を撮影した画像、および、突起部の変形の有無の評価結果を示す。
図13が示すように、比較例は実施例に比べて突起部の変形が大きい。すなわち、すべての副流路面積Ssの合計が同等であるときに、副流路の数が1つである構成よりも、副流路の数が複数である構成の方が突起部の強度が高められることが示唆される。
また、実施例のなかでは、実施例1〜3では突起部の変形が認められないことに対し、実施例4,5では突起部の変形が確認された。すなわち、複数の副流路が、突起部の長さ方向や幅方向に並んでいない構成の方が、突起部の強度が高く、穿孔に際して突起部が変形しにくいことが示された。
10…マイクロニードル、11…基体部、11S…支持面、12,17,18,19…突起部、13…柱状部、13D…側面、14…錐状部、14D…側面、14T…尖端面、15m…主流路、15s…副流路、16…段差部、30…注射筒、31…外筒、32…押子、P…尖端点。

Claims (6)

  1. 支持面を有する基体部と、
    前記支持面から突き出た突起部と、を備え、
    前記突起部は、前記突起部の内部において前記突起部の基端から先端に向けて延びる1つの主流路と、前記主流路から前記突起部の周面に向けて延びて前記周面に開口する複数の副流路とを有し、
    前記主流路における当該主流路の延びる方向の両端部のうち、前記突起部の基端側の端部は前記支持面を貫通する開口端であり、前記突起部の先端側の端部は閉塞されている
    マイクロニードル。
  2. 前記副流路の前記開口が区画する領域の重心から前記支持面までの前記支持面と直交する方向に沿った長さが、当該副流路の高さであり、
    各副流路における前記高さは他の前記副流路における前記高さと互いに異なる
    請求項1に記載のマイクロニードル。
  3. 前記支持面と対向する方向から見て、各副流路は、他の前記副流路が前記主流路から延びる方向とは異なる方向に、前記主流路から延びている
    請求項1または2に記載のマイクロニードル。
  4. 前記突起部の周面は、前記支持面に対して傾斜した尖端面と、前記尖端面に繋がる複数の側面とを含み、
    各副流路は他の前記副流路と異なる前記側面に開口する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  5. 前記突起部は、前記支持面から延びる柱体形状を有する柱状部と、前記柱状部の頂部から延びて前記突起部の先端に向かって尖る錐状部とを有し、
    前記副流路は前記錐状部の周面に開口している
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  6. 前記主流路内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が主流路抵抗であり、
    前記副流路内を流れる流体が単位長さあたりにおいて受ける抵抗が副流路抵抗であり、
    すべての前記副流路についての前記副流路抵抗の合計は、前記主流路抵抗と等しい
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
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